272話

覚悟

何も出来ぬままKOされてしまったJr。容赦ない刃牙は既に意識の飛んだJrにトドメのチョークスリーパー
渾身の力で締め上げる頚動脈。死ぬ。Jr死ぬ。もう瞳孔開いてるし

「殺られずに殺る」
とはどの口で効いたのか。それを自分の身でもって体験するハメになったJrの命は、もはや風前の灯・・・・

乱入!お父ちゃんハンマー!
伝説の格闘者と言えど人の父親。目の前で殺されそうになってる息子を見殺しになどできるハズもなく
父の助けで命は助かったものの、この乱入によって勝負は決着。
刃牙の圧勝に終わりました




「スマナイ。チャンピオン」
「伝説のパンチ・・・光栄だ。それにアンタが止めに入らなかったら
確実に殺していた。確実にね」
ルール無用の真剣勝負に水を差すカタチとなってしまった決着。頭を下げるパパンに対し、「殺すつもりだった」と刃牙
「それがわかったから乱入した・・・重大なルール違反だが後悔はしていない
例え・・・
今キミにここで殺されても」
「”殺られずに殺る”
・・・Jrは俺にそう言った
相手から命を奪ろうというのに自分の命は差し出していない
殺られずに生き残ろうとしている。
殺られて当然だ」

「飛び込んできたときのアンタのようなホンモノの覚悟を持たなきゃな」

”殺られずに殺る”
一見して聞こえはいいが。だが裏を返せばそれは命を賭けた真剣勝負の心構えなどではなく
最初から
自己の保身を絶対条件としての戦闘を行う、という事である
すなわち
「命のやり取り」に対する覚悟の欠如
Jrは最初から刃牙と同じ土俵に立っていなかった。実力差云々の前に、既に勝負はついていたのだ

コイツ・・・
「ボコボコ編」における3度の敗戦からそういう部分を学べなかったのだろうか。っていうかさァ・・・





「親父。俺と戦ってくれ」

会場のざわめきもまだ収まらぬ中。観客席に立つ実父に真正面から向き合い、刃牙はその言葉を口にする
「その試合を最後の防衛戦とし―」

「俺という物語の締め括りとしたい」

ドオオオオオッ!!!!!!!
突如として飛び出したチャンピオンの爆弾発言。大歓声で揺れる会場
父はニヤリと笑って息子を見つめ返し、息子はその視線を受け止める
範馬刃牙17歳
まだたった17歳の少年。だが。その閃光の17年間は彼にとっては1つの人生に等しい17年間
『父―範馬勇次郎をこの手で倒す』
ただその目的のために駆け抜けてきた歳月に終止符を。飽くなき戦いの日々に閉幕を

壮大な物語がいよいよラストシリーズに入ったところで2話掲載Bへ続く





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





Jr編はなんだったんだ
いや「Jr編」の必要性自体は解る。この最終決戦にもっていくための前フリと、そして演出である。それは必要なモノだ
でもその内容が
あまりにも支離滅裂で破綻しすぎてたつーのが。なんかもう・・・なぁ
勇次郎との決戦前に
「刃牙はこれだけ強くなりました!資格十分です」ってのを読者に印象付けたかったのならば
Jrは
渋川先生⇒独歩⇒そしてジャックもすんなり倒すべきだったのだ
そうすれば
「とてつもなく強いJr」を圧倒的に倒すことによって刃牙の強さは解りやすいモノになったし
なによりストーリー的にも無駄と矛盾が発生せずにベターだったハズ。ところがアンタ、ほれ板垣先生の悪癖が
「Jrボコボコ編」という
不必要なパートを。しかも何週にもわたって描いたモンだから
「とてつもなく強いJr」像は読者にイメージとして植え付けられず
「強いんだか弱いんだかよくワカらん坊ちゃんファイター」となる
それを瞬殺したところで「今の刃牙の強さ」が読者に伝わってこないし。何より
展開的に寒い

「真剣勝負とは―」「マーシャルアーツとは―」「戦うことの意味とは―」
Jr編の大きなテーマであったこれらの哲学はJrの瞬殺という結果によってまったくのナンセンスな問答と化し
「コイツは殺られて当然だ」と決める刃牙もうすら寒いモノに見えてしまうという・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まぁ。過ぎてしまったモノは取り戻すことはできん
Jr編の次がラストパートだろうなというのは全国読者も予想していたであろう展開なので、これ自体はよし
板垣先生、頼むからこの最終シリーズだけは
マトモな脚本用意してくださいね。マジで頼みますって


一挙2話掲載後編。こっちはネーム多いだけで内容は短かったな
273話

完成

ふわり、と。高く舞い上がったその巨体は音もなく着地する。眼前に立つは”地上最強の生物”オーガ
範馬勇次郎。それは尊敬すべき実父にして、最愛の母を殺した男の名前である
父はこの上ないというほどの満面の笑みを浮かべ、息子に話しかける
「飯を喰らい・・・・気を喰らい・・・・・喜びを喰らい・・・悲しみを喰らい
愛を喰らい・・・嘲りを喰らい・・・女体を喰らう

取るに足らぬハズだった脆弱なる子猫はいつしかー
俺の視線をもまともに受け止める獅子へと進化を遂げ―
更なる変貌を諦めず 更なる熟成を諦めず・・・・・・」

饒舌に語るオーガ。その大きくてよく通る声は会場中の人間の耳に届く。さながら高僧の高説だ

『おおおお・・・・み、認めておる・・・あのオーガが!
勇次郎が刃牙を”敵”として認めておる!!』
感動と興奮に震える光ちゃん。刃牙が徳川邸の門を叩いたのは、わずかに13歳のときの事
「病気の父を治したいんです」
少年の熱い涙は昨日の事のように思い出せる。そして今、その親父が息子を敵として認めている
老人が感無量の涙を流しかけたその時。勇次郎が高説の最後をこう締めくくった

「やがて俺の”餌”として完成を見る」






『・・・・・・・・・・・・・餌・・・・・』

「ハネッかえりはすなわち鮮度。よくぞここまで芳醇になりおおせた
喰うに値する」

それは虚勢などではなく。ただただ自分だけが、この世で唯一無二「最強」であるという自負心
息子よ、お前は強くなった。
俺に喰われるに相応しい男になった
父と子の情などそこには存在しない。それが地上最強の生物・オーガであり、息子もそれを承知していた

息子からふっと目をそらした勇次郎は、その視線を客席の女の向けた。刃牙の最愛の女性・梢江である
「俺の言いつけを守り いい仕事をしてるようだなお嬢ちゃん
引き続き―飽き果てさせるな」

「光成ッッ!報せを待つッッ!」
息子の願いを聞き入れた父。ついに「バキ」最後の対戦カードが組まれたのだ
Jr編のダメさ加減は忘れたい。最終シリーズの行方に期待しよう。次号へ続く!


274話

戦士

「強いねバキくん。一発で終わらせちゃった・・・たった一発」
「彼は立派な戦士だったよ。逆に俺が一発で倒されかねないほどにね
そんな言い方をしちゃダメだ」
「・・・・ゴメンなさい」

チャンピオン控え室。圧倒的な防衛戦を終えた刃牙に梢江が言葉をかけるも、刃牙の反応は何とも淡々としたものだ
梢江とてJrをバカにするつもりでそんな言葉を口にしたワケではないだろうに。ただ刃牙をねぎらう為に言っただけである
「次が・・・最後の戦いになるんだよね?嬉しい・・・ホッとしてるわ」
「どこの家にもある親子喧嘩にすぎない。人に自慢できる事じゃない」
これまた真面目に聞いているんだか聞いてないんだが。コーラをぐびぐび飲みながら素っ気ない返事を見舞う刃牙

げえー刃牙なんだこりゃ
えらい酷いなコイツ。甲斐性なさすぎ
日々命を取り合う戦いに身を置く男。そんなキチガイを恋人にした梢江の気苦労というものを考えた事はないのか
実際毒で死ぬ寸前まで追い込まれたこともあるクセに。あのとき梢江がどれほど心配したか。どれほど泣いたか
『これでもう戦わなくて済むんだよね』
そう笑顔で尋ねた恋人に。どうして
「ああ。今まで心配をかけたな」の一言が言えないのか
腕っぷしがどんだけ強かろうが。
男失格。ひいては主人公失格だ小僧

「なんか・・・リッパになっちゃったなァ・・・一人で帰るね」
流石の梢江もカチンと来るものがあったのか。これ以上言う事はないといった感じで控え室を出て行くのでした





さて。目の覚めるような負けっぷりを見せつけたキング・オブ・やられの方はといいますと・・・

ああもうなんか
目も当てられないコトに

鼻水と涎と涙でグチャグチャになって嗚咽するJr。泣き虫サクラを彷彿とさせる泣きっぷり
3度に渡る屈辱の敗戦を経て
自分なりの「戦いの意味」を見出し
愛する女性に必勝を誓って臨んだ一世一代の大勝負

結果は
たった一撃の攻撃を当てることさえままならず封負け
あまつさえ「キサマは命のやり取りを吐き違えたマヌケだ。死んで当然だ」
悔しいやら哀しいやら情けないやら。Jrの胸中たるやどれほどのものか
そりゃあ涙も止まりません。泣くなったって無理ってもんです。パパンも流石にかける言葉が見つかりません

黙って廊下を立ち去るパパン。このドン底からは自分で立ち上がるしかないのだ息子よ





そして。パパンが去ってから入れ替わるように傷心のJrの前に立った人物・・・・松本梢江
彼女の目の前にいたのは
待ち合わせのファミレスで見慣れた、どんなときでも自信満々だったフェミニストの伊達男ではなく

ただただ自分の無力さに打ちひしがれ
今にも消えてしまいそうな青年だった

「・・・・・貴方は・・・・・戦士でしょ」
ぶんぶんっ。梢江のその言葉を、激しく首を横に振って否定するJr
僕は戦士じゃない。こんな情けない僕が
戦士であるハズがない

涙と鼻水をプラプラと垂れ流してうずくまるその姿に 自信満々で梢江にプロポーズしたあの男は見る影もない

『僕ト結婚シテホシイ』

初モーションから・・・否。初めて出逢った時から彼は常に誠心誠意の人であった
悲しみの底に沈む見ず知らずの梢江を励まし、再会後は「あなたはNo1の女性だから」と猪突猛進のアタック
『範馬刃牙を倒してキミを手に入れる』
そう言って梢江を強く抱きしめたあの逞しい両腕も。今はただ涙に濡れて震えるだけである


話した期間はほんの僅かだけれども。その男が今、泡になって消えてしまいそうなほどに打ちひしがれている
「あなたは・・・・・・・」
梢江の目に涙が溢れ・・・・・・・













おおー。大方のバキ系サイトの予想通り
こうなるのか

『この人には私がそばにいてあげないと』
これはやっぱ女性の本能みたいなモンなのかねぇ。手間のかかる男ほど愛おしいつーかなんつーか
親父との決戦を目前にして刃牙、
梢江に捨てられました。なんつー展開
そして
先週の予告であった『重大発表』の内容はコレだ!(以下原文通り)

11月24日発売週刊少年チャンピオン52号
来るクライマックス!
『バキ』最終回
そしてッッッ!!!?

「バキ」あと2回で最終回だそうです
別にもう何が起きても驚かないんだけど。むしろ気になるのは最後の「そしてッッッ!!!?」のほうだよな
またタイトル変えて第三部スタートとかだったら
もう板垣はもう
本当に読者に干される。コレだけはないと思いたい。思いたい(願望)


275話

挑戦資格

「いやぁハズレもハズレ。我々2人の予想は大ハズレでしたな」
神心会空手本部応接室。向かい合って酒を酌み交わしているのはヘボ予想を外した渋川先生と独歩だ
「強くなっとる」
「はい強くなってます。渋川さん・・勝てますか?範馬刃牙に」
「これ匂いはキツイけど、結構美味いね。ま・・・・・
勝てぬ、とは言えんわな」

沖縄産のハブ酒を一気に飲み干す渋川先生。無論、相手との力量差を計れぬほどボケてしまったわけではない
しかしそれでも尚、
「勝てるはずないよ」などとは口が裂けても言わぬのが武術家という人種である
「オーガは受けました。息子刃牙に挑戦の資格ありと
私の心は決まっています」




「あぁ?」
「いやマチガイねェよ。範馬勇次郎がバキの挑戦を受けた」
「しかしよォ・・・オーガはバケモンだぜ」
「イヤ・・・範馬刃牙は強くなっている」

同じ頃、階下の道場でたむろって話している若者3人。面子は烈先生、克己、加藤

スイマセン板垣先生
バキ読者の誰もが知りたい事だと思うので、マジで教えてください
末堂どうなったんですか?
いやマジで

「擂台祭で見せた脅威の秒殺・・・アライJr戦で見せた圧倒的な実力
彼はもう以前のステージにはいない」

「全ての武術家が歩む道・・・地上最強の栄光へ一歩先んじたワケか」
「・・・・・で。俺らはどうするよ克己さん」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・ッ』
腕を組んだまま押し黙ってしまう3人。「どうする」ったって何をするっていうんだお前等




どこかの小洒落たバー。カウンターで腰掛けたスーツ姿の大男が、ワイングラスをたった1口で空ける
その傍らに直立不動で付き従う男は、このバーの雰囲気にはおよそ似つかわしくないトビ風の男だった
「そうか・・・」
「オスッッ!!」

言わずもがな、身なりの良い大男は我等の二代目
花山薫。そしてガラの悪いトビ風の男は柴千春です
「花山さん・・・俺らバキさんに・・・」
「放っとけ。それが礼儀だ」
「お・・・オス」

刃牙に何かエールを送るべきでは?と問う千春に「必要ない」と、にべもなく答える花山さん
この戦いは刃牙にとってただ「最強に挑む試合」ではないのだ。言わば
地上最強の親子喧嘩である
これから死力を尽くして実の父親をブチのめそうという息子に。他人が口を挟む資格などあるハズもない




「正直オーガの首を狙うにはワシじゃ無力すぎる」
「はい・・・と言っていいのでしょうか」

「否定しろバカ」
久々に登場したと思ったらいきなり笑わせてくれる本部先生。期待通りの男です
一応柳龍光倒したのはこの人だし、強さ的にはそう卑下するモンでもないんですが
それにしても
片キン花田はいったい何年ぶりの登場だろう。まさかバキで彼の姿を見ようとは思わなんだ
「まぁ誰に限らず・・・範馬勇次郎の前では無力でありますが」
「・・・強くなったのォ刃牙」
「強くなりました」




「そうか」
「ともに刃牙にブッ倒された者同士・・・どうするよ兄貴」

大学病院の診察室。弟を診察しながら話を聞いている兄・・・・鎬ロン毛兄弟です
昂昇はヤバイ状態を脱しすっかり元気になったようですが、ブレストファイアーをくった顔面は火傷の痕でかなり痛々しい状態
独歩とか花山さんとか加藤とか昂昇とか。
顔面すごい傷の男率高すぎるぞこの漫画
神心会の3人と一緒でアレですが、「どうするよ」たってどうするつもりなんだよお前等




「ナンダトォ・・・!?」
「範馬刃牙が父・範馬勇次郎氏に挑戦し―
勇次郎氏本人、及び徳川光成地下闘技連会長はそれを受けた
挑戦は認められた」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・フフ・・・アノ阿呆が・・・・・」

「認メロ・・・・ッテ言ウノカヨ」
猪狩からの報告を聞き、弟に先を越された怒りに震えるお兄ちゃん。ジャック・範馬
この人登場するたび高そうなメシもりもり食ってましたけど。中華料理フルコースとかステーキとか
そういやシコちゃんとやった時に、猪狩がパトロンっつーような感じ設定が出てたな。そりゃ金には困らんわ
とりあえず血管浮かび上がらせてすごい顔してるお兄ちゃん。素直に弟の挑戦を認めるつもりは無いようですが・・・




「なぁ刃牙。俺らァ・・・知り合ってどれくらい経つ」
「結構経ちますね」
ラスト。刃牙のオンボロ長屋を訪ねた愚地独歩、茶などすすりつつ昔話を始めます
「そう。結構な付き合いになる・・・・だが不思議なことが1つだけある」

「俺と君は一度も戦っていない」
なんと次号最終回にして独歩の宣戦布告で引き。うーん第2部最後の相手にしては・・・・・だって
Jrに軽くKOされてるオッサンだし。まぁ「グラップラー刃牙」第1話からの付き合いなので
そういうストーリー的な意味合いでは第2部最後の相手として申し分ないと言えるけどな
なんにせよこりゃ第三部確定ぽ
次号!『バキ』最終回に注目!


「バキ」最終回
内容はないよう!(シャレ)
あーとりあえずマジで中身はないです。「バキ」に関わる全体の締めとか
そういうのは一切無し
ぶっちゃけなくてもいい最終回ってある意味すげえと言えるけど。ま・・・・・・
次号も今まで通り掲載されるから。あんま関係ないよな


最終話

地球規模

「おかしなことだぜ。最強を目指す者同士・・・・
いつでも会える距離に居ながら一度も立ち会ったことがない」

なんと最終話にして武神・愚地独歩から、地下闘技場チャンピオン範馬刃牙に立ち合いの申し出
どっこいしょ、とあぐらを崩しながら言う独歩。刃牙はその足に視線を落とし、僅かに苦笑しながら答える
「”そうですね”と言ったら―同時に蹴りが跳ねてきそうだ
愚地館長―あなたは俺に対してひとつだけ思い違いをしている
俺が武や強さを目指す目的―それはあなた達とは根本的に違う
俺は地上最強を目指しちゃいない」




「・・・・・な〜んて言いやがったもんでして
”父親がたまたま地上最強だったから”それでしょーがねェからと」
「かっかっか・・・・!それはまた随分と運のワルい」
というワケでいきなり場面ジャンプ。夜の地下闘技場観客席で談笑するのは、フラれた独歩ちゃんと渋川先生だ
いつか梢江にも言ったように、刃牙は元より「地上最強」など目指していない。ただ勇次郎より強くありたいだけである

「もし親父が地上最弱の生物だったとしたならば 俺は2番目に弱くていい」

そうまでハッキリ言われてしまっては、無理矢理立ち合いを強要できる独歩ではない・・・・・って
なんつーフェイント引きだよ先週。別に独歩じゃなくてもよかったじゃん
「ふ〜ん・・・あのヤロウがそんな事をねェ・・・・」
「ああ。言ったらしいぜ」
「その話が事実なら・・・たしかに我々とは目指す根本が違うな」
同じく観客席に立っているのは克己・加藤・烈先生の神心会トリオ。3人の視線が見つめるのは舞台中央の人影だ
「で、アイツさっきから・・・・何やってンだ?」

範馬刃牙。対戦相手のいない舞台で虚空に身構える姿はどこか滑稽ですが・・・
これは察するに最大トーナメント編で見せたアレでしょうか

「動かんな。たぶんまだ・・・・」
「イメージの具現化を待っている」
「そろそろかな。彼の持つ意志力なら・・・あと4、5分というところだろう」

本部師弟に鎬兄弟までいる。花山さん以外の「先週の一報」を聞きつけた男達が、いまこの場に全員集合しているのだ
最上段にいた猪狩にジャックが声をかける
「出ルゾ。見テイロ・・・・アレガ今ノ刃牙ノレベルダ」
お兄ちゃんがそう言った直後。ギャラリー全員驚愕

本部先生にヒゲ描き忘れてるよ板垣先生!





他者の目にまで
イメージが見える!!

リアルシャドー。極限にまで高めた集中力と想像力が生み出す、究極のイメージトレーニング
刃牙は一度、最大トーナメント時に烈海王戦への対策としてこれを読者に披露しています
イメージで受けたダメージが
肉体に変化を与えるほどの集中力と暗示
それだけでもトンでもなかった刃牙のシャドーですが、ここにきてそれは更に1段階の進化を遂げた
今、刃牙の前にいるのは
他者の目にも見える範馬勇次郎
対勇次郎を想定した刃牙の緊張感・息づかい・筋肉の動き・・・
それを通して見るギャラリー達の目にも、”そこにいるハズのない勇次郎”が映像となって見えるのである
「親父・・・イクぜ・・・」
この時、地下闘技場の刃牙パートは日本時間にしてPM8:00




時同じくして東アフリカタンザニア共和国
ライオンと戦闘中の勇次郎

現地時間はPM2:00。日本との時差は実に6時間
遠く離れた日本にいるはずの息子の殺気を感じ取り、思わずハッと後ろを振り向く勇次郎

「バキ」完。なんじゃそら
なんて中途半端な切り方・・・これだったら三週前のラストで締めたほうがキリ良かったじゃないか
他にも先週の独歩引きの意味の無さとか色々ツッコミたい所は多いんですが。ま、それもこれも・・・






すぐ次号から第三部スタートだからいいですけど

タイトルは『範馬刃牙』
時は満ちた。地上最強の親子喧嘩―ついに最終章へ!
それにしてもバキは切り方がどうしようもなく半端だったな・・・単行本だとすごくアレな気がするぞ


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