2週分を一本にまとめて更新
先週と今週のU世
虚言の口がテリーの身体を押し潰そうとしたまさにその瞬間、間一髪で膝を割り込ませてその下降を食い止めたキン肉マン
バカ正直を貫いて完全グロッキーとなった相棒を、尊敬の念と渾身の力を込めて引っ張り出す
「テリー・・・嘘をつけば死ぬ思いをしなくて済むってのに・・・
お前って男はよほどのバカだな。流石は私の相棒だけのことはある」
「ひん曲がった精神で生きるくらいなら・・・最後まで正直を貫いて死んだほうがマシさ」
させまいとするボミングスに屁をひっかけ、見事に救出成功。ピンチを脱したマシンガンズに会場は沸きあがります
「足りないところがあれば補い合うのがタッグチーム!
なのに俺はどっちがNo1だNo2だとか・・・つまらぬ序列にこだわって」
父はキン肉マンを盛り立て、キン肉マンは父を守る。マシンガンズの友情に涙を流して感動するキッド
「No2に甘んじていた父への不満」は、このシリーズにおけるキッドの行動理念の大元となる感情でしたが
そのわだかまりいきなり消化かよ!
ここでコレ済ませてしまうと、五大厄との戦いではもうロクな魅せ場が残ってないような気が。扱いおざなりだなぁ
「おかげでたっぷりと休ませてもらった!今度はお前が休んでろ!」
意識朦朧としたテリーをロープの外で休ませ、単身ボミングスへと特攻するキン肉マン
鬼気迫る形相で嵐のような逆水平をモアイドンに叩き込むと、その雄姿に思わず万太郎が感嘆の声をあげる
「これが超人オリンピックV2チャンプ・・・
20世紀最高の超人と呼ばれた父上の全盛期バリバリのファイトか!
お世辞にも洗練された技とは言えないけど・・・」
しかし21世紀の超人にはない
魂と情熱溢れる火の玉ファイトだ!」
三振しても絵になった長嶋茂雄のように。荒削りで大味でも、情熱溢れるヒーローの戦いは人々を魅了してやまない
ヨボヨボの父しか知らない万太郎にとって、若きスグルの戦いぶりは思っていた以上に輝かしく、そして誇らしく見えるのであった
でもって、窮地を脱するため左腕で渾身のラリアットを繰り出しちゃうスグル
巻いていたテリーのバンダナが落ち、縫合が破れて再び露となった手術痕がグロい
マジ骨なし。この腕でラリアットくらったって痛くねえよな
水芸・セントへレンズ大噴火ー!ケケケーッ
派手に流血して窮地に立たされるキン肉マンを、ボミングスの情け容赦のない連携が攻め立てる
ズル〜マ〜スズル〜マ〜ス
コイツ俺を笑い殺す気か。都合3つ目となる変な呪文出しました。なんぼあんねん
かくしてテリー同様、正義超人処刑法「虚言の口」に捕らわれてしまうキン肉マン。モアイドンの面白質問タイムが始まります
「第1の質問。父・真弓が選んでくれたそのキン肉マスク・・・
デザインがブ男すぎて迷惑している」
第1問はその不細工マスクをおちょくりにきました。「ハンバーガー好きか?」よりはまぁマシな質問でしょうか
「わっはっは。アホな質問を晒すな!そのマスクは産まれたばかりの愛息スグルのために
ワシが数百軒のマスク屋を巡ってようやく選んだもんなんじゃぞ。NOに決まっておるじゃろ」
自分が息子のために選びに選んだマスク。それを気に入っていないワケがない、とモアイドンの質問を笑い飛ばす大王
でもスグルのマスクって大王が選んだんじゃないんですけどね
大王本人もはっきりブタの面って言ってるし!どのツラ下げて「ワシが選びに選んだ」なんて言えるんだコノヤロー
当然ながらキン肉マンの答は・・・・
「ご、ゴメンよパパ・・・真実を言わないと正義超人のアンデンティティーを失ってしまう・・・
パパが足を棒にして選んでくれたマスクだけど・・・
地球のみんなには評判が悪くていつもブタブタってバカにされてた
だから私はキン肉星に帰るたび、お忍びでマスク屋をめぐりカッコイイマスクを眺めていた
答はYESだ!」ギギゴゴゴゴ
今更気付く事かと。スグルも万太郎もアホなのは真弓の血のせいに違いない
「第2問。お前は18歳まで寝小便を垂れていた」
「YES!」ギギゴゴゴゴ
キン肉マンのキャラクターからして割とどうでもいい2問目が終了し、3問目になったところでボミングス動く
「お前は21世紀からタイムスリップしてきた正義超人と言い張る
ニュージェネレーションと名乗る連中を信用していない」
処刑対象のキン肉マンではなく、観客席の新世代超人達に対して心理攻撃を仕掛けてきました
この試合でマシンガンズを破れば、トーナメント表で当たるのはマッスルブラザーズ・ヌーヴォー
マシンガンズはもう倒したものと見なし、次の試合を見越した上での仕掛けという事でしょうか。策士です
「当たり前じゃ!やつらが現れなかったらアリサさんは傷つかずに済んだし
この仕切り直しのタッグトーナメントもなかった!
私は連中を時間超人の一味と思っておる!YESだ!」
「モアモア。聞いたかニュージェネレーションよ。これがキン肉マンの本音よ」
ギギゴゴゴゴゴ・・・
「ち、父上・・・僕達は本当に人類の平和を願ってタイムスリップしてきたのに・・・」
「虚言の口」が示したキン肉マンの本音。彼が新世代超人を敵視しているのが心底本心である事が判明
危険を冒して34年もの時を超えてきたというのに、あまりにも冷たい父の言葉に万太郎は打ちひしがれます
「では最後の質問だ。キン肉マンよ、お前はそのニュージェネレーションの中でも
自分の息子を名乗るキン肉万太郎が最も憎い!」
「・・・・ッ!」
新世代超人への揺さぶり攻撃が効いていると判断したモアイドン。ここで万太郎の心を潰しに出ました
息子と認めてもらないばかりか、「最も憎い」とまで言われてしまっては闘うモチベーションを著しく損なうハズ
この質問に対してスグルの答は・・・・
「もちろんYESだ!
伝統と格式ある我がキン肉王家の後継を名乗るとは不届き千万!
顔も似てない パワーもない 技もキレない
そんなやつを息子と認められるか〜っ!
時間超人よりも今すぐヤツを成敗してやりたいわ!」
予想通りの答どころか、あまつさえ「時間超人よりも先に成敗したい」とまで言っちゃうスグル
さしもの万太郎も父のこの言葉にはショックを受けたらしく、両手で頭を抱えて泣き叫びます
キン肉マンを処刑し、次の試合の相手である万太郎にも精神的ダメージを与えるという、ボミングスにとっては理想的展開
「モアモア!よくぞ真実を貫き通したキン肉マンよ。だがこの処刑法においては愚の骨頂
これでお終いだ・・・・・・な、なにィ!」
しかし勝利を確信したモアイドンがキン肉マンを押し潰そうとした、その時だった。”虚言の口”に変化が起きた!
ガガガがガガガガガ・・・・・!
開き始めた虚言の口!
ならばスグルの最後の答は・・・「嘘」!
バカオヤジでもやはり血の絆を本能的に感じていたのか。果たしてキン肉マンの本音は如何に?次号へ続く!
すごいね、人体
「”虚言の口”は対象になった超人が頭に思い描いた考えを答えたつもりでも
その心の奥底の潜在的な本音を感知し、反応すると言われています!」
「だってさ万太郎!あんなに悪態をつき罵詈雑言を浴びせてたのに・・・
やはり心の奥底ではあんたのことを認めていたんだよ!」
「わ、私は嘘は言っておらんぞ!全ての災いの元であるキン肉万太郎は憎むべき相手!
断じて息子などとは認めていない!」
必死に首を振るキン肉マンだが虚言の口の解放は止まらない。ついに白日の下に晒された、”潜在的本音”
先週、父の冷たい言葉にショックを受けむせび泣いていた万太郎でしたが、その涙もうれし涙に変わります
「ええい!キン肉マンの言ってることが嘘であろうが真実であろうがどうでもいい!
オルテガ!」
「むむ!ドッフィー!ドッフィーキ!」
完全に開いてしまった虚言の口。これはイカンと思ったボミングスは、処刑法にこだわることなく一気にトドメに出ます
激しく意味不明な掛け声とともにジャンプするオルテガがイカスぜ。ドッフィーキ
モアイフェイスの上顎をオルテガが上から思いっきり踏みつけ、開いた口を再び強引に閉じるツープラトン
口が開いたんだからすぐさま逃げればいいんですが、スグルは「私は嘘は言っておらんぞー!」と目を瞑って喚くばかり
だがそんなパニック状態にあるキン肉マンを正気に引き戻したのは、やはり「全ての災いの元」である彼の声だった
「父上ーっ!気をつけて!油断するなーっ!
上だぁ〜〜〜っ!!」
万太郎のアドバイスで状況を察したキン肉マンは迅速に虚言の口から脱出
時を超えた父子の連携。これは盛り上がるいい場面です・・・って、逃げ遅れて左腕挟まれた!
「ぐくっ!左手が!」
なんとも締まらん。せっかく「息子のアドバイスでピンチを脱する」というナイスなシーンだったのに
ここは普通に脱出成功して反撃に転じたほうがスムーズな流れだよなぁ
挟まれた腕をなんとか引き抜こうと渾身の力を込めるキン肉マンだが、虚言の口はビクともしない
思いっきり噴射した血をモロ顔面に浴びて悲鳴を上げる様がなんかマヌケです。おわーって
「ドフィドフィ。一度虚言の口に挟まれたら二度と逃れられやしねえ!」
「モアモア。キン肉マンよ、お前ニュージェネレーションは信じねえと言ってたクセに
やはり万太郎のことがカワイくてカワイくてしょうがなかったようだな?」
「そら言ってみろよ!私は息子の万太郎がカワイくて仕方ありませんってな!」
ネチネチと言葉で攻め立てながら、動けないキン肉マンに蹴りをブチ込むオルテガ。女子中学生のイジメか
「わ、私は・・・う・・・嘘は・・・言っておらん・・・」
肉体的ダメージと精神的ショック両面から攻めたてられたスグル。流石に心が折れたのか、白目を剥いてダウンしかけます
が、そんなスグルの耳に再び彼を呼び戻す声が。今度は息子万太郎ではなく、かけがえない相棒・テリーマンのものだった
「キン肉マン!おまえそのまま倒れてしまっては奇跡の逆転ファイターの名がすたるぜ!
マシンガンズの灯は消さないなんてでかい口を叩いたのはお前だろうがーっ!
転ぶたび、傷つくたび強くなっていくのが
キン肉マンお前の真骨頂だろうがーっ!」
「こ、転ぶたび、傷つくたび・・・わ、私は強くなっていく・・・!」
愛する友の眼差しが
傷つく度 倒れる度
俺を強くする
炎のキン肉マンキター!
ルール破りの悪の超人!さあお遊びはここまでだ!
相棒の言葉で瞳に力が戻ったスグルは、骨のない左腕に再び渾身の力を込め始める
「モアモア!テリーよお前が煽るもんだからこの嘘つきがまた無駄な抵抗を始めたぜ!
モアモアやめろやめろ!モアモア・・・・モ・・・モア!?」
「バカな!骨のない左腕で・・・モアイドンの巨体を持ち上げていく!?」
驚愕のボミングス。なんとキン肉マン骨無しプラプラ左腕でモアイドンをリフトアップしたではないか
「理論上在り得ないから!」というオルテガと読者のツッコミも次のページで吹き飛びます
「ドフィ〜っ!ま、まさかキン肉マンの左腕に・・・・
ほ、骨がぁ〜〜〜っ!?」
凄いね。人体
流石超人の肉体には人間の常識など通用しません。無の状態から骨を生み出しました
ラスト5秒の逆転ファイター、人智を超えたパワーで反撃開始!うーむこっから先のボミングスはいいトコなしで終わりだな
炸裂!問答無用のゆで理論
場内騒然。キン肉マンの骨無し左腕の手術跡の下に見えるのは、見紛うことなき純白の骨だった
なくなった骨を無から再生するというトンでも現象に解説を入れたのは、なんとミートではなく万太郎
「あぁ〜っわかったぞ!あれは加圧トレーニングだ!」
「エエ〜っ何加圧トレーニングって〜っ」
「この時代にはまだない、21世紀の筋肉増大の為のトレーニング法で・・・
腕や脚の付け根を適度に血流制限した状態で運動すると成長ホルモンの分泌が促進され
軽い運動量でもハードな運動をしたかのような驚異的な筋肉の増大を得られるんだ」
「そうか〜っ!あの左腕に縛りつけられたバンダナが血流制限のベルト代わりに
そして虚言の口から腕を抜こうとする行為が強大な負荷運動となり
知らず知らずに加圧トレーニングをしていた事になるのか!」
言ってることおかしいぞ万太郎。自分でも加圧トレーニングは筋肉増強トレーニングって理解してるじゃないか
なくなった骨を無から再生した現象に対して使う解説じゃないだろ・・・ってまだ台詞に続きあった!
「普通の人間にとってさえ抜群な効果のある加圧トレーニング・・・超人である父上にとっては
なくなった骨が再生するほどの効果があったんだーっ!」
ゆで理論には誰もかなわない
筋トレと骨の再生ってまったくもって別モノなんですけど。「超人だから骨まで再生するよ!凄い!」で済ませてしまいました
ぶっちゃけコレ、重要なのは「超人だから」の部分であって加圧トレーニングあんま関係ないよね
「バ・・・バカな!なくなった骨が再生するなんて!」
「バカな事を可能にする!それが火事場のクソ力だ〜っ!」
モアイドンの巨体を頭上に持ち上げ、脳天からキャンバスに叩きつけると傷口まで閉じてしまう始末
”奇跡の逆転ファイター”反撃開始。もうこうなるとボミングスに勝ち目はおろか魅せ場さえありません
「じょ・・・常勝タッグチームなんて在り得ねえ!」
「沈まぬ太陽マシンガンズは今日沈み、惨めにキャンバスをなめるんだぁ〜っ!」
予想通りあからさまな負け台詞を吐き始めたボミングス。なんという気の毒さでしょうか
ニセ阿修羅火玉弾こと必殺ツープラトン「贖罪の千枚通し」で流れを取り戻そうとしますが、
テリーのロープを使用した「一人千枚通し」の前にあえなく粉砕されていまいます。もうどうしようもねえー!
「一度くらった技は二度とくらわねえ・・・
それがわがテリー一族の家訓だぁーっ!」
よく言えるなオマエ
ジェットローラーシーソーなんてシーソーから降りるだけで防げた技なのに何発くらってた事か
「マッスル・ラリアットーッ!!」
キン肉マンが癒えたばかりの左腕で渾身のラリアットを見舞うと、ヒキガエルのごと十数mも吹き飛ばされるオルテガ
宇宙超人タッグ決勝でネプチューンマンに見舞った、あのロングホーンボンバーと比べても遜色ないような威力です
「すげえ〜っ!以前より左腕のパワーが増している!」
骨超回復した!
無から生み出される場合も超回復と呼ぶのかは知りませんが、ニューボーンは以前より強度・パワーともに上がってるみたい
弱点どころかパワーアップまでしてしまったキン肉マンの左腕。勝ち目のなくなったボミングスにはさっさと退場願いましょう
マッスル・ドッキングー!
というワケで2回戦Aブロック第1試合は次号決着!第2試合の万太郎VSラーメンマンの師弟対決が今から楽しみだぜ
父の本心
ついに抜かれたマシンガンズ伝家の宝刀。ツープラトンの芸術と称される珠玉の合体技・マッスルドッキング!
一回戦でこの技を試みたものの、あまりの難易度にあえなく失敗してしまった万太郎達は食い入るように凝視します
『超ウルトラCと呼ばれるこの難技・・・ふたりはどうやって完成させるんだ!?』
するとどうだ。まずはモアイドンをキン肉ドライバーに捉えたテリーが、チラリと上空のキン肉マンにアイコンタクトを
『キン肉マン!こいつ重過ぎるぜ・・・リング中央への着地は無理そうだ
少し角度を変えてもらえるか?』
『それでは4度修正・・・侵入スピードもそれに伴い修正』
『OKそれで大丈夫だ!頼む!』
「か・・・会話している!声には出さず互いの呼吸だけで気配を感じ・・・
心の声で会話している!」
まさに阿吽の呼吸。以心伝心とはこの事か。マシンガンズの強さの本質とは、個々の実力の高さではない
タッグにおいて最も重要なパートナーとの連携力。それこそがマシンガンズの強さなのである
炸裂!マッスルドッキング!
なぜかテリー超カメラ目線。普通は下なり上なりを向くと思うんだが・・・なんで真正面やねん
かくして必殺のマッスルドッキングを浴びたボミングス。オルテガ、モアイドンともその時点で瀕死のダメージですが
更にそのままアンデスリングから落下。地表に叩きつけられます。ひでえ
「す・・・すごいこれが・・・マッスルドッキングの破壊力・・・モガハァ!」
全身を突き抜けるマッスルドッキングの威力に感嘆して絶命するモアイドン
落下の衝撃も相当なモンだと思いますが、あくまでも「マッスルドッキングがすげえ」って事でしょう
カンカンカンカンカンカン!!
ここで打ち鳴らされるゴングの音。キン肉マンの左腕が骨無しの判明した時はどうなるかと思いましたが、終ってみれば王者の貫禄
最後は土俵の真ん中で上手投げを決めるかのような横綱相撲で、見事マシンガンズが準決勝一番乗りを決めました
「左腕の骨をバッファローマンに返すことを予見し・・・徹底した左腕攻撃に絞る
ここまではボミングスの作戦通りだったが・・・まさかな
スカスカだった左腕に骨が再生するなんて誰が想像できるか
キン肉マンよ。お前の火事場のクソ力はまだまだ進化を続けてるんだなァ
グフフフ・・・ますます倒し甲斐があるってもんだぜ〜っ」
全国読者の代弁のようなツッコミを入れつつも、打倒マシンガンズに不適な笑みを浮かべるネプチューンマン
セイちゃんが一心不乱に喰らう生魚をバキャって何の意味もなく蹴飛ばします
なにをするだァーッ!許さん!
「父上!ナイスファイト!」
しばらくして勝者・マシンガンズもアンデスリングを降りて地上へ帰還。喜び勇んで父の元へと駆け寄る万太郎でしたが・・・
「何度も言っておるだろう悪行超人め!私はお前を息子などと認めておらん!」
やはりスグルの反応は万太郎=敵。虚言の口の反応は深層心理に対する物だからして、凝り固まった猜疑心は拭えません
「第一まともにマッスルドッキングもできないやつが私の息子のワケがない!
私とテリーのドッキングを見たろう!あれこそ一流の正義超人同士だから可能なチームプレイだ!
私は今でもお前が全ての禍いの元凶だと思っている。だからお前が心底憎い!」
ようやく解り合えたと思った父から再び突きつけられた、あまりにも冷たい拒絶
これ以上は何をどう答えても無駄と判断した万太郎は、ガックリと肩を落としてその場を後にします。可哀想ね
「わ、わかったよ・・・二度とあんたの事は父上と呼ばない。行こうグレートV」
しかしその時。トボトボと力ない足取りで控え室へと戻る万太郎の背中に、思いもかけない言葉がキン肉マンから浴びせられた
「”敵を測るは目に在り同志を察するはヘソに在り”だ!
これがツープラトンの基本だ!」
『キン肉マンおまえ』
スグルが思わず投げかけたのは憎しみの言葉ではなく、ツープラトンアタックに関するアドバイスだった
万太郎は振り返らない。だがその背中は、たしかにその言葉をしっかりと受け止めていた
父の”本心”を背中に感じ、万太郎は2000万パワーズとの決戦に挑む
次号へ続く!
暴走、国辱コンビ
「えっと”最後”って感じはどんな字だっけ・・・あ、思い出した!」
「ったく。また正義超人の誰かにファンレターでも書いてるのかカオス
大事な試合前にファンレター書きなんてやめろ!」
冒頭、2000万パワーズとの対戦を控えたマッスルブラザーズ・ヌーヴォーの控え室
なにやら真剣な面持ちで机に向かい、筆を走らせるカオス。万太郎がやめさせようとすると、珍しく強い眼差しでこれを拒否します
よもや試合前にパートナー同士で喧嘩というワケにもいかず、ここは万太郎が折れるカタチに。一体化オスは何を書いているのか
その頃、田園コロシアムの廊下をトボトボと力なく歩く2人の男あり。何故コイツらが今頃ここにいるのかわかりませんが
一昨日、VS時間超人のリザーバー立候補でそのヘタレっぷりを晒した国辱コンビビッグボンバーズです
「カナディアンマン、なにをグズグズしてるんだ?長居は無用だ。それぞれの故郷へ帰ろうぜ」
「ス・・・スペシャルマン、悪いが空港へは一人で行ってくれ・・・オ・・・オレは
富士山の樹海で炭焼きでもやりながら隠遁生活を送ることに決めたよ」
「な・・・なにィ〜!?」
久々の登場にも関わらずのっけから爆笑させてくれるカナディアンマン。流石のダメ野郎ぶりです
「先の宇宙超人タッグで悪魔超人コンビに出場権を強奪された時は
故郷で国辱、恥知らずと人々から罵られ、経営しているジムまで破壊された
今回のリザーブマッチはその汚名をそそぐ最高のチャンスだったのに・・・
土壇場でビビってしまい、テガタナーズにその権利を譲ってしまうという最悪の醜態を演じてしまった
こ・・・今度故郷に帰ったらどんな目に遭うか〜っ!」
帰国してからの非難・罵倒を恐れて、富士の樹海で隠遁するなどとぬかすカナディアンマンマジ最高
しかし運命とはなんと不思議なものなのか。丁度その時、2人が立ち止まったのはヌーヴォーの控え室前
偶然扉の向こうから聞こえてきたミートと万太郎の会話が、ドン底に沈むヘタレ野郎の耳に入ってしまうのでした
「なぁミート、どう思う?本当にカオスは超人大全に記されてる間隙の救世主なのかな?」
「・・・確かに一回戦の戦いぶりを見ても
高い運動能力とスタミナ、パワーを持ち合わせていることは認めますが・・・
それもあくまで普通の人間と比べれば秀でているだけであって、とても間隙の救世主とは
グレートVの正体・・・カオスは紛れもなき”人間”でしょう
・・・しかし何故今そんなことを?彼をパートナーに決めたのは万太郎さん自信でしょう」
「その通りだな。人間であるカオスをこんな凄惨な戦いに巻き込んだのは僕なんだよね」
「・・・・万太郎さん」
殺されてもおかしくない強敵・2000万パワーズとの戦いを前に、”人間”である相棒の身を案じる万太郎にはなにやら決意の表情
さしずめ「勝つにしろ負けるにしろ、カオスだけは無事にリングから降ろしてやろう」といったところでしょうか。万太郎カッコイイぞ
久々に主人公らしい万太郎が見れそうな熱い展開ではありますが、その時扉の向こうでは・・・・
「き、聞いたかスペシャル」
「あぁ、今確かに・・・グレートVは人間だと」
聞いてしまった真実。グレートVの正体は人間。タダでさえどっかおかしい思考のヘタレ王
人生ドン底のこの状況でこんな極秘情報を聞かされてみなさいな。まさにキチガイに刃物状態
「よし・・・行くぞ」
「?行くってどこへだ?」
「かつて悪魔騎士との戦いにおいて、人間であったジェロニモが瀕死の目に遭って以来
超人レスリング規定には厳格な新ルールが追加された
もし人間が超人を騙りリングに上がった場合には
理由の如何を問わず即座に失格処分にする、と」
やる気です。このヘタレ王はやる気です。反面、無害そのものといった感じのスペシャルマンの反応がプリティ
「その通りだ。だがもう我々には関係のない話・・・聞かなかった事にしようじゃないか」
「バカがー!これは俺達ビッグボンバーズにとって捲土重来の最後のチャンスなんだぞ!」
「負け犬の俺達には関係のない話だ」と事実を胸にしまおうとスペシャルマン。それを「バカ」と怒鳴りつけるヘタレ王
「”キン肉マングレートVは人間なり”この情報を委員長にチクれば
ヌーヴォーは即座に失格・・・1チーム空きが出る!」
まさに国辱!たまらん
この私欲に歪んだ醜悪な笑みときたら!お前そんなんだからジム壊されるんだよ
呆気に取られるスペシャルマンの手を強引に引っ張り、運営事務局へ向かって猛ダッシュするヘタレ王
「行くぜーっ!」
ダァ!って擬音から真剣さが伝わってきて笑える。こんな時だけアクティブだなんて本当に救えない男だ
超人として不適!しかしネタとして素敵!
カナディアンマン、グレートVの正体をチクりに走る!
「カオスあんちゃん、いよいよ2回戦だね!頑張って!」
試合開始直前の控え室を訪れてくれたのはガキんちょハウスの面々。カオスは思わず弟達を強く抱き締めます
まるで今生の別れのように
「い、痛いよカオスあんちゃん〜」
「・・・・シスター、この手紙を・・・」
弟達との抱擁を終え、パワーをもらったカオスは一通の手紙をシスターに渡す。あの手紙はシスターに宛てた物だったのだ
「さあ行くぞカオス!」
「ッシャア〜ッ!!!」
一際大きい気合を入れ、選手入場通路へと向かうカオス。なにやら悪い予感がしたシスターはすぐに手紙を開いてみます
『シスターへ。これはあなたへ書く最初で最後の手紙かもしれません』
出だしの1文で目を見開き、次いでボロボロと涙をこぼすシスター。そう、カオスが必死になって書いた手紙の内容とは・・・
ワチキはけっして1人じゃないということがわかりました
もう死ぬのもこわくありません。もしもワチキがいなくなったら
超人コレクションはハウスのみんなと川崎くんに分けてあげて下さい
遺書。超人レスリングのリングに人間が上がるということは、それだけの危険性を秘めているのである
というか形見分けを川崎くんに!お前やっぱ川崎くんと仲直りしたかったのか!
個人的に最高にツボったことは言うまでもない。川崎くんの応援で危機を脱したりしたら燃える展開だな
ここでお別れです
シスターの手ごねハンバーグの味は忘れません
今まで実の子供のように育ててくれてありがとうございました
シスター愛しています。カオスより
万太郎がカオスを生還させようと決意したように。カオスもまたリング上で死ぬことも辞さぬ決意をしたのだった
まさに決戦へと挑む男の気構え!万太郎もカオスもどっちもカッコイイぜ!
「カ、カオス〜ッッ!!」
その背中に愛する母の声を受け、いざカオス決死のリングへ!そしてやはり気になるヘタレ王の暗躍!
燃え展開とネタ、両方楽しみな次号へ続く!コイツは見逃せない!
ウィリアム・テルカナディアンマン
「グレートVが人間だということがわかれば俺達に再び捲土重来のチャンスが・・・
机に当たるように慎重に狙えよ、カナディアンマン」
「あ・・・ああ」
なんで矢文やねん
冒頭からいきなり笑わせてくれるぜ。「グレートVは人間なり」の密告を矢文によって敢行しようとするビッグボンバーズ
前回は人畜無害な反応を見せていたスペシャルマンも所詮はヘタレの片割れ。もうすっかり黒く染まってます
「は・・・発射!」
ブルブル震える照準で放った矢は、見事委員長の後頭部に命中
ゆで御大スゲエよ!
ビッグボンバーズにはもう笑いの神が降りてるとしか思えません
必死こいて逃げるヘタレコンビでしたが、その後姿をバッチリ委員長に目撃されてしまいました。ダメすぎる
「ったくイタズラしおってからに・・・・ん?なんじゃこりゃ?」
頭に突き刺さった矢を引き抜いた委員長は、そこに結ばれた手紙を発見。ついに密告書がその目に晒されてしまいます
【グレートVの正体は人間なり
速やかに失格処分とし、新たなリザーブマッチ開催を望む】
「だ、誰がこんな手紙を!?」
「フフフ・・・大体見当はついておる。ある正義超人コンビよ」
謎の密告書に狼狽する委員長の腹心。しかし委員長はさっきバッチリ目撃した後姿で、密告者が誰か気付いたようです
「ムム・・・真実かどうかはともかくこんな姑息なやり方で密告するとは
正義超人の風上にもおけないやつらですな」
内容の真偽はともかく、密告者の姑息さ加減に怒りを覚える腹心。そう、これがヘタレコンビが矢文を使った理由
リザーブマッチであんな醜態を晒した自分達が、例えルール上の不正とは言え、それを密告してまで甘い汁をすすろうとする・・・
どう考えても恥の上塗りです
ゆえにビッグボンバーズは密告者が自分達であることを伏せねばならなかったのだ
「ウム。まさに恥知らずとはこのこと
大会終了後、このチームへの制裁処置も考えねばいかんな」
珍しく妥当な裁きを下す委員長燃え
哀れなるかな。汚名返上の為、ヌーヴォーを蹴落とそうとしたヘタレコンビでしたが、人を呪わば穴二つ
捲土重来どころか、ビッグボンバーズの明日は永遠に閉ざされてしまいました
もう2人で富士の樹海で炭焼いてろよ
「しかし委員長、密告の内容が真実であれば如何いたしましょう?」
「ウム・・・今から再リザーブマッチ開催など時間と予算の無駄・・・さりとてジェロニモの例がある
ここで再び人間を危険な目に遭わせたとなれば、超人委員会の運営姿勢が糾弾されかねん
そうか!次の試合を苛酷なデスマッチルールにすればいいんじゃ!
もしグレートVの正体が人間であれば、きっと臆して逃げ出すに違いない
その時点でマッスルブラザーズ・ヌーヴォーは失格負けじゃ」
「なるほど妙案!それならば人間を試合に出場させた事実そのものも抹消できますな」
ヘタレコンビの密告を受けながらも、大会のスムーズな運営を優先させた委員長。敢えてDrチェックなどは行わず
「人間だったら死んじゃうような試合」を用意することで、ヌーヴォーの反応を見るみたい
棄権したならグレートの正体は人間。試合を敢行したなら、正体は超人だろうといういい加減な裁判です
その頃、選手入場を直後に控えて入口付近で待機する両チームの面々
萎縮しまくるヌーヴォーを相手に、バッファローマンは膝で頭蓋を割るポーズ
モンゴルマンは定番の首をかっきるジェスチャーで2人を威圧
もはやこの時点で既にカオスはガクガクブルブルですが・・・
ガシャアアアアアアアアン!
リングには有刺鉄線と金網がセット完了。委員長が用意したのは有刺鉄線金網デスマッチなのか?否!!
リングの四方に設置されたガスバーナーから噴出される物凄い炎!
瞬く間に鉄線と金網は熱伝導で真っ赤に白熱します。うへえー
「中世ヨーロッパ、魔女裁判で魔女と判定された女達は・・・
即座に法廷で火炙りになる恐怖の裁判があったと言う
そこから準え、この戦いを
バーニングコートケージ・デスマッチ(火刑法廷)とする!」
これがドS親父、ハラボテマッスル渾身の残酷デスマッチだ!
グレートVの正体を裁く為の仕様であることも魔女裁判と酷似していて、なかなかシャレが効いてます
『まずはマッスルブラザーズ・ヌーヴォーの入場です!』
アナウンサーの声が会場に響き渡り、まずは我等がヌーヴォーからの入場。日の丸マントの万太郎が凛々しいぞ
一回戦でのファイトがファンの間でも認知されたのか、盛り上がりと声援も上々。気持ちのよい入場となりました
しかし万太郎の後に現れるハズのグレートの姿が見えない。やはりカオスは恐れをなして逃げてしまったのか?
「やはりビッグボンバーズのタレコミは事実じゃったか〜っ
よくもワシらを騙しおって!今すぐ失格にしてくれるわ!」
「恥じる事はありませんよカオス。死を選ぶことは私が許しません!
あなたは超人レスリングが大好きな元の青年に戻っただけよ!」
怒り狂う委員長と、安堵の溜息をつくシスター。マッスルブラザーズヌーヴォーはルール違反により失格に・・・・
いやさその時!万太郎とお揃いの日の丸マントをたなびかせ、颯爽と入場する一陣の黒い風!
「待たせたな万太郎!見ててくれ〜っ
恐れを乗り越え覚悟を決めた男の戦いを!」
人間が逃げると誰が決めた!決意のカオス堂々見参!次号へ続く!
ヌターッ!ヌターッ!
「やめてちょうだいカオス!息子のようにカワイイあなたを危険な目に遭わせるわけには!」
「シスター・・・恐れおののいてばかりいる者はただの弱者。しかし
恐れを知って尚もそれを恐れざる者は真の勇者
21世紀からやってきた超人達がワチキを必要としているんです
ワチキはもう泣き虫毛虫のカオスじゃない。たくさんの仲間に支えられたファイター!
見ていてシスター!ワチキの必死のファイトを!」
苛酷なデスマッチに挑む息子をなんとか止めようとするシスターだが、戦士としての決意に目覚めたカオスは力強くこれを拒否
自分を必要としてくれた万太郎達、そして支えてくれた一等マスク達の思いに応える為、花道を颯爽と駆け抜けます
『176cm83kgキン肉万太郎〜ッ!188cm94kgキン肉マングレートV〜!』
泣く子も更に泣く恐怖のバーニングコートリングに怯むことなく、マッスルブラザーズ・ヌーヴォーリングイン
次いで2000万パワーズがやたらヒールの雰囲気バリバリで入場します
『さぁきた〜っ2000万パワーズ!!今でこそ正義超人の2人ですが・・・
(中略)
つまりこの2人は正義超人コンビでありながら元・悪行超人コンビという
いわば正・悪自在超人コンビなのであります!』
今更ながらブロッケンマンの身体を真っ二つに引き裂いたラーメンマンの残虐ファイトや、
ミートの身体をバラバラにしたバッファローマンの凶暴性を熱弁し、2000万パワーズをヒール風に味付けするアナウンサー
バッファローマンなんて何故か肩にカラスがとまってて無理矢理悪役にするにも程があります
とか思ってたら熱された金網に接触していきなり焼け死ぬ馬鹿なカラス
熱いぜ熱いぜ熱くて死ぬぜ
可愛そうに。どうやらこのカラスはリングの恐ろしさを視覚的に演出するためのスケープゴートだったようです
王大人に濃硫酸プールに投げ入れられたウサギのようなモンだな
金網の熱さをこれでもかと演出した上で、それを素手で引き裂いてリングインするバッファローマン
「力こそパワーだー!」
あのブラックゼウス(声・若本)の迷台詞が似合いそうな驚愕のパフォーマンス
これだけでも対戦相手を威嚇するには十二分ですが、モンゴルマンが更に観衆を驚かすオマケ技を披露
「ヌタ〜ッヌタ〜ッ!!!」
御大お得意の変なかけ声とともに、金網に連続キックを見舞うモンゴルマン。ヌター!
熱された金網は見る間にくっついて、裂け目が何処だったか解らないほどに塞がってしまいました。ヌター!ヌター!
かくして地獄のリングは4人の戦士を残して外界と遮断。負けた方はタダじゃ済まないデスマッチ、いよいよゴング直前です
「おっと、忘れるところだったぜ
怒れる猛牛レイジング・ブルバッファローマンの完全体となる為に
必要不可欠な物をな!」
おもむろに袋の中から取り出されたのは、言わずもがな1000万パワーバッファローマンの象徴・ロングホーン
キン肉マンがあんなリスクを背負ってまで返してくれた角を「忘れるとこだった」などと。呑気な男です
「これでバッファローマンの完全体だ!」
ロングホーン完全復活!この迫力!このオーラ!
2000万パワーズに一分の隙もなし!
おー。両角が揃ったバッファローマンてすげえ久しぶりに見た気がするぜ・・・なんかもうものすごく強そうね
敵は百戦錬磨の善悪自在超人!経験値で絶対的に劣るヌーヴォーに、果たして勝機は?次号へ続く!
決意のリング
今回はえらい短めのテキスト。無駄な事この上ない冒頭部分をゴソッと省いたからな・・・
「5日前の間引きマッチの時も3日前の第二回戦組み合わせ抽選の時もなかった
バッファローマンの頭に・・・ロングホーンが〜っ!!」
「どうしてバッファローマンのマーベラス・ウェポン見事なる兵器と呼ばれる
ロングホーンが復活を〜っ!?」
復活したバッファローマンのロングホーンを目の当たりにし、「どうして!?」と驚きまくるナツコ達及び観客達
正気ですか?(ケンコバ風に)
キン肉マンが何の為に骨抜いたと思ってんだお前ら。逆にここでロングホーンが無いほうが不自然なくらいだろうが
いつもの事と言えばいつもの事なんですが。こんなしょーもない解説を6ページにわたって繰り広げる今回の冒頭
アンタの頭がマーベラスですよ!ゆで御大!
「完全体となった2000万パワーズよ〜っ!本物の正義超人の実力がどんなものか
そこのインチキ野郎達に思う存分思い知らせてやれい!」
「はん!ボクは既にアンタの事を親父だなんて思ってないから何言われても平気さ
こうなったら正義超人名タッグである2000万パワーズを破って
ニュージェネレーションの実力の程を示してやるさ!」
相も変わらず万太郎に喰ってかかるスグルと、その言葉にムキになって反論する万太郎
試合開始前から対戦相手そっちのけで金網越しに罵りあう情けない姿を見て、セコンドミートの雷が落ちます
「いつまでも外野に気を取られているんじゃありませんよ!あなたの目下の敵は
そこにいる2000万パワーズなんですよ!」
うへえ。超こええ
まさしくマッド・ブルバッファローマン。コーナーポストがひしゃげんばかりに頭突きを連打する様はさながら破壊の権化
普段のヘタレの万太郎ならすぐに戦意喪失してしまいそうなこの光景ですが、ミートは更にもう一言付け加えます
「・・・それにあなたはこの苛烈な戦いに人間であるカオスを巻き込んでしまった責任もあるんですよ」
「それはボクが一番痛感してるさ。20世紀の父上はわからず屋だけど
ボクには21世紀の父上と交わしたある約束があるんだ」
ここから万太郎の幼少時代の回想
万太郎にトレーニングを施すスグルは、スパーの途中で武器を持ち出した我子を怒鳴りつけます
「武器を持ち出すとは恥を知れ万太郎!
我等正義超人が神より類稀なる肉体とパワーを与えられたのは
”己の体ひとつで悪を懲らしめるため”そして・・・
”人間を悪の手から守るため”この2つのためだ」
「あ・・・悪を懲らしめるため
人間を悪の手から守るため」
”人間を悪の手から守る”
それは怪獣に襲われた人々を助ける、という事に限らず全てのケースにおいて通用する正義超人の原則
カオスが人間であるならば、この戦いで彼の身に万が一の事態など起こさせるワケにはいかないのである
それが父と子に交わされた・・・否!正義超人の長として2代目に託した心意気
「例えボクが死ぬことになっても・・・カオスは絶対に死なせない!
それが正義超人でありキン肉王家59代継承者であるボクの使命!」
おーかっこいい。なんか王の威厳に目覚めたマハラー・ポポみたいじゃないか万太郎
正義超人の長・キン肉星の王子として!万太郎覚悟のリング!次号へ続く!