188話

友情の証

ストライダムよ。俺との関係を維持したくば―
年に一度俺を狙え
公正か否かは問わない。俺を脅かせ

刃物可。銃器可。爆薬可。核可
全身全霊を傾け、必ず仕留めると決意せよ
範馬勇次郎の知己を名乗りたくば。オーガの側近と認められたくば
それが唯一無二の方法だストライダムよ」

親友であるはずのストライダムが勇次郎を狙う理由。それはこの「友人契約」とも言える取り決めにあった
勇次郎の暇人さ加減が伺えます。暇を持て余した 勇次郎の 遊び
ストライダムもストライダムです。これだけ何でもOKというルールをもらってんのに仕込み武器と防具とかズレすぎだろ
地下闘技場で勇次郎捕獲したハンター達集めれば勝てるじゃん
>なぜストライダムは腕っこきの狙撃班を用意しなかったのか
読者の誰もがまっさきに思いつくであろう戦法ですが、そこは触れないであげるのが板垣先生への配慮か
つうか核にも負けないとか言ってるクセに、猟銃持ったハンター10人程度に捕獲されてる恥ずかしい事実がある勇次郎
トリコ世界の基準で換算すると捕獲レベル1じゃねーか
なんだかにわかに大したことないオッサンに思えてきました。板垣先生・・・さぞかしあの捕獲はなかった事にしたいだろうな

というワケで冒頭。米軍基地敷地内の広い草っ原で佇むストライダムの前に、かくして地上最強の友人が現れる
反射的に前転で距離を取り、ニトロを仕込んだ必殺の拳を突き出して老兵は開幕の挨拶を交わそうとするが・・・
「勇次郎、今回は・・・」
「ハハハハハハハハハハハハハハハ!
今回はなんだと!?いいッ!言わんでいいッ!
去年は『100年に一度の―』
2年前は『類稀に見る―』
その前は『空前絶後の―』

まるでボジョレ・ヌーボのキャッチフレーズだぜ」
ゲェ―!?前回「今回こそはキミを落胆させない確信がある」とか言ってたストライダムですが
同じことを毎年言ってるそうです。もう完全にもうろくジジイだこれ
自信満々で臨んだのに、いきなりの勇次郎の嘲笑にガックリ肩を落とす凹みっぷりが可哀想すぎる
フルフェイスのヘルメットでその表情は見えませんが、どんな顔してるのか想像すると泣けてきます





バカァッ!

と、お爺ちゃんに落ち込む暇も与えぬ勇次郎のファーストアタック
目にも留まらぬ蹴り上げでヘルメットだけを上空に吹っ飛ばす。メットはロケットみたいに空の彼方に消えてしまいました

「ストライダム・・・約束を違えたな
勝てるはずがないと捨ててかかっている!」

諦めんなよ!ちゃんと仕留めるつもりでかかってこい!と凹んだ爺ちゃんを一喝する勇次郎。イジメだこれ
顔面蒼白になって冷や汗を流すストライダムですが、しかしその心底ではまだ舌を出していた。切り札があるからだ
「フフ・・・オーガと言えども人の子・・・範馬勇次郎らしくもない読み違い」
『火薬を仕込んだこの拳を・・・このつま先を・・・せめて一撃でもッ』
「勝てないまでも、せめて必殺ニトロパンチの一発くらいはブチ込んでみせる!」老兵を支える最後の意地と言うべきか
しかしここで落下してきたヘルメットの音に
ビクつくお爺ちゃん。あまりのことに言葉を失う

このヘルメットはいったいどれほど滞空していた?
勇次郎の蹴りはこれを何百m上空まで飛ばした?

きっと毎年感じている事だろうに、今更ながらのように実感する恐怖。やっぱりお爺ちゃんボケ気味だから・・・
同時に胴当てに正中線に沿って亀裂が入り、パカッとキレーに真っ二つ。勇次郎の攻撃の前には防具など意味を成さないのだ

「読み違いがどうしたって?」
その瞬間、お爺ちゃんの心は”今年も”折れた
「オーガよ・・・読み違いも甚だしい。私はね
たった今捨てたのだよ」

俺は最初から捨ててかかってねえ!捨てたのは今だから!
そう言うなりニトロパンチを自らぶつけて完全降伏。「Aッchiiッ!」と叫んで今年も円満終了です
>クリスマスだもの。勇次郎とストライダムもいちゃつくさ
>読者「ちっストライダムのやつめ・・・1ミリも期待通りにならんかったなアイツ・・・いや期待通りなのか?」
>ストライダム、今回のあのラスト見る限りどうやら本気でボケが・・・・・・
>勇次郎(今年は爆発オチか…来年は全裸かな)
>つまりオーガはストライダムの襲撃自爆ショーを見ないと年が越せないんだよ!!
>以上、ストライダムの年忘れ一発ギャグでした!

結構期待してた読者も多かったハズのストライダム編・・・1コマで概要をまとめると
こういう話でした

まさに暇を持て余した大人の遊びというかなんというか
ストライダムはヨボヨボのジジイになるまでずっと続けてほしいなコレ。というワケで贅沢に二週使った壮絶な茶番終了
一挙2話掲載の189話へ続きます





189話

恋に殉ずる

「ご無沙汰してました栗谷川さん」
「お元気そうで坊ちゃん。いよいよですね
地上最大史上最強最強最後の親子喧嘩」

「ただの親子喧嘩さ」

何年ぶりの登場でしょうかこの人。刃牙の母・朱沢江珠の側近であり、刃牙の世話役だった栗谷川さんです
ついに刃牙が5年越しのリベンジマッチを行うという情報を聞きつけ、その激励にやってきたみたい
いや、彼の性格を考えると今までの5年間もずっと刃牙から目を話さず見守っていたのかもしれません
「奥様の仇、果たすときはまさに今・・・」
「栗谷川さん。あれから5年・・・何度も何度も自問自答を繰り返してきた
憎き父親―俺は本当に父を憎んでいるのだろうか?もっと言うなら
父・範馬勇次郎が母・朱沢江珠の仇というのは真実だろうか」
「我々は5年待ったのだッ!」とアナベル・ガトーのようなテンションの栗谷川さんであったが
その当人である刃牙に彼と同様の感情の昂りは一切なく、むしろ仙人のように達観した答えが返ってきた
期待していた「若」の予想外の返答に、忠臣の表情が曇る

「・・・なにをもってそのような」
「母さんはいわゆる普通の母親じゃない。血を分けた息子など目じゃない
親子愛より恋に殉じた女性です
男の中の男―否。超雄・範馬勇次郎に殉じた女性です」

刃牙の言う朱沢江珠像は間違ってはいない。確かに彼女はそういう風に生きた女性だった
でも刃牙はわかっているんでしょうか

そんな情念の塊のような江珠が
最後の最後に殉じたのは
恋ではなく、母性だった事を
例え作者である板垣先生がなんと言おうとも、全国のバキ読者はそう解釈してます
だからこそあのシーンはバキ全シリーズ通しても屈指の名シーンであり、その後の死体おんぶも涙なしには読めないのに・・・
>刃牙、江珠はお前のために戦ったんだぞ・・・
>自分を庇って死んだ母親を「親子愛より恋に殉じた」とか。刃牙の言葉の重みのなさは異常
>江珠の母性全否定とかないわ……板垣は何処まで過去の遺産を汚せば気が済むんだ
>刃牙は江珠が身代わりにならなかったら自分が死んでたかもしれないってのを知ってて言ってるんですかね?
だとしたら俺はもうこいつを主人公とは認められない





「夢うつつの中身届けた、あのワンシーン・・・
父・勇次郎に抱きしめられる母さん
母も抱きしめていた。泣いていた・・・

女性としてのお袋の悲願は
あの瞬間成就したんだ」
これも間違ってはいません。江珠は最後の瞬間、最も愛した男から「なんていい女だ」と抱きしめられて逝ったのだ
愛しい息子を守り、かつ最愛の男に抱かれて死んだのだ。彼女にとってすれば
大往生と言ってもいいでしょう
でもしかし
「父が母の仇というのは真実か」という刃牙の考えは話を曲げすぎ
江珠を殺害したのは紛れもなく勇次郎であり、その理由に刃牙がどんな妄想をつけ加えようが事実はひっくり返りません
バキVSピクルの勝者は、最後まで立っていたピクル
「強者に技を使わせた刃牙が凄いから勝者」だなんて、そんな論点をズラした話が通用しないのと一緒
やはり父・勇次郎は母・江珠の仇なのです。遺恨ではない感動的なバトルにしたいなら刃牙にそれを認めさせた上で、
「でも俺は父を憎んではいない。彼は最後に母を愛してくれたから」
とでも言わせれば十分読者にも伝わるのに、「父は仇じゃない」とか言い出しちゃうから薄ら寒い。そら読者もキレますよ
でもまぁ刃牙からしてみれば、
「母が死んだのは自分が弱かったから」という自責があるのかもしれません
だとすれば刃牙にとって「母の仇」とは他ならぬ自分自身。「勇次郎は仇ではない」という気持ちも解らなくはないかなぁ

「バキさん。いいのですかあなたはそれで」

それは感動の涙か、失望の涙か
栗谷川さんの性格がよくワカらんのでアレですが、彼が泣き崩れたところで次号へ続く。いよいよ親子対決へ向けてまとめに入ってきました
今回の話をどう受け取るかは読み手の感性次第でしょうが、板垣先生が広げた風呂敷を一生懸命畳もうとしているのは伝わってきます

巻末コメントにも「広げた風呂敷たたんでます」って書いてるところに、読者に対する誠意は感じました
>なんだかんだいって板垣先生は連載終了に向かう気があったんだと一安心
>広げた風呂敷をたたむ・・やっと終わる、終わるのか・・この長い物語が

ラストスパート頑張れ板垣先生!なんだかんだ言ってもここまで付き合った読者は最後まで応援しますよ


190話

あの言葉があったから

「奥様は女性として報われた・・・そりゃあそうでしょうよ」
涙を拭いながら口を開いた栗谷川さんの言葉は、意外にも刃牙の考えを肯定するものだった
ならばなぜこの忠臣は涙を流すのか。なかなかインパクトある冒頭から栗谷川の説教が始まります
「報われたのは奥様の人生だけです。刃牙さんの人生ではない
大切なのは御自身の人生です。刃牙さん御本人の人生のハズです」
「本気で心配してくれている」
「いいえ私は叱ってるんです。たった一度しかない人生ナメちゃいけません
奥様を満たすために生き 勇次郎様を満たすために生きる・・・
奥様は「よくやった」と褒めるでしょう
勇次郎様は「それでこそ範馬の血」と褒めるでしょう
それは間違っています刃牙さん
あなたの人生は―
いったい何処に?」
それは感動の涙ではなく。ましてや失望の涙でもなく。純粋にこの少年を憐れむ涙だった
母のため―父のため―と あらゆる楽しみを捨ててひたすら闘いの中に身を置き続けた刃牙
まだ18歳の少年があまりにも不憫ではないか
「あなたにも幸せな人生を生きる権利はあるハズだ」と
彼とて江珠に長年仕えた側近。その死に様が彼女の望む大往生であったということは理解していた
栗谷川さんが「打倒勇次郎!」と刃牙にハッパをかけるのは勇次郎に対する恨みからではなく、
ただただ一刻も早く刃牙にこの呪われた人生から抜け出てもらいたいと心から願っているからなのだ

「・・・・聞こえたんです。あれは天使の言葉だ」
「聞こえた・・?」
そんな栗谷川さんの優しさに感謝しつつ、ゆっくりと口を開く刃牙。それはあの闘いの最後の記憶だった





父の直撃弾。敵わなさが骨身に染みたあの瞬間
地上最強の前に母は立ったのです

あまつさえあの巨凶を殴りつけ
胸をそびやかし傲然とこう言い放ったのです

『 あたしが相手だッッ 』

刃牙は全て見ていた。聞いていた
朦朧とした意識の中ではあったが、あの時起こったことの一部始終を理解していたのだ
「おわかりでしょう。範馬勇次郎の前に立つその意味
おわかりでしょう。範馬勇次郎の身体に触れるその意味
おわかりでしょう。範馬勇次郎に闘いを宣言するその意味

母は―
我が身と引き替えに
俺を救おうとした」

母が最後の最後に、勇次郎よりも自分を選んでくれた事を
その命を犠牲にして自分を守ってくれた事を






「俺はもう十分です。あの一言だけで十分です
あの言葉と残りの人生 引き替えにしたっていい」

止め処なく溢れる涙と鼻水を拭わずに喋る刃牙。ずっと彼を見てきた栗谷川には、その心中が痛いほど伝わっていた
「母に愛されたい」とあれだけ願った少年である
最後の最後に注がれた、母の無限の愛
「あなたは幸せな人生を生きる権利があるハズだ」と言われたなら、刃牙の「もう十分だ」という返答はまさに真実であろう
「あの言葉があったから生きてこられた
あの言葉があったから強くなれた
俺の内にある強さの全ての源流はあの言葉にこそある」

「・・・そしてその言葉により、今まさにあなたは地上最強になろうとしておられる
同じ言葉を耳にしながらお恥ずかしい限りです
間違えていたのはこの栗谷川でした」
この少年は自分の人生に明確な結論を出している
自分の心配など無用だったことを悟り、深く頭を下げて詫びる栗谷川。刃牙もこれに頭を下げ、笑顔で別れるのでした

父を越えるという悲願 父を倒すという宿命
それは母の優しさへの答え
仇討ちではない・・・

父を倒すことは母の愛に対する刃牙の答え
だからこれは仇討ちではないのだ、と先週の問答にも答えを出して綺麗な感じにまとめました
最後は夕日に向かってジョギングするというベタな刃牙の後ろ姿で次号へ続く
これは久々の良回でした。先週の刃牙にイラッときたのは今週の為の前振りだったか
落ちるトコまで落ちてた刃牙の株を大きく引き上げ、最終決戦への読者の感心を高めた名エピソードと言えるでしょう
栗谷川さんはすんげー久々に出てきたと思ったら、いきなりこんな助演男優賞ポジションもらって美味しいな
こっからは余計な時間稼ぎは挟まず、この良回で盛り上げた流れのまま一気に対決に入ってもらいたいところです。板垣先生がんばッテ!


191話

そっとして・・・

「まことに壮健の後様子、お慶び申し上げます」
「堅っ苦しいのう。面を見せいや・・・少し痩せたか?」
「身に余るお心遣い、恐縮の極みにございます。責任ばかりが重く・・・時には後悔も」

徳川家十三代目当主・徳川光成の威光の前に平服する一人の男。おずおずと上げられた顔を見てみればアラビックリ
第93代内閣総理大臣・波斗山征夫(はとやまゆきお)です
日本の財界の頂点に君臨する光ちゃん。現役総理大臣をこれだけ萎縮させるあたり、今更ながらその権力が伺い知れます
せっかく先週バキの株もフォローを入れて展開にもテコ入れしたというのに、また特に意味もない繋ぎ回か・・・・
「ときに波斗山。その重荷軽くするために何キロいる?」
「キロ・・・?ですか?」
「ウブいのう。銭というものは円ではなく―
キロ単位で数えるものよ」

「キロ・・・ッですか?」
>光っちゃん、その人ママンから月1500万の子供手当て貰ってるから、そんな金いらないから
鳩山の裏献金キタコレ
あぁそうか、コレは今のうちにやらないとネタ的に美味しい時期を逃すしな
板垣先生お得意&読者辟易の繋ぎ回ではありますが、まぁその理由を考えると少しだけ大目に見れる気もします

「銭は重さで数えるもんじゃ」と口の両端を釣り上げる光ちゃんがなかなかの貫禄。普段は見せぬ裏の顔というかなんつーか
中坊林太朗や財前丈太郎に出てくるような
「昭和の妖怪」「御前」といった雰囲気十二分
地下闘技場でのスナイパー十数人による勇次郎捕獲にしても、この人の策と手配・財力であれを成功させているのだから
劇中で唯一勇次郎に勝ってる人物と言っても間違いではありません
あれ?なんかこうして書き出すと光ちゃんて何気にものすごい人物じゃね?

「300キロ用意した。円にして30億を越える。トラックで持って帰りなさい
内閣総理大臣・波斗山征夫。男と見込んで1つ頼みがある」
「うかがいます」
襖の奥に山積みされた現ナマを見て息を飲む鳩山。はたして光ちゃんの30億円の頼み事とは何なのか?
しかし「300キロの金」と言われても、感覚的にピンとこないというか
あんま凄そうに聞こえません
普通に30億って言われたほうが絶対インパクトもあると思うが


「不可解だ。父親と息子の―たかが親子喧嘩を
国に黙認してもらいたい、と」

範馬親子の喧嘩を黙認しろ
光ちゃんの頼みごとの意味がわからず、狐に鼻をつままれた表情で首相官邸に戻った鳩山
「範馬って誰?」と、なんともマヌケ面で首をかしげてます
アメリカは最重要機密としてその存在を扱っているのに、
日本政府すごいテキトーね
>勇次郎知らないとかwwポッポ無知すぎるww
>なんにも知らないお坊ちゃん波斗山首相がリアルすぎです
>さすがボンボン総理だ、現実が全然見えてないぜ!

防衛大臣の北澤俊男に聞いてみたところ、彼は立場上その名を知っていました。お前それは首相に教えてろよ
そしてここからはもう読者もウンザリな勇次郎の逸話を、北澤大臣が鳩山に説明しまくるだけで8ページ消費
「アメリカは範馬氏個人に対して友好条約を結んでいる」
という衝撃的な事実に、その恐ろしい人物像を想像する鳩山で引き。ちょ、ちょっと待ってくれ

なんかコレ来週も続きそうですよ?
先週よかったから油断してたらコレだよ!しょうもない繋ぎ回はいつものことですが、せめて一回で済ませてくれと言いたい
次号
鳩山と勇次郎直接対面とかなら面白そうだとは思うけど。果たして対話はあるのか?次号へ続く!


192話

腕力家

「ご理解いただけていないようなので説明して差し上げましょう
範馬勇次郎という人物は
この世でたった一人の”腕力家”なのです
腕っぷし一本で全てを実現する・・・全男子の憧れですよ
北澤防衛大臣の言葉、アメリカとの友好条約の件は全て事実です」
「そこなんですが―狙撃
遠くからライフルで狙い撃ちすれば殺せますよね?」

所有する秘蔵映像を見せながら、波斗山総理に「Ogre」範馬勇次郎について解説している濁った目つきの腹黒そうなおっさん
言わずもがな主民党幹事長・大沢一郎です。この人は北澤大臣以上に勇次郎について詳しいみたい
というか一線以上の大物政治家なら誰でも知ってるシークレットを
鳩山だけ知らなかったと考えるのが妥当か
「つうかライフルで狙撃すれば殺せね?」とまっとうな質問をする鳩山。勇次郎を知らない人間が故の質問という気もしますが・・・
「無理です。友好条約を結んだアメリカを敵に回すことになる」
これは読者にとっても意外な答えというかなんというか。「勇次郎を狙撃で殺すのは不可能」というの解りますがその理由は現実的
「例えゴルゴ13並みのスナイパーが狙ったとて、彼には当たらないでしょう」などという、勇次郎の意味不明な強さによるものではなく
「彼を殺せばアメリカの報復があるからできませんよ」という、リアルだがなんだかショボいものだった
実際光ちゃんの手配した狙撃班は麻酔銃で彼の捕獲に成功しており、
あの時射殺しようと思えば容易に殺せたという揺るがぬ事実があります

まさに板垣先生にとって黒歴史と言える枷。この「アメリカの報復」は矛盾を生まぬ為の苦渋の理由付けといったところでしょうか
しかし勇次郎が狙撃されない理由にこういうリアルな設定をつけられてしまうと

やっぱ捕獲レベル1じゃねーかこのオッサン
と思ってしまう。この終盤にどうしてこうなった

「ならばそのアメリカが彼を狙撃することだってできるハズ」
「それもない。
何故なら全世界がOgreと手を組みたがっている
総理、今や範馬勇次郎はこの世で一番強力な兵器です
彼を味方につけることは大国に勝つ唯一の方法なのです
そんな重要人物をいったい誰が―どの国が狙うというのです?」

「じゃあアメリカが狙撃すれば万事解決じゃん」という至極まっとうな問いに対しても、この理由でカバー
つまり
勇次郎の生存が世界情勢のバランスを保っているときました。なるほど苦しくない設定
「・・・核よりも強いとでも?」
「ハハハ。仮に核で彼を攻撃するとして、市井街中に生きる彼を狙える場所がどこに?
サハラ砂漠を一人で歩いている時以外にはないでしょう。手の出しようがありません」

銃で殺されるオッサンですから、当然核に敵うハズもなく
勇次郎を核攻撃できないのも「周囲を巻き込むから」という理由以外なく、小沢が喋れば喋るほど勇次郎の格が落ちていきます





「先程総理は私に「Ogreのファンか?」と尋ねましたな
仮に国会議員が、仮にピアニストが、仮に漫画家が、仮にロック歌手が、仮に軍人が
彼らがもし勇次郎の腕力を持って生まれたなら
誰もが腕力で夢を実現したハズ。誰もがOgreを歩んだハズ」

「要するに―我々政治家も含め、
全ての職業は腕力の代用品だと?」
「だから世界で唯一の”腕力家”なのです」

芸術家が夢を表現するには芸術しかないのでこの例えはヒジョーに微妙ですが
財力や権力といったこの世を動かすあらゆる「力」は、結局のところ最終的に「無敵の腕力があれば全てまかなえる」という理屈です
ここだけ抜き出せば勇次郎の凄さが際立つんですが、先に
「銃で殺せる」という前提を出されてるだけにイマイチかっこよくありません
「そんなバカなことが・・・そんな理不尽がまかりとおるなんて」
「知ったところでどうしようもない。総理といえど手のくだしようがない
総理大臣のあなたは知らなくてもよかったことです」
「ならばなぜそれを知らせたのです?」

お前が聞いたからだろ。とは突っ込んではいけないのだろうか
しかしこの問いに対し、小沢は真剣な面持ちになってこう答えるのだった

「風向きが変わりました。ほんの少しですが」

『きた・・・親子なんだ・・・ほんの暫く・・・・
こうやって暮らそうぜ・・・・ッッ!』

変わりつつある風。それは彼の最強の座を脅かす息子の存在
ラストシーン。妄想巨大蟷螂と戦ったあの地下室で、再び父の影と仮想対決する刃牙にカメラが移って次号へ続く!
しかし勇次郎の凄さを掘り下げようとした解説で、逆に
「あぁ狙撃で殺せるんだ」とその強さを貶めてしまった今回の話
余計な時間稼ぎ回なんかやるからこのザマだよ!と言わざるを得ない。まぁ個人的には勇次郎も人間だったってことに安心しましたけどね


193話

イマジネーション

存在しないものを眼前にありありと創り出す
この少年の非凡性はまさにこの想像力にこそあった
かつこの少年が希少なのは
厳格さにあった

対戦者を都合よく想像り変え、
現実の試合ではやれるハズもない高等テクニックで
思う存分打ちのめすボクサー
そんなタイプとは対極に位置した

『ダメだ。ダメなんだよそれじゃッッ
更に強力く 更に敏捷く 更に怖く 更に狡猾く
現実より強くッッ!!』
地下室で父のシャドーと対峙する刃牙は、その想定戦闘力に微塵の妥協点も許さない。これでもかとパラメーターを上げていく
カマキリを巨大化させることができるくらいの想像力ですから、よく知る人物となればその能力を水増しするくらいは簡単な事でしょう

そうやって完成した幻影の勇次郎が動き出す。その初弾はまさに本物をも凌ぐ速度で・・・
”ドン!!!”
「え?地震!?」
「震度3?」
「テレビつけろ!速報!」

刃牙ん家の半径数100mに建つ全世帯が感じた、激しい揺れ
言わずもがなそれは





バキの出オチだった

>安西先生「まるで成長していない・・・」
>バキと勇次郎の差はいつ埋まりますか
>はいはい超能力超能力
>相手が勇次郎とはいえ勝手に吹っ飛んで小地震起こすとは…迷惑なイメージトレーニングだな

もう最終決戦は目の前だと言うのに、未だ勇次郎との隔たりはまったく埋まってない刃牙
ピクル編なんだったのさ。あの戦いを経た経験で攻撃を避ける、とかやっても良いと思うんだが・・・
冒頭から16ページも消費し、だらだらと長ったらしいナレーションまでつけて結果がコレってあんまりすぎる
せっかくあの栗谷川さんとの会話でクライマックスへの良い流れを作ったと思ったのに、
そこから三週連続読者をガッカリさせる流れと言わざるを得ない。どうしてこうなった

だがその頃。徳川邸で光ちゃんと対面する本物の勇次郎が何やら不穏な発言を漏らすのだった
「え?え?」
「驚くこたァねェ・・・
ちゃんと健康診断受けてんのかと思ってな」

>綺麗な勇次郎に吹いた
>光ちゃん実は病気という展開??
>えーと、これは光ちゃん死亡フラグという事でよろしいのでしょうか
>実は健康診断を受けたいのは勇次郎の方だったりして

光ちゃんの健康状態を気遣う、綺麗な勇次郎
なんか目もキラキラしててマジで吹く。そのキャラらしくもない発言の真意は?光ちゃんは何か重い病気を患っているのか?
最後の朋友の予想は突拍子ないように見えますが、無いとは言いきれない展開かも。勇次郎が病魔に冒されてるとすれば、
この
「身体には気をつけろよ」という言葉は、自分自身への皮肉とも受け取れます
でも刃牙曰く「癌細胞だってかなわない親父」だし、この最終局面で今更突然に病気とか言われるのもちょっとアレか。うーむ

皆の予想見解が聞きたい次号へ続く!


194話

特殊能力

「ケンコーシンダン!?勇次郎おぬし・・・ワシの健康を気遣っておるのか?」
「アホウ。世間話の延長だ」
カタカナで「ケンコーシンダン」などと、裏返った声を出す光ちゃん。やっぱ対象は光ちゃん本人だったのね
あの天上天下唯我独尊男が他人のことを気遣ったのだから、そりゃ確かに驚くのが当然反応ではありますが・・・
年寄り相手に「身体は大丈夫か」なんて勇次郎の言うように
世間一般の挨拶みたいなもんだし、
ここは年寄りらしくカラカラ笑って軽く流すべきところ。しかしどうしたことか光ちゃん、やたらこの言葉に噛み付いてきました

「ハァ〜・・・なんとお優しいことよ
我が子から国家権力、果ては軍隊に至るまで対立概念の一切に差別なし
己の前に立ちはだかるならば赤子と云えど容赦なく、軍隊と云えど容赦なし
だからこそのOGREッ!範馬勇次郎ではなかったのか?」
「わかった。もういい」

「それをまァ・・・この老いぼれに健康の心配とは。勇次郎ヤキが回ったかッ」

「ジジイ・・・その辺にしておけ」
「興醒めじゃ。シラけたぞ勇次郎」

ジジイうぜえ。お前は息子に小言を言うオカンか
もう話を切ろうとする勇次郎に対し、「逃がさん」とばかりにやたら粘着してくる光ちゃん。勇次郎がイジめられてるように見えます
なにせ世界一の格闘技狂爺さんですから、地上最強の生物”オーガ”は彼にとっては絶対的なヒーローのようなもの
そんな勇次郎が俗人のように他者を気遣ったのは、光ちゃんにしてみればヒーロー像を汚された気分だったのでしょう

「聞こえねェか」
「聞こえとるわいアホウッ!キサマこそ自分が何を言ったかワカっとるのか?
範馬勇次郎ともあろう者が
ガハァーッ!?」

「なんじゃこりゃああああああ」(松田優作風に)
なんだかやたらヒートアップしちゃった光ちゃん、調子こいて勇次郎相手に言いたい放題でしたが暴挙もそこまで
台詞の代わりに盛大に吐いたのは真っ赤な血
イラッときた勇次郎が目に見えないパンチでも放ったかと思いましたが、勿論正真正銘光ちゃんの吐血
滴り落ちる自分の鮮血を見て、ギョロ目を見開いたまま固まってる表情がホラー的で怖いぞ
光ちゃん自身が自分の身体を蝕む病魔に気付いていたかどうかはわかりませんが、必要以上に勇次郎に粘着したのは
勇次郎の指摘が図星だったから、
それを必死に隠そうとしていたように見えます
だとしたら光ちゃんは余命幾ばくもなく、勇次郎と刃牙の親子対決を見届けるのが冥土の土産といったところでしょうか
鳩山に300キロ渡してまで対決に関してイレギュラーが起きぬよう便宜を謀ったことも頷けます
>これってまさかの光ちゃん死亡フラグ?
「言わねェこっちゃねえ。医者を呼んでやりな」
血の海に沈む光ちゃんを哀れむ目で見ながら、そそくさと徳川邸を立ち去る勇次郎。ここからいつものナレーション入ります

幸か 不幸か
戦うことに特化しすぎたこの男が身につけた特殊能力
視界に映る者全ての弱点
本人も気付いていない微細な癌細胞から虫歯まで
全ての弱点が急所として男の目に飛び込んでくる!

>相手の弱点見つける能力ってなんかセコくて勇次郎らしくないな
>問答無用の圧倒的な強さが勇次郎の魅力なのに、こんなショボイ能力が付いても寒いだけじゃね?
>勇次郎にとって、弱点を見つける能力はぶっちゃけ蛇足のような気が
>腕力最強で通してきたのだから、弱点サーチ能力があるとしても、
それ使い出したらなんかこうセコいイメージが付きまとうような気がする
そういう能力こそ力が無いものが駆使する能力じゃないのかと
闘いで使用すると決まったわけじゃありませんけどね
>勇次郎が直死の魔眼だかイナヅマだかに目覚めたよーです、強さに理屈がついたら暴力でもなんでもないじゃん
>勇次郎アイすら欺く郭海皇の死んだフリ最強伝説

光ちゃんの病魔を看破した勇次郎眼力の秘密。それはレントゲンもCTスキャンも真っ青な謎の超能力
視界に入る者全ての弱点が、視覚的に見えるという代物
どんなタフな奴が相手でもそこを突けばイッパツであぼん!ってまるで直死の魔眼的な能力です

たしかにコメント通り勇次郎のキャラに対しまったく真逆というかその魅力を貶める能力ではありますが
あのアホ攻撃力にこんなサーチアイまで加わるとなると、まさに文字通り”鬼に金棒”状態
まさに生きているのなら神様だって殺してみせそうな組み合わせです。しかしながらこのナレーションの締めの一文は・・・

精密に造られた聴診器を 高性能のレントゲンを 熟練の外科医を 異能の東洋医学者を
遥かに凌駕る弱点発見能力を男に纏わせた
幸か 不幸か

出だしと同じ「幸か不幸か」をもう一度強調して締め。敵の弱点が見えるのなら、良いコトだけでデメリットはないように思えますが
この場合、勇次郎にとっての不幸とは何を指すのか
弱点が見えてしまうと戦闘がすぐ終わってしまうから、バトルキチガイの勇次郎にとってつまらなくなる?否
そんなものは見えた弱点を狙わなければいいだけの話。この能力で勇次郎が「不幸」になったと言うのならばそれは
彼にとって見たくなかったモノが見えてしまった、という事ではなかろうか
はたしてそれはいったい誰の・・・・?





「入門の許可を是非・・・ッ」
ラスト。街角のボクシングジムの門をくぐる一人の男。我々バキ読者のよく見知ったその顔は・・・・
オチなら俺に任せろ!烈海王!

>烈先生・・・すっかりオチ担当が板について・・・
>2010年中に親子対決は無いなもう

親子対決の流れをガン無視してボクシングを始めてしまいました
なんなのこの烈先生の空気読めないフリーダムさ加減は。面白すぎる。煽り文句も面白すぎる
烈・・・さん・・・突然のボクシング挑戦!?
中国拳法また捨てちゃうの!?

>バキは最後のコマの編集さんの台詞が一番面白いと思う今日この頃です また捨てるのってw
>刃牙の担当にツッコミの神が降臨しましたね
>バキはアオリ入れてる編集さんが毎週有能すぎると思います

はたして烈先生の真意は?ストーリー本筋からは脱線したのに、烈先生の挙動が楽しみでならない次号へ続く!


195話

ボクシング入門

「いやゴキョカって・・・入会費払や誰だって入れるけど・・・けど・・・なァ
健康のためにとかねェ、そーゆーのならかまわんけど」
「私の足のことを心配しているのですね
無論、選手としての御指導を願いたい」
突然ボクシングジムの門を叩いた我等の烈先生。片足の中国人がいきなりやってきたら、このトレーナーの反応は至極当然ですが
なぜか烈先生本人は
「いや俺ボクシングの選手になるから」と意味不明なハイテンション
どうやら片足を失った自分を補うものとして、突きのスペシャリストであるボクシングの技術を身につけようとしているようです

>烈先生は何がしたいんでしょうか。というより板垣先生は何をしたいんでしょうか
>烈先生は足を失ったから手技を強化するつもりでしょうか?
腕を失った克己がムエタイに入門したら私もムエタイに入門します

「無理だぜ兄ちゃん・・・その脚じゃ」
「どなたかお困りか?私が片足であることによって
いったいどなたに迷惑が及ぶと云うのか」

「・・・・靴脱いで上がんな」
最初は苦笑いを浮かべていたトレーナーのおっさんも、烈先生の真剣な眼差しと一歩も引かない言葉にその覚悟を察したのか
少なくとも烈先生の筋骨隆々の身体つきを見れば格闘技自体は素人でないことは解るだろうし、まずはその実力を見てもらうことに
「思いっきりひっぱたいてみな」
「あの・・・買い換えのご用意は」
とりあえずサンドバッグを全力で叩けと言われた烈先生。全力で叩くとブッ壊してしまうのでいきなり及び腰です
そんな烈先生の純な反応に萌えたのか、おっさんはカラカラと笑ってこう答えます
「兄ちゃん。もしこのバッグブッ壊せたら俺が専属コーチになってやる」
「よろしい・・・その言葉どうかお忘れなく」

壊さずとも入門の許される自信はあるが
ここはひとつド派手にッッ
烈先生もおっさんに対してときめくものがあったのか、専属コーチという言葉に大興奮
ここはいっちょ度肝を抜いてやろうと、サンドバッグを木っ端微塵に吹き飛ばします

殴打面にポコッと拳大の穴が開くのではない、反対側に衝撃の突き抜ける打撃
過去にもバイクのリア部だけを吹き飛ばしたり、並べたレンガの数を指定して破壊する等で披露している烈先生の十八番
凄いぜ烈先生。何が凄いってアンタ
「靴脱げ」って言われたのに履いたままです
>烈先生、結局靴脱いでねぇ!
板垣先生はおろかスタッフも担当も気付かなかったんでしょうか。まぁ以前も渋川先生のメガネマジックとかあったしな・・・
「コーチ。入門の手続きを」
「ひょ〜・・・かっけェ・・・」

>周りの人のリアクション薄すぎません?やっぱりピクルとかのせいで一般人もこういうのに慣れてきてるんでしょうか?
中国拳法の神秘を目の当たりにした道場生達は拍手喝采でこの新人を歓迎。トリックかと疑うような現象を見たにも関わらず
「ひょ〜かっけぇ」で済んでしまうあたり、かなりアバウトというかおおらかな連中です。もう少し驚けよと
かくして今週から
烈先生のはじめの一歩がスタート。おっさんと二人三脚で世界を目指します





「御老公!お目覚めですかッ!」
「おお・・・ハトちゃん」
一方。前回血反吐を吐いてブッ倒れた光ちゃんは病院のベッドで目を覚ましますが、頬はこけ見るからに元気もありません
連絡を受けてすっ飛んできた波斗山総理が枕元で声をかけるも、上体を起こすこともできずに小さな声で答えるだけ
そこガチャリと入ってきたのはやはりこの人。怪我・病気イベントと言えば
スーパーDr鎬紅葉です
「だいぶお疲れのようです。しばらくはここで御静養なさい」
カルテに目を通した紅葉は努めて笑顔でそう言いましたが、なにせ自分の身体の事
その笑顔が自分を気遣っての嘘笑いだということに、光ちゃんは気付いていました
「のう紅葉・・・夢を叶えてくれんか・・・
事切れる前に―是非・・・」

徳川光成、その余命幾許もなし!
前回「幸か不幸か」勇次郎に見えていたのは、光ちゃんの死期だったということか
強者に魅せられ、その財の全てをつぎ込んできた男
そんな人間が最後に願う”夢”とは何か?

>ご老公の最後の願い・・・やはり親子対決でしょうか?
>みっちゃんの発言がオーガとガイア、アンチェイン、死刑囚、中国連合を含んだ
最大トーナメント2の前フリだったらいいなぁ。隻腕のリーサルウェポンとかもう一回見てみたい!
>「烈さんボクシングを始める」はみっちゃんの願い(恐らく最大最後のトーナメント開く)に繋がるのかな
繋がらんかったら、今週のはマジでなんなんだ…

烈先生のボクシングも、光ちゃんの夢も注目の次号へ続く!


196話

事切れる前に・・・

「ん〜〜〜・・・・ッ カルテを診る限り・・・
徳川さんの健康力と財力。この2つで大抵の夢はかなっちゃうでしょ」

光ちゃんの「死ぬ前に夢を叶えたい」を発言を受けた紅葉でしたが、ニコニコ笑いながらこのなんともライトな反応
本人を前にしてショックを与えるような事実を隠している、とも推察できますがそれにしてはあまりにも自然体です

「一ヶ月か三ヶ月か半年か―どの道一年は持つまい。ならば急がねばならん」
一方光ちゃんは早くも「あと1年持たない」と自分の余命を勝手に断定
「徳川さん。吐血というのはショックを伴なうものです。しかし実際の病状は―」
それを聞いた紅葉は慌てて「血ぃ吐いたからビビるのは解るけどさ」と諭そうとします。えっと・・・これはどうやら・・・
本当に大したコトないのに光ちゃんが勝手に暴走してるようですよ?
>光っちゃん仮病乙
>しかし実際の病状はー(ただの胃潰瘍です)

「佐藤。耳を貸しなさい」

紅葉『ダメだこいつ早くなんとかしないと・・・』
そんな紅葉の言葉を聞いているのかいないのか。虚ろな目で宙を見つめながら従者になにやら耳打ちする光ちゃん
もう完全に自分は助からないと思い込んでるので、紅葉の言葉は嘘だと思ってまったく信用していないようです。ウゼえ
「すぐに取り掛かりなさい」
「少しよろしいですか徳川さん」
「急ぐのだ」
「徳川さん」

これはキチンと真実を教えないと面倒なことになると判断した紅葉。なんとか話を聞いてもらおうとしますが・・・

ジジイ発狂。なんだこの老害
「おめーの言うことなんか絶対信じねーよヤブ医者!」
とばかりに逆ギレし、もはや誰も取り付くしまがありませんあの吐血は余命幾許も無いというシリアス展開ではなく
光ちゃんの暴走という超展開への導入部だったのである
いったい光ちゃんは従者の佐藤に何を指示したのか?これはとてつもないカオスの予感がします





「数字の記録を意識しているワケではありません。心掛けてることは
リングという凝縮された非日常、その中で無駄な時間は過ごしたくない
相手のアクションに対し、理に叶ったリアクション
それが理に叶うなら3分は長すぎるということです」

一方。先週烈先生が入門したセンターボクシングジムでは、数多くの報道陣のインタビューに答える1人の男が
東洋太平洋スーパーウェルター級チャンプ 麻仁アキオ
プロ成績は14戦14勝。その全試合が1RKOという、近年稀に見る”本物”の日本人チャンプです
このジムの指導者の実力というか、ランク的なものは読者の皆が気になっていたところだと思いますが
お飾りではない実力派のチャンピオンを擁しているあたり、なかなかの名門ジムであることが伺えます

「バカな・・・素手の右ストレートでヘヴィバッグが・・・理に叶ってない
スパーいいかな?
やれるよアイツ・・・怪我はさせないからさ」

報道陣が帰ったあと、ズタズタにブッ壊れたバッグを見て烈先生に大変な興味を持ったチャンプ
流石に一流だけあってすぐにその実力を見抜き、中国4000年の神秘とのスパーリングを所望します
「お断わります。彼が相手では私にとってハンデだ」
ところがぎっちょん。まっちょちょん
入門したての新人がチャンプとスパーできるなど滅多にないチャンスなのに、それをにべもなく拒否する烈先生
当然ここで烈先生の言ってるハンデとは、自分が実力的に劣っているから勝負にならないという意味ではなく・・・
「あの人の力量では
私が全力を出せないのですッ」

>烈海王の相手となれば例えばアイアン・マイケルでも力不足だろうけど、
ボクシングの先達がスパーを申し出てるのに断るとか教わる人間の態度じゃないなぁ

「烈」には道に外れないという意味があるハズなのに。あの名台詞が台無しの物言いです
読者にとっては解っていたことですが、その場に居合わせる登場人物達にとっては場の凍りつく爆弾発言
入門したての素人がいきなりチャンプを侮蔑。笑顔を崩さぬチャンプの心中や如何に
烈先生VS麻仁チャンプのスパー実現なるか?次号へ続く!


197話

堂に入る

「拳法の兄ちゃん、蹴飛ばしてもいいぞ。使えんだろ?キック」
「ボクシングをやりたいのではないのか?無論蹴る気はない。蹴る必要もない
それでも尚ッ!あなたではキケンだと云っているッ!
コーチあなたは先程、拳法とボクシングは違うと言われた。それは間違いだ
拳を使用する以上はボクシングもまた拳法ッ!
しかも・・・”不完全”な」
入門したての新米が東洋チャンプを眼前に言いたい放題。それが麻仁さん個人だけを侮辱しているのならまだ許せますが
ボクシングジムに入門しておきながら
ボクシングそのものをこき下ろす烈先生の物言い
『蹴り技がない、投げ技がない、極め技がない、グローブをはめる
以上の理由でボクシングは 
格闘技として不完全だッ』

「グラップラー刃牙」においても【ボクシングが不完全である理由付け】は、少年時代の刃牙の台詞として明言されてはいます
しかしそれを今この場で公明正大に口に出すのはあまりにも礼を失してるというもの。アンタなんでそれを学ぼうと思ったのさ
>グラップラー時代に戻ったかのようなツンツンの烈先生・・・
>烈先生は何をしにジムに来ているのでしょうか
>シプレ「あっ!列先生のこころの花が枯れそうですぅ!」
>私ってホント悪い初心者だよね・・・ホントゴメンね・・・
>読者「口を慎みたまえ」
されどボクサーは同時に、あの範馬勇次郎をして
「この世で最も突き技の応酬に長けた連中」と言わしめていることもまた事実
あくまで烈先生が指摘しているのは格闘技としての不完全さであり、そのパンチテクニックは吸収したい技術なのでしょう
そんな問答で睨み合ってしまえば双方引っ込みがつくハズもなく。どっちが正しいか白黒つけるべくスパーリングが行われることに

『堂に入る』という言葉がある
コーチを勤める深町元一(46)氏は
後に月刊ボクシングマガジン誌でこう述べている

「イヤな予感がした。構えが堂に入っていた」と
そして例によっていつもの「○○氏は後に語る」演出入りました。もはや毎度お馴染みといったところ
烈先生が構えた瞬間に敗北を予感する深町コーチどうなのよ。いくらなんでもボクシング涙目すぎだろ
当然その嫌な予感は相対している麻仁チャンプ本人が誰よりも感じており、既に顔面蒼白になって冷や汗ダラダラ流してます

しかし嫌な予感があっても自ら打つのがボクシング。ましてチャンプからふっかけた喧嘩であれば、手を出さないワケにはいきません
ツー・ワンツー
深町コーチ曰く「完璧なプランだった」という、初弾右ストレート!

チャンピオンのプライドと、ボクシングの誇りを守るための意地の一撃が今、義足の中国拳法家に・・・・





ボ、ボクシングー!!!(号泣)
ここは「麻仁ー!」ではなく「ボクシングー!」と泣かざるを得ない。まったく何もしてねえじゃねえか
やられるのは全国読者がハナから解っていたワケですが、せめて最初のほうだけでもリズムの掴めない烈先生に攻勢に出て

「なるほどこれがボクシングのコンビネーションブロー・・・そしてフットワークというものか」
とかそんな台詞を言わせて感心させるくらいはしてもバチは当たらなかったんじゃないかなぁ。これじゃ本当にボクシングが雑魚すぎる
コアなバキ読者ならば誰もが知ってる常識ですが、板垣先生はボクシング嫌いなワケじゃないんですよ
なにせ自衛隊時代にはボクシングで国体に出場した程の選手ですし
「もし漫画家にならなかったらボクサーになってた」と公言するほどのボクシング通です
それなのに「ボクシング<<<中国拳法」という屈辱的図式を抵抗なく描くのは、
太氣拳の島田道男師範にボコられたという本人の実体験によるものが強いと思われます
※(板垣先生が雑誌記者だった時代、島田師範と対戦してまったく敵わなかったという。国体出場経験のあるボクサーがである)
格闘技(というか武術)に詳しくない朋友は島田道男師範が誰かわからんと思うので簡単に解説しておくと
拳聖澤井健一の弟子で、餓狼伝の久我重明のモデルになった人
もっと詳しく知りたい人はこちらの動画をどうぞ。太氣拳 島田道男

文句のつけようがありません
とてもボクシングと言えるシロモノじゃありませんでしたが・・・
それは間違いで
そんなボクシングを私が知らなかっただけですから

それは中国拳法とボクシングが出会った、中国拳法4002年目の幕開けなのか?
この展開がどこに向かっているのかサッパリわからない次号へ続く!
>ボクシングとの合流……それが中国武術の4002年目……
>会長、自分のとこのチャンプが義足の中国人に一撃でやられたのを誌上で公にしたのか
これはあれか会長、烈を売り出す気か
>今週のバキを読んでいて思ったのですが、板垣さんは地下選手を表舞台に出し
「こんなスゲェ奴がいるんだぜ」とか世間に公表するつもりなのでは?
爺さんの目的もそんな気がしてきました


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