178話

集結

「百年経ったらまたおいでッ!天体の位置を表し十二黄ッ!!
天・地・日・月、八方を守護する十二天!釈尊を護りし神が十二神将ッ!
基督に選ばれし弟子十二使徒ッ!そして今ッ!
母国を護る十二名の戦士がここにいる!
海王入場ッッ!!!」

異様な興奮に包まれたこの擂台祭会場。まばゆいスポットが武舞台を照らし、アナウンサーの老獪な前口上が終わる
さあいよいよ出場選手、12名の海王の入場です。いずれ劣らぬこの面々、しかとご覧あれ!

「劉 海王ッ
 黒龍紅省白林寺!」

さあ先陣切って入場してきたのは我等が劉爺様
齢100際を越えてムキムキの肉体を誇る妖怪ジジイです
まだ劇中で明かされていないその実力や如何に!?

「烈 海王ッ
 同じく黒龍紅省白林寺!」

バキ読みにとって「海王」はこの人以外あり得ない!
ガングロおさげの「Mr蛮勇」とは俺の事!烈先生!
12人中、彼の実力はどの位置なのか!期待が高鳴る
「孫 海王ッ
 吉林省 節拳道!」

落ち着き払った笑みを浮かべたクールガイ!
なんか微妙にホモっぽいぞ孫海王!
とりあえず一回戦負け確定っぽい顔してるぜ!

「楊 海王ッ
 山東省 金剛拳!」

小太りの海王!金剛拳って名前からしてパワータイプ!
どうでもいいけど俺の会社にソックリな人がいるぜ!
可哀想だがコイツも一回戦負け必至な面構えだ!
「陳 海王ッ
 福建省 三合拳!」

おっとコイツはなかなか精悍な顔つきしてるぞ!
一回戦突破するかも?でも流派名がなんか地味ね
どんな拳法なのか気になるところだ!

「除 海王ッ
 紅蘇省 龍王拳!」

反面こっちは流派名がカッコイイぞ!龍王やて!
身長2mくらいありそうな長身!コイツも強そうだ!
でもバキではデカイ奴って大抵弱いから不安だぜ!
「毛 海王ッ
 河北省 受柔拳!」

デブ海王だ!間違いなく一回戦負けだと思うぜ!
流派名からしてハート様のような肉体を持ってそうだけど
こんな奴は勇次郎のパンチ一撃で死んでほしいぜ!

「サムワン 海王ッ
 タイ国 ムエタイ!」

外国人海王キター! ドリアンの例もあるように、
「海王」の称号は外国人にも等しく与えられるようです
でもコイツも一回戦負けだよな絶対
「李 海王ッ!
 広東省 薬硬拳!」

兄弟海王(弟)! おっと流派名が「薬硬拳」!?
やはりあの瓶に浸して作った右拳には秘密がありそう
一回戦は勝ち抜けるだろうけど兄ちゃんに負けそうだぜ!

「範 海王ッ
 同じく広東省 拳王道!」

兄弟海王(兄)! しかも名前が「範」ってオイ!
やっぱ勇次郎の息子の1人か!
ジャックの時と同じで名前で既にネタバレしてるぜ!
拳王道って流派名もいかにもだしな。イカスぜ兄ちゃん!
「怒李庵ドリアン 海王ッ
 アメリカ 白林寺!」

ゲゲェ――――ッ!?
まさかまさかのドリアン参戦!戦えんのかよアンタ!
しかも保護者としてオリバさんまで同行してやがるよ!
この大会最大の台風の目だぜ!要チェックや!

「寂 海王ッ
 日本 空拳道!」

うおおっ!? 日本人海王だー!カッコイイ髭親父!
眼鏡をかけたやさしげな瞳が実にミステリアスだ!イカスぜ
流派名も強そうだし一回戦は突破しそうだぞ!



ここに集いし12名の海王!更に4人の特別枠選手が加わるぜ!まずは・・・
「慣例とはいえ許されるのか!?この最前線に加わりますッ!!
百年経ったからまた来たよ!正真正銘の本物!
齢100と46ッ!

「前ッ大擂台祭覇者ッ!未だ健在!海王中の海王!
郭 海皇その人ですッッ!!」

なにィ―――ッ!?今にも死にそうなミイラ爺さんが出てきました!。こいつはデンジャラスだ
でもそこは流石に海皇。なんか「一回戦は突破しそうなオーラ」を悶々出してます。中国4000年の神秘を見せてくれ!
そして更に中華民国武術省が急遽参戦を認めた3選手、すなわちマホメドJr、刃牙、勇次郎が加わって合計16名!
以上16名によるトーナメント!これが大擂台祭の全容だッッ!!!
うおおおおおおおおおおおん!!

燃えてきたでー!こんなに面白いバキは本当に久しぶりだ!板垣先生今まで貯めてたパワーを開放したって感じね
次号!気になる組み合わせがいよいよ発表!刮目して待て!


179話

資格

ついに発表された組み合わせ。でもアレ?トーナメントなのに2人しか名前書いてませんよ?えーと・・・
うおッ!?一回戦からいきなり凄いカードだッ!

親父様VS劉爺様

「おお!我等が劉海王と・・・・!相手は・・・?」
「範馬!?誰だそいつ!?」
「闘神 劉海王の戦いが見られるぞ!犠牲者は日本人だ!」
イヤ犠牲者は爺様のほうだ
つーか劉爺様死んだ?!我が中国武術の圧勝だな」とぬかしたのでとりあえず意地を見せてほしいトコではあります
でも「勇次郎が普通に戦えば決勝まで勝ち残るのは決まっている」→「板垣先生がそんな当たり前の展開をやるはずない」なので
おそらくルール違反の反則負けとか、勇次郎が「興をそがれたぜ」とかぬかして試合放棄するか。何にせよ途中で消える可能性高し
物語上、決勝カードとして予測されるのは
「刃牙VS範海王」「刃牙VSマホメドJr」この2つが濃厚と思われますが・・・

武術性の重要視、公平を期すため、という観点から組み合わせは随時一回戦ごとの発表という方式を取るそうです
上手い仕掛けです板垣センセ。最初にドバッと全部見せちゃわないで、一回ごとに読者に「予想する楽しみ」を与える趣向ね
選手2名を残し他の戦士達は退場しろとのこと。死にかけ刃牙が親父様に話かけようとします・・・・が
『本当に現れた・・・公の大会には1度も参加したことはないハズだ』「親父・・・・」
「さっさと退場しな。規則違反だぜ」
そっけない態度で刃牙の問いを却下する親父様。久しぶりに会った死ぬ寸前の息子に何か言うことはないんでしょうかこの人




さて、試合開始の前に主催サイドから謎の問題提示がなされました
『範馬氏は中国では無名なので、資格があるかどうかその実力を示せ』だってさ
中国武術省井の中の蛙!いったい誰にモノ言ってるんでしょうかこいつら。身の程を知れと(以下略
つーか劉爺様言ってたじゃんかよ?
「君の父上が持つ”地上最強の生物”の称号はこの中国まで届いている
有名なのか無名なのかハッキリしてください板垣先生
で、テストとして用意されたのがなんと40枚の瓦割り。これで何枚割れるかでその力を見極めるそうです。なんつー安易な・・・
でもまぁ、超満員でごったがえすギャラリーにはわかりやすい&インパクト充分なパフォーマンスでしょうか。勇次郎がフフンと笑う
「瓦割り・・・・考えてみたら初めての体験・・・・フン、こん煎餅ほどの土の塊
何枚割ったところで何の目安にもなるまいが」

自分の身長ほども積み上げられた瓦の上にス・・・と手をのせる勇次郎。さすがに40枚重ねると凄い高さです
観客達が息を呑んで静まりかえる・・・・すぅ!と息を吸い込んだ親父様、予備動作もなしにイキナリ試技!
フンッ!!!

ぼが―――!!!
まさしく煎餅のように粉々に砕ける瓦。つーかこの人なら40枚と言わず100枚でも200枚でも簡単に割るでしょうがね
バシィ!と地面に手の平がついて、見事40枚割り!余力充分で文句なしの試技です。客席は驚きで声も出ません
「ゆ・・・有資格者でしたァァッッ!!!」
やっとの事でアナウンサー絶叫。いよいよ次号、拳神・劉海王VS地上最強の生物・範馬勇次郎!
果たしていかなる結果が待っているのか!震えて待て!


180話

惨劇

40枚の瓦を苦もなく粉々にした勇次郎。静まり返る場内を見渡し、さも「バカバカしい」と言った感じで劉爺様に問う
「くだらぬショーだ・・・なァ劉海王。アンタどう思う?こんな事でなにがワカる
板・・・瓦・・・ブロック・・・煉瓦・・・自然石・・・瓶・・・氷・・・紙・・・果物・・・・
もの言わぬ決して反撃してこぬ物体を相手に 思う存分叩き殴り蹴り・・・壊す
無抵抗をいいことにな」
客席に座す中国武術省お偉いさん方々に聞こえるように説く勇次郎。当然先方は「日本人ごときが何を言うか」って顔で憤慨してます
このままヘラヘラ言わせておくのは中国武術の威厳に関わる問題。劉爺様が服を脱ぎつつこれに反論
「拳技とは弱者の為にこそ存在するものなれば
かつて破壊不可能だった物がある日突然打ち壊せる・・・誰も傷つける事なく得られる上達の実感
進化の途上という条件付きであるならば あながち無意味とも思えぬが」

「で?」
「・・・・!」
「教えてやるよ。丹念に積み上げた上達の実感だった百年余りが

取るにも足らぬ錯覚の歴史だったことを!

劉海王VS範馬勇次郎!戦闘開始ッッ!!
コオオオオオオオオオオオ!とまるで波紋の呼吸のような息吹を上げ、爺様の指拳が勇次郎の顔面に伸びる!
「思い知れやこの日本人の若造がァーッ!」って怒りの先制ヒットは爺様かー!?

”ざくッ”
肉に硬いものが突き刺さるイヤな音ッ!爺様の指は深々と勇次郎の顔面を・・・って
違えー!刺さってたのは爺様の顔面だー!

見てお解かりになるだろうかこの状況!手が刺さっているのは耳でも首筋でもない!
顔面を真横からッ!顔の皮膚と頭蓋骨の間にッ!
まるで肉の手袋のように突っ込んでいるのだッ!!

今爺様は激しい痛みとともに指先の温もりを皮膚下で直接感じているはずッ!こいつはクソえぐいぜー!

「動くな。えれェことになるぜ」
ざわ・・・この緊迫した場面に場内騒然。ここにきてようやくこの男の圧倒的強さ、そして恐ろしさを実感したようです
顔面蒼白になって勇次郎の腕を掴む爺様。まー咄嗟の反応としては当然なんですが・・・
「あ〜あ・・・・・これだ・・・・」
さも落胆したような表情でゲンナリ呟く勇次郎。するってーともちろん次の瞬間こうなる!
バオッ

渋川先生のアレ!ゆうに100Kgは超えているであろう爺様の巨体が派手に中を舞う!
同時に
「ピッ!」というなんかイヤな予感のする音が!勇次郎がそのまま思い切り腕を振りぬいたのだッ!
ジョジョ第1部のディオ風に言うならば
手の平をッ!コイツの顔面に突っ込んで!振り抜けるッ!
そして爺様はそのまま顔面から地面に激突!バタリとうつ伏せに倒れてそのままピクリとも動かない!
シーンと静まり返った観客席に、勇次郎が手に持っていた”それ”をゴミのように放り投げる
「100年も使ったんだ。とっかえてやんな」

ぱしっ
受け止めた”それ”を見て青ざめる武術省のジジイども。
なんという男ッ!なんと残忍な暴力ッ

”それ”は無残に剥がされた爺様の顔の皮膚だった!
一回戦 劉海王VS範馬勇次郎 読者の想像を超えた結末で勝負有りッッ!!
ああ中国武術省よ 井の中の蛙よ! 震えろ!恐れおののけ!
これが地上最強の生物・オーガの実力だッ!!

次号へ続く


181話

劉 海王

「なッ・・・なんということを・・・・!」
オーガ恐るべし。顔面の皮膚を引き剥がされるという無惨な攻撃の前に倒れた”拳聖”劉海王。場内騒然
わなわな震えてなんか言いたげな武術省の長老達。しかし凶器を使ったわけでもなし、別段勇次郎を咎める理由がありません
「『勝負アリ』ってとこだろう・・・とりあえずは。退場するぜ」
「フン海王もちょろいモンだな」、てな感じで余裕綽々に闘場を去ろうとする勇次郎。しかしそれを呼び止め闘場に降り立つ1人の男が!
ミスター蛮勇・烈先生!目の前で師を瞬殺されてそれはそれは怒り心頭です
「範馬勇次郎ォォッ!!きさまぁ・・・・ッッ」
「どうした・・・?お呼びじゃねェぜ」
「わたしと闘えッッ!今すぐこの場でッッ!!」
ニンマリ口の両端を吊り上げる勇次郎。まだ食い足りない彼にとって、この申し出はグッドタイミングで差し出された食後のデザートみたいなモノ
「これはこれは・・・・願ってもない」



ポケットから手を出し臨戦態勢のオーガ。烈海王、師匠の仇討ち!この燃えるシチュエーションに場内は俄然湧き上がります・・・・
が!次の瞬間冷水を浴びせられたように静まり返る観客達
なんと劉爺様がヨロヨロと起き上がったのだ!ゾンビー

タオルで顔面を押さえたままヨタヨタ歩く爺様。烈の肩を強く握ると、ボソボソと何か喋りかける
「・・・・・・・・」
「・・・・え・・・・?」
「わたしを・・・・
侮辱する気かァッッ!!」

”自分はまだ負けていない!まして弟子に仇を討ってもらうなど!”
不甲斐ない自分に対する怒りと、粉々に打ち砕かれた自尊心が絶叫となって闘場内にこだまする
タオルを投げ捨て、半ば不意打ち気味のトラースキックを勇次郎に見舞う!たとえ勝てずとも!この生意気な日本人にせめて一太刀を!
ザクッ

真正面!クリーンヒット入ったッ!?
「へッ ズッルい爺ィだぜ」
否!劉海王、意地の一撃でさえもオーガには当たらなかった!紙一重で避けられた蹴りは服を切り裂いただけである
この蹴りでも当たらんのか?!驚愕の劉を勇次郎の冷ややかな目が射抜く。 あばよ爺さん・・・・今度こそ寝てな!
ゴッ

左ハイ!完璧に決まったァ―――ッッ!!
息を呑む客席。ぐらりと巨体がゆらめき、ゆっくりと後ろに倒れこむ。演出的にはスローモーションのシーンね
ドドオオオ・・・・ン
倒れた爺様の顔にさっき投げたタオルがひらりひらりと舞い落ちる。それっきり爺様の身体は指一本動かなかった

「しょ・・・・勝負ありッッ!!」




劉の”海王”としての意地が見せた最後の攻撃。そしてそれをもねじ伏せたオーガの戦闘力!
一回戦 劉海王VS範馬勇次郎決着! 次号へ続く


182話

祈り

”地上最強の生物”範馬勇次郎恐るべし。顔の皮膚を剥がされた挙句ハイキック一発で瞬殺されてしまった拳聖・劉海王
今となっては「中国拳法の圧勝」もマヌケな台詞にしか聞こえません。場内未だ騒然とする中、2試合目の組み合わせ発表!

龍王拳・除海王VSボクシング・マホメドJr!!
つーか当て字ムチャすぎ。魔法滅土はねえだろうよ

さて次が試合ということで控え室で入念にアップを行うJr。彼をある人物が尋ねてきます・・・神様人形握り締めた梢江だ
「覚えてますか?東京で逢った・・・驚きました。貴方が出場することを知って」
「オオーッ!ナンテコトダ君モ来テイタノカ。ダイジョーブ!ボクガ優勝スル!」

再会を喜び合う二人。どうして梢江がここにいるのか問いただしたマホメドは刃牙の身に起きた出来事を一部始終理解します

「オドロイタナ・・・・範馬刃牙ガ君ノ恋人ダッタトハ・・・シカモ・・・・
彼ハベストデハナイ」
堰を切ったようにボロボロと涙を流す梢江。そう、彼女の愛する刃牙は全身毒に侵され立っているのも不思議なほどの状態
なのに身体を圧してまでこの列強揃いの武術大会に選手としてエントリーしている。その理由が実の父親と戦うため・・・なんと悲壮な親子であろう
そんな刃牙の命を救いたい。恋人として何もできない自分が口惜しい。そりゃあアンタ溢れる涙、止まれったって止まるもんじゃありません
するとマホメドJrは梢江を優しく抱きしめ、耳元でこう囁くのでした
「イイカイ?祈リトハ 出来ソウモナイコトヲ願ウムシノイイ心根デハナイ
必ズ実現サセルト誓ウ決意」
「・・・!」
「彼ガ私ト当タルマデ・・・ソシテ私ト当ッタナラ・・・・必ズ無事二終ワラセマス」

神様人形を握り、刃牙を無事に梢江の元へ戻すと誓うマホメドjr。なんか頭上から光が差し込んできて聖人っぽい
では早速見せてもらいましょうか”神の息子”の真の実力!一回戦第二試合・除海王VSマホメドJr開始!!
対戦相手の除海王は身長2mを越える長身。その流派は「龍王拳」名前のカッコよさでは1,2を争います。さてさてその実力や如何に

ゴワァアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!
今、闘いを告げる銅鑼が鳴らされた!ジリ・・・と間合いを詰めた除海王、先制の前蹴りを放つ!16文キックのド迫力だ!
って
あ――――――ッッ!?

Jr、これを難なく見切るとカウンターで金的にアッパー!これがもろクリーンヒットだァ!
「あぉ・・・・・・・・・ッッ!!!!」
金玉を押さえて力なく呻いたかと思うと、そのまま白目を向いて膝から崩れ落ちる巨人。おいおい、ちょっと待て。なんだよコイツ!?
『打倒!打倒ォーッ!早くも決着ゥッッ!!!』
オイちょっと待てよアナウンサー!!まさかこれでホントに終わりじゃねえだろうな!?ってところで次号へ続く
すんません板垣センセー!「海王」の名が安すぎると思います。これじゃホントただのザコだよこいつ等


183話

蝶の舞い

「あまりにも早いッ!早すぎる決着だァッッ!!」
なんか試合開始1秒でキンタマ打たれてぶっ倒れた巨人・除海王。いくらなんでもこれで負けてちゃ海王の名がすたる
口から泡を吹きつつもなんとか跳ね上がって構えを取り直す。よーしエライぞ男の子。半泣き状態ながらも試合続行です
「フッ・・・そりゃそうだろうよ。母国の護神なんて言われてチヤホヤされてる海王の名が
ゲスト相手に2度も続けて不覚を取ったンじゃあな・・・」
「ン〜、アレはちょっとキツイねぇ・・・・完全に回復するにはまだ時間が必要だ」

闘場袖の通路で試合解説するは三合拳・陳海王受柔拳・毛海王の二人。物言いから察するに除海王よりは実力者っぽい
まだ足元がおぼつかない除海王、もう少し休めばいいものを気合一閃攻めに転じます。
「あーダメだ」思わず溜息をつく陳海王

ところが。まだダメージが残ってるうちに叩き潰せば勝ちなものを、Jrはヘロヘロ攻撃をヒラリヒラリと避けてばかり。自ら攻めません
「フ・・・海王も舐められたものだ」
「回復するまで待つ気よ。あの子」

いつのまにか範海王も加わり3人で試合解説。なんとマホメドJrはあえて除の回復を待っているようです。なんたる余裕であろうか
時間が経つにつれ次第に除の回転数が上がってくる。長い手足をブンブンと振り回し、息もつかせぬ連続攻撃!観客も俄然盛り上がってきた
「除海王の勢いが増してきた!イケるぞッ!!」
「とりあえずは回復したようだ・・・・が」

ギャッ!
大きく踏み込んだ除が渾身の長突きを放つ。蟷螂拳の箭疾歩のような打だ。意地とプライドの一撃!決まるか!?
って
あ―――――ッッ!!!

Jr閃光の右!カウンターで除の顎先をかすめる!
まさに刹那の一撃。すれ違いざまに足をもつれさせて前につんのめるその巨体。トタタタ・・・・・
ドンッ!

「なるほどな。待っていたのは回復ではなく・・・一撃で決められるスピーディーな出バナだったというワケだ」
除海王、パンチたった2発で撃沈





「勝負有りッッ!」
ゴワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!

「・・・・・なんという擂台祭だ・・・・」

2回戦連続でゲスト出場者に敗れ去る海王。この体たらくには武術省の長老ジジイもさすがに渋い顔。なんだかなー
いい加減観客達も母国の英雄達の勇姿を拝みたいところでしょうが。いかんせん1回戦・2回戦と相手が悪すぎました
このへんでそろそろ海王に白星をつけさせてあげたいところ・・・・さあ3回戦のカードは!
ゲゲェーッ!!?

3戦連続で海王敗退だー!
はー、薬硬拳・李海王がここで来ましたか。とりあえず一回戦は抜けて次戦で兄者に負けるポジションかな?と予想してましたが・・・
というワケで選手控え室、刃牙。試合に備えアップを始めますがちょっと動いただけでビチャビチャ吐血する半死人っぷり。大丈夫?
「へへ・・・ザマァねえや・・・」
そんなヘロヘロ刃牙に何やらアドバイスすべく控え室にやってきたのは我等が烈先生。何を言うつもりなんでしょこの人は
「バキ。キミに伝えておく事がある・・・・対戦相手である李海王
彼は全中国ナンバーワンの毒手の使い手だ」
あのまん丸右手は毒手かよ!なるほどだから念入りに薬漬けにしてたのね
毒で死ぬ寸前の刃牙の対戦相手は毒手の使い手!果たしてどうなる?この組み合わせ。次号へ続く



薬硬拳・李海王。どうやら彼が刃牙の命を救うキーパーソンになりそうな予感。毒手用の中和薬とか絶対あるハズだし
戦い終わって、そんで彼に身体診てもらって・・・・ってカンジでどうにかなる?でもこれじゃ普通すぎてつまらないか。板垣先生だしな
「予想は裏切り期待は裏切らない」バキ展開の真骨頂を見せてもらいましょう


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