116話

強者への執念

「・・・・ジャック・・・・ハンマ・・・・か?」
「確か中国拳法の・・・・・烈海王」
驚きを隠せない烈先生
そりゃあそうでしょう。体格がまるで違います なによりも身長が

(10cm・・・イヤ20cmか!?別人? 三人目の兄弟? しかし私を知っているッ
シークレット・・・
上げ底の靴? ・・・バカなッ)

気が動転してアホな事を考える烈先生
シークレットブーツはないだろ
ニヤリと笑ってその場を去るジャック。烈の呆けた面がなんともマヌケです




〜 国立中央病院 〜 
集中治療室に横たわっているのは昴昇
やっぱ生きてましたそして・・・・

お兄ちゃんだー!
久々に登場スーパーDr 鎬紅葉!

全身包帯姿の弟を見つめる紅葉
『爆発物の使用による決着・・・これが格闘技の試合だったならば良し悪しの判定は議論を待たない
しかしー昴昇が自ら踏み込んだ”コレ”は・・・

試合などという生易しいものではない』

そりゃ試合じゃねえわな
今更言うことじゃないと思うんだが・・・
可愛い弟を半殺しにされ怒りに燃えているようです




さて 場面変わってどこかのレストラン
Tボーンステーキの骨をまるでクッキーのように噛み砕くジャック。一緒にいるのは・・・・Dr 紅葉!

お兄ちゃんズ(仮名)!
ジャックの急激な肉体変化にはやはり紅葉が絡んでいたようです

「奇跡だな。骨延長手術の効果がこれほど顕著に現れた例は世界でも空前だろう
しかも一年に満たぬ期間で20cm・・・!運動能力も一切そこなうことなくー
むしろ身長に正比例するように伸ばしてきてさえいる」

骨延長
軟骨の成長不全により身長が止まる
軟骨無形成症患者や
粉砕骨折等で
骨の一部を欠損した患者に施される

ボルトの調節(1回転1m/m)
による仮骨の成長速度は
成長期にあって1日1m/m
成人に至っては1日0.25〜0.5m/m
というスピードである

重症にあえぐジャックが紅葉に希望した骨延長手術は
両腕両脚各2ヶ所づつ 都合8ヶ所切断による延長という非常識さであった

「たった1ヶ所の延長でも毎夜襲い来る圧痛に耐えかね二度目の手術を断念する患者もいるのに
あの痛みと引き換えに更なる高みを」


「ジャック範馬まさに君だけの発想だ」

というワケです。ジャックの急激な成長の正体 それは
紅葉から受けた改造手術!
ザ・お兄ちゃんズ結成って感じですか

「兄弟愛に興味はないが・・・」


「俺がアンタの仇を打つことになるだろうな」
死刑囚との戦いに名乗りをあげたジャック!
最初のターゲットは昴昇の仇、ドイルか!?戦況は正に混沌!

次号から目が離せないッ!!



余談だが最初の頃の紅葉ってスゲー悪党だったんだよな
人体実験してたんだから
よく考えてみると
アミバ様だよなコイツ
デンジャラスだぜ紅葉

117話

なんたる偶然!

大手デパート エレベーターの中一際目立つ筋肉男最近影薄い烈先生です
買い物の帰りなのでしょう 小脇に本を抱えています

エレベーターが止まって扉が開き・・・・・・・ってああっ!?

「な・・・・ッなんという・・・・ッッ
偶然!!!」

ドイル!
買い物帰りの二人がバッタリ鉢合わせです。緊張に包まれるエレベーター内
「フ・・・こういう偶然もあるワケだ
出会ったが最後 闘争開始が約束になってる我々だが・・・
こんな場所ではそうもいくまい」
おお。なんか理知的だドイル
とても生徒のいる教室で刃牙を襲った男のセリフとは思えません。しかし烈が猛烈に滾ってます

「わたしはかまわん」
イヤおちつきなさいって烈先生 ね?
ひとまずエレベーターから降りる二人。場内を歩きながら烈に話かけるドイル

「このまま別れるってワケにもいくまいしーかと言ってこの場でザクザク始めるってのも・・・」
「わたしはかまわん」
スゴイ目で睨みつける烈一色即発!?
しかしドイル、”ニィ・・・”と笑って一言

「酒でも飲まないか」

ホントに飲んでるし
妙にリラックスした表情のドイルと微妙に前傾姿勢の烈。
絵的には会社の先輩と後輩って感じ
「アードベックでございます」
一口飲んで顔をしかめる烈先生 。どうやらお気に召さなかったご様子
「オレの故郷の酒だ。クセのあるスコッチだが慣れるにつれヤミツキになる」
そう言って煙草に火をつけるドイル
そういえばこの人ヘビースモーカーでしたな
「鎬昴昇を相手に爆薬を使用したそうだな」
「そういう名だったのか あのカラテ屋・・・」
暫しの沈黙。バーテンが「外でやってくれよ」って顔してます
お前はるきじ(少年エスパーねじめ)

「卑怯だと言うつもりかな」
このドイルの問いかけに対し烈先生。グラスを一気に飲み干し、叩きつけて答える!
「わたしは一向にかまわんッッ!」
その答えが意外だったのか”ほほう”というような顔をするドイル
こちらもグラスを飲み干し・・・
あっ!

火を吹くつもりです!
さすが奇襲にかけては天下一品。烈も昴昇と同様に倒されてしまうのか!?
しかし次の瞬間煌く閃光!
「オワッ!!」
直後、ドイルの悲鳴!一体何が!?・・・・・・・
・・・・うおおッ!!

左眼に深々と突き刺さる
飛びクナイ
(のような武器)

これは「試合」ではない!烈先生の強烈な決意表明!
次号へ続くッ!!


118話

怒りの剣撃

いきなりの飛び道具使用によりファーストアタックでドイルの左目を奪った烈先生
問答無用の先制攻撃です。今、ドイルの左目を襲っている激痛たるや想像を絶したものでしょう

「ッッ ナ・・・ル・・・ホ・・・ド・・・目には目ー歯には・・・・・は・・・ッッ!?」
ドイルビビる!
烈先生、火炎放射の体制!

ファイアー!

「くわッ・・・が・・・・〜〜〜〜ッッ」
炎にまかれて苦しみもがくドイルに対し素早く消化器をかまえる烈! そして発射!
ブシャアアアアアッ
無論火を消してあげるのが目的ではありません
目潰し!
完全に視界をシャットアウトされたドイル。そして烈が拳法着をおもむろに開く!

ビッシリと飛ひょう(手裏剣)が!
まったく視界の定まらないドイルに対し、第一投!
烈先生まったく容赦ナシ!

”ドッ”
「〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!」
暗闇から突然襲った激痛に苦悶の声をあげるドイル
攻撃の手をゆるめない烈先生!
第二投!今度は2本同時
”ドッ  ドスッ”
「オッ・・・・アッ!!」
的確にドイルの身体に突き刺さる刃!
なおも止まらない烈先生の投てき!投げる投げる!目にもとまらぬ連射!

なんかもう烈先生表情がヤバイです
完全にエクスタシー感じてる顔ですよコリャ。無数の飛ひょうが次々とドイルを襲う!

「ミギャアアアアアアアアア!!」

荒木漫画のような絶叫
なんかもう可哀想で見てられません
やりすぎだろ烈先生

息も絶え絶えになって店から飛び出すドイル
おぼつかない足取りで必死に逃げる!ああっ
頑張れドイル!頑張れドイル!
しかし背後から迫る鬼の形相!放たれた分銅で足をとられ、あっさり捕まってしまいます

「キサマは・・・・・」

「キサマは中国武術を嘗めたッッ!」
烈海王、吼える!
いつドイルが中国武術を嘗めたのか謎ですが
中国武術最強の称号「海王」の誇りにかけて今、烈が阿修羅と化す!
次号へ続くッッ!!


119話

怒りの剣撃A

「キサマは・・・・中国武術を嘗めたッ!」
言うが早いか烈先生、流星鋲の紐でドイルを縛り上げる!
「ギ・・・ギッッ!」
はだしのゲンのような悲鳴を上げるドイル
逃げられないよう紐先の飛ひょうを地面に打ち込む烈。そして・・・・

背中から一振りの青龍刀が!
お前はBOYの晴矢か

一瞬にして血の気が引くドイル。躊躇なく繰り出される斬撃!

この表情ったらもう
鬼!まさしく鬼の形相です
背中を×の字に切り裂かれるドイル!命からがら紐を引き千切って必死に逃げる!



熱ッ

熱いんだ切られると・・・・

敗北

負ける!?

誰が!?

俺が!?

なんか色々と頭の中で交錯してます
すごい可哀想ですドイルくん。あっと懐からなんか出しましたよ?

”ボムッ”
煙幕弾!一面に立ち込める煙に姿をくらますドイル
烈先生があたりを見回すと、フタが開いたマンホールが!
ドイルはここからまんまと脱出成功したのでしょうか
否!烈がマンホールを覗きこんだ その瞬間!

首筋に深々と突き立てられる飛ひょう!
マンホールはドイルの罠だった!
一発逆転か!?
ところがどっこい!

ほあちゃああああああああ!!
すぐさま嵐のような連撃を叩き込む烈先生。膝からガックリと崩れ落ちるドイル

「へ・・・片目ってのはダメだな・・・急所を少し外しちまった・・・それと出血多量・・・・あれもダメだ」
意識朦朧状態のドイルにトドメを刺すべくズボンから更なる武器を取り出す烈先生
九節棍!?イヤ・・・・折りたたみ式の根です!
バババババババババババッ
目にも止まらぬ棍さばき!ドイルの体中に突き刺さった飛ひょうをすべて弾き飛ばしていく!そしてビタッと眼前に突き付けられる棍先


これが・・・・・

・・・・・・敗北・・・・・・



次号へ続くッ!


120話

とどめ

敗けるのか・・・敗けるのかこの私が・・・・

ドイルの眼前に突きつけられた棍先。しかし烈はそれを突くことはなくドイルを威嚇し続けています
「どうした・・・・あと一歩だぜその棍棒を一突きするだけで・・・・勝利は決定する」
「決定しているさ。逆転の可能性は果てしなく皆無だ」
烈のこの言葉を聞き、呆れたように笑うドイル

「学習能力がない・・・・そうやって最後の詰めを誤り
取り返しのつかぬ敗北を喫した仲間を見てきただろうに

ファイア・・・」

”カチ”



ドンッ
出た!ドイル奥の手ブレストファイアー!烈先生も昴昇と同じ運命を辿ってしまうのかッ!?
否ッ!!

ガキッ
棍を利用して空中へエスケープ!そのままドイルの顔面に飛び蹴りを放つ!
流石です烈先生
昴昇と一緒にしちゃいけません
着地と同時に凄まじい連撃を叩き込む!

メッタ打ち!
右上の頭殴られてるコマがなんか笑えるんですけど
パパパパパパパパパパパパパァン!!!
飛び散る鮮血!ドイル完全にグロッキー状態
目も虚ろでもはやドコを見てるかわかりません。棍を投げ捨て拳を構える烈先生

「どちらが勝ったのか
わたしが判定するッッ!」

必殺の一撃を叩き込もうと踏み出したその瞬間!烈先生の背後に人影!
同時に背中に突き立てられる注射器!
なんとォー!?

ドシャアァッ
なんじゃこりゃああああああああ!?(松田優作風)
突如現れた謎の男!烈先生、なにやら薬物を注射されてイキナリ意識を失ってしまいました
「だれ・・・だ・・・・」
朦朧とする意識の中、男に向かって話しかけるドイル
すると男はドイルの買い物袋を拾い、放り投げたではありませんか

ドイルの味方?・・・・・・否ッ!


「忘れものだぜ」

「ジャックってんだ・・・・
アンタの敵だ」
その圧倒的な威圧感!さしものドイルも吹き出す汗を押さえられません
この場でジャックにズタボロにされてしまうのか?

「いいぜ・・・・今日はもう帰んな」
うおお。なんとジャック、ドイルを見逃し!
手負いの状態を仕留めてもしょうがないということでしょう
何やってんだよもう せっかく烈先生がここまで追い込んだのに

「元気になったら俺と遊ぼう
そん時ゃ素手だ」

ジャックに救われたドイル!だがこれは新たな死闘の幕開けにすぎないッ!
次回へ続く!


121話


死闘の果てに

ジャック去る!あとに残されたのは手負いのドイルと眠れる烈先生だけ
眠ってる烈先生は完全に無防備。今ここで襲いかかれば問答無用の逆転勝利ですが
さすがにそれはプライドが許さないのか黙って家路につくドイル
・・・の、ハズでしたが

「チャイニーズかよ」
背後から聞こえた声に足を止めるドイル

見れば頭の悪そうなチーマーが烈先生の懐を物色しているではありませんか
「なに?このサイフ メイドインチャイナ?」
財布を抜き取ってヘラヘラ笑うバカ二匹。そこへゆっくりと歩み寄るドイル
「なに見てんだコラ」

「見逃してやる・・・そのサイフを置いて去れ・・・」

なにィ!?
自分を半殺しに追い込んだ烈先生を守るというのか!カッコイイぜドイル!
ベキ ブンッ ドサァッ ボキッ
「ひゃいいいいいい〜〜〜〜ッッ!!」
「いてェよ! いてェッッ!!」

当然ドイルにかなうはずもなく瞬殺されるチンピラ。無様に逃げ帰っていきました
今度こそ帰ろうしたその瞬間、再び背後から声が

「ワウッ!」
野犬です。やれやれといった感じで唾を吐き捨て、犬を追っ払いました


静かに眠り続ける烈、
それを見下ろすドイル

勝者と敗者―
多量の出血に意識を朦朧とさせながらも烈を守ったドイル
今、彼の胸中はいかなるものなのでしょうか

そして
夜があける―















朝日が昇り、目を覚ます烈先生
目の前の広がる光景に驚愕、息を呑む


どう解釈しろと言うのだ・・・・

死刑宣告まで受けた罪人が・・・・・ッッ


死を賭して・・・・・・












俺を警護していたというのか!?

「ドイルッ!」

なんという熱い男!
ドイル、烈を守って死す!?
次回へ続くッ!


122話


警護(まも)る

「ドイルッッ!!」
烈の眼前に広がる理解不能の現実
すでにドイルの意識はなく、立ったまま死んだ弁慶状態
何故この男が私を!? いや・・・・・
理由は問題ではない

この男が私の敵であることも私が何者かにより眠らされたことも
肝腎なのは―数時間もの間 瀕死のこの男が敵である私を警護った

私がこの男に警護られたという その事実のみ

死なせはせん!!!

烈先生、ドイルを背負い全力疾走!
急げ!消えゆかんとする命の灯火を守るために!
シュタタタタタタタタタタタ
速い速い烈先生
100m5秒くらいで走りそうなスピードです

「神心会本部道場一階・・・医者が常勤する医療施設があった
最速でッッ最短距離をッッ」

流星鋲が飛ぶ!スクランブル交差点をジャンプアップする烈先生!
スゴすぎ・・・・って!
ああッ危ない!横からバイクがッッ!
ライダー慌ててブレーキをかけるが間に合わない!
ドッ!

なんと烈、掌打でバイクを受け止めた!
ザザァアアアアアアア

”ボッ!”

粉々に砕け散るバイク!
しかも壊れたのはリヤ部分だけでフロントは無事。通背拳などに見られる浸透徑の一種ですな
「すまぬッ 私の名は烈― 空手道神心会へ連絡をくれ」
唖然とするライダーに頭を下げ、再び走り出す!




「ここを越えれば目的地」
しかし目の前に広がる川。最も近い橋まで1Km。遠回りする時間はありません

「やむを得まい。距離―10メートル・・・歩数にして700〜800歩踏みッッ
問題はないッ 15メートルまでなら!!!」

烈先生、水面を走るッ!!(えー)
右足が沈む前に左足を 左足が沈む前に右足をという例のアレです
ええい!中国の武術家はバケモノか!(シャア風)
あまりの光景に釣りキチ少年も声が出ません

「二人だと・・・・ッッ さすがに沈むな・・・・ッッ」
いや一人でも沈むってば スゲーよアンタ
そして見事川を渡り切った烈先生、釣り人達に一礼
「すまぬッ お騒がせした」
言うが早いが三度猛ダッシュ!見えてきましたよ神心会の看板が!



「誰かッッ誰かおらんかァッッ!!」

死闘を経た者のみに湧く感情が烈にもッ!
烈はドイルを救う事ができるのか!?
次号へ続く!


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