149話

小さな怪物

さあ地下闘技場に伝説の傭兵ガイア参・上!であります
身長は低く、締まった体ではあるが特にスゴイ筋肉をしているわけでもなく、表情は穏やかそのもの
初めてガイアを見る光ちゃんも驚きを隠せません
『この男がガイア・・・こんな優男が
修行時代のバキを仮死状態まで追い詰めたというのか・・・』

いやまー逆を言えば
13歳のバキに指2本で締め落とされた男ですがね

盛り上がってたところでジャックが引っ込み、代わりに登場したこの男ですが
当然観客はガイアが何者なのか知りません。そりゃもう当然ブーイングの嵐です
「帰れ未成年!」「大体格闘家なのか!?」「ジャックはどうしたァッ!」
「引っ込め!軍隊オタクゥ!BB弾は反則だぞォ!!」「帰れ帰れェッ!」

あーもーやかましいなー。アレやっちゃうぞー?と口を開けるガイア
「アッ」

出ました超音波攻撃
その威力に天井の照明がビリビリと震え、ぱらぱら埃が降ってきます。わおすげー
「ハハ 軽くやっても響くな屋内は」
静まり返る場内。このパフォーマンスで目の前の男の凄さが少しは理解できたようです
ニコニコ顔を崩さずシコちゃんに話しかけるガイア。おもむろに軍靴からナイフを取り出す!
「ここは何使ってもいいんだって?例えば・・・こんな」
ひるんで額に汗をかくシコちゃん。観客もいきなりナイフか!と不満そうですが・・・
ヒュン!
すこん!
すぐにブン投げちゃいました。お前なんかこんなんなくても勝てるぜーって事ですか
上等だチビ!さあキレたシコちゃんが猛然と襲い掛かるッ!!
って
あ―――――――――ッ?!

銃撃ったー!!
足元の地面に向けての威嚇ですが。ビビッたシコちゃんの腰砕けポーズが笑えます
「こんなのも な」
「お前・・・ッ」

「安心しろ 予め用意した物を使うのは格闘の名に恥じる
環境利用闘法とは言わん
ここ・・・たった今身をおくこの環境 この条件のみを利用する
それが環境利用闘法 さしあたって・・・」

大きく左腕を振りかぶったガイア、身をしずめると地面の砂を思いっきりぶっかけた!
ドパァッ
ビスビスビスビスビスビスッ!

あっと何だこれは!?目潰しが目的じゃない!歯!?

シコちゃんの身体に無数の歯や爪が刺さってる!
幾多の歴戦の戦士達が闘ってきた闘技場。とうぜん折れた歯や爪なんかが相当量砂の中に埋もれています
それを高速で弾丸として撃ち出したわけですね。いわば歯のつぶて!
まーダメージは皆無っぽい技ですが
「このへんから始めようか」

にこやかに笑うガイア。なんか「最初優勢だと負ける」の黄金パターンになりそな予感が
「どーゆー闘法だよッ!」という観客のツッコミが笑えます

次号、環境利用闘法本領発揮!楽しみに待て


150話

未知なる闘法

一掬いの水でも私が手にしたならばそれは立派な武器になりえる
それが砂ならばより一層強力な――――ましてや
その中に歯や爪などの固形物が混じっているとなるともはや―――

それは凶器

シュパァン!
ガイアの歯つぶて殺法炸裂。さしずめ砂かけババアならぬ砂かけハゲ兄ちゃん
まるで散弾銃でぶっ放したかのような威力でシコちゃんの身体を見る間に蜂の巣に!

血ぃダラダラ流して逃げ惑うしかないシコちゃん。なんか無様で可哀想ね
そこそこにダメージを与えたところで攻撃を止めるガイア、服を脱いで深呼吸
「いい汗をかいた
環境利用闘法・・・ここからが本番ッ!!」

むう。今までのはウォームアップにすぎませんでしたか。両手で大量の砂を巻き上げる!
もっかい!更にもっかい!そーら枯れ木に花を咲かせましょー!!もくもくもくー!
たちまち砂ぼこりに包まれる闘場。そう、煙幕効果。気がつけばガイアの姿を確認できません

ボンクラな観客供は当然として、シコちゃんの動体視力をもってしても完全に目標ロストです
『いない・・・・本当にどこにもッ!!』
オロオロしながら辺りを見回すシコちゃん。あれ?うっすらと何かが見え・・・・あれれ?
す――――っ
「フフ・・・・」

「バ〜〜〜カ」
おおおおおおおおおおおおおなんだこれはガイア!?
カメレオンのように背景に擬態する荒技を披露。どういうタネなのかは知りませんがとにかく何かスゴイぞ
アホのように口開けっ放しのシコちゃん。未知の闘法の前にただただ翻弄されるがまま
次号へ続く

んんー?ガイア強すぎだろー。こりゃ「最初優勢なほうの負け」王道パターン可能性大


151話
見えざる恐怖
ゴメンなさい落としてまつ(死)


152話

見えざる恐怖A


教えよう 暴力の真の恐怖
ガイアの砂を使ったカメレオン殺法に翻弄されるシコちゃん。やられるがままでまったくイイ所がありません
つーかどう考えても砂煙の中、全身に砂をまぶしたくらいじゃ擬態になんかならねーと思うけどな!
しかしそこはそれ板垣先生は元自衛隊です。カムフラージュ云々は専門だろうって事で深くツッコむのはやめておきましょう
『見えない・・・まったく見えない・・・ッ いったいどう戦う!?』
すっかり負けムード濃厚なシコちゃん。しかしガイアは一気に勝負をかけようとせず、甚振るようにジワジワと仕掛けます
何故だ・・・何故攻撃してこない!?焦燥するシコちゃんの耳にす!と触れる手
「ガァッ!」
何すんのー!と背後に裏拳を打ち込みますが空振り。直後!今度は首に触れる手!おわあ
「クッ!」
物凄いアッパー。しかしこれも砂塵を舞い上げるだけ。今度は金玉をグニュリと掴まれて顔面蒼白
「ダァッ!」
蹴り!無論当たらず。全身冷や汗でびっしょりのシコちゃんにガイアの声がビリビリと響く

メッセージだ
これはいつでもお前を殺せるというメッセージだ!





はいシコちゃん絶体絶命ー。さあここで場面転換です





ロングコートに下駄履きというファンキーな格好で柳との決戦に赴いた渋川先生。しかし道中、突如として眼前に巨大な門が現れます
地下トーナメント編ジャック戦でも発現した現象ですね。
「勝てない敵とは戦うな」
つまり”究極の護身”であります。回想で師匠との会話を思い出す渋川先生

「戦って勝つなどという事は武の段階で言うなら未熟も未熟
今のお前さんなら大丈夫じゃろ 勝てぬ敵には近寄れぬ
行こうにもソヤツの力量がお主より上ならば辿りつく事ができんのじゃよ」

・・・・ならばこの幻影は・・・・
ざっぱ―――――ん!!!
意を決した渋川先生が門をくぐると、そこは荒れ狂う大海原でした。おわーこりゃすげー
いったいどれほどの危険が待つというのだ!
海ですよ海!とんでもないですなこりゃ。しかし解せません。柳がそれほどまでに危険な存在なのでしょうか?
・・・否!どうやらその頃、柳サイドに予期せぬゲストが現れたようですよ


「どこのどなたさんで?」
「それがし・・・・
本部以蔵と申す者です」

















ゴフッ(吐血)




も・・・


も・・・・



本部先生キタ―――――――!!!
”解説王”こと本部以蔵。まさかまさかの死刑囚編 見・参!であります。正直読んだ瞬間鼻水噴き出したよあたしゃ
末堂やガイアが登場したときの驚きなど本部先生参戦にに比べればカスも同然です。しかしまさか本当に出るとは思わなんだ・・・
皆様には今更説明の必要もないと思いますが本部以蔵と言えばバキマニアの間では相当あっち系の扱いを受けてるキャラです。
少なくとも「お気に入り」にバキ総合サイトを入れてる級のバキファンならこのページ開いて大爆笑したと思われ


「ほう・・・本部流柔術か・・・その元締めがいったい・・・」
言いつつ、吸いかけのタバコを投げつける柳。どこに持っていたのかそれをポン刀で受け止める本部先生
つーか剣!?本部先生が剣術を!
「ワルいね・・・・遊んで もらうよ」
白刃煌く!柳、渋川の対決に本部が加わり戦いは未曾有の領域へ!次号へ続く!


以上。板垣先生やってくれました
いやはや「予想は裏切り期待は裏切らない!」がモットーのバキですが・・・まさか解説王の現役復帰とは
これはさすがに予想しませんでした。久々に次号がめっちゃ気になるバキ。来週が楽しみです


153話

本当の攻撃


「夜の公園で武術家二人・・・・・勝負でしょう」
さあきました。まさかの電撃参戦、解説王本部以蔵!ポン刀一本携えて、明らかに自分より格上のハズの柳に勝負を挑む
タバコを真っ二つに切り捨て、カチャリと上段に構えました。なかなかサマになってます。これに対し、さして驚くでもない柳
「なるほど・・・そもそも柔術は剣術から進化したもの・・・・まらば剣に精通するのも必然というワケだ」
「当たっている・・・半分はね」

”ザッ”
本部先生仕掛けたッ!渾身の力を込めて剣を振り下ろ・・・・・
なにィッ!?
ビュババババババババッ!
なんと柄から手を離し、剣をぶん投げた!さながらアイスラッガーのように回転しながら柳を襲う刃!
虚をつかれた柳、回避するも間に合わず!
ズッ

左大腿部を貫通する刀!あわわ痛そー!苦痛に動きを止めた瞬間、ギャリィン!と右足に絡みつく鎖分銅!
思い切りひっぱられて後頭部から地面に落ちる柳。本部先生は余裕綽々で鎖を戻します。ジャラッ!ぱしっ
「柔術とは戦場格闘技。剣だけではない・・・」
ビュバババババババババ!目にも留まらぬスピードで回る鎖分銅。なんかスゲーぞ本部先生!
「武器全般に長ける」
ふぉんッ!!

血飛沫とともに左頬肉が吹き飛ぶ!柳まったく反応できず!
かつて刃牙は柳との闘いで超スピードの風神鎌(鎌と鎌を紐で繋いだ武器)をバンバン避けてみせました
どんなスピードの武器でも術者の起こり(攻撃始めのモーション)さえ見逃さなければ武器の軌道はワカるからです
しかし柳ほどの手錬がまるで反応できないこの攻撃!いわゆるむ無拍子(ノーモーション)から繰り出されていると思われます
すごいぞ本部先生!金竜山にパーフェクト負けした男とは思えません





一方シコちゃんVSガイア。ここまで悪戯まがいの軽い攻撃ばかり仕掛けていたガイアがついに攻勢に出ます
ガスッ!強烈にスネを蹴られ飛び上がるシコちゃん。どどどっと冷たい汗が噴き出します
『来た・・・とうとう来た・・・ッ本当の攻撃がッ!!』
ぶすっ。直後いきなり目潰し!両目に指つっこまれてこりゃスゲー痛そうですよ
「〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!」
「フフ・・・これでもう隠れる必要もなくなった・・・気付いていたかな?ロシアの人よ
ここまで私の攻撃は
10秒に一度。キミは暗闇の中10秒間わたしの攻撃を待つ
その意味がワカるかな?」

ニヤリと笑うガイア。顔面蒼白のシコちゃん。なんかもう完全にシコちゃんダメっぽ
次号、ガイアの恐怖殺法がシコちゃんを襲う!


あーうー。なんつーかこの話は内容が薄くてガシガシやってただけなんでどうしても短いレビューにしかなりませぬ
バキはなー、こんな感じで1話終わっちゃうときが多々あるからレビューする方も大変だよなー。などとほざきつつ軽くレビュー

154話

カウントダウン


「10・・・9・・・8・・・7・・・6・・・」
『攻撃される・・・ッあと5秒でッ!4秒・・・3秒・・・
来るッ!!』

ゴシャッ!
しーっ。顔面に凄まじい蹴りを食らい、派手に血を撒き散らしながらぶっ倒れるシコちゃん
未だに目潰しから視力が回復しないので、ガイアの攻撃を避ける術がないのです
今の彼にできる事はただ亀のように身を丸くして攻撃に備える事だけ。なんかすごい可哀想ね

「5・・・4・・・3・・・2・・・1」
「ひ・・・・!」
ドガッ!
頭を押さえて丸まれば脇腹に強烈なつま先蹴りを。腹を押さえて丸まれば顔面を蹴飛ばされる
これを12ページにわたり延々繰り返す板垣先生。さすがにちょっとしつこいYO!
ガチガチと歯を鳴らし震えるシコちゃん。そのあまりにも凄惨な公開リンチに静まり返る観客席
「シコルが・・・恐怖しておる・・・」






『来るッ 来るッ 来るッ 来るッ!!!』

「決着じゃ・・・」




「俺の負けだ〜〜〜ッ!!!
許してくれェ〜〜〜ッ!!!」

「・・・確実にくる幸福・・・その待つ時間の中にこそ幸福があるように・・・
確実にくる恐怖。人はその待つ時間にこそ恐怖する」

勝負あり!
死刑囚シコルスキー、泣き喚きながら自ら敗北を宣言!
生まれてこのかた味わった事のない最大の恐怖にその心は完膚なきまでにヘシ折られたのでした
くるりと背を向け軍靴をカッ!と揃えるガイア燃え。つーかシコちゃん結局なんだったんだよ
以下シコちゃんやられ人生

オリバさんにラリアット一発でのされる

脱走して復活。したはいいが強すぎバキにボコボコにされる

お兄ちゃんに遭遇。電話ボックスに突き刺さって地下闘技場へ

ガイア相手にパーフェクト負け

なんやこれ。人生で輝いてたのは猪狩に小便をかけてた時だけです
ホントになんだったんでしょうかこの男は


155話

凄絶


シコちゃんが無様に敗北を喫していた頃。本部先生VS柳の闘いも大きく動く
足にポン刀をブッ刺され、顔に鎖分銅を食らった柳。当然このまま黙っちゃいません
ぶらん・・・と取り出しましたお得意の風神鎌。なるほど武器には武器で対抗であります
ビュバババババババババババ!
相変わらず凄まじい腕前。目にも留まらぬスピードで鎌を振り回します。触ったら死ぬぜ〜・・・・が!
本部先生、まったくもって焦りもビビりもせず。くるりと背を向けトコトコ歩き出しちゃいます
そしてある地点までいったところで再び振り向く。柳の「しまった」という表情。鎌がピタリと止まってしまう

「あ・・・キサマ・・・!」
「どうしたい・・・草刈りはもうやめたのかい?」

ジャングルジムを背にする本部先生!
なるほど頭イイ!これで風神鎌はほとんど役に立ちません
柳の動揺を突いて鎖分銅をぶん投げる!鎖ごと!これがバチーンと顔面にヒット!
同時に間合いを詰め、腕を極めて投げを打つ!柳はふんばったら腕が折れちゃうので投げられるしかありません
がっしゃあああん!
全身思いっきりジャングルジムに叩きつけられる!うわあこれスゲー痛そうね

ピクピクしてる柳を見下ろしながら本部先生が呟きます
「柳さん。技量ではわたしの遥うえか上をいくあなたが何故これほど遅れをとるのか
・・・・・これでしょうな」

地面に落ちた鎌を拾い上げてみせる。柳も「あーそうかも」という表情
「磨いた五体以外の何ものかに頼みを置く・・・・そんな性根が技を腐らせる」
す・・・・
言われたからというワケではないでしょうが。徒手空拳で構えをとる柳。「俺は素手でも強いぜー」
しかし本部先生は「はー?何やってんのアンタ?」という顔をしてこう言い放ちます
「お忘れか。あなたはその卑劣に仕込んだ右手に頼っている」
”毒手・・・!”
「もはや救い難い・・・」

ババッ
鎌持って襲いかかる解説王。人には「武器使うヤツ駄目」言うてるクセに
自分は使い放題です
理不尽な気迫に呑まれた柳。その斬撃をかわす事ができなかった!

ボタッ

毒手切断!もはや勝負あったか!?
緊迫の次号へ続く!


戻る