127話

狩り

轟け雷鳴 震えよ大地
今ここに4001年の武の結晶

真・マッハ突き炸裂せり!

キィィィィィィィィィン!
まさに電光石火。5万5千人の門下生の見守る中、音速を超えた克巳の左拳はピクルの腹部に深々と突き刺さった
2人を中心に観客席まで広がるソニックブーム
「く」の字に折れ曲がる野人の鋼の肉体

そのタフネスを身をもって知る烈先生が思わず息を呑む。克巳渾身の一撃は野人に届いたのか?
直後。ピクルの膝がドサリと地面に落ちたのと

会場が大歓声で爆発したのは同時であった

「オオオオオオオ!!!」
「取ったァァァア!!!!」





ピクル1億9000万年の人生で初
腹部に得体の知れぬ苦痛発生
Tレックスの重さを持ったものがピンポイントで胃に突き刺さる
過去に体験したどの攻撃とも違う
彼等が手にしていない武器であった

ピクルノックダウン!
大地に膝をつき苦悶の表情で口から胃液を吐く太古の王者
克巳のマッハ突きは、ピクルに対して有効なダメージを与えるに十分足るものでした

Tレックスの尾撃と同じ破壊力の攻撃が、まさしく稲妻の如き速さで身体の急所に突き刺さるのである
相手がピクルでなければ(おそらくは勇次郎であっても)刃牙の剛体術など目じゃない一撃必殺技です
うずくまるピクルを見下ろし、呼吸を落ち着けながら克巳は目の前の結果に納得していた
『思った通りだ・・・いくらピクルといえども・・・
マッハの速度をまともに受けたなら倒れるしかない
そしてもう一つ・・・・
マッハの速度で正拳を打ち込んだなら・・・
拳も破壊される・・・ッ』

う、うわあああ克巳ー!!!大半の読者は予想していましたがやはり悪い予感は的中
物体が猛スピードで物体に衝突すれば必ずぶつかった側にも反作用があるわけで
ピクルの鋼鉄の腹筋を撃ち抜いた克巳の左拳は、その五指がグシャグシャにヘシ折れる複雑骨折を負っていました

過去誰も成し得なかったピクルのノックダウンは、空手家の命とも言える拳と引き換えだった
それはあまりにも高い代償だったのではないか?現にピクルはダメージを負ったもののKOはされていない
野人が起き上がる。腹部のダメージなど何するものぞと、再びその凶暴な牙を剥いて襲い掛かる。だが―
克巳は歓喜していた

五体に刻まれたマッハの感触

今や繰り出す技の全てに

最新の方程式は

当てハマッた

これが天才の天才たる所以か。一度手にした技術を一瞬にして他の技へも応用してしまう克巳
無防備に飛び込んできたピクルに、カウンターの
マッハ上段廻し蹴り
吹き飛ぶピクルの頭部を、更に返す刀で右手のマッハチョップで叩き落す!
ピクルの鋼の牙城を穿つ、克巳の一撃一撃。それはまさに自分の魂を打ち込むかのような決死の猛攻だった
腕よ 折れてもいい
脚よ 砕けてもいい
だが今この一瞬
眼前の敵を叩き伏せるまで持て!

>うおおおおおおおおおおん!!克己いいいいいいい!!
なぜだか涙が止まらないよおおお 。・゚・(ノД`)・゚・。
>うわああああ!克巳が!俺の克巳があぁぁぁ!!これが空手の歴史の終わらせるという事なのか!?生きろ克巳!
>おおおお、克己が、俺を、女にしたー
愚地克巳21歳の夏―
灼熱の時間(とき!)

例え5体砕け散ろうとも、今この瞬間を生きる武道家の本懐。真っ白な灰になるまで燃やし尽くせ克巳!次号へ続く!


128話

空気の壁

万日の時を費やし―
練り上げられ積み上げられた先人の知恵と技術が
天才愚地克巳の手により飛躍する

放たれる廻し蹴りは存在しない無数の関節で加速され
音の壁すらも越える
放たれる手刀はマッハを超える

言うまでもなくその破壊力は想像を絶する
原始の力もマッハの前では分が悪い

冒頭。いわゆる「板垣割り」と呼ばれる大ゴマ構成で、前回ラストの2連弾をナレーションつきで再生
手刀で叩き伏せられたピクルがダウンし大歓声が起こるところまで、扉絵から数えて実に9ページを速攻で消費
板垣先生のマッハページ消費炸裂です。読者の期待もマッハの前では分が悪い
単行本になると一巻あたりの重厚な読み応えになって丁度いいんですけどね
やはり週刊連載時は早く続きが読みたいだけに、「またかよ!」というイライラ感はどうしても出てしまうなぁ

「成った」
太古の野人から再びダウンを奪った音速の打撃に、観客席の郭爺様が唸るように呟いた。海皇のお墨付きです
中国武術と空手。1人の天才の手により、4501年目の融合はついにその究極の打撃を完成させるに至ったのである

「バキよ・・・こりゃひょっとして克巳の勝ち!?」
元々まんまるい目を更に丸くさせて大興奮する光ちゃん。刃牙もゴクリと唾を飲み込む展開ですが・・・でもしかし
その「マッハ」こそが問題であった


両拳&左脚、既に完全破壊
克巳に優位をもたらしたマッハの打撃は、しかしその威力ゆえに一撃で彼の四肢を破壊してしまった
まさに諸刃の剣。ピクルに対して唯一ダメージを与えられる攻撃は、同時に自らを傷つける禁断の武器であった
「あれがピクル。あれ程の犠牲を払わなきゃダウン1つ奪えない」
今に始まったこっちゃありませんあまりにも理不尽なスペック差。ダウン1つで手足破壊では克巳の割合が悪すぎます
思うんだが
案外昂昇なら紐切りで手足の腱切ってピクル戦闘不能にできるから一番相性いいんじゃね?
それならダメージで倒せなくても、紛れもなく昂昇の勝ちだしな





「克巳の拳を持ってしても・・・鋼でできとるんかいピクルの肉体はッ!」
「ピクルの肉体ではない。空気の壁・・・音の壁によるものだ」

光ちゃんも「ピクルの肉体ズリイ!」と喚きますが、そこに現れたのはこれまで姿が見えなかったアルバートペイン博士
克巳の手足が破壊されたのはピクルの肉体の堅さのせいではなく、音速を超えた歪であると解説してくれます
「カメラが捉えた決定的瞬間」等の番組で見た朋友も多いであろう、音速の壁を突破する瞬間
この現象は当然ながら対象物体へ強烈な負担をかけるものであり、金属製の飛行機にして事故を起こす事さえあるという
時速1225kmを超えた時。克巳の手足にダメージを与えたのはピクルの筋肉ではなく、この空気の壁だったのである
科学者の見地から、克巳の置かれた状況を淡々と語るアルバート博士
人間が音速の攻撃を放つというムチャクチャに関してはツッコまないんでしょうか。科学者なのに
この人も段々バキワールドの感覚に染まってきてるな

『両手と左脚を犠牲にやっと手に入れた確かな有利
なのにー
奴はもう回復しつつある』

理不尽。これを理不尽と言わず何と言おうか。克巳の手足の犠牲を、もはや帳消しにしつつあるピクルのタフネス
餌のダメージを見て取ったせいか、その顔に勝利を確信したかのような笑みを浮かべています。こん畜生ムカつくなー
烈先生を屠った「本気」の構え、
スーパー頭突きの体勢を見せたところで次号へ続く!
克巳大ピンチ。でもスーパー頭突きは逆に最大最強のカウンターを入れるチャンスかもしれません
克巳が万に一つ勝つとしたら、まさにこのカウンターに懸ける以外に在りえない。太古の槍VS現代最強の槍!どうなる次号?


129話

体重差

『残念なことに・・・ここまで克巳さんがやったこと
何1つ間違えていない
当たり前の事が当たり前に起こっている。ただそれだけ』

なんという理不尽
打ち込んだ者が跪き
被弾した者が見下ろす
嗚呼…何故神はこのような者を現代

これが理不尽でなくて何だと言うのか。渾身のマッハ打撃を打ち込み、二度のダウンさえも奪った克巳
代償に両拳・右脚を支払った乾坤一擲であったにも関わらず、既にピクルのダメージは回復しつつあった
ピクルどんだけだよ。いい加減読者も彼の肉体のチート性能には辟易気味ですが、
ここでアルバート博士がイライラする読者をなだめるかの如くフォローの解説に入ります
「君達格闘家は確かに強いッ私の予測を覆した それは認めるッ
しかし考えてもみたまえ。かつてピクルのライバルであった原始生物を
改めて考えてみたまえ。彼等のサイズをッ!」

格闘技という世界で生きている人間ならば、一般人よりも尚の事それを敏感に感じるであろう体格差・体重差
そんなこと今更解説されなくても解りきってますが、やたら
興奮気味にまくしたてる博士
「現在判明している最大種スーパーサウルス。身長実に33m体重推定30t
これを何級と呼ぶべきかね?あのミスター克巳の何倍になるのかね?
そのスーパーサウルスとてTレックスには捕食されたことだろう
その武器は刀剣のような牙、巨大な尻尾、強力な後ろ脚・・・様々に憶測されているが
しかしこれだけは言えるだろう

15tの攻撃は100kgの克巳以下ではあり得まいッ」
恐竜のキックにも耐えてたであろう肉体ですから、
なんぼ音速を超えようが、人間のそれがピクルを打ち倒すことなど出来ようハズもないという単純な理屈
まぁ
この人の最近の発言の胡散臭さは半端ないのであんまり説得力ないんですが
とにかくそういうワケで、「マッハパンチ」は打倒ピクルを成し得るフェイバリットウェポンには力不足という事だそうな





じゃあもう絶対倒せないじゃん!ということで、会場は一斉に重苦しい雰囲気に
ピクルがその最大攻撃の準備、四つん這いの姿勢を見せたところで烈先生も克巳の敗北を予感します
『やる気だ・・・ッあれを・・・ッ!』
克巳はその武器を失い、ダメージの回復したピクルは必殺攻撃の態勢。誰がどう見ても勝敗は決しました
観客席の皆が絶望的な表情で克巳に視線をやる中、しかし克巳は妙に静かな心情でその1人1人の顔を見回していた
痛みを堪えてゆっくりと立ち上がり・・・・
間違えてはいない。何一つ間違えてはいない
結果―両手と右脚をブッ潰した・・・
フフ・・・なんて面だいお前達・・・クス・・・
みんな・・・
心配するな・・・・ッ 
俺はまだ

使







ついに。読者にもここまで隠し通してきたその最後の牙を剥く
俺だけが掴んだ
俺だけのマッハッ!

>克己いいいいいい!!!ピクルのロケット頭突きを破る武器がまだあるのかよぉおお!!!
>まさかまさかの克己勝ちフラグ立った?
>マジで克己泣けた、今こそ一撃だ!!!!!!!!!
>前回の読者ツッコミをくつがえす俺だけのマッハ!?
まったくどこまで俺たちを熱くさせれば気が済むんだ!克己ッッ!
>克己の(空手家としての意味も含め)死亡フラグが今週、確定した気がする
>はんぺらさんのToらぶる購入フラグが立ったッ!
うおー!板垣先生うおー!(号泣
コイツは久々の超展開だーぜー!傷つき牙をもがれたかに見えた克巳に、
なんと更なる奥の手が!
音速を超えた真・マッハ突きをも更に凌駕する、克巳だけのマッハとはいかなる境地なのか
「まだあるというのか!この先がッッ!」

驚きのあまりサングラスを割る郭爺様。予想の範疇の遥か上にいた克巳に、ただただ絶句するしかない刃牙
克巳の「天才」は、中国の悠久の時が育んだ大天才と、地上最強の生物の息子の天才を遥かに超越した

条件は全てクリアした!(ルルーシュ風に)
ピクルのスーパー頭突きに対し、克巳最大最強のマッハでカウンター!
万に1つ克巳が勝つとしたらコレだろう、と3週前からはんぺらの言い続けてきた条件が今まさに完璧に揃った!
「来いやァ・・・親友・・・ッ!」
克巳の言葉を待っていたかのように、ピクルの四肢が地面を弾いた。超高速の肉魚雷と化すその鋼の肉体
迎え撃つは4501年目を超越した新時代のマッハ!
交錯する2人の影!果たして勝者は?こんなに続きが早く読みたいと思った刃牙は何年ぶりだ。次号へ続く!


130話

成りし時

当てる 貫く… 当てる 弾く…
当てる 砕く… 当てる 切る…
当てる 潰す… 当てる 壊す…
当てる 抉る… 当てる 折る…
当てる 跳ばす… 当てる 響かせる…

眼前に迫るは人間砲弾と化した野人。拳雄・烈海王を一撃のもとに屠った殺人魚雷
踏み込む克己の脳裏をよぎるのは、最強の一撃を打ち込む為に精進してきた日々だった

当てることだけを考えてきた
強く当てること 速く当てること 当てて効かせる・・・そうッ
効かせる為…
筋肉を備えた
効かせる為・・・
脱力…緩を備えた
効かせる為・・・決して曲がらない骨を
イメージで鞭に変えた
そして誕生れた最新・最強・最善・最良―
現在最も進化した打撃!

空手家・・・否、格闘家ならば誰もが磨く打撃の本質。強く当てる。速く当てる
愚地克巳という青年の天賦の才は、その打撃を音速を超える領域にまで進化させた
はたしてそれ以上の世界があるのか?人間がその世界に踏み込むことはできるのか?
出来る。出来るのだ
力強く踏み込む克巳の脚。それはまさに、前人未踏の世界へと踏み入れる最初の一歩か

俺自身が驚いてるんだ…
だってよ…ブチ当てることだけを考えてきた日々…
そうして最後に辿り着いた最終形態が―

克巳の右腕が大きくしなる。最強のマッハの正体は「突き」ではなかった
それはまるで
本物の鞭のように振り下ろされ―そして
本物の鞭のように、空中で爆発した

あろうことか―
”当てない”打撃だったなんて…

ええええええええええええええええええええどういうことだキバヤシ!何が起きている!?
究極マッハの正体は、驚くべき事に「当てない打撃」!
烈先生渾身の崩拳を受けても屁ともしなかった人間砲弾が浮かべる苦悶の表情!
凄まじい衝撃波と破裂音。2人の中心で爆弾でも爆発したのかと見紛うような、形容しがたい破壊力
原始の王者は十数mも後方に吹き飛ばされ、仰向けに地面に倒れこんだままピクリとも動かない
一体何が起きたというのか。会場の観客は勿論のこと、一部始終を見ていた読者にも何がなにやらワカりません
克巳が辿り着いた究極のマッハ。それはおよそ読者が予想し得なかった
魔法の打撃だった





偶然の産物か神からのギフトか
手動でありながらマッハを発生させる道具。

その鞭の最もスピーディーな瞬間とは
打ち込む加速時ではなく

”振り戻す”その瞬間にこそあるという妙
劇中で幾度となく引き合いに出された、「人間が手動で容易に音速を出せる道具」鞭
その音速を超える瞬間は振り下ろす加速時ではなく、スナップを利かせて先端部を引き戻す時にこそあった
ならば。
これを克巳のマッハ打撃に当てはめた時どうなるか?
ここまでピクルに打ち込んできた打撃は全て「加速時」の段階で止まっている
真に音速を超えた一撃を放つには、強烈な「返し」こそが肝要。つまりは―対象に「激突させない事」が望ましい

当てるという常識
当てるという大前提
当てるという全財産を手放した
そして手にした…
更なる”マッハ”
更なる”衝撃波”

究極マッハの持つ「攻撃力」は、肉体を肉体で叩くことではなく
それによって発生する衝撃波
相手に触れることなく、触れる以上の破壊力を生み出す。まさに魔法の一撃であった





会場が水を打ったように静まり返る中、克巳は空前絶後の一撃を放った己が右腕をしげしげと見つめて呟く
不完全な「加速時」でさえその拳を破壊した負荷。完成形の衝撃波を撃ち出してしまったその相棒は…!
「そりゃそうだ…でもない…多関節でもない…
ふつうの…骨だ…」

ワアアアアかあさーん!(号泣)
>俺・・・克巳が勝ったらバキと彼岸島とたけし全部そろえるよ!
>克己がああああああ!!!!頼む!!もう起きるなピクル!!
>ミギャアアアアアアア!!カツミーン!
>俺たちの克己がぁああああああああああああああぁ
>腕がッッ!!克巳の腕がァァァァァ!!

>夢じゃなかったけどあの骨丸出しはどうなのよ
>予想半分当たりで半分大ハズレ。私の予想では道場の素振りで拳が砕けなかったのは
既に空気を切り裂く術を会得していたから
砕けたのはピクルに「当てた」からで、当てない…即ち発生するソニックブームだけぶつければ
拳は砕けず連発可能!という物だったのですが…。せめて克巳に勝利と伝説を…

なんという事か。究極マッハの衝撃波は、克巳の右腕を完膚なきまでに完全破壊
大豪院邪鬼の真空旋風衝を食らったみたいにホネホネロックしてしまいました

右腕という空手家の命を犠牲にして、その全てを出し切った克巳
果たしてその執念はピクルに届いたのか?次号決着!

というワケで、克巳はもう搾りカスまで出し尽くして攻撃手段がありません。次号ピクルが起き上がるか否かで決着でしょう
ていうかこれだけやってピクルあっさり起き上がったら
ワケわからんので俺は起き上がれないに100ガバス
そりゃ数時間後とかには回復してピンピンしてるんでしょうけど、この勝負という区切りの中では克巳の勝ちじゃないかな、と
だってこの攻撃でもKO取れないとなると、
多分もう勇次郎の打撃でも無理だろうと
剛体術なんてオリバさんにさえ効かなかったしなぁ。ピクルには通じるはずもない大昔の技に成り下がったな
やはり「ピクルを倒せる打撃」というラインは引いておくべきで、俺はそれが克巳が右腕を犠牲にして放ったこの一撃だと思う
克巳は右腕を犠牲にしてピクルに勝利、空手家生命は失うものの神心会の指導者として完成し、彼の物語は伝説として昇華
でもって刃牙は「右腕を犠牲にしないでピクルを倒す」って感じじゃないでしょうか。そしてそのあと勇次郎でやって最終回?
あぁ・・・マジで来週ピクルが
「カレー食いてえな」って起き上がったら俺チャンピオンにマッハ突きするよ


131話

感謝

「ウワァ・・・・ほ、骨・・・・!」
「むき出しだ・・・・!」

まるでスプラッタホラー映画のワンシーンのような光景。あまりにも衝撃的な光景に我が目を疑う門下生達
さながら爆弾で吹き飛ばされたかのごとく。愚地克巳の右腕は肘から下の肉が爆ぜ飛び、骨が剥き出しになっていた

「当たり前だ・・・骨が鞭なワケねェ・・・魔法が・・・解けた・・・」
導き出した答。辿り着いた終着点
克巳の天賦が生み出した最強の打撃は、まさかまさかの”当てない打撃”。それによって生じるソニックブームだった
あの烈先生渾身の崩拳を屁ともしなかった、ピクル必殺のスーパー頭突き。彼を太古の王者たらしめた最強の攻撃
”Tレックスを仕留める攻撃”を
正面から吹き飛ばしたのだから、力学的にはどう控えめに見積もっても
Tレックスを一撃で殺せるほどのソニックブームが発生したと考えられます
しかしそんな兵器級の衝撃を人間の脆弱な肉体で放って無事で済むわけがない
まるでマンガのキャラクターのようになってしまった右腕をしげしげと見つめながら、しかし克巳は納得した表情で呟いた

夢から醒めた・・・
もう醒めていい・・・もう解けていい・・・
もう出すものはない・・・

帯で右上腕筋を強く圧迫して応急止血をすると、吹き飛ばしたピクルのもとへ一歩一歩近づいていく克巳
仰向けに倒れたままピクリとも動かない野人を見て、天才はそのズタズタになった右腕を高く掲げた。会場の皆に見えるように

間に合った・・・・・
立っているのは――俺だ

我が生涯に一片の悔いなし!
なんかラオウの最後のようなポーズで場に居合わせる人間達全員に「結果」を伝える克巳
みんながくれた勝利だ・・・・!
瞬間、東京ドームは5万5千の大歓声で揺れに揺れた

はんぺらも震えた





ドオオオオオオオオオオオオオ
オオオオオオオオオオオオ!!

神心会空手の館長が。自分達の大将が無敵の野人を打倒したのである。その感動、その興奮たるや如何ほどのものか
「あの小僧・・・ものの数日間で武を50年は進歩させおったわ」
「ハハ・・・すっげェ・・・」
「あり余る才能に・・・愚地克巳が追いついたのォ・・・ッ」

郭爺様が認め、刃牙が称賛し、光ちゃんが打ち震える克巳の才
”空手界のリーサルウェポン”はこの日右腕と引き換えに、確かに”完成”した
こうせずにはいられない・・・・ッッ
頭を下げずにはいられない

祝福と賛辞の嵐をその全身に浴びながら、愚地克巳は会場の皆に対して深く頭を下げていた
なにも悪いことをしたワケではない。しかし今の克巳には、こうすることが自分の気持ちのこれ以上ない表現だったのだ

こんな俺にアリガトウ

こんな俺なのにアリガトウ

”謝”りたいと”感”じてる





だから感謝というのだろう

これを感謝というのだろう
長い人生の中で、果たしてこれほどに感謝の意味を肌で感じる人間がどれほどいるであろうか
「自分の才能、自分の力で勝った」などという思いあがりは微塵もない
自分を産んでくれた両親。育ててくれた両親。協力してくれた烈先生、助言してくれた郭爺様、応援してくれた門下生
支えてくれた全ての人々に『ありがとう』
愚地克巳。21歳灼熱の夏は、万感の感謝の思いとともに感動的なフィナーレを・・・・・って・・・・・その時
背後のごそり、という音を聞き取った克巳がハッと後ろを振り返ると、そこで信じられないものを目の当たりにした





さっきまで仰向けでダウンしていたピクルが、まるで寝返りを打ったように横を向いているではないか
そう、まるで―
寝返りを打ったように

『これは―
倒されているのではないッッ

ただ・・・・
眠っているだけ・・・!?』

>……うへぇ、克己無残
>感ッ謝ッ!愚地克巳感謝ッ!愚地克巳感…ってゲゲーッ!!はんぺらさんの予想通りとはいえ
ここまで安らかに眠られると思わず処刑吏の足に髪を絡めて肉まで食い込ませちまうぜ!
>今週のバキのオチはある意味夢オチだ…
>絶望した!今週のバキのオチに絶望した!
>克己を長々と描き、「この半年間愚地克己を思うと涙が出る」(先週の巻末要約)と言っておきながら、
その結果は今週のラスト。いい加減にしろ
>今週号のチャンピオンを買ってきたお!克己の活躍が楽しみだお!ピクルがどうなったかも気になるお!
(読了) さて、戦女神ZEROの続きでもやるか…
>今しがた読んだんですが…はんぺらさん、これチャンピオンにマッハ突きなんてレベルじゃないんでは……
>うおぉぉい!板垣センセーーー!!!予想を裏切り期待も裏切るのかよぉぉぉおお!!!! ・・・克己orz
>あかん。ピクルもうあかんわ。
>ピクルは保護されているッッッッッ!!!!!!(板垣ワールドから
>ピクル早く死んでくれないかな
>今週のバキ……板垣先生は鬼子です。これだけ盛り上がってあのオチはねーよorz
>克巳はやっぱりかませですか、板垣先生!! 文字通り粉骨砕身したのに
>予想を裏切り、期待も裏切る
>これは克己の勝ちなのか…?
>寝てるとかふざけんじゃねえぞピクルウウウウウ!
ピ>クルの作者補正的無敵っぷりに正直引きました、はんぺらさんはどうですか?
>ピクルが寝たのは克巳の打撃が効いていないわけではなく、「やべぇ!マジ痛い!」→
「いっそこのまま寝てたい!」→「寝る!」の流れですね分かります。
正直次号予告の文が凄く不吉なので不安です。
>今週のバキを読んで学校行った者ですが、イライラして授業どころではありませんでした…
>寝るとはまさに野生ってふざけるなあぁぁ
>ピクルはやっぱりお昼寝か・・・克己よ・・・
>大ダメージだったから眠ってうんこひりパワーアップですよね。そうだと言ってください板垣先生
>ピクルが「カレー食いてえな」って起き上がるのは来週に持ち越しのようですw
>ピクルのチートスペックにはもううんざりです
>もうピクルを倒すには元気球しか……
>ピクルは必殺技を返され、カツミンはピクルのタフさにお手上げ。
双方打つ手は無いと思うんだ。引き分けで宜しく頼みたい
>まさかここまで最低なオチだとは思わなかったよ。しばらくバキ読むのやめます。克己かわいそすぎる;;
>ピクル寝てるorz せめてダメージで気絶したって言ってくれよぉ! ただ寝ただけのかよぉぉぉぉ!!
ピクルは遊び疲れて眠っちゃった子供みたいなアレなんでしょうか…?
>スパロボに氷の下の塩漬け人間がwww…それはともかく、
刃牙世界のピクルはそのまま冬眠でもしちゃってください。もう起きんな
>克己「オヤ・・・・?攻撃がこねェな 試合放棄かな? やったァァアアアアアアアア! 勝ったぞォッッ!!」
>ただ不条理なだけで、ピクルのすごさが伝わってきません。
ティラノと互角以上の評価の克己に攻撃くらって眠りこけるとか…
こんな危機管理意識の少ない奴ジュラ紀でも白亜紀でもとっくに喰われてるんじゃ?
>ピクルチートすぎる。力はオーガ以上で自分の体を破壊するほどの打撃でも駄目。
バキは読者が納得するかたちで勝てるのか
>絶望した!克己の壮大なかませっぷりに絶望した!!
>はんぺらさんの予想は裏切られましたね。悪い意味で!! まあ読者の期待はもっと裏切ったと思うけど!!
つまりあれですか、克己は餌にすらならんとそういう意味なんでしょうかあのゴロ寝は。
あと結局こなかったなぁ、ドイル……
>ピクル寝てやがるッ!
>ピクルは寝ていただけ・・・現実は非情である。(血涙)
>ピクルが起き上がらないのは、寝ているだけって酷すぎます!板垣センセ!
>ピクル、一体いつごろから寝てたんですかね?
>ピクルのチートぶりにもう辟易。板垣御大は彼奴を贔屓する理由があるのかしら?

ピクルはもう森へ帰れ!(号泣)
克巳の右腕を犠牲にしたマッハパンチで己が必殺技を破られ、10数mも吹っ飛ばされたピクルでしたが
なんとすやすや安らかな寝息を立てているではありませんか。
SUI☆MIN☆!
意味がわかりません
とりあえずピクルが寝てしまった以上、試合自体はここで一反決着でしょう。こっからピクルに起きてこられてもグダグダでどうしようもないしな
来週の冒頭で、病院の克巳が「俺は勝ったのか?あれは本当に勝利と呼べるのか?」とか言いながら悶々してるとか。そういう展開かな?
焦点はこの決着を「読者がどう捕らえるか」です
克巳最大の攻撃でもピクルは寝ただけだった→ピクルの勝ち と見るか。それとも
ピクルを「眠らせた」克巳の勝ちと見るか
そもそもこのピクルの「寝た」という行動が、彼にとってどういった意味がある事なのかがまだ解っていないので現状では何とも言えません
>パッと見納得いきませんが、ピクルは自身の最大の攻撃を破られ、結局のところ喰うのを諦め、
敵の前で寝るという『逃げ』とも取れる行動からして、十分克己の勝利だと思っていいんじゃないでしょうか。
あまりにもデカ過ぎるダメージに対して、休眠取るしかなかったとか。
右腕を犠牲にしたのが無駄とは思いたくありませんね
>さぁ
Toらぶるを買うのか買わねーのか!ハッキリして貰おうじゃねえか!!
とりあえず今週のラストではToらぶる購入はまだ灰色判定。来週白黒ハッキリするかと


132話

勝利の咆哮

全てを出し尽くした空手界の雄・愚地克巳!
立っていたのは野獣ピクル!
勝利せし野性の血が雄叫ぶは祈りか食欲か!?

巻頭カラーだった今週の刃牙。いきなり扉絵の煽りで「ピクルの勝ち」という文が目に飛び込んできて読者速攻死亡
「バカな・・・っそんなバカな・・・っ」とさながら福本キャラのように強く目を瞑り、ガタガタ震えながらページをめくります。なんぞこれー
この雄は倒されているのではない
勝手に眠っているだけ・・・ッ

しかも勝手に寝てるときました。「克巳のマッハで受けたダメージのせいで寝た」のではなく
ピクルが自分の意志で。戦闘中に勝手に寝たというのです
扉絵から数えて僅か4ページ。既に読者達はチャンピオンにマッハ突きしたい心境ですが、じっと堪えてアルバート博士の解説を聞きます

「休憩んでるだけ・・・!?」
「勝ち負けを言うならもう終っている」

「それは・・・克巳さんの勝ちじゃないと?」

驚く刃牙と光ちゃんに「ピクルの勝ちだお」と即答するアルバート博士。この爺さんが悪いワケじゃないのに凄まじくムカつきます
「少年よ。彼の右腕を見なさい
止血を施しているとはいえ深刻なダメージは誰の目にも明らか。他の手足も使用不能
仮にこの勝負が大自然で行われていたなら―
もうミスター克巳に攻撃を加える必要がない
例え逃げても出血による痕跡は消えまい
ならばどうするか?野性は決して無駄をしない
相手が息絶えるまで寝て待つ
ピクルにとってそれが最も理にかなっている」

(゚д゚)

そんなバカな狩りなんかねえよ
どこの世界に獲物を瀕死まで追い込んでから、わざわざ寝て死ぬのを待つ肉食動物がいると言うのか。鼻で笑ってしまう
この人本当に生物学者かと。これまでも散々胡散臭い発言してきましたが今週ついに極まりました




『そうかこれが・・・徳川氏から聞かされていた・・・』

そんな極まったジジイは放っておいてカメラは2人へ
満身創痍の克巳が見下ろしているのは、寝息を立てるピクルの双眸から溢れる涙だった
『ピクルは襲い来る者を好む 好んだ者を食す
食す時すなわち別れの時 
故に涙すると・・・』

既に烈先生の一件からピクルの食癖とその哀しき人生観について聞かされていた克巳は、その涙を見て微笑んだ

ありがたい
この惑星誕生以来最強と言われる雄が・・・
俺を強敵と認めてくれている
報われた

及ばなかった。勝てなかった。だがしかし、克巳は満たされていた
最初から「勝てるからやる、勝てないからやらない。そういう戦いではない」と覚悟して挑んだ勝負
自分は全てを出し尽くして敗れたのである。ならば後悔するところは何もない。今はただその充足感だけが彼を満たす

この思いに・・・どう報いる・・・
どう応える・・・・ッッ

そしてここでピクルあっさりウェイクアップ。先週の的外れ予想にはんぺら涙目です
「起きた・・・・立ったぞ・・・」
「決着しただろ!?」
「館長・・・逃げろ・・・!」

悪夢。これを悪夢と言わずとして何と言うのか。あまりにも受け入れがたい目の前の光景
先週ラストから大フィーバー状態だった5万5千の門下生達は、血の気を抜かれたように静まり返り
ただただスローモーションで進行していくグランドの成り行きを見つめるだけしかできない
ピクルよ・・・俺はもう―

「持ってけ・・・この命ごと!」
「ダメだァアアアアアアア
アアアアアアアアッッ!」

末堂が悲痛な叫びをあげたのと、ピクルが飛びかかったのは同時であった

















俺は美味いかい・・・・・・

もぎ取られた右腕!
克巳無惨!空手家の魂、ピクルの贄に!

なんかもう続きなんてどうでもよくなった次号へ続く!

>こんしゅうごう、ばきはのっていなかったとおもうことにしました
>克巳はこんな馬鹿を見たままでは終らないと煽り文を根拠に信じる…ッ!
>克己が!克己の腕がぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!
>どうしよう?ToLoveる買っちゃったよ?返品できるかな?克己ー!
>うぎゃぎゃ腕がもうピクルに駄目だぁぁぁ!!
>ピクルはもう光速とか出さないと勝てないんじゃないでしょうか
>ピクルいい加減死ねよ・・・漫画読んでてこれほどイラついたキャラは初めてだ・・
>独歩!愚地独歩!!どうかあんたの拳でピクルをブチ壊してくれ!俺たちのこの涙を払ってくれ!
この胸の黒い怒りを散らしてくれ!あんたじゃなきゃダメなんだ!
>だめだorz 俺の中での刃牙ピクル編は先週でのラスト1ページ手前で終わった事にしよう・・・
克己が、克己が・・・・・・ッ! 克己ィ――――ッ!!!
克己結局負けかよ・・・。ピクルどんだけ板垣ワールドに守られてんだ?
>今週のチャンピオンに(ってかバキに)マッハ剛体術グルグルパンチをぶつけたいのですが構いませんね!
>克己、もういいもういいんだ(/ДT)
>ピクル…ッ!克巳よりカレーのほうがウマいぞ…

>ありえねよピクル、はんぺらさん克己追悼のためにTo LOVEるを買ってください
>板垣先生は何がしたいんでしょうか。俺の考えた新キャラ、強いだろ?を延々と見せられても困ります
しかも烈先生という人気キャラ、克己というバキに迫るかもしれなかった天才を悉く踏み台にする
ワケがわかりません

イヤね、ピクルが勝つ事自体はいいんですよ。「克巳勝ってほしい」はあくまでコアな読者の願望だし、
範馬刃牙という物語の大筋からすればピクルが勝つというこの結果は決まりきっていたコトなんですが・・・
その内容があんまりすぎた
前回も書いたけど「Tレックスを仕留める攻撃を正面から撃ち返した」んだから
克巳のマッハはどんなに低く見積もっても
「Tレックスを一撃で仕留めてお釣りがくる威力」なんですよ。物理的には
その攻撃を喰らって完全ノーダメージというピクルの強さが
厨的ですよね。リアリティがあまりにも皆無
だってこんなん描いちゃったら、今後の展開で刃牙がどんな技でピクル倒しても説得力がないでしょう
「克巳のあのマッハでもノーダメだったのに。こんな技で倒されんのかよ!」ってなっちゃう
オリバさん戦も、刃牙が強くなったって言うより
オリバさんが突然弱くなったって感じの理不尽さだったし
「強敵をあっさり倒す刃牙」に読者を納得させるだけのロジックがまったく無いんだよなぁ・・・


133話

合掌

どうだいピクル。俺は美味いかい・・・?
全てを出し尽くした闘いに敗れ、その身をピクルに差し出した克巳
先週ラストでもぎ取られた右腕は肘から下と思われますたが、どっこい
肩から先全部です
肩口からは噴水のように鮮血が噴出し、克巳は己勝が血で半身を真っ赤に染めながら心の声でピクルに呼びかける
約束は守る。ここにきて生き長らえようとは思っちゃいない
食ってくれ・・・腕と言わず・・・脚と言わず・・・頭と言わず・・・
残すなよ・・・
”ドシャアアアッ”
ケツの穴まであまさず食ってくれよ・・・とどっかのイイ男ような台詞を残して前のめりにブッ倒れる克巳
全身のダメージと出血多量。戦いを終えた充足感により、ついに克巳はここで意識を失ってしまいました。完全敗北です

右腕を咥えたまま一歩、また一歩と克巳のもとへ歩み寄るピクル。5万5千の門下生達は誰一人指一本も動かせない
5万人全員で雪崩れ込めばピクルを押さえ込んで克巳を救出するくらいはできそうなモンですが
『許せピクル・・・ここは恐竜時代ではない
約束は守れんッッ!』

門下生よりも早く行動を起したのは光ちゃんだった。合図により、観客席四方に待機していたスナイパー達が姿を現します
>じっちゃんやっぱり麻酔銃用意してたか・・・
>最強武器麻酔キタコレ
>アルバート博士の必殺麻酔注射が炸裂しなくて残念でした

核兵器と同等の存在である勇次郎も余裕で捕獲!2億年前から甦った原人もジジイの注射で一発だ!
おそらくバキ世界で最強の攻撃。麻酔弾による狙撃です
戦士と戦士の決着に水を差すのは気が引けますが、むざむざ目の前でカニバリズムショーをさせるワケにはいきません
この光ちゃんの判断は極めて常識的、人道的かつ、迅速で的確。この時点で考えられる最もベターな選択ですが・・・・
「銃を下ろさせな」
「独歩・・・・」
スナイパー達のライフルを下ろさせるよう光ちゃんの前に立ちはだかったのは、誰あろう克巳の父・愚地独歩であった





「御老公よう・・・アンタまさか・・・倅に恥ィかかせる気じゃねェよなァ
男と男が。克巳とピクルが交わした不文律。端から口を挟める問題じゃねェ
約束を果たすんだ」
>独歩空気嫁。息子の命の瀬戸際だぞ?どうかしてるよ板垣センセ
>愚知独歩(笑)
>独歩の言動は漫画や小説では王道ですけど・・・親としてリアリティなさすぎてチープですよね
えええええ。なんかやたら涼しい顔で「克巳を食わせてやってくれ」と光ちゃんを制する独歩。人でなしです
「父子である前に武道家」って、言わんとすることは解らなくもないですが
アンパンマンじゃねえんだから
食われりゃ死ぬんですから!父親ならば恥も外聞も、克巳の意志さえもねじ曲げて助けに入るべきシーンですよ
約束を果たせようとするにしても
大豪院邪鬼みたいに拳から血が出るほど強く握り締めるとかさ、ねぇ?
そういう描写があればまだいいんですが、極めて冷静な顔して淡々と喋ってるので
本当に人でなしにしか見えません」
「息子の命よりも男と男の約束のほうが大事だ!」
「お前より料理のほうが大事じゃ!」と言った今週のジャンの爺ちゃんみたいです

そんなひとでなし父ちゃんの有無を言わせぬ迫力に押され、スナイプを忘れて硬直するスナイパー達
光ちゃんも刃牙もアルバート博士も何も言えず場が氷つきますが、その時グラウンドのピクルに変化が見られました
あーっとなんだこれはー!?
ピクルが克巳に向かって手を合わせている!
いきなり倒した相手を拝み始めたピクル。いったい彼にとって如何なる意味を含んだ行動なのでしょうか

時代 民族 文化 知性
あらゆる障害を越えて人類が取ってしまう行為がある

人智を超えた森羅万象
手の下しようのない脅威に直面したとき

到底真似られぬ偉大な人間性
愛 意志 慈しみに出会ったとき

何故か人は
掌を合わせてしまうという





戦利品だったハズの肉
それは強敵が与えたものだった

いかに野性とはいえ人間として・・・
いかに原始とはいえ親友として・・・

えー以上、ピクルが克巳を拝んだ理由。まとめるとこういうことです
ピクルの生きていた恐竜時代、彼の好んだ「強敵」達はあくまでも低脳な畜生。その肉は戦利品でした
しかし崇高なる精神を持つ、克巳は違いました。戦いに敗れた彼は
「さあボクの顔をお食べよ」
前述した
アンパンマンの精神を実践したのです

これはピクルにとって初の体験だったのでしょう。その衝撃と感動は彼の中で化学反応を起しスパーク・・・!
結果、拝んだのでした。おわり
>ごちそうさまです克巳様!
>ピクルは いただきますを おぼえた!
>ピクル…偉大な男の目の前でグースカ寝てたお前に手を合わせ頭を垂れる権利は無ええええええ!
>なんかもう、「手を合わせて、いただきますっ!」にしか見えなかった。
そういえばピクルは骨しか咥えてなかったような・・・
>今週のピクル、自分が抱いた感想は「だからなに?」って感じでしたね。
泣くのに続いて祈りって……次は何をやるんだろう。歌って踊る?
>ピクルは感情や心や意志があるのかないのかハッキリしてください。
ケダモノな行動とった後いきなり戦士の心を見せたり、行き当たりばったりだから納得も共感もできません

といったところで次号へ続く。問題はこの後のピクルの行動でしょう

1 感動した!俺はこいつを喰うことなどできない!
と、右腕だけ食って満足して克己とマブダチになる
2 感動した!ではイタダキマス!
所詮はケモノ。現実は非常である
どっちだ。克巳が死ぬってことは無いハズなので、仮に2だった場合は誰かの乱入がある展開になるな
普通に刃牙か、朋友の予想も多い
母親の乱入か?
>確かに2度約束を違える展開は避けたいでしょうけど、郭じぃさんかKY範馬親子しかもう止められませんよorz
Aっ!まだいた!おかーさんっ!!
>夏江さん&実母さんタッグで「ピクルウウウウウウウウッッあたし達が相手だああああああああッ」
ってなりそうで怖い(いや、ありえないから)ここはバキか末堂あたり行きそうな気がする

>やっぱ2人の克己母が立ちふさがるんですかね。
それを見てバキが、かつてバキ母が勇次郎の前に立ちふさがったのを思い出すとか
>母親が克巳を守るのは可能性として有りですよね。野性はそういうの見逃しそうだし

それとも最強の梢江様か

※朋友ウデニク絵板投稿作品
最強すぎるぜ梢江様。ピクルを倒せるのはもう彼女しかいねえ!

この展開なら板垣先生は神


134話

結晶

挑まれ 闘い 勝利し 食す
襲い来る 迎え撃つ 戦う 勝つ
  食す
群雄割拠の恐竜時代 餌に事欠くことはなかった
相手は超ド級のヘビー級 なんの遠慮がいるものか
遥かに強大な相手から奪い取る
誇らしかった

かの時代。ピクルが強敵と認め、食してきた敵達はいずれも彼よりも遥かに強大な相手だった
弱肉強食という自然の摂理に対する、孤高の反逆
それが彼の生命としての在り方であり、戦士としてのプライドだった

そんな彼が今、目の前に倒れる新たな敵に掌を合わせて涙していた
自分より微弱さな敵

微弱さな脚をぶつけてきた 微弱さな手をぶつけてきた
爪も 牙も 毒すらも持たぬ微弱き者

されどその攻撃たるや強烈無比!
Tレックスの牙― トリケラトプスの角― 
スーパーサウルスの踏みつけに匹敵するほどに!

実際に体験したピクルだからできる比較でしょうが、Tレックスの牙とトリケラの角はともかくとして
スーパーサウルスの踏みつけに匹敵ってパねェ。何十トンだ
最終的に克巳が手に入れた攻撃力がいかに人外レベルであったかがよく解る比較です。超人だコレ
もし仮にこの打撃を叩き込んだ相手がピクルでなく勇次郎だったとしたら、おそらく克巳の勝利という結果になるでしょう

というかスーパーサウルスに踏みつけられても死なないピクルの肉体って・・・・





言葉を持たぬまま理解ることがある
この微弱さき雄はおそらく
犠牲を払ったのだ
犠牲という言葉の意味は知らずとも本質は理解する
この雄は多くの努力と引き替えに強大な武器を手にしたのだろう

微弱さな手のまま
微弱さな脚のまま

あんなに小さく柔らかいものを
牙に 角に 爪になるまで磨き上げたのだ
かけがえのない結晶
たからもの

克巳編に突入してから幾度となく出てきた「天賦の才」という単語
俺も何回この単語を使ったか解りませんが。克巳の強さを形成する本質は、果たして才能だけだったのか?
否。断じて否!
愚直なまでの向上心と、日々のたゆまぬ鍛錬
空手家であった養父に報いようと。尊敬する養父を超えることこそが恩返しだと。幼き頃より積み重ねし修練の日々
かのエジソンも言っています。
天才とは99%の努力だと
才能はあくまでも資質にすぎない。人生の全てを空手に捧げた男の血と汗と涙の結晶
それこそが愚地克巳の強さの本質だったのだ





それほど貴重な宝を
”差し出された”

それが克巳にとってどれほどの決断であったか。克巳が自分にいかなる思いを抱いてくれての決断であったか
努力 犠牲 弱小 結晶 研磨 宝
なにひとつ言葉は持たずとも その意味を心で理解するピクル
克巳に手を合わせ終えた彼はすっくと立ち上がり・・・・・
その肉体に口をつけることなく、踵を返した

初めて選択する空腹のままの帰路
雄の五体に得体の知れぬ満足感が行き渡る

【ピクル、人間への第一歩を静かに歩みだす!】
と煽り文句が打たれて次号へ続く!
ピクルは克巳を食べませんでした
おおう。終わりよければ全て良しというか・・・なるほどこういう締めかぁ
>克己メインの話だと思ったら噛ませ犬でピクル成長の話だったんだぜorz
克己は天性の指導者なのかね?ドイルといいピクルといい(-ω-)
>喰わんのならわざわざ千切らんでも…
>今日のバキ:食べませんでした。 だけでいいんじゃないですか?
そして浮いた更新時間分睡眠とってくだちい…
>ピクルよ・・・烈海王さんも自分より弱者(小さい)だったよな?なんで克己は食わないんだよw
>つまり今後のピクルは垣ママ譲りのリアルシャドーフードファイトを体得するのですね!

結論としてはこの「克巳編」は克巳の成長を描くのは勿論でありましたが、同時にその克巳と戦うことで
ピクルのヒトとしての成長を促すパートだったという事でしょう
最初から完璧にこのプロットを考えていたかどうかは怪しいですが、着地としては無難に決まったんじゃないかと
まぁ「烈先生の時は何故普通に食ったんだ」というツッコミは残りますが、この締めにそれは野暮ってもんです

ケモノからヒトへの一歩。「得体の知れぬ満足感」を得て精神的に成長したピクルは何を思う?
ここは素直に来週からの展開に期待したい


135話

開花

呪われし本能を断ち切る、”人間”ピクルの第一歩
勝利した野人は小さな強敵の肉体に口をつける事なく、彼に敬意の念を払ってグラウンドを去った
克巳の成長をメインに描かれたこのシリーズは、彼との闘いを通してピクルをもまた成長させたのである

「・・・え?5万人が・・・いないッ?」
克巳を担架に乗せて医務室へと急ぐ救護班は、観客席の様子を見て驚いた。一体なんのイリュージョンか
あれだけ居た門下生が忽然と姿を消してしまったのだ。大将の敗北に落胆して全員帰ってしまったとでも言うのか?
そうではない。5万5千人の門下生達は消えてなど居なかった
たった1名も欠けることなくそこに居た

誇るべきリーダーの退場を高みから見下ろすこと遂に耐えがたく
誰言うこともなく足元へ正座し
視線を伏せることで忠誠心を示していたのだ

愚地克巳はたしかに闘いには敗れた
しかしその闘いぶりと高潔な精神は、彼が「なろう」とした神心会空手のリーダーに相応しい・・・否、それ以上のモノだった
神心会は、今ここに愚地独歩の次代を担う指導者を得たのである





通路を駆け抜ける担架に、刃牙と独歩達が駆け寄る。刃牙は試合前かけあの一言を心から悔いていた
「まさかアンタに先を越されるとはな」
ピクルへの挑戦権を奪われた嫉妬から、思わずほとばしり出てしまった失言

思えば初顔合わせとなった最大トーナメントからウマが合わず、克巳に良い思いを持っていない刃牙である

>今更バキが克巳に敬意を表したところで手遅れのような気がするんですが・・・
>刃牙……読者は過去何度となくお前に失望してきたよ!
>バキは何様のつもりなんだよ
>バキに克巳をどうのこうの言われたくねー
>バキの克巳回想シーンを見て気づく
ああそういえばバキって克巳の比較的アレなとこしか見てこなかったんだなあって

読者にとってはVSドイル戦の魅せ場があるだけに、克巳にそんな悪いイメージは持ってないんですが
刃牙視点が
相当ボンクラ息子のイメージしか持ってなかった事が解ります
「失望してきた」とか。年下のクセに物言いがやたら偉そう
まぁ刃牙は確かに厳しい少年時代を送ってきてるので、ボンボン2世の克巳に対して上から目線になるのは自然なんですが

そんな彼がよもや―
これほど気高い開花を
見せようとは・・・・・・ッ

だからこそ悔いるあの失言。刃牙の胸中を去来するものは、尊敬と敬服・・・ある種の感動と言ってもいいだろう
蔑んで見ていた男のまさかの開花。そしてその思いは養父・独歩も同じだった

かなわねェ・・・
見事な化けっぷりだ

腕こそ立つが指導者としては器量不足と言わざるを得なかった息子
その息子を変貌を促したのは、まさにピクルの存在ではなかったか?
ピクルの存在は克巳の命とも言える右腕を奪ったが、同時に彼を万人の上に立つリーダーとして完成させたのである
開花―まさにそう形容するに相応しい
愚地克巳という大輪は、野人との闘いを経てついに花開いたのである
>ピクルもバキも独歩も克己を見くびってたんだな・・・・
俺も空手やってるけど克己のようになりたい・・・・!!!
>克巳、ピクルとの試合を寂海王にでも見られてたら史上最強レベルのスカウトアプローチをうけていただろう
それはもう求愛行動かよって位の・・





「ピクルは・・・?」
偉大なる敗者を見送った後、勝者の様子を光ちゃんに尋ねるアルバート博士
光ちゃんは地下に対して耳をすませるような動作を見せつつ、彼の現状を伝えた
「聞こえんかね?この地の底から響くような遠吠え
無傷に見えるピクルにとっても

それほどの闘いじゃった
ということじゃろう・・・・」

東京ドームを揺るがすかのような、ピクルの哀しい慟哭
闘いを観戦していた刃牙や独歩でさえこれほど感動したのである。実際に拳を交えた彼の思いたるやどれほどか
強敵への畏敬の念。溢れ出す思いがピクルをまた一歩人間へと近づけさせていく。次号へ続く!


136話

日中合作

「中国茶だ。私がブレンドした」
「うん・・・いい香りだ」

冒頭、病院の一室で語らう2人の男。自慢のブレンド茶を差し出した色黒の男は右脚が義足
そしてにこやかに笑うベッドの上の男は・・・
肩から先の右腕がなかった
あの激戦から数日後。出血多量での死亡も危ぶまれた克己でしたが無事一命を取り留め、自分で茶を飲むまでに回復
担架で搬送される際、ピクルに食い千切られた右腕も添えられていたので
紅葉ならばあるいは接合してくれるのではないか?という淡い期待もあったのですが。流石にあの状態では無理だったようです

「・・・うまい」
「中国茶は葉を醗酵させている。だから香りも味わいも深みが出る
日本のギョクロもいいが・・・私には少しもの足りない」

「ウマい玉露、今度俺が淹れてやろう
番茶も煎茶もほうじ茶も 醗酵はしてないけどどれもウマい」

「中国茶ウメーべ?」「いやいや日本茶だってウメーぜ」と談笑しあう2人。ウメーウメー
しかしここで烈先生が真剣な顔つきに。ぐっと奥歯を噛み締めながらあの壮絶な闘いの話を切り出します
「克巳さん・・・片腕を失った君にこんな事を言うのは不謹慎すぎると百も承知しているが―
君に嫉妬している。それが癪だ・・・」

そこはやはり武術家の本音
郭海皇をして「武を50年進化させた」と言わしめた克己の闘い。ピクルという敵に相対し、自らを限界以上にまで引き上げた結果
まさに武術家として最高峰に昇りつめたと言っても過言ではない
自身もピクルと死闘を繰り広げ身体の一部を失った仲間ではあるが、果たして克巳ほどに武という頂に足を踏み込めただろうか
そんな妬みを抱く自分の心根を恥じる烈先生に、克巳は怒るでもなく笑うでもなく誠意ある目でこう答えた





「へりくだるつもりはない
闘いに―武に生きるなら誰もが羨む。
そんな試合だった」
「認めざるを得ない」
「ただし・・・言うまでもなく俺一人によるものではない」

「あの試合凄すぎて俺マジ嫉妬」という友の正直なカミングアウトに対し、克巳はそれを謙遜することはしなかった
あぁ俺は武術家として最高の試合をしたと胸を張って答え、だがしかし
「でも俺1人だけの力ではない」と付け加える

「烈海王あなたと郭海皇両氏は無論
中国 沖縄 日本 三国に渡り数千年もの間
一刻も進化を止めなかった数多の先人達
幾百万 幾千万もの先輩達の息遣い。温もり・・・そして悠久の時
今も感じている
あ・・・お茶いい?美味いねコレ・・・玉露並み」

克巳がピクルを幾度となく地に叩き伏せた拳と蹴り。それは愚地克巳という個人が生み出したものではない
先人達が培ってきた理合。数千年かけて進化してきた結晶
それはまさに試合前から言っていた2人の言葉の通り。空手と中国拳法、4001年目と501年目の融合だったのだ

幸運にも俺は代表しただけ
日中合作なんだあの試合は

あくまで俺はそれを代表して闘っただけ
あの試合は「愚地克巳」という個人の人間ではなく、「日中武術の集大成」が成したのだと
笑顔でそう答えた克巳に、烈先生は心から感服したように首を垂れた。克巳はもうなんか悟りの境地に入ってるな
この流れを見ると冒頭の「中国茶ウメーべ?」「いや日本茶もウメーぞ」というやりとりも、
お茶の中に中国拳法と空手という意味を認めた言葉遊びのようで、なかなか深いシーンです





「なのに勝てない」
「な・・・何を言うかッ!」
と、ここで自分達の世界に酔っている2人に冷水を浴びせるように登場したのは我等の刃牙
「どんだけ美化しても勝てなきゃなァ」というドライな物言いにいきりたつ烈先生でしたが、克巳がこれを制止します

「それは―誰かが言わねばならぬこと」
>へりくだらず、されど驕らず。経過を誇り、されど結果を受け入れる。雄大…いや悠大なり愚地克巳
そう。過程と内容だけで盛り上がり、「俺達マジすごかったって!」で美化して終ったのではただの自慰行為で終ってしまう
過程はどうあれ、ピクル打倒という結果は出せなかった。この事実は潔く受け止めねばならない
ここまで言われて烈先生もハッと気付いて視線を下げた。刃牙は2人の為に、この憎まれ役を買って出てくれたのだ

「バキ・・・力足らずとも根限りやった。それだけは否定させない
そして・・・あれ以上はない
君に継なぎたい」

拳雄・烈海王が右脚を失い
天才・愚地克巳は右腕を失った

敗れはしたものの、その闘いは彼らから肉体の一部を奪うと同時に、その心の在り方に大きな成長をもたらした
そして今 魂のバトンは
若干18歳の少年に託される

ギュウウウウウウウウウウ・・・・・!
見舞いに持ってきたバラの花束をおもむろに手で絞り上げ、花弁のエキスを手の平にポトリポトリと垂らす刃牙。ゲェー!?
これはまさか花山さんが日に日に衰弱してゆく母に対して使った・・・
手絞りのバラの化粧水!

「受け取ったよ」
>刃牙のラスト・・・花山さんの母を思う名シーンを無意味にパクられて萎えた
他人の必殺技だけじゃなく名エピソードまでコピーとかどんだけ・・・
>花山さんがオフクロにやってたアレをバキが!
>アレルヤ、花山ファンの嘆きが聞こえるようだよ…っていうか俺が泣いた。
板垣、バキのために過去の感動を汚すのはもういい加減にしてくれ…
>バキ・・・かっこいいとは思うけど、完全に花山さん二番煎じだから感動はないよね

刃牙、ついにピクル戦に名乗りをあげる!
・・・って、なんだかよう
ワカらん演出です。せっかくここまでカッコいい流れできてたのに・・・
なぜここでわざわざあの名シーンを
二番煎じで焼き直さねばならんのか。非常に残念
確かに普通に「受け取ったよ」ではもの足りないので、何かカッコイイひとネタが必要だったのはわかりますが
やはりここは刃牙オリジナルの演出がほしかった・・・・花山さんのあのシーンは病魔に蝕まれて日々やつれてゆく母に対し
「母さん、今日も綺麗だよ」という意味で使ったからカッコイイんであって、男相手じゃ意味不明だしな
まぁそういうワケで
魂のバトンは刃牙に手渡された!(キリがないので巻いた)次号へ続く!


137話

会談

不思議な光景だった
男は―ただ歩いているだけ・・・

以下略!
冒頭。夜の街を歩く勇次郎と、その姿を見て歩みを止める通行人達の描写でいきなり9ページを消費
チーターに出会ったインパラは恐怖のあまり動けないとか、全身60兆の細胞が―とか云々で今更勇次郎の凄さを描きます
先週克巳編が終了し、今週からの新展開に期待している読者にとっては初っ端からガッカリ感炸裂ですが―
「立ち会いたい―ということでもなさそうだが」
「ちょっと付き合ってくんねェかな」

そんな勇次郎の前に現れたのはなんと独歩。ぬぬ、あれで終ったと思ったが・・・克巳編はまだ裏エピローグがあるのか?





「俺の一言だと・・・?」
「遡るならそういうことになる」
勇次郎を連れて渋い雰囲気のショットバーへやってきた独歩。飲みながら切り出した話の内容は、あの厚木基地での一件だった
己の実力も省みず、身の安全がある程度保障できる状況下で発した粋がり。それを痛烈に嗜めた勇次郎の一言
だから相手にもされんのだ
俺にも 刃牙にも 父親にも

「あの一言なかりせば。一人息子克巳は―今もあのあまだったろう」
どうやら独歩が勇次郎を飲みに誘った用件は、克巳が一皮向けたきっかけを作ったことに対する礼らしいです。律儀なことね
なみなみと注がれたカクテルグラスを
トーンと空中に跳ね上げ、中身をこぼすことなく飲み干す勇次郎
アクロバティックツェペリさん飲みとも言うべき隠し芸により、
酒を飲むだけで3ページ消費します
「猫が獅子に化けることもある
出来損ないのボンボンとしては上等の出来と言えるだろう」
普段なら「くだらぬ用件だ。大した親バカだな」とか言ってすぐ帰ってしまいそうなモンですが
タダ酒を奢られて気分がいいのか、勇次郎にしては珍しく人間らしい会話が成り立ってます
あぁ克巳編の裏エピローグはこの親父コンビが克巳の成長を認めあって締めるのかな、と読者の誰もが思ったその時
やはりラストページで炸裂してしまう勇次郎節

「しかし愚地独歩よ

貴様等は
重大なミスを犯している!!!

な、なんだってー!?
”克巳の成長を喜ぶ父!しかし周囲に見えていない重大なミスとは・・・!?” と煽りが打たれて引き
このまま綺麗にまとめておけばいいのに、勇次郎の
克巳編に対するダメ出しがきました
あれだけ頑張り、読者からも認められた克巳を最後の最後にまた貶めると言うのか?これは正直蛇足だよなぁ

>はんぺら!お前は次に「大して気にならない次号に続く!」と言う!!
大して気にならない次号に続く!・・・ハッ!?


138話

本分

「仰る通りだ」
「ほう。自覚していると?」

「今頃になって自分を嫌悪している。甘きに傾きすぎた」
貴様等は重大なミスを犯しているッ
気になる言葉で幕を引いた先週ラストでしたが、どうやら独歩は言われるまでもなくそれを自覚していた様子
甘きに傾いたとは?いったい愚地親子のしでかしたミスとはなんだったのでしょうか

ちなみにこの間、勇次郎が度数70度のスコッチをジョッキで飲み干す
という描写が入り、これだけでいきなり4ページを消費。相変わらず今週もエンジンフルスロットルです

「息子克巳の成長に目がくらみ―我を忘れた
三段跳びで成長する倅を前に―飛躍しようとする我が子を前に
己の本分を忘れ去った。武術家の本分をッ
例え親兄弟でも手加減はするな。そう教えている俺が。そう嘯いてる武闘集団が
皆が甘ったるい成長物語に酔いしれた。地上最強のカラテ・・・?効いて呆れる」

えーちょっと抽象的な物言いなので真意はよくワカりませんが、つまりは言わんとする事はこういう事でしょうか
武術家ならば、息子のことよりもまず”自分優先”だろ、と
武術家の本分を通すのならば、息子に抜け駆けしてでもピクルと先じんて闘うべきだったし
そして克巳があれほどの成長を遂げたのならば、
その逞しく成長した息子を真っ先に倒そうとするくらいでなければ
「親兄弟でも手加減するな。地上最強のカラテ」を謳う神心会空手の創始者としてのスジが通らないのではないか
門下全員で「代表者」の克巳を送り出して、彼に嫉妬もせずやんややんやの応援騒ぎをしている時点で、それは
「所詮おままごと」にすぎないのではないかと。つまりはそういう趣旨の発言と思われます
これが勇次郎が指摘し、独歩が自覚していた重大なミスの正体か

「全部言われちまった」

大方の読者予想は「ピクルを人間に近づけてしまったこと」=(野性を失い、その強さの本質が失われるから)
が「重大なミス」とするものが多かったようですが、そのへんはまったく関係ありませんでした
まぁ「おー」と感嘆するでもなく、「何言ってんの」の落胆するでもない
極めて普通の答え





「1億9000万年眠り続けた古の戦士・・・そんな代物があっさりと現代に甦っちまった
独歩よ。貴様はこれをどう解釈する?」
恐竜時代の人間がこの現代に目を覚ました。今更ながら、この奇跡の事象の感想を求める勇次郎
独歩はそれを受け、紙にサラサラと謎の数字を書き出します。
50/190000000
「1億9000万年はピクルの睡眠時間・・・
50は個人差はあれど、我々が現役でいられる年数・・・」

約分すると380万分の1
1億9000万年も生きてるピクルが、この勇次郎や独歩、刃牙ら現役の時代に目を覚ます確率です
「数学的見地から言うなら、確率が30万分の1以下なら0%と言えるらしい
つまり・・・それが起こる可能性は無いって言えるんだ
この数字。偶然じゃない」

ピクルの復活は、もはや「奇跡」という言葉でさえも足りないほどに起こりえぬ事象。だがしかし現実に、
起こるハズのない出来事は 起こった
ならばこれは一体何を意味するのか。生涯を闘いに生きる男二人は、ただただ含み笑いを浮かべるだけである
「思いあがっていい。とてつもなくデカい何かが気付いちまった」
「天上の誰か・・・・・」

地球史上最強を決めるのは
”今しかない”―と
偶然ではない。僥倖ではない。奇跡ではない
ピクルはまぎれもない必然によってこの現代に甦ったのだ。”何者か”の大いなる意志の下
地球史上最強の生物は誰か。それを決定するために
なんだかスケールがでかい話してますが、これは来週から早い者勝ち群雄割拠のピクル戦が始まるということでしょうか
いやそれよりも・・・・

>またトーナメントやるのか?
>第二回最大トーナメントの予感がします。独歩が出した数字、地上最強は決めるのは今と言うセリフ
これはトーナメント予感と思ったのは僕だけでしょうか?

ゴロゴロいるキャラクターの中から手っ取り早く最強を決めるなら、やはりこの展開も無いとは言い難い
今さら金竜山やアイアンマイケルは出てこないでしょうが
龍書文やアライJr、ゲバル、オリバさん等が参戦するトーナメントは確かに面白そう
ただ板垣先生の作風やポリシーからして、「トーナメントもう1回」って二番煎じはかなり可能性は低いと思うな
そのトーナメントに烈先生と克巳が出れないのも寂しいしなぁ。あーでもあの2人なら普通に義手義足で参戦してくるか




でもってラスト、自宅でパンツ一丁の刃牙。何も無い虚空に向かってファイティングポーズを取り
驚愕の表情を浮かべているところで引き。言わずもがなお得意のリアルシャドーですが・・・
「スゴいな・・・こんなのは初めてだ
まるでイメージが影も形も浮かんでこない
ピクル・・・サイコーだよアンタッ!」

>いや、目の前で闘いを見たんだからティラノサウルスよりはイメージしやすいだろ!
誰も見たことのない恐竜はイメージできるクセに、実際に見てるピクルはイメージできない刃牙。なんかなぁ
実際に目の当たりにして尚、その底がまったく見えない
ってことの表現なのは勿論わかりますけどね。もう既に恐竜をイメージしちゃったってのがやりすぎだったよな
これにて正真正銘克巳編完全終了!次号からの展開が気になりますが
来週は休載だ!


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