170話

五里霧中

降り立ったヘリから現れた救護隊らしき4人。まるで軍隊のようにビビッと整列ずると烈先生に到着報告です
「王 以下 四名ッッ!」
ワン     イーシア         スーミン
          .      
「ご苦労!既に聞いてある通りだ!」
一体何事が起きたの?といった感じで開いた口が塞がらない梢江。今にも男達に攻撃を仕掛けそうです。やめろー
人の家の前に死体の山を築かれても困る安藤さん。その肩に手をやって優しく声をかけてあげました。落ち着いてー
「安心しろ梢江ちゃん。中国での烈海王氏は大変な名士なんだ」
中国拳法1800派、その最高峰の称号”海王”を持つ男。なるほど、たしかに中国ではスゴイ力持ってるんでしょう
それを聞いてやっと安堵の表情を見せる梢江。つーか今まで烈先生を何だと思ってたのかこの人は

すぐにタンカで運び込まれる病人刃牙。ヘリには光ちゃんも同乗しており烈先生と挨拶を交わします
「各方面へ手を回していただき感謝しております」
「バカを言っちゃいかん。礼を言いたいのはこっちじゃ。よくぞ申し出てくださった
一切の手続きは無用!このまますぐ中国へ飛んでくれッッ!」
かくして半死半生の刃牙を乗せて中国へ向かうヘリコプター。4000年の秘法はその命を救うことができるのか?




そして場面転換してこちらは過去の回想が終わったホテルの一室、勇次郎&マホメドJの二人
「偉大な父親が成し得なかった夢・・・キサマごときが完成したと言うのか」
「はい。そのとおりです」
屈託のない顔で答えるJr。しかし親父様とマブダチの勇次郎としてはそんな簡単には信じられる事じゃありません
それを感じ取ったJrはおもむろに席を立つと、なんとグローブを取り出したではありませんか。おお、やる気かオーガを相手に!
「言葉で説明するものでもないでしょう。父が完成するはずだったマホメド・アライ流拳法・・・
それがどのように完成を見たのか
御自身で確認したらいい。あなたさえよければ」

「あらかじめ断っておく。俺の拳は刃引きをしちゃいねェ・・・・
本身でいかせてもらう」
ゆらりと立ち上がる勇次郎。いつもの空間湾曲現象起こしまくりで相当本気モード入ってる感じ
並みの格闘家ならこの威圧感だけで戦闘不能になってしまうところですが、Jrは笑顔を浮かべてステップを取り始めます
「真剣勝負(リアルファイト)あなたさえよければ」

「クックックッ・・・小僧が・・・!」

鬼VS神Jr!20余年の時を経て、再びカード実現
しかも今回の神は前回未完成だった聖剣を携えての戦いです。果たしてこの剣、歳食った鬼に通用するや否や
マーベラスに続きが気になる展開で場面転換。くわぁ惜しい。ちゃんと来週見れるんだろうな?!



ラストは再び刃牙パート。中国拳法総本山の神拳寺(違)に到着したヘリコプター
巨大な門の前には100人はくだらないであろう数の門下生達がズラリと並んで海王をお出迎え。すげー

どうやら治療法のカギを握ってるのは拳皇様もとい、劉海王の爺様のようです
「200歳まで生きる」とほのめかす妖怪筋肉ジジイ、一体いかなる秘術で刃牙を治すというのか?
次号必見!


幕開け

なんかもうもうと香の焚かれた部屋で目を覚ました刃牙。ぼーっとしながら辺りを見回し状況を確認します
『ドコだここ・・・・中華料理屋?』
中華料理屋はねえだろう。まだ寝起きのため頭がよく回転してないようです。つか俺も眠くて頭がよく回転してませんが
さて。なんか大広間に集まってざわざわいってる修行僧達。その真ん中にいるのは烈先生と・・・おっと出ました
劉海王!

弱い100歳を超えて「ようやく半分生きたと言ったところか」などとぬかす妖怪ジジイ
なんかひじ掛けをメキメキぶっ壊したりして無駄に猛ってます。一体どうしたんでしょう

「なんと申した。あの少年が擂台に上がると・・・」
「からかうつもりも欺くつもりもありません。あの少年が擂台に立つ。彼にはその資格があります」
「年端もゆかぬ、しかも毒に蝕まれたあの少年がか?」
「年端もゆかぬ、しかも毒に蝕まれてもなお―彼にはその資格があるのです
信じられぬならここの修行僧・・・誰か信用できる者と立ち合わせてみてはいかがなものかと」

「・・・おぬしが日本で17歳の少年に遅れを取ったことは聞き及んでいる・・・たしか」
「はい。彼が範馬刃牙です」

ざわ・・・ざわ・・・・
福本漫画風にどよめきが起きる大広間。これを聞いた爺様は暫しの沈黙のあと「ならば」といった感じで口を開きました
「だれぞ・・・張を呼びなさい」
爺様から指名がかかったのはという名。列強揃いの神拳寺において一目置かれるその男はいかなる猛者でありましょうか
まぁ半死半生の刃牙にヒネられる実力なのは決定しているわけだが




さて場面チェンジで勇次郎VSマホメドJrへ。まずは挨拶とばかりに先制の左ジャブを放ってみるJrですが・・・
シュバッ!!
「ッ!?」
なんかjrのグローブが破けて素手が露出してます。なんで?つーか勇次郎が目にもとまらぬ早さで引き千切った模様
つーか引き千切られる前に
手からスポッと抜けると思うんだがそのへんは突っ込まないでおきましょう。眠いしな
「いい速さだ・・・お前の親父はヘビーながらライト級なみのスピードと言われた
今のジャブの速さはフライ〜ストロー級・・・つまり親父より速い
ヂャッ!!」

言うなり凄まじい右ハイキックを見舞う勇次郎。jrはこれをスウェイバックでぎりぎり回避。少しだけかすって煙が出てます。スゲー
『か・・・・かろうじてかわせた・・・ッ なんてスピード!
ジャブより速いッッ!』

いや簡単に言うなよ。ジャブより速いハイキックってどんなのさ。もう流石勇次郎と言う他はありません
オーガの底知れぬ実力に冷や汗タラタラJr。随分と自信をもって挑んだようですが今のですっかり萎縮してしまいました
「親父が得意だったスウェイバック・・・ものにしているようだな。さて・・・問題はこのあと」
”ザッ!”
ああっ!これは!






















「アライ猪狩状態。1974年から格闘技界最大の壁となっている型だ」

あの闘いが今ここに再現!そして刃牙の上がる「擂台」とは一体!?
巻頭カラーの次号へ続くッ!


172話

幕開けA

「通称アライ・猪狩状態
1974年にこの型が登場して以来・・・驚いたことに誰一人として完璧に打破した者はいない
ちなみにこの型の最初の犠牲者はお前の親父だった。アントニオ猪狩が苦肉の策で編み出したこの型に
お前の親父は「起きてこい!」と叫ぶだけで近づくこともできなかった。ふふ・・・センスの見せ所だぜ」

寝転がってエラソーにうんちくをたれる勇次郎。さあJrよ、完成したアライ流拳法を見せてみろ!
おっとぉ、Jrがグローブを手から外しましたよ。まさかここからグラウンドで勝負する気なのかァーっ!?
軽く溜息をつきながらフッと笑うJr、今度はこちらが講釈をたれ始めました
「ふぅ・・・父を始め・・・何故みんなこの型に苦しむのか僕にはサッパリ理解できません
そもそも格闘技とは弱者が強者から身を守るために発生したもの。その相手たる強者が勝手に寝ている状況
一体これ以上何をする必要がありますか?あなたがそうやって寝てくれるなら
僕は部屋を出て行くまでです」

「ああ?」
勇次郎に背中を向けると、何事もなかったかのように部屋のドアへ手をかけるJr。おいおい何だよこりゃ
ポカーンとバカ口を開けてる勇次郎に最後の一言をかけると、ホントにそのまま部屋を出て行ってしまいました
「いやァ よかった何事もなくて・・・・じゃ♪」
バタム





1秒









2秒














3秒
















ハイ切れたー
「きさまっっ!!!」

元気よくドアを吹っ飛ばして廊下に飛び出すオッサン。まさしく鬼のような形相で辺りを見回しますが既にJrの姿は何処にもなし
いやはやこれはJrが上手いつーかなんつーか。ナメられた挙句スルリと逃げられてしまいました。フラストレーション貯まりまくりです
あんのガキャァアアアア!とばかりに思いっきり床を踏みつける勇次郎。まるで地震みたいにビルがぐらぐら揺れてました。スゲー





さて中国。例の中華料理屋みたいな部屋で烈先生からいきさつを聞かされる刃牙。これから張という男との手合いです
半死半生病人ボーイの刃牙ですがこの試練を超えねば己が命を掴むことはなりません
「非常識は百も承知。しかに乗り越えなければならない・・・張と闘ってくれ」
「ありがてえなぁ・・・烈さんはこんな俺が闘えると思ってくれている。しかも勝つと
逃げちゃいけない」
「謝謝・・・刃牙」


さあそして鍛錬場で打岩を作る細目の男。髪は金髪でしょうか、短く刈り上げた角刈りに実に似合ってません
「・・・・その者はどこに・・・?」
「さきほどから・・・第一試合場のほうへ・・・」

「ただではおかぬ・・・・・ッッ」
この男こそ病人刃牙の相手である 
時期海王候補・張 洋王!
でもお前いくらカッコつけたってな、病人刃牙にすら勝てねーやられキャラなんだよ
張が可哀想な次号へ続く


173話

当たらない

そんなこんなで武舞台に登った刃牙と張。逞しい張の肉体に対し、病人刃牙の身体はガリガリに痩せこけてあまりにも貧相
なんか全身に青みがかった斑模様も浮かんでるし、いかにも
「俺、毒に侵されてます!」感が丸出しです
『この少年が伝説の擂台に上がる・・・これが侮辱でなくてなんだ!?
ここで終わりにしてやる・・・擂台もクソもなかろう・・・・・』
スゲー怒ってます張さん。なんだか知りませんが擂台てのはよっぽど中国拳法界において権威あるシロモノなんでしょう
殺気満々で刃牙を睨みつけながら闘場中央へ。当の刃牙はといえば客席の梢江のほうを眺めてニコニコと微笑んでる始末
「両者前へ・・・・・・・斗ッッ!!」
たーん!とロケットのように吹っ飛んでいく張。一撃で終わりだ病人小僧!日本へ帰ってベッドの上で死にやがれー!
って、
なんだこれはー!?

らりーんなんか悟っちゃってます
まるで仏様のような穏やかな表情で両腕を広げ、「さあ、どこからでもかかっておいで」って感じです。少し天内悠みたいだな
一瞬動きが止まった張さんでしたが1秒後には怒り倍増。ナメんなこのガキャァ。毒の前に俺の拳でくたばりやがれー!
フオッッ!!
時期海王候補の渾身の直突き!その神速ともいえるパンチが刃牙の顔面を捉え・・・・ねえ!

かわしたッ!否、かわしたモーションは見えなかった無拍子の動き!
一瞬で懐へ入った刃牙。必殺の一撃を叩き込めは勝ちなものを、やさしくハグするとひょいっと抱え上げちゃいます
チクショウ離せ!離せよー!とばかりにパンチを浴びせますが抱きしめられた状態ではほとんどダメージを与えられません
「張の拳が当たらない・・・・あっさりと・・・・!」
ざわざわ・・・・ざわ・・・・
場内騒然。歳食った僧達にはさぞかしアンビリーバボーでしょう。さあ余裕の刃牙はそのままゆっくりと張を地面に降ろしてあげました
こ・・・・これは何かの間違いだ!マグレだ!今度こそ死ね!きえーい!
なんやもうワカらんようになった張。泣きそうな顔してジャンピング回し蹴りを放つ。中国拳法で言うところの旋風脚ってヤツですね
バオンッッ!!
激しく空振り。そして宙を泳いだ張の身体はそのまま地面には着地しませんでした。またもやハグされてます

ねんねーんころーりーよーって。まるでお母さんとボウヤです
んぐっ!と息を呑んで顔面蒼白になる張。またもゆっくりと地面に降ろしてもらいました
ああコイツよえーなぁ
「〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!」
バキ名物の”叫びにならない叫び”を上げて次号へ続く


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