192話

復活ッッ!!

モワ〜〜〜ッ
控え室で梢江に膝枕されたまま眠り続ける刃牙。全身から凄まじい量の湯気を放出してまるで人間ヤカン
部屋の中はその湿度でさながらサウナ状態です。なんか大会スタッフらしい白林寺の若い双子が焦ってます
「烈老師・・・これは・・・」
「目覚めだ。15キロに達する砂糖水・・・たかが砂糖水が滅びかかった人体を復元させる
ましてや毒に侵されているこの期間あれほど肉体を酷使してきたのだ。おそらくバキの身体は以前より・・・」
「烈さんッッ!」

す・・・

刃牙の顔を覗き込んでいた梢江が叫んだ。さあ範馬刃牙17歳イロを知る歳、長い眠りからついに目を覚ましました
ポロリとこぼれた恋人の涙をパクッと口に入れると、シャキーン!と勢いよく立ち上がった。なんかもう元気二重丸です
見よこの生気に満ち溢れた肉体を!筋肉の張り!色ツヤを!

なんか全身からオーラ出てるし。スゲーパワー漲ってます

「復ッ活ッ」

「範馬刃牙復活ッ!

範馬刃牙復活ッ!

範馬刃牙復活ッ!

範馬刃牙復活ッ!

範馬刃牙復活ッ!

範馬刃牙復活ッ!」

何かに憑りつかれたように「範馬刃牙復活」を連呼する烈先生。アタマ大丈夫か?

「してぇ・・・・セックス試合してェ〜〜〜〜」
以前よりもはるかに強く再生された肉体は早速次の戦いを欲している。これがグラップラーの身体!グラップラーの本能!
そしてッ!その頃闘場では一回戦第5試合が始まろうとしていた・・・・・き・・・・来たァーッ!!!
怒李庵海王登場!

キャンデー食ってます!視線はロンパリ、ヨダレ垂らし!傍らにオリバさん!
面白すぎるぞドリアン!
ところで闘えるのかよアンタ!非常に気になる次号へ続く!


193話

キャンディー

さあいよいよやってきました一回戦第五試合。いい具合に幼児退行しちゃったドリアン海王の出番です
美味そうにキャンディーを頬張りニンマリと笑うドリアン。その様子に会場中がどよめきます。ざわ・・・ざわ・・・
「あのドリアンて・・・・なんか・・・・」
「フツーじゃ・・・・ない?つーか・・・・なぁ?」
「試合場で飴食わないって普通」
うん。食わないな普通

そんな普通じゃないドリアンさんの相手が姿を現します。山東省金剛拳 楊海王!

た、田中さーん!(謎)
スンマセン。この人会社の先輩に似すぎてて面白すぎるので
以後名前を
田中さんでレビュー続けさせてもらいます




「さァ、やっつけてやれ」
セコンドのオリバさんにぽんと背中を押され試合場の中央へ出て行くドリアン。勢いよく銅鑼が打ち鳴らされ試合開始!
ゴワアアアアアアアアアアアアン!!!
田中さんいきなり突っかけたー!!体格から鈍そうな印象を受けましたがとんでもない。目にも留まらぬその連撃!

スゲエぞ田中さん!
残業飯はいつも「からあげ弁当」頼んでます!伊達じゃないぜ!(意味不明)
喉元に一発イイのを貰って飴をべっと吐き出しますがダメージもなんのその。飴のほうが気になってしょうがないドリアン
「キャン・・・・ディ・・・・」

田中さんキレたー!!!
必殺のからあげ弁当ラッシュを叩き込む!ドリアン少年も負けじとパンチを繰り出しますが・・・・・
ゆるゥ〜〜〜〜・・・・・・・
なにコレ!?
もんすごいスローパンチ!ってこれが全力なのか?ドリアンくんダメぽ!
このパンチの遅さに更に激昂した田中さん。ガッシとこれを弾き飛ばして必殺の連携を放つ!
眉間に一本拳!
顎を横に凪ぐ鉤拳!
金的蹴り!
目潰しチョップ!
前掃腿(足払い)!

軸足をキレイに狩られてぽーんと宙に投げ出されたドリアン。後頭部から地面に落下し・・・・・
そこを顔面踏みつけェッ!!!

「勝負ありッッ!!!!」

アナウンサーは高らかに決着を宣言!しかしあのドリアンが本当にこれで終わったのか!?
僅かに口元に笑みが見て取れるオリバさん、そのサングラスの下にはいかなる光を湛えているのか
ドリアン少年の反撃に期待したい次号へ続く!


194話

これも武術

田中さんこと楊海王の圧倒的な攻撃によりドリアンは敗北を喫した。一撃の反撃も許さなかった一方的な結末
あまりにあっけない幕切れに会場の観客達も興をそがれた様子。勝利者を讃えるアナウンサーの熱弁もどこかむなしい響きです
「一方的ッ!海王同士とは思えぬほど一方的な試合となりましたッ!
本来ならばこのドリアン海王!とてもこの大擂台へ上がるコンディションには思えません
しかしッ!これが大擂台ッ!これが武術でありますッッ・・・・・・
お〜っと!?」

おや。鼻血をドクドク流して仰向けにぶっ倒れているドリアンに、セコンドのオリバさんが近寄っていきました
地面に落ちてしまったキャンディをひょいと拾い上げ、その口の中に入れてあげます・・・・すると
おおッ!立ち上がりました!あれほどのダメージを受けながら自らの足で退場します!
これもまたッ!これはこれで立派な武術家の姿と言えましょう!!」

なんと美味そうに飴玉を舐めながらムックリと起き上がったドリアン。まるでダメージは残っていないようです
その姿に自然と観客達からもれる拍手の雨。ドリアン少年はオリバさんに肩を抱かれて試合場をあとにしました




しかし。控室へ続く通路でオリバさんとドリアン少年を待っていた男が1人。たった今勝者となったばかりの田中さんだ
憮然とした表情を顕わにしてオリバさんに噛みつきます
「納得できん。この白人には海王を名乗る資格がない!」
「・・・・・で?どうしたいのかね楊くん」
「もう一度立ち会え。あれが実力だとは絶対に認めん!」
赤子のように無抵抗なオッサンをぶちのめして勝利した田中さん。やはり自分自身さっきの試合は納得がいきません
というわけで再戦を求めてオリバさんに直談判したのですが・・・・彼の口から出た言葉に読者が思わず咆える
「私が相手ではダメかね?楊くん」
オリバさんキタ―――――ッッ!!

あーなるほど。この人最初から擂台に出たくて、わざわざ戦えないドリアン少年の引率に付いてきたんだな
キサマが?・・・・・フン、バカ力が自慢か」
オリバさんの体躯を見回し、値踏みを始める田中さん。オリバさんはおもむろに手を伸ばすと田中さんの左腕を掴んだ
「そう。バカ力だけが自慢さ」
ぎゅうううううううううううう・・・・・・ミシ・・・ミシッ!
物凄い握力で田中さんの左腕を締め上げる。さっきまで見下した目でオリバさんを見ていた表情がサッと豹変します
『お・・・折れ・・・!?』

「破ッッ!!」
ガッ!!!
あまりの痛みに耐えかねた田中さんが「離せハゲ!」と不意打ちのハイキックを見舞う。っていうかもろクリーンヒット
オリバさんは掴んでいた手を離すと、真正面から彼を見据えつつ笑ってみせた
「どうかね。お眼鏡にかなったかな?」



「すぐに擂台に戻れッッ!!」

「Certainly Sir(かしこまりました) 謝謝 楊海王」

”アンチェイン”ビスケット・オリバ大擂台に立つ!次号へ続く!
っていうか田中さん死んだー!!!


195話

ダイアモンド

百年に一度の大擂台祭、1回戦第5試合にしてようやく海王の勝者が現れ会場のテンションも盛り上がってきました
しかしここでアナウンサーの電撃発表が。田中さんにとってはせっかくの勝ち星を失うための死の宣告ようなモノであります
「お聞きください!たった今主催者中国武術省より皆様への発表がありましたッ!
先ほど敗れたドリアン選手の付き人ビスケット・オリバ選手が試合結果を不服として
楊海王選手との対戦を熱望しております!この希望を楊選手は快諾しましたッッ!!」

突然のアナウンスに一瞬どよめいた会場でしたが、すぐにそれは歓声に。やっぱり誰だってさっきの試合じゃ不完全燃焼だよな
会場のアホどもは「付き人だって?身の程知らずの外国人が!我が中国の誇る海王に勝てるものかよ」くらいに思ってるんでしょう
その海王はもう既に3人外国人のゲスト選手に倒されてるけどな!そして田中さんが4人目だぜボケども
さあ田中さん!いざ死出の旅路へレッツらGO!今ここに
擂台祭前代未聞の飛び入り参戦が現実のものとなりました
金剛拳 楊海王VS怪力無双 ビスケット・オリバ!試合開始!

「オリバさん・・・だったな。先に叩いてくれんか」
「・・・・・・・・」
おっとォー!?いきなり馬鹿なことを言い出しましたよ田中さん。もう最初っから
死ぬ気満々です
「自称腕力世界一との触れ込みだが・・・・・正直に言わせてもらおう
私と君では戦力に差がありすぎる」
たしかにな。
ものすごい差があるね、うん
もう全国のバキ読者はチャンピオン誌面を直視できません。
田中さんがあまりにも哀れすぎます
喋りながら服を破り捨て、上半身裸になる田中さん。おお・・・これはちょっとすごいぞ。まるで鋼のようなムキムキの筋肉です
「我が金剛拳。その実態は五体の金剛ダイアモンド化を旨とするッ!」





木剣に始まる受打訓練は・・・やがて鎖での殴打へと変化し

大型車両による腹部通過を経て―――ついには

旧式のカノン砲による砲弾炸裂の実体験に至る


相当ムチャです金剛拳。大型車両の腹部通過なんてのは世界ビックリ人間大賞にも普通に出てきましたが
カノン砲の砲弾を腹で受け止める人間はリアルではちょっといません。これは本当の話かなり凄い拳法ですよ!?


そして最終訓練は台風来週の夜半に行われる

落差30mの滝壺にて夜明けまでの滝浴びをもって終了とす!

これもスゲー。大きな丸太やら岩っころやらがゴシャゴシャ降ってくる台風夜半の滝壺にて打たれ行敢行
普通に死にますってこんなの。デッカイ岩が脳天直撃セガサターンで簡単に昇天ですよ
しかしそんなムチャ修行をも耐え抜いた田中さんの自慢のボディ。高度10のダイアモンドにはどんな攻撃も通用しないのか!?
「遠慮はいらぬ。存分に叩き尽し給えッ」
両足を踏ん張って「さあどこからでも殴れ」の体勢をとる田中さん。オリバさんはやや呆れたような笑みを浮かべつつ歩み寄ります
「イヤなんだかすっかり気を使わせてしまったね。まぁ・・・私のパンチなぞ通用するはずもないが
せっかくのチャンスだ。お言葉に甘えさせてもらう」

すっと伸ばしたオリバさんの手は、拳を握らずに田中さんの頭の上にポンと置かれた。頭なでなでの体勢だ
「あぁ?なんなんだよ?」といった感じで不思議そうな顔をする田中さん。それが彼のこの世で最後のリアクションでした
「バカだぜアンタ」ホントにな




ベッシャアアアアア!!!

た、田中さぁああああん!!!
まるでヒキガエルのようにぶっ潰されました
もうジョジョ3巻のカエルのようにメメタァ!と。手足があり得ない方向にひん曲がってます。折り畳まれてます
なんつーか背骨なんか粉々です。粉砕です。
死にました。多分

あまりのショッキング映像に会場が水を打ったように静まり返る。一回戦で勇次郎が爺さんの顔剥いだときより上っぽい
その勇次郎だけがシーンとした会場内でただ1人・・・・・声を上げて笑うのでした
「笑いが止まらねえェ。金剛ダイアモンドが――ヘシ曲がってやがる」

長年積み上げ、鍛え抜いてきた金剛の肉体!オリバさんのスーパーパワーの前に一瞬にして崩壊す!
”アンチェイン縛られぬ者”オリバ、擂台祭のデビューを壮絶に飾る!次号へ続く!


196話

三合拳

「怪力無双ビスケット・オリバ!こんな怪力は見たことがないッ!!」
ダイヤモンドの打たれ強さを旨とする金剛拳の使い手田中さん。その剛健な肉体を紙人形の如くペシャンコに押し潰したオリバさん
むん!と両腕を上げてポージングを決めると、筋肉の隆起でシャツが弾け飛ぶ。「破った」ではなく「爆ぜた」と言うのが正しい表現か
「きょっ・・・強烈なデモンストレーションだー!
これ見よがしの逆三角形!強さとは力だ!力とは筋肉だと言わんばかり!」

「中国武術に対しての明確なアンチテーゼだ!!」
派手にジャガった田中さんの姿が放送禁止寸前です。誰か早くなんとかしてやってよ!
それにしても情けないのは海王の方々。
大擂台祭も1回戦6試合終了したというのに、既に4名の海王がゲスト選手に敗れてます
もはや国手(国を代表する人物)としての価値は大暴落。満員の観客達はこの体たらくをどう思って見てるんでしょうか




そして第7試合。
空拳道・寂海王(日本)VS三合拳・陳海王(福建省)!

さあ来ました。一回戦抜けは確実だろうと目されている寂海王の登場です。相手の陳海王も強そうなんだけどね

試合開始。初弾を取ったのは陳海王だ!正面からまっすぐに突っ込むと強力な直突きを胸に見舞う!
ドッ!!その威力たるや寂海王を数mも後方に吹き飛ばした!受身を取って立ち上がった寂さんもちょっと動揺
「ふふん、不思議かね?」とでも言うように陳はペラペラと喋りだします。はいこの瞬間
アナタの負け確定
「気と拳・・・この二つの融合が中国武術を特別なものにした
拳に気を加えることにより、他国の格技がとうてい達しえぬレベルに到達した・・・しかし
それでも不十分。それだから突出した筋力などに不覚を取る
気と拳・・・更に加えることもう一つ。地!
気・拳・地  以上3つの融合を以って三合拳
今風に環境利用とでも言えばワカりやすいか」

「勝ち誇ったツラして喋るほうが負けるの法則」
 もう陳海王には万に一つの可能性もありません。可哀想ね

「なるほどな。バカに強力な順突きだと思ったが・・・地の利を加えたというワケだ
つまり・・・・このコンクリートの利を」
「ふ・・・・海王の名を海外に持ち出すだけのことはある
理解が早いッッ!!!」

言うなり地面を蹴って間合いを詰める陳。箭疾歩のような突進しながらの直突きだ
そのスピード、身構えていた寂さんでも反応できず顔面にイイのが入ってしまいました。グラリと頭が揺れたところに2打目
ドゥッ!ガラ空きの胸に深くめり込む右拳。くの字に折れ曲がる身体に会場は否が応にも湧き上がる!!
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!




そして一方、選手控え室の勇次郎の目の前にはその息子である範馬刃牙が対峙していた!
ついさっきまでは毒で死ぬ寸前だっとは思えぬほど回復した刃牙。お肌はツヤツヤで美少年ぶりに磨きがかかってます
「首の皮一枚でつながったというところか。バキ」
「親父・・・・・話がある」

刃牙は父に何を切り出すつもりなのか?波乱必死の次号へ続く
そして来週も休載。板垣先生もうダメぽ
完全に隔週化してしまいましたな。こんなんだったら餓狼伝BOYいらないよー


197話

ヘッドハンティング

「俺にハナシ・・・改まってるじゃねえか。この場での一騎討ちを言い出しかねないツラだぜ」
「それが望みだよ」
選手控え室を訪れた刃牙。毒に侵されていた身体も復活を遂げた今、やはり目の前の男に挑まずにはいられません
最愛の母を殺した男であり、己が戦い続ける目的でもある実の父親。”地上最強の生物” オーガ・範馬勇次郎!

「フン・・・毒も裏返り元気も出ちまったところで喧嘩相手でもほしくなったか」
「俺は別にあなたのように地上最強を誇っているワケじゃない。仮にあなたが
この世で1番弱い生き物だったとするなら、俺は2番目に弱い生き物でいい
ほんの少し・・・・・
あなたよりほんの少しだけ強ければそれでいい」
「あれから何年経つ―」
「四年と十月」
「あの時よりは多少強くなった鼻タレが・・・俺に相手をしろと?」
俺に挑戦などと百万年早ェ、とでも言うように嘲笑する勇次郎。しかし刃牙は服を脱ぎ捨てながら何食わぬ顔で応える
「いけないのかな」

「能書きが長ェな親父。怖気づいてるのかい」





さて同じ頃、試合会場のほうは盛り上がりも最高潮。三合拳・陳海王の猛攻の前に寂海王は防戦一方です
しかしここで突然。腹をおさえてうずくまっていた寂さん、立ち上がるやいなやニッコリと笑ってこんな事をぬかしました

「なァ陳くん。わたしと一緒に日本へ渡らんかね
日本にいるわたしの弟子2万4千人・・・共に育ててみんか?」
「・・・・・はァ?」

『なんとッ!!なんとここにきてヘッドハンティング!
大会終了前にして異例の青田刈りだァ―ッッ!!』

うへーなんだこりゃ寂海王!なんかすごい余裕です。なんと対戦相手の陳を自分の門下に加えたいという申し出を!
バカにされてると感じたのか、一際険しい表情になって歩を詰める陳海王。オッサン!舐めた口利けないようにしてやるぜぇー
対して寂海王は特に構えを取るでもなく、悠然と歩み寄って間合を詰める。実に対照的な2人です
「キミを技術指導員として迎え入れたい。なァ陳くん・・・・・
ただ強くなるだけではつまらんぞ」

ぱしっ

陳海王の右手首を寂海王が捕まえた。その次の瞬間

ふおんっ
あっさり逆手を極められた陳は派手に宙を舞った
そのまま地面に叩きつけられると、肩の上から押さえ込まれてこれでもはや勝負あり!
つーか陳海王情けねえ。中国拳法の国士がそんな簡単に逆手極められてんじゃねーよ!

「〜〜〜〜〜ッッ!!」
「陳くん。大会が終わるまで待っていてくれたまえ
優勝を手土産にキミらを迎え入れたい」

”ボクンッ”

鈍い音と一緒に陳の右腕が逆向きに曲がった。肩を外したのだ
『かッ・・・・肩を外したか―ッ!!勝負ありッッ!!!』
相手の実力を見極め、勧誘しつつ更に優勝宣言までしてみせた寂海王。いまだ氷山の一角であるその実力の底やいかに!
烈先生登場の次号へ続く! おお?来週は休載じゃないぞ?この調子で頑張れ板垣センセ


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