「アシモビジョン光学イカサマでございます」
「アシモビジョン・・・!?」
「私めに搭載されたアシモ七大兵器の1つでございますよ」
『七大だと・・・!?あんなのがまだ6つもあるというのか・・・!?』
牌をスクリーン代わりに映像を照射し、白を2筒に見せるという科学の粋によるハイテクイカサマ
ロボットならではの奇襲でトリスタンから先制打を奪ったアシモだが、こんなものはまだ序の口にすぎないという
「リーチでございます」
『今度は手をかざしても消えない・・・この牌は現実!ならば読める!そこだッ!」
再びアシモのリーチ。トリスタンは牌に細工がされていないことを確認し、今度こそと絶対の自信を持って一萬を打つが・・・
「ロンでございます」
「ウボァー!?バカな!私の読みは完璧のハズ!」
「僭越ながら申し上げますがトリスタン様
完璧に読めたからと言って勝てるとは限らないのです。何事も
麻雀においてもまた然りでございます

アシモグラップル握り込み!」
この時アシモのテンパイは23488二二二三三四四五8二五の3面張
それが目にも留まらぬ速さで右端の五萬を三萬と一瞬で入れ替わる

機械ならではの神速の握り込み
23488二二二三三三四四8一四待ち!

かくして再びトリスタン放銃。アシモ七大兵器のわずか2つを披露しただけで、この天才少年を3100点にまで追い込みます
>アシモ技のネーミングはアレなのにどうしてこうもカッコイイのか・・
>なんという日本が生んだイカサママッシーン・・・あと5つの機能も気になる
>さすが技術立国ニッポン、最終兵器はASIMOツバメ返しですね

「あの男いい度胸してるわね」
「まったくです。地球の命運を賭けた一戦でロボットにイカサマを使わせるなんて」

「バカね違うわよ。絶対に勝たねばならない局面でイカサマを使うのは普通の事よ
でもその時は
自らの手で、最も成功率の高い技を使うもの・・・
にも関わらずあの男は他人どころか人ですらない機械まかせなのに・・・この余裕は何?」

「バレなければイカサマではない」という言葉は、逆を言えば「絶対にバレてはいけない」ということである
ルール違反を犯しているのだ。現行犯で押さえられれば、重いペナルティは勿論即負けを言い渡されても文句の言えないところ
故にイカサマは最も信頼する使い手、最も信頼する技しか使えない
しかしアシモの繰り出す技の数々に、小泉はビクビクするどころか余裕の笑み。なぜ機械をそれほどまでに信じられるのか
「彼はその機械を信じているのですよフロイライン。いえ正確に言えば
機械ではなく、その後ろ側にあるものをです」
「機械の後ろ側ですって?ガーデルマン」
少女将校イゾルデの疑問に通信で答えたのは、哨戒任務中のガーデルマンだった。まだ出番あってよかったね
「いるのですよアシモの後ろ側には
無数の名も無き人々が

彼はそれを信じて戦っているのです」





「月のアシモから映像来ました!」
「先制点が入ってる!勝ってるぞ!」
うおおおおおおおおおおおおおおおおん!!
種子島宇宙センター。月探査衛星「かぐや」を通してアシモの見ている映像が地球に送られてきた
地球側有利の報に歓喜する大勢の人々。そこには宇宙局の人間達だけではなく、大勢の作業服男性の姿があった

小泉ジュンイチローが絶対の信頼を置いているもの。それは「ASIMO」という名の二足歩行ロボットそれではなく
技術大国日本の誇る、技術者&職人達の力だった
「頼みます小泉さん!」
「勝ってください!」
「この地球のために!」

機械一機の共を連れ、帰り道のない地獄への戦いに乗り込んだ宰相博徒小泉ジュンイチロー
しかし彼は敵地にあって孤独ではなかったのだ。アシモの後ろには、
その完成に心血を注いだ
無数の地上の星達がいるのだから

「ゆくぞ!」
「はいジュンイチロー様!リーチでございます」
超絶熱いぜこの演出。ここでBGMは「GONG」がいいな
>世界の希望を背負うアシモかっけぇ。最後に壊れたりしたら号泣してしまいそうだ
>『現実』の探査機かぐやは月に制御落下させられてもうこの世にはいないんだぜ・・・
このASIMOを動かしているのは電気でもガソリンでも原子力でも無ぇッ!月に行けない人々の願いだッ!

かくて燃える展開でアシモの三度目のリーチ。既に二度もイカサマに嵌り、残り点数3100まで追い込まれたトリスタンは狼狽するが・・・
「フム・・・用心せよトリスタン。この者はお前の喉笛っを直接狙ってきておる
驚くべき精密さと正確さでな。
だがそれゆえ読みやすい

見事ヤツのリーチをかわして余の期待に応えてみせよ
そうでなくては”月の子”とは言えぬ」
戦いは地球側優勢!しかしこのまま終わる月の俊英ではない?
トリスタンVSアシモ!「月の子」の秘められた能力が発揮されるであろう次号へ続く!


『アシモのリーチ・・・通常の読みなら四萬切りが定石・・・四萬は安牌!
・・・ダメだ・・・
どっちが正しいのかわからない・・・!』

月のアカデミーでは彼の右に出る者はなく、麻雀理論の論文は教授達も舌を巻くほどだったというトリスタン
しかしアシモへの連続放銃によってその自信は大きく揺らぎ、今そのリーチを前にして恐怖に震えていた
今度振り込めばハコは必死。だが敬愛するヒトラーの前で月の子たる自分がそんな醜態を晒すワケにいかない
おそらく彼の人生で初めてであろう長い葛藤の末、天才は
その場の誰もが驚く行動に出た
『見えるからだ・・・なまじ見えるから迷うのだ・・・・見えているからッ!』
”グサァッ!”
「ト・・・トリスタン・・・?」
何か柔らかいモノが潰れる音と、飛び散る鮮血。イゾルデが信じられない物を見たといった様子で力なく呟く
彼女の目に映った弟の姿は・・・・・

デデーン!
>トリスタンがバトル漫画のキャラすぎて吹いた。どこのドラゴンの聖闘士だよ!
>トリスタン、まさかのワムウ化www角が生えるのもそう遠くはないな
>トリスタン「ならば目などいらぬわ!」タイゾー「じ、自分の目を潰しただとォ!」
>美少年まで暑苦しい!! さすがムダヅモよッ!!

紫龍!紫龍じゃないか!
なんとアシモのリーチに幻惑されぬ為、自ら視界を絶ったトリスタン。ただの坊ちゃんエリートかと思っていたらとんでもない
ジャンプバトル漫画を地で行くバリバリのカチコミ系です。上半身脱ぎそうだ
「脈拍・呼吸・体温すべて落ち着きやがった・・・あの兄ちゃんただの優男かと思っていたが
なかなかどうして・・・この戦いタフになるぜ」

疑心暗鬼に囚われて自滅する前に強烈なスイッチによって気持ちを切り替えた背水の陣
天才の一皮むけた行動に嫌な予感がよぎる麻生総理。直後、その予感は総理の想像を遥かに超えて実現してしまう
「見えるぞ・・・私にも見える!
四萬単騎!やはりそこかァァッ!」

目なんて飾りです!偉い人にはそれがわからんのです
シャア台詞とともにアシモの四萬単騎を看破したトリスタンは、テンションの赴くまま更に段抜かしで覚醒すると
「四萬のことかー!」とばかりにスーパーアーリア人に変身
>超アーリア人は総統閣下ひとりじゃない…ここにもいたということだ……!!
>スーパーアーリア人×2とか……トランクスと遭遇したフリーザのような気分になっちまった
>あ・・・ありのまま起こったことを話すぜ!
ドラゴン紫龍かと思ったらスーパーアーリア人のバーゲンセールだった・・・なにを(ry

イゾルデも読者サービスのパンチラを炸裂します
>イゾルデを卓に座らせなかった理由はこれだったのか!なぜ気づかなかったのかと
>トリスタン覚醒の盛り上がりどころなのにまたイゾルデが持っていく・・・

>イゾンデのパンチラとスーパーアーリア人には何らかの因果律が関わっていると思います
この戦いのオヒキがイゾルデでなかったのは今回もこのパンチラ担当があったからか。大和田先生流石すぎる
紫龍→スーパーアーリア人→パンチラという怒涛の畳み掛けに読者もついて行くのがやっと
待ちを読みきったトリスタンはロン牌の四萬を抱えて回し打ち、逆にリーチ一発でアシモからの逆直撃を奪います

「ロン!アナザーウェイ!」
リータン一発ドラ1の満貫と二本場。アシモは残り得点38000以上あるので、展開的にはまだ一矢報いただけなのですが・・・

ゲゲェーッ!?これは思いもかけなかった機械故の弱点。なんとアシモまだ大量の点棒があるにも関わらず
たった一回の電撃でショートしてシステムダウンしてしまいます
まさに肉を切らせて骨を断つ。トリスタンの両目を引換えに放った一振りは、見事アシモを一刀両断に切り伏せるのだった





「あぁトリスタン・・・・あなたとうとうなったのね・・・スーパーアーリア人に」
「総統閣下・・・麻雀は一枚取ったら一枚捨てねばなりません。でなければ多牌です
人間もまた同じ・・・一度に多くのものは持てない。そのことがようやくわかりました
私は今、光を失って大いなるものを得ました」
勝利する為とは言え、両目を潰すという大それた事をしでかしてしまったトリスタン
しかしその表情は満ち足り、微塵の後悔の色も見えない。今こそ彼は本当の意味で完成されたのだ
そんなトリスタンのたのもしい成長ぶりに感動し、ヒトラーは溢れる涙を拭わずに笑顔で応えた
「そうだトリスタン。それでこそ月の子・・・我が後継者よ」
おおトリスタンえごい。ヒトラーに後継者と目されてたのねコイツ。このスーパーアーリア人化で太鼓判というところか

「さあ地球人よ。闘牌の続きをしようか」
地球側にとっては絶望のダブルスーパーアーリア人
タイゾーは「絶対勝てねー!」と涙と小便を同時に撒き散らしますが、小泉本人はまったく動じることなく受け答える
「望むところよ」
二人のスーパーアーリア人を相手取って尚、微塵たりとも折れぬ心。これは小泉のパワーアップ具合も底しれません
そしてそんな主の気概が届いたのか、システムダウンしていたアシモに
再起動のカウントが

アシモはまだ死んでいない!
再起動後はなんかモードチェンジしてエヴァ初号機的な強さでトリスタンぶっ飛ばしたりしたら燃えるんだが。どうだろうか
地球の命運を賭けた戦いは
ここからがやっと本番といった様相。目が離せない次号へ続く!


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
「な・・・・なんという麻雀力・・・ヴァルハラ宮全体が震えている・・・!」
「哈ッ!・・・・今の私の麻雀力は?」
ドラゴンボールと男塾の混じったようなカオスな冒頭
覚醒したトリスタンがドラゴン怒りの鉄拳のような怪しい構えから気合を入れると、その麻雀力が衝撃波となって建物全体を揺るがします
すぐさまマリエルがスカウターで計測したトリスタンの数値は実に驚くべきものであった

「32768Adh.です」
「3万を超えた!?確か文献上ではあのカール大帝が約3万だったはず!
それに匹敵するなんて!」

>カール大帝が雀力3万とかムダツモ世界の世界史すげえ。アレキサンダー大王やチンギスハーンの雀力も知りてえ
>むしろカール大帝が普通にスーパーアーリア人並みの麻雀力があるのにびっくりだよ!
だとすると、チンギス・ハンとかサラディンとか5万位平気で持ってそうだよ!
父を失った怒りで覚醒したジョージ・ブッシュが8000ちょい程でしたから、その約4倍と聞けば凄さが伝わるというもの
しかし正直それよりも、過去の君主・指導者達にはスーパーアーリア人に匹敵する人がいたというほうが読者にとっては驚きです
朋友のコメントにもありますがカール大帝が3万だったというならば
確かにアレキサンダー大王とチンギス・ハーンは5万くらいありそう
織田信長や曹操、ナポレオンといった世界各国の有名君主達はどれくらいあったんだろうという妄想に胸を膨らませられます

「ああっ!いかん!今トリスタン様を直視しては!
麻雀力2000Ahd以下の者は床に伏せろ!エラトステネスクレーター基地に逃げるんだ!」

その圧倒的気当たりにより、顔面から血を噴き出して昏倒する観戦者達。さながら「レイダース失われたアーク」のラストシーンのよう
ちなみにリアル麻雀における「手の平に汗をかく」等のプレッシャーは相手との麻雀力差50〜500Ahd程度で起こるそうな

「Herr小泉、このままではあなたの死は確実・・・しかし総統閣下の優しさは天井知らずです
土下座して命乞いをすればクレーター地下のルナチタニウム鉱山での強制労働で許しをいただけます
一生閣下の足元で働けますよ?」
「それはごめんこうむる。そもそも私のオヒキは倒れてなどおらん」
「え?」

「お待たせいたしました。システム再起動完了いつぃました」
>とうとうルナチタニウムって言いきっちゃったよ!
二人のスーパーアーリア人に対し、オヒキを失って孤立無援となった小泉が勝てる可能性はゼロに等しい
マリエルは
一生ガンダムの材料掘ってれば許してやると降伏を勧告しますが、
ここでシステムダウンしていたアシモの再起動が完了。もう来たのか早い!第四帝国側の面々が驚く中、何食わぬ様子で戦線に復帰します
ていうかルナチタニウムって普通に出しちゃった大和田先生フリーダムすぎ。こりゃきっとミノフスキー粒子も存在するなこの世界

「なるほど流石はメイドインジャパンか、しぶといな
だが直撃でいちいちシステムダウンするようでは戦力にはならない。ここは退くべきだ」

「システムダウン・・・?何か誤解なさっているのでは?
私めは満貫程度の直撃ではビクともいたしません
私は自らをシャットダウンし、アップグレードしたのでございますよ
通常の愉快で楽しげなコンパニオンロボットから・・・・
対スーパーアーリア人迎撃システムへ!!」

きた!モードチェンジきた!これで勝つる!
ハイゼンベルクストライクを解析していた湯川博士が捉えた「ヒトラーの尻尾」
その打開策は小泉が心得ているものと思っていましたが、どうやらキーマンはこのアシモだったようです





「対スーパーアーリア人迎撃システム・・・?完璧麻雀超人である我々を迎撃すると?
君達地球の文明で?これは驚いた・・・・総統閣下!
日本人はロボットの会話ルーチンにユーモアを組み込んでいます!」
「ああ、質実剛健をよしとするゲルマン技術者には思いもよらんことだ
しかしそれゆえに学ぶべき点も多いと余は思うぞ」

「確かに!アハハハ!」

機械如きにスーパーアーリア人を倒せるワケないですしおすし。とアシモの言葉を一笑に付すトリスタンとヒトラー
そんな二人に喧嘩をふっかけるのは勿論、敵に対しても礼儀正しいアシモではなく宰相博徒小泉ジュンイチローです

「ハイゼンベルクストライクを打てばわかることだ
そうすればスーパーアーリア人迎撃システムが実在する事が明らかになろう
怖いのなら普通に打つもよかろう。ただしこれだけは心に刻んでおけ
私はキサマらを殺すために来たのだ」
「その安い挑発・・・高くつくぞ」

「フッ、安く買って高く売るのが貿易の真骨頂ではないのか?」
「弓を引けいトリスタンッ!この無礼者を亡き者にせよッ!!」
案外沸点の低いヒトラーは挑発に乗って殺る気満々。絶対君主の命令に漲ったトリスタンが華麗に宙に舞う

なぁにこれぇ
>恐るべきスーパーアーリア人、よもや炎のコマとは・・・大和田先生のイマジネーションは天井知らずです
言われてみると炎のコマっぽい構図で吹く。直前に水魚のポーズでもやってれば完璧だったんだが
トリスタン・・・初登場時は寡黙でミステリアスな美少年だったのに
すっかりお笑い担当になって・・・

「あの〜地元の駐在所ん者です。冬の恐山で水乞いしてるって聞いたんですけど
危険なのでやめたほうがい・・・・ああ!しっかり!大丈夫ですか!?」

一方その頃。露骨にエロ担当のゆかりちゃんが過酷な水乞いの果てに意識を失いかけていた
手元にiPodが落ちてるのを見ると、月から地球へアシモが送っている映像はリアルタイムでチェックしているようです

駐在さんに揺り起こされてか細い声で応えるゆかりちゃんですが、まだ意識は朦朧とし夢と現実の狭間といった感じ
そんな彼女の目の前に、神々しい光に包まれた3人の女性が現れた

『なァおめ、あのぼんずさ伝えてけへ 行っだらまいねって』
※訳(あなた、あの坊やに伝えてちょうだい。「行ってはいけない」と)
アトロポス、ラキシス、クローソー!なんという超展開
小泉に地球の命運を託して逝ったあの3老婆が、なんとその名の通り女神と化してゆかりちゃんに天啓を与えにきました
まさにラグナロク。いやまぁ、ラグナロクなら時の3女神はモイラでなくノルンでないといけないんですけどね
3女神の忠告と同時に、月の小泉には配牌で必殺の国士十三面待ちが入る
「行ってはいけない」とはこのことか。瞬間的に小泉の危険を察したゆかりちゃんがiPodに向かって悲痛な声を上げた

「ダメ・・・行ってはダメ・・・小泉さん・・・・
イッてはだめぇえええええええええええええ!」

なぜか最後の「イッて」がカタカナになるというあざといエロ仕込みにビビる
ゆかりちゃんの叫びは月の小泉に届くのか?対スーパーアーリア人迎撃システムの正体とは?注目の次号へ続く!


「いけええ!地和ライジングサンでトリプル役満!!!
・・・・ああっ惜しい!でもまだまだ国士がありますよっ!」

東2局で小泉に入った配牌は必殺の国士十三面待ちライジングサン
第一ツモで引ければ地和もついて勝負を決しますが、流石にそこまではいかず引いたのは4筒でした
当然引いた4筒をそのままツモ切ろうとする小泉だったが、その打牌を声なく制する者あり

『いけませんジュンイチロー様!
アシモレッドフラッグ!』

>アシモからファミコンロボットがああああああああああああああああ
>アシモにはジャイロシステムとブロックシステムがあるんだろうか

アシモの頭頂部がオープンし、赤旗を振りながら現れたのは懐かしのファミコンロボット!
拍手レスしたみなさんのおかげですネタじゃありませんが、若い世代の朋友達にはまったく解らないであろうシロモノです

知らん世代はWiki参照のこと

『ちィィッ!間に合うか!?』
相棒からの緊急信号を受け取った小泉は卓に叩きつけようとしていた腕を翻し、腰に引き戻すと
諸手突きの如き勢いで手牌を吹き飛ばして”それ”を宣言した

「九種九牌サンセットグロウ!」
なんと小泉、国士十三面待ちを放棄して流局
昇る太陽の国士になぞらえ、九種九牌を沈む太陽に例えるセンスがカッコイイ
並の人間なら絶対手放せないであろう配牌を切り捨てた小泉。タイゾー達が大騒ぎする中、敵方だけがその判断を賞賛する
「よくかわしたな。余の手は・・・・」

BCCCDDEEFFFFG ※ドラF
その時、ヒトラーの手はドラ4枚使いのチンイツタンヤオ。ダマの三倍満C−F待ち
待ちのうち7枚は手牌で使い切っている為、小泉が掴んだCだけが唯一のアガリ牌でした。なんつー恐ろしい
「4筒は唯一のアガリ牌。この世にただ一枚しか無いにも関わらず
BDのカンチャンのアタリであり、DEのリャンメンのアタリであり
CFのシャボ待ちのアタリでもあり、そして更にC筒単騎でもある

これだけの”重ね合わせ”を食らえば貴様は分子レベルで消し飛んでいただろう
・・・・・・だが4筒を抱えてオリることも許されんぞ。トリスタン見せてやれ」

既に配牌で入っていたハイゼンベルクストライク
更にヒトラーに促されたトリスタンが手牌を倒すと、なんとこちらは小泉の写し鏡。国士十三面待ちだった
すなわち小泉の一巡目は14牌全てが敵のアタリ
戦闘を選んだ時点で死。助かるには九種九牌を宣言する以外なかったのである





「それでも国士をやめるなんて俺にはできねーっス・・・小泉さんスゲー・・・」
「だからお前さんは甘いんだよ」
「あ・・・あなたは・・・亀井シズカ国民新党代表!」
配牌で入った国士十三面待ちを捨てるなど、タイゾーでなくとも普通はできません
しかしそれを「甘い」と切り捨てながらの登場は
なんと亀井静香。この最終決戦の最中唐突に出てきました
「役満は麻雀の華よ。博打打ちは役満に恋焦がれ、時には無理をしてまで狙う
だが一流の博徒は違う。アガれねぇモンはテンパイだろぷがなんだろうが迷わず崩す
その判断は非情・・・この男は博徒さ。
しかも超一流のな

使えねえとなったら例え役満でも眉一つ動かさずに切って捨てるぜ
この俺がされたみてェによ」
なんかホモっぽい熱のこもった視線で宿敵を賞賛する亀井。小泉×亀井!そういうのもあるのか!
「互いに認め合いながらも袂を分つ選択を選ぶしかなかった二人」みたいな、腐女子の喜びそうなカップリング設定がまたなんとも

「なんだ亀公。今更泣き言か?」
「ハハッそんなんじゃねえよ。
ヤツの首を取るのは俺だ
勝手に月で死なれちゃ困るんだよ。勝手におっ死なねえように特等席から見せてもらうぜ」

「ククッ好きにしろい」
ライバルキャラのテンプレ台詞を吐きながらソファに腰を降ろす亀井シズカ。この終盤に来て意外なサプライズというかなんというか
これは局が進む度に
小沢だの小泉息子ズだのも出てくる展開もありそうです。皆の思いを背に受けて闘う的な
しかし前回時の三女神の天啓を受けたのに
1コマも出てこないゆかりちゃんが不憫。頑張れゆかりちゃん

「なるほどな・・・キサマの仕業か。トリスタン、奴らじゃ我々の手を感知しておるぞ」
「我々の手を・・・!?バカなどうやって」
「それは解らぬ。だがスーパーアーリア人迎撃システムは伊達じゃないようだ
でなければハイゼンベルクストライクがこうも簡単にかわされるハズがない
ちと・・・目障りだな」

小泉の鉄の精神力を皆で褒めちぎってますが、それを成せたのはアシモの警告があってこそ
彼がいなければ今頃小泉は三倍満のハイゼンベルクストライクを食らって分子の塵になっていたところです
早速その片鱗を見せた対スーパーアーリア人迎撃システムに、ヒトラーは不快感を露にしてトリスタンに促した

「わかりました。ではあの機械人形から宇宙の藻屑と消えてもらいましょう」
トリスタンVSアシモリベンジマッチ!今回はただの俊才と麻雀ロボではなく、
スーパーアーリア人VSその迎撃システムとしての激突
果たして勝者はどちらか?そしてスーパーアーリア人迎撃システムの正体とは何なのか?次号へ続く!


「万物の父たるオーディンよ!闘牌の神ウルよ!我に力を!」
東2局一本場。親のトリスタンの気合が天に届いたか、入った配牌この通り
@@AABBCDDDEEE
@―C、B―E、D待ちの5面張
B―Eは45の両面でありながら12のペンチャンでもあり、更には56のシャボ待ち
@―Cは23の両面でありながら1と4と単騎待ちという
ハイゼンベルクストライク待ち
勝利を確信してリーチを打つトリスタン。しかしその時、地球ではスーパーカミオカンデがその予兆を捉えていた
「ニュートリノ反応を検出!パターン青!ハイゼンベルクストライク来ます!」
「月のアシモに信号送信!急げ!月まで1秒もかかるんだぞ!」
ニュートリノ反応を検出した湯川博士スタッフは、すぐさまそれをアシモに送信。アシモはその危険を小泉に伝える

「ハイゼンベルクストライクは強引に時空を重ね合わせる技。必ずどこかに痕跡を残す
スーパーカミオカンデでしか検知できないようなかすかな痕跡だがな
かすかでも見つけちまえばこっちのもんよ。来るとわかりゃ怖くねェ
なぜならハイゼンベルクストライクは原理的に・・・」

同順、小泉も筒子の混一テンパイ。トリスタンのリーチに対し、筒子を切っての勝負は無謀に思えますが・・・
小泉は一瞬の躊躇もなくH筒を切り捨てた
「多面待ちにならない牌は安牌なんだからよ!」
小泉の手配にG筒のカベがある以上、H筒は横にはくっつかない。つまりシャボか単騎以外では当たらない
「ハイゼンベルクストライクが来る」と解っている時は、このように危険牌とそうでない牌がハッキリと浮かび上がるのだ

蓋を開けてみれば至極単純だったハイゼンベルクストライク破りの理論
これが対スーパーアーリア人モードの全容である
>でもまぁ「来るとわかりゃ恐くねえ」と言われても、普通ダブリーは読めませんよね
今回は8ピンのカベがあったから9ピン打てたけど、なかったら白で回すしかなかったし
>なんか説明されると拍子抜けしてしまうような簡単な方法でしたね

「馬鹿な・・・無敵のハイゼンベルクストライクが・・・!もう終わりだ・・・
光を失い、ハイゼンベルクストライクを失い、もう武器は何も残っていない・・・」

かくして一発目のツモで小泉のアタリ牌を掴んでしまったトリスタン。満貫放銃で残り3400点という後のない状態に
さしもの月の俊英もハイゼンベルクストライクを破られた挙句この点数では心が折れたか。弱音を吐いて項垂れます
が・・・

「何を言うトリスタン。お前にはまだ残された武器があるじゃないか
それは命だよ」
なんとここで敬愛するヒトラー総統閣下からの「お前まだ命残ってんじゃん」という一言
その命を投げ出して戦えということなのか?だとしたら「我が後継者」とまで呼んだトリスタンに対し、あまりにも冷酷な命令
はたしてヒトラーの言葉の意味するところとは?そしてこの言葉を受けてトリスタンはどんな行動を取るのか





一方、トリスタンのハイゼンベルクストライクを掻い潜って満貫直撃を取った小泉に湧き上がる地球サイド
皆が歓喜に浮かれる中、湯川博士はピエトロに向かってある頼みを伝える
「俺は天国ってやつに行けるかどうかわからねェけどよ。アンタなら行けるだろ
だから会った時に伝えておいてくれや
教皇さんのおかげだ。ありがとうってよ」

「必ず」
ああ。なんだろうこれは。本来感動的なすごい良いシーンのハズなのに
先週のハチワンの澄野さん&斬野の最後の別れとかぶってしまって
濃厚な湯川×ピエトロに見えてしまうんだが

>はんぺらさんのトリコレビューの影響か、湯川博士とピエトロがすごいBLっぽく見えた
といったところで勝負は東3局へ。アシモは好配牌に恵まれますが、1つだけ浮いた中がキナ臭くて切れないという状況
予想通りヒトラーはたちまち發、白と鳴いてしまい、いよいよもって抱え込んだ中が切れなくなってしまいますが・・・
なんとここでヒトラーまさかの中切り。アシモからは出ないと踏んで諦めたのか
同時にアシモも光景の5面張でテンパイ。中は通ることが解ったので、躊躇することなくこれを切ってリーチする。と!
「かかったな!ポン!」
なんとヒトラー前順で自分が捨てた中をアシモからポン。言うまでもなく先程の中切りは暗刻からの抜きだったのである
麻雀漫画においては防御の硬い相手から直撃を取る手段としてよく見る展開ですが
この麻雀超人漫画で使われると普通すぎて違和感を感じます
「パオアンチェインマイハート!」

包(パオ)。役満を確定させる牌を鳴かせた責任払いの事
パオさせた者は相手がツモっても自分が一人が支払い、また誰かが放銃してもその人と折半になるというルール
これでヒトラーがツモってもアシモはトビ確定。そして他家の放銃という場合は・・・あぁそうかヒトラーのさっきのトリスタンへの台詞は

「アシモを道連れにして死ね」という事なのか?
アシモ絶対絶命!そしてヒトラーの命令に対し、トリスタンはどういった行動で応えるのか?次号へ続く!


「では、おさらばです総統閣下」
「教えてくれトリスタン・・・余は世界を手に入れる前に
いくつの出逢いと別れを繰り返せばいいのだ?
余はどれだけ切なくて震えればいいのだ?」

俺はあと何回あの娘とあの子犬を殺せばいいんだ
ゼロは何も答えてくれない…教えてくれ五飛!
というワケでトリスタンの巡目。いきなり別れの挨拶を切り出す後継者に、涙を浮かべて震えるヒトラー
ヒトラーはアシモをパオで縛ったものの、そのアシモもまた3面張でリーチをしている。ツモ番を回すワケにはいかない
今この場面でトリスタンが選択できる最高の行動は、この巡目でヒトラーをアガらせる事
「わかりません。だけどこれだけは言えます
流した涙の数だけあなたは強くなるのです総統閣下!」
トリスタンが勢いよく叩きつけた牌は生牌の東。ヒトラーはその双眸から噴水のように涙を吹き出しながら叫んだ
「ロン!字一色大三元グングニル!」

総統閣下・・・月からいつも見ていた地球は・・・
鮮やかに青く美しく まるで宇宙に浮かぶ宝石のようでした

なのにそこに住まう地球人どもは、
この星に相応しくないおぞましい獣だったのです
お願いです閣下・・・どうかその手で・・・
地球をお救いください

なるほど第四帝国が地球を攻める理由は、美しい地球を紛争や汚染から守る為というありがちな理由だったか
地球の未来を敬愛する主に託し、
月の俊英はその若き命を散らすのだった
字一色大三元。親のダブル役満96000点
パオのアシモは48000払い。大三元のみならば生き残れましたが、まさかのダブルにアシモも箱を割ってしまう
ハイゼンベルクストライクを封じられたトリスタンは、
まさに最後にたったひとつ残された
「命」という切り札によってこの強敵を道連れにしたのである

「壮絶な相討ちでした・・・心中お察ししますイゾルデ様」
「うらやましい・・・」
「は?」
双子の兄弟を失ったイゾルデに悔やみの言葉を送った博士は、その返答に耳を疑った
あまりの悲しさにこの少女将校は気が触れてしまったのか?

「トリスタンはその身を閣下の勝利に捧げたのよ。何もかも全てを
その魂は永遠に第四帝国の一部になるの。素敵じゃなくて?博士」

そうではない。双子であるイゾルデにはわかっていたのだ。トリスタンは死んでのではなく
敬愛するヒトラーの中に永遠に生き続けることを

感じる・・・感じるぞトリスタン
お前の清らかな麻雀力が余の中に注ぎ込まれてくる
生きよトリスタン永遠に!
余の中で!

そのイゾルデの言葉がただの精神論でないことを裏付けるように。ヒトラーの身体に変化が起こった
なんとスーパーアーリア人の特徴でもある、箒のように天を衝いていたあの髪型が
中央からパカッと真っ二つに割れたではないか
俺は優しき心を持ちながら怒りによって覚醒した戦士!
スーパーアーリア人2だ!
>トリスタンの命を生贄にスーパーアーリア人2召喚!

「ここからが本番だ」
愛する側近の死という哀しみを乗り超え、更なる高みへ!
小泉ジュンイチローVSアドルフ・ヒトラー、いよいよ一騎打ちの最終決戦へ!次号へ続く!
>アシモがあっさり消えすぎ・・・小泉に何か残してるとか?


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