SMAP特番の中の1コーナーでありながら、東映の平成ライダースタッフ完全協力の下製作された本格仮面ライダー
スタジオで一緒にVTRを鑑賞した他のSMAPメンバーの反応も交えながらお送りします
【仮面ライダーG】
2009年。世界各国でテロが多発
日本政府は対テロ組織として『シェイド』を創設
各分野から精鋭達が集められ、相当な成果をあげた。しかし
人間を洗脳して肉体を兵器化する改造実験が発覚し、組織は解散
創始者である徳川清山も逮捕された
永井一郎さんのナレーションで幕を開ける冒頭。いきなり改造実験というキーワードも飛び出し、大まかな世界観が語られます
「シェイド」の創始者であり、非人道的な改造実験を推し進めた人物・徳川清山を演じるのはなんと哀川翔さん
なんか変な眼帯つけて笑ってるキチガイ科学者役。キムタクも思わず「翔さん何やってんの」と突っ込みます
さて本編、いきなり場面は武装集団に占拠されるTV局。おそろしいテロリストどもでしょうか
「聞けェい!このTV局は我々シェイドが占拠したァ!
大人しくしていれば危害は加えない!だが抵抗すれば・・・死だッ!」
お前らがシェイドなのかよ。言うなり抵抗しようとしたガードマンを容赦なく射殺する上地雄輔
対テロ組織として創設されたもの、非人道実験が明るみになり解散したというシェイド。彼等はその力を民間人に向けたのである
上地の演じる織田という男は、どうやらこの実行部隊のリーダーみたい。頭のネジが数本外れたようなイカレ演技が光ります
丁度グルメ番組かなにかを撮影した収録室へ雪崩れ込むシェイド。そこでは釈由美子演じる恵理という女性が出演中だった
「な、なんなのあなたたち・・・はっ?あなたは・・・吾郎!」
「突然失踪してしまった恋人との思い出のワインなんです」と番組で語っていた恵理は、目を見開いてその名を呼んだ
シェイドの隊員の中にいた1人の男。彼こそが3年前に謎の失踪をとげた恋人、若き天才ソムリエ吾郎であったからだ
「吾郎!今まで連絡もくれないでどうしてたの!?」
「邪魔だ。どけ」
「あなた・・・まさか記憶が!?」
やっと登場した主人公。吾郎ちゃんにあやかって名前も本人、そして趣味のワインを活かした元ソムリエという設定です
しかも初登場シーンがいきなり3年前別れた恋人との再会で記憶喪失状態
SMAP特番の中の1コーナー内で全てを消化しなければならないので、詰め込み具合と巻き展開ときたら半端ありません
「日本政府に告ぐ。お前達が不当に逮捕したシェイド創始者徳川清山の解放を要求する!
2時間待つ。そこからは1分過ぎるたびに人質を1人ずつ殺し、それを生放送で中継する」
シェイドの目的は自分達の指導者・徳川清山の解放
冒頭のオープニングでもあるように、彼らは徳川に洗脳されているのだから彼を助け出す為ならばどんな凶行も厭わないでしょう
血の凍るような宣告を無表情で告げるかつての恋人を前にし、ただ呆然とするしかない恵理
しかしその時。吾郎の無表情が、スタジオのテーブルにあったワインを見た瞬間だけ僅かに動いたのを恵理は見逃さなかった
ソムリエだった彼ならば、ワインを見て記憶を揺さぶられるのは道理。そしてきっと、ワインに関係する人間の記憶も・・・
「吾郎お願い!そのワインを飲んでみて!」
さすがに無理あるだろ。キムタクも仲居も剛も思わず失笑してしまう展開。慎吾だけめっさ真剣に見てます
この状況下で犯人に「ワイン飲んで」という人質もアレですが、なによりそんな唐突こと言われたら犯人は絶対警戒するでしょう
ぐびぐび
普通に飲んだ!洗脳されてるだけあって、こと「命令」に関してあまり拒否力が働かないのかもしれません
ワインを飲み干した吾郎の脳裏に走るフラッシュバック。改造手術を受ける自分、拉致される自分、ソムリエだった自分・・・
そしてソムリエだった自分の、いつもすぐ傍にいた女性
『結婚しよう恵理。料理とワインが最高のマリアージュであるようにキミとボクもきっと・・・』
『嬉しい。吾郎・・・』
思い出したぞ・・・・
俺はカオス・アヴェニールだー!
目を見開いた吾郎は過去の記憶を全て取り戻し、恵理に銃を突きつけていたシェイド隊員を瞬く間にのしてしまう
「吾郎!思い出したのね!」
「忘れはしないよ。あのワインの味とキミの笑顔だけは」
忘れてたクセに格好つける嘘つき吾郎。恵理の手を引いてビルからの脱出を図ります
吾郎の裏切りを察知したシェイドの一般隊員達が行く手を阻みますが、改造人間兵たる彼の敵ではありません
「食前酒は何がいい?シェリー?カクテル?それともリキュールッ!?」
一斉に襲い掛かる雑魚どもを、まるでダンスでも踊るかのように華麗にボコっていく吾郎
瞬く間にこれを全滅させると、ソムリエらしく恭しく頭を下げ呟くのだった
「食後酒は夢の中でどうぞ」
吾郎のカッコよさにSMAPメンバーも思わず興奮。慎吾は特にめっさ目キラキラさせてます
「No5!シェイドによって生み出された身体でシェイドに反旗を翻すかァ!」
「ボクの身体をどれだけ悪に染めようと・・・心はボクだけのものだ!
愛がある限りッ!」
ビルから脱出しなきゃならないのに、何故か屋上に逃げてしまった吾郎と恵理。アホの子かと
仕方がないので正義のヒーローっぽい口上を吐いて戦闘に入りますが、ここで織田が怪人の本性を現します
「ハッ無駄だ無駄だ。俺達の身体に通常兵器が効かないって事くらい・・・
お前が一番ワカってんだろぉがァ!」
頭におっきい角が生えた黄金色の怪人。TVシリーズライダーならば絶対物語終盤の強敵っぽいビジュアルです
元々対テロ組織と戦う為に造られたシェイドの改造人間兵。吾郎が撃ち込む拳銃の弾など、まるで意に介しません
たちまち捕らえられ屋上から地上に向けて投げ落とされる吾郎でしたが、普通の身体でないのはこちらも同じこと
ズズウゥゥン!
屋上から落下した吾郎はどうということもなく両脚で地面に着地。衝撃で粉砕されたアスファルトが「G」の文字を刻む
そう、吾郎もまたシェイドの誇る改造人間兵士
裏切り者を粛清せんと数匹の怪人達が周囲を取り囲むも、吾郎は落ち着き払って彼等に戦闘開始の合図を告げた
「今、ボクのヴィンテージが芳醇の時を迎える!
変身ッ!!!」
吾郎の取り出したミニワインボトルがベルトに装着されると、見る間に彼の肉体が真紅の輝きを放つ
まるで熟成されたピノノワールのような紅き光がおさまった時、そこに吾郎の姿はなく1人の仮面の戦士が立っていた
変身!仮面ライダーG!
胸のおっきい「G」がくそダサいデザインですが、それを補って余りあるカッコイイ変身シーン
変身と同時にバッゴォーン!とビルの壁が吹き飛び、巨大なアルファベットの「G」を浮かび上がらすと
流石のキムタクも思わず「スゲーなこれ。スゲーなこれおい」と連呼せざるをえません
コルク抜きとソムリエナイフを合体させたカッコイイけど変な武器で、雑魚怪人を切り刻むG
恵理がヘリコプターで連れ去られてしまたので、仮面ライダーの代名詞とも言えるバイクに乗ってこれを追走します
ヘリから放たれるロケットランチャーをかいくぐり、グングン迫るG。バイクアクションは仮面ライダーの醍醐味です
最後は特大のジャンプからバイクごとヘリに体当たり。爆発の直前に恵理も救出して万事OK
・・・というワケにはイカのキンタマよ!と、燃え盛るヘリの残骸の中から現れた織田が吾郎の立ちはだかります
「ハッハァー!お前の力はその程度か?G!」
織田と雌雄を決する吾郎ですが、改造人間としてのスペック差はどうやら段違い
先ほど数匹の怪人を一瞬で葬り去ったGが、タイマン勝負でまるで相手になりません。恐るべし羞恥心!
かくして何度も吹き飛ばされ、叩き伏せられて完全グロッキーに追い決まれてしまう。だがしかし
ここで突然仮面ライダーディケイドでもうお馴染みとなった、次元を隔てる壁が吾郎の前に出現した
そしてその壁の中から現れた無数の人影はまさしく・・・・・
「この世界を守るのはキミの役目だ
立ち上がれG!愛の為に戦うライダー!」
ババーン!とディケイドを筆頭に、まさかまさかの平成10人ライダー大集合
それぞれの異なる世界で戦う仮面ライダー達が、Gを激励するために駆けつけたのだ。サプライズにも程があるぜ東映!
この展開にはSMAPメンバーも全員口をそろえての大絶叫。キムタクも「これ絶対間違いないじゃん!」とかなり興奮気味
先輩ライダーの激励に奮起したGは最後の力を振り絞って立ち上がり、「仮面ライダー」の切り札を繰り出します
「受け取ってもらおう・・・ボクの・・・
悪と正義のマリアージュ!」
空中高く飛びあがったGは織田目掛けて超高速で落下する!ライダーキック!
織田は下から触手を伸ばしてこれを一旦は受け止めますが、Gの込めた気合とともに触手は砕け散ってゆく
555劇場版「パラダイスロスト」での決着シーン、オーガスラッシュを真正面から打ち砕いたクリムゾンスマッシュの如く!
「ま・・・ッ負けてねえ!俺は負けてねえzウボァー!!!」
ぼっがぁああーん!!!!
悪の身体と正義の心。まさに相反する2つの力の融合により、Gはこの強敵を打ち倒すのだった
愛する人の無事を確認したGは彼女に声をかけることくその場を去ろうとするが、恵理がこれを呼び止める
「お願い待って!あなたはもしかして・・・?」
「・・・・・」
Gはその問いに答えない。後ろを振り返ることさえなく、彼女を抱き締めたい気持ちを押し殺して歩を進めていく
この世界はボクが守ってみせる
そしていつか戦いが終った時・・・
キミともう一度
孤独なる愛の戦士仮面ライダーG!
その手に再び恵理を抱けるのはいつの日か
といったラストで終劇。SMAP特番とは思えぬ、なかなか見応えのある内容でした
「一応歴代仮面ライダーの1人に入れてもらったって事なんですよ。いやあ嬉しいですね」
VTR終了後、その出来栄えに満足してホクホク顔の吾郎ちゃん。子供のように喜んでて視聴者としてもニコニコです
一方、全力坂50本走ったのに酷い編集でカットされたキムタクが可哀想すぎます
キムタクのほうの企画にはほとんど制作費かかってないのに、吾郎ちゃんだけダンチなんで無理もありませんがね
せっかくスーツ作ったのだから、何かの機会で「仮面ライダーG」の第2弾が製作されることを切に願います