時の列車デンライナー
次の駅は過去か未来か

第1話

『俺、参上!』

「おい!兄ちゃん大丈夫か?」
「あ、はい。ちょっと目に砂が入りましたけど」
「いやそうじゃなくて・・・
普通こんなこと在り得ねーだろ」
冒頭、木のてっぺんに自転車でハマってしまいはしごで救出される青年
なんじゃこりゃ。たしかに在り得ません
青年の名は
野上良太郎。「とことん運に見離された男」という設定だそうで、その不幸具合ときたらこの通り漫画的
更にビンの欠片を踏んで自転車がパンクしてしまうと、誤ってガラの悪いチーマーの輪の中に思いっきり突っ込んでしまいます
財布を奪われた挙句ボコボコにされる良太郎。もはやこんな事は日常茶飯事なのか、逃げる事さえせずにやられるがまま
「うぅ・・・アイタタ。今日はかなり最悪の部類に入るな・・・ん?落し物だ。交番に届けなきゃ」
唐突に物語のキーアイテム拾った!
ようやくリンチから解放された良太郎は地面の落ちていた小さくて黒いケースを発見。どうやら何かのパスケースのようですが・・・

「・・・・ウソでしょ?なにこれ」
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!
とあるビルに入った良太郎は眼前の光景に我が目を疑った。なんとそこは映画の中かと見紛うような、見渡す限りの荒野
そこに凄まじいスピードで走ってきた電車が急停車すると、中からエロい格好をした美女が現れてコーヒーを差し出してきました
「コーヒーはいかがですか?」
あまりの出来事と美女の笑顔に呆然とし、思わずコーヒーを受け取って今う良太郎。しかし電車の扉はすぐさま閉じてしまいます
ちなみにこの乗務員の美女・ナオミ役は、仮面ライダーアギトでヒロイン真魚役を演じた
秋山莉奈
今は「美尻の女王」とかなんとか言われてヤングアニマルやらプレイボーイやらのグラビアにバンバン出まくってるエロ子さんです





その頃、良太郎をボコったチーマーの1人、テツオは大事なキーホルダーを現場に落とした事に気付いて引き返していた
近場にいたガードマンのおっさんに「キーホルダー知らない?」と聞くと、ハッと気付いたおっさんは良太郎のことを教えてあげます
「あぁ、なんかさっき落し物を拾ったとか言ってた子がいたよ。赤いマフラーをした」
無論良太郎が拾ったのは謎のパスケースであって、キーホルダーは見てないのですが。勘違いしたテツオは怒り心頭で良太郎を探します
と、その時。突然テツオに
謎のエネルギー体が入り込み、身体から大量の砂が沸いて出たかと思うと蝙蝠怪人の姿に!
『お前の望みを言え。どんな望みも叶えてやろう。払う代償はたった一つ・・・』
なんかいきなり等価交換求めてきました。唐突すぎる
この謎のエネルギー体こそ、本作の敵である「イマジン」
その正体は、遥か未来から2007年へとやってきた
未来人の思念体です
彼等はその時代の人間に取り憑き、契約を交わすことによって実体を持つ。更にその姿は契約者の心象に大きく影響を受け
このイマジンが蝙蝠怪人の姿になったのも、テツオが持つ「卑怯な蝙蝠」というイメージがカタチとなって具現化したからである

「げ、幻覚だよな・・・あんなことあるハズがないよ・・・」
一方、慌ててビルのドアを引き返した良太郎は無事通常空間に。そんな良太郎にも謎のエネルギー体が入り込みます
やはりテツオの時と同じように、突然身体から湧き出す大量の砂。その砂が鬼のような怪人の姿になり良太郎に話しかける
『お前の望みを言え。どんな望みも叶えてやろう。払う代償は・・・』
グシャッ。チリンチリーン
地面から上半身を出してたので気付かれず自転車に轢かれました。イカスぜこの鬼





謎の空間と電車から逃げるように姉・愛理の切り盛りするのカフェ「ミルクディッパー」へ戻ってきた良太郎
野上家は早くに両親を亡くしており、良太郎にとって優しく美しい姉はまさに母親代わりとも言うべき大切な存在
その美貌ゆえ常連客のほとんどは彼女への求愛者であり、良太郎は彼等にとっては弟のような存在みたいです
「やぁ良太郎くんおかえり。今日はまたいちだんと傷だらけだね。何があったんだい?」
「良ちゃん今日はどうしたの?マンホールに落ちた?それともまた三輪車に跳ねられた?」
「良太郎くんの運の悪さは本当にギネス級だな・・・」

皆に労われ、好物のひじきサラダを出されてようやく落ち着いた良太郎だったが、拾ったパスを交番に届け忘れたことに気付いた
「悪い事しちゃった・・・きっと落とした人今頃探してるよ」
善人の良太郎はすぐさま交番へ向かおうと外へ出るが、どこから現れたのか例の電車が突然街中に出現
自転車に乗る良太郎と並走すると、ドアが開いて中から少女が大声で叫んできました
「あなた黒いケースに入ったパスを拾ったでしょー!?
それ私のなの!返してくれないかなー!」

本作のヒロインとなる少女・
ハナ。どうやら良太郎が拾ったパスはこの少女の物だったようですが・・・・・・
「うわああああ!お、落し物は交番に聞いてくださいー!」
突然の展開にすっかり脅えきってしまった良太郎は、ハナの言葉を聞かずに自転車をこいでその場を逃げてしまいます





「ハァハァ・・・なんなんだろ今日は。本当に何かに取り憑かれてるのかな・・・」
身の周りで起こる超常現象にさすがに困惑気味の良太郎。その言葉に応えるように、頭の中で何者かの声が響いた
『あぁ、憑いてるぜぇ。この俺がな』
「え!?」
目を見開く良太郎だったが、彼にはパニックになる暇さえ与えられないのか。先のチーマー達がたむろして現れます
「テツオのキーホルダーを返せ!」と暴力を振るうバカども。拾ったのはパスッケースだと言っても聞いてくれません
『あ・・・これやばい・・・死んじゃうかも・・・ゴメンね姉さん・・・』
加減を知らないバカどもの容赦ないリンチ。身の危険を感じた良太郎は最悪のケースも予感するが、その時彼に異変がおきた
1人の蹴り足をガッシと受け止めると、思いきりその足を跳ねのける。男はそのまま十数mも吹き飛んで木の枝にひっかかった!
「・・・俺、参上」
突然顔つきが豹変した良太郎。声が声優の
関俊彦にチェンジし、スーパーサイヤ人みたいに髪が逆立ってます
「コイツは俺の契約者だ。死なれると困るんでな・・・言っとくが俺は前フリは一切ねえ
最初から最後までクライマックスだぜぇ!」

公園の備品から鉄パイプをもぎ取った良太郎は不良達に襲い掛かった。空振りした一撃がコンクリートを粉々に砕く
およそ人間離れした膂力を見せつけた良太郎に、不良達は「殺される!」と完全に竦みあがってしまいます
「逃げるなよ・・・今考えついた俺の必殺技を見せてやる
行くぜ必殺!”俺の必殺技”!」

ゲラゲラ
名前のセンスすげえ。なんか赤いオーラを出して鉄パイプを振りかざした良太郎
しかし振り下ろそうとした次の瞬間、良太郎は苦しげな表情を見せてその動きを止めてしまう
「てめえ何のつもりだ・・・いいところなのに邪魔すんじゃねえよ!」
『な、なんなのこれ・・・何してんのさ僕・・・こんなこといけないよ!』

本物の良太郎の意思が「何者か」の暴走を食い止めたのだ。「何者か」は抵抗したものの、良太郎の意思の前に敗北

「ウソでしょ?押さえ込んじゃった・・・あの子まさか?」
そんな一部始終を遠くから見ていたのは電車の少女・ハナ。どうやら彼女は事の次第を全て知っているようです





『おいおい、お前何者なんだ?なぜ俺を押さえ込める?』
「き、キミこそ一体なんなのさ・・・うわっ!?悪霊退散!」
「コノヤロウ!誰が悪霊だてめえ!」

不良どもを退散させ1人きりになった良太郎の前に、彼に憑いた鬼のような怪人が砂の姿を現します。怯える良太郎
「そういう類のモノじゃないよ。キミの中に入ってるのは
キミは特別な存在・・・”特異点”
やっと見つけた。キミなら『電王』になれる!」
「ゲェー!?コイツが特異点?マジかよ最悪じゃねえか」
現れたのはハナ。「特異点」が何なのかはまだわかりませんが、彼女にとってありがたく、鬼にとっては迷惑な存在のようです
と、そこまで言ったとき。「俺のキーホルダー返せ!」と足取りのあやしいテツオが現れ、彼に憑いたバットイマジンが出現した
「なるほど特異点とはな・・・消すしかないな!」
しかも良太郎が「特異点」だと知ったバットイマジンは問答無用で攻撃を仕掛けてきた!
あまりの恐怖に失神しそうになる良太郎だったが、ハナはそんなヘタレに向かって酷な命令を下します
「あのパス持ってるわね?変身して!あなたがアイツと闘うのよ!」
「た、闘うって!?そんな・・・」
「お前が死んだら俺も消えちまうんだよ!グダグダ言わずに戦いやがれ!」

ハナと鬼に尻を叩かれ、ワケもわからないままにパスケースを取り出した良太郎はヤケクソになって叫ぶのだった
「へ、変身!」
かくして仮面ライダー電王プラットフォームに変身する良太郎。しかしこの形態は龍騎でいうブランク体、このままでは不十分です
変身はしたものの、どうやって闘えばいいのかわからない良太郎はバットイマジンの攻撃から無様に逃げ回ることしかできません





『バカヤロウなにやってんだ!俺と替わりやがれ!』
「か、替わるったってどうすればいいのさ!?」
「ベルトの赤いボタンを押して!」

いい加減ボコられてからベルトの機能を説明するハナ。変身した直後に教えてやれよ
言われるがままに良太郎が赤いボタンを押すと、見る見る電王の身体が赤い強化装甲に包まれていく!
「俺・・・再び参上!」
変身!仮面ライダー電王・ソードフォーム!
ソードフォームへのチェンジとともに電王の意識は良太郎から鬼へと交代。ノリノリの口上で戦闘態勢を取ります
「同類」の思わぬ裏切りに困惑するバットイマジン。何食わぬ顔でそれに応える鬼
「き、キサマ何を考えている!?我々の使命を忘れたか!」
「そんなモン覚えてねえな。さっきは凹みかけたがこっちのほうが面白そうだ
それに俺はもともとこういうのがやりたくて来たんだよ!
俺は最初からクライマックスだぜぇ!」
鬼にチェンジした電王の強いこと強いこと。連結武装デンガッシャーでバットイマジンをなます斬りにします
『フルチャージ』
「へへへ行くぜ!”俺の必殺技パート2”!」
ドシュッ!ズバシャーッ!
ぼっがああああああああん!
最後は必殺「剣エクストリームフラッシュ」でバットイマジンを十字斬り!でも鬼的には「俺の必殺技」なのね

「ハァ・・・ハァ・・・こ、怖かった〜」
戦いを終えてその場にへたり込む良太郎。そんな良太郎に手を差し伸べる謎の少女ハナ
「あれは電王・・・ずっとなれる人を探していたの。一緒に戦いましょう
未来から侵略者が来てる。時の運行を守らなきゃ」

「ははは・・・もう倒れこむ力も残ってないよ」
目の前に現れたのはあの電車。もはや驚くことにも疲れた良太郎は、ハナに手を引かれるがままに電車へと乗り込んだ
謎の少女ハナ、そして良太郎に憑いた「鬼」はいったい何者なのか?この電車は?未来からの侵略者とは?

今、果てしない良太郎の旅が始まった!次週へ続く!


第2話

ライド・オン・タイム

「まったく・・・俺の契約者にしちゃあ弱すぎだぜ」
デンライナーに乗り込んだ良太郎でしたが、例の砂の「鬼」が目の前で実体化するとやはりビビって気絶してしまいます
再び目を覚ましてなんとか落ち着いた良太郎はナオミ特製のコーヒーを飲みつつ、ハナ達の自己紹介を受けることに
「私はハナ。こいつらはイマジン・・・私達はそう呼んでるわ
簡単に言えば未来から時間を越えて2007年にやってきた連中よ」

「ええ?それじゃ未来人ってみんなこんな姿に?」
「ちげーよ。言っとくが俺のこの姿はお前のせいなんだぜ」
「イマジンは時を超える時に肉体を持って来れないのよ・・・だから
人間にとり憑いて、その人の持ってるイメージを抽出して身体を作るの」

先週の戯言で簡単に解説しておきましたがイマジンの設定です。彼等の肉体は宿主のイメージによって形成されるのだ
「だから俺のこのカッコはお前が作ったんだよ。なんだこりゃ?もっとカッコイイのあんだろが」
「あ・・・それ桃太郎かも。子供の頃ヒーローだと思ってたし」

いやおかしいぞ。だってどう見ても桃太郎じゃなくて
鬼だし。なかなか意味不明です良太郎
「イマジンはとり憑いた人間の望みを叶えてやる代わりにその人間からあるものを貰う・・・
時間よ。その人の過去の時間。それがイマジンと人間の契約」

イマジンの目的は契約者の「過去」の時間を手に入れることによってその時代にジャンプし、歴史を変えてしまうというもの
ハナは歴史を変えさせまいと、過去と今と未来を駆ける電車デンライナーに乗って時の運行を守っているのだとと言う
「あっそうだ俺の契約!さあ良太郎、お前の望みを言え!」
「ダメよ。言ったらそいつと契約しちゃう。言いさえしなければこいつは身動きできないわ」
「て、てめえ!余計なこと言うんじゃね・・・
うぼぁ!」
「喧嘩はよくないよ!2人とも止め・・・おええー!」

契約を求める鬼とそれを止めるハナ。怒った鬼がハナに掴みかかろうとしますが、有無を言わせぬ
顔面パンチ
慌てて2人の喧嘩を止めようとする良太郎ですが
電車酔いでゲロ吐きそうに。もうメチャクチャ
とりあえず事の経緯も一通り説明され、ゲロも吐きそうなので一旦デンライナーから降りて帰宅することになった良太郎
ハナが現場で拾ったというテツオのキーホルダーを受け取り、これを彼に返すことにします
「あのイマジンの憑かれた子が必死に探してたのってコレだよ
僕がついでに返しておくよ。すごく大切なものみたいだったし」

ちなみに良太郎に憑いた鬼の名前は、桃太郎まんまモモタロス。劇中ではまだ明らかにされてませんがね





テツオを探して早速街に繰り出した良太郎は知った顔に遭遇。ミルクディッパーの常連・尾崎が女性を連れて歩いてます
「ややや、良太郎くん違うんだ!これは取材でさ!ホラ今事件起きてるでしょ?
キーホルダーを持った人達ばかりを狙う謎の怪物ってさァ」

良太郎にばつが悪そうに女を1人で帰し、苦しい言い訳をまくしたてる尾崎。愛理に惚れてるクセに女癖悪い男のようです
「おい、今の話は本当か?あのコウモリ野郎生きてたのか!」
「あれ?良太郎くん何か感じが・・・ちょっ・・・ひいいいいいい!?」
雑誌記者である尾崎から思わぬ情報を入手した良太王。先週爆死したはずのバットイマジンがまだ生きていたのである
よっぽど悔しかったのか、一瞬だけモモタロスが入れ替わると何の関係もない尾崎を怪力でぶん投げてしまいます。気の毒
「尾崎さんゴメンね!このことは忘れて!」
『あのイマジンがこのキーホルダーを捜して人を襲ってる・・・早く返さなきゃ!』

気絶してしまった尾崎に詫びて走り出す良太郎。モモタロスがハナに「勝手なマネすんな」と後頭部をどつかれてたのが笑える





「捜し物はコレだろ!もう人を襲うのはやめるんだ!」
ビルの屋上でようやくテツオとバットイマジンを捕まえた良太郎は彼にキーホルダーを返します
「かあさん・・・」
キーホルダーを握り締めると、さきほどまでの情緒不安定さが消えて安堵の表情を見せるテツオ
どうやらこのキーホルダーは彼のお母さんの形見だったようです。そりゃボンクラの不良でも大事にするワケだわな
「お前の望んだ物だ。契約完了だな」 えー?
キーホルダー持ってきてくれたのは良太郎だから
バットイマジンは何もしてないんですが
さも自分が契約を果たしたみたいな物言いです
それと同時にテツオの身体がパカッと真ん中から割れ、バットイマジンはその中に消えてしまいました。ちょっとグロいな

「遅かった!もうイマジンは飛んだみたいね」
やや遅れてハナが現場に到着。ちなみに割れたテツオの身体は何事もなかったように元通りになってます
「と、飛ぶって・・どこに?」
「言ったでしょ、過去よ。奴等は契約者がもっとも強く繋がっている過去に飛ぶの
目的は1つ・・・過去を変えて現在も未来も変えること」

ハナが放心状態のテツオに駆け寄りパスを彼の頭の上にかざすと、そこに2004 12/24という数字が浮かび上がった
「あなた・・・3年前の12月24日になにか思い出がない?」
「3年前のクリスマスイヴ・・・俺は友達と朝まで遊んでて・・・家にもずっと帰ってなくて・・・
母さんの容態があんなに悪くなってるなんて知らなかった!」

それは入院していたテツオの母が亡くなった日。彼は母の死に目に居合わせることができなかったのだ
翌日担当看護婦から「お母さんがあなたに」と渡された母の最期のクリスマスプレゼントが、あのキーホルダーだったのである

過去に飛んだバットイマジンは、なんと大型トレーラーを奪って街中を大暴走。無差別破壊行動を敢行する
昭和・平成ライダー合わせてもこんな暴挙を犯した怪人はそう居ません。
なかなか効率的な奴です
過去でバットイマジンが建物を破壊するたびに、2007年でもあちこちで建物が吹き飛んでゆく。一刻の猶予もありません
「良太郎!私達も奴を追うわよ」
「まだよくワカらないけど・・・やらきゃいけないって事だけはわかったよ」
「今はそれでいいわ」
促されるままに変身した第1話とは違い、今度はたしかな自らの意思で電王へと変身する良太郎
彼にその決意をさせたのは・・・破壊される街もそうだが、キーホルダーを握り締めて泣くテツオの姿に他ならなかった





「俺、参上!」
電王はすぐさまソードフォームチェンジ。モモタロスが表に出ると、デンライナーで2004年12月24日へ飛びます
ていうか
デンライナーの操作系すげえ。なんと操縦は普通の電車のような車掌室でなく
バイクが1台置かれてるだけの部屋で行われる
これにまたがった電王が右に左に動くだけでデンライナーも同じムーブを取るのだ。なにこのゲーセンみたいなシステム
暴走するトレーラーを発見したモモタロスは側面からデンライナーで体当たりし、急ブレーキをかける事でこれを強制停車
レスキュー911とかの救出劇みたいでちょっとかっけーじゃないか

途中、帽子をかぶって古びた懐中時計を手にしたすごく怪しい男がデンライナーをじっと見つめたりして(ラスボス?)
なにやら序盤からバリバリ伏線が張り巡らされてるのはいいんですが、とりあえず戦闘シーンは
超短いです
「行くぜぇ!俺の必殺技パート2!」
ええー?ものの十秒ほど取っ組み合っただけでいきなりエクストリームフラッシュ
我々大人の視聴者はこれで全然構いませんが、ライダーの戦闘を楽しみにしてる子供達にとってはあんまりな時間配分
・・・と思いきや、なんと撃破されたバットイマジンが更に禍々しい姿へと変化したではありませんか
イマジンはイメージが暴走すると、契約者の心象とは全く別の姿
ギガンデスに変貌を遂げるのだ!
戦隊で言うところの怪人巨大化です。合体ロボットがない仮面ライダーにどう戦えというのか?
いやいやたしかに人型ロボットはないが
巨大メカならあるじゃないか
「へへっ。デケエやつにはデケエやつだ!」
デンライナーの側壁がバシャバシャと展開すると、ミサイルランチャーやら犬パンチロケットなど
ワケのわからん内蔵武装がこれでもかと言うほどリフトアップ。一斉射撃を叩き込みます
ぼっがぁ――――ん!
バットイマジンギガンデスは問答無用の砲撃をまともに浴びて大爆発。なんてキタネーライダーなんだ
最初からデンライナーから降りないで戦えばいいんじゃ・・・





ラスト
見事バットイマジンを倒した良太郎は、何を思ったか気絶している3年前のテツオを抱きかかえた
「ちょっと良太郎なにしてるの!?私達だって時間を変えちゃあ・・・!」
「ちょっと。本当にほんのちょっとだけだから」

テツオを乗せ、デンライナーが向かった先は・・・・
「母さん!」
数分後。病気のベッドで息を引き取る直前の母親にすがりついて泣くテツオの姿があった
そう、良太郎は「母の死に目に会えなかった」というテツオの歴史をほんのちょっぴりだけ改竄したのである
「まだよくわかってないけど・・・こういうことなら僕にも出来そうかな」
電王としてイマジンと戦い、時の運行を守ること、その人間の人生を救うことにやり甲斐を見出した良太郎
問題アリの相棒モモタロスとの、二人三脚での「電王」の戦いが始まった。
次週へ続く!


第3話

アウトロー・モモタロー

”ばしっ!”
「いてえ!いきなり何すんだよこの!」
冒頭。知恵の輪に悪戦苦闘している最中、いきなりハナに後頭部を引っ叩かれるモモタロス
見た目の怖さに反してなんて愛嬌のあるキャラなんだろう。第3回にして主役の魅力を十二分に発揮してます
「アンタが無茶な戦い方するから良太郎の身体が筋肉痛と打ち身でボロボロよ!
もう少し考えて戦いなさいよ」
「ケッ、アイツが弱すぎんだよ。もっと身体鍛えろってんだ」

モモタロスの運動能力に肉体がついていけず、全身筋肉痛に苦しむ良太郎。この日も自転車を押してのろのろ歩いていましたが・・・
ガラの悪そうな男達から逃げる若者・山越が後ろからぶつかってきて、バランスを崩して階段から転落。またもや気絶してしまいます
「オウ!借りた金を返さないどころか盗みに入るたぁどういう了見だ?あぁん!」
「う、うるせえこの悪徳金融が!離しやがれ!」

どうやらチンピラが闇金から追われているようです。自業自得と言うかなんと言うか・・・本来ならこんな輩は無視もいいところですが
「へへっ待ってました!俺、参上!」
こんないざこざに首をつっ込むのが大好きなモモタロス。すかさず気絶した良太郎の入り込み、男達相手に問答無用の大立ち回り!
そんなハチャメチャな強さに感動した山越は、「コイツは使える」とばかりに馴れ馴れしくモモ良太郎に近づいてきました
「いやあ似合う!先輩の強さが外見にもにじみ出てますよ!」
「フッ・・・お前なかなかわかってんじゃねーか」
服屋で赤い皮のジャケットやらごついベルトのバックルやらを購入し、見た目的にもチンピラ兄貴と化したモモ良太郎イカス
「先輩のその強さを俺に貸してくれたりしません?さっき暴れ足りないって言ってたじゃないスか」
「ほう?おもしれえ話なんだろうな」

バリバリに危ない話に間違いないのに、また暴れられると聞いたモモタロスはふたつ返事でこれを承諾してしまいます
ちなみにこの闇金に追われてる男・山越を演じる俳優は波岡一喜さん。あの「ライオン丸G」の主役・
獅子丸です





「こらそこのお前!無駄な抵抗はやめてこちらへ来なさい!」
「まったく・・・今日はとことん俺を楽しませてくれる日だぜ!」
さっきの闇金の男達との立ち回りを通報されていたモモ良太郎。路地裏で警官に発見されると、逃げるどころか
ビール瓶を持って警官に襲いかかってしまう。マジ凶暴犯罪者!
警官危うし。しかしその時、デンライナーから消えたモモタロスにハナが気付いて大激怒。すぐさま彼を呼び戻します
現場に残されたのは
ワケもワカらず警官に包囲される良太郎。マジ可哀想
ハナの指示に従って近くのドアに逃げ込んだ良太郎はデンライナーの異空間に落ち延び、なんとか事なきを得るのでした

”どばきぃっ!”
「いってえ!お前そんなすぐ殴るんじゃねーよ!」
「当たり前でしょ!警察に追われるなんて何やってんのよ!まさかその服盗んだの?」
あーそうか「ハナにぶん殴られるモモタロス」は毎回のお約束シーンなのか。なかなかイカしてるな
「この俺様がんなセコい真似すっかよ。買ったに決まってんじゃねーか」
「ああ〜っ・・・バイト代卸したばっかだったのに・・・」

スッカラカンになってしまった財布を見てガックリと沈む良太郎マジ不幸人
「ほんっと最低ね。この桃太郎男」
「その呼び方はやめろ。おい良太郎、なんかカッコイイ名前考えやがれ」
「うーん・・モモタロ・・・モモタロ・・・・モモタロス?」

「あぁん?お前やっぱどっかセンスおかしいぜ!?」
たしかにな
「ス」ってどこから出てきたのかがワカらん。明らかに常人とはちょっと違ったセンスであることは違いありません
3人がギャーギャー言い合っていると、ナオミがその場を治めるように「オーナーからです」とコーヒーブレイク
「オーナー?」
「紹介するわね。こちらデンライナーのオーナーよ。私はこの人と契約してイマジンを追ってるの」
いつのまにかサロンルームの後ろで新聞を読んでいた人物が顔を見せる。恐悦そうに会釈するモモタロスが可愛いぞ
1話からずっと登場していた石丸謙二郎さんですが、台詞を喋るのはこの第3話が初となります
「にぎやかですねェ・・・ナオミくん、私にもあれを」
運ばれてきたお子様ランチをすごく嬉しそうに頬張るオーナー。なかなか変態的な人物のようです
「あの・・・聞いてもいいですか?このデンライナーって何なんです?
イマジンとか電王とか・・・僕よくワカらないままやってるんですけど」
「全てをワカってる人なんてそうは居ませんよ
でも知っていても知らなくても時間は流れますから・・・それでいいんですよ
ただこれだけは覚えていてください。チケットまたはパスがない者は・・・
何人たりとも時を超えてはならない。絶対に」

終始穏やかな表情で喋っていたのに、最後の1文だけはその顔に鬼気迫るような迫力を覗かせるオーナー
どうやらこの「時のルール」が物語の重要なキーになりそうだということが察して取れます





一方、自分のボロアパートに戻った山越。ドアには大量の張り紙に「金返せ!」の文字
どうやら借り入れてる闇金業者はあそこ1つだけではないようです。カイジの連中とか見てもそう思うんだが
コイツら本当にダメ人間だな。自業自得すぎて少しも可哀想とか思えない
そんなダメ人間・山越にイマジンが憑依。砂の姿を得たカメレオンイマジンが現れます
「ひいいっ!?な、なんだなんだ!?」
「お前の望みを言え。どんな願いも叶えてやろう。代償はたったひとつ・・・」
「望み・・・?か、金かな。死ぬほどの金があれば・・・」
いきなり現れた化物にビビったものの、聞かれた問いに思わず答えてしまう山越。たちまち契約は成立してしまう
「死ぬほどの金だな?願いは聞き入れた」
実体化したカメレオンイマジンは次々と企業などを襲っては金を集めていく
札束をがさごそ袋に詰める怪人萌え。昭和特撮の感性だなこりゃ
それにしてもイマジンが「死ぬほどの金」と強調したのが気になります。これは山越の言い方がマズかったせいで
おそらく彼が来週ピンチになるという展開でしょう。うーむ今後こういう話多くありそうだな

「化けモンが金を持って来てくれるわきゃねーよな・・・あれは夢だったのか」
そんな事とはつゆ知らない山越。ミュージシャンになるのが夢だった彼は、路上演奏でその日の小銭を稼ぎに行きます
闇金に追われてるのに
そんな大々的に人前に顔晒すなよ。本当にバカだなコイツは





「よ、待たせたな」
「あっ先輩!良かった〜来てくんないと思いましたよ!」
夜。すっかり寝入った良太郎に性懲りもなく憑依し、モモタロスは昼間山越と約束の場所へと現れた
闇金業者の事務所である。山越は無謀にもこの事務所から金を強奪するつもりなのだ
「俺が金を奪って逃げて来ますんで、先輩は追いかけてきた連中をボコってください」
「おやすい御用だ。・・・それとよ、少し俺にも分け前くれねえか?9350円」

良太郎に服代を返してやろうとするモモタロスがいい味出してます。本質的にはいい奴なんだけどなぁ
「何言ってんスか!分け前ならそんなはした金じゃなくもっと沢山あげますよ!」
「ようし、行ってこい!」

「アンタ・・・何やってんのよ!」
事務所に入っていく山越の後姿を見送ったそのとき、モモ良太郎は背中に凄まじい殺気を感じておずおずと振り返った
「いやこれはだな、そのうぼぁ!」
「あっ、しまった今は良太郎の身体だったわ・・・ゴメン!」
もはや怒り心頭に達したハナである。
いきなり顔面パンチを叩き込むあたり、問答無用です
「信じられない!まさか今度は強盗だなんて!」
「強盗じゃねえよ!その用心棒だ!」
「同じよバカ!」

懸命に言い訳をするモモタ良太郎だったが、そこへ都合よくカメレオンイマジンが現れて喧嘩は一旦中断となります
「イマジン!しかも実体化してる・・・もう既に契約者が?」
「へへっ・・・イマジン相手なら暴れても文句はねえよなぁ?」





「俺、参上!」
「ほう・・・特異点に取り込まれたマヌケとはお前の事か」
「その言い方は気にくわねえな・・・俺はこういうのが好きでやってんだ」
颯爽とカメレオンイマジンの前に立ちはだかった電王ですが、何故かカメレオンはモモタロスの事を知っていました
どうやらイマジン同士の間には何か特殊なネットワークシステムが存在するらしいということが伺えます
面倒な邪魔者は力で排除する!と武器の鞭を取り出すカメレオン。電王もデンガッシャーを構えてこれを迎え撃つ

「終らせてやろう。特異点ともどもな」
「少しは自信があるってか?だがな・・・俺は最初からクライマックスだぜぇ!」

で、今週の戦闘シーン。相も変わらずモモタロスのソードフォームはべらぼうに強く、カメレオンイマジンを圧倒する
俺の必殺技パート2をかろうじて回避したカメレオンは、分が悪いと判断しその場を撤退
変身を解除したモモ良太郎はすっかり忘れていた山越の事を思い出し、闇金事務所へと走って戻ります

「ああっ先輩ひどいっスよ!どこ行ってたんスかぁ〜!」
ちょうどそこで強面の男たちに追われた山越と合流。あとは連中をボコれば無事ミッションコンプリートですが・・・
『また僕の身体を勝手に使って・・・早く出ていってよ』
「お、オウ良太郎起きたのか。今ゴタゴタしてるからよ、もう少し待ってくれ」
『ダメ!これは僕の身体なんだから早く出て行って!』

なんというバッドタイミング。目を覚ました良太郎に怒られ、モモタロスは身体から追い出されてしまいます
本来の性格に戻ったとたん、殺気立ったおっかない顔の男たちに囲まれてしまう良太郎。心底不幸すぎる
「またテメーか!今度は負けねえぞ!」
「な・・・なんでこうなるの?」
十数人の得物を持った男達に囲まれて絶体絶命の良太郎&山越。はたしてこのピンチをどう切り抜けるのか?
次週へ続く!


第4話

サブタイトルセンスがなかなか洒落てて良いと思いますた
鬼は外!僕はマジ

ワケもわからず悪徳金融業者の男達から逃げる良太郎と山越
ようやく追っ手を振り切り落ち着くと、ここで初めて良太郎は自分が強盗の片棒を担いだということを知ります
「ハァハァ・・・これだけしか盗ってこれなかったけど・・・まぁ結果オーライってことで
はいこれ。先輩の取り分です」
用心棒の仕事まったくしなかったのに、ちゃんと良太郎に分け前をくれる山越。
お人好しすぎる
「強盗なんて許されないよ」と山自首を勧める良太郎でしたが、山越は「自分には金が必要なんだ」とこれを拒否
そこへ突如カメレオンイマジンが現れ、山越をかっさらってその場をトンズラ!良太郎はおおよその事態を察する
「イマジン・・・あの人イマジンに取り憑かれてたんだ!」

「契約は必ず果たす・・・お前はそれまで大人しくしていろ」
アパートに山越を連れ帰ったカメレオンイマジンは、皮袋からドサドサと大量の札束やら小銭をひっくり返します
恐怖におののく山越には目もくれず、
再び街へ強盗に繰り出す怪人。シュールだな
「ひいい〜っマジだったのかよ・・・ヤベエよこれ。ヤベエよ・・・・!」

一方、夜の騒動で良太郎とはぐれたハナは翌朝早くにミルクディッパーを訪問。そこで良太郎の姉・愛理と出会う
まだ良太郎は帰宅しておらず、焦るハナはすぐに店を出ようとしますが、愛理は彼女を呼び止めコーヒーをご馳走します
「良ちゃんのお友達をタダで帰すわけにはいかなわ。さあどうぞ」
「・・・すごく美味しい・・・!いつも飲んでるコーヒーと全然違う」
ナオミのコーヒー酷い言われ様。それもそのはず、テレ朝公式のナオミの人物紹介には
「とてつもなくマズイコーヒーを炒れることができる」という一文が。どんだけ酷いコーヒーやねん
ミルクディッパーの美味しいコーヒーと愛理の癒し系キャラに触れ、ハナはしばしの和みの時間を楽しむのだった





「泥棒じゃねえっての!用心棒つったろーが!」
「分け前まで要求しておいて何言ってんのよ!」
「ありゃあ良太郎に返してやろうと思ったんだよ」
「・・・そんなお金は僕要らないよ」
ようやくデンライナーで合流した良太郎・ハナ・モモタロスだったが、良太郎は泥棒に手を貸したモモタロスがどうしても許せない
「もうモモタロスは呼ばない。一緒に戦いたくない」と怒気満々で言い切る良太郎に、流石のモモタロスもへらず口を返せません
「お、おい良太郎そんなマジになって怒んなよ・・・」
「人にお金を要求したり取り上げたり・・・そういうの好きじゃない
大切なものとかお金とか・・・なくすのってツライよ・・・・そうだ
まだ言ってなかった願い、
モモタロスが僕から離れるってのダメかな?」
「バッ・・・!そんなのダメに決まってんだろ!て言うかモモタロスはやめろって!」

良太郎の静かな怒りっぷりがスゴイ迫力。「温厚な奴ほどキレた時は怖い」を地でいってます
かくして「相棒」とほぼ絶交状態で山越のアパートへと向かう良太郎とハナ。1人残されたモモタロスの心中ははたして・・・?

「望みは”死ぬほどの金”だったな」
「ひいい・・・も、もうやめてくれ〜っ!」
その頃、山越の部屋は既に
札束の海。身体がすっかり札に埋まり、顔だけなんとか出てるような状態でした
「死ぬほどの金」という契約を律儀に果たすと言うならば、このまま部屋をギッチリ金で埋め尽くされて窒息死してしまうのか?
・・・と思いきや
「これくらいで十分だろう。契約は完了した」
なんか勝手に自分で「これくらいでOKな」と契約を完了させてしまうカメレオンイマジン。
割とアバウトです
かくしてカメレオンイマジンは山越の過去を開き、まんまとその時間へとジャンプしてしまいます。あー・・・そういえばそうか
よくよく設定考えてみたらイマジンが契約者を殺すことなんて絶対ないのか。過去への扉が失われてしまうワケだからな





「くっ!遅かった・・・あなた、2006年の3月15日に何があったか覚えてない?」
「忘れるはずがねえ・・・俺が最高にマヌケだった日さ・・・」
カメレオンイマジンから僅かに遅れてアパートに駆けつけた良太郎とハナ。山越はせつせつと過去を語り始めます

2006年3月15日。売れないバンドをしていた山越とその仲間達は、決着をつけるためオーディションに臨むはずだった
「このオーディションでいい結果が出なかったらもうバンドは解散しよう」、と
しかし山越は会場に向かう途中で迷子の女の子を発見し、持ち前の優しさで彼女を交番に送り届けてしまう
結果、山越はオーディションの時間に間に合わずバンドは失格。メンバーは散り散りになってしまったのだった

「みんなはそれなりに諦めてたようだったけど俺だけはどうしてもモヤモヤして・・・
金さえあればデビューできると思って、借金までしてCD自主制作したけどダメだった
本当にバカだったな俺・・・
金でデビューしたってモヤモヤが消えるハズないのに・・・!
先輩、巻き込んでしまってスイマセンでした」
「ううん。勝手に首をつっこんだのはこっちのほうだから」
過去の自分を振り返って行いを悔いる山越。無論後悔しているのは女の子を助けたことではない
金でデビューを買おうとした自分の浅はかさである。そんなことで満たされた夢なんて意味はないのに・・・
山越の持つ本来の優しい性格を感じ取った良太郎は、彼の過去を救済することを強く決意するのだった
「急ごう良太郎!早くあのイマジンを倒さないと!」
「うん」
プラットフォームに変身した良太郎はカメレオンイマジンを追って2006年3月15日へとデンライナーを走らせる





2006/3/15
バットイマジンの時と同じように、手当たり次第無差別に街中を破壊して回るカメレオンイマジン
どうも現行までのハナの説明や、公式サイトの設定文を読んでも理解できないんですけど
「過去で無差別に破壊活動をすること」がどうして彼等イマジンにとって有意義な歴史改竄になるんでしょうか?
なんかこの辺の設定がえらいテキトーすぎて納得できません
まぁ今後話が進むにつれてこの辺の疑問点を細かく補完してくれたらいいんですけど

「ちょっ・・・良太郎、ホントに馬鹿モモ抜きで戦うつもりなの?」
「僕のことはいいから早く彼を!今ならまだオーディションに間に合うかもしれない」
ターゲットを見つけた良太郎は宣言通りモモタロスを呼ぶことなく、無謀にもプラットフォームのまま単身戦いを挑みます
2話の時と同じように
山越の過去を改竄しようとしてますがハナも止めようとしません
コイツ等そのうちTPぼんに捕まるよ!
懸命に戦う良太郎ですがカメレオンイマジンとの実力差は歴然。ボコボコにされる姿にハナもモモタロスも気が気ではない
「フフン。どうやらその姿では本来の戦闘力を発揮できないようだな」
「無理だよ良太郎!早くモモタロスを呼んで!」
「バッキャローなに意地張ってんだ!死んじまうぞ!」

気弱なクセに異常なまでの意地っ張りの良太郎。お前の力を借りるくらいなら死んだほうがマシだという断固たる意思表示か
良太郎が傷つく度に、そわそわしながら電車の中を行ったり来たりするモモタロスの描写がまた彼の優しい本質を表してます
「ああもうわーったよ!約束するよ!もう二度と泥棒したり金を要求したりしねえ!
だから俺を呼べよ!良太郎!」

その気迫と覚悟に負け、ついに喧嘩はモモタロスの方から折れる形に。だが良太郎は死にそうなクセに更に一言付け加える
「・・・・ゴメンなさい、は?」
「あぁ!?」
「悪い事をしたら・・・ゴメンなさい、でしょ・・・」

悪い事をしたらゴメンなさい!
平成ライダーはとかくシナリオが複雑だったり、人間側に悪党が多かったりしておよそ「子供向け番組」としては内容がアレでしたが
この大事な場面でモモタロスの犯した悪事をないがしろにせず、子供の視聴者にバシッと道徳を説くナイスなシナリオ。素晴らしい
良太郎の迫力に圧され、モモタロスはさながらお母さんに怒られた子供のように叫ぶのだった
「ごっ・・・ゴメンなさーい!」

『ソードフォーム』
モモタロスの謝罪とともにBGM
『Double-Action』スタートし、電王がソードフォームへと変身する
『Double-Action』を歌うのは佐藤健と関俊彦さん。つまり
良太郎とモモタロスのデュエット!
喧嘩していた2人が仲直りした瞬間にこの曲がかかるとは
死ぬほど燃える演出です。電王最高
「俺、ようやく参上!」
「現れたか。だが今更出てきたところで遅い!」

「ハッ!今更もクソもねえんだよ・・・言ったハズだぜ?
俺は最初から最後までクライマックスだってなぁッ!」

モモタロスお決まり文句が普段の100倍増しでカッコよく聞こえます。この燃え演出のパワーは本当にすげえな・・・
怒りに燃えるモモタロスの力はカメレオンイマジンを圧倒。たちまち形勢は逆転し、いつもの必殺技タイムへ雪崩れ込む
「今日の必殺技は一味違うぜ・・・
俺の必殺技パート2ダッシュ!」

ずぎゃーっ!どばーん!!!
『同じじゃん!』
気分で名前を変えただけで普通にエクストリームフラッシュでした。笑い合う良太郎とモモタロスが良い感じです





「感心しませんねェ・・・たしかに男1人がオーディションを受けたか受けられなかったか
それくらいのことでは時の運行は変わったりしませんが・・・」

ラスト。現代に戻るデンライナーの中で、良太郎の取った行動に苦言を呈するオーナー。やっぱ良くない事なのね
迷子の女の子はハナが保護し、山越にオーディションを受けさせてやったものの、結局結果は不合格だったのだ
しかし変わったことは1つだけあった。山越が金ではなく、
自分の力でもう一度夢を追う決意をしたということだ
「でもそれだけです。変わったのはそれだけ。変える意味はありません
それに・・・流れる時は決して戻らないからこそ美しいのだと思いますよ?」

「僕のしたことは・・・意味なかったのかな?」
「それでも・・・変えたいと思う時間はやっぱりあると思うわ」

「君のしたことは無駄だ」と釘を刺されて沈む良太郎を励ますハナ。彼女も何か過去に傷を持っているんでしょうか
「おい良太郎、お前ヘナチョコかと思ってたがなかなか頑固で根性あるじゃねえか
まぁモモタロスってのはセンスねえけどよ・・・
呼びたきゃ勝手に呼べよ」
「うん、そうするよモモタロス」

照れながらも良太郎と仲直りしたモモタロス。奇妙な友情を確かめ合う2人の主人公だった。次週へ続く!


第5話

「僕に釣られてみる?」

「はい、モモちゃんをイメージして作った特別製よ」
「オウわかってんじゃねーか。・・・うん、うめえ!」
冒頭デンライナー車内。毒々しい色の生クリームがこんもり盛られたナオミ特製のコーヒーを飲むモモタロス
流石に「とてつもなく不味い」というだけあってすごいビジュアルですが、イマジンの味覚にはどうやらベストヒットみたい
「なんだ?何か匂うな・・・・イマジンの臭いだ」
「イマジンはアンタでしょーが」
「あぁそうか。そう言えばそうだな」
突然のイマジンの気配に緊張するモモタロスでしたが、ハナにツッコミを入れられるとそれでアッサリ納得してしまいます
しかしその頃、良太郎に迫る光る球体が・・・・・





「監督、気分が悪いので帰ります」
「大輝お前またそんな・・・ベンチにいたって戦力にはなるんだぞ。おい待てって!」

少年サッカークラブの試合中。ベンチで味方のプレイを見ていた少年、大輝は監督にそう告げ逃げるようにグラウンドを出た
実は彼は先日スタメンから外されてしまい、そのせいでクサっているのである
まったくの甘蔵です。そんな心構えなら最初からスポーツなんかやんな小僧と言いたい
面白くない大輝が思いっきり蹴飛ばした小石が、ちょうど自転車で通りかかった良太郎を直撃する。よくよくツイてない男です
謝ろうとした大輝がおずおずと転倒した良太郎に近づいた・・・その時だった
「あ、あのう大丈夫ですか・・・うわっ!」
「あいたた・・・いったい何が・・・?うわあ!」

すぐ脇を通りかかったトラックが急ハンドルを切ったせいで、荷台から崩れた荷物が2人の上にドサドサと落下!
すぐさま通報で救急車が駆けつけ、病院へと搬送される2人。その時、良太郎の瞳には何やら怪しい青い光が宿っていた

「バカな・・・ちくしょうやられたッ!」
「どうしたのよバカモモ」
「良太郎の身体がイマジンに乗っ取られたんだよ!

やっぱさっきのは気のせいじゃなかったんだ!
どこの誰だか知らねえがふざけやがって・・・
俺がいるってわかるだろうに」

荷物の激突で気絶してしまった良太郎の身体に入り込んだ謎のイマジン。先客であるモモタロスは怒り狂います
「そんな!良太郎は今どこに?」
「気絶してるからわかんねえ。でもコイツはぜってー追い出してやる!」





「良太郎が事故に巻き込まれて?ハイ・・・ハイ。わかりました。ありがとうございます」
すぐさま搬入先の病院からミルクディッパーに連絡が入りますが、弟の不幸を知り尽くしている愛理などは慣れた反応
「これくらいなら年に2、3回はあるんですよね」などと、まるで動じてません。流石不幸の塊のような男
しかしながら愛理に取り入りたい尾崎と三浦にとっては具合のいいチャンス。いそいそと良太郎の見舞いに向かいます
「三浦クン、なんで僕の後をつけてくるんだい?」
「フフン白々しい。君の下劣な考えはお見通しなんだよ
愛理さんに取り入るためにまずは良太郎くんから・・・ってとこだろう?」

互いに我先にと早歩きになる2人でしたが、尾崎は言葉巧みに三浦を引き剥がす
「おっと、見舞いに行くのに手ぶらはマズイな。何か買っていかないと」
この言葉に誘導されて見舞い品を買いに店へと入る
バカ正直な三浦。尾崎も思わず笑ってしまいます
「・・・まったく、可愛いくらい単純だねぇ。アハハハハ!」
まったくもって三浦は萌えキャラ

まんまと三浦を出し抜き、先んじて良太郎の病室へやってきた尾崎だったが、そこで彼は予想だにしなかった光景を目撃する
大勢の若い看護婦や女性患者たちに囲まれ、チヤホヤされる良太郎の姿であった。なんだこのハーレム状態
「何でも言ってね良太郎君。なにか欲しいモノとかある?」
「欲しいモノですか・・・?『愛』かな」

歯の浮くような甘い言葉で女性たちの心を鷲掴みにするフェミニスト良太郎。言うまでもなく喋っているのは新しく憑いたイマジンである
声優は
遊佐浩二さん。代表作品一覧を見ると脇役ばかりが異様に目立ちますが
女性ウケしそうな声質とクールな演技はかなり素敵な感じです。近年の代表キャラだとブリーチのギンでしょうか

「婦長さんの手、握ってると安心するな・・・一昨年亡くなった姉を思い出します
たった一人の家族だった姉を・・・」

姉ちゃん勝手に殺しました。次から次へとペラペラ紡がれるウソ八百。尾崎も感心してしまいます
「君・・・ホントに良太郎くんだよね?」
「しっ。気をつけたほうがいい・・・言葉の裏には針千本。千の偽り万の嘘
それでもいいなら・・・
僕に釣られてみる?」

「僕に釣られてみる?」はモモタロスの「俺参上」「クライマックスだぜ」に相当するこのイマジンの決め台詞みたい。キザだなー





「やるじゃないか良太郎君。こないだから何か変だとは思ってたけどね
いやあ説明は要らないよ。男同士、この事はお姉さんには黙っておこう
代わりと言っちゃなんだけど・・・街で会った時の事はお姉さんには内緒で頼むよ」

女ったらしに変貌した良太郎を組み易しと踏んだ尾崎。愛理以外に女がいることを内緒にしてくれとぶっちゃけます
この言葉に憑依良太郎の伊達メガネがキラリと光る
「そう言えば姉がいつもあなたのことを話してますよ」
「ええホントに?いやあそろそろ脈が出てきてもいいかなと思ってたんだよね!
10段階でいったら7くらいまで行ってない?ね?」
「それは帰り道でゆっくり話しましょう
実はもう退院して良いって言われたんですけど、今持ち合わせがなくて
でも未来のお兄さんに甘えるのも・・・」
「なに水くさいコト言ってんの良太郎くん!もっと頼ってよ!」

「未来のお兄さん」などと呼ばれて有頂天になった尾崎は疑いもなく良太郎に財布を渡してしまう
「じゃあ会計済ませてきますから待っててくださいね」
病室に尾崎を置き去りにし、財布だけいただいてまんまと病院をトンズラする良太郎。マジ詐欺師

一方その頃。良太郎と一緒に搬送された大輝の病室に新たなイマジンが現れ、大輝に契約を迫っていた
「お前の望みを言え。どんな望みも叶えてやろう。差し出す代償はたったひとつ・・・」





「良太郎くん!もう出歩いて大丈夫なのかい?あ、これお見舞いね」
病院の外へ出た良太郎を発見し、フルーツバスケットを持ってパタパタ走ってくる三浦萌え
憑依良太郎が「なんかウザそうなのがきたなぁ」と思っていると、そこにモモタロスの意識が強引に入り込みます
「この野郎!人の家、土足で踏み込みやがって!」
「ええ?ここ土足厳禁!?」
新参者のイマジンに対して怒鳴り散らすモモ良太郎。自分が怒られてると思ってオロオロする三浦萌え
『この身体いいよねぇ。ボクにも使わせてもらおうと思って』
「ふざけるな!この身体は俺のモンなんだよ!」

モモタロスと新参者の陣取り合戦。しかし良太郎が意識を回復した事により、2人は身体を追い出されてデンライナーへと飛ばされる
「まったく・・・人が気絶してる間に好き放題やってくれちゃって」
「りょ、良太郎くん今のはいったい・・・」
ようやく自己を取り戻した良太郎だったが、駆けつけたハナが合流するや新たなイマジン、クラストイマジンを見つけてしまう
何が起きているのかサッパリな三浦に事情を説明する間もなく、2人はクラストイマジンを追うことに
「嘘・・・もう一匹いたなんて!追うわよ良太郎!」
「う、うん!三浦さんゴメンなさい、話はまたあとで!」
「間違いない・・・あれはおそらく・・・」
二転三転した良太郎の人格になにやら興味を示した三浦。この人、公式の設定で「自称スーパーカウンセラー」とあります
今後はおそらく良太郎を多重人格者だと思い込んで、いろいろと治療方を試したりするんでしょう。うーんとことん面白い男だ

「フーン、憑いた人間のイメージの姿になるって聞いてたけど・・・」
「なに見てんだよコノヤロウ。良太郎のセンスの悪さはハンパねえぞ」
「なるほどたしかに」

デンライナーで実体化した新参者の姿は青いイマジン。モモタロスが鬼なのに対し、スマートなウミガメのような姿格好です
鬼型のモモタロスが桃太郎のイメージから生まれたと言うのならば、この新参者のイメージはおそらく・・・
「良太郎ちゃんのことだからきっと浦島太郎ね」
「かかか!コイツはいいや。よしお前はウラタロスだ!決着付けようやウラタロス」
「勝負?そういうのやめない?面倒だからさぁ」

あくまで良太郎に憑くのは自分1人だ、と決着をつけようとするモモタロスですが、ウラタロスの反応はテキトーと言うか超ドライ
「別に白黒つけなくても共存すればいいじゃない」という考えのようです。基本的には平和主義者で無害なイマジンみたいね
「チッ、お呼びがかかりやがった。ちょっと待ってやがれ」
ちょうどそこで電王に変身した良太郎に呼び出され、戦闘へと向かうモモタロス。勝負は一旦お預けです





「俺、参上!」
「ぬう!?何故同胞の邪魔をするキサマ!俺は戦うつもりはない!」
サッカー帰りの少年を襲おうとしたクラストイマジンの前に立ちはだかる電王。なるほど大輝の願いは「またレギュラーになりたい」か
おそらくレギュラーの子供が1人死ねば大輝がレギュラーになれるという短絡的な犯行でしょう。イマジン怖いな
しかし好戦的だった過去2匹のイマジンと違い、クラストイマジンは妙にヘタレで自ら仕掛けてこようとはしません
ピョンピョンと跳びまわって電王の猛攻を避けまくり、橋の上から大きくジャンプしてその場を去ろうとしますが・・・・
「カニが飛ぶなァッ!」
ドカァッ!”ばごん!”
思いっきり蹴りつけた公園の大きな石が、逃げようとしたクラストにクリーンヒット!見事なボールコントロールですモモタロス
あとは例によってトドメを刺すだけですが、ここで電王を思いも寄らなかった異変が襲う
「行くぜ!俺の必殺技パート・・・・う!?なんだ身体が!」
『ごめんモモタロス・・・僕の身体、相当キテるみたい・・・』
2匹のイマジンに憑依され、好きに身体を使われた良太郎の体力は既に限界だったのだ。とてもじゃないが必殺技など撃てない
結局、この一瞬の隙を突いてクラストイマジンはんまと逃走してしまう。しかし襲われた男の子は無事。これだけでも良しとせねば

「待たせたな。さあ決着つけようやウラタロス」
「やれやれ・・・マヌケを釣るのに餌は要らないねホント」
「わあ桃太郎VS浦島太郎だー。どっちも頑張れー!
デンライナーへ戻ったモモタロスはいよいよウラタロスと大ゲンカを開始。無責任に2匹を焚きつけるナオミはひどい女だな
狭い車両の中で大暴れする2匹のイマジンのせいで、デンライナーは右へ左へガッタンゴットンの脱線寸前。あぶねー
果たして勝者はどちら?そして力尽きた良太郎の身体は無事なのか?
次週へ続く!


第6話

詐欺師の品格

「いい加減にしなさいアンタ達!デンライナー壊すつもり?
時の狭間に投げ出されたら、永遠に時間の中を彷徨うことになるのよ!」

「いやあ美しい・・・僕気の強い女性って好きなんだよねぇ」
ハナの怒号によりようやく沈静した2人のイマジンの大喧嘩。早速ハナに色目を使ってヘコヘコするウラタロスは流石の処世術
ウラタロス本人はもうすっかりここに厄介になるつもりのようですが、面白くないモモタロスは一応釘を刺しておきます
「お前ワカってんのか?良太郎はなぁ・・・」
「うん、
特異点でしょ彼?デメリットなしにメリットは得られないよ」
「!・・・そう、解ってて憑いたの。ならある意味安全だけど・・・
でも過去に遡って未来を変えるっていうアンタ達の目的は果たせないのよ?」
「あぁ、僕そういうの興味ないから。やりたい奴にやらせとけって感じ?
それよりもこうしてハナさんと出会えたことのほうが大切だなぁ」

良太郎を「特異点」とわかっていて敢えて憑いたというウラタロスに驚くハナ達
どうやら彼等イマジンにとって「特異点に憑く」ということは、デメリットだけでなく何らかのメリットもあるみたい
しかも彼自身は時間の改竄などにまったく興味なく、とりあえず嘘つきなだけで実害のあるイマジンではないようです
 
「ハナさん、僕特異点についての説明ってまだ聞いてないんだけど・・・」
「今度ゆっくり説明するわ。今はあのイマジンの契約者を早く見つけださないと」
いや早めに教えておけよ
どんだけ時間かかるのか知らんけどさ。そういうのって重要事項なんだから後回しにすんな
「良太郎はここで休んでて。今のあなたはとにかく体力を回復しないと」
そういうワケで良太郎をデンライナーに残し、ハナは単身クラストイマジンの契約者探しに奔走します





『篤志・・・雄介・・・まさか本当の事だったなんて。どうしよう・・・どうしよう・・・』
その頃。入院中の大輝はサッカーのチームメイト達が次々とイマジンに襲われ、入院してくる事態に一人怯えていた
無論、大輝に友達を傷つけようなどという気持ちは微塵たりともなかった
『もう一度レギュラーになりたい』
その願いを聞いたクラストイマジンは、レギュラーメンバーの襲撃という短絡的な方法で叶えようとしたのである
次々と同じサッカークラブの少年が襲われるという事件に、ハナは再び病院を訪れ聞き込みを開始
怯えて病室を逃げ出した大輝をとっ捕まえて問いただすハナだったが、大輝は何も知らないと嘘をつくしかできなかった

一方その頃デンライナー
「うーん・・・案外静かすぎるというか・・・やる事なくて退屈だねぇ」
「ハン言っとくがな、お前が居なかったら楽しい電車なんだよ!」
暇を訴えるウラタロスにキレ気味に噛み付くモモタロス。すると返ってきたのは、意外にもシリアスなリアクション
声のトーンを一段落とし、窓の外に広がる殺風景な砂の世界を見つめながら、ウラタロスは切々と語り始めました
「そう言うなよ・・・僕は長いことあの時の砂の中に居たんだ
一年以上もずっと独りで・・・時の砂の中を彷徨ってた
”いつか必ずあの電車に乗るんだ”って
砂の味しかしない唇を噛み締めてね・・・
ようやく・・・ようやく手に入れたんだ・・・自由を・・・」

「ウラタロス・・・」
「ウラちゃん・・・」

「そ、そうだったのか・・・お前そんな・・・うくッ!」
可哀想な身の上話を聞かされてしんみりする3人。特にモモタロスは目頭を押さえてプルプル
コイツ本当に絵に描いたような善人だな





「あ、良太郎いる?」
「良太郎ちゃんならウラちゃんと一緒に出かけましたよ」
「ハァ!?
良太郎には休んでおけって言ったじゃない!
またイマジンに身体を使わせるなんて何考えてんのよ!」

おそらく契約者と思われる大輝の身柄を確保したものの、なかなか当人が吐こうとしないので一度良太郎に連絡を入れるハナ
ところがぎっちょん。ウラタロスの身の上話に同情した良太郎は、彼に身体を貸して街へと遊びに繰り出していた
烈火の如く怒るハナ。ナオミとモモタロスは涙ながらに「ウラタロスは可哀想な奴なんだ」、と彼を弁護するのですが・・・

「まぁ落ち着けハナ。良太郎の気持ちも汲んでやってほしいつーか・・・
アイツもあれで結構可哀想なヤツだったんだよ。実はな・・・(中略)
そ、それでよ・・・・
砂の味しかしない唇を噛み締めてよッ・・・うくッ!」
「バカねアンタは!イマジンは2007年に来てすぐ人間に憑くんでしょ!
なんで1年も時の砂の中にいるのよ!?」

「・・・あっ!?」
「砂の味しかしない唇?なんで実体を持たないのに唇が噛めるのよ!
アンタそんなんじゃウラタロスに良太郎の身体取られるわよ!」

「あッ・・・あッ・・・あんにゃろう〜ッ!!」
そう、ウラタロスの可哀想な身の上話は全て
同情を誘う為の嘘っぱちだったのだ
じだんだ踏んで悔しがるモモタロスとナオミ。一瞬で嘘を看破したハナが賢いのか、騙された3人がアホなのか





そんなこんなでしばし後、ウラタロスの気が済むまで遊びまくった良太郎は大輝を連れたハナと合流
「契約者なら僕が知っているよ」と、ここでもウラタロスがしゃりしゃり表に出てきますが・・・
「そう、覚えてるぞ。アレはたしか遊園地だったかな。行こうハナさん」
「アンタね・・・いい加減にしなさいよ!こんな時まで嘘ばっかり!」

やはりというかなんというか、ウラタロスはただハナと遊びたいが為に出てきただけ。ハナでなくとも怒ります
「釣られてくれないんだ?人生は千の真実と一つの嘘だよ?」
「真実から逃げることを嘘って言うのよ。卑怯だわ
私そういうの大ッ嫌いだから!」

ウラタロスの生き様を真っ向から否定するハナ。そんな説教を傍らで聞いていた大樹は心揺さぶられる
「ゴメンなさい!俺があの怪人と契約したんだ!
でも俺・・・みんなが怪我すればいいなんて思ってなかった!」

ようやく真実を打ち明けてくれた大輝。これもウラタロスが嘘をついてハナに怒られたおかげ。ケガの巧妙というやつです
しかし次の瞬間クラストイマジンが現れ、「契約は果たしたぞ」とぬかして大樹の過去へ飛んでしまいます。何て忙しない
実際は
レギュラーメンバーが怪我しただけで大輝はまだレギュラーになってませんから、
「大輝をレギュラーにする」という契約を果たしたとは言えないと思うのだが。
結構このへんテキトーね
早速良太郎達もデンライナーに乗ってクラストイマジンを追いかけます
行き先は半年前、大輝のレギュラー落ちのきっかけとなった、大事なPKを外してしまった試合へ


「このカメヤローが!よくもあんなナメた嘘ついてくれたな!」
目的地に向かうデンライナーの中で、再び激突するモモタロスとウラタロス。流石にモモタロスがキレるのも解るというもの
取っ組み合いの喧嘩が始まりそうになったその時、オーナーの迫力のこもった一喝がウラタロスを黙らせた
「揉め事は困りますねぇ!問題はパスがあるかないか、です
良太郎君、キミが一言「このイマジンとパスを共用しない」とさえ言えば
即刻彼をデンライナーから退去させますが?」
「ハン!当然だなそりゃ!言ったれや良太郎!」

「もし追い出したら・・・ウラタロスはどうなるんですか?」
「時の狭間を彷徨い続けます。永遠にね」
「・・・・・・ッ」

「・・・・」
思わず言葉に詰まる良太郎。流石にこの場面では軽口を叩くこともできず、直立不動で押し黙ってしまうウラタロス
なんてヘビーなルールなんだ
いくらウラタロスが素行に問題のあるイマジンと言っても、「永遠に時を彷徨う」と言われて「ハイ追い出します」と言えるでしょうか
それでなくとも良太郎は優しさが服着て歩いてるような青年。逆立ちしたってそんな酷いことできるハズがありません

「大輝君が本当の事を打ち明けてくれたのは、ハナさんに怒られるウラタロスを見たからだよね
きっと
ウラタロスはワザとやったんでしょ?大輝君が自分から言い出すように」
「・・・・・!?」
「嘘は悪い事だけど・・・
人の為に嘘をつけるなら悪いやつじゃないかな
って。オーナー、ウラタロスの扱いはこのままでお願いします」

本当に聖人だよコイツは!
当然ながらウラタロスに良太郎が言うような思慮があったハズもありません。彼は大甘良太郎の寛大な器量に助けられたのです
「・・・・釣った魚に助けられる・・・か。僕としたことが・・・フフ・・・カッコ悪いな」





2006年 10/15
今まさにPKを蹴ろうとする大輝から出現するクラストイマジン。例によって破壊の限りを尽くさんと暴れようとします
が。ブン投げた鋏ブーメランから人々を護るように、
いきなりデンライナーが到着
3体目にして初の「一切破壊活動出来ずに戦闘に突入した駄目イマジン」になりました
なんというか・・・この駄目さ加減。
「流石は蟹」といった扱いです。デスマスクとかシザースとかな
戦闘内容も情けなく、先週同様ピョコピョコ逃げ回るだけ。しかし海辺まで逃げてきたところで立場は逆転します
ザッパーン!
「りょ、良太郎やべえ!俺・・・泳げねえ!」
『ええ〜っ!?』

海中に引き込まれてしまった電王。こともあろうかモモタロスはカナヅチだった為、ほどなくして溺れて絶体絶命のピンチ
しかしその時。死を覚悟した良太郎の耳にウラタロスの声が届いた
「良太郎、僕の嘘を勝手に安っぽく解釈してもらっちゃあ心外だな
僕の嘘はあくまで自分の為につく嘘さ。でも・・・・
僕が泳げるのは嘘じゃない」

「ウラタロス・・・!」
「呼びなよ。キミに死なれたら僕も困るし」

電王ベルトの青いボタンを押す良太郎。途端にソードフォームの赤い装甲がパージされ、青い装甲が換装されていく
変身!仮面ライダー電王・ロッドフォーム!
海底で溺死寸前だった電王はロケットのように浮上。勝ち誇って油断していた蟹をボコボコにのします。流石は蟹!

再び海中へ逃れた蟹もウラタロスは逃しません。デンライナー「イスルギ」召喚!
ソードフォーム専用の赤い戦闘車両
「ゴウカ」に対し、ロッドフォーム専用の青い戦闘車両です
うーん各フォームにそれぞれ専用車両があるとは・・・電王メカ設定贅沢だなぁ。バンダイ玩具売る気満々だ
「あ〜あ、そっちに逃げちゃっていいのかなぁ。とんでもない大渦があるのに」
「な、なに!?」
「嘘だよ」

イスルギから分離したフローティングボードで蟹を追撃する電王。得意の嘘で蟹を惑わせ、見事な一本釣り!
「き、キサマ卑怯だぞッ!」
「よく言われるよ」

完全に台詞が善悪逆です。良いなこういうヒーロー。すげえ新鮮だ
再びデンガッシャーロッドモードでタコ殴りにされる蟹。蟹なのにタコ殴りとはこれ如何に
「そろそろ三枚におろすか」
『フルチャージ』
ウラタロスの必殺技が発動。フルエネルギーを溜め込んだデンガッシャーを槍投げのように蟹に向かって投擲!
胸に突き刺さった槍から生じる青いエネルギーが対象を捕縛し、そこに向かってトドメの跳び蹴りを見舞います
ロッドフォームの必殺技蹴りかよ!ソードフォームよかライダーっぽいじゃないか
どごばーん!!!かくして駄目蟹あっさり死亡
なかなかカッコいいのですが、「喰らえ僕の必殺技!」とも言いませんし、公式にもまだ技名が明記されていないので
今んとこ
名無しの必殺蹴りです。勿体無いな

「ギャオオオオオオオオオン!!!!」
「やれやれ・・・でかいのは逃した魚だけじゃないみたいだな」
やられた蟹はギガンデス化し、リヴァイアサンみたいなでっかい海竜に変化。かなり格好いいです。蟹のクセに
すぐさまゴウカも駆けつけ、イスルギとの2車両合同による
海上怪獣大決戦に突入。何気にCG大迫力
ほどなく2両の集中砲火によってこの強敵も難なく撃破。ロッドフォームはデビュー戦を華麗にな勝利で飾るのでした





「大輝君、練習頑張ってレギュラーの座を取り戻すってさ
今まで逃げてただけだって気付いたみたい」

「ふふ・・・逃げて、嘘ついて、誤魔化してこその人生だよ?
それを良太郎に教えるのが僕の役目ってトコかな」
「こら、やめなさいよウラ」
「この亀ヤローが。俺はまだテメエを許しちゃいねえからな」
ラスト。戦い終えてデンライナーの中で談笑する主人公達。とりあえず今回の件でウラタロスは一員として受け入れられたみたい
もっともモモタロスとは犬猿の仲ですが・・・・

「ほらほら、モモちゃんもウラちゃんも熱くならないの!
はい特製コーヒーよ!」
「美味い!」「美味い!」
毒々しい赤と青のコーヒーを美味そうに飲み干す2人。イマジンの味覚すげえな
さしずめナオミの存在は2人の間のクッションといったところでしょうか。
先週は喧嘩焚きつけてたけどな
ひとクセある新たなる仲間ウラタロスが加入し、またいっそう賑やかになったデンライナー。さてさて向かう次なる駅は・・・
次週へ続く!


第7話

ジェラシーボンバー

「良太郎の身体を勝手に使わない事!アンタが憑いてから良太郎ずっと疲れ気味なんだから!」
「そうだ亀公!テメエは良太郎のお情けでここに居られるって事を忘れんなよ!
それに俺はテメエの先輩だからな!俺に断りなく良太郎の身体使うんじゃねえぞ」

どうもウラタロスが仲間になってからというもの、身体の疲れが取れない良太郎。それもそのはず
ウラタロスは連日連夜良太郎の身体に入っては、夜の街で数多くの女性達と遊び歩いているのだった
「勿論ですよ先輩。はい、コーヒーをどうぞ」
「おお、なんだテメー。わかってんじゃねーか」

 
その場はモモタロスのご機嫌を取ってヘラヘラ愛想笑いするウラタロス。しかし差し出したコーヒーには・・・
”ばしっ!げしっ!”
「全然起きない・・・ナオミちゃん、コーヒーに何か入れた?」
「モモちゃんの疲れを取るには
唐辛子だってウラちゃんが・・・
へー
こんな風に寝ちゃうんですねー。面白ーい」
「あの大嘘つき・・・!」

ハナにばしばし頭を叩かれ、椅子から転げ落ちて背中を踏まれても尚、幸せそうな顔でグースカ眠り続けるモモタロス
あれだけ強く警告したにも関わらず、ウラタロスは今夜も良太郎の身体を使って女遊びに繰り出してしまったのだ。なんて奴
どうやらイマジンは
唐辛子を摂取すると死んだような眠りに落ちるみたい。へー
つーことは辛い系料理はほぼ全般NGってことになるのか。今後も頻繁に使われそうな設定だな





「うーん・・・あれ?ここは・・・?」
「あ、起きた良太郎?もうすぐ朝ごはんできるからー」

翌朝、良太郎は目覚めるとそこは見ず知らずの女性の部屋。子供向け番組なのに
いわゆる朝チュンです
良太郎の身体を使って
一発決めちゃったのでしょうかウラタロス。日曜朝8時からなかなか無茶をしてくれます
「ワアアアアすいませんすいません!僕もう帰りますから!」
「ちょ、ちょっと良太郎!いきなりどうしたの?」

およそ己のキャパシティを超えた出来事に取り乱し、大声で侘びを入れながら女性のアパートから転がり出る良太郎
女性の名は斉藤優美。どこかで見た顔だと思ったら、演じるのは龍騎の島田奈々子や555のレディを演じた
栗原瞳さん
逃げるようにアパートから出ていった良太郎を見送った優美でしたが、彼女の背後にはふわふわ浮遊する光る球体が・・・・
「お前の望みを言え。どんな願いも叶えてやろう。お前が差し出す代償はたった一つ・・・」
ほどなくして、街の人間が次々と消滅するという怪事件が発生することとなる

「この亀ヤローが!今日という今日は許さねえぞ!」
「いやあ先輩もお疲れだろうと思って」
デンライナーではモモウラが大喧嘩。ヘトヘトになって戻った良太郎もその喧騒で更にげんなりしたのか、そそくさと横になってしまいます
自分には権利があるんだからウラタロスに対してもっと怒ればいいのになぁ。良太郎が甘いからウラタロスが素行を改めないと思うんだが
ちなみにこのシーン、デンライナー客室にはレギュラーメンバーだけでなく
一般人のお客さんも数名乗車してました
「パスさえあれば誰でも乗せますよ」というオーナーの言葉通り、時間旅行をする人間は主人公達とイマジンだけに限らないみたい
「いい加減にしなさい2人とも。私には乗車拒否という最終カードがあるんですよ?」
オーナーの静かな迫力にとりあえず喧嘩を収めた2匹。とりあえず良太郎はモモタロスを身体に入れて外へ出ることに・・・
と、いきなりイマジンの気配を察知したモモタロスは現場へ急行。そこでカラスの怪人クロウイマジンと相対する
「よぉ楽しそうじゃねえか。俺も遊ばせてくれよ」
「キサマ・・・電王か?」
「へへっ!俺の名前もずいぶん売れてきたらしいな」

へー。やっぱりイマジンの間には独自のネットワークが存在する模様。「電王」の存在はイマジンに浸透しているみたい
意気揚々と戦うモモタロスでしたが、次々撃ち出される羽根手裏剣を捌いているうち、空を飛ばれてまんまと逃げられていまいます





「野上良太郎ってのは居るか!?
俺はなぁ・・・優美の元・亭主だ!」

一方その頃、ミルクディッパーには招かれざる訪問者が。いかにも頭悪そうな顔したこの大林友也という男、
別れた女房の優美に未練たらたららしく、そのため今朝もアパートにやってきて、部屋から出てくる良太郎を目撃したのだ
そして頭悪そうな容姿の通り
極めて短絡的な思考で、こうして良太郎をしばき倒しにやって来たのである
「あ、あんな女にゃ未練はねえがなぁ!テメエは優美の何なんだコノヤロー!」
愛理の電話で店に戻った良太郎に、有無を言わさず顔面パンチを打ち込む友也。まったくもって見かけ通りの馬鹿野郎です
そのまま店内を破壊しそうな勢いで暴れまわる友也でしたが、その後頭部に愛理の手箒アタックが一閃する。スパーン!
「いい加減にしてください!ここはライブラリーですよ?
良ちゃんも!
そんなパンチくらいでKOされるんじゃありません!」

「・・・は、はい」

姉ちゃん強え。大人しそうな美人が見せた迫力に、思わずクールダウンする友也
リアルな話
警察に通報すればこんな輩は一発ですがとりあえず弁解してみる良太郎
しかし昨夜の記憶がない自分に、なぜ優美の家に泊まったのか説明できるわけもなく。イライラする友也は再び怒りの炎再燃
更にそこへ事の経緯を知らない尾崎がいつものカン高い大声とともに来店。彼の口から重要な情報がもたらされます
「やぁ愛理さん聞いてくださいよ!今取材中なんですけどね
今、街で人間が突然消滅するって怪事件が起きてるんですけど
その原因が音にあるらしいって事を突き止めたんですよ!この尾崎正義が!」
「尾崎さん!その話詳しく聞かせてください!」

持ってきた情報はクロウイマジンの引き起こす連続神隠し事件。しかもその関連性が「音」にあることまで突き止めたという
すぐさま尾崎に食いついた良太郎だったが、当然ながらここで怒る人物あり。大事な話をないがしろにされた友也である
「俺をバカにしてんのかコノヤロー!
今すぐ優美連れてこい!決着つけてやらぁー!」

ついに怒りを爆発。上着を脱ぎ捨てると、腹巻には何やら導火線のようなモノがぴょこんと。
まさか爆弾!?
十中八九「爆弾ではなかった」というオチだとは思いますが、ビビりまくった良太郎は弾丸のように店を飛び出します
「イマジンの契約者も探さなきゃいけないのに・・・大変だぁ〜」





その頃、「願い」を叶えつつあるクロウイマジンは契約者の前に再び姿を現していた。そう、斉藤優美である
「消去は進んでいるぞ・・・お前も意識を持て。願いとしっかり繋がっていろ
もうすぐ契約は達成される・・・グハハハ」

「そ、そんな・・・まさか本当のことだったなんて・・・」
クロウイマジンが襲っていた人物に共通していたのは、クラシックの名曲ビバルディーの「四季」を聴いていたという事
この曲は彼女にとって何やらトラウマらしく、「この曲を忘れたい」という願いをクロウイマジンは曲解して捉えたのだ
すなわち、「この曲をこの世から消す」と

自分の願いが罪のない人々を犠牲にしているという恐怖におののき、その場からやみくもに走り出す優美
グッドタイミングでアパートの近くを訪れた良太郎は優美を発見。あわてて後を追うと、クロウイマジンが立ちはだかった
「優美さん!優美さーん!ちょっと待っ・・・・イマジン!?」
「またお前か・・・」
「まさか契約者は優美さん!?」

おおよその事を察した良太郎はすぐさまモモタロスにチェンジ。今度は逃さないとばかりに突っ込みます
「さっきは途中で逃げやがって・・・俺の欲求不満はクライマックスだぜ!」
しかしながら鳥型イマジンだけあってビュンビュン空を飛び回るクロウイマジン。剣で戦う電王には戦いにくい相手です
「くそっ!ビュンビュン逃げ回るんじゃねえよ!」
「私の勝手だ!」
まったくの正論です。前回の蟹といい、イマジン達はやたら人間くさくて愛嬌があるよな
空中の敵を思うように捉えきれない電王。羽根手裏剣攻撃をまともに浴びて大爆発を越したところで
次週へ続く!


第8話

哀メロディ・愛メモリー

「ダメだよ良太郎は休んでなきゃ!契約のことは私が調べるから!」
「ううん僕が行くよ。ハナさんだと多分、
優美さんと喧嘩になるし」

クロウイマジンの羽根手裏剣によってダメージを負った良太郎ですが、休んでいるわけにはいかないと傷ついた身体に鞭を打つ
というか
ハナに対して完璧に信用ゼロ。割とクールというか、人物を見る目はあるようです良太郎
ウラタロスの力で首尾よく優美から契約を聞き出すことに成功した良太郎。その内容は「結婚するハズだった男を忘れたい」であった
「それは・・・大林友也さんの事ですよね?」
「な、なんで知ってんのよアンタ」
ありゃ?友也はたしか「元亭主だ」って言ってたハズですが・・・・結婚してたの?してないの?どっちやねん

「イライラして急いでも星はやってきませんよ?ゆったり構えていれば星は自然と巡ってくるんです
はいどうぞ。ウチのコーヒー達、いい仕事してますよ」

一方その頃ミルクディッパー。さんざん大暴れした友也だったが、愛理の入れたコーヒーの威力で落ち着きを取り戻していた
ボソボソと自分と優美の関係について語り始める友也。
愛理コーヒーマジ凄いな。自白剤みたいだ
「アイツとは・・・結婚式の日に喧嘩別れしてそのままなんだ」
結婚式で離婚したのかよ!
友也は「元亭主」、優美は「結婚するハズだった」って言う曖昧さも頷けます。まぁ法的には籍を入れてるかどうかなんだが
口喧嘩の末、ついカッとなった友也は2人のお揃いだったオルゴールペンダントを道路に投げ捨て、トラックに轢かれて壊してしまったのだ
気の強い優美は怒り狂い、その場で
渾身の右ストレートを食らわし式場からトンズラ。2人の時間はそこで止まってしまう
それから半年。すっかり反省した友也は優美とやり直したいようだが、はたして「忘れたい」と言っている優美の気持ちは・・・?






『優美さんが願ったのは”友也さんを忘れる事”。でも音を狙うってのはどうも関係ないような?
イマジンはどうやって優美さんの契約内容を達成させるつもりなんだろう・・・』

契約の内容は聞き出した良太郎ですが、優美への用事はもうひとつ残ってます。そう、彼女をミルクディッパーに連れて行かねば
「友也とは二度と会わない」と、持ち前の頑固さで頑なに拒否する優美を良太郎は必死に説得します
「しつこい!会わないって言ってるでしょ!大体なんでアンタそんなに離れてついてくんのよ?
遠慮してるみたいでイライラするわ!説得するならもっと近づいたら!?」
「いえこれは・・・僕かなり運が悪いほうなんですけど、経験上今日はかなり最悪の部類なんで
優美さんを不幸に巻き込まないようにこうして離れて・・・・
うわあっ!?」
途中野球ボールやらテニスボールやらラグビーボールの
集中砲火を浴びたり、土手から滑り落ちて車に轢かれそうになったり
持ち前の不幸さ爆発で優美に命を助けられる良太郎。ペコペコと謝りながらも、しかし良太郎は彼女の説得を諦めません
「優美さん、嫌な事を忘れるって本当に良い事なんでしょうか?その人の事を忘れちゃったら・・・
楽しかった時の事まで忘れちゃうんですよ?そういうの
すごく哀しくないですか?」

「・・・・なによ。アンタも何か忘れたいことでもあんの?」
「あ、いえ・・・別に」
良太郎の言葉は優美への説得であったが、どこか自問自答しているような真剣さがあった
むむ、なんでしょうかこれは。良太郎はなにか
壮絶な過去でも持ってそうな、そんなシリアスな設定が匂ってきました

と、、そこへさんざん人を狩りまくったクロウイマジンが出現。優美の持っていたオルゴールペンダントをガバッと取り出します
そう。半年前にトラックに轢かれて壊れた友也のペンダントと対になる、2人の思い出のペンダント
「お前の望みは叶えたぞ・・・これが最後の仕上げだ」
『そ、そうか。”友也さんを忘れたい”っていう優美さんの願いを・・・
イマジンは
”思い出の曲を消し去る”って解釈で叶えたんだ』

強引すぎね?思い出の曲をなくしたくらいで契約完了とは・・・随分と厚かましいじゃないかイマジン解釈
”グシャリ”
目の前でペンダントを踏み潰され、顔をしわくちゃにして涙を流す優美。彼女もまた、本当は友也のことを愛していたのだ
「忘れられるわけ・・・忘れたいわけないじゃない・・・」
「やっぱりそうですよね・・・大切なことを忘れてしまうのって・・・
きっと凄くツライことだから・・・・変身ッ!」

良太郎は優美と友也を救う為、イマジンを追って2人の結婚式当日へと飛ぶ






2006/7/24(仏滅)
仏滅に結婚式かよ!そりゃ喧嘩もするわ!
式場の人間をあらかた殺しまくるクロウイマジンすげえ。過去での暴虐では今んとこコイツが最強だな
「釣られてみる?僕は頭からっぽのモモとは一味違うよ」
ほどなくしてデンライナー&電王到着。良太郎にカラス対策があるらしく、いきなりのロッドフォームで戦闘開始です
いつもならば御馴染みの戦闘BGM、佐藤健&関俊彦の
Double-Actionがかかるところですが、ここで視聴者ビックリ
なんと今回のBGMは
佐藤健&遊佐浩二版Double-Action Rod form
歌詞の何箇所かの変更と、曲調のアレンジを加えたウラタロス版です。へーすげえな電王。各フォームごとに曲持たせるのか

先の戦いのように、安全圏である空中へ飛んで攻撃を仕掛けるクロウイマジン。しかし今回は策を期してのロッドフォーム
釣りの要領でルアーをブン投げ、クロウイマジンをキャッチして地面に叩きつけます。おーイカス
「大漁大漁、さーてトドメを・・・」
『よし、モモタロス代わって!』
「ええ〜っ?そんなぁ」
「よっしゃああ!俺参上!」
最後の美味しい場面でモモタロスにチェンジする良太郎。地味にウラタロスに対する恨みを晴らしたんでしょうか
嬉々として飛び出したモモタロスは前回の鬱憤を晴らすかのようにクロウイマジンをなます斬り。最後のトドメは・・・
「へっへへ・・・密かにあたためてた必殺技・・・いくぜェ!
俺の必殺技パート3!!」

ずばっしゃー!どごばーん!
えー?「俺の必殺技パート2ダッシュ」と同じでどこが違うのかよくわかりません
どうも「俺必」バリエーションはちょこっと斬る回数が増えたり、縦斬り・横斬りの順番が入れ替わったりするくらいみたいね
この日、壊れる運命だった友也のペンダントをトラックに轢かれる前に無事回収し、良太郎は現在へと戻ります






「このバカ!なにやってんのよアンタは!」
「来たか優美!今日こそ決着つけてやるぜ」
ミルクディッパーにやってきた優美は友也と対峙。友也は懐から、あの爆弾と思われた怪しげな包みを取り出します
少し遅れて店に戻ってきた良太郎は、過去から無事に持ち帰ったペンダントで2人の仲を取りもとうとしますが・・・?
「これ・・・・・」
「フン・・・・
同じの作り直すのに半年もかかっちまったんだよ」

良太郎のお節介はまったく必要のないものでした。友也が優美に手渡したの・・・それは言うまでもなく
半年前に失ったものと同じ、ペアのオルゴールペンダント
愚直なまでに不器用な彼は優美に謝るきっかけが必要で、その為にペンダントが直る半年間ずっと待っていたのだ
「・・・・バッカじゃないのアンタ・・・」
ポロポロと涙をこぼしてペンダントを握り締める優美。かくして2人のわだかまりは溶け、半年前に止まった時間は再び動き出すのでした
めでたしめでたし

「あの2人、きっといい夫婦になるわね」
「うん・・・やっぱり忘れなくて良かったんだ」
ラスト。嵐のような来客が去り、静かになった店内で一息つく良太郎の愛理
「忘れないほうがいい」という言葉を発した良太郎が急に真剣な面持ちになって、意を決したように姉に語りかけます
「姉さんも・・・忘れないほうがいいよ」
「え?忘れるって・・・・何を?」

突然弟から振られた言葉の意味がわからず、キョトンとした顔で首をかしげる姉。良太郎は店内に飾ってある望遠鏡を指し示した
「この望遠鏡のこと・・・思い出してみない?」
「思い出す・・・・って?」
怪訝な顔で望遠鏡をじっと見つめる愛理。やがて自分の頬を熱い水滴が伝っているのに気付いた
これは涙?泣いているのは自分?おお・・・なんてこった。なるほどそういうことか
「過去に何かあった」のは良太郎じゃなくて愛理の方らしいです
その計り知れないショックから、彼女はこの望遠鏡にまつわる思い出を深層意識の中に封じ込めてしまったと。シリアス設定だなー
タダの天然系癒し姉ちゃんだと思ってた愛理に、実はストーリーに大きく関わってきそうな設定が隠されていたことが判明
仮面ライダー電王、第8話を終えていい感じに面白くなってきました。
キンタロス登場の次週へ続く!


第9話

俺の強さにお前が泣いた

ある日の夜。自転車で帰宅途中の良太郎は、イマジンに憑依された男本条勝に遭遇する
本条を演じるのは、ウルトラマンメビウスのGUYS隊員クゼテッペイ役・内野謙太ですが
今の彼はイマジンに憑依されている状態なので、声は声優のてらそままさきがあてています
仮面ライダーBLACKのシャドームーンや、最近の作品では蒼天の拳の潘光琳など渋い声が特徴ですが・・

「夜の散歩か?せっかく鉢合わせしたんだ・・・やろうぜ」
「いきがるだけの強さでは俺に勝たれへん。強さにもランクがあってな
俺の強さは・・・泣けるで!」
なんか中途半端な関西弁だ。渋い声質ながらも愛嬌たっぷり。イカスなこのイマジン
すかさず良太郎に憑依し、パンチをお見舞いするモモタロスだったが本条はこれを余裕でキャッチ
凄まじいパワーでモモ良太郎を豪快に投げ飛ばすと、さも興味なさそうにその場を去っていってしまいました
「涙はこれで拭いとけ」
「ぐっ・・・ふざけんなコノヤロウ!こんなもんで拭けるか!」
去り際に紙切れ一枚残し、「これで涙を拭け」と捨て台詞を決める本条。モモタロス屈辱の完敗です





「じゃあ相手はイマジンが憑いてる契約者だったのね?」
「うん・・・契約の内容まではわからないけど」

昨夜の件をハナへ報告する良太郎。ほどなくするとデンライナーがトンネルへと突入します
トンネル?時間の中を走る電車なのに?良太郎が不思議がると、いつの間にか客席に居たオーナーが口を開く
「驚きましたか?時間の中にもこういう”狭間”が存在するんですよ
それはそうと良太郎君。キミ・・・過去から物を持ち出しましたね?」

「あ・・・は、はい・・・すみません」
前回、過去のオルゴールペンダントを現代に持ち込んだ良太郎の行動を指摘するオーナー。ルール違反なのか?
「・・・まぁ、その程度で時の運行は変わりませんがね
元々人の力で簡単に変えられるものではないのですから・・・ただそのぶん
一旦時の運行が歪んだらその衝撃はとてつもなく大きい
それを知っておいてほしいのですよ」

小物を持ち出すくらい屁でもないそうです。そんな些細なことで時の流れは変わるものではないと
しかしそれだけに。もし時間の運行が変わってしまった時は、それはそれはトンでもない結果を招くらしいです
オーナーの凄みにゴクリと息を呑む良太郎。というかそろそろ良太郎に電王や時間の事キッチリ勉強させてやれよ
「良太郎、オーナーの言う通りだよ。早くその契約者を探しに行こう」
「うん。ウチの常連客に不思議な事件専門の記者をやってる人がいるんだ」
2人は尾崎に情報源を求め、ミルクディッパーへ向かいます





「おおっ良太郎くんの彼女かい?いやあ流石にレベル高いねェ〜
初めまして尾崎正義です。雑誌の記者やってます。ハナちゃんこういうの興味あるかな
今は人が次々怪人に襲われるって事件を追ってるんだけど
被害者が全員空手の大会の参加者って共通点があってね」

ドンピシャです。まだ何も聞いてないのに被害者の共通点まで教えてくれました
記者・尾崎の存在は話の展開をスピーディーにしてくれていいな。まったく便利な男だ
と、尾崎の持っていた資料の中に知った顔を見て驚く良太郎。その青年はまさしく、昨晩出逢ったあの・・・
「尾崎さん、この人は・・・?」
「あぁ、本条勝ね。天才って言われてたんだけど・・・
去年、決勝戦の最中に病気で倒れちゃってそのまま引退したんだよね」

契約者とおぼしき男・本条勝の情報をいきなりゲット。天才と呼ばれながらも病魔に蝕まれ、空手を引退した男だそうです

『ようし良太郎、早く昨日の借りを返しに行こうぜ』
「いや、待って。イマジンが襲ってるのは去年の大会で成績が良かった人だけだよ
あと残ってるのは菊池って人だけだ。去年は本条さんの棄権で不戦勝優勝してる」
「じゃあその人を張ってれば、イマジンのほうからやってくるってワケね」

本条を探すのではなく、待ち構える策をとった良太郎達。次に狙われる可能性のある菊池選手の大学空手部へ張りむ事に
じーっと空手部の練習風景を見ていた二人でしたが、道場内にサラサラと舞う砂を視界に捉えて愕然とします
「ハナさん!今の・・・」
「なんてこと。もう一体別のイマジンがいるの?この空手部に」
本条がまだ現れない部内にイマジンの痕跡。つまり本条に憑いているイマジンの他に、もう一体がいるということだ
しかしそんな事実に驚く間もなく、部員達に見つかった2人はこともあろうか連続襲撃犯の犯人に勘違いされてしまう





怒りの部員達に囲まれ、部内名物「1人総当り」を強要される良太郎。要するにリンチです
必死に事情を説明しようにも聞いてもらえず、デンライナーはトンネル走行中でモモタロスを呼ぶことも出来ない
絶体絶命のピンチですが、無我夢中で腕を振り払った良太郎は部員の1人を
十数mも吹き飛ばします
「え・・・今ボク・・・ええっ!?」
『良太郎!?モモタロスも憑いてないのに・・・』
吹き飛ばした良太郎本人も、見ていたハナも何が起きたのか理解できません。ほほー。なんだろうなこれは
ともかくこの混乱に乗じ、雪崩れ込んだハナが男数人を相手に獅子奮迅の大活躍。蹴って叩いて大暴れです。ハナすげー
なんとか隙を見て逃げ出し、追っ手をまいて一息つく2人
「ゴメンなさいハナさん・・・本当は僕が守らなきゃいけないのに・・・」
「ううん。良太郎を守るのが私の役目よ。良太郎は電王が仕事なんだもの
イマジンと闘ってくれさえすればそれでいいの。
時の運行だけは守らなきゃ」

妙に思いつめた顔で「時の運行を守る」と呟くハナ。いつもの台詞ではありますが、なにやら今回は重みが違います
これは丁度いいきっかけかもしれない、と良太郎は思い切って以前から聞きたかったハナの素性について触れてみることに
「ハナさん・・・前から聞きたかったんだけど・・・
ハナさんはどうしてイマジンと闘ってるの?ハナさんも未来の人間なの?」
「私は・・・どの時間の人間でもないわ」
「え?それってどういう・・・」
謎めいたハナの返答。良太郎が立ち入った話を聞こうとしたその時、2人は契約者・本条勝の姿を目撃する

一方その頃。良太郎とハナの処分を部員達に任せた部長・菊池は浮かぬ顔で外を歩いていました
『そんなまさか・・・あの怪人が選手達を襲っているのだとしたら俺は・・・』
「グフフ・・・契約はもうすぐ終了するぞ。お前より強いヤツはいなくなる
過去に繋がる準備をしておけ」

そんな菊池の前にぬっと姿を現したのはサイの姿をしたライノイマジン。空手部の契約者は菊池だったのだ
「バカな!俺はそんな願い一言も言っていない!俺はただ・・・!」
すぐに姿を消したライノイマジンに叫ぶ菊池。イマジンは大会参加する実力者を襲っては戦闘不能にしているようですが
果たして菊池が願った契約の内容とは・・・?






「また誰かを襲いに行くつもりですか?」
「お前は昨夜の・・・?人聞きの悪いこと言うな!空手の練習や」
本条と対峙する良太郎。連続襲撃犯は菊池に憑いたライノイマジンの方だからして、こっちはシロなのですが
そんな事実を知る由もない良太郎達は、有無を言わせず本条のイマジンに戦いを挑みます
「ほう?お前まさか電王か。だったらその強さ興味あるなぁ!」
勢い余って公園のベンチをぶっ壊し、
慌てて直そうとする本条イマジンがイカス。こいつは善人だな
デンライナーがトンネルを抜け、良太郎は満を持してモモタロスを呼び電王ソードフォームに変身
本条イマジンも契約者の身体から抜け出して
クマイマジンの姿を現します。なるほどキンタロスのモチーフは熊か

「先に渡しとこか?鼻も拭けるで?」
「鼻も拭かねえし泣きもしねえよ!」
昨晩のようにクマイマジンの差し出した紙を跳ね除け、ガチンコ勝負を挑むモモタロス。しかし流石に今までの相手とは別格
終始ソードフォームを圧倒する力で戦いを優勢に進めるクマイマジンに苦戦を強いられます
「へッ・・・たしかにやるな。でも泣くほどじゃあねえ!
行くぜェ!俺の必殺技パート3!!」

一撃必殺エクストリームフラッシュ!しかし技を見た瞬間、クマイマジンは咄嗟に得物の斧を電王めがけてブン投げた!
「ぬうん!」
「なにィ!?」
”ずばっしゃー!!”
剣先と斧は空中をすれ違い、互いにヒットする相打ちに。しかし相討ちと言ってもあくまで互いの攻撃が当たったというだけ
ダメージ深刻な電王に対して、タフなクマイマジンはカスリ傷程度しか負っていません。誰が見ても勝ち負けは明らかです
「く・・・ウ・・・ウラタロス・・・!」
「あんまりピンチの時には呼んでほしくないんだけど。ま、仕方ないか」
「何!?まだ憑いとったんか?」
ロッドフォームになった電王が改めてクマイマジンに立ち向かおうとしたその時、現場に招かれざる来訪者が現れる
あのライノイマジンである。ライノイマジンは本条に向かって突進。当然契約者を守る為、クマイマジンはこれを阻止します
「・・・なにするつもりや?キサマ」
「俺の契約者の願いの為だ。ソイツで最後なんだよ!」

おお面白い。第9話にして初のイマジンVSイマジンという状況に出くわしました
とりあえずこういう状況になれば人命を優先するのがヒーローというもの。電王はクマに助太刀し、サイを攻撃します
「チッ!特異点か。これは分が悪い」
状況不利と悟ったライノイマジンはクレバーに逃走。ウラタロスもこれを深追いしようとはしません。これにて戦闘終了
精根尽き果てた良太郎は変身解除と同時に気絶。ハナがすがりよって介抱する中、
クマイマジンは同じく気絶してしまった本条をおんぶしてその場を去っていくのだった。コイツ・・・なんて男の背中なんだ

察するにクマと本条はどうやらまだ契約結んでないね。良太郎とモモ・ウラみたいな関係と思われます
この辺の設定が次回、クマを良太郎が引き受けることになることに関わってくるんじゃないかと。
次週へ続く!


第10話

ハナに嵐の特異点

「人を襲ってたのはサイのイマジンの方だよ・・・
あの熊のイマジンは悪いヤツじゃない気がする。本条さんを庇ってたし」
「契約者が死んだら困るだけよ!良太郎はイマジンに甘すぎるわ!
連中の目的を忘れたの?時の運行が狂ったら良太郎だって・・・!」
クマイマジンが悪党とは思えないと言う良太郎だったが、イマジンを激しく憎悪するハナは感情を露にしてこれを戒める
前回の意味ありげな言葉といい、やはり彼女のイマジンに対する憎しみはその過去に隠されているようです

そんなこんなで捜査を再開したハナとモモ太郎。「良太郎は疲れが残っているので引っ込んで休んでろ」ということですが・・・アレ
引っ込んでたって疲れるんじゃなかった?夜、モモとかウラに身体使われて疲れてたじゃん
この辺の設定はゆでたまご御大並にテキトー丸出しです。まぁ、あんま本筋で使いどころがありそうな部分でもないしな

ほどなくして立て篭もり強盗を成敗しているクマ本条を発見したハナとモモ太郎。やっぱ善人だ
「ちょっと!アンタが憑いてる本条さんて、去年病気で空手を引退してるんだよね
彼にもう一度空手をやらせるのが契約ってワケ?どうせアンタ達イマジンは
でたらめな方法で叶えるんでしょうけど。私達が絶対に阻止してみせるわ」
「でたらめかどうかは今にわかる。強さを極めた者同士の契約や・・・凡人にはわからへん」
「いちいち言い方が気に食わねえ野郎だな・・・ん?いるぜハナ、近くにもう一匹だ!」
いきなり喧嘩腰のハナに対し、やはりクマはどっしり構えた男くさい対応。ここでモモタロスがライノイマジンの気配を察知する
ライノイマジンに挑むモモタロスだったが、デンガッシャーの斬撃をほとんど受け付けないその頑強なボディーに大苦戦
存外に強えじゃねえかサイ。なるほど飛行するカラスに対してロッドフォームを使ったように、
今回はボディの頑丈なサイを倒す為にアックスフォーム参上ということか。こういう各形態の能力が際立つ演出はいいな

その場はライノイマジンを逃してしまったモモ太郎でしたが、跡を追いかけるとそこはあの菊池の通う大学空手部
サイの契約者が本条のライバル菊池であることが判明すると、ウラ太郎にチェンジしてイマジンとの契約について聞きだします
「お前は昨日の・・・?」
「昨日はお騒がせしてすいませんでした。実は貴方のことが気になったもので・・・
菊池さん、汚れた水に魚は棲めません。
入れ替えませんか?心の水を」






一方その頃ハナは、少年空手の練習風景を見つめるクマ本条に突っかかっていました
「待ちなさい!まさかあんな子供達まで襲うつもり!?」
「おまえアホか。俺の空手はもう完成しとる
この本条にもう一度空手をやらせる為には、俺が空手を覚えるしかない
だからずっと空手を練習してきたんや。俺は空手を知らんかったからな
ふっふっふ見ろやこの強さ。泣けるでぇ」

「空手を完成させた」て。
どっかのリーサルウェポンみたいな台詞を吐くクマ本条。思わず吹いた
本条に今一度空手をやらせるという契約。それを叶える為、身体を動かす自分が空手を覚える必要があったクマイマジン
なんだこの超善人
ドスンドスンと足を踏みながら腕を交互に突き出すクマ本条。本人は正拳突きのつもりなのでしょうが
不恰好にくり出される突きは拳を握っておらず、掌のまま。どう見てもこれは空手と言うより・・・
「あはは変なのー。それ空手じゃないよ。お相撲だよ」
「・・・え?ええ?イ、イヤちゃうぞ!これが究極の空手で・・・」
子供に
ストレートに指摘されてショックを受けるクマ。そう、何をどう勘違いしたのか知りませんが
彼が覚えた空手は「完成された空手」とは程遠い、相撲ベーススタイルだったのです。なんて面白いやっちゃコイツは

「はい。ア、アンタにじゃなく本条さんによ!病気で空手を引退した人だもの。疲れてるでしょ
見てて気の毒なくらい落ち込んだクマを可哀想に思ったのか、ジュースを差し入れてやるハナ。ツンデレ!
あまりにも彼女の持つイマジン像とかけ離れたクマの人間臭さに、少し彼の話を聞いてみるつもりになったようです
「イマジンなんていつも自分勝手な解釈で望み叶えてるクセに。なんでそんなに落ち込むの?」
「他の連中の事なんて知らんわ。俺は同じ強さを求める者として・・・コイツの
もう一度空手をやりたいという願いを叶えてやりたいと思った。ただそれだけや」
「イマジンのクセにそんな・・・どうせ過去へ行って未来を変えるのが目的でしょ!」
「あぁ、忘れ取ったわ!ちゅーかお前随分と俺らのこと嫌っとんなぁ・・・
何かあったんか?」
純粋無垢な心で本条の願いを叶えようとしたクマ。しかしそんな”良いイマジン”などいるはずがない、とハナは信じられない
クマがハナの過去に探りを入れる言葉を発したその時、息を切らせた青年が本条の前に走ってきた。ライバルの菊池である





「すまなかった本条!俺は・・・俺は馬鹿だった・・・ッ!
去年、お前の棄権で俺はトップに立ったけど、それはお前を倒して手に入れた物じゃない
俺はそれをずっと否定していて・・・あの怪人が現れた時にこう言ってしまった
”本当のトップになりたい”って
でもその結果は・・・他の選手達があの怪人に襲われただけだった」
「菊池・・・」

ウラ太郎に説得された菊池はいてもたってもいられず、本条本人に謝罪しに走ってきたのだ。コイツもいいヤツだな
「俺わかったんだ。俺の本当の願いは・・・あの日できなかった決勝戦を」
自分は本条と出来なかった決勝戦を戦いたいだけだったんだと告白する菊池。本条もその言葉に感無量になりますが
ここで場の空気が読めないライノイマジンが登場。止める菊池も吹き飛ばし、有無を言わさず本条に襲い掛かります
「俺の契約者に手ぇ出すな!」
瞬間、クマ本条の華麗な蹴りがサイにヒット。前蹴り→後ろ回し蹴りと
文句のねェ空手家の戦い方
しかし生身の蹴りなどデンガッシャーも効かないサイの身体にはダメージを与えられず、ぶっ飛ばされてしまうクマ本条
ライノイマジンはこれで契約が完了したとして、菊池の過去の時間に飛んでしまいます

「菊池・・・俺もずっと決勝戦が気になってたよ・・・
もう一度空手をやりたいと願ったのも、きっとお前と決着をつけたかったからだ
菊池・・・
やろうぜ。いつか絶対に・・・あの決勝の続きを・・・」

とりあえず命に別状はなかった本条。全てを吐露してくれた菊池に、自分も同じ気持ちだと思いのたけを伝えます
ちくしょうイカスぜスポーツマンの友情!そして本条は傍らに付き添っていた異形の怪人にも心からの礼を述べる
「なんか長いこと空手やってた夢を見てたような気がするよ。すんごいヘタクソだったけど」
「うぐ・・・そ、それはやな」
「ふふ・・・
でもさっきの蹴りは久しぶりの感触だった。ありがとう」

くっ!泣かすぜこの友情!うーむいい台詞だ。今回は本当にシナリオが素晴らしいな
しかしクマはここで「契約完了や」と呟くと、本条の過去へと飛んでしまいます。彼も所詮はイマジンだったのか?
いやいや当然そんなハズはなく・・・・・・





2006/5/21
学生空手選手権の決勝戦会場に現れたライノイマジン。大暴れして会場を破壊しまくる最中、デンライナーが到着する
良太郎はソードフォームに変身して戦うが、その途中会場の屋根が崩落して本条と菊池の身が危険に晒されてしまう
だがその時!颯爽と現れて2人を救ったのは、言わずもがなクマイマジン。彼は本条達を守る為に過去に飛んだのだ
「さあ!早く逃げや!」
「キサマ!余計なことをするな!」
どっがーん!
だが2人を助けた隙を突かれ、激昂したライノイマジンの火球攻撃をまともに受けてしまい致命傷を負ってしまうクマ
慌てて駆け寄ったハナだったが、既に彼の身体は色褪せ、砂化を始めていた
「どうして・・・イマジンのくせにこんな・・・」
「アイツの望みを叶えたかっただけや・・・アイツの本当の望みは2人で決着をつける事
俺がいくら空手をやっても無駄やったんや。でも・・・あの2人が生きてさえいれば
いつかきっと決着つけられる日はやってくる」
「それでアンタが消えるワケ!?そんなのダメよ!」

愚直なまでに本条の願いを叶えようとしたクマ。あれほどイマジンを憎悪していたハナも、彼をこのまま死なせる事はできません
「なんでや・・・俺らの事キライなんやろが?」
「ええ、大っキライよ・・・わたしはね・・・
イマジンのせいで消滅した未来の人間なの
わたしの時間はもうどこにもない・・・だからイマジンなんてみんな消えればいいと思ってる
そのわたしが言ってるんだから!待ちなさいよぉッ!」

なんだってー!?(MMR風に)
ついに明かされたハナの素性。なんと彼女はイマジンの歴史改竄によって消滅してしまった未来の人間だという
それゆえにイマジンを激しく憎悪していた彼女だったが、いまは涙ながらにクマの消滅を救おうとしている。良い場面です
しかし今まさに消滅しようとしているイマジンを救う術などあるのか?あるのです簡単な方法が。それは勿論・・・

「僕の中に入りなよ!」
「!?お前・・・ホンマにええんか?」

「うん。きっと一緒に戦えるよ」
「おおきに!」

良太郎はクマを自分に憑依させることを提案。驚くモモウラをよそにクマイマジンを受け入れると・・・
黄色の装甲に包まれたパワー型の電王へと姿を変えるのだった
変身!仮面ライダー電王・アックスフォーム!





「俺の強さにお前が泣いた!」
「誰が泣くかァーッ!」
デンガッシャーアックスモードでガキンガキンと打ち合う電王。するとどうだ。ものの3合と打ち合わないうちに
サイの得物だったトゲ棍棒が粉々に破壊されてしまったではないか!ものスゲエ攻撃力だぜアックスモード!
『フルチャージ』
必殺カードをスラッシュした電王は、アックスを空中高く放り投げると自らもそれを追って大ジャンプ
空中でアックスをキャッチし、そのまま真下にいるライノイマジン目掛けて急降下します。いっけぇー!
大ジャンプ急降下真っ向唐竹割りィー!
どばっしゃー!!
ソードフォームで何発斬りつけてもビクともしなかったサイの頑丈な身体を、いともたやすく脳天から真っ二つ!
爆散したライノイマジンを確認し、最後に低い声でこう決めまる
「ダイナミックチョップ!」
必殺技名の後言いです。か、かぁっこええ(蒼天航路の山隆風に)

しかし格好良く決めたのも束の間、ライノイマジンはギガンデスに変化。こちらもデンライナーを呼び寄せる
ゴウカと一緒に猛スピードでぶっ飛んできたのは、アックスフォーム専用の黄色い戦闘車両レッコウ
ジャキジャキジャキーン!と車両の側面から、まるでムカデのように多数のアームが出現するレッコウ
うへーすごい。アイディア斬新でいいなぁ。
接近戦用の格闘車両か!
初めてのデンライナーの操縦となるクマイマジンですが、良太郎のレクチャーを受けつつ上手く乗りこなします
最後は車両先頭部に付いている巨大な刃で
ギガンデスを一刀両断。か、かぁっこええ
かくしてクマイマジン・電王アックスフォームは、そのデビュー戦を鮮烈な勝利で飾ったのでした





「なるほどナオミ、お前上手いこと言うな。おいクマ公!お前はキンタロスだ」
ラスト。晴れてデンライナーの新しい乗員となったクマ。桃太郎のモモタロス、浦島太郎のウラタロスにちなみ、
彼はクマの姿から金太郎を連想し、ナオミによって
キンタロスという名をつけられるのだった
しかしそんな中、良太郎はさっきの戦闘で聞いたハナの素性のことが気になって仕方がない
『消滅した未来って・・・じゃあハナさんはどうして・・・?』
「彼女は特異点でしたから
どんな時間の干渉も彼女の存在に影響を与えることはできません

あぁ、不死身というのとは意味合いが違いますよ?
今彼女が居るここが彼女の時間・・・それでいいんです」

良太郎の疑問に答えてくれたのは、いつのまにかすぐ隣に立っていたオーナー
なんと彼女は良太郎と同じ特異点。だが「でした」という過去形からすると、今はそうではないという事でしょうか
ならば「特異点」とは一体何なのか。良太郎にも視聴者にも、そろそろ教えてくれてもいい頃です・・・が
「まぁそれはそれとして。レディース&ジェントルメン!
新しい乗客を歓迎する意味で
特製旗付きプリンをご馳走しましょう!」

良太郎が言いかけると、それを拒絶するかのようにハイテンションで
プリンを振舞うオーナー
プリンより特異点の説明だろ!
と視聴者のツッコミが虚しく響く中、また賑やかになったデンライナーのメンバー達は舌鼓を打つのでした。次週へ続く!



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