198話

個性=オリジナル

「おい。何をしてンだ」

「稽古を」
「なんのケイコだよ。あ?
ボクシング習いに来たんじゃねェのか」
「そうです」
東洋太平洋チャンプをワンパンKOした後、何事もなかったかのように鏡の前で站?に励む烈先生
深町コーチの苛立ちは当然でしょう。ボクシングを習いにジムに来たんだからコーチである自分に教えを乞うべきです
中国拳法の稽古ならてめえ一人だけでやってろよってハナシですね
「じゃあボクシングやらんかいッ!縄跳びをッ!シャドーをッ!サンドバッグをッ!
パンチングボールをッ!
まともなボクシングをやらんかいッッ!」

「そんな・・・・まともなボクシングが何故私に倒されたのでありましょう?
自説の正当性は闘って示す他ない。ご自分が正しいと仰るなら会わせていただきたい
私の武術が通用しない強力なボクサーにッ!
倒されたその時には縄跳びでもシャドーでも逆立ちでもダンスでもあなたの指示通りに」

もうお前帰れ
本当に何しにここに来てるのか。支離滅裂すぎる烈先生の言動
>烈先生マジで何しに来たんだ
>烈先生いい加減にしてくれ…はっきり言って普通に不愉快
ただの居直り道場破りじゃないですか。ボクシングやらないならジムから帰れ
>アライーッ!アイアンマイケルーッ!早くきてくれーッ!
>「ボクシングを習いたい」→「俺に勝てたら練習してやんよ」
>読者「烈先生・・・今のあなたは最低ですッッッ」
烈先生擁護で解釈すれば、「自分を倒せる程のボクサーを求めてここに来た。そしたら習うよ」という風にも取れますが
そんなんこんな日本のジムなんぞに来るより、アイアンマイケルやアライJrといった光ちゃん経由のツテを頼るべきだし
最初から道場破りとして
「麻仁チャンプと手合わせ願いたい」と現れれば良かったのに
それで勝っても負けても「ボクシングは学ぶものがあります!是非入門させてください」って流れだったら無理なかったのに
ボクシング教えてくれ→入門→ボクシングなんて誰がやるか!
という
、ジムにとっては嫌がらせとしか思えない礼を失した言動なので完全に意味不明。何から何まで辻褄が合いません
何も言い返せない深町コーチも深町コーチです。「お前に教えるボクシングはねえ」ってスパッと追い返せばいいのにな

「非の打ち所がねェ・・・正しいから勝つんじゃない。勝ったから正しい
コーチ、我々は負けたのですよ。今日のところはね」

理にかなうバカの麻仁チャンプは烈先生の言動を「勝てば官軍。負けた俺達が賊軍」と評価します
そりゃ「自分の武術より劣ってる格闘技のコーチングなんて受けたくない」というのは理にかなってますけど
その格闘技をわざわざ習いにきたところは理にかなってませんよ。そういうところはスルーなんだろうかこの人
「ただしワカってんだろな兄ちゃん。アンタは世界中のボクサーを敵に回したんだ」
しかしそうは言いながらもボクサー。傷つけられたボクシングの誇りを守る為、烈先生を同門の後輩ではなく「敵」と認識したようです
返す返すも最初から道場破りの展開でよかったような・・・





思うな。失ったこと・・・失ったのではない
得た。何を得た?

その頃。夜の神心会空手本部道場で、ふわりふわりと舞うビニール袋を床に落とさず打ち続ける男の影
そのシルエットには右腕がない。言わずもがな同団体若き総帥・愚地克巳である
失った右腕をして「失っていない。得た」と解釈する克巳。いったい何を得たというのか?
隻腕・・・片腕という
個性!!!

生みの親と育ての親、2人の母がいる克巳。普通の人間ならば自分を手放した母を恨んだりすることもあるでしょう
しかし彼はそれを「2人も母親がいるなんて、他の人よりも幸せなことだ」と笑顔で言った
右腕を無くしたのは損失ではない
隻腕という”個性”を得たのだ

全ては心の在り方次第である
ポジティブシンキング。物事を決してマイナス面だけで捉えず、別側面からプラスの要素を見つけ出す気持ち
それは武道のみならず、長い人生を謳歌する上においてももっとも重要な考え方のひとつと言えよう

右腕と引き換えに、求道者として新たな境地に辿りついた克巳
読者からは黒歴史のレッテルを貼られたピクル編ですが、彼の成長こそ読者にとっての「ピクル編で得たもの」ではないでしょうか
そしてラストは、そんな克巳を刃牙が訪ねたところで引き。ここにきて刃牙は何をしに克巳の元へ足を運んだのか?
烈先生と克巳の現場復帰はまさかのトーナメント再びの流れなのか?
展開の読めない次号へ続く!
>克巳キター!これはやはり第二回最大トーナメントフラグ!?
しかし「腕を失った」ではなく「個性を得た」とは克己さんマジ人格者に育ったね。応援するっきない
>烈に克巳が再起…これはジャックの復活フラグの予感。ならやはり、更なる魔改造お兄ちゃんが!?


199話

新たなる境地

「バ・・・キ・・・さん?出入口が閉まっていたので窓から不法侵入ってワケか
さすがは範馬刃牙。で、どうしたんだい今日は?」
「たいへんだったよ。9階までよじ登るのは
むかし・・・片腕ドラゴンってカンフー映画があったっけ・・・スゲェな克巳さん
失ってまだ間もないのに―もう新しいスタイルを身につけつつある」

自分以外誰もいるハズのない夜の道場に、突如として出現した人影。しかもここは9階なのに!ってなんの怪談だよ
さすがに克巳もビビって軽く動揺しているのでしょうか、
なぜかさん付けで刃牙に挨拶です。その直後即呼び捨て
「簡単なことではないが・・・失ったものではなく手にしたものを考えるよう努めた
剣の世界ではたった一本の剣を操ることを極める
その技術は二刀流に劣るものではない
厳然たる前例が存在している。俺は幸いだった

隻腕という現実に身を置くことでしか手にできないものがあるハズ―ってね?」

言われてみればなるほど説得力のある例え。「2本>1本」が絶対なら、剣の道も突き詰めれば全て二刀流にならなきゃおかしい
まして
三刀流のゾロや六刀流の奥州筆頭殿が敵に遅れをとる道理がありません
隻腕は絶対的ハンデではないのだ。その中でしか得られないスタイルが必ずあるはず
まさに自分の状況を悲観することなく、前向きな気持ちになってこそ辿り着ける境地であった

「スゲェな克巳さんは。親父がでけぇとなァ・・・倅もしんどいや」
「地上最大史上最強親子喧嘩」
「みんな騒ぎすぎだよ」
「そいつはしょうがねェ・・・範馬勇次郎と範馬刃牙。現在考え得る最大のマッチメークだからな」

「もう恨んですらいない。なのに闘うと決めている。なんでかな」
ビニール袋をサッカーボール代わりに、ぴしぴしと互いに蹴り合う二人
栗谷川さんとの会話で父を恨んでいない自分を自覚し、闘う理由も「母の優しさへの答え」と言ってたのにも関わらず
なぜか今更「なんでかな」と蒸し返す刃牙。なんやねんお前
まぁナーバスになるのは解ります。共に偉大な父を持つ同士として、克巳に話を聞いてもらいにきたといったところでしょうか

「理由が必要かい?」
「・・・・いや・・・・知ったところで止められない・・・・
父と子だから・・・
いんじゃね―それで」

と思ったら自分で即答えを出しました。本当になんやねんお前
それこそ日本刀のような前蹴りでビニール袋を真っ二つにする刃牙。克巳が「スゲエ」とビビってますが
濡れた紙の上を破らず回転蹴りするほうが絶対すごいよ
自分は衝撃波でフロアのガラス全部割ったクセに。空中のビニール両断したくらいの芸当でそんな顔されても

「父と子だから―いんじゃね」
刃牙の答は理屈の存在しない捉え所のないものでしたが、同じく偉大な父を持つ克巳には十二分に理解できるものだった
父と子なのになぜ闘うのか?ではなく
父と子だから闘うのだと

「戦いこそはセックス以上のコミュニケーション」とは勇次郎の言葉
それはまさに格闘に人生を捧げた親子にとってこれ以上はない、本音と本音、心と心の語らいなのでしょう





「ふむ」

「転移しまくっとるのォ・・・」
そして場面変わってラスト。一枚のレントゲン写真を前に無言の紅葉と達観した顔の光ちゃん。ドッゲェ―
やはり自分の身体のことは自分がよく解っていたということか。ボケ老人扱いしてすまんかった
徳川光成、病状は末期癌!
やっぱりもうすぐ死ぬらしい光ちゃん。となると紅葉への「頼み」というのは、考察した「何か無茶な延命措置」で濃厚しょうか
「あの親子対決を見届けるまでは死んでも死にきれん。それまででいいからワシを生かしてくれ」みたいな?うーむわからん
しかしそれ以上に
烈先生のボクシング入門がサッパリわからん次号へ続く


200話

天命

「祟ったのォ・・・てきめんじゃのォ。天罰じゃよ。儂が天命を誤った」
全身に転移し、もはや手の打ちようがない末期癌のレントゲン写真を見せられた光ちゃん
さぞや自分の不幸を嘆くかと思いきや
「やる事やってなかったからバチが当たったんだなぁ」としきりに納得
一体何を怠けてそんな天罰を受けるようなことになったのか。不思議に思った紅葉が全国の読者に代わって聞いてみます
「アホウッ儂の勤めとはとは何だ?」
「一言では言えませんが・・・あなたは財界人ですから」
日本・・・否、世界レベルでもトップクラスの資産家にしてフィクサーの徳川光成。やることはいっぱいあるワケですが・・・
「ワカッとらんのォ。結婚相談所じゃよ
戦いたくて戦いたくて戦いたくて戦いたくて戦いたい奴ら
そやつらそれぞれに相応しい好敵手を引き合わせるッ

それが儂に課せられた天命じゃ!怠った!」
「ナルホド・・・そういうことですか。仰るとおりです」

強すぎるが故に対戦相手をなくし、暴れ狂う猛牛を殺して「戦う相手がほしい」と言った鎬昂昇のように
地下闘技場とは、光ちゃん個人の道楽・・・ではなく
戦いに生きる者達の出会い系コミュニティ

それはまさに光ちゃんの言葉通り、格闘結婚相談所。それをサボってたんだからバチが当たるのも当然だ、と。成程
光ちゃん良い人すぎる。やっぱ腐るほど金持ってると他者に優しくなれるのでしょうか

「紅葉おぬし、あの愚地独歩と戦いたいか?」
「唐突ですね。私がいくら闘いたくとも愚地先生のお気持ちが・・・」
「独歩が闘いたがっているなら?”鎬紅葉と闘えぬなら自殺してやる”
そんなことをほざいとるのだぞ。あの愚地独歩が」
「ハハハそりゃ聞き捨てならない。救って差し上げねば」
いきなり独歩戦のマッチメイクをムチャ振りした光ちゃん。「願い」ってまさか独歩VS紅葉が観たいとかそんなんじゃねーよな
もちろん独歩が「紅葉と闘えないなら自殺してやる」と言ったというのは、光ちゃんがたった今作ったホラ話でしょう
紅葉もそれを理解しているからこそ軽く笑って応えたワケですが・・・

「それじゃよ。どうでもいいんじゃ理由などッ
出会うだけでよかったんじゃ。やりたい同士ただ会わせれば」

ウホッいい男・・・闘らないか
「理由なんかなくなって、出会ったら即やればいいじゃない!」とハッテン的発言をかます光ちゃん

「これらの男たちは闘う理由など問わぬ。それを知っていながら徒に時を浪費した
紅葉!儂に任せいッ!」

>最大トーナメントは確定っぽいですね。最近は克巳がすげぇカッコよく成長してるんで、活躍を期待したいです
>最大トーナメントフラグビンビン丸でござるが究極の親子対決は何年後に始まるのでござろうか
>あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ! 『俺は風呂敷をたたんでいたと思ったら いつの間にか広げていた』
>結婚相談所か…そうだったのか…これはやっぱり東京ドーム地下の式場で合同結婚式フラグ立ちまくりっすね…
風呂敷畳むんじゃないのか板垣ぃぃぃぃぃぃ
>第2回トーナメント戦来るかと思いきや、少し様子が違いますね
トーナメントにした所で決勝は刃牙と勇次郎に決まってますから、
これは徳川のマッチメイクによる夢のカード連発大会になるのかも?

地下闘技場に名を刻む錚々たるメンバーの名前を挙げ連ね、死期が近い病人のクセに「儂に任せろ」とやたら漲ってます
徳川光成の冥土の置き土産は
やはり第2回最大トーナメントなのか?それとも別の形式なのか?
もしトーナメント再びだとすれば、寂さんやオリバさん、アライJr、ゲバルといった一回大会にいなかった面々の参戦が楽しみなワケで
個人的には
龍書文が出てくれたらスゲー嬉しいんだけど無理かなぁ。どうだろうなぁ





「ボクシング!?なんで・・・海王の称号を持つ烈海王がなんでボクサーに?」
「ボクサーではない。烈海王は烈海王のまま、烈海王の流儀でリングに上がる
ボクシング技術は使わない。中国拳法だけでノシ上がる」

その頃、刃牙は克巳の口から烈先生の支離滅裂な奇行の正体を聞かされていた
ボクシングを中国拳法の流儀で制覇する
ハナからボクシング技術を得るつもりなど微塵もない殴り込み
>ボーイはボクサーじゃないよ。ボクシングのリングで中国拳法を使っているだけね
そのうちユージロー.ハンマのラストサンと『たのしいなぁ』とか『ニィ』って笑いながら戦うんですよ!
烈 九十九とか名乗るんですよ!(熱弁)
>グローブを付けてボクシングのルールで中国拳法をやると…修羅の門の主人公も同じ事してましたね

つまり現在烈先生のやろうとしている事は修羅の門・ボクシング編だったワケです
世界ランカーと闘う為にはボクシングジムに所属し、団体の定めるランキング戦を勝っていかなくてはならない
烈先生のセンターボクシングジムへの「入門」は、あくまでその為の手段にすぎなかったのである
だったら「選手としての指導を」とか言うなよと。絶対後付けだよなこれ
「そんなに甘い世界かな」
「甘いハズがない。”打たせずに勝つ”そんなシンプルなゲームを150年続けてるんだ
中国武術4000年の歴史。その価値と重さは論をまたぬが・・・・
近代スポーツとして位置づけられるボクシング。その歴史は僅か150年とは云え緩みない
成長のスピードは客観的に見て中国武術の比ではない
西洋拳法畏怖るべし。烈海王の現在を試せる。そして未来を」

中国拳法に比べればまだまだ赤ちゃんのボクシングの歴史ですが、その技術は近代スポーツ科学の結晶
「進化速度においてはボクシングの方が圧倒的に優っている」と、烈先生の道が平坦でないことを明言する克巳
「烈さんウエイトは?」
「106kg」
「あっちゃあ・・・どこまで?」
「無論負けるまで。本人談だが」
「バカだよ」

烈先生の階級はヘヴィ級
それは正真正銘世界No1のボクシングであり、ジョン・L・サリバンの幽霊曰くヘヴィ級のチャンピオンとは
「世界でイチバン強いやつ」と同義。まさに烈海王の現在を試すに相応しい舞台・・・って
そのヘヴィ級チャンプ暴走族の特攻隊長に負けてますよ!?
まぁ試合内容的にはほぼマイケルの勝ちだったとは云え負けは負け。まさにコメントのツッコミ通り
いかに今更ボクシングを持ち上げようが、その最高ランクの選手があの前科持ちじゃあ説得力が足りません
正直烈先生なら片足の今でもアイアンマイケルには勝てるんじゃないかと・・・これはアライJr電撃再登場の流れか?

>106キロって、これやっぱりスパーに誘ったチャンプと許可した会長にも問題あるだろ





「烈、グローブはめな。スパーリングだ
手荒なことはしたくなかったが・・・こっちも意地を見せなきゃしょーがねえ
たぶんおめェが望んでいた
おめェが全力を出せて、おめェの武術が通用しねェ相手」
というワケでカメラ映って、周囲から完全に敵視されたセンタージムの期待の星・烈先生
この小生意気なガングロカンフーメンをぎゃふんと言わすため、ついに深町コーチが凄い選手を呼び寄せたみたい
少なくとも東洋太平洋ウェルター級チャンプよりも強い選手ということ。いったいどんな猛者でしょうか

「正真正銘のヘヴィ級だ」
ってうわああああああああああああああああああああああああああああ

弱そうにも程があるビジュアル!
>やっとアライが登場したかと思ったらまたこんなかよ…
>アイアンマイケル以下確定のボクサー持って来られても…
>新キャラ、あの顔の時点で敗北確定ですね。板垣先生かませでももうちょっと強そうに描いてください
>何故アイアン・マイケルがブラックペンダゴンにいたか。その伏線がついに明かされる!
と思ったがそんな事は無かったぜ。新登場のヘビー級ボクサーってフツーにかませじゃないですかぁぁ

そもそもコイツのランキングが何位か知りませんが、世界でイチバン強いチャンプが日本の暴走族の特攻隊長と(ry
どっからツッコんでほしいんだよ!そのへん明確にしてくれよ!
マイケル本人に出てこられても勝てるビジョンが薄いのに、それ以下の選手を出されても読者はどうすればいいのか
烈先生パートのこのどうでもよさときたらパねェ。光ちゃんの動きが早く知りたい次号へ続く!


201話

強きを求めし者

「3年前まで軍人だった。基地からうちに通ってたワケだ
デカすぎて日本ではデビューできなかったが、除隊後本国でデビュー
9戦9勝8KO。一昨日から古巣のうちで調整している・・・見ての通りだ
ウェイトもキャリアもテクニックも―ってゆーかもう
何もかもお前の上だッ!
この機会にボクシングを知れッ!学べッ!」

生意気な烈先生にお灸を据える為深町コーチが急遽呼び寄せた切り札は、現役ヘヴィ級ボクサーの俊英だった
1桁の世界ランカーでなかった時点で鼻で笑ってしまいますが、何が一番噛ませ臭酷いってアンタ

経歴解説で名前すら紹介されてません
この時点で既に彼が烈先生に勝つ展開が絶対にないことが確定していて涙が出てくるんだが。板垣先生迂闊にも程がある
読者としては烈先生が敗れるというミラクル展開に一縷の期待を繋いでいただけに、1ページ目からいきなり出オチになってしまいました
そんなワケで結果の見えてるスパーリングのゴングが鳴らされます。深町コーチと噛ませボクサーの人乙

なるほど・・・なるほどなるほど 確かに逸材
私を遥かに上回る巨躯でありながら、それを感じさせない滑らかなフットワーク
間合いも通そうだ
”ドグッ!!”ガシィン!
しかしそうは言ってもヘヴィ級のリングで9戦9勝8KOはまさに逸材。未来のチャンプの器と言っても過言でありません
烈先生の想定よりも遥か遠い間合いから左のリードストレート。ブロックしたものの身体ごとコーナーポストに叩きつけられます

なるほど・・・なるほどなるほど
速度・・・よし
重量さ・・・よし

初めて経験するヘヴィ級のパンチ。そのスピードと威力はどちらも烈先生納得の世界レベルであったが
その被弾は同時に、ボクサーパンチの持つ弱点もまた気付かせていた

握り・・・悪しッッ
ぼぐしゃー!!!!!

そしてこの顔芸であるデデーン
拳を硬く握りこむ空手や中国拳法と違い、ボクシングはグローブを使用するのが前提なため自然と握りは緩くなる
それを見抜いた烈先生は黒人の第二撃に合わせて
頭突きで拳にカウンターを敢行
巻藁突きのような局部鍛錬を経ていないボクサーの拳は、いともたやすく粉砕★玉砕★大喝采です





「ほう・・・で、刃牙はなんと?」
一方、場面変わってニューヨークのレストランで会食するのは勇次郎とストライダム
こないだ光ちゃん家にいたと思ったらすぐアメリカとか、よくよくじっとしてないオッサンです

ストライダムから息子の近況を聞かされた彼は、突如としてその形相を憤怒に歪ませる
「君に会いたいと。刃牙は変わった・・・なんと彼は君と・・・」
「野郎そんなことを・・・ッッ」
この怒りよう。いやこの人はいつも怒ってるようなもんですけど
一体ストライダムと伝えた刃牙の伝言とは何だったのか。「勇次郎のことはもう恨んでない」と言ったことか?
そんな普通の予想だったらストライダムの語尾をわざわざフェードアウトさせる必要もなさそうですが・・・・ううむ
気になるところではありますがこのシーンは僅か3ページだけで終り、再びカメラは烈先生のボクシングに戻ります

『折れた・・・完全に・・・ッ!続ける気か?』
せっかくの将来有望株だというのに、空気の読めない中国人に利き腕の拳を派手に粉砕骨折してしまった可哀想な名無しくん
更ににじりよる烈先生に恐怖し、もはや完全に戦意喪失状態
本来なら深町コーチがすぐさまスパーをやめさせるところですが、驚愕のあまりアホみたいに口開けてアクションを起こしません
「続ける気か?」じゃねえだろと。お前が止めろ。このコーチもネプチューンマンと同じくらいアレだなぁ・・・
「三サンアーッイーッ
右腕を大きく振りかぶり、カウントダウンまでして名無しくんに「こらから殴るよー」という猶予をやる烈先生
この間に名無しくん本人が降参の意志を示すなり、深町コーチがタオルを入れるなりすれば更なる悲劇は防げたものを

狙いは急所ではなく―
防御している上腕部

上段斬りのように叩きつけた烈先生の拳は、ブロックした名無しくんの左上腕骨をポッキリと折ってしまいました。可哀想に
判断力の無さから金の卵をみすみす潰した深町コーチマジ無能
>スパーリングで格下プロボクサーぶっ壊してどうするんだ!!どうしようもなく小物過ぎるだろう海王・・・
ボクサー烈海王の伝説
まだ開始まったばかり

勝敗の結果は解っていたワケですが、深町コーチの頼みを聞いただけで本人は何も悪くない俊英が
ボクサー人生を棒に振るような大怪我をしたこの結末はちょっといただけません
来週でもいいからせめて名前くらい判明させてあげてください板垣先生。このままじゃ名無しくんが哀れすぎる次号へ続く


202話

家族団欒

「野郎の口からそんな言葉がッ!ストライダム・・・詳しく聞かせろ」
「落ち着きたまえオーガ。サービスマンが近寄れない
私とて驚いたさ。まさに青天の霹靂だった」

ナイフとフォークをグニャグニャにねじ曲げて憤怒する勇次郎。はたして刃牙はストライダムに何を伝えたのか?
烈先生ボクシングは今回おやすみで、1話丸々使ってその衝撃の事実が明かされます

「自分が何を言ったかワカってるのか・・・?」
「何って・・・?異常だよ。俺が今口にした言葉に耳を疑っている
そっちのほうが遥かに異常だぜ。俺の言葉のどこがオカシイんだい
親子でゆっくり食事をしたい。そのどこがオカシイんだい?
息子と父親が飯を喰う。真っ当じゃないかッ」

刃牙がストライダムに伝えた望みとは勇次郎と親子水入らずで食事がしたいというものだった
正直あまり驚かないというか・・・勇次郎と刃牙の関係は特殊ではありますが、これまで親子らしい会話がなかったワケでもないし
「互いに絶対に相容れない存在」というイメージは読者の誰もが持っていないハズ。食事くらいしてもいいんじゃないかと思うが・・・

「トボけるんじゃない刃牙。オマエこそが自分で無茶を口にしていることを自覚している
範馬刃牙と範馬勇次郎が食卓を囲む異常さ・・・想像してみるがいいッッ
その不自然さを!!!」

>なにこの地上最強の団欒
うわああああああああああああ
あああああああああああああ!

これは確かに不自然極まりない異空間。親子一緒に飯食うってこういう意味かよ
てっきり今のストライダムと勇次郎のように、どっかのレストランで向い合って食事するくらいの意味だと勘違いしてたぜ

ちゃぶ台を挟んでにこやかに談笑しあう範馬親子。勇次郎の脇の新聞とか日常感の演出小道具が、むしろすげえカオスに見えます
「僕はここにいていいんだ!」とか刃牙が言って、総キャラでおめでとう連呼する最終回に違いない

「何を無茶な夢を見てるんだ」と刃牙の望みを否定するストライダム。しかし刃牙は止まらない
「飯を炊き、みそ汁を温め、つつましいおかずに舌鼓を打ち食べられることを祝福し合う
デザートもいいな・・・新発売のハーゲンダッツ、こんなのが出たのかなんてね
会話してると時々あるんだ。世代が違う者同士の意見の食い違いってヤツが。そーなると親父は頑固だ
「たわけッ!虫酸が走るわッ!キサマのその腑抜けた考え叩き直してくれるッ」
頭っから全否定だ。そーなったら俺だって譲れねえッ」
「バキ・・・」
何か完全にスイッチ入っちゃった刃牙は、似てることに定評のある親父のモノマネで一人芝居に突入
「バキ・・・酸素欠乏症で・・・」とテム・レイを見つめるアムロのようなストライダムの顔がたまりません
「親父はすぐそれだ!自分以外の話を聞こうともしねえ!耳を貸す度量がない!」
「もういっぺんぬかしてみい小僧!その減らず口・・・
「バキ!」

いたたまれなくなったストライダムが、思わず大声で刃牙の妄想劇場を中断させる。親子をよく知る人間として彼も辛いでしょう
どこの家庭でも見られる当たり前の日常が、しかしこの親子には有り得ないほどの非現実であること
心から嬉しそうな笑顔で妄想を語る少年に、それを口にしなければならない自分の無力さ
「そんな範馬勇次郎が―いったいどこにいると云うのだ
どこの家庭にもある日常の小競り合い・・・そんなありきたりを愉しむにはバキよ
お前達親子は強大きくなりすぎたッッ」
再三に渡るダメ出し。流石に黙るかと思われた刃牙でしたが、立ち上がって窓から空を見ながらこう呟くのだった
「―そして俺ばかりが炊飯係ってのもオカシな話だ
たまには親父にも飯炊いてもらわなきゃなァ・・・」
「世の中何が起こるかワカらない―が
それだけはないッッ」

あくまでも諦めない刃牙と、その可能性を断固否定するストライダム。果たして範馬勇次郎を真に理解しているのはどちらか





「この俺が・・・飯を炊く・・・・」
ストライダムの話を聞き終えた勇次郎。レストランを灰燼と帰すほどに暴れるかと思いきや、静かに席を立って店を出てしまいました
まさか今から速攻で日本に出向いて刃牙を半殺しにするつもりでしょうか
「飯炊きかァ・・・・」

と思ったらまんざらでもなさそげな勇次郎
ニューヨークの摩天楼を見上げ、飯炊きをしている自分を想像しながらボソッと漏らすのでした
なんでしょう。「新しい!それは俺の知らない俺だな」的な新鮮さでもあったんでしょうか
蒼天航路で天下三分の計を叩きつけられた時、「俺の知らない天下があと2つある!」と言った曹操の反応を思い出させます
地上最強の食卓、実現するや否や。親子決戦の時迫る次号へ続く
>飯炊き勇次郎が見れるなら親子対決無くても良い
>勇次郎なら邪ッ!とか言って炊飯ジャーぶっ壊してそう


203話

緊急有識者会談
「本来は羽田でお迎えせねばならぬところを・・・・
極秘の来日とあって肩身の狭い思いをさせてしまっています」
「ノープロブレム。エアフォース1ほどの設備は整っていないが自家用機としては十分に快適だよ
そんなことよりユキ。私はワクワクしてるんだよこの度のグランドミーティング
私はね、オーガの熱狂的ファンなんだ」

夜の米軍基地。波斗山総理が緊張の面持ちで迎え出たのは誰あろう、アメリカ合衆国大統領バラク・オズマ
リアルでは鳩山を袖にしまくりのオバマですが刃牙世界ではやたらフレンドリー
それもそのはず。天下のアメリカ大統領がわざわざお忍びで日本にやってきた理由は、彼のヒーローについての会談だったからである
>また鳩山かよ。先日、オバマが鳩山をハブにしてサミットを行うって言ったのに
>現実じゃ鳩がオバマに会ってもらえないのに、なんという皮肉
>またメインキャラ誰も関係ないポッポ話か…ここで休みを取らないでほしいものです
>同じ引き延ばしでも烈ボクシングや飯炊きネタのは楽しめたんですが、政治家ネタはなんか萎える

「大国の武力をも凌ぐといわれている腕力家・範馬勇次郎
近日中この男の身に1つの事件が起こる。その事件を我々は支援したい」

「範馬勇次郎については当然警視庁も認識しておりますが・・・
国家レベルの武力を保有するオーガにいったいどこの誰が?」
「倅だよ」
北沢防衛大臣やら柿崎警視総監といった日本の治安機構トップと、文部科学大臣川端、毎度おなじみの小沢に加え主賓のオバマ
たった6人だけで行われた極秘会談は、範馬親子の喧嘩を
国家レベルで容認・支援するというものだった
光ちゃんに30億積まれてからチンタラせずに、すぐに行動を起こしたあたりは鳩山なかなか頑張ってます

「なるほど。Mrボッシュを誘拐したあのスーパーボーイか」
「レベル5の厳戒態勢の中、堂々正面から大統領をさらったあの少年が―」
「すなわちその少年もまた国家レベルに近づきあるということだ」

アメリカと友好条約を結んでいる父、アメリカ大統領を白昼堂々誘拐した息子
まさに常識の範疇外の親子喧嘩ですから、確かに国を守る立場としてはこのイベントに対して何らかのガイドラインを引いておくべきでしょう
しかし川端大臣などは自分に防衛責任がない為か、わりと物怖じせずライトに正論を言ってのけます
「国家レベルとは言われる2人ですが・・・言ってみりゃこれはただの親子喧嘩ですよね?
その・・・放っておけばいいというか
勝手にやらせておけばいいというか」
よくぞ言った。そもそも二人がやりあって決着すればもう終わる物語なのに、
グダグダと中身のない時間稼ぎ回を重ねた挙句がこんなスケールのでかい話になってしまったワケで。まったくもって正論とも言えます
しかしそれでも。前述したように責任がなければ何でも言えますが、国を守る立場ならば「勝手にやらせておけ」とは言えないのもまた事実
オバマは小瓶に入った黒い物体を懐から取り出し、川端大臣の言葉をたしなめた
「ストップ。その先は言わぬことだ・・・これを見て欲しい。私の守り神だ
タール・・・いや正確に言うなら石炭の粉。私がオーガにリクエストし、やらせたのだ」
小瓶の中身は、あの時勇次郎の握力に握り潰された石炭
>オバマ勇次郎に惚れすぎですね。でも実際にオバマの位置にいたら誰でも惚れるだろうな
リクエストは「石炭をダイヤにしてくれ」だったワケですから、言うたらこんなんもんタダの失敗作の残骸なんですが
まぁ石炭を粉にしただけでも常人にとって見れば怪物ですから、お守りとして後生大事に持ち歩いてる気持ちは解らなくはありません
稲妻に打たれたような顔でビビる5人。その反応を見たオバマは、鼻を高くしてまるで自分の自慢話のように得意げですが・・・・
「そこまで驚くこともない。少なくとも私はアメリカー・・・・?」
なんだか後ろから聞こえてくる笑い声に、ハッと振り向いたオバマはそこに立っていた人物を見て驚愕する
そう、鳩が豆鉄砲くらったような顔(鳩山だけに)した5人も、粉になった石炭ではなく彼を見て驚いていたのである
「他にリクエストは?プレジデント」

オーガ会談に本人直接登場!神出鬼没・範馬勇次郎
いつもは自分を見世物のように扱われると不機嫌になるクセに、なぜか今回はやたら上機嫌で笑ってます。何を企んでるんでしょうか
例によって話の進まない回でしたが次号は休載。再来週号、
いつもの3倍刃牙にて勇次郎の真意が明かされます
今回の袋とじは克巳にでもスポット当てほしいトコですが、はたして誰がくるか。刃牙の日常みたいなしょうもないのだけは勘弁だなぁ


204話

親子宣言

「オズマ・・聖書を手に宣言した俺への誓い。今一度神を前に繰り返せ」
我が米国合衆国国家は範馬勇次郎氏とここに友好関係を結び
氏を尊重し、氏における一切の生活を侵害することなく―

「そこだ。俺の生活に一切関わらぬ野郎がどのツラ下げて我が家の親子喧嘩に首を突っ込む?
あまつさえ政に身を置く立場にありながら雁首揃えて一民間人の家庭問題に関わらんとす。貴様ら・・・
俺ン家に喧嘩売ってんのかッッ」

「範馬家の問題に他人が出てくんじゃねえ!」と日本政界のトップ達とアメリカ大統領を怒鳴りつける勇次郎
例によって建物の外で失神している警備のSP達や、オズマの持っていた石炭の瓶をサラサラの粉にする等、
毎度お馴染みの勇次郎演出により、既にこの時点で16ページを消費
ご機嫌超斜めの勇次郎に顔面蒼白になる政治家達ですが、しかし世界のトップたるオズマ大統領はビビりながらも必死に反論します
「NO!オーガ一言言わせてくれ。一民間人、家庭問題、親子喧嘩・・・へりくだるにも程がある
君達親子の衝突は国家間の衝突。すなわち戦争にも匹敵する― である以上
我々は守らなければならない!人々を人種の隔たりなくッ!」

範馬親子だってバカじゃないんだし、人に迷惑かけない時と場所は選ぶでしょうに
国民を災害から守らねばならない自分達の立場というものもある、と主張するオズマ
でも確かに彼等としては「オーガとその息子が喧嘩するんだって」と聞いて
「フーン」というワケにはいきません
近々大地震がくると解っていて何もしない人間はいないワケで
なにか不測の事態で国民や建造物、更には交通機関への足止めといった無形被害が及ばないよう画策するのは当然のこと
そう言われると勇次郎もそれ以上怒れなくなったのか、ニタリと笑って会議室を出て行くのでした
「視界には入るな。厳守しろ」
「わかった、やることはやれ。でも俺の視界には入るなよ」と最大限の譲歩を示して勇次郎台風のように退散
”勇次郎も解り始めていた。闘いの時が近きことをッ”でも読者時間では何年後やら
と虚しい煽りが入ったところであっというまの一本目の204話終了。いつもの3倍バキの例に漏れない密度の薄さで2本目に続く


205話

美しき打拳

「カイザーさんなぜ日本へ?タイトル戦もないのに何故?」
「ケンカを買いに」
「ケンカ?プロモーターのあなたが?誰から?誰にケンカを売られたんですかカイザーさん!」
成田空港の到着口でスポーツ記者達の質問攻めにあう長身の黒人。つうかこの身長ヤベエ。220cmくらいあるんじゃ・・・
おっ立てた白髪とグラサン、そして世界的に有名なボクシングプロモーターということで
痩せてるドン・キングですね
そんな彼がはるばる日本へケンカを買いにきた相手。もちろん言わずもがなこの人である

「ビューリホー。ボンクラのギャリーの話では説得力もなかったが・・・一目で納得した
この世界で40年これほどのヒットマッスルお目にかかったことはない」

弱小ジムに突如として来訪したボクシング界の頂点興行師に色めき立つセンタージムの面々
カイザーさんの言ってる「ギャリー」は前々回烈先生に腕を折られた可哀想なヘヴィ級ボクサーの名前です
今回もカイザーさんに付き従ってギブス姿で本人登場してるんですが、たった1コマ描かれたきり
完全フェードアウト
何の為に出てきたのかワカらん扱いに涙が止まりません。でも名無しで終わらないだけよかったね
流石にヘッポコの深町コーチとは違い、最前線の世界で一流ボクサー達を見てきたカイザーは烈先生の実力を一見で看破
早速フレンドリーに笑顔を浴びせ、このミステリアスなケンカ相手とのコンタクトを試みます
「カイオーと言ったな。少し話してもいいかな?」
「静かにせんかァァァッ!
稽古の邪魔をするなら出ていけェッ!」

別に大声出したワケでもなし、気さくに話かけただけの外人さんに対しいきなりキレるアブない烈先生。カイザーかわいそ
お前こそボクシングジム生の練習邪魔すんなと全国の読者が一斉に突っ込んだことでしょう
世界的有名人である自分を頭ごなしに一喝した中国人に、しかしカイザーは立腹するどことかますます気に入ったみたい

「ビューリホー・・・アイムソーリー。ひとつだけ我儘を聞いてもらえるかな
キミのチカラを見せてくれ。逃げずに・・・見せてもらえるかな?」

謝るほど悪いことしてないのに律儀に謝罪するカイザーさんマジ人格者
悪評で有名なモデルの人物とは随分と違った好印象。比較対象として見た烈先生がすごくアレな人に見えます
そんなカイザーさんの誠意を感じたのか、とりあえず怒りをおさめて要望通りのデモンストレーションを疲労する烈先生
グラブ棚から一番大きなグラブを選ぶと、それを右手にのみ着用します。16オンスかな?
『最も大きなグラブでサンドバッグを叩き、揺さぶる・・・センスは人並みだな・・・・ン?』
カイザーは最初烈先生がサンドバッグ叩きを見せるものと思ったようですが、どうしたことか彼はその場で低く腰を落として構えたではないか
どうやらパンチ力を見せるワケではないみたい。烈先生は何をしようというのでしょうか

『シャドー?素振り・・・?型・・・?』
カイザー興味津々の中唸りを上げて烈先生の右拳が突き出され、鈍い破裂音がジムに響き渡った
”バシュッ!”

『ビュ・・・・・

ビューリホー・・・ッッ!!』
ボクシンググラブを貫通する烈先生の素拳!
密着した状態から速度エネルギーで物体を破壊するという奇跡の一打
やっぱり見せたのはパンチ力でした。まさに中国拳法4000年の神秘にカイザーさんも驚愕&ご満悦です
はたして世界最高のボクシング興行師は、このケンカ相手に最高の刺客を送ることができるのか?「烈の門・ボクシング編」次号も注目!


206話

皇帝

「ビ・・・ビューリホーッ・・・・!」
拳を覆い包むグローブを、完全密着状態から速度エネルギーで貫通するという驚異の離れ技をやってのけた烈先生
およそ物理法則の常識を超えた一撃にカイザーは感嘆の声を上げますが、当の烈先生はなんだか浮かない表情です
何故そのグローブを選んだ・・・?
その一番大きくて一番傷んだグローブを
何故新品の小さなグローブを選ばない・・・
壊れやすいからだろうッ
汗と打撃で傷んだグローブは破れやすいからだろうッ
卑怯な・・・もう・・・辞めよう今日で・・・
どうやらグローブを選んだ際、一番破れやすいグローブを選んだ自分のセコさを今になって猛烈に恥じている様子
一人でネガティブスパイラルに突入すると、「もう辞める」とまで言い出しました。
面倒くさいなこの人
そんなしょうもないプライドよりも、もはや勝負のついていたギャリーの腕を折った大人げのなさを反省しろと言いたい
「失礼しました。ただのトリックです・・・強さとは何の関係もない」
「NOッ!誰でもいい、彼の真似をできる者がいるか?
パンチでグローブを突き破る。如何に困難なことかボクサーなら誰だって知っている
ボクシングの象徴であるグローブ・・・彼はそれを破壊したのだ
ウォ〜(戦争だ)」

しかしいくら烈先生が自分を責め、グローブ破りを謙遜したところで一般人にとって見れば神業なのには違いなく
そしてグローブを破壊するという行為を
ボクシングに対する挑戦状だと言って開戦宣言をかますカイザー
無論そんなものは烈先生を引き込む為の
クレーマーじみた言いがかりですが
交渉に引き込むきっかけ作りとしてはごくごく自然な流れ。流石は敏腕プロモーターといったところでしょうか
それにしてもこのコマのカイザー、なんか
すごいフェラ顔に見えて卑猥ね





「男同士がグローブを嵌め、2つの拳だけで強さを競う
シンプルかつディープなクイーンズベリー・ルールが制定されてから150年
その150年の歴史がたった今踏みにじられたのだ。中国4000の手によって」
「馬鹿な。私はただ―」
「シャラップレツ・カイオー。ミリオンダラーがダースで舞い込む。欲しくはないのかね?」
ばかってい!ゼネ儲けの話だ!

と単刀直入に切り出すカイザーですが金に目がくらむ烈先生ではありません。むしろその態度を強ばらせますが―
「私を侮辱―」
「そして逃げ出したくなるような怪物達もね
フフ・・・目の色が変わったな。やはりウォーリアーだ。私に任せてほしい」
「私ならキミに勝てる相手を用意できる」その言葉に烈先生が唾を飲み込む
怪物「達」と言っている以上、カイザーが烈先生と釣り合うと見立てるボクサーが複数人いるということでしょうか
ますます修羅の門ボクシング編になってきました
アイアンマイケルがブタ箱にブチ込まれてる間に、ヘヴィ級にとんでもない新星達が次々現れたのだろうか。うーむ
「150年or4000年。この絶望的マッチメークに世界は飛びつくさ
君は君のまま、ボクサー・レツカイオーではない4000年を代表する侵略者
チャイニーズカンフー・レツカイオーのままでいい。そのままがいい
無論これは公式試合ではないエキシビジョン
見えるようだ。キミの足元に平伏す歴戦の強者達
なのにキミの腰にベルトはない。
なくとも世界は知っている
キミの腰に巻かれる見えないベルト・・・
なぜ見えないのだろう?
まばゆすぎるからだッ!」
「これは戦争だ」「逃げ出したくなるような怪物を用意する」などと挑発的なことを言っておきながら
「お前がチャンプだ。そのベルトはまぶしすぎて見えない」
と、もう戦う前から烈先生無双を予言するカイザー。お前は本心ではどうしたいんだと
プロモーターだからゼネ儲けさえできればボクシングが負けようが勝とうがどっちでもいいのかな?
それとも純粋にボクシングが好きな人間として、150年のボクシングの歴史に新風を吹き込もうとしているのか
この男の行動原理の根幹は欲か、夢か。真意が知りたいところです
「ミスターレツ。同行して欲しい」

止めかかった運命の歯車
棄てかかった運命の歯車に
カイザーというとびっきりの動力
再び駆動き始めた

というワケで烈先生着の身着のままで早速渡米。烈の門・ボクシング編いよいよ本格始動
『な・・・なんで俺まで・・・?』
「これでようやく厄介な悩みのタネから介抱される」と安堵したであろう深町コーチが、泣きそうな顔で同行しているのが笑えます
この人は多分アレだね。とことん烈先生に振り回され続けるんだけど、最後の最後ではセコンドアウトする烈先生の背中を
「烈、俺ァお前のことは好かねえけどよ・・・ここまできたら勝ってこいッ!」とか言って押し出してやるようなポジションぽいな。萌えるぜ
ボクシングの国アメリカで烈海王を待ち受ける敵とは?次号へ続く!


207話

家庭料理

ベーコンエッグ・・・ワカメのみそ汁・・・さんまの塩焼き・・・山盛りのキャベツ・・・
ごきげんな朝飯だ・・・
朝。ちゃぶ台の上に並べた朝食を前にニンマリと笑い、トリコの飯シーンの如く美味そうに食らう刃牙
ベーコンエッグは卵4個、キャベツの千切りは
ボウルに一杯という大ボリュームですがペロリとたいらげます
「なんかさ、しょっぱくね?このみそ汁」
食い終わった後、ちゃぶ台の向かい側に座る人物にみそ汁の味を批評する刃牙。梢江と一緒に食ってたのでしょうか
否。刃牙が朝飯を食っていた相手は言わずもがな・・・
「いや・・・なんでって・・・聞きたいのはこっちだよ
これ作ったの親父なんだからさ」

>ついに親父との団欒までイメトレ…
>もうバキはシャドーで両親と一緒に幸せに(脳内で)暮らせばいいのに。てかどれだけ便利よリアルシャドー
刃牙の妄想勇次郎
もちろん説明するまでもなく朝飯を作ったのは刃牙自身です
父との慎ましやかな朝食を願う、刃牙のいじましさが切ないシーンなんですが。だんだん精神病患者みたいになってきました

なんかもう違う意味で読者の涙を誘うんだが
「作ってもらったことには感謝してるさ。どうだったって聞くから・・・
味がワカるもワカらないも家庭料理だぜ?美味い不味いは家族が決めていいことだろ
・・・ってな・・・こんなカンジで始まるワケだ・・・どこにでもある親子喧嘩」

妄想勇次郎がちゃぶ台をひっくり返したところで現実に戻る刃牙。そのなんとも寂しそうな背中を見るとやはり不憫に思います

「誰泊めてンの・・・?」
学校に行く準備をして玄関を出ると、そこには猛烈なジト目で刃牙を睨みつける梢江様が立っておられました
刃牙はやくあやまっテ!死にたくないならあやまるべき!
刃牙の強烈なイメージ力のせいで、実際にはいない勇次郎の存在感を感じ取ったのでしょうか。すごい女だ
>バキの妄想力もさることながら、梢の洞察力も凄い

「ハハハハなるほど」
「いやいや誰も泊めてないよ」とケラケラ笑って梢江に玄関を見せる刃牙。なんてことはない普通のシーンなのに
ちょっと
はだしのゲンっぽい刃牙の笑顔と後ろ斜め45度の梢江様が相まってやたらシュール
画象会話スレで使えそうな秀逸な1コマです。ハハハハなるほど
「どうぞ気の済むまで中を」
「いいよ」
>梢江「気の毒すぎてとてもツッコめねェよ!」
浮気を疑った梢江様でしたが、それが刃牙の1人妄想プレイだったことを理解すると怒りも収まった様子
「そんなに心配ならさ、もっと泊まりにくれば?」
「・・・そうする」

この申し出に「うん」と答えたのは浮気を防ぐ為ではなく、刃牙の寂しさを汲み取っての反応だったのかもしれません
まったくよくできた女です。勇次郎じゃありませんが刃牙は本当にイイ女を見つけたと思う





「よろしいのですか。勝手に抜け出たりして」
「フン。あんなところにいたって変わりゃせんよ・・・・
爪だの・・・歯だの・・・兵どもが夢の跡。ある意味人という種の側面・・・
否、本質かもしれんの」

ラスト。病院を勝手に抜け出して人気のない地下闘技場で黄昏ている光ちゃん
人は戦いを求め、倒し、そしていつかは必ず自分も倒れる・・・死期が近い為か
やたらセンチメントです
傍に控えて話を聞いている相手はなんとあの栗谷川さん。当然と言えば当然ですが栗谷川さん光ちゃんと面識あったのね
「栗谷川よ。戦士どもは今―
飢えに飢えとるッッ!」

と光ちゃんの台詞と同時にカメラが渋川先生に移ったところで引き。うーんいつもの事だけど今回の内容の無さは特に凄いな
本編に動きがあったのは
「次回は渋川先生回だよ!」という最後のコマだけ
「ハハハなるほど」が面白かったので俺的にはOKですが(いいのかよ)
つうかなんぞこれ。烈先生のボクシングみたいに、地下闘技場戦士それぞれにこういう個人スポットを当てていくんでしょうか?
親子対決は10年後ですねわかりますと言わざるを得ない次号へつづく


208話

火事の鉄則

「闘技者と呼ばれる彼等が並外れた闘争心の持ち主であることは認めます。しかし
彼等は同時に一流人。並外れた克己心の持ち主でもあります
尋常ではない猛特訓を克服する彼等がよもや己の闘争心をコントロールできないなど―」
「よくもまァ聞き齧りの知識をベラベラと。栗谷川よ
奴等”超”が付く一流はそうじゃない
心の中に棲む殺生本能はそんな生易しいシロモノじゃない」

「地下闘技場戦士達は今、飢えに飢えている」その言葉に栗谷川さんは首をひねりますが、光ちゃんはそれを戯けと一喝
本当の一流はそんな理性で割り切れるようなモンじゃないと説明に入ります
ちなみにこの説明に入るまでですら、既に4ページ消費
栗谷川さんに「まぁ座れ」などと言って光ちゃんが座るだけで豪快に1ページ使ったりと、相変わらずの浪費ぶりです

もちろん指導者の地位を持つ奴等のこと。自分からは決して喧嘩を売らぬ
売りこそしないが―
奴等は決して火種を逃がさない

>渋川老の日本一危険な誘い受け。餓狼伝では松尾象山館長が同じようなことしてましたね
光ちゃんのモノローグに合わせて、カメラは街でチンピラと肩がぶつかった渋川先生にチェンジ
チンピラは気にもとめず通り過ぎて行こうとしたのに、
渋川先生が
わざわざ二人に聞こえるように文句をボヤいて二人を呼び寄せます
これは喧嘩売ってるって言うんじゃないのかと

ささやかな灯火を消えてしまわぬよう 大切に大切に
火がついてしまったらもうしょうがない
火事の鉄則は燃え広がらぬうちに消し止める
出来る限り迅速に

どう見ても喧嘩を売ったのは小柄なジジイで、二人のチンピラはそれを買っただけなんですが
そんなチンピラを容赦なくボコボコにしてしまう渋川先生があまりにも酷過ぎる
戦意喪失してたギャリーの腕を折った烈先生どころじゃありません。
タチの悪い老人徘徊です

なぜならここは日本。警視庁は極めて優秀
現場からは2分以内にエスケープじゃ

そして可哀想なチンピラ2人をKOすると、脱兎の如く現場からトンズラ
マジこのジジイがチンピラ
>渋川先生の逃げっぷりにクラウザーさんの姿を思い出したのは俺だけじゃないはず!
>渋川先生マジ鬼畜…
>渋川先生・・・・・・護身とか言っときながら無用の争いを招くのはどうなの・・・・・・
>自分の中の渋川株が暴落した!これはヒドイ
>活きのいい格闘家食べてた初期勇次郎に比べるとあまりにしょぼい達人
>あ・・・あれ・・・?渋川さんってこんなキャラだっけ・・・? たしかにアライJrをボコった事はあるけど・・・

というか渋川先生そんなに溜まってんなら警視庁の猛者達に稽古つけに行けばいいじゃん。武道顧問みたいな事やってたじゃん
みんな大好きな渋川先生を
ひたすらしょうもないジジイにしただけのひたすらしょうもない回です
「ヤリたくてヤリたくてヤリたくてヤリたくてたまらぬ戦士達。ならばどうする?
”ステキな出逢いを”じゃッッ!」
「ンなるほどッッ!」

読者「ハハハハなるほど」
>バキはわかりきった説明をクドクドと・・・なにがしたいんだタココラ
そして全国の読者が「だから早くやってくれよ」と思ってることを今更のようにほざいて引き
つまり先週今週と本筋の話はまったく動いてませんってことですよ奥さん!そろそろ読者もキレ出しそうな次号へ続く!


209話

喧嘩勧誘

そのうち捕まっちまうぜ。こんなこと繰り返してちゃよう・・・

前回のアレ一発で終りだと思ったら今週の冒頭までしつこく引っ張る渋川先生の蛮行
リスクを背負って有象無象の雑魚狩りするくらいなら

強い知り合い何人でもいるんだからそいつらとやればいいのに
>神心会でもバキの家でも、強い奴の場所割れてるんならそこに行って戦えばいいのに
>ボクシングジム破りしに来た烈さんの方が可愛げがあるな……

「実戦と試合では「飢え」に対する満足度が違う」とか云々は理解できますけど。、実力差はそれ以前の問題じゃんか
コメントにもあるように、ボクシングで自分を試そうとしてる烈先生の行動は評価できます。プロを相手に求めてるしね
こんなん「闘いたくてしょうがない!」と言ってる人間が
ピクミン踏み殺してるレベルです
一方その頃。この夜他の場所でももう一人の武術家が獲物を求めて夜の街を徘徊していました

やべェよなァ・・・たまたま今宵は好敵手に恵まれただけ・・・
こんなブランド物はそうそう出逢えるものじゃない
やべェよなァ・・・一般人相手の喧嘩三昧・・・

そのうちブッ殺しちまうぜ・・・
こんなことを繰り返してちゃよう・・・

愚地独歩。日本で一番有名な空手道場の元・総裁が
街の喧嘩自慢の不良相手に喧嘩売ってました

まぁ不良達は偶然その場に居合わせた
心瞑活殺流の船井さんという実力者に倒されたのですが
独歩がその船井さんをKOするシーンも人中一発なので、わざわざテキストに起こす必要もないっつーかなんていうか
そんでもって月を見上げて冒頭の渋川先生と同じようなセリフを吐いたところで次号へ続く。
カツオワタ
>全グラップラー総勇次郎化計画
>不良老人・渋川の次は不良中年・独歩・・・もうお腹いっぱいです
>闘争に飢えてる飢えてるってだけで何ヶ月引っ張るんすかね板垣は
光っちゃん末期ガンだと自覚してんだったらなんとかしてやらんとのう!ばかり言ってないでさっさと動いて
>もし花山さんまでそこらのチンピラに喧嘩売りだしたりしたら、ちょっとマジでバキ読むのやめるかも
>「タチが悪いにもほどがある」次々とキャラを貶め薄い話を書く板垣先生の事ですねわかります
>はんぺらさん・・・辛かったら、他にレビューしたい作品あったらバキとU世のレビューやめてもいいですよ?
>起こったことをありのままに話すぜっ!「今週のバキは読まなくてもまったく問題がない」な、何を言って(略)
>いい加減にしないと板垣先生も読者から人中突きくらうと思います
>もうバキはいいよ。理不尽でも共感が得られたのは格好良かったから
どう取り繕ったって今の達人も武神もバキも勇次郎も格好悪いよ
>拳と開手ッ!剛と柔ッ!奇しくも同じ構えだァ!!・・・この老人二人でこんなに燃えた事もあったのに今は・・・・
>どんなに言葉を飾っても……達人&独歩「闘争が大好きです!でも範馬さんとは戦いません!」
って構図がある限り情けないだけだあよ

>長期休載しても話はしっかり進む富樫と、
毎週掲載しててもサッパリ話が進まない板垣

こう並べて書くと今のバキの酷さがよくわかる


↑今のバキ読者達の顔
ハンター×ハンターとの比較は上手いと思った。正直今の板垣先生は読者をナメてるというかバカにしてるというか・・・何が酷いって、
ピクル編が終わってから今週まで
実質的に殆ど話が進んでないってことですよ。もう何話やったと思ってる
前回の話ですら別段必要性を感じなかったのに、まさかそれを2週続けて引っ張られるとは思わなんだ。鳩山回かそれ以上のゲンナリです
ボチボチ次号あたりから光ちゃんに動いてもらわないと、本当にこの作品はこれまでファンだった読者を失っちゃうと思う。板垣先生頑張っテ


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