11話

暴走・妄想・カスミ草

「あなただったのね!カスミ草の人!」
店に飾るカスミ草を買って歩いていた良太郎を、突然と見知らぬ少女が呼び止めた。ワケがわからずキョトンとする良太郎
少女の名は小林かすみ。近々パリコレへの進出が決まっているジュニアのトップモデルだそうです
「何してるんだカスミ!急にいなくなるなんて!ホラ戻るぞ」
彼女を追いかけてきたマネージャーが無理矢理連れ戻そうとしたその時、何を思ったかキンタロスがいきなり憑依する
『いなくなくる・・・? なくなる・・・ なく・・・泣く!?
俺の強さは泣けるでぇー!』

アホだキンタロス。ワケのわからん連想から、マネージャーを思いっきりブン投げてしまうキン良太郎
翌日、良太郎はケガを負わせてしまったマネージャーに呼び出され、ハナと一緒に事務所へと赴くことになってしまう

「あなたを呼び出したのは確認したかったからよ。本当にカスミ草の人なのかどうか」
聞けばかすみには、いつもこっそりカスミ草を届けてくれる謎の人物がいるらしく、彼女の心の支えになっているとのこと
そんなかすみだったがパリコレへの出演が決まってから、衣装を切り裂かれるなどの嫌がらせに頭を悩まされていると言う
「ねぇ良太郎・・・これってまさかイマジンの仕業じゃ?」
なんでもかんでもイマジンの仕業かハナ
モデルの娘が嫌がらせを受けてんだから、普通に考えれば犯人はライバルの娘とかその辺だろうに。どういう思考やねん
そんな事情もあるため、謎の犯人からかすみを守るボディーガードの依頼を受けるハメになった良太郎
マネージャー大槻に怪我をさせてしまった手前もあり、良太郎は自信ないながらもこの話を引き受けることに





かくしてトップジュニアモデルかすみの1日に密着する良太郎&ハナ。しかし行く先々でキンタロスの暴走が止まりません
「ステージにプレゼントを投げないでください!投げないでください!」
『投げない・・・なげない・・・なけない・・・泣けない!?
俺の強さは泣けるでぇー!!』

強引すぎてむしろ感心すら覚える。セットをひっくり返すキン良太郎のせいでショーは台無し
怒る大槻に良太郎とハナはひたすら謝るしかないが、当のかすみはキン良太郎のぶっ飛んだキャラにご満悦の様子です

グラビア撮影中、かすみの衣装を切り裂いたり墨汁をかけた犯人を捕まえた良太郎とハナ
その正体はやはりと言うか当然と言うか、ライバルのジュニアモデル。躍進するかすみに嫉妬した嫌がらせ行為であった
「でもまぁ、イマジンの仕業じゃなくて良かったよね」
とりあえず安心した良太郎だったが、そこへ本物のイマジンが出現してしまう。ツタ植物の姿をしたアイビーイマジンだ
素早く憑依したモモ良太郎は
生身のままアイビーイマジンと大格闘、互角に渡り合います。生身つえー!
これは分が悪いと悟ったのか、モモ良太郎がベルトを出した瞬間アイビーイマジンはスタコラサッサ。コイツ弱そうだな





そんな一悶着があって随分焦燥していたかすみだったが、控え室に届けられていたカスミ草を見るやすぐに元気を取り戻す
今までも辛い時、挫けそうな時、彼女を元気付けてきた「カスミ草の人」。まさにはかすみにとって心の支えなのである
「そんなにかすみちゃんの事を見てくれてる人か・・・それって実はお父さんとかじゃ?」
「それはないわ絶対に。だってお父さん・・・私を憎んでるもの」
かつて父と娘2人で暮らしていたかすみだったが、なぜかある日突然「出て行け」と一方的に家を追い出されてしまったとの事
あの怪人が自分を狙っているというのなら、契約者はきっと自分を憎んでいる父だろうとまで言い出すかすみ。ものすごい確執です
「・・・別に寂しくも悲しくもないけどね。トップモデルに親なんて必要ないもの」
と、良太郎達の前では強がるかすみだったがそこはまだ12歳の少女。1人物陰に隠れると、誰にも見られないよう涙を流すのだった

「泣けるで・・・心の涙は紙では拭かれへん
俺に任せとき!お父さんと仲直りや!」

かすみの本当の気持ちを察したキンタロスは、この父娘の仲を取り持つことを決意。イカス奴だぜこの善人馬鹿
一方その頃。電話で何者かにかすみの仕事現場を教えていたマネージャー大槻をハナが発見、問い詰めていた
「大槻さん、今の電話は?どうしてかすみちゃんの仕事現場の場所を?」
「き、キミ達には関係ないだろう」
「あるわよ!今の電話の相手がイマジンの契約者かも知れないのよ!?」

大槻の胸倉を掴み上げて凄むハナ。イマジンを震え上がらせる迫力ですが、しかし大槻はビビリながらも必死に首を振る
「言えないんだ・・・そういう約束なんだ」
なにやらワケ有りっぽい大槻と電話相手。それ故に容易にその相手が誰なのかも想像できるのですが





ラスト。撮影現場に再び出現したアイビーイマジンと戦う電王ソードフォーム。終始アイビーイマジンを圧倒するのですが
「おのれ!亡き者にしてくれるわ!」
「うわっバカ!その台詞はダメだってば!」

『亡き者・・・なきもの・・・なき・・・泣き!?
俺の強さは泣けるでぇー!』

流石にもう言葉も出ない
コイツを前に迂闊な台詞は吐けないのか。モモタロスを無理矢理追い出してアックスフォームに変身するキンタロス
しかしその時、ハナと一緒に必死で逃げるかすみは。足元から砂を撒き散らして逃げる男を目撃する。その人物はまさしく…
「・・・お父さん・・・?」
「なんやて!?」
まさしくその人物はかすみの父親であった。イマジンの契約者が彼であるならば、願った契約とは一体?

「フン!一撃一撃のパワーは凄まじいが大振りよ!
お前の攻撃はもう見切ったわ!」

衝撃覚めやらぬうちに戦闘も白熱。アックスフォームの攻撃をヒラリヒラリと回避し、勝ち誇るアイビーイマジン
なんてこった。
生身のモモ良太郎と互角だった分際でなんか偉そうです
と、思ったその矢先。アイビーイマジンの放ったツタ攻撃をガッシと受け止めるアックスフォーム
「見切らせたと思わせておいてその裏をかいたんや!」
やっぱりクソ弱かったアイビーイマジン!
ここでいいのが一撃入って、絶対的チャンス到来。素早く必殺カードをスラッシュするキンタロス
しかしここで何故かキンタロスはダイナミックチョップを放つのを躊躇し、アイビーイマジンを逃してしまう
イマジンを逃したキンタロスの真意は?かすみの父の契約内容は何なのか?
次週へ続く!


12話

走れタロス

「父親が娘を憎むワケがない。何か理由があるハズや」
アイビーイマジンに止めを刺さなかったキンタロス。かすみの父・謙作がイマジンと結んだかを知る必要があったからだ
良太郎とハナは謙作を訪ねますが、当の謙作は「父娘の縁は切った。帰ってくれ」と繰り返すのみで話にもなりません
謙作の態度に落胆してデンライナーへと戻った2人でしたが、1人キンタロスだけは鼻息荒く言い切るのでした
「・・・俺は決めたで。何があっても親父さんを信じるってな」

翌日はかすみがパリコレへと出発する当日。空港へ向かうかすみを邪魔するように、アイビーイマジンが車に襲い掛かった
良太郎達は尾崎の運転する車で後ろを追いかけていましたが、イマジンにビビった尾崎がハンドル操作を誤り壁に激突
派手に車をぶっ壊してました。財布騙し取られたり車壊されたり、コイツ心底可哀想だな
すぐさま車から降りた良太郎にキンタロスが憑依しますが、なぜかキン良太郎はアイビーイマジンを倒そうとはせず・・・
「俺がやったる!」
かすみらの乗っていたワゴン車を埠頭から海へブン投げてしまいました。何やってんのー!?
「なッ・・・何やってんのよアンタ!イマジンに手を貸すワケ?」
「親父さんが娘の為にならない契約を結ぶハズがない。
俺は親父さんを信じる!」

謙作はかすみの事を愛している。それを証明しようと、キンタロスはあえてイマジンの行動に手を貸したのだった





そんな現場にノコノコと現れる父・謙作
「お父さん・・・やっぱりお父さんがあの怪人に命令していたの?
そんなに私のことが憎いの!?」

ある日突然、何の理由もなく自分を家から追い出した父・・・でもきっと何か考えがあるのだろうと心の中で信じ続けていたかすみ
しかしやはり、父は怪人と結託して夢を潰すほどに自分の事を憎んでいたのか?かすみは半ば狂乱気味で父に食ってかかります
「・・・大槻さん・・・かすみを早く空港へ」
力なく呟く謙作に促され、かすみを現場から連れ去る大槻。しかしもう今からではどうやってもパリ行きの便には間に合いません
ジュニアモデル・小林かすみのパリコレ進出というステップアップは、父謙作とキンタロスの手によって潰されてしまったのだった

「あんた・・・なんて事をしてくれたんだ!」
「・・・なんでや?こうすることがアンタの望みだったんやないのか?」

パリコレ行きを潰したキンタロスを一方的に非難する謙作。いきなり視聴者をイラッとさせる責任転嫁ぶりです
お前が昨日ちゃんと2人の忠告を聞かないからこうなったんだろうが
とりあえず彼の真意とイマジンとの契約内容を聞いてみますか

父ひとり娘ひとりの父子家庭で、小さな定食屋を営んでいた小林家
謙作は娘の好きなモデルの仕事を思う存分やらせてやりたかったが、なにせかすみは父思いの優しい娘だった
「自分には家の手伝いがあるから」とモデルの夢を自ら閉ざそうとしていた娘を見かねて、謙作はあえて彼女を突き放したのだ
自分という枷がなくなれば、娘はモデルの仕事に打ち込める
あぁ なんということでしょう
ストーリー的には「娘思いのお父さんだなぁ」というお涙頂戴のシーンなんでしょうが。はんぺらは微塵もそうは思いませんでした
とんだバカ親だろうと
そんな事ちゃんと真剣に向き合って話合えば通じるよ!だって
世界でたった2人の父娘じゃないか
それなのにコイツはアホみたいに極端な思考で、娘と何の会話も交わすことなく自分の思いだけを断行してしまったのです
結果として最愛の娘を1年以上にも渡り悲しませる事になるわけで・・・いやはやコイツをバカと言わずして何をバカと言うのか

それからの謙作は父として彼女に連絡することなく、正体を伏せてかすみ草を届ける、彼女の心の支え「かすみ草の人」となった
そんなツライ思いを耐えてきた謙作だったが、アイビーイマジンが現れた時、我慢してきた娘恋しさがついポロっと出てしまう
「娘と会いたい」
それが謙作の願った願い。アイビーイマジンは「かすみの仕事を全部潰す」という行動により、その願いを叶えようとしたのだ
かくしてパリコレ進出を潰した今アイビーイマジンの契約は達成され、謙作の扉を開いて過去の時間へと飛んでしまいます





「かすみちゃんとお父さんはもう仲直りできないのかな・・・?行こう、ハナさん」
ジャンプしたアイビーイマジンを追って、良太郎達もデンライナーで過去へ。この哀しき父子を救う術はあるのか?

2006/11/8
「お前がいると仕事の邪魔だ。今すぐここを出て行け」
「お父さ・・・・どうして・・・?」

謙作が断腸の思いでその言葉を切り出し、かすみが泣きながら家を飛び出した後、アイビーイマジンが登場
なんか手から
ビービー破壊光線出して街を破壊しまくります。お前それ先週のバトルで使えよ
やや遅れてデンライナーが到着し、アイビーイマジンとキン良太郎が対峙します・・・・が!なんと
キンタロスは暴れるイマジンを無視し、全速力で
かすみの乗ったバスを追いかけたではないか!
「キンタロス!?何をするつもり?」
「かすみに親父さんの本当の気持ちを伝えたるんや!
もう一度やり直すんや!」

かすみと謙作を救うべく、暴れるイマジンそっちのけで檄走するキンタロス。しかしこの行動はどう考えても・・・・
「イマジンに手を貸した挙句、今度は時の運行まで変えようと言うのですか?
ならばキンタロスくん・・・私はオーナーとして
貴方を乗車拒否します」

どう考えてもこれは重大な違反行為。怒ったオーナーはキンタロスの追放を宣言しますが、それでもキンタロスは止まらない
「デンライナーを追放されたら永遠に時間の狭間を彷徨うのよ!?戻りなさいキンタロス!」
「構わへん!こうなったのは俺のせいやからな!」

まさに今回のサブタイトル通り。自ら死地に赴くために檄走するキンタロスは、さながら太宰治の「走れメロス」のよう
かくしてなんとかかすみの乗ったバスに追いついたキン良太郎は、謙作の真意を大声で彼女に伝えます

「かすみ!親父さんともう一度話し合うんや!」
「はぁ?いきなり何?そもそも誰なのよあなた」
「俺はお前の未来の友達や!ええか、よく聞けかすみ
親父さんはお前の夢の為に敢えて突き放したんや!
親父さんはお前を愛しとる!親父さんを信じるんや!」

自分の思いを遂げたキンタロスは満足して現場へトンボ返り。そのまま電王としてアイビーイマジンに挑みます
「泣けるで・・・これが俺の電王としての最後の戦いや!」
ダイナミックチョップで見事これを撃破。最後の戦いを有終の美で飾るのでした





「キンタロスくん。キミをこのデンライナーから追放します。これは決定事項です」
戦いを終え、現代に戻るデンライナーの車内。やはりキンタロスの追放は覆らないのか?と・・・思いきや
デンライナーが途中停車した扉から外を見てみると、そこは良太郎とかすみが初めて出会う少し前の時間
そこでかすみはカスミ草を届ける謙作の姿を発見し、その胸に向かって飛び込みます
「お父さん・・・やっぱりお父さんがカスミ草の人だったのね」
「かすみ・・・どうしてそれを?」
「1年前・・・「お父さんの事を信じろ」って言ってくれた人がいたの
お父さん・・・私今度パリコレに行くんだよ。これからはカスミ草の人じゃなく
お父さんとして私を見守ってね」
1年ぶりの父娘の抱擁。キンタロスが時の流れを変えたおかげで、かすみと謙作は和解することができたのだ

事の顛末を見届け、これで思い残すことはない、とデンライナーを降りようとしたキンタロス
しかしそんなキンタロスを、追放しようとしていたオーナー本人が何故か引き止めたではありませんか
「ふぅむ・・・キミを追放する理由がなくなりましたね」
「どういうことや?」
「キミが時の流れを変えたおかげで、かすみちゃんと良太郎くんは出会いません
お父さんもかすみちゃんと仲直りしたので、イマジンと契約する事はありません」

「え・・・?じゃあキンタロスがさっき起こした暴走も・・・?」
「”起き得なかった事”になりますねぇ」

「ええ?でも・・・・なんかそれって・・・変じゃない?」
おーおー。お子様には難しくね?これこそが時間改革による
事象変化の矛盾「タイムパラドックス」の面白い例

わかりやすい例を挙げますと、
「タイムマシンを作った科学者を歴史から抹殺する為
タイムマシンで過去へ飛んで、その科学者を殺す」

ことは可能でしょうか?答はNOです
何故ならば。科学者を殺した時、彼が開発するハズだったタイムマシンの技術は失われるため
「科学者を殺すために乗ってきたタイムマシン」の存在が
消滅するからです
このケースの場合、良太郎とかすみが出会わなければキンタロスが過去で暴走するという事態は起こらなかったワケですが
キンタロスが過去で暴走したおかげで良太郎とかすみは出会わず、キンタロス暴走という事象が「無かった事」になったのです
まさに矛盾

「そう・・・変です。だからこそ時の運行は守らねばならないのですよ
こんな事はもうこれっきりにしていただきたいですね」

まぁ小さな子供や主婦は右から左へ聞き流すシーンではありますが。「大人の視聴者」は思わず唸る場面です
かくしてオーナーの配慮でキンタロスは追放を免れたのでした。
リュウタロス登場の次週へ続く!


13話

いい?答えは聞いてない

「うぅ・・・身体が重い・・・なんだかだんだん疲れが酷くなってる気がするよ・・・」
流石にイマジン3体憑けてるだけあって、いい加減疲労のピークに達しつつある良太郎
そんな宿主の都合もなんのその、今日も今日とて良太郎の身体を取り合い大乱闘を繰り広げる3人。酷い連中です
結局最後は弾き飛ばされデンライナーへと戻ってしまう3人ですが、その時ウラタロスは何か不思議な気配を感じるのだった

「あ、あの〜・・・三浦さん・・・ボク・・・」
「良太郎君、目を心の内側に向けるんだ。君の中の深―い場所だ。そこに何が見える?」
「愛理さん、あのインチキカウンセリング信じてるんですか?悪霊なんてバカバカしいですよ」

その翌日、ミルクディッパーは店を休んで”自称スーパーカウンセラー”三浦が良太郎に催眠治療を施していました
どうやら深層心理を覗き込むことによって、良太郎に憑いた「悪霊」の正体を掴もうとしているようですが・・・
「そう、あれはボクが小学校1年生の時だ!ボクは授業中におしっこを漏らしてしまった!
でも先生は少しも怒らず、優しく笑ってくれたんだ。思えばあれがボクの初恋だったんだ!
そして次の恋はすぐにやってきた・・・!」

「ああっ。こっちにかかっちゃった

ゲラゲラなんだこりゃ。実験を小馬鹿にしながら傍から見ていた尾崎が、真っ先に催眠にかかってしまいました
三浦の催眠がスゲーのか尾崎が単純バカなのか
と、その時
同じく傍から実験を眺めていた愛理も、何やら焦点の合わない目で例の天体望遠鏡をじーっと見つめ出したではありませんか
三浦の催眠スゲー
やはり彼女の深層意識には、彼女自身が封じ込めたこの望遠鏡に関する何らかの記憶があるようです
そして。やがて良太郎も瞳を閉じ、深い深い意識の底に沈んでいくと・・・ニヤリと口の両端を吊り上げてこう呟くのでした
「見つかっちゃった」
その瞳は、今まで見た事のない紫色に輝いて・・・・





「おい・・・なんだこりゃあ?急に良太郎と繋がらなくなったぞ!」
良太郎に起こった謎の変化をすぐさま察知するデンライナーの3人。只ならぬ雰囲気にハナも息を呑みます
「良太郎がアンタ達を締め出してるだけじゃないの?」
「いや、違うね・・・この感じはまるで・・・」
「良太郎が・・・”消えた”!」
「なんですって?」

弾かれるようにデンライナーを飛び出したハナはミルクディッパーへ直行。メチャクチャに荒らされた店内で倒れている三浦を発見する

「しっかりして三浦さん!何があったの?」
「うぅ・・・ハナちゃんか。申し訳ない・・・僕としたことが
良太郎君の治療中にとんでもない悪霊を呼び覚ましてしまったらしい」

どうやら紫の瞳になった良太郎が店の中で大暴れしたようです。第4のイマジンが取り憑いてしまったということか
そして店内には愛理の姿もなかった。三浦曰く、催眠治療の最中に天体望遠鏡をぼーっと見た後、フラフラと店を出て行ったそうな
どうも三浦の催眠術が、愛理の封印された記憶を
ある程度解き放ってしまったらしい
「愛理さん・・・くっ!でも今は良太郎を先に探さないと!」
彼女の行方も気になるが、ここは優先順位を間違えてはいけない。ハナは良太郎を探して再び街へ飛び出します





ミルクディッパーの近所くにある、緑の多い静かな雰囲気の公園、「ゆりかご公園」
歳を召した公園の清掃員、戸山さんはこの公園に住まう鳥や野良犬、野良猫たちに餌を与えるのが楽しみであり、日課だった
しかしこの日、突然鳴り響くラジカセの音とともに若者達のストリートダンス集団が広場を占拠。驚いた動物達は逃げてしまいます
「コラ君達、公園は騒ぐ所じゃあないぞ!みんなの場所だ!」
「ダンスの練習してるだけだぜ?それにみんなの場所なら俺達の場所でもあるって事じゃん?」
ああ言えばこう言うバカ若者達の典型です
ま、俺も公園でダンスの練習するくらいOKじゃん?と思うんですがね。でも公園にはその公園その公園の空気というものもある
緑多く鳥達が囀る静かな雰囲気が売りの公園で、ダンスミュージックをガンガン垂れ流したらそりゃあ良くないでしょう

「だがここには鳥達も沢山いるんだぞ!そんな音楽を流したら・・・!」

「爺さんウルサイんだよ!文句なら”公園で踊っちゃダメ”ってルール作ってから言いな!」

若者数人に凄まれては年取った清掃員に勝ち目はありません。すごすごと引き下がるしかない可哀想な戸山さん

更に加えて戸山さんを悲しませたのは、その若者グループの中に、彼の良く知る少年が居たことです
小学生の頃はしょっちゅう公園にやってきて、戸山さんと一緒に動物達に餌をあげた優しい子だったのに
これも時代の流れか、と肩を落としながら動物達用の茶碗を洗っている戸山さん。その寂しい背中に、まばゆく輝く光の球が・・・
「お前の望みを言え。どんな願いも叶えてやろう。お前の差し出す代償はたったひとつ・・・」
今回の敵は梟型の怪人オウルイマジン。声優はボウケンジャーで闇のヤイバを演じた黒田崇矢さんで、めっさ渋い声してます





公園で踊り続ける若者らの前に、紫の瞳に変貌した良太郎が華麗なステップを刻みながら現れた
「鳥やネコ達を驚かしたの・・・お前?」
言うなり若者に顔面パンチを見舞う良太郎。どうやら動物達を驚かした彼等に対して怒りを抱いている模様ですが・・・
言わずもがな中身は第4のイマジンリュウタロス。声優は鈴村健一さん。近年では種デスのシン・アスカが有名ね
一通りぶっ飛ばした後、指をパチン!と鳴らすと、若者達を自分の支配化においてしまうリュウ良太郎。おーなんだこの能力は
「これで僕達友達だね。僕のこと・・・好きになってくれるよねぇ?」
かくして若者達を仲間にしたリュウ良太郎はダンスユニットを結成。一緒になって踊りまくります
音楽で犬猫を驚かせた事に怒ってたのに、
自分がダンスユニット作っちゃうのかよ!
なかなかに行動が支離滅裂ですリュウタロス。喋り方も無垢な少年のようだし、掴みどころがない性格って感じ

一方、ゆりかご公園にやってくる人達が次々とオウルイマジンに襲われていた。それを必死で止めようとする戸山さん
「やめてくれ!そんな事をしてくれとは頼んでいない!」
「何を言う。お前の願いは”動物達が安心して暮らせる公園”
その為にこの公園に近づく人間達を排除しているところだ。邪魔をするな」

おお。なんか今までの願いの叶え方では
一番マトモな部類だぞオウルイマジン
人間を襲うのはイマジンらしい極端さですが、殺しはしないで公園に近づけないだけですし、紳士的と言えるんじゃないでしょうか





で、良太郎を探しに公園にやってきたハナに襲いかかるオウルイマジン。砂形態でハナを守るモモタロスだが役立たず
と、その時響き渡るラジカセの音。
リュウタロスダンサーズ颯爽と登場です
「良太郎?」
「これ壊したの・・・お前?」
リュウ良太郎が指を指したのは、オウルイマジンがハナを襲う際に壊した鳥の巣。怒り心頭といった感じです
「だったら何だ?」
「お前なんだ。じゃあボク怒るよ。いい?」
「ガキの遊びに付き合ってる暇はない。失せろ」
「いいんだ?じゃあ・・・・
変身!」

「なにぃッ!?どういう事だよありゃあ!?」
驚くハナと砂モモタロスの目前で、電王ベルトを取り出した良太郎は紫色のスイッチを押した。現れたのは4番目の形態!
仮面ライダー電王・ガンフォーム!
「ちょっと倒しちゃっていい?答は聞かないけど!」
「なるほどキサマ電王か。だが話に聞いていた姿とは違うな」

第4のイマジン、リュウタロスはいきなり電王へと変身すると、慣れた感じでデンガッシャーガンモードを装備
飛び回るオウルイマジンに向かって
めったにやたら銃を乱射しまくります
ズガガガガガガガガガガ!!
ゲエー!?すげえー!弾は悉くオウルイマジンに当たらず、公園の建造物破壊しまくり!
正直今まで過去で暴れたどんなイマジンよりも派手な破壊活動です。もうシャレになってません
「やめなさい!これ以上は公園がメチャクチャになってしまうわ!」
「・・・あっ、そうか。それじゃあ鳥の巣が壊れちゃうね」

ハナの制止のおかげでとりあえず破壊活動停止。ほうほうの体で逃げ出したオウルイマジンも追わず、一旦戦闘終了です





「あなた・・・何者なの?」
「いつの間に良太郎に憑きやがった!?さっさと離れやがれ!」
リュウタロスの正体を問い詰めるハナとモモタロス。彼の口から紡がれた言葉は、2人の予想を遥かに超える物騒なものだった
「ダメだよ。やることあるし
僕、良太郎をやっつけなきゃいけないんだってさ。だから憑いたんだ」

「んな・・・!?」
「な・・・ッ?ちょっとやばいよコレ!」
「良太郎ッ!」
なんとリュウタロスの目的は良太郎の抹殺
事態の危険さを察知したウラタロスとキンタロスも砂形態で駆けつけ、3人がかりでなんとかリュウタロスを引き剥がそうとします
が、やはり砂のままでは束になってかかっても電王に変身しているリュウタロスには手も足も出ず、敢え無く返り討ちにされてしまう
「良太郎聞こえる!?お願い目を覚まして!」
「聞こえないよ。良太郎の意識はすごく深いところに・・・・う?」
『駄目だよ!ハナさんから手を離して!』
「うそ?なんで・・・?出てこられるワケ・・・」
しかしハナの必死の呼びかけが届いたのか、ギリギリで意識を取り戻した良太郎が自力でリュウタロスを追い出すことに成功
精魂尽き果てた良太郎は糸が切れたようにその場に崩れ落ちてしまいます


「いやぁ〜愛理さんからドライブに誘ってもらえるなんて夢のようだなぁ!
じゃあどこへ行きます?望む所どこだって連れて行ってあげますよ」

そしてラスト。尾崎の運転する車に乗っているのは、未だ目が虚ろな状態の愛理。どうやらまだ半催眠状態みたい
「いつもの・・・場所・・・希望ヶ原・・・いつもの・・・星が見える丘・・・」
愛理の脳裏にフラッシュバックするのは、希望ヶ丘の展望台と天体望遠鏡、そして・・・顔の見えない男性に寄り添う自分の姿
むー。天体望遠鏡にまつわる彼女の記憶とは、お約束な例に漏れず
亡くなった彼の事みたい
最愛の人を失った悲しみから逃げるために、深層意識の中にその記憶を封印してしまったのか。哀しい女性だ
でもアレ?愛理が大事そうに手にしている懐中時計は・・・電王が闘う過去のどの時間にも度々現れる、
あの懐中時計の紳士とお揃いの物?そうしか見えませんよ?じゃあ愛理の彼氏とは一体・・・?
突然現れた第4のイマジンリュウタロス、少しずつ明かされてゆく愛理の過去・・・謎が謎を呼ぶ次週へ続く!


14話

ダンス・ウィズ・ドラゴン

「教えてくれないかな。キミは・・・一体いつから僕に?」
「んー、あの亀の人が憑いた時。一緒に入ればわからないと思って」
「な・・・僕をカムフラージュに使ったってワケ?」

デンライナーで姿を現したリュウタロスを尋問する良太郎達。なんと彼が憑いたのはウラタロスと同時期まで遡るそうな
第9話で生身の良太郎が空手部員達を吹き飛ばした謎の力も、リュウタロスの仕業だったと考えれば合点がいきます
「答えなさい!アンタの狙いは電王?特異点?」
「わかんないよ。やることは勝手に頭の中に入ってくるんだ。イマジンはみんなそうでしょ?」
「ええ?そうだったのみんな?」
「・・・まぁ、ね」

なんか物語も14話になって、今更イマジンの新たな設定が明かされました。
絶対後付けに違いない
それによればイマジンの行動原理は自己の意思ではなく、頭の中に勝手に入ってくる衝動のようなモノに従っているとの事
「良太郎をやっつけたら時の電車の車掌にしてくれるんだってさ。いいよね、車掌!」
「車掌だぁ?誰がそんなフザけたことを!」
「だからわかんないってば。勝手に頭の中に入ってくるんだもん
あ、そうそう。僕の名前、
リュウタロスでいいんだよね?」

車掌にしてやるてオイ。どうも「勝手に入ってくる」のは漠然とした行動原理ではなく、かなり具体的な「命令」に近いモノみたい
ならばイマジンにこの「命令」を与えている存在がラスボスということなのか。そしてそれはおそらくあの・・・
「キミはそんなに前から僕の中に居たのに・・・今まで出てこなかったのはどうして?」
「だって良太郎の中に居るとすごくイイことがあるからね
だからもうしばらくこのままでいいかなぁ?その後必ず殺ってあげるからさ。ね?」

そう言うと美味そうコーヒーを飲み干し、再び良太郎の中へ入ってしまうリュウタロス。彼の言う「イイこと」とは一体・・・?

「こりゃあいがみ合ってる場合じゃねえぜお前ら」
「だね。いっちょう一緒にやりますか先輩」
「うむ。良太郎の為やからな!」

リュウタロスという爆弾を抱えてしまった良太郎。彼を排除するにあたり、いつも喧嘩の絶えないイマジン3人組が一致団結します
「フフお前ら・・・どうやら俺はお前らのことを誤解してたようだぜ。すまなかったな
クマ公、正直お前はバカの置物だと・・・・亀公、お前もただのスケベ亀じゃなかったんだな」

「いや・・・僕も先輩のこと脳味噌干物だと思ってたからおあいこだよ」
「俺もお前らのこと、脱いだ靴下くらいに思うとったわ」
チーム結成直後からいきなりひきつり笑顔で悪口言い合い。コイツら面白いなぁ





「愛理さん、催眠治療の途中で望遠鏡を眺めて店を出て行ったって三浦さんが・・・
どこに行ったのか気になるけど、まずは公園のイマジンを倒すことのほうが先決ね
私先に行ってるから、良太郎は少し休んでから来て」
「懐中時計がない!姉さんまさか記憶が?でもそれじゃ姉さんは・・・」
とりあえず一旦ミルクディッパーへと戻った良太郎。そこで愛理の記憶が戻ったかもしれない事を知り、愕然とします
良太郎としては姉は心配だわ、イマジンは倒さなきゃならんわ、リュウタロスは気になるわでまったく心が休まりません
『あれえ?お姉ちゃん居ないよ?お姉ちゃんどこ?』
「な、なんで姉さんを?姉さんは電王には関係ないんだから絶対巻き込まないでよ?」
「んー。じゃあ公園に犬や猫見に行っていいかなぁ?いいよね?」

良太郎の制止も聞かず、再び身体を奪ってしまったリュウタロス。例のリュウタロスダンサーズを引き連れて公園へGO

しかし公園に着くと、そこは既にオウルイマジンが持ってきた粗大ゴミ等で高いバリケードが築かれていました
ガックリするリュウ良太郎。そしてダンサーズの1人で、戸山さんと知り合いのあの少年・レージもその光景に立ち尽くす
「なんだよコレ〜。これじゃ入れないよ」
「おぉ・・・なんてことを・・・」

「動物達が安心して暮らせる公園・・・契約は達成された」
あまりの惨状に呆然としている戸山さんを尻目に、オウルイマジンは契約完了を宣言して戸山さんの過去へとジャンプ
ハナが時期を確認すると、その日付は戸山さんとレージが2人で面倒を見ていた子犬、コロが死んだ日であった
「あの日・・・自転車に轢かれたコロを抱えてお前は1人で動物病院へ走ったが・・・
途中で道に迷ってしまいい、ようやく病院に連れて行った時にはコロは手遅れだった
そしてその日以来、お前はプッツリと公園に来なくなったな
自分のせいでコロが死んだと思っているのか?」
「戸山さん・・・」

「コロが死んだのはお前のせいじゃない」

コロの死を自分の責任と思い込んだレージ少年は、以来公園に寄り付かなくなりダンスに打ち込むようになっていった
これが戸山さんとレージとの、コロにまつわる哀しい過去の全てである

「よっしゃあ今だ!いくぜお前ら!奴を引きずり出せ!」
「・・・・・あっ」
そんな2人の話をじっと聞き入っていたリュウ良太郎に心の隙が。今がチャンス!とばかり強引に入り込むイマジン3人組
見事にリュウタロスを引っ張り出すと、モモタロスが電王ソードフォームに変身、オウルイマジンを追って過去へ飛びます





1997/2/20
コロを抱きかかえて動物病院へ向かうレージ。それを追いかける戸山さんからオウルイマジンが出現・・・と!
そこでいつもの懐中時計の紳士が姿を現すと、オウルイマジンと彼が
じっと睨み合うような描写が
あらゆる時間の中に登場し続ける、謎の紳士。イマジンの頭の中に「命令」を送る人物が居るとするならば、それは彼では?
しかしここで電王到着。紳士はどこへともなく姿をくらまし、ここらへんの謎が明かされるのはまだまだ先になりそうです
「またキサマか・・・よくよく邪魔をしてくれる」
「へっ悪いな・・・趣味なんだよ!」
長らくソードフォームの出番がなかったので鬱憤の溜まっているモモタロス。今日で全て吐き出さんばかりに大暴れ
接近戦ではオウルを圧倒するモモタロスでしたが、空を飛ばれるとやはり苦戦。これなれば必殺・・・と身構えたその時
「早くしないと仔犬が死んじゃうよ!」
コロの身を案じるリュウタロスがモモタロスを強引追い出してフォームチェンジ
例によって辺りの建造物破壊もなんのそのの
めくら滅法撃ちでオウルイマジンを瀕死に追い詰めます
こいつオウルイマジンよか過去破壊してね?

『フルチャージ』
「トドメ刺すけど・・・いい?」
「だ、ダメだ!」
「答は聞いてない」

ぼっがぁ――――ん!!!
ドレイクのライダーシューティングっぽい必殺攻撃でオウルイマジンを撃破。オウルのギガンデスが現れる
何故か2匹。しかも巨大蝙蝠と竜、
どちらも今まで出てきた奴の使い回し
新たなCGを制作する予算と労力をケチったと思われます

「僕の電車、あるよね?」
『いやキミのかどうかわからないけど』
「僕のだよ」

リュウタロスが言い切った瞬間、4両目のデンライナー
イカヅチが登場。ガンフォームの専用戦闘車両です
イカヅチの先頭部分は巨大な竜の頭になっていてて、半ば生物のように口から光弾をバンバン発射しまくります
電子星獣ドル!電子星獣ドルじゃないか!
ちなみにゴウカ、イスルギ、レッコウ、イカヅチは漢字で書くとそれぞれ
業火石動烈光
つまり4両合わせると
電光石火になるというワケです。なかなか凝ってるネーミングね
他の3両も救援に現れ、全車両連結の電光石火バージョンになるデンライナー。まずは巨大蝙蝠をあっという間に瞬殺
更に飛びまわる龍を相手にするため線路を上空へと伸ばし、
高度数千mでの空中大決戦
ド迫力のCGも素晴らしいクオリティで、文句のつけようもない圧巻の戦闘シーン。たしかにこりゃ時間と手間かかってるわ
かくしてギガンデス2匹を苦もなく撃破したリュウタロス&電光石火デンライナー
その活躍のおかげで戸山さんとレージは病院へ間に合い、コロの命は救われるのでした。過去改竄しまくりだな電王





「あ、ちょっと寄ってもらいたい所があるんだ。姉さんを迎えに行かなきゃ」
「え?愛理さんがどこに行ったか心当たりがあるの?」
「うん。もし姉さんの記憶が戻ったのなら・・・・」

戦闘を終えた良太郎は愛理を迎えに思い出の展望台へ。果たして 愛理は封印した記憶を思い出したのだろうか?
儚げに立ち尽くす愛理の背中に、遠慮がちに話しかける良太郎。ゆっくりと振り向いた愛理から出た言葉は・・・
「あら良ちゃん。こんなところにどうしたの?って・・・・
私も何でこんな所に居るのかわからないんだけどね」
「姉さん・・・何も覚えてないの?」
「三浦さんの催眠治療を見てたことは覚えてるんだけど・・・
あらあら良ちゃん汗びっしょりじゃない。風邪引いちゃうわよ」

愛理の記憶は催眠術の効果で断片的なイメージを一時的に甦らせただけに過ぎなかった。ホッと安堵する良太郎

良太郎が愛理に汗を拭いてもらうと、何故かデンライナーのリュウタロスはニコニコ笑顔で大喜び
「あっ、お姉ちゃんだ!お姉ちゃーん!」
「ええ?何この甘え様・・・あ、そうか!”すごくイイこと”って愛理さん?」
喉をゴロゴロされる猫のようにふにゃふにゃになるリュウタロスを見て、ハナはリュウタロスの「イイこと」が愛理であると悟る
「ねぇねぇ!良太郎殺しちゃったらさ、お姉ちゃん泣いちゃうかな?」
リュウタロスが子供のように意見を求めてきた瞬間、デンライナー一同の瞳がパァっと輝いた
「お・・・・おお・・・・おお!!泣くぞ!絶対泣く!」
「ああ、すごく哀しむだろうねぇ」
「そりゃあ泣くに決まっとるわ!」

「良太郎が死んじゃったら愛理さん可哀想・・・!」

「そっかぁ・・・じゃあ良太郎殺すのやめるよ、僕」
単純バカでよかった!とりあえず愛理が居る限り、リュウタロスが良太郎を狙う事は無いようです
「でも・・・車掌も捨てがたい、よねぇ?」
とは言え、どうにもこうにも
不思議キャラ120%のリュウタロス
数秒先の行動も予測できない困った新参者に、揃って頭を抱えるデンライナー一同だったとさ。次週へ続く!


15話

バスジャック・パニック

「俺は凶悪な強盗犯だ!お前ら、今から人質になってもらうぜ!」
冒頭、持ち前の運の悪さで拳銃を持った強盗犯と出逢ってしまった良太郎
犯人が良太郎を連れて駆け込んだ銭湯で、一緒に居合わせた袴田という男とともに人質になってしまう
喜んで出しゃばろうとするモモタロスを押さえつけ、ハナは良太郎に指示を送ります
「アンタ達はイマジンと戦う時以外は良太郎に入るの禁止!
聞こえる良太郎?もうすぐデンライナーの停車時刻だから、それまで待ってて」

「大変ですよ愛理さん!この近くで拳銃を持った男の立て篭もりですって!逃げましょう!」
「三浦君・・・まったくうるさい男だなキミは。そんなの知ってるよ、僕はこれからその取材だ」

一方、相変わらず落ち着きのない三浦と嫌味な尾崎が居合わせるミルクディッパーの電話が鳴った
「姉さんが心配するので」と犯人に頼み、電話をかけさせてもらった良太郎からであった
「まぁ・・・立て篭もり犯の方ですか?えぇ・・えぇ・・・まぁ、ウチの良ちゃんが?
はい・・・はい・・・どうもご丁寧にありがとうございました。それじゃ」

良太郎が人質になったという連絡を
淡々と聞く愛理。強盗相手でもその優しい口調は変わりません
まったく動じず呑気にコーヒーを炒れている愛理を見て、むしろ三浦や尾崎のほうがパニックです
「ああああ、愛理さん!そんな落ち着いてる場合じゃ・・・」
「あ、そうですね。差し入れでも作って持って行ってあげなきゃ」
この姉ちゃんはきっと
呑気の化身に違いない。その大らかさには、ファンの客達も開いた口が塞がりません





「おお、出たぜハナ!イマジンだ!俺の出番だよな?な?」
幸か不幸か、現場の銭湯から離れた場所にホエールイマジンが出現。ちょうどデンライナー停車時刻とビッタシです
銭湯のドアから現れたハナはモモ良太郎をイマジン退治に向かわせ、自身は良太郎の代わりに人質を買って出る
「な、なんだ女!おまえどこから現れやがった!アイツはどこへ消えた!」
「どうだっていいでしょそんなの。人質なら私がなってあげるわよ。それともなに?
私じゃ不満ってワケ?え?」
勇次郎のような迫力で初対面の強盗をいきなり震え上がらせるハナ。この作品最恐キャラはハナだな

「お〜ま〜え〜・・・電〜王〜・・・・化け〜・・・る〜?」
「俺、参上!・・・って、イライラする喋り方する奴だな」
一方、電王と対峙したホエールイマジンは今までに例を見ない
オツム足りない系のイマジンだった
そして例によってキンタロスの空耳が発動。「化ける」を「泣ける」と聞き違え、強引にアックスフォームに変身します
流れ〜流れて〜 ぶらりぃ〜たびぃ〜♪
同時にBGMとして流れ出す謎の演歌。って、歌ってるのは佐藤健とてらそままさき!?まさかとは思うがこれが・・・
うご〜きだそぉ〜ぜ だぶ〜るあ〜くしょ〜ん♪
ゲエエエすげええー!キンタロスの戦闘テーマ曲
「Double-Action Ax form」
まさかの演歌デュエット

ロッドフォームがソードフォームを多少アレンジした程度のメロディだったのに対し、こちらはもう完全に別物です
うーんすごいな。これだとガンフォームはきっとテクノ系というか、サイバーな感じにアレンジされるのかな?楽しみだ
専用曲パワーでホエールイマジンを圧倒する電王だったが、不利を悟ったホエールイマジンは河に飛び込み逃走
とりあえずAパートの戦闘を追え、良太郎は再びデンライナーへと乗り込みます





「ただいまハナさん」
「ばっ・・・?なんでわざわざ戻って来てんのよ良太郎!」
「え?だってハナさん捕まってるし。一人だけ逃げるわけにはいかないから・・・」
戦闘を終えた後、走れメロスのごとく律儀に銭湯へ戻ってきた良太郎。この呑気さは姉譲りか
「こここ、この野郎ふざけやがって!一体今までどこに消えて・・・ぐはぁ!」
狼狽してオタオタ銃を構えた犯人だったが、必殺のハナキックを喰らってKO。ハナつえー
とりあえず事件は解決と思われたのですが・・・
「おっと動くな!悪いな2人とも、実は俺も警察に追われてる身でよ」
意外な展開。なんと一緒に人質になっていた袴田という男も、ワケ有りの素性の持ち主だったのだ
犯人の拳銃を奪い、それを2人に向けて威嚇する袴田。この篭城事件はまだまだ終らないと言うのか?

「お邪魔しまーす。あ、犯人の方ですか?ウチの良ちゃんがお世話になって・・・
差し入れ持ってきました

あらハナちゃんも居たのね。どうもこんにちは」
「ええ?あ、愛理さん?こ、こんにちは」

どっこいその緊張感は呑気の化身の登場により、一瞬で瓦解するのだった

どうやって警察のバリケードを通過したのか知りませんが、サンドイッチ持って銭湯の中にトコトコ入ってきた愛理
その癒し系キャラとぬる〜い空気に当てられ、袴田はすっかり毒気を抜かれてしまいました
更に更に、目を覚ました犯人に事情を聞いてみたところ、コイツもまたどうしようもない小者だった
「いや・・・実は俺強盗しようと思ってウロウロしてて・・・そしたらパトカーが来たもんで
ビビっちゃってこんな行動を・・・あ、その拳銃も勿論モデルガンですし」

「ふふ・・・やれやれ。人質は勝手に歩き回るわ拳銃はオモチャだわ・・・
これじゃ篭城もクソもねえわな。自首することにするよ」

「強盗」はまだ未遂だった上に、拳銃はオモチャだった犯人。根は悪人ではない袴田は自首することを決めます
「袴田さんは・・・どうして警察に?」
「勤めてた会社の金が盗まれる事件があってな。その犯人にされちまった
身に覚えはないのによ・・・社長は「出る所に出る」って聞かなくて・・・
頭にきて、逃げるように会社を飛び出して・・・それっきりだ」

「それ・・・
冤罪じゃないですか!ダメですよ、無実の罪は晴らさないと」

話を聞いてみれば、どうも袴田は身に覚えの無い罪で警察から追われているとのこと
冤罪ならばちゃんと晴らすべきですが、成り行きとはいえこんな篭城事件にまで関与してしまうとなかなかそうは・・・
「今警察に捕まっちゃったら冤罪は晴らせませんよ?
私達付き合いますから、何か良い知恵が浮かぶまでもう少しここに居ましょう
星も・・・空が晴れてなければ見えません。ね?」

この状況で外に出れば袴田の冤罪は晴らせない。彼を気遣った愛理はもうしばらく篭城を続けることを薦めます





その頃、ホエールイマジンによる2人目の犠牲者が発生。そのニュースを見ていた袴田が思わず声を上げる
「こ、この2人・・・どっちも俺が勤めてた会社の同僚だ・・・!」
イマジンが襲った人間の共通点。ならば会社を調べれば何かわかるか?良太郎は早速その町工場へと足を運びます
「あのう、火口社長さんですか?僕は袴田さんの知り合いで・・・」
「袴田だと?アイツは恩を仇で返すような奴だ!
今度会ったらタダじゃおかねえって伝えておけ!」

夜の工場で社長・火口と会った良太郎だったが、袴田の名前を出した途端、烈火のごとく怒り出す火口社長
いまだに袴田を犯人と信じきっており、会話にすらなりません。それにしても火口って小者そうな名前の社長ね
大声で当たりちらし、そそくさとその場を去る火口。その背中から大量の砂が零れ落ちるのを良太郎は見逃さなかった
ホエールイマジンの契約者、いきなり判明。この社長さんです

「うーん・・・お前邪魔。消しちゃっていい?」
『ええ?リュウタロス何言ってんの?ダメだよ!』

と、そのとき良太郎にリュウタロスが憑依。いきなり変身すると、なんと生身の火口社長に対して攻撃を仕掛けた
袴田に冤罪を着せたのもこの男。イマジンの契約者もこの男。ならば
コイツを抹殺すれば事件は解決すると思い込んだリュウタロスの短絡的行動だった
ズガガガガガガガガガガ!
「は〜や〜く〜に〜げ〜ろ〜・・・・ウオオオオオ!」
良太郎の制止などなんのその。生身の人間相手に必殺の
めくら滅法撃ち炸裂
契約者のピンチにホエールイマジンがやってきますが、まったく意に介せず銃弾を浴びせかけるガンフォーム
燃料の入ったドラム缶を撃ち抜き
工場の一部を吹き飛ばす大爆発。破壊しすぎ!
爆発とともにホエールイマジンを撃退したガンフォームは、ワケもワカらず逃げる火口社長を笑いながら追い詰めます
「あ、いたいた。逃さないよ」
ターミネーターかお前は。特撮史上初!
一般人を殺人チェイスするヒーロー
良太郎は暴走するリュウタロスを止めることが出来るのか?銭湯の篭城はどうなるのか?次週へ続く!


16話

幸福の星、降伏の犯人

「あ〜あ、逃げられちゃった」
恐怖のマーダーチェイサーリュウタロスからなんとかトンズラした火口社長。日曜朝から主人公に殺人させるワケにはいきません
デンライナーに戻った良太郎は一同とリュウの暴走を諌めるが、当の本人は聞いてるんだか聞いてないんだか悪びれた様子なし
怒ったモモタロスが鉄拳制裁を加えようとするも、リュウはするりと良太郎の中に逃げ込んでしまいます
「ちっくしょ・・・・あのガキいつか絶対シメたる!」
放送開始直後、2、3話くらいはモモタロスのトラブルメーカーぶりに目を覆った視聴者でしたが・・・いやはや時が経つのは早い
今となっては
モモタロスが4人中一番の良識人。リュウにイライラする姿が視聴者の同情を誘います
「・・・そうか・・・社長はまだ俺の事を・・・」
みんなが篭城する銭湯に戻った良太郎は火口社長と会ってきたこと袴田に報告。その知らせに袴田は唇を噛むのだった

「あら、尾崎さん三浦さん。おはようございます」
一夜明けて翌日。警察のザルな警戒を抜けて尾崎と三浦も銭湯へ侵入。何やってんだよ警察・・・
強行突入しようとした警官隊を、リュウタロスの
人を意のままに躍らせる特殊能力で追い返し
呑気にみんなで仲良く朝食を取ることに。リュウタロスのこの能力は今後も何度も出番ありそうね
「袴田さん・・・無理して食べなくてもいいんですよ?ワサビニンニクおにぎりなんて」
真緑色をした愛理の奇想天外おにぎりに沈黙する一同
しかし袴田の動きが止まったのは、決してその味のせいではなかった
「イヤ・・・違うんだ。俺がまだ駆け出しのペーペーだった頃・・・
社長がごっつい手で握ってくれたおにぎりを思い出してな
職人肌で厳しい人だったけど・・・俺を1から鍛えてくれた人だった・・・
それが今じゃ・・・・・・くそっ、このワサビ、きついな・・・」
「袴田さん・・・」
目頭を押さえながらおにぎりを口に運ぶ袴田。彼が今でも火口社長のことを慕っていることを知った良太郎は、再び工場へ赴くのだった





「ひいいいい!ま、また俺を殺しにきたのかアンタ!」
「話を聞いてください社長。袴田さんは会社のお金を盗んだりなんてしてません
袴田さんは・・・社長のおにぎりの味がずっと忘れられないって言ってました」
怯える社長になんとか話を聞いてもらう良太郎。火口社長もその言葉にしばし沈黙しますが、やはりすぐには信じられません
「・・・なんで袴田はこねえんだ?本人に後ろめたい気持ちがあるからじゃねえのか?」
「いえそれは・・・」
「やっぱりお前、邪魔」
『ダメだよリュウタロス!お願いモモタロス!止めて!』
やはり短絡的なリュウタロス。良太郎の説得など待っていられないと、再び社長抹殺のために表に出てきます
リュウを追い出そうと何度も良太郎の身体に入り込むモモタロスですが、その度バシバシ弾かれてヘロヘロになってしまう
それにしてもリュウの支配力の強さは謎です。良太郎自身も滅多に跳ね返せないし、他の3人とは明らかにランクが違う感じ
他の3人よりも良太郎の深いところで繋がっているということなんでしょうか?この辺の設定もちゃんと以後説明してほしいところです
「やっろ・・・ナメんなよ!右手だけでも・・・ッ!」
渾身の力を振り絞り、なんとか右腕のコントロールを奪ったモモタロス。震えながら携帯でメールを送った相手は・・・・
『良ちゃんだよ良ちゃんだよ良ちゃんだよ良ちゃんだよ良ちゃんだよ良ちゃんだよ♪』
「あら、良ちゃんからメールだわ。お手洗いからメールだなんて変な子ね」
モモタロスが必死のSOSメールを送った相手は言わずもがな愛理。っていうかこの着信音すげえ。なんて姉バカ

『姉さんだよ姉さんだよ姉さんだよ姉さんだよ姉さんだよ姉さんだよ姉さんだよ♪』
十数秒後、良太郎の携帯に愛理からの電話が入る。って
この着信音もすげえ。なにこの姉弟!
大好きなお姉ちゃんからの着信なので、喜んで出るリュウタロス。愛理が発した言葉は・・・・
「良ちゃん?”やめて”」
「・・・うん!わかったよお姉ちゃん!」
とびっきりの笑顔でそう応え、良太郎の中に引っ込むリュウタロス。モモタロスが送ったメールの内容はこうだったのです
【 お姉ちゃん、僕に電話かけて『やめて』って言って! 】
「ありがとモモタロス。助かったよ」
「へへ・・・これくらい楽勝・・・だ・・ぜ・・・!」

モモタロスのクレバーな機転のおかげで窮地を脱した良太郎は、火口社長から事件のことを詳しく聞きだします





「じ、実は俺も袴田が金を盗ったかどうかはワカらねえんだ・・・
あの夜、俺はベロンベロンに酔っ払っててよ。あの怪物との契約ってヤツも、
”酒癖の悪さを治してくれ”って頼んだくらいなんだ」
「酒癖を治すって・・・イマジンに狙われたのは会社の人達・・・そうか!
社長、あの怪物は多分
あなたの酒癖の悪さを知る人物を消す事
で契約を果たそうとしてます!よく飲みに行くお店とかありませんか?」

今回のイマジンの曲解酷いな。それ全然
酒癖治ってねえし。前回のオウルは普通に遂行して偉かった
行き着けのおでん屋台に駆けつけた2人だったが時既に遅く、ホエールイマジンは店主を殺害すると火口の過去へ飛んでしまう
「け〜い〜や〜く〜か〜ん〜りょ〜う〜」
すぐさま後を追う良太郎。ホエールイマジンが飛んだ時間は2004/3/31。社長が会社の金を盗まれたという当日だった
果たしてその日に何があったのか?良太郎は犯人を突き止めることを約束し、デンライナーに乗り込みます

2004/3/31
「ウィ〜ひっく!借金だ税金だって・・・世の中ぁ金、金、金だ・・・ったくよぉ!」
良太郎が見守る中、会社の金が入ったバッグを持って千鳥足で現れた火口。果たして金を盗んだ真犯人は・・・・って
「こんな金があるからいけねーんだなウン!どっかいっちまえー!」
『ええええええー!?社長自分でお金捨てちゃったよ!』
真相はどうしようもなく単純だった。酔って正体不明になった火口が、歩道橋の上から下を走るトラックに荷台に向けて
テメエでテメエのバッグを放り投げていたのである
なのにグデングデンになった自分を袴田が介抱してくれると無くなっているバッグに気付き、その疑いを彼にかけたという・・・
コイツはリュウに撃たれて死んでも良かったな
直後火口からホエールイマジンが現れ、良太郎はすぐさま変身。やる気満々のモモタロスが一気呵成に攻め立てます
これはたまらん、と河に逃げ込むホエールイマジン。しかし迸るモモタロスは水中に逃げられたくらいでは止まりません
「逃しゃしねえんだよ!俺の必殺技・・・パート3!」
水中に飛ばした剣先で、さながらロッドフォームの釣りのようにホエールイマジンを水上に吹き飛ばすソードフォーム
剣先を素早く戻すと、落下してくる標的にジャンプ。空中ですれ違いざまに一刀両断です。かっけー!
「と、見せかけてストレートど真ん中だァ!」
空中爆発するイマジンをバックにガッツポーズをとる電王。何気にエクストリームフラッシュじゃないトドメって今回が初ね





「・・・というワケでバッグが無事に見つかってよ。すまん袴田!全部俺のせいだったんだ
こんなこと今更言えた立場じゃねえが・・・
またウチの工場で働かねえか?」

「社長さんも袴田さんの事をどこかで信じてて、盗難届けは出してなかったんです
だから袴田さんは
警察に追われてなんかなかったんですよ」

現代に戻り、良太郎の情報から金も戻った火口社長。すぐに愛理の携帯を通じて、袴田に対して侘びを入れます
袴田は最初から指名手配などされておらず、社長とも和解して万々歳かと思いましたが・・・それはそれ
「ありがとうございます社長。でも・・・その前に償わなきゃいけない事があるんですよ」
この世間を騒がせた
カラ篭城事件の罪は償わねばなりません。未遂強盗と一緒に自首することを決めた袴田
「じゃあ・・・そろそろ行くか」
「ああ。それじゃな、みんな」
愛理達が見守る中、両腕を上げて銭湯から出る2人。大勢の警官隊が一斉に2人に向かって突進してきて・・・・
銭湯の隣の質屋に雪崩れ込みました。アレ?
数分後。警官隊に取り押さえられて出てくる凶悪な顔をした男と、人質だったらしい若い女。つまりこれは、ですね
銭湯の隣の質屋で本物の凶悪立て篭もり事件が起きていて
銭湯に立て篭もった未遂強盗と袴田が、
勝手にテンパってただけだったのです
※だから愛理や尾崎・三浦も簡単に銭湯に入ってこれたわけね。合点がいった

あまりのオチにヘタヘタと座り込んでしまう良太郎だったが、愛理だけはすがすがしい笑顔を浮かべるのでした。次週へ続く!
「ほら。幸運の星は必ず巡ってくるんですよ」


17話

あの人は今!も過去?

「良太郎、身体は大丈夫?イマジン4人も憑いてるんだから負担もきっと・・・」
「うん、それについては僕もどうにかしようと思ってたんだけど・・・ううっ!?」
冒頭。ハナが良太郎の身体を心配していた矢先、突然の体調不良で倒れ、病院へ運ばれてしまった良太郎
良太郎のことを心配したハナはデンライナーへ戻るとイマジン達を招集。4人がたまげる、ある方針を打ち出すのだった
「アンタ達イマジンをリストラします!」

「参ったな・・・救急車なんて大げさなんだから・・・あれ?あの人もしかして・・・」
「野上くん?わー懐かしい!久しぶりー!」

一方。退院した良太郎は、そこでイギリスへ留学していた高校時代の同級生・沢田由香と偶然再会。昔話に花を咲かせる
・・・が。由香の話がミルクディッパーから愛理に及んだとき、良太郎はその表情を途端に曇らせた
「お姉さん元気?もう結婚したんだよね
私、お店で婚約者の人にも会ったことあるよ〜」

「あ、うん・・・ゴメン沢田さん。今日はちょっと店がゴタゴタしててね。また今度ゆっくり!」
ミルクディッパーに行きたいという由香を慌てて断り、逃げるようにその場をトンズラする良太郎
回想に出てくる愛理とその恋人は婚約までしていて、結婚も目の前だったと言う。ならば一体彼の身には何が・・・?
良太郎以外の「野上家の過去」を知る人物の登場により、一気にその謎の確信に迫ってきました
『姉さんも・・・忘れたままでいいハズない・・・いいハズはないけど・・・』
おそらく”何か哀しい出来事”によって婚約者を失い、そのショックから彼との記憶を心の奥底に封じ込めてしまった愛理
このまま彼の事を忘れるのが姉にとって良いことなのか?と思い悩む良太郎ですが、やはり真実を告げるのははばかられて・・・





「なによ野上くんの薄情者・・・久しぶりに会った級友にもっと・・・あれ?
学校・・・正門変わっちゃったんだ・・・桜の木も銅像もなくなってる・・・
シンボルだったのになぁ・・・なんか寂しい・・・」

せっかく再会した良太郎に無碍に去られてしまった由香。しょんぼりしつつ、通っていた高校に足を運びますがその様変わりに落胆
高校時代の思い出に浸ろうと思ったのに、と一人寂しく学校を見つめている彼女の背中に光る球体が飛び込んで・・・
「お前の望みを言え。どんな願いも叶えてやろう。その様子を見れば察しはつくがな」
ウルフイマジン登場。すさまじく強引な性格のようで、見ての通り半ば誘導的に由香に契約させせます
「高校時代の懐かしい思い出に浸りたい」という願いを叶えるため、ウルフイマジンは現在の学校の生徒達を次々と殺害
放送開始以来、これほどストレートに殺人行為に走ったイマジンは久しぶりです。トンでもねえなこいつ

一方その頃。デンライナーサロンルームでは
「なにがリストラだハナクソ女め・・・あの良太郎が俺達にそんな事するかよ」
「でも良太郎ちゃんも”なんとかしなきゃ”って言ってたそうですよ?」
「んな・・・それマジか?良太郎がか?」
「ま、問題は良太郎ちゃんが誰を残すかですよね」
「ちょ、もう問題はそこなのかよ!」
ハナから伝えられたリストラ告知により、緊張走るイマジンの面々
リュウタロスは自分自身のチケットを持っているため、リストラ対象はモモ・ウラ・キンの3人のいずれかということになりますが・・・・
「やっぱり役に立つ人は残すんじゃないですか?」
「強いヤツは残るということか。まぁ・・・リストラされるんは決まったな」
「先輩、名残惜しいですが喰えない魚は海に放される、ということで」
「あはははは・・・・・お疲れ様!」
「ふざけんなテメーら!なんで俺なんだよ!」

モモタロスマジ可哀想先輩の威厳まるで無しか
正直一番要らないのはキンタロスだと思いますが。すっかり4人の中で「軽く」見られてるモモは立場ありません





「おういらっしゃいませ!コーヒー飲むのかコノヤロウ!」
「うおお!出たな悪霊!」

良太郎の役に立つところを見せてやる!とミルクディッパーの店番を買って出る3タロス。三浦とモモの会話が笑えます
しかしモモタロスはブレンドの緻密な配分にイライラし、キンタロスは
コーヒーミルをぶっ壊し、
あまつさえウラタロスは「女の子のお客釣ってくるから、店番よろしく」と、尾崎と三浦を残して店を出て行く有様
すぐさまウラタロスの首根っこをとっ捕まえたハナは、デンライナーへ戻ってこっぴどく3人を怒鳴りつけます
「良太郎からもキツく言ってやって!・・・・良太郎、どうしたの?」
「え?あ、ああうん。なんでもないよ」
しかし良太郎はまったくの上の空。例の懐中時計をぼーっと眺めて、愛理に真実を告げるかどうかをまだ迷っているみたい
心ここに在らず状態の良太郎にハナが心配そうな視線を送る中、リュウタロスが軽い口調で重大な情報をもたらした
「あ、良いこと教えてあげよっか良太郎?さっき一緒に居た女の人・・・
あの人イマジン憑いてるよ」
「沢田さんが!?」
おーなんだこれは。リュウには人を躍らせる能力の他にイマジン感知能力も持ってるのか。コイツ役に立つなー

「沢田さん!大丈夫!?」
すぐさま由香の家を訪ねた良太郎だったが時既に遅く、ウルフイマジンは過去にジャンプした後
カードに浮かんだ時間は2004年4月7日。それは良太郎達が高校1年生となった、入学式当日の日付だった
「私・・・言葉が壁になってどうしてもイギリスの学校に馴染めなくて・・・
ずっと日本の高校生活を懐かしいと思ってたの・・・」
「・・・わかるよその気持ち。僕も卒業する前に高校辞めちゃったから」
「え?野上くん・・・あなた一体何があったの?」
「あの怪人の事は心配しないで僕に任せて。行こう、ハナさん」

少しずつ明かされていく、主人公良太郎の過去。高校中退という意外な経歴は、やはり姉の件が原因なのだろうか
良太郎は由香の問いには答えず、ただウルフイマジンの撃退だけを約束して入学式の日へと飛ぶ





2004/4/7
『お、おい良太郎!どういうつもりだ!?』
「ごめんモモタロス。どこまでやれるかわからないけど・・・今日は自分の力で戦いたいんだ」

暴れるウルフイマジンを発見した良太郎は、なんとモモタロスらの力は借りずにプラットフォームのまま戦闘開始
姉の件に関するモヤモヤを振っ切りたい気持ちからだったのでしょうが、やはり当然の結果としてあっという間に形勢不利に
”ドガァッ!!”
ウルフイマジンに弾き飛ばされたプラットフォームは、すぐ近くにいた一人の男と激突して・・・
男の手から、銀の懐中時計が落ちた
その懐中時計の裏面には、愛理の持っている懐中時計と同じ刻印が。そう、愛理の婚約者=謎の懐中時計の紳士である
咄嗟に顔を隠そうとした男の正面に回り込み、その人物を確認した良太郎だったが、そこで紳士は時計を奪ってトンズラ

彼の後を追いたい良太郎だが、ウルフイマジンはそんな事情などお構いなしに襲ってくる。ここでリュウタロスが憑依!
「良太郎はいつか僕がやっつけるんだから・・・やめてよね!」
ベジータのような台詞を吐きつつガンフォームにチェンジ。ここでかかるBGMは・・・・おっと早くも来た
「Double-Action Gun form」佐藤健と鈴村健一のデュエット
キンタロスが演歌アレンジだったのに対し、リュウタロスはダンサーらしく
ヒップホップ調のアレンジです
俺的にはこう、テクノ系というかなんというか電子音シャカシャカ系が脳内イメージだったんですが。まぁこれが無難か
毎度お馴染みのめくら滅法撃ちで攻勢に出たリュウタロスによりウルフイマジンは退散。良太郎はすぐに彼を追いかけます
・・・が。しかし大都会の人混みに紛れた1人の人間を追走などできるハズもなく。激走虚しく良太郎は彼を見失ってしまう
「はぁ・・・はぁ・・・・間違いなかった・・・あの人は・・・
どうして逃げたんですか・・・いったい・・・どこへ消えたんですか・・・
桜井さァ――ん!!!」

悲痛な叫びが3年前の街に響き渡った。
謎の懐中時計の紳士の名は桜井!
彼はいったい何者なのか?どうして愛理の前から去らねばならなかったのか?物語の核心へ近づく次週へ続く!


18話

時計じかけの婚約者

「桜井さん・・・どうして・・・!?」
失踪したはずの愛理の婚約者・桜井侑斗。必死で追走したが見失ってしまい、力尽きたようにうずくまる良太郎
蓄積した疲労もあってかそのまま気を失ってしまった良太郎は、探しにきたハナに発見されて何とかデンライナーへ帰還する
「キミのチケットは滞在用ではないんですよ?あまり長く過去に留まるのは困りますね
それはそうとして・・・一体何を見たんです?」
「姉の婚約者だった人に会ったんです。今は行方不明というか・・・もう」
「なるほど・・・・しかしそれは3年前の彼に会っただけでは?」

オーナーに謝りつつ、事情を説明する良太郎。オーナーの感想はもっともで、普通に考えれば3年前の桜井という可能性が・・・
「いえ。だってこの懐中時計を持っていましたから・・・
これは僕と姉が去年プレゼントした物です。3年前の彼が持っているハズがありません」

去年渡した懐中時計を3年前の桜井が持っているワケがない。ならばあの人物は、突然失踪してしまった桜井本人という事になる
「で、でも良太郎・・・婚約者が去年失踪したって・・・愛理さん、とてもそんな風には・・・」
「うん・・・姉さんは何も覚えてないから
桜井さんが居なくなったショックでその思い出を記憶の奥底に閉じ込めてしまったんだ」
大方の視聴者の予想通り、婚約者に関する哀しい記憶のせいでその思い出を深層意識に封印してしまったという愛理
あの
のんき王の悲しい過去に、思わず声を失うハナ達。愛理の記憶は今後良太郎が戦うモチベーションになりそうです
「なるほど。桜井侑斗という男が本当に時を超えていたのなら興味がありますね
イマジンの近くに居たというのも偶然ではないのかもしれません・・・
いずれにせよイマジンも残してありますし・・・もう暫く待ってみますか」

どうせ2004年にウルフイマジンを残したまま現代に戻るワケにもいかない。デンライナーはこの時代で少し待機することに





「お久しぶりですお姉さん」
「まぁ沢田さん。こっちに帰って来てたの?」

その頃、ミルクディッパーに事情を知らない由香が訪問。良太郎も先週口止めしていればいいものを・・・
もしここで由香がズケズケと桜井さんの事を言い出したら、きっと愛理は混乱してしまいますよ!
「あ、そういえば結婚式どうでした?」
しかもいきなり切り出した。目を覆う
しかしあまりにも切り出しが自然だった為、記憶のない愛理はまさか自分の事を言われてるとは思わなかった様子
「結婚式?誰の?」
「?・・・・あ・・・いえその、なんでもない、です」

キョトンとした顔で聞き返す愛理に違和感を感じた由香は、なんとなしに事情を察してお口をチャック
いやあ気の利く人で良かった。もし由香が空気の読めない女だったら、大変なことになっていたところです

「美味しい!やっぱりお姉さんのコーヒーは最高です
でも・・・高校の帰りに飲んでた時とはちょっと味が変わりましたね」

「そうね。ブレンドは日々工夫してるから・・・」
「やっぱりみんな・・・変わっちゃうんですね。実は私、日本の思い出に浸りたくて帰ってきたんです
でも学校はすっかり変わってて・・・部活の先生も・・・野上くんだってちょっと違うし・・・」

とりあえず結婚の話には触れないようにして、久しぶりに会った愛理にブツブツと愚痴をこぼす由香
そんな由香を、愛理は年上の包容力といつもの調子で優しく諭します
「そういうのって確かに寂しいわね・・・それでも変わっちゃうのよね
でも、覚えてることは確かじゃない?
沢田さんがそのことを覚え続けていれば、大切な思い出はずっとなくならないと思うな」

時の流れとともに世の中は常にカタチを変えてゆく。でも本人が覚えてさえいれば、その記憶はいつまでも色褪せない思い出として・・・
って
その台詞は自分自身に言え
婚約者の失踪にショックを受けて記憶を封じ込めてしまった人が偉そうに垂れていい台詞じゃありません。重みがないな
しかしながらその言葉に心を洗われた由香は、足取りも軽くミルクディッパーを後にするのだった





「良太郎、俺に願いを言え。今すぐに叶えたる」
「どうしたのキンタロス?急に・・・」
「契約が完了すれば俺はお前から降りられる。頼む!」
「キンタロス・・・気持ちは嬉しいけどちょっと待って!」
夜中、眠っている良太郎をそっと起こしたのはキンタロス
先週はいつものノリで「モモタロスがリストラな」などと言っていましたが、実は自らリストラ対象を買って出るつもりだったのだ
しかしそんなキンタロスのスタンドプレイに、モモタロス・ウラタロスが「ちょっと待ったー!」とばかりにすぐさま乱入します
「このバカグマが!俺が考えてた感動のシーン横取りしやがって!」
「やれやれ・・・良太郎、女の子関係の願いなら僕が契約してやるけど?」

次々に「俺が」「いや俺が」と、互いを庇いリストラを自己申告する3タロス。泣けるでぇコイツら
「ちょ・・・みんな。気持ちは嬉しいんだけど・・・どうして急にこんな話を?」
しかしながら3タロスがこうして自分から降りようとする理由が解らない良太郎
話を聞いてみて、ようやくそれが自分が倒れた事と、それを原因とするハナのリストラ通告のことを理解します
申し訳なさそうに頭を押さえる良太郎。言いにくそうな彼の代わりに、リュウタロスが事の真相を代弁してくれました
「バッカだなー。良太郎が倒れたのはみんなのせいじゃないよ
いっぱい運動したのと、いっぱい食べたからだよ。ね?」

は?
「いやその・・・モモタロス達3人も憑けてるんだからもっと身体鍛えなきゃと思って・・・」
イマジン4匹憑けるに伴い、モモタロス達の見えないところで内緒の自己トレーニングを始めていた良太郎
しかしながら素人ならではのオーバーワークと暴飲暴食により、かえって体調を崩してしまったというオチだったのだ
「そうか。1人でイマジンと戦おうとしたんもその為やったんやな」
「・・・んだよそりゃあ・・・だったら最初っから言えってんだ」
しょうもない誤解が解けたところで、街に偵察に出ていたハナからウルフイマジン出現の報告が入る
すぐに現場へ向かう良太郎だったが、ただ1人モモタロスだけは頑として曲げてしまったヘソを戻そうとしません
「知るかよ!ワケわかんねえ事は起きるし!急に姉ちゃんの話は聞かされるし!
普段使わねえ頭は使わされるしでグッタリなんだよ!お前らだけで行ってこいや!」





「チクショウ!急に頭の中の声が聞こえなくなりやがった!
何していいんだかワカらねえがとりあえず暴れてやるーッ!」

「命令がこなくなったからとりあえず暴れます」という、しょうもない理由でウルフイマジン大暴走
良太郎に顔を見られた桜井が逃げてから「声」が聞こえなくなったのだとすると、やはりイマジンに命令を出しているのは彼なのか?
到着したデンライナーから電王ロッドフォームが現れると、「待ってました」とばかりにつっかかってくるウルフイマジン
「おお、丁度いい相手してくれ!やることなくて困ってたんだよーッ!」
バカですウルフイマジン
声優が
檜山修之(代表作はガオガイガーの凱など)なので、いちいち叫びが気合入ってて最高に笑えます
「なるほど、釣られて欲しそうな顔してるよ。でもタイプじゃないんだよねぇ」
檜山声で威勢だけはいいウルフイマジンですが、どうも実力の方は大したことなく
速攻でボコボコに
ロッドフォーム→アックスフォームのリレーで難なくこれを追い詰めますが、良太郎はトドメ役にモモタロスを呼び出します

「おい良太郎・・・これからは俺に黙って勝手なことすんじゃねえぞ。それとな・・・
姉ちゃんのことも全部話せ。俺ぁウジウジしてんのは大嫌いなんだ」
『モモタロス・・・うん・・・ごめん。それと・・・・ありがとう』

モモタロスが本当に怒っていたのは良太郎の勝手な行動ではない。姉のことを全て自分ひとりで背負っていたことである
ドイツの諺でも言ってます
2人なら楽しいことは倍に。ツライことは半分になると
「お前の悩みは俺が聞いてやる!」モモタロスの熱い言葉に良太郎も感動。その絆をより強いものとして仲直りする
そして
ここでBGMダブルアクション!コンチクショー!これは熱い演出だぜー
「何をゴチャゴチャ言ってやがる!うるせえんだよーッ!」
「お前がうるせえんだよコノヤロー!!」
全国の視聴者が思わずコクリと頷くツッコミを入れつつ、怒涛の連続攻撃を叩き込むモモタロス
相手に何もさせず10回くらい連続で斬りつけたり、観てる人をスカッとさせるような痛快な殺陣です
「いくぜ・・・・!俺の必殺技パート!」ぼがーん!
いつものエクストリームフラッシュバリエーションで勝利を飾ったソードフォーム。良太郎のツッコミとモモの答が笑えました
『モモタロス・・・3の次は4だよ?』
「わかってらあ!1コ飛ばすくらいスゲエってことだよ!」





「私多分ホームシックだったのね・・・でもここはもう私の知ってる街じゃなくなってた
でも・・・
覚えていればなくならない。向こうでもやっていける気がするわ
お姉さんの受け売りだけどね」

愛理の言葉に諭され、向こうの学校でも頑張っていける元気をもらった由香。見送りに来た良太郎はその言葉を繰り返します
「覚えていれば・・・そうだよ・・・やっぱり姉さんも忘れたままじゃダメなんだ
もう一度過去へ行って桜井さんを探せば・・・」
「それはやめておけ」
愛理の記憶を呼び覚ますため、もう一度桜井を探そうと思い立った良太郎。しかしその時、背後から謎の若い男が現れた
出た
中村優一!仮面ライダー響鬼での嫌われキャラNo1、あの桐矢京介を演じた俳優です
あの頃は
台詞棒読みも痛々しい少年でしたが、2年の歳月は彼を役者としてレベルアップさせたでしょうか?
「そんなことされたんじゃ大迷惑ってやつだ」
あぁ・・・あんまり成長してねえな
桜井さんを探すためにもう一度過去へ行こうとする良太郎をたしなめる謎の若者。一体彼は何者なのか?
「いきなり何なのよ、アンタ誰?」
「俺か?俺の名は・・・桜井侑斗!」
「な・・・!?」
「ええ?お、同じ・・・名前?」
失踪した愛理の婚約者と同じ名前を持つ男、桜井侑斗!これは何を意味するのか?果たして彼の正体は?次週へ続く!

※こぼれ話
東映公式に乗ってましたが、佐藤健と中村優一は以前ドラマで競演した仲だそうです
「そのドラマってなんだろうなー」と思ってちょっと調べてみたら・・・思わずコーラ吹いた
こ、これかよ!!!!
いずれ2人とも、役者の経歴からコレに出演したことを黒歴史として隠蔽するんだろうな。同情するぜ


19話

その男、ゼロのスタート

「桜井侑斗ってどういう事?どうして桜井さんと同じ名前・・・」
「お前鈍いな。名前が同じなら同一人物だろう?俺が何故チケットを持ってると思ってる?」
「キミも過去から来たって事?でも僕の知ってる桜井さんとは違いすぎる!」
「野上、だっけ?お前は何も知らないでいいんだよ。とにかく過去にいる桜井侑斗とは関わるな
でないと時の運行が乱れるぞ」

1年前、婚約者だった愛理の前から突然姿を消し、そして過去の時間の中に現れ良太郎を困惑させる桜井侑斗
その桜井とまったく
同姓同名の若者が目の前に現れ、しかも時を超えて来たと言う。パニックになるなと言うほうが無茶である
なんとか詳しい話を聞きだそうとする良太郎に対し、侑斗は問いかけにまともに答えてくれません。響鬼の桐矢よろしく「嫌なヤツ」です

「まったくアイツなにも知らないんだな。あの慌てようったら・・・ククク」
『侑斗、さっきのは意地が悪すぎる。友達になりたいなら素直にならないと』
一方的に謎だけ振りまいて良太郎らと別れた侑斗。やはりというかなんとうか、彼にも良太郎のようにイマジンが憑いてるようです
実体化したイマジン
デネブの姿はなにやら和風チックな・・・テレ朝公式見てみたらなるほど、イメージは「弁慶」とありました
「・・・誰が友達になりたいんだよ。お前ズレてんだから黙ってろ」
「ちょっと待って・・・あっ!」”ビリッ”
侑斗を呼び止めようとして思いきり服を破いてしまうデネブ。キンタロスみたいなおっちょこちょい系でしょうか
ちなみに声優は大ベテランの実力派
大塚芳忠さん。Zガンダムのヤザンやスラムダンクの仙道の声とかが有名ね
「ご、ごめん侑斗・・・」
「お前なぁ・・・これ気に入ってたんだぞ!うりゃああーッ!」

怒り出すなりフライングボディアタックからグラウンドの逆水平連打、
そして
片足エビ固めと怒涛のプロレス技をデネブに侑斗叩き込む侑斗。なんだコイツ等は。おもしれーじゃねえか

「こちら上下で8500円になります」
「じゃあこれ買うよ。おい・・・聞こえただろデネブ、8500円だ」
『高すぎる。俺が直す』
「そんなツギハギであの店に行けるかよ。いいから出せって!
大体なんでお前が財布握ってんだ。足し算もできないクセに」

『侑斗は無駄遣いしすぎるからだ』

「いいから出せってコノヤロー!
ブティックでの会話もいちいち面白い侑斗とデネブ
「嫌なヤツ」として用意されたキャラかと思ったらどうしてどうして。デネブが好感触すぎるせいで侑斗も相対的に好感触
そんな漫才コンビのような2人が訪れた「あの店」とは・・・・そう、あろうことか愛理のいるミルクディッパーです





「いらっしゃいませーあら?あなた・・・どこかで逢ったかしら?」
「・・・・・」

侑斗を一目見て、何か感じるものがあったらしい愛理。やはり彼は婚約者だった桜井侑斗と関係があるのか?
しかし封印した記憶を呼び覚ますほどの衝撃ではなかったようで、「良太郎のお友達?」などという感想に留まる
その反応に少し苛立つようなそぶりを見せ、コーヒーに
大量の砂糖をブチ込む侑斗
彼は自分の事を愛理に気付いてほしかったのか?婚約者なのか、同姓同名の他人なのか。ますます謎は深まるばかり

ミルクディッパーを後にした侑斗とばったり良太郎と鉢合わせ。そこにお釣りを届けにきた愛理がやってきて、良太郎は目を剥きます
「姉さん・・・彼は・・・どうして?」
「あらやっぱりお友達?どこかで見たような気がしてたの」
「姉さんすぐ店に戻って!早くッ!」

珍しく声を荒げ、不思議がる愛理をすぐその場から去らせる良太郎。いきなり記憶を掘り起こされたら大切な姉が心配です
「・・・どういうつもりさ?なんで姉さんに・・・」
「婚約者を見たくなっただけだ。俺の勝手だろう?それに言ったハズだぜ
お前は何も知らなくていいってな」

侑斗の突然の行動と、その悪びれない物言いに良太郎は怒り心頭。その気持ちに呼応するようにモモタロスが表に出てきます
「代われ良太郎。こういうヤツには実力行使だ。それにな・・・
さっきからプンプン匂うんだよ!イマジンの匂いがな!」

「へえ、鼻がいいんだな。でもな・・・デネブはお前より強いぞ」

侑斗の瞳が緑に輝く。対峙するモモ良太郎とデネ侑斗。一触即発かと思われたが、なんとデネブが想定外の行動を示してきた
「ごめん。今のは侑斗が悪い。許してくれ」
「えええええええええー!?」
速攻で謝った!
身構えていたモモ良太郎はまさかの返事にガクッと拍子抜け。 デネ侑斗はペコペコと頭を下げながら近づいてきます
侑斗は本当はこんな意地悪な人間じゃない。心ではお前達と友達になりたいと思ってる
さあこれを受け取ってくれ。
デネブキャンディだ。どうかこれから仲良く・・・」

飴玉を手渡し、「侑斗と仲良くしてあげてね」とお願いするデネブ。まるでお母さんみたいです
「こ、こっ!このバカ!人の心を勝手に妄想すんなって言ったろ!」
「でも侑斗友達いないし・・・」
顔を真っ赤にして怒った侑斗に弾き出されるデネブの姿は、上下に分かれた砂の形状ではなく色のついた完全体
つまり侑斗との契約が完了しているということである。彼はデネブとどんな契約を結んだのだろうか

「ち・・・おい野上、俺の言ったこと忘れるなよ」
恥ずかしさにいたたまれなくなったのか、デネブを連れて逃げるようにその場を去る侑斗。うーむ飽きないなこの2人は





「そら、そこに埋まっているぞ。掘り出すがいい」
「こ、これは違う。俺が言ったのは春香が埋めた・・・」
「お前の願いは”
タイムカプセルを掘り出す事”だろう。さっさとしろ!」
その頃、今回の敵ジェリーイマジンが出現。契約者の天野は恋人の埋めたタイムカプセルを掘り出したいと願ったのですが、
ものぐさジェリーイマジンは「タイムカプセルはタイムカプセルだろ!」とばかりに全く関係のないタイムカプセルを見つけると
納得しない天野をバシバシと痛めつけて強引に契約完了を迫ります。なんてとんでもないヤツでしょう
「おっとそこまでだぜ!自分の契約者をここまで痛めつけるたぁな。無茶しやがる」
「電王か。ふん、他の連中がぬるいだけさ
契約者なんてこうやって少し痛めつけてやれば・・・すぐに過去と繋がるんだよ!」

「・・・テメエにゃ前フリは必要ねえな。初めっからクライマックスだぜ!」
現場へ到着したモモ良太郎が参上。クソ外道のジェリーイマジンですが、その伸縮自在の電撃触手は強力無比
苦戦を強いられるも「障害物の多い建物の中で戦え!」という良太郎の機転により形勢逆転し、これを撤退させます

「優しいことだな・・・とでも言えばいいのか?」
戦闘を終えるとすぐに救急車を呼び、傷ついた契約者の天野を助ける良太郎。しかしそんな行動を侑斗は鼻で笑う
「野上。時の運行を守るって事は人助けとは違うんだよ
中途半端に時間の中をウロウロするくらいなら戦うな。イマジンとも俺が戦う」
「キミが戦うって・・・?うわっ!」

確かに侑斗の言う通り。「時の運行を守る」ということと個人のケアはまったくの別物
そして良太郎が戦わなくてもイマジンは自分が倒せる、と言った瞬間。天空から2両編成の電車が現れた
驚く良太郎の目の前で侑斗を乗せ、その電車は時空の彼方へと消え去ってゆく
無論デンライナーではない。その名は・・・・

「見ろ!なんじゃアレは!」
「わーすごーい!アレ乗りたーい!」
「オーナー・・・あれは・・・?」
時の砂漠の中、デンライナーの隣を猛スピードで追い越してゆく侑斗の電車。オーナーはその電車を知っていました
「ゼロライナー・・・!」
デンライナーとは別の時を超える列車。その名はゼロライナー!
その列車に乗り込む男、桜井侑斗はいったい何者なのか?次週へ続く!


20話

「最初に言っておく」

「侑斗・・・あれでは野上良太郎が可哀想過ぎる」
ゼロライナーで食事を取る侑斗。味噌汁だの煮付けだの鮭の塩焼きだの、典型的な日本の朝食です
そんな侑斗に小言を言うのは
エプロン姿のデネブ。すげえ。飯はコイツが作ってんのか
「うるさいな。お前ズレてんだから黙っとけって言ったろ」
「でもそれじゃいつまで経っても友達が・・・

デネブマジお母さん
引きこもり気味の息子に世話をやくオカンみたい。もう電王は
デネブ主役と言っても過言ではありません
デネブにくどくど言われるのが面倒なのか本能的に良太郎が勘に触るのか知りませんが、侑斗はデンライナーへ直接赴きます

「野上に話があって来た」
「ささ、皆さんお近づきの印にコレをどうぞ
侑斗は口には出しませんが本当は皆さんと仲良くなりたいと・・・」
「デネブ!お前はあっち行ってろって!」
早速デネブキャンディを配るデネブ萌え。もうコイツが主人公でいいよ

「俺が言った事ちゃんと理解できてたかどうか不安だからな。念を押しに来たのさ
いいか、俺が一番お前を面倒だと思ってるのは時の運行を無視して動くってことだ
いい人属性ってヤツか?しかもそういう事するクセに、戦いは弱いし運も最悪・・・
ハッキリ言わせてもらうが。なんでお前が電王なんだと思うよ」
「そんな・・・僕はただ・・・」
開口一番で良太郎をコキおろす侑斗。まだ電王として勉強が足りない人間を捕まえて言いたい放題です
さすがに横で聞いてたハナは怒り心頭。侑斗に喰ってかかります

「良太郎が電王なのは特異点だからよ。彼しか電王になれないの
アンタこそ良太郎の事何も知らないクセに好き勝手なこと言わないでよ!」

「はッ!でも野上が普通に強ければ電王はもっと強かった事は事実だよな?
お前も正直ハズレくじだって思ってんじゃないのか?」

やっぱり桐矢だコイツ。いい人度メーターの振り切れてるデネブに対し、侑斗はこの辛辣さ
そんな2人が組んでるから相殺し合って丁度いいくらいなんでしょうが。それでも見てて腹立つ物言いです
とりあえずこのままでは取りとめのない口喧嘩になってしまうので、大人なオーナーが別件を出して話を切ります

「侑斗くんと言いましたか。良太郎くんのことはさておき・・・何故キミはゼロライナーを?
あの車両はとある時間とともに消滅したハズですが?」
「消滅した時間・・・オーナー、それってまさか・・・」
「あの列車は預かっただけだ。
俺がやる事の為にね」
ゼロライナーは侑斗の所有するものではなく、ある人物から預かっているという回答
そしてハナの狼狽ぶりから察するに、オーナーが示唆した「消滅した時間」とは、おそらく彼女の・・・・?





「あれだけ言ってやれば流石に余計なことはしなくなるだろう」
「でも落ち込んで何もできなくなるって可能性も・・・」
「イマジン退治もしなくなるかも・・・って事か?

チッ・・・それはマズイな。ここは俺が動いておいた方がいいか」

良太郎を思いっきり凹ませてゼロライナーへと戻った侑斗だったが、良太郎が電王として役立たずになるとそれはそれで困る
前回ジェリーイマジンに襲われた契約者・天野などは再び襲われるのは間違いないので、彼を守らねばなりません

「あの化物は必ずまたあなたを襲いに来ます。いったい何を願ったのか教えてください」
「タイムカプセルだよ。1年前、結婚するハズだった彼女と埋めたんだ
俺はそれまでボクサーとして頑張ってたけど・・・
彼女との結婚のために安定した生活を取って、ボクシングを捨てた時だった
そしてカプセルを埋めてから1年・・・
春香は病気で逝ってしまった

一緒に埋めた時、俺は「変なことするヤツだな」くらいにしか思ってなかったけど
春香は自分の身体のことを知ってたんだ」

天野が入院している病院を訪れ彼の契約内容を聞き出す侑斗。それは死に別れた婚約者との思い出だった
泣けるでぇ!
「彼女が亡くなってすぐに掘り返しに行ったけど・・・いい加減に見てた俺には見つけられなくて
何を埋めたのかも知らないけど・・・
春香の形見なんだ。どうしても見つけたいんだ
・・・ふふ・・・こんな話を1日に2回もすることになるとはな」
「2回?」
「あぁ、さっきも野上って子が・・・」
『へえ、アイツ凹んでると思ったが・・・』

めげることなく電王としての仕事を続けていた良太郎に少し感心する侑斗。しかしそこへ窓を破ってジェリーイマジンが登場!
天野をかっさらうと、前回と同じくまったく無関係のタイムカプセルを無理矢理掘らせて強引に契約を完了してしまう。なんてヤツだ
ジェリーイマジンがジャンプした先は、タイムカプセルを埋めた1年前。良太郎と侑斗はこれを追います





2006/3/12
ソードフォームとなってジェリーイマジンに立ち向かう電王だったが、ここでも桜井さんの姿を見かけて取り乱す良太郎
戦闘中に気を散らしたせいで電流触手に苦戦を強いられます・・・と、ここで颯爽と現れたのは言わずもがな侑斗
「ほら見ろ。言っただろ?余計なことしてるからそうなるんだよ
こんな所で1枚使わされることになるとはな・・・
変身ッ!」

『アルタイルフォーム』
懐からベルトを取り出した侑斗はこれを装着。なにやらカードを1枚取り出してスラッシュします
眩い光に包まれ、緑色の金属装甲に覆われていく身体。第20話にしてついに登場、第2の仮面ライダー!
変身!仮面ライダーゼロノスアルタイルフォーム!
「最初に言っておく。俺はかーなーり強いッ!」
「キサマ・・・電王の仲間か?」
「ハッ!まさか。俺は俺さ!」

ゼロノス戦闘開始。ヒラリヒラリと華麗な動きで電撃触手をかわすゼロノスですが、すぐにデネブを呼び出すと作戦変更
「避けるのも飽きた。デネブ、押さえておけ!」
触手をデネブに捕まえさせ、身動きの取れなくなったジェリーイマジンを
背中から何度も斬りつける
イカしてますゼロノス。悪党には相応しい殺られ方なんで見てて爽快なんですが、ややすると何故か捕縛を解いてしまうデネブ
ぴーんと引っ張ってた触手をいきなり離したので、バラエティのゴムパッチンのようにゼロノスの顔面を直撃します。わははは
「デネブー!なんで勝手に離してんだお前はー!」
「ご、ゴメン侑斗!でもこの戦い方はダメだ!卑怯すぎる!」

戦闘中だというのに、ジェリーイマジンそっちのけでデネブにフライングネックブーリーカーを浴びせかける侑斗。最高
デネブが捕縛を解いたのは、あまりにも戦法が卑怯すぎるからという清廉潔白な理由でした。こいつ善人すぎる!
「チッ・・・じゃあお前がやれよ!」
「うん、わかった」
『ベガフォーム』

というワケでスイッチポン。デネブはゼロノスの装甲に憑依し、電王のようにその形態をフォームチェンジ
マスク部分は派手な星型の装飾。漆黒のマント。両肩にはデネブの腕が変化したカノン砲。そして胸部にデネブの顔が現れます
変身!仮面ライダーゼロノス・ベガフォーム!
「最初に言っておく!」
「お前もかい!」

ジェリーイマジンのツッコミが的確だ。侑斗に続いてデネブはいったいどんな前口上を見せてくれるのでしょうか
「この胸の顔は飾りだ!騙したら悪いから言っておく!
あとさっきの攻撃は卑怯だった。謝る!」

もうデネブを語るには”善人”という言葉では足りない
どこまで人がいいんでしょうか。あの外道イマジンにさえここまで気を遣うデネブたまんねえ。最高の萌えキャラです
かくしてベガフォームの圧倒的戦闘力の前にジェリーイマジンは成す術なく敗北。視聴者を強烈に魅了する初勝利となりました





「わかったか野上。行き当たりばったりで良い人はやるな。迷惑なんだよ」
戦闘を終え、変身を解いた侑斗と良太郎。侑斗は改めて釘を刺しますが、珍しく良太郎はこの言葉を跳ね返します
「やらなきゃいけないなら・・・僕はやるよ
別に人助けがしたいとかそんなんじゃない。できることがあったらやるだけなんだ
弱くて運も悪くて何も知らないけど・・・それは何もやらない事の言い訳にはならない
僕の知ってる桜井さんは・・・僕にそう教えてくれた

だから・・・もし桜井さんがどこかの時間で生きてるなら。僕は必ず連れ戻すよ」
過去の時間には関わるな、という侑斗の忠告を真っ向から拒否した良太郎。その瞳は強い意思に満ち溢れていました

そういうワケなので現代に戻った良太郎は春香のタイムカプセルを掘り出し、天野へと届けます
箱の中に入っていたのは、ボクシンググローブと
「晃ちゃん、夢を」という春香の手紙
自分の為に夢を諦めざるを得なかった最愛の人への、春香からの最後のメッセージだった
「はるか・・・うっうっ・・・ひっく・・・うおおお・・・・・ッ」
グローブと手紙を強く握り締め、ベッドのシーツを涙で濡らして嗚咽する天野。
これは泣けるでぇ!
「良太郎・・・私は良太郎が電王でよかったと思ってるよ」
確かに良太郎の行動は「時の運行を守る」を超越した行為である。だが、それによって救われた人間が多く居ることもまた事実
弱くて、運が悪い頼りない特異点。しかしハナはそんな良太郎が電王になったことを心の底から良かったと思うのだった
次週へ続く!


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