49話

「終わっちゃいねェ!セカンはやる気だッッ!ゲバル!ゲバル!」
凄まじい蹴りによって数mも吹き飛ばされるオリバさん。まさかの復活劇に観客達は怒涛のゲバルコールで盛り上がります
しかし当のゲバルは耳を劈くような大声援を背にしても、眉を顰め口をへの字に結んだ憮然とした顔。それもそのはず
ビュン!ス・・・ッ
華麗なヘッドスプリングで起き上がってみせるオリバさん。まるでダメージなどないかのような、穏やかな表情から出てきた言葉は・・・

「君を見くびっていた
いたわっていた。そして気遣っていた―
本気で叩くには小さすぎる相手だと・・・」

大きく見開かれるゲバルの瞳。なんと決戦のこの期に及んでゲバルのことを「侮っていた」とぬかすオリバさん
だがその言葉がハッタリではないオリバさんの本心であることは、彼をよく知る刃牙と・・・そして他の誰よりも
ゲバル本人がその身で感じていた
「おお・・・おあつらえだ。風だよ。いい日だな」

ヒートアップする対決にひと時の清涼を吹き込む、爽やかな風
どこまでも澄み切った大空。降りそそぐ太陽。そよぐ風
己が力を全て出し切ってぶつかりあえる好敵手

あぁ―今日はいい日だ
そう言って優しげな目で笑うオリバさん。あまりにも大きく深い、偉大なるナンバーワンに、ゲバルも笑みで応えます

「ああ・・・

死ぬにはいい日さ」
二人の間の実力差を悟ったゆえか。その表情もまた、オリバさんと同じく穏やかなものであった
恐れはない。自分は知っている。強大な敵にたったひとりで立ち向かう勇気
さあ帆を張れ!碇を上げろ!宝に向かって出航だ!
J・ゲバル・・・特攻!















ゲバルよ・・・君には資格がある







ああ・・・・







いったい何時以来だろう

他人を
全力で叩くのは・・・

まさしく『アンチェイン縛られぬ者 鉄の超人ビスケット・オリバ
オリバさん好きの俺には小便チビりそうな展開で満足でしたが。ゲバルを応援した読者はさぞかし「ぐわー」だったろうなぁ
オリバさんの更なる魅せ場を作る為だけに起き上がったようなモンです
真なる「愛の力」の前にはゲバルも打つ手なく敗れるだけなのか?一方その頃・・・・・・





「ズレてますねぇ・・・なにかありましたかねぇ?」
なにやらへりくだった愛想笑いを浮かべつつロールスロイスを運転するのは、第42代アメリカ大統領ジョージ・ボッシュ
突然カーナビが
30mほどの座標ズレを示し、その異変を後部座席の男に伝えます
アメリカ大統領が自ら車を運転し、下手の態度で機嫌を伺う相手とはいったい何者?・・・・・言わずもがな
「ケ・・・国のコントロールも車のコントロールも
おそまつなことだぜおめェは」

「ソーリー。でも今だけはミーにとって世界一安全な車ね」

単身でアメリカ合衆国と喧嘩できる男。範馬勇次郎
『ケッ。俺だけ仲間外れかよ・・・』
オリバVSゲバルの対決。そしてその場に居合わせる息子
地球も揺るがす三者対決に、まさかまさかのこの男まで乱入!?次号へ続く!


50話

アメリカ

冒頭。アメリカ大統領ジョージ・ボッシュ自らの運転により、どこぞの屋内へと連れてこられた勇次郎。ほー
勇次郎が行きたい場所に向かってたワケじゃなかったのか。で、その部屋で冷や汗を流しながら対峙しているのは・・・?
「レッセンくん。困ったことになってね」

「それはあなたにとってですか。わたしにとってですか」
おおコイツは。ゲバルの側近にしてボッシュの身辺警護役カモミール・レッセン
あの回想シーン以降出る事はないと思われていたキャラですがこんなところで再登場。侮れない男だ
こちら側で生きているレッセンは当然「オーガ」の事を知っているらしく、肌を刺すような勇次郎の威圧感に緊張の面持ちです
「以前わたしが誓った言葉『あなたを護る』・・・それを今テストしようと・・・?」
めっさ困り顔のレッセン。ボッシュとて今となってはボディガードとしての彼を信頼してないワケはないでしょうが
それでもかつて彼から受けた脅迫めいた交渉のことを思い出せば、意地悪のひとつもしてやりたくなるのが人間と言うもの
「レッセンくん。実は今からここにいるMrハンマが私を襲うというのだよ
助けてくれんか?」

レッセンの困り顔を楽しむかのように、ニタニタと笑いながら無茶な命令を下すボッシュ
無論勇次郎はそんなこと言ってませんし、命令されたレッセンも、命令したボッシュも彼相手にそれは叶わないことは重々承知
これがボッシュのレッセンに対する意地の悪いジョークであることは、この場の誰もが理解しているハズなのですが・・・





「ボッシュッ!キサマ・・・ッ
俺に対する任期最後の願いとはよもや
こんな事ではあるまいな」
「え?あ・・・いやそのこれは」
勇次郎がキレました。聞けばボッシュが「任期最後の願いだ」と言うからわざわざ来てやったとの事
それなのにこんなしょうもない老人の意地悪に付き合わされたとあっては、そりゃあキレるのも仕方がないと言えます
「ならばもうこれはゲームじゃねえぜッ!」
「エエエエ―――ッ!?」

藪をつついたら蛇が出てきたというかなんというか。嘘から出た真というかなんというか
いつもの如く
髪をざわつかせて怒り心頭の勇次郎。焦りまくるボッシュにレッセンがトドメの言葉を添える
「ボッシュさん!あなたのやろうとしていることは自殺です!
自殺しようとする者を護ること。これはもうわたしの任務の枠外です
そして残念ながら・・・彼の攻撃からあなたを護ることは
不可能です
わたしがどんな手段を使おうが、彼はそれをこともなげに叩き潰すでしょう
この人には・・・それができる」
怒りまくるオーガと、「護れません」と即答するレッセン
「えらい事しちまった」とボッシュは顔面蒼白。ガタガタと震えて声を発することもできません。流石にちょっと可哀想ね





だがしかし。勇次郎がバキベキと指の骨を鳴らし、前に一歩進もうとしたその時
レッセンはこの状況下でボッシュを勇次郎の手が救い出せるあらゆる可能性をシミュレートし、唯一の方法を導き出した
「許してください」

大統領にドロップキック!
イカスぜレッセン!高速でブッ飛ぶボッシュがなんかマヌケで笑えるぞ
2階の窓を突き破ったボッシュの身体はSP達が沢山いる庭へと落下。見事な機転です
『これしか手段はなかった・・・』

大統領に怪我を負わせたものの、たしかにあの状況下で彼を救える唯一の方法。賢明な判断です
護衛対象を逃したレッセン、今度は時間稼ぎのため120%勝ち目のない相手に向かってファイティングポーズを
レッセンかっけー。どんなに気に喰わないジジイが対象でも、契約は命を賭して遂行する!
ゲバル軍団の精神の崇高さと、彼を仕込んだゲバルの器が伺い知れるシーンです

と、構えたまではよかったレッセンですが部屋の中は既にもぬけの空。慌てて窓から庭を覗いてみると・・・・
「見事だったぜボウヤ」

いったいどんな瞬間移動を使ったのか、ボッシュをキャッチしてニンマリ笑う勇次郎の姿が
「おめぇの思惑通りボッシュを俺から護ることはできなかったが・・・
取った行動にミスはねェ。良き教育を受けた証だ
おめェに興味はねェが・・・
おめェの師匠を喰ってみてェ」

レッセンを一流に仕込んだゲバルに対して興味を見せた勇次郎。これでアリゾナ行き決定か・・・・でも





その頃の師匠

オリバさんの本気叩きつけにより、派手にダウンを喫したゲバル。普通の人間なら死んでますよ
先週の一撃の演出だとあれで決着してもおかしくなかったんですが。勇次郎が興味を示した今週の展開だと当然そうはいきません
「ヤイ・・・サ・・・ホ・・・船出の刻・・・」
その瞳はまだ虚ろだが、再び海賊の歌を口ずさみながら目を見開くゲバル。まだ彼は終っていない!
海よ!風よ!雷よ!再びこの男に力を!
オリバさんVSゲバルの死闘はまだ続き、そして勇次郎の参戦はどんな波乱をもたらすのか?次号へ続く!


タイトルが的外れすぎる(挨拶)
ものスゲエ燃えでカッコよかった今週のバキなんですが。サブタイトルが「刃牙」って内容とまったく関係なくて意味不明すぎ
なんかここ10週くらい
サブタイトルセンスの無さが目立つんですが板垣先生に何かあったんだろうか
第1話「闘神の血族」第2話「その人の子」あたりはすごく良かったんだが・・・

51話

今回の内容でタイトルがコレだぜ・・・本当にワケわからん
刃牙

「おお・・・立つ気だッ!」
「立てるのか?あの一撃を喰らってなお!」

オリバさんのスーパーパワーで叩き伏せられたゲバル。常人ならば即死してもおかしくない一撃ですが両手をついて立ち上がろうとします
朦朧とした意識、定まらない視点。まさに夢と現実の狭間で混濁するゲバルの脳裏に、次々と浮かんでは消えていく人々の映像
その映像は―

貧困に喘ぐ民達の姿だった
人口2万に満たぬ小さな島―されど若干21歳の大統領が命を懸けて守るべき、弱き民達

「キミはどうだゲバル?誰が為に戦う?」
「戦いは誰かの為ではないといけないのかな?」

決戦の2日前。房で対峙した時、オリバの問いに対してゲバルはそう答えた
「誰か」の為でなくとも自分は戦えると。果たしてそれは真実の言葉であったか

否。断じて否
戦う理由が「自分の為だけ」で済むのならば
なにゆえこの男は若くして世界の大国を相手に独立運動など起こしたのか。何ゆえ21歳にして大統領になどなったのか

全ては

弱き人々を救わんが為に他ならない
ゲバルの戦うモチベーションもまた「誰が為に」であったのだ







オオオオオオオオオオオオオ!!!
「立ったッ!ゲバルが立ったぞッ!」
「まだやる気だーッ!」
湧き上がる囚人達。ゲバルは立ち上がった。もし彼が自分の為だけに戦う男であれば、ここで心折れていただろう
不屈の精神で再び起き上がった好敵手を相手にオリバさんが賛辞を送る
「起きてくれると信じていたよ」
「今日は・・・死ぬにはいい日だ」

「フム・・・米兵から生まれた言葉だな。ベトナムに赴く兵士達が好んで口にしたというが・・・
ゲバル。君ならワカるだろうこの言葉の真意を」
「死ぬにはいい日だ」いつものお決まり文句を吐いたゲバルに、その言葉の本当の意味するところを問うオリバさん
彼の返答はオリバさんの期待した通りのものでった
「あぁ・・・ウソっぱちだ。あれは死ぬための言葉ではない
生きるための言葉さ
苛烈な戦闘に生き残るため。勇敢に戦い、生きて祖国に戻るため・・・」
「その通りだ。本当のホントは・・・」





死ぬにはいい日など―

死ぬまでない

いつだって今日を生きるしかない

「”死にたい”は”生きたい”だ!
死にたいって言ってんのは”生きたい”って言ってんのと同じだ!」

日本橋ヨヲコ「極東学園天国」の名場面を彷彿とさせるワンシーンです。ゲバルかっけーなー







ようやく裸の自分を晒したゲバルに、オリバさんが満足気な笑みをもらす
わだかまりは無くなった。あとは互いに持てる力を出し尽くして雌雄を決するのみ

「ゲバルよ。フィナーレだ」
「ミスターが拳を握ったぞ!終らせる気だッ!」
この戦い、ここまで掌打しか使っていなかったオリバさんが初めて握り拳を作る。100%の一撃を見舞う気です
「オールライト・・・」
敵は愛で固めた鋼の拳
されどその足は恐れることなく前へ出る
背負った勇気が背中を押す!

風立ちぬ

いざ生きめやも

決着の刻!
オリバVSゲバル最後の一撃!超雄対決次号決着!
でも来週はチャンピオンお休み。ぐわー。気になる続きは1月4日発売号だ!


52話

新たなる動き

いよいよ互いに最後の一撃を見舞うのみとなった両雄
なぜかゲバルはこの期に及んで今更のようにオリバさんの戦力分析をナレーションし始めます

ビスケット・オリバ・・・アメリカ最強の男よ
君の価値 それはその肉体にこそある

180cm余りの身長に人類史上例を見ない150キロを超える筋肉の搭載
その肉体から生み出される破壊力は
俺の持つ想像力を―

人間をカエルのように十数mも吹き飛ばし、地面にクレーターができるほど叩きつける、人間の範疇を超えた膂力
その恐るべき破壊力は、およそゲバルが持っていた想像を―














な、なにィーッ!?
ここまでコテンパンにやられて尚、オリバさんのスーパーパワーは想像の範囲内だったと言うゲバル
しかし二度起き上がってきたのが強がりではない証拠。オリバさんの打撃力はゲバルの想定を超えるものではなかったのだ
スッとゲバルが指を指し示したその先には、試合開始前のデモンストレーションで脱ぎ捨てた
直立タキシード
それが囚人達が見てる目の前でへにゃりと崩れてしまいます・・・って今まで立ってたのかよ!

ありえねー。だって強めの風も吹いてたし。板垣先生もゆで御大に近づきつつあるな・・





「素手による闘いの歴史―武術史はそのまま人類史にリンクする
筋肉への信仰と否定を繰り返しつつ やがて脱力による速度の獲得に至る
筋力・脱力・バランス・速度・角度・急所―
更には気や呼吸法にまで及ぶ様々な技術革新・創意工夫・・・
しかるに近代格闘技。未だ有史以来たったの一歩も進んでいない
決定的死角が存在する」

「フフ・・・興味深い話だな」
いきなり格闘技の根底となる物理要素をペラペラと喋りだすゲバル。彼曰く、近代格闘技はその要素群に「穴」があるとのこと
興味深い話に思わず聞き入るオリバさんと囚人達。やさしいゲバル先生はもったいぶらず、早速答えを教えてくれます
「教えよう。”支え”だ」

『ささ・・・・え・・・・?』

なにやら拍子抜けする答えにポカーンと固まってしまう囚人達。そんな生徒達にはかまわずゲバル先生の講義が続きます

「4000年の歴史を自負する中国拳法に於いてすらが
支えとなる大地を「面」としかとらえていない
ボクシングも相撲も。あらゆる格闘技が
大地を
斜めの「面」でとらえることに何の疑問ももたない
・・・なるほど筋肉に頼らざるを得まい
”地球”という偉大な”支え”を認識していないのだから」
あーなるほど。どうやらゲバルが言いたいのは下半身が地面から得る反作用みたい
そういえば大相撲出身の大男に両上手を取られてもゲバルの身体はビクともしませんでした。その時のセリフが・・・
「動くハズがない。ただ立っているだけの君達ではね」
確かに格闘技に及ばず、あらゆるスポーツに於いて「地面をしっかりと掴む」ということは基本中の基本
下半身が泳いだ上体ではまともな打撃も打てませんし、バットやラケットもまともに振ることはできません
いわゆるところの「腰の入った」動きというものは、下半身が「地面」という「支え」にしっかり乗らなければ不可能なのです
くにゃりと崩れ落ちたタキシードを指差したのはその暗喩だったのか

「大地の先1mmすらわかっちゃいない。ただ突っ立っているだけ・・・
今から君は実感する。
地上から6378000m地下に存在する
核の硬さをッ!」

”スパンッ”
切れ味鋭いゲバルの足払いが不意打ち気味にオリバさんの足を刈った。その巨体がぐるん!と瞬間的に宙を舞う
今こそ勝機!J・ゲバルの両眼がギラリと光る。目にも見よ!地球という「支え」の偉大なる力をッッ!

とらえろッ

俺の脚―

ゲバルの強靭なる下半身が渾身の力で地面を踏み込む。そのベクトルは斜めではなく

真下
これがッ!地球の「支え」を得るということだッ!

地底の遥か底の底

この惑星の真中心にある確かな物体










放たれたゲバル渾身の最終撃。果たしてその牙はMrアンチェインの喉笛に届くのか!?
次号、刑務所頂上決戦ついに決着!?
(?マークをつけざるを得ない!もうどっちが勝ってもいいから来週で決着してくれ)


53話

決着の刻

ゲエエエなんだこれはー!?
扉絵から1ページ目。いきなり囚人達の歓声と、両手を上げてそれに応える勝者ゲバルの姿が!
前回ラスト、ゲバルが全身全霊を込めて放った核パンチは見事オリバさんを討ち果たしたのだ。すげえぜ地球!
「ゲバル。彼が祝福したいんだと」
人の波を掻き分けて刃牙が連れてきた人物は誰あろう、なんとあのボッシュ大統領
ゲバルの大っ嫌いな、そして向こうはそれ以上にゲバルを嫌っているであろうはずの、あのボッシュ大統領が
「あなたにはかないませんッ!許してッ!」
『バカな・・・ボッシュ・・・ッ』
いきなり土下座してゲバルに謝罪。あまりにも予期せぬ展開にゲバルも面食らいます

「それとこの人がなんか・・・挨拶したいらしくて」
『ええ〜ッ!?何故この男がここに・・・・ッ』

ボッシュに次いで刃牙に紹介されて前に出てきた男に息を呑むゲバル
「いやァ〜・・・地上最強の生物とかなんとか言われてるけど・・・
それは俺じゃねえ。お前さんだよゲバル」
地上最強の生物・範馬勇次郎。信じられません。あの男が初対面のゲバルを相手に「お前が最強」とおべっかを!
更にそんな親父に合わせるかのように、刃牙も歯も浮くようなヨイショをたたみかける
「そんなんアタリまえじゃんッ」

「やっぱり?」
賎機検校に拝謁する虎眼先生みたいなへり下った笑顔がイカしてます
なんだこのバカ親子コント

と、ここまで5ページ目
流石にここまでやられたら気付かない人間はもういないでしょう。日本全国のバキ読者・・・そして
他ならぬゲバル本人も








ほほう・・・こういうことって







たいていはそう
























”夢”

ワアアアかあさーん!
そう。冒頭からの5ページは全てゲバルが死の淵で垣間見た夢
現実の彼は顔面を潰され
全身ビィーンって硬直した状態で地面に突き刺さってました
トムとジェリーみたいなイカすやられぶり!
地球という偉大な”支え”を得た必殺パンチ。核の硬さですらオリバさんの鋼鉄の肉体を穿つことは敵わなかったのか
イヤそもそもどこからが夢だったのか・・・こうなると「核パンチ」も本当に撃ったんだか撃ってないんだか半信半疑です

数秒間の硬直の後、ついにバタリと落ちる両足。オリバさんの鉄拳が、陥没したゲバルの顔面から引き抜かれます
「ミスターゲバルを運ぶんだ。丁寧に・・・そして注意深く
闘いは終わりだ。もう歌は聴こえない」
オリバさんの勝利宣言にもゲバルは沈黙したまま。その口から3度目の「ヤイサホー」が発せられることはなかった
刑務所頂上決戦・ついに完全決着!
哀れJ・ゲバルは壮大なスケールの噛ませ犬として派手に散りました
「死ぬにはいい日なんて・・・死ぬまでない!」とかセリフ面での魅せ場は多かったんですが
戦闘自体はあのヒゲの目潰しとか
セコい攻撃しか印象に残ってません。終始圧倒されてただけだったな





「強いっスね。あなたの・・・肉体への信仰が勝った」
「簡単に言うな。強かったぞゲバルは
愛はないがな。筋肉への愛が」

『愛以外に人を強くするものなどあるか?』
鮮烈な勝利を収めたオリバさんを賞賛する刃牙。初めて会った時の問答と同じ・・・ここでの彼の返答もやはり「愛」
「俺よりもずーっと早い段階で筋肉というかけがえのない恋人に別れを告げている
脱力だ技術だバランスだ支えだ・・・と 他の恋人達とイチャイチャやってきた
復讐されたのさ。嫉妬深いからな筋肉は」

最愛の恋人マリアは勿論のこと。彼は
自分の筋肉を誰よりも愛していた
それゆえの自分の肉体へ対する絶対的な信仰。ゲバルの「支え」という信仰など、その愛の前には及ばなかったのだ
技術や物理法則の研鑽はおおいに結構ですが、まず第一にありきは「自分の肉体」。なるほど言われてみれば正論か

妙に説得力のあるオリバさんの言葉に、囚人達は皆引き込まれるように聞き入っています

「皆が今見ている俺の肉体―実はこれ本来のサイズではない
では何故こうもコンパクトに納められているのか?」

「・・・・コンパクト・・・って?・・・デカイじゃん・・・」
ざわ・・・ざわ・・・
オリバさんの「俺の身体はコンパクト」発言にどよめく囚人達。このマンガも甚だしい筋骨隆々のどこがコンパクトだと言うのか
オリバさんは自分で自分の両腕をがっしと抱き締めながら、まるで自分自身を恐れるかのような顔で言葉を続けます
「閉じ込めているからさ」
「閉じ・・・込める・・・」

「仮に閉じ込めている扉を開いたら―この筋肉のサイズは―」









おそらく・・・・・

ドッゲェー!?マーチぃーン!
なんだこのSFホラー。まさに恐るべきはオリバさんの筋肉密度!
鋼鉄の如く鍛え上げた超密度の筋肉。もし仮にそれが弛緩したとしたら、アリゾナ刑務所からはみ出すほどのバカげた質量だと言う
この人が言うとあながちホラに聞こえないから凄いな・・・なるほどこんな質量の筋肉が相手では核パンチが効かなかったのも頷けます
「次号!オリバ驚愕の勝利の秘密が明らかに!」という煽り文があるので、来週はゲバルが核パンチを放ったシーンの回想なのかな?
次号が気になる!うーんやっぱりオリバさんは最高だぜ


54話

完全決着

「この俺が仮にこの筋肉を閉じ込めている扉を開いたならば・・・そのサイズはおそらく
たちどころに皮膚を突き破り、君達を押し潰し
建物を破壊し、外枠にすら納まらず天にまで達するだろう」

実は俺の筋肉はアリゾナ刑務所にすら納まらないほどの質量を超密度で固めてあるんだぜ!と自慢するオリバさん
まずジョークの範疇で喋っていることは明白ですが、それでも彼が言うとあながちハッタリにも聞こえないからすごい
そんなオリバさんの言葉にゴクリと息を呑んだ刃牙は・・・・





「ないない。それはない」

スゲエ普通にツッコんだ!
しかも超大ゴマ。直立してるオリバさんの背中が「えー」って感じでものっそいシュールです
しかしそんな切れ味鋭いツッコミにも負けず、自分の話の信憑性を増そうと更に言葉を続けるオリバさん
「バキよ。俺の一日の食事・・・その総量は10万キロカロリーを下回ることはない
オリンピッククラスのアスリートですら日に1万キロカロリー以上を摂取することは容易ではない
10万キロカロリー・・・
日本人が好んで食するオニギリなら
約500個分に相当するカロリー数だ
なのに見ろ。俺の体脂肪率は5%以内をキープしている
もはやスポーツレベルで燃焼できる食生活ではないのに。理屈ではあり得ん話だ」
「でもあなたの口から語られると嘘に聞こえない」
オリバさんの1日のカロリー摂取量はおにぎり500個分相当
目を剥くような数字を引き合いに出され、刃牙も囚人達もすっかり呆け顔です
「スペースシャトルが本体よりも巨大なタンクの燃料を
大気圏を越えるまでに全て燃焼しきるのと同じように
燃やしているのさ。今こうしてる間にも巨大化しようとする奥底なるものを
押さえ 封じ 押し込め 圧し 締めつける
閉じ込め続けるのだ。一瞬だって気を抜かずにッ」

「そいつぁ知らなかった。まさか俺達が今こうして生きていられるのも
アンタが油断なく縮こまってくれてるからだなんて。ありがてェや」
「俺のスンゲェところはそれでもなおかつ
熟睡できちゃうってところなんだけどね」
あまりの話術の巧みさにすっかり引き込まれていた囚人達ではありましたが、刃牙がそれをジョークまじりに茶化すと
オリバさんもニカッと笑って「それでも寝れるトコが凄いだろ?」とオチっぽいことを言って話を切り上げてくれました
思わず刃牙の肩を掴んで抱き上げてしまうオリバさんでしたが、刃牙はそれが気に入らなかったのか一言凄みます
「おい・・・降ろせよ」
「おお、ソーリーソーリー」
言われるがままにとん、と刃牙を地面に降ろしてあげるオリバさん。まるで優しい親戚の叔父さんのようですが・・・
「ボウヤ。そんなに俺とヤリてえかい?」

言うなり背中ひっぱたいた!
身の程知らずのハネっかえりボウズには一発お仕置きです。弾丸のように壁際まで吹き飛ばされる刃牙
『この力・・・ッまるで・・・ッ!上等!』
その計り知れないパワーに勇次郎をオーバーラップさせる刃牙。やはり対親父の特訓としてこの人以上の仮想敵はいません
壁に足をついて着地すると、臨戦態勢でオリバさんに・・・・あれ?






「大きいことばかり言ってスマなかった」
なんと刃牙が身構えると、オリバさんは何故か頭を下げて謝罪。これには面食らいます
「俺が建物より大きいなんてウソだ」
「知ってるよそれは!」

すかさず入る刃牙の切れ味鋭い突っ込み。いい反応してます
格闘家もいいけどお笑いの才能もあるんじゃないか刃牙

「この筋肉も実は闘うために鍛えたものじゃない。この身体は・・・
この女性をこうするためにこしらえたんだ」

300kgはくだらないであろうマリアをラクラクお姫様抱っこ!
『愛以外に人を強くするものなどあるか?』
まさにその言葉の通り。オリバさんの強さの根源は「戦い」とはまったく関係ところにあったのである
愛する女性をこの手に抱きかかえる
ただそれだけの理由で超筋肉を手に入れたオリバさん。なるほどこれはなんつーか格が違います
「月夜の晩にィ ヤイサホー♪錨を上げろォォ
嵐の夜にィィ ヤイサホー♪帆を上げろォォ」

腕には最愛の恋人。ゲバルの海賊の歌を口ずさみながら、晴れやかに囚人達の花道を引き上げるMrアンチェイン
マリアの肉が骨格から剥がれ落ちそうでちょっと怖いが
オリバさんの底知れない器の大きさと、匂うような男のダンディズムを感じさせるナイスな締めでした・・・・って
結局「核パンチ」がどうなったかは回想なしかよ!
当たらなかったのか、当たったけどオリバさんの超筋肉の前に敗れたのか。それくらいはちゃんと補完してほしかったぞ
あれだけ演出しておいて丸投げされた「地球の硬さ」の立場ったら・・・


55話

脱走

「目撃者はなし。朝起きたら空だったと」
あの激戦から一夜明けた朝、刃牙達の房。額に汗をうかべて神妙な顔つきで掃除用具入れを覗き込む看守達
J・ゲバルの寝床であるハズのそこに―彼の姿はなかった。忽然と消えてしまったのである

代わりに残されていたのは1枚の手紙。宛先名はDear Maria&Oliva

「俺に―ではなく マリアと俺にかよ・・・」
早速呼び出されたオリバさんが封書をあけてみると・・・・中から出てきたのは

大統領J・ゲバルの肖像が描かれた紙幣
言わずもがなゲバルの島の通貨です。これは一体どういうことなのか。闘ってくれたお礼?いやいや・・・




「キャップ。ロッカーの下に・・・」
「・・・こッ いつの間にこんなものを」
掃除ロッカーを調べていた看守達はロッカーの底に大穴を発見。どうやらゲバルはこの穴から階下へと降りた様子
「アンタらへの配慮さ。表門から出ようと思えば堂々と出られるだけの力を持つ男だ
だがそれをやっちゃアンタらの顔が立たん。だから脱走したのだ
”見ないフリ”よりは”気付かなかった”のほうが処分ははるかに軽い
奴なりの配慮だ。ありがたく受け取ってやれ」

J・ゲバル、アリゾナ刑務所を脱走!
あれだけアメリカ嫌いを表に出してたんだから正面門から出て行けばいいのに
アメリカ人であるオリバさんに敗れたことによる、僅かな心変わりでしょうか。っていうかゲバル・・・
刃牙と闘う約束反古にして帰りますた
「明後日の試合の後、勝っても負けても俺と・・・」ってバキ言ってたじゃん。お前「いつでも」って応えたじゃん
きっと
刃牙のあまりの影の薄さに存在も忘れてしまったのでしょう。無理もありません

「さて。どーしたもんかねこれ」
「刑務所はもちろん、アメリカ本土でも使えない金」
「ナルホドね・・・」

「使える場所はこの世で1つ」

「招待状ですねこれは」
「フフ・・・」

『使用たいなら島まで来い』
ってか

「今度はお前がウチに遊びに来いやー!」と好敵手へ洒落たメッセージを残し、自由奔放な大統領は帰国した
結局刃牙とはほぼ絡まず、それどころか勇次郎も来ませんでした
アイアン・マイケルほどではありませんが相当のフェイント野郎。核パンチの不発といい、板垣展開の申し子みたいな男でした






数日後―

どこの与作だ大統領
島に戻ったゲバル。樹木の伐採現場に何食わぬ顔で現れると、驚いた仲間達にすぐさま取り囲まれます
「どこ行ってたんですかボスゥッ!」
「一ヶ月のトイレは長すぎだっつーの!」
「斧も刺さったままで」

完全にゴンタクレどものボス猿です
仮にも大統領なんだから執務とかはないのかよ!どんな島やねん
どうやらゲバルは一ヶ月前、ふらりと小便にでも行くかのように島を発ったみたい。突然のボスの帰還にみんなニコニコ顔だ
「オウ。行ってきたぜ・・・オリバ」
「オリ・・・エエ〜〜〜ッ!?
それじゃあアメリカに行ってきたんですか!?」

一ヶ月前、休憩時間に作業員が漏らした言葉
「アメリカで一番喧嘩が強い男ですって。勝てますかボス?」
たったそれだけでゲバルは思い立ったように海を渡ったのだ。「そうだ、京都行こう」のノリに近いな




「・・・で、どうでした?ビスケット・オリバ」
「うん・・・強かったよ」
「で、勝っちゃったと」
満面の笑みをうかべて大統領の勝利報告を聞こうとするゴンタクレども。ゲバルの敗北など夢にも思わない
「いや・・・」
ゲバルが爽やかな表情で負けの報告をしようとした時、何かを思い出したように男達が騒ぎ出した
「アーッ!そうだボス!こいつまた子供産まれたンすよ!
しかも双子ッ!なッ!」

「双子・・・ってオマエ たしか・・・何人目?」
「9人・・・・へへへ」

「カ〜〜〜〜!作りすぎじゃね?」
9人目の子供が生まれたという男の報告に、なんともおかしくなって笑い出すゲバルスゲエいい顔してます
喧嘩で勝った負けた?そんな事なんてどうでもいいじゃないか。そうさ俺たちゃ海の男!
青い海に青い空!今日も太陽が眩しいぜ
ヤイサホー!

月夜の晩に錨を上げろ 嵐の夜に帆を上げろ
宝に向かって出航だ!

ゲバルの「宝」 それは
守るべき民達の笑顔!

噛ませ犬でも最後まで爽やかに!J・ゲバル編終了!
次号、影の薄さが深刻な刃牙がいよいよオリバさんと激突!?新展開に期待しよう


56話

距離

「1号異常なし!2号異常なし!3号異常なし!4号異常なし!」
「今更言うまでもないがッ!キサマ等は人間のクズだッ!
自由は一切ない!キサマ等に許されるのは呼吸だけッ!
こんな所で朝を迎える自分を呪えッッ!」

囚人達の点呼と看守の怒号。「祭り」も終わり、ゲバルも去り、アリゾナ刑務所にまたいつもの日常が戻ってきた
いつものごとく、早朝から囚人達にお決まり罵声を浴びせる看守。しかしここで小さな声で口を開く少年あり
そろそろ目立って動いてくれないとマジ空気になってしまいそうな主人公、刃牙である
「あのォ」
「どうしたボウヤ。オシッコか」
「外出いいスか?
ちょっと外の空気を吸いたいもんで。ほんの4〜5分」
「はァ!?」
さらりと外出願いを申請する刃牙。ゲバルがいなくなったからって、いきなりその真似事をするとは生意気な
耳に手を当て、「もう一度言ってみろガキ!」とポーズをとった看守をいきなり問答無用のハイキックでぶっ倒します

「フリーズッ!!」
もう1人の看守が慌てて銃を構えますが、既にその瞬間刃牙はバック宙で彼の背後に音もなく着地していた!
スコン!とこめかみに一撃入れて相手はあえなく失神。瞬く間に2人の看守を瞬殺してしまいました

ヒュイイイイイイイイイイイイイイイ〜ッ♪
「いってらっしゃああい!」
その姿がゲバルの再来のように見えたのでしょう。1人の囚人が口笛を吹いて少年の無謀かつ勇気ある行動を賞賛
そしてそれが合図とでも言うように、一斉に囚人達が刃牙の「外出」を満場一致で支持して沸き返る!
「行ってこい少年ッ!」
「外の空気たっぷり吸ってこいッ!」
「そのままどこか行っちまえッ!」

ワアアアアアアアアアアアアアアア!!!
新たなるカリスマの誕生である。仲間達の応援を背中に受け、刃牙の危険な「外出」が始まります・・・って
本当にそのまま脱走して日本に帰ったりしねえだろうな
「オリバさんと闘わないのかよ!」って。でもそんな支離滅裂も有りえそうなの悪寒がするのが板垣展開の怖いところだ





というワケで、ここから8ページに渡ってアクション映画さながらの刃牙の脱走劇が描かれます
別に文章手抜きじゃないよ!アクションはアクションだもの特に注目のネームがなければ無理にテキストにする必要ないしな
疾風の如く銃弾の雨をかいくぐり、稲妻の如く看守達を打ち倒した刃牙はキーも奪って最後の電子ロックも解除しますが・・・
鋼鉄の扉が開いたそのその先で刃牙が見たものは、マシンガンで武装した十数人の看守達と彼等を率いた所長の姿だった
「残念ながら外の空気は吸えんな。速やかに戻りたまえバキ・ハンマ」
5〜6人から拳銃で狙われるくらいならば刃牙にとって屁でもないでしょうが。十数人の機関銃となるとやはり話は違います
ピタリと足を止めて所長と対峙する刃牙。脱走劇はここでチェックメイトなのか?
「ずいぶんとガンバったじゃないか。聞かせてくれんかね。この暴挙の意味を」
「いやァ・・・俺も・・・なろうかなって・・・
アンチェイン縛られぬ者
本家オリバさん、そして2代目と呼ばれた男ゲバル。ならば俺も「アンチェイン」になる!それが刃牙脱走の動機だった
まずそれが出来ずして何がオリバさんへの挑戦か。これは刃牙なりに「自分に資格があるか」を試す行為だったのである

「・・・・・・・・・で。今、この時点での結論は?」
「なれるさ。多分ね」

そして当然ながら十数人の機関銃ごときでは範馬の血は止められるハズもなく。次号、刃牙の大立ち回り!
うーんそれにしてもゲバルがキャラ立ちすぎてたからホント刃牙のキャラ主張が弱いな。頑張れ主人公


57話

オリバと刃牙

「強気じゃないか。この絶望的な状況下なおもアンチェインになれると言う・・・
つまりこの状況を打破できると受け取っていいのかね?」

「勿論」

刃牙を取り囲む看守は6名、いずれも獲物はごついライフル銃
威嚇しながら近づいてきた為、銃口はもう刃牙の身体に触れるほどの近さ。狙いを外すこともありません
しかしこの状況下においてもまったく平常心の刃牙。6丁の銃を相手にしても勝てるという自信の表れか
「ワクワクしてきたよ。ぜひそ根拠を聞かせてくれまいか
そしてぜひ打破してくれたまえ」
「してるさ」
「ほッ・・・」

「プー!小僧なに言っちゃってんのー?」ってな具合にナメてかかっていた所長でしたが、その直後!

突然サングラスが粉々に砕け散ってしまいます





「割らせてもらったよ。アンタが間合いに入ってきた瞬間・・・
コイツで」
「バカな・・・」
言わずもがな、やったのは刃牙。その場に居合わせた人間、誰の目にも留まらぬマッハパンチを放ったのである
余裕綽々だった顔色が青ざめ、なんか変な汗をかきはじめた所長。ここで刃牙が更に畳み掛けます
「アンタだけじゃない・・・ホラ
ここにいる狙撃手6名、全員の第2ボタンだ

つまりここ、人体最大の急所の位置にあるボタンを頂いたワケ」

刃牙の手にキラリと光る6つのボタン。すなわち刃牙にその気があったら狙撃手全員打ち倒されていたという事
「俺を取り囲んだその時に君等の計画は失敗に終った
銃を過信し近づきすぎ・・・俺の間合いに入ってしまった
仮に今、この中の誰かが引き金を引いたとして・・・運動神経を司る小脳
正確に撃ち抜かなければ俺は
動く。そんときゃボタンじゃあすまない
股間を潰すか 喉をエグるか 人中を穿つか
いずれにしろ6人のうち
2人以上は必ず死ぬ」

「撃ってもいいけど。一撃で仕留めないと確実にお前らの2人以上は道連れにするよ?」
なんと6つの銃口に狙われている刃牙のほうが、構えてる人間に対して掟破りの逆脅迫
えええー?なんか・・・別に小脳じゃなくてもこの至近距離からライフル弾で頭をブチ抜かれたら
脳漿弾け飛んで即死だと思うんですが
まぁ読者ならば「刃牙ならたしかに脊髄反射で1人くらいは殺すかもな」くらいの最低限の納得感はあるかな

「なにをしている。頭か心臓に撃ち込めば即死・・・常識だ
いつまでも子供の戯言に耳を傾けてないで膝でも撃ち抜いて思い知らせてやれ」

まったく所長の言う通りで、殺るなら迷わず頭ブチ抜くべきなのですが
その所長が顔面蒼白で声を震わせていては、狙撃手達のビビリにも拍車がかかってしまうというもの
って言うか初弾で膝なんか撃っちゃあそれこそ次の瞬間に全員打ちのめされるよ。所長動転しすぎです





「フッ・・・勝負できねえってよ所長。残念だったな」
理解してしまったのさ。自分が人質なんだという事実を」
ビビリの狙撃手達は刃牙の脅迫に完全に呑まれ、もはや引き金に指をかけたまま全身硬直の状態
もはや刃牙と所長達、2者の立場は完全に逆転してしまいました
「所長ワルいんだけどさ。肩組んでもらえね?
誰の目から見ても友好的に。まるで親友にそうするように」

「・・・!?」
言われるがままに震える腕を刃牙の肩に回す所長。その状態で一行は刑務所正門へ向かって歩き出した
なんとも異常な光景!

素手の犯人
銃を突きつける人質

監視塔からはまるで所長が刃牙を説得したついでに、サービスで外の景色を見せてやろうとしてるようにしか見えません
当然増援の看守達が駆けつけることもなく、8人は誰にも邪魔されずまんまと刑務所の外へ

バキ晴れてアンチェインに!
ええー。アンチェインの称号安すぎ。海王を量産した中国武術省のジジイどもくらい安い
なんていうか強さの演出が
口八丁だけだったのがあまりにも寂しすぎると思う
20mくらい人間を吹っ飛ばすパンチを撃てるオリバさんやゲバルと比べ、インパクトにおいて遠く及びません
せめてあの場で6丁のライフルすべてひん曲げて、知恵の輪みたいに1つにしてしまうくらいやらないと・・・

「ゲームオーバー。受刑囚ハンマ・バキ帰還します。手錠を」
「アンチェインになる」という課題を見事クリアーした刃牙。これで自分なりにオリバさんに挑戦する自信を持ったようです
再びその両手に手錠をかけられ、刑務所内へと戻っていく”3代目アンチェイン”
いよいよオリバさんとの対決シリーズに突入か?
待て次号!



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