221話

拳闘の神

ジョー・クレーザー36歳。ロートルだ。どーってこたァない
アマチュアでゴールデングローブを獲得後プロに転向
勝ったり負けたりを繰り返しながらキャリアを重ね、トップステージに登り詰めた
ファイトマネーを聞いたら飛びついてきた
才能の乏しいオイシイ相手さ。KO予告でもかましてやれ

「カイザーがそう言ったのか?才能がなくてオイシイ相手だと
ゴールデングローブ優勝者でトッププロのクレーザーを”才能がない”と
で、お前さんはそれを信じたと」
「その通り。彼には才能がない」
冒頭。”スモーキン”ジョー・クレーザーの試合を観戦し、神妙な顔つきでホテル戻った烈先生
カイザー氏の辛辣なクレーザー評に気分を害する原田コーチだったが、烈先生の評価もまた同じモノであった
激昂しかける原田コーチ。
だが烈先生の評価はそこから続きがあった
「いい風貌かおをしていた。一朝一夕でできる風貌ではない
乏しい才能 低い身長
それでもなお絶望を断固拒否し
死線を踏み越えた

彼は風貌ひとつでそれをワカらせる。並の経歴ではない」
確かに彼はボクシングの才能に乏しく、ヘヴィ級の猛者達の中にあって身長的にもハンデを背負っていた
だが決してその事実に負けなかった。抗って抗って抗い続けた
やがてその努力は才能という限界の壁を乗り越え、36歳という年齢になった現在もトップランカーとして戦っている
才能がない=弱い ではないのだ
100の努力では凡夫は天才に敵わないかもしれない。だがもしそれが1000の努力なら?10000の努力なら?
ジョー・クレーザーの顔つきはその経歴を雄弁に物語っていた
>スモーキーさんが強敵そうでwktk
>板垣先生には、ゼヒ歴代チャンプのドキュメント漫画を描いて欲しい
「実は俺も彼のファンなんだ」
烈先生がクレーザーを軽んじていたワケではないと解って、穏やかな笑顔を見せる原田コーチがいい感じ
しかし話がちょうど終わったその時。部屋のチャイムが鳴って二人がまったく予想もしていなかった人物が訪れます
その人物の顔を見るなり言葉を失う原田コーチ。この業界に生きる人間なら当然のこと。何故ならその人物は・・・・・
「訪中の際、君の噂を耳にしていた。有名人なんだな」
「・・・・おそらくあなたの1000分の1にも達しないだろうがね」

「神様に会っちまった・・・・」
ミスター顔芸、マホメド・アライ父!
ボクシング編になった時から、いつかこの親子が出てくるだろうとは思ってましたが。まずは偉大なる父のご登場です

>アライ父が出てきたってことは早かれ遅かれJrも出てきそうですね。やっぱり最終ボスなのかな?





「君を止めに来た
中国拳法がボクシングに一泡吹かされるところ、観たくないワケではないが・・・・
ハンマファミリーとの友情があるのでね」

「私が勝てないと?」
ソファに腰掛けたアライ父が単刀直入に切り出した話題。それはクレーザーには勝てないだろうという忠告だった
確かにクレーザーは強いでしょうが・・・ボクシングの神様をして「烈先生が負ける」と断言せしめる根拠はどこにあるのか?

「彼のニックネームは?」
「スモーキン・・・・」
「ボクサーのニックネームは様々だ。ダイナマイト、アイアン、マーベラス、サンダーボルト・・・
しかしハッキリしていることがひとつだけある
いつだってボクサーは形容されるもの以下だということだ
サンダーボルトより強力なボクサーはいない。アイアンより強くはない

私とて同様だ。ファントムと呼ばれたパンチもスローではハッキリ確認できるからね
しかし奴は違う」
”スモーキン”ジョー・クレーザーは煙以上に煙なボクサー
それ程までに彼の接近戦におけるディフェンス能力がえごいって言いたいのは解るんですが、煙”以上”って言われてもな・・・
それじゃ被弾率0%じゃん。被弾しないボクサーならチャンプになってなきゃおかしいワケで。大げさ乙
「想像したまえ。迫り来る煙。打ち込まれる中国4000年

ほどなく君は煙に包まれ そして必ず打ち込まれる
恐らくは世界最強の左フック!」
ドパァン!と烈先生の顔面にクレーザーの左フックが叩き込まれたところで脳内イメージの世界から現実に戻る3人
そのコマがなんか
ピューと吹くジャガーみたいでシュール。なんぞこれ

アライ父「ゴメン・・・煙以上はちょっと言い過ぎた」
とでもフキダシをつければ完全にうすたワールド
と。ここまでは烈先生に試合を止めさせる為に言葉を続けてきたアライ父ですが・・・・
「私はかまわんッ・・・それが君の口癖らしいね。ならば?」
あくまでも自分は客観的に見た二人の戦力を述べただけ。決定するのは君だよ、と促すボクシングの神様
烈先生の答は最初から決まっています。たしかに「煙」を捉えることは普通の拳には不可能でしょう
しかしニックネームの話を引き合いに出したアライ父は、はたして知っているのだろうか?

烈海王の異名は”魔拳”
その拳はきっと、煙すら打ち倒すだろうという事を

「一向にかまいません!」
烈先生、ボクシングの神様の忠告を無視してジョー・クレーザーとの対戦を熱望!これは好勝負になりそうな次号へ続く!


222話

威圧感

たまたま現場付近を通りかかったアメリカ人ヤン・ウィリアムスは、
警視庁の事情聴取でこう述べている
『紫のマントだった』と
『黄色いタオルを巻いていた』と
『咥えタバコだった』と
そして地下足袋
ニンジャブーツだったと
あれは忍者だった―と

>ヤン・ウィリアムス「お前絶対忍者だろ・・・」
・・・すごい漢だ
外人のおっちゃんが「OH!ニンジャ!」と勘違いしたいでたちの男は我らの特攻隊長柴千春です。そぅらッ!ち・は・る!
現在烈先生が烈の門ボクシング編ということで、現役チャンプに勝ったこの男の立場はどうなんだと思ってましたが
なぜかアメリカとはまったく関係ない地元の街中で、並々ならぬ気迫を発しつつ何者かを待っています。族同士の果し合いでしょうか
と。間もなく現れたその待ち人はニンジャボーイの並でなさに対し、あまりにも並みな少年だった
「柴・・・千春さん?」
「範馬刃牙さん。なんにも言わず喧嘩買ってください」
千春が待っていた喧嘩相手はなんと刃牙。これは刃牙の精神的成長イベントか?
未だに親父相手にビビって先々週のような無様を晒した刃牙が、勝ち目のない喧嘩に敢然と挑む千春から何かを得るとかそんなんか
しかしむしろ朋友コメのように千春が刃牙をボッコボコにしてくれたら
最高にスカッとする超展開なんだが
>全然歯が立たないはずの刃牙に挑む柴千春。結果は刃牙の圧勝。でも
「このド根性…今の俺に一番欠けてるものだ…。引き上げる親父に安堵してさ…情けねえッ!
千春さん、あなたからそれを学ばせてもらいました。ありがとうございました!」みたいな展開きぼん
そして早よ勇次郎戦やれよ主人公
>足首ロープマッチで千春圧勝だったら、予想を裏切り期待を裏切らない神展開
>まさかの千春主人公状態。自分より強い相手とは戦わないヘタレ主人公とは格が違った
>千春がケンカ売ったのも光ちゃんがぜんぜん仕事しないからだよね・・・

何故だ・・・?この小さなヘヴィ級に威圧されるのは何故だ?
180cfm92kg。このくらいの体格なら東洋人でも特別ではない
しかるにどうだこの圧倒的な存在感。肉体の―否
人格そのものの密度が違っているかのような・・・ッ

一方烈先生はリング上でジョー・クレーザーと対峙し、その威圧感に感心していた。もう試合とは相変わらずテンポいいな烈の門
コーナーに戻った烈先生に原田コーチが質問を投げかける
「どう見えた?大きく見えたか、それとも―」
「180cm92kg。データ通り。それ以上でも以下でもない」
「オイシイ相手か?」
「この上なくッ!」
烈先生の「この上なくおいしい相手」とはおそらく「チョロい相手」という意味ではないのだろう
「倒し甲斐のある強敵」というニュアンスで答えたのだと思いたい
原田コーチもそれを感じ取ったのか、烈を怒鳴りつけることもなく笑顔でこの背中を送り出した
「おめェの脳みそブチまけられる姿―見てみたい気もするが
スモーキン・ジョーの対角線に立つ栄誉。与えてくれた礼を言いたい
必ず帰ってこいッッ!」

カァアアアアン!
いつも険悪な仲に原田コーチ、ここで「必ず帰ってこい!」とはなかなかに自分の魅せ方を心得てます。いいセコンドだ
ゴングと同時に深く腰を落とし、迎撃の態勢を取る烈先生に対し一直線に間合いを詰めるジョー・クレーザー

中国4000年にまるで臆する様子なく
ベタ足のボクサーは
最短距離で烈へ歩み寄った

ジョー・クレーザーVS烈海王 柴千春VS範馬刃牙
海を隔てた二元中継対決開始!次号へ続く!


223話

闘う理由

「・・・・・・なんで・・・?」
「理由が必要ですかい」
突如白昼の街中で刃牙に戦いを挑んだ柴千春。特攻服を脱ぎ捨てた背中のキングギドラにウィリアムス氏も興味津々です
あまりにも突然の申し出、しかも千春には悪いが
相手は遥かに格下
覚悟完了できずに戸惑う若きチャンプをよそに、タバコを刃牙の眉間めがけて弾きつつ、不意打ちの右を叩き込むべく千春が踊る
柴さんが何で・・・?自分の意志・・・?誰かの命令・・・誰の?
いくら何でも唐突すぎるよ千春さん・・・
そりゃあ何も聞かず黙って受けりゃカッコイイだろうけど・・・カッコイイのはわかるけど・・・
流石にそれは・・・俺と柴さんじゃあ・・・・
闘う理由がない・・・!

『まるで見えない壁にぶつかったように
忍者ボーイは5mもハジケ飛んだのです』

不意打ちして尚、千春の攻撃など刃牙にとってはスローモーション
飛んできたタバコが眉間に当たるまでグダグダと千春が喧嘩を売ってきた理由を考察し、それからパンチを出しても余裕でカウンターです
開始1秒で派手なノックダウンを喫した千春。刃牙じゃありませんがなんで急にこんな勝ち目ゼロの戦いを挑んできたのでしょうか
その経緯は遡ること今から少し前―

「バキと―ヤレ・・・」
「じ・・・自分がですか?なんで自分みたいなモンと・・・」
「柴千春には―理由が必要か?」
ゲェー?なんと回想シーンでは千春にそう命令する花山さんの姿が。人に言われてやってたのかよ!
>花山さんマジヤクザだわ!しかも・・・マジヤクザだわ!
>他人を刃牙や烈先生と闘わせるとか…花山さんは無茶振り好きだな
>千春を差し向けて自分は動かない花山とか、喧嘩売られて戦う理由がどうとか考えるバキとかもう見たくない
戦いたくて誘い受け通り魔してるおっさん達より株さげてるな間違いなく

「親父の家業を継ぐ為にそろそろ喧嘩から足を洗おうと思い、その最後の相手に最強の相手を選んだ」とかさ
そういう
千春の一大決心に基づいた喧嘩っつーか、多分そういう類だろうと思ってたのに。まさかの命令されてただけオチ
そりゃ確かにこの人は理由なんかなくても喧嘩とあれば命を賭ける覚悟完了できる男ではありますが。これはちょっと拍子抜けです
花山さんはどんな意図があって刃牙に千春をけしかけたのか?
読者が色々と想像しながらページをめくるも、ここで場面は烈の門へ。その真相は次号以降におあずけです
>花山は戦いに理屈をつけようとするバキを叱責するつもりで千春をけしかけたのかもしれませんが、
その千春も「花山に言われたから」という最大の理由があるわけで
理由がいるかという千晴と理由がないというバキ、やはりそういうことなのか


何なのだ・・・この打撃は・・・!?
攻撃の全ては見えている。全ての攻撃は防御いでいる。なのに
身体の奥深く―内臓に奥深く消え残るダメージ
あんな丸く・・・優しげにすら見える柔らかなグラブの中に
あんな肉厚の・・・柔軟な筋肉の中に
まるで鋭利な刃物を秘めたような・・・!

烈先生いきなり苦戦中。しかも”スモーキー”と異名を取るそのディフェンステクニックに翻弄されているかと思いきや
オフェンス面で圧倒されています。この先週までのお膳立ての無視具合!
半ばヤケクソ気味に反撃に出た烈先生の突きがクレーザーの顎先を捉えた。かに思えた次の瞬間

『不覚・・・・!』
烈先生の拳にその感触はなく、代わりに自分の顎が強烈な衝撃で打ちぬかれた。揺らぐ焦点と吹き飛ぶマウスピース
まさしくその異名に偽りなし!”煙”を打ってしまった烈先生
強烈なクリーンヒットのダメージは如何に?意表を突いてまさかの負け展開もあり得る次号へ続く!
>ワーレフとスモーキンの実力差酷いな。仮にもワーレフは「元チャンプ」なのに
チャンプになった経歴もないスモーキンの方がこれだけ圧倒的に強いのはちょっと無理があると思う
>努力型のスモーキンが天才の烈を追い詰めるってのはすごいかっこいい
>ボクシングは強いのか弱いのかよく分かんなくなってきた


224話

無数の傷

迂闊でした。”普通”に見える少年・・・それは第一印象に過ぎず
注意深く観察してみると頚部や肩幅は並みではなくスポーティーに発達し
中略
想像するにあの傷は全身に渡っており・・・だとするならあの少年は・・・

特攻服に地下足袋、キングギドラの彫り物と、アメリカ人ヤン・ウィリアムス氏をデカルチャーさせた千春の出で立ち
それとはまったく対照的にフツーの格好をしていた刃牙でしたが、ここに来てウィリアムス氏も刃牙が「普通」でないことに気付きます

氏から見た刃牙の形容は例によって冒頭4ページを速攻で消費。まったくいつもの板垣先生です
>板垣「なんかはんぺらは仕事が忙しそうだし、大コマ割りにして内容も薄くしてやっか」
>レビューしやすいように20ページで50コマ… ホンマ板垣先生の優しさは5大陸に響き渡るで…
「あれ・・・?あれあれあれェ?稀代の戦士・・・地上最強の少年にしては柔らかい」
不意打ちの初弾に余裕のカウンターをもらってブッ飛んだ千春でしたが、特にダメージらしいダメージは見られずすぐにダウン復帰
なにせ
ナナハンブチ込まれても「だったらイケるぜ」で済ます人ですから、
刃牙のパンチを受けてもイケるようで・・・・と思ったらドッコイそうじゃありません
「千春さん、今のが最後だ。千春さんが仕掛け―
俺が怪我をさせないように反撃する。次はもうない」

さっきの一撃は手加減。あれだけ頭の中で色々考える余裕があったんでうsから、力を加減することもそりゃ余裕だったことでしょう
「誰が・・・手加減・・・・望んだよボァー!!?」
キレて飛び蹴りを放った千春でしたがそんな大振りが刃牙に当たるハズもなく、そのまま顔面に強烈な掌打を浴びて空中で一回転

強ええな・・・やっぱ・・・本物だわ・・・
いったい俺とどんだけ差があるのか・・・見当がつかねェ・・・

ドバビシャズバー!!!!
なんとか地面に両手両足で着地し、飛び起きつつ刃牙の背後から殴りかかった千春に三度神速のカウンター!
鋭い左のローキックから始動して
右アッパー、左フック、打ち下ろしの右肘
瞬撃の顎部三連撃を千春の顎に叩き込みます
その驚異の速度たるや・・・一部始終を目撃していたウィリアムス氏はこう語っている
ええ、間違いありません。この目でしっかり見てました

三度目にニンジャボーイが仕掛けた時は普通ボーイは無抵抗
ただつっ立っていただけでした

常人の動体視力では残像すら捉えられぬ刃牙の攻撃
ウィリアムス氏の目に見えた光景は、ピクリとも動かない刃牙の頬に千春の拳がヒットしただけだった
その時既に
千春の意識は彼方に吹き飛び、拳には威力などなかった事を知る由もない
圧倒的実力差で千春を制した刃牙。ま、コレで決着じゃあ花山さんがけしかけた意味ないしまだ引っ張るとは思うが・・・
バキはどうでもいいから烈の門が気になる次号へ続く!


225話

グローブ

だからさっきから言ってるでしょうが。無抵抗だったんですってば
何で倒れたのか?知りませんよそんなこと
意外と短気だったウィリアムス氏のキレ芸で幕を開けた冒頭
刃牙の閃光のカウンター4連撃をまともに浴びた千春は、攻撃力ゼロの左ストレートを当てると同時に無様な失神KO
刃牙が何が何やらワカらないまま、千春に一瞥くれてその場を去っていきます。これにて決着・・・
とはやはりいかないようで

『ヤレ・・・刃牙と・・・お前だからいい』
地面にキスした意識のない千春の頭に、花山さんから言われた言葉がリフレインする
なにせ根性のが服着て歩いてるような柴千春。
ここからエヴァ初号機の如く再起動の予兆
千春ゾンビ化と同時に、花山さんが彼を刃牙にけしかけた理由も来週あたり明らかになりそうです。一方その頃・・・・・





確かに当てた・・・右の縦拳・・・確かな手応え・・・
同時に当てられた。おそらくは左の鈎打ち。不覚!

1Rからの魅せ場に湧き上がる歓声。前回マウスピースを吐き出してぶっ飛ばされた烈先生
スタンディングで耐えられるハズもなくリング中央で大の字。
ボクシング編初のダウンです
そして自身のノックダウンと嵐のような攻撃が止まったことにより、烈先生は納得のいかなかったクレーザーのパンチの重さの秘密に辿り着く
グローブ・・・かつての修行期幾度も使ったものだが・・・・
素拳ならではの硬さと切れ味こそないもの―
グローブそのものの重さが加わる故、脳へのダメージは明らかに素手を上回る
このダメージの感触は刃牙さんやピクルの拳にはなかったもの
グローブ・・・グローブという道具!
そうか・・ッそうだったのか・・・ッ
彼等一流ボクサーの強み・・・それは・・・
グローブという道具の使用法に長けているという事実ッ!

朋友諸君はボクシンググローブで自分の頬を強く叩いてみたことはあるでしょうか
頬自体は素手で殴られるより痛くありませんが、頭がクラクラぐわんぐわんします
硬さがなくなっている為表面的な痛さは緩和されてますが、当然ながらグローブ質量と重量のせいでパンチの重さ自体は増加してるワケです
一概に【グローブはめる=攻撃力低下】ではないのだ
初めてグローブをつけた素人が人を殴ろうとすれば、素拳での殴り方とまったく変わらない殴り方をするでしょう。しかし一流は違う
そういったグローブのメリット面だけが出る殴り方を知っているのである
カウント8で立ち上がりファイティングポーズを取る烈先生ですが、その表情は未だ蒼白。原田コーチも投入用のタオルを握り締めています
ボクシングは素手に始まり、安全かつ健全なスポーツに生まれ変わる為グローブを使用
そして時を経ること約150年―長き研鑽のトンネルをくぐり抜け、遂に
武器化に成功した
見誤っていた・・・温和で柔らかそうなあの外見に。あの優しげな感触に
秘められる凶悪な意志を見損なっていた・・・ッ
だがこれをどうする?
多くの”気付き”があったのはいいが・・・これを・・・ッ

このダメージの現実を!
ホッホッホッ。ドロドロじゃの
クリーンヒットのダメージ大!大きく歪む視界に自信も揺らぐ!
烈先生はこのピンチを如何にして脱するのか?立ち上がれた以上は逆転勝ちする流れなんでしょうが、その方法とは?
千春の再起動と花山さんの真意も気になるし、
珍しく両カメラとも気になる次号へ続く!


226話

最高峰

「アンタねぇ、なんで俺と闘いたがるのよ。練習?喧嘩の」
「練習っちゃあ練習かな。ただしアンタのだ」
帰宅した刃牙を玄関先で待ち構えていたのは、前回瞬撃の顎部3連撃で失神KOされたはずの柴千春本人
意識が戻ってから
猛ダッシュして先回りした姿を想像するとなかなか微笑ましい男です
「俺のかよ!?ちょ・・・ッ待ってよ」
「こっから先はゲンコツで語ろうzボァー!」

これがほくとうしんゲンコツであるか^^
千春の乱世の拳は刃牙に届くことなく、目にも留まらぬ掌打で顎を打ちぬかれて再び失神KO。アインとケンシロウくらいの実力差です
「千春さん。練習相手買って出てくれたのはありがたいけど―弱えんだもんアンタ
もう相手はしないよ。目ぇ覚めたら帰ってくれよ」

>「あんた弱えんだもん」・・・その弱い奴に負けたマイケルとシャドーしてバキは何がしたかったんだろう
ゴミを見るような目で千春に一瞥くれて家に入り、玄関をピシャリと閉める刃牙。ほどなくして千春が再び目を覚ました
千春は「理由なんかなくたって喧嘩はできる」とか偉そうに言ってますが、彼がこんなにも刃牙と闘おうとする理由は
花山さんに命令されたからに他ならないワケで
「刃牙とヤレ。オメェだからいい・・・弱ええオメェだからいい」
>つまり花山さんはどうしようもないビビリでヘタレの刃牙に、
勇次郎に立ち向かう度胸と根性をつけさせるために千春をけしかけたと・・・
ホント、米国大統領を誘拐した奴と同一人物とは思えんダメ主人公だな

千春の回想で出てくるこの花山さんの物言い。これはやはり大方読者の予想通り、勇次郎戦に向けて
勝ち目の見えない闘いにも恐れず挑む不屈の精神のようなモノを千春から感じ取ってもらおうとしてるカンジでしょうか
主人公がヘタレだと周囲も気を揉むな
あと光ちゃんも早く動け。死ぬ前に

『スゲエな・・・まったく諦めてない。もう準備してやがる
ダメか。あの手のタイプは一度徹底的に・・・・』

>千春の行動って、ナンバのグリ&グラがやってたそれですよね
相手がその気なら、再起不能にするか殺すしか止める方法が無いという
>千春の根性が凄いように見えるけど、これもバキがピクルのような事をしないという
前提があるから安心して何度も挑める訳だよな

部屋で寝そべりながら読書をしていた刃牙は復活した千春の気配を察知。やれやれと重い腰を上げて玄関に向かいます
街中でも、玄関先でも、千春を気遣った刃牙が放ったのは肉体には大きなダメージを残すことなく意識だけを断ち切る攻撃だった
「ならば今回はもう二度と立てなくなるくらいボコボコにしてやろうかいのう!」、と玄関を開けようとしたその瞬間

ぼぐしゃー!と玄関戸を突き破るゲンコツ!
”格下”柴千春渾身一撃、ようやく刃牙に届く!刃牙はこの痛みから何を得るのか
>最後、バキが殴られて非常にスカッとしました
>今週のラストって、千春とミスリードさせた
梢江の右ストレートじゃないですか?
>梢江「こっから先は拳骨で語ろうぜ」
>烈先生と千春が1週ごと交互に話進める構成はぶっちゃけどっちも話がぶつ切りで興ざめというか・・・
千春にみせかけ梢江様だったら板垣先生を尊敬する次号へ続く!


227話

闘譜
とうふ

我は止まっている・・・景色は溶けている・・・
我以外全てが溶けている・・・敵も・・・!・・・ただし

この溶けた景色・・・
初めてではない!

「豆腐だ。水に浸り、ちょうど人間の脳と頭骨の関係に似せてある
叩く。外部からの振動でいとも簡単に崩れ去る
これが先程の
お前の頭蓋の内部だ」

豆腐の入ったお椀をピシャン!と横から強く叩きつけると、中の豆腐はいとも簡単に砕けてしまった
お椀が頭蓋骨。豆腐が脳
この作中、というかバキに限らず格闘漫画全般において幾度となく出てくる「脳を揺らす」という現象の基本的な原理である
ジョー・クレーザーのクリーンヒットをもらい、視界ドロドロの烈先生が思い出していたのはまだ幼い少年時代の修行だった
砂鉄の詰まった袋でブン殴られ、景色がドロドロに歪む脳震盪を実際に体験した烈少年。白林寺こえー
小柄なメガネの老師にお椀の例を出されて解説されると、「そーなのかー」といった心持ちの表情です。なんて純真無垢なんだろう

「ここにもうひとつ同じものを用意した
習い覚えたはずの防御、不覚にも未遂に終わり打たれる
甘い修行が祟り、まともに打拳を浴びる日がくる
ならば・・・・どうするッッ!?」
言いながら左腕を大きく振りかぶる老師。手加減なしの全力でお椀を叩くつもりです
烈少年は再びお椀の中の豆腐が砕け散る映像を脳裏に描きますが、彼の眼前で展開した光景は予想外のものだった
バヒュッ!

すげえあの爺さん回りながら豆腐を(ry
奇しくもトリコレビューとシンクロニシティしたジジイ大回転
老師はお椀を叩くのと同時に、その場でフィギュアスケーターばりの超高速回転を披露
驚く烈少年に向かってお椀を突き出し、にっこりと笑ってこう言うのだった

「こうする」

そこには傷ひとつない豆腐の姿が!
(世界まる見えナレーション風に)

殴られた方向に回転することにより、打撃の威力を逃がす
はじめの一歩でも伊達さんがやってた、パンチがヒットした瞬間に首を回す(スリッピングアウェー)という理論です
幼き日の記憶に刻まれた光明。烈先生、逆転の糸口を掴めるか?
>いや、だからそういう技を使えずに殴られて脳震盪おこしたらどうするかってことが問題なんじゃ
しかしまったくもって朋友コメのツッコミ通りで、この回転はあくまでダメージを受けない為の技術
既にドロドロになってしまった今の危機を脱する突破口にはならないんじゃ・・・回転してダメージ回復するワケじゃないしな
まぁこっから先の有効打を無効化できるのは間違いなしわけだし、1Rのインターバルまで持ちこたえればいいって流れか。次号へ続く!


228話

震盪

器の中で揺れる豆腐・・・この震盪が止まるまで・・・
次なる一打・・・
断じて打たせてはならぬッッ!

「烈!止まるなッ!廻り込めッ!廻れェェッ!」

「まわ・・・回ってはいる・・・な・・・」
少年時代の回想にヒントを得、その場で高速回転することによってクレーザーのパンチをいなしはじめる烈先生
回るってそういう意味じゃねえよ!という原田コーチをよそに、クリーンヒットを避け続けます
よし・・・イケる・・・回復してきている・・・・!
「あと10秒被弾しなければ俺の体に反撃の態勢が整う!」花山さんと戦った時の克己を彷彿とさせる、じっと我慢の展開
>烈先生、脳震盪起こした状態でバク宙できるなら全然余裕で戦えるんじゃ・・・
>脳が揺れて平衡感覚なくなっているから視界が歪んでるのに、あんだけ動けるのはおかしくない?
なんか脳震盪=幻術みたいな扱いになってる

脳震盪起こしてるクセに
バク宙や側宙まで出来るのはどうなんだとか、
防御に徹するなら距離取ってないでクリンチすればいいのにとか
むしろ現状それだけ動けるなら防御に徹してないで攻撃に転じた方がいいんじゃね?とか無粋なツッコミをしてはいけません

一発もマトモにもらってはいけないという綱渡り状況の中、あと少しというところまで回復してきている烈先生
しかしジョー・クレーザーは焦らない
決して揺らがない

知っているさ・・・知っていたさ・・・
お前が優秀なファイターであることは既に知っていた
でも変わらない・・・
変えられないッッ!

これしか知らない!
>烈先生の技術を見ても超冷静なクレーザーがいい感じ。これがキャリアか
世界最強の男を決める為、世界中の天才達が一同に介しひしめき合うヘヴィ級のリング
恵まれた体格も、突出した才能もない凡庸ボクサーだった自分が
彼等規格外の天才と渡り合う為、ひたすら磨き続けた唯一の武器

相手が何者であろうと。どんな戦法でこようと。ジョー・クレーザーはいつもと変わらず”それ”を実行するだけである
前に出て追いすがり
まとわりつく・・・・

これしか知らない!

さながら一箇所に落ち続ける水滴が石をも穿つかの如く
愚直なまでに磨き上げられた凡夫の武器はついに天才の防御を貫いた
>豆腐と器の回想話とはなんだったのか
>被弾率0%の秘密って、ディフェンスよりむしろ防御に専念するしかない圧倒的な手数だったのか
>スモーキンさん絶対アイアインマイケルやアライ息子より強いよね
>スモーキン強すぎる。マイケルの代わりにトーナメント出ればよかったのに
>うーん・・・ちょっとクレーザーの強さが適当すぎる気が・・・
烈先生をたこ殴りできるキャラなんて作中でも数えるほどしかいないのに
>夜の公園に武闘家二人なら烈>克己>元部>ドイル>スモーキンとかなんだろうけど、
ボクサーを相手にボクシングルールでリングに立つとやっぱこうなっちゃうんだな
スモーキン・ジョー、圧巻の貫禄でチャイニーズドラゴンを捉える!
この引きでバキパートは挟んで欲しくない次号に続く!
>烈の門面白い。親子対決の合間に入れないで、単体作品としてスピンオフしないかな


229話

純闘志

超Aクラスの技術者バキさんにとっちゃあ、欠伸が出るほど退屈な喧嘩になるわなァ
悪いなァ バキさん・・・でもなワカってくれ
俺らの勝負ってのはバキさんらの”倒すか倒されるか”とはチョット違うんだわ
俺らの勝負はどっちかが”敗け”と認めた時が決着なんだ
先々週ラストで「テーマができた」刃牙によって、敢え無く三度目の瞬殺をくらった千春
刃牙が夕飯の買出しに出かけ、家に戻ってくると当たり前のように玄関先で屈伸などしています。流石にもうウゼエなこいつ
「俺が敗けを認めない限り負けていない!」って言われても・・・・別にそんなこと今更千春が偉そうに語らなくても、
今までこの漫画のメインテーマみたいに何度も劇中で言われてるし
こんなことを冒頭から17Pもかけてモノローグやられてもな・・・・正直「またか」といった感じで全国の読者はいきなり閉口です
倒れた相手を立って見下ろしてても敗ける場合もある
見上げながら勝つ場合だってある。それが
俺らの云うところの決ch
ウボァー!!

と、千春が偉そうな喧嘩論を語り終えようとしたその瞬間
最後まで喋らせないとばかりに
その顔面深く刃牙の鉄拳がめり込んだ
「喧嘩だぜ。ストレッチなんかしてんじゃねェよ」

アリガトウ千春さん。勉強させてもらいます・・・ッ
「試合」とは異なる「喧嘩」という闘争。学び取り、刃牙は親子喧嘩へと近づく!
刃牙、千春から喧嘩の極意を学ぶ!編集が必死にひねり出したであろう煽り文も、流石にもう薄ら寒くてヤバイとしか・・・
「試合ではない戦い」なんて。死刑囚編のテーマがまさにそうだろうに
今更暴走族が先生とかなんなの

>「認めない限り負けではない」死刑囚編で散々言ってきたことでジャック兄さんがピクルにしていたことである
>これって死刑囚編の焼き直しですよね。しかも劣化版の
>今更喧嘩の勉強って何だよ。13歳のころはさんざん喧嘩に明け暮れてたのに
>バキはただ格闘と喧嘩の差を知っただけか……というかその差はもう知ってるはずなのに……
それだけのために何度もボコられる千春カワイソス

2億年前の太古から蘇った史上最強の雄とも戦ったのに。その後になって「喧嘩の仕方」だの・・・構成メチャクチャってレベルじゃ(ry
いつまで経っても勇次郎と闘わないせいで
回を重ねる毎に弱くなってるような錯覚すら覚える刃牙
ヘラヘラ笑ってんじゃねーよと最後のコマに言いたくなる引きで
次号、みんな大好き烈の門に続く!


230話

出迎え

打撃によって受けた脳の揺れ。なかなかのことではおさまらぬ
ただ待ち続けるだけならば回復まで5分・・・あるいは10分
生殺与奪は敵にある。ならばどうする?知れたこと―
待ってダメなら迎えにゆく

解るかな・・・?烈よ・・・揺れ動くものを止めるには
自ら揺れてこちらから迎える。他にはない

クレーザーの怒涛のラッシュを浴び、二度目となる無様なダウンを喫した烈先生
再び少年時代の回想になったと思ったら、そこにいたのは
あの眼鏡の老師ではなく郭爺様
>烈「俺は白林寺の師範の一人の講義を受けてたと思ったらいつの間にか郭海皇に替わってた・・」
>眼鏡老師「わしの回転とはなんだったのか」
>板垣先生、劉海王のこともときどきでいいから思い出してあげてください
>あの…劉海お…いや、なんでもない…

烈先生前にも「我が師郭海皇」とか言ったシーンがありましたが、お前の師匠は劉海王じゃないのかと。白林寺ェ・・・
劉海王は犠牲になったのだ・・・板垣先生のテキトーさの犠牲にな
「殴られたらこうしろ!」とグルグル回転した老師とは違い、今回は「揺らされた後」についての処置の解説のようですが

それ前回思い出すべきだろ

ドロドロになってから回転した結果がご覧の有様だよ!

『耳を澄ませ・・・脳を聴け・・・揺れに耳を傾けろ・・・
お前はどんなタイミングで迎えられたい?しくじったら二度と立ち上がれまい
揺れ
ダメージを・・・迎えにッッ!』
カウントの進む中、自らのパンチで頭部を横から殴りつけた烈先生
揺れている脳に対し、その揺れを土台で吸収するよう自らの頭を揺らしたのである。手動による強制揺れ止め。その結果は・・・
ガバァッ!とカウント9で跳ね起きる烈先生。その表情にはもう焦りも苦痛もありません
揺れダメージよ・・・

ようこそ
【す・・・すごいっすね・・・4000年て・・・!?】
>編集のコメが適当すぎだが大丈夫か?
>担当の棒読みっぷりが酷い件について
>刃牙の担当「もう・・・ゴールしてもいいよね・・・」
>担当もはんぺらさんと同じ気持ちなのか。今週の刃牙の最後のコメントがいつになくヤケクソすぎる
>そもそも脳震盪って脳がずっと揺れてるわけじゃないと思うんだが

死中に活!奇跡の一打によって脳の揺れを完全に吸収した烈先生。編集の煽りもテキトーな次号へ続く!


231話

千春流

「喧嘩に備えてストレッチなんてあなたらしくない。見せてやるよ柴千春を」
「俺を?」

「柴千春のように闘う。範馬刃牙のままで闘えればそれがいちばんラクだけど
それじゃあ決着にならない。何度倒そうがね
殺されるまで・・・否。殺されたってアンタは止めない」

何度倒されても諦めない千春を諦めさせる方法はただひとつ。「俺らの喧嘩は刃牙さん達とは違うんだ」と本人が前回言っていたように
範馬刃牙の「技術」ではなく、柴千春流の「喧嘩」で倒すしか無い
この言葉を受けた千春は最初ははにかんだものの、ややキレ気味に吐き捨てて攻撃を仕掛けた
「坊や・・・・オメエに俺の真似ができんのかよッ」

出来るさ・・・出来るに決まってる。なんでかって?
千春さん、俺アンタに憧れてンもの

>今週のバキは主人公がマゾに目覚めただけか。あぁ元からか
蹴りの出鼻を抑えるのではなく、無論伸びきった脚を狙ったのでもなく
威力MAXのピンポイントに合わせ顔面を叩きつける刃牙

そしたらボッキリと千春の蹴り脚が折れてしまいました

普通の体力に鋼鉄の精神力を持つ千春。その鋼鉄が大きく揺らぎ始めた
攻撃したらこっちがやられたでござる。しかし千春の精神が揺らいだのはきっとそこではない
>勝ち負けじゃないとか言いながら、頭突きかまされてグラつく千春…闘志だけの戦闘力とかドコ行ったの?
>あれで精神折れるなら前回アッパーで拳潰れたときに折れなきゃおかしいような・・・・

「刃牙にパンチしたら自分の拳が砕けた」のは既に前回やってるので、それ自体は既に体験していることである
そもそも刃牙が本当にその気になれば、千春の手足全て折ることなんか一瞬あれば可能なワケで。だがそれでは千春の心は折れない
千春が揺れたのはおそらく
最大威力の蹴りに顔面を合わせてきた刃牙の根性
今刃牙が千春に見せようとしているのは千春流であり、普段千春がやってる喧嘩。決して刃牙自身の持つチート肉体性能ではないのだ
そうでなければ刃牙が「アンタに憧れてる」と言うハズもない
『相手よりも根性見せる』
これこそがすなわち、千春を喧嘩で「敗けました」と言わせる唯一の方法
刃牙、根性合戦で柴千春を超えられるか?そろそろ烈の門とこっちどっちか早く終わってほしい次号へ続く!


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