31話

越える父

「と・・・・父さん・・・!?」
魔化魍火車が噴出す激しい炎。それに果敢に立ち向かっていく響鬼の姿に、幼い頃に死んだ父の姿を重ね見る京介
彼の父親は消防士で、炎の中に取り残された救助者を助けに行って殉職したのだ
おそらく炎に向かって突き進んでいく響鬼に父のイメージがダブったのだろう。先週の人騒がせな引きはこういうことか
途中、音撃棒を取り落とすピンチもあった、明日夢のナイスパスなどもあり、とりあえずその場は火車を撤退させることに成功
火車追跡をイブキ達に任せると、自分はたちばなの手伝いに戻るヒビキで冒頭シーン終了




「昨日の言葉は撤回するよ。どうやらキミはつまらない人間じゃなさそうだ」
響鬼の戦いを目の当たりにした京介は、俄然ヒビキに興味を抱くように。ひとみから情報を引き出すと明日夢の自宅まで押しかける
どうやら京介は明日夢とヒビキの付き合いがどの程度のものか気になった様子。例によって歯に衣着せぬ物言いでまくしたてます
「君さぁ・・ヒビキさんとかいう人と親しいみたいだけど。でも一緒に戦ってる仲間じゃあない
中途半端だよそれ。君の家も父親がいないみたいだけど・・・生きてるんだろ?
俺の父親はもう死んでしまったから・・・それが悔しいんだ。越えるべき人がいないから
なんで君は父親に会わないんだ?男って父親を乗り越えて強くなるもんだろ?
「な・・・なんでってそりゃ色々と・・・」
「君は逃げてるだけだよ。
そんなヤツがヒビキさんに近づけるはずがない」

「永遠に父親を乗り越えることができずに悔しい」と明日夢にこぼす京介。あれだけの
勝負バカですからそりゃ悔しいでしょう

生きている父親になぜ会おうとしない、と詰め寄られて返す言葉を失ってしまった明日夢はその夜、母・郁子に思い切って切り出します
「ねぇ母さん・・・父さんに会いに行ってもいいかな」
このコもこんな事を言い出す歳になったか。と黙って父の居場所をメモに書いて差し出す郁子。同じく黙って受け取る明日夢
しかしそれでも母のことを気遣い、なかなか決心がつかない明日夢はヒビキにも相談
「ま、その友達の言うこともわからなくはないな
少年はお袋さんの思いを盾にして、今まで親父さんに会うのを避けてきた・・・
そういう分部はたしかにあるんじゃないか?まぁこれは俺のカンだけどさ」

「・・・そうかもしれないです」
「思い切って会ってみたらどうだ?考えて迷うなら行動だ」

尊敬するヒビキも促され、明日夢は思い切って父に会いに行くことを決断する





翌日。京介たちばな来襲。あの夜化け物と戦った男”ヒビキ”を詳しく知るためにやってきたのだ
「ヒビキさん僕と勝負してください。あなたを乗り越えたいんです!」
やはり変わらない勝負バカ
父と重ね合わせて見ているヒビキに勝つことによって父越えをしたいらしいが。見知らぬ少年からいきなりそんなことを言われても
「うーん見ての通り忙しくてね。少年、注文しないんだったら帰って勉強したほうがいいぞ」
「・・・わかりました。それじゃあみたらし団子を!」
困惑しながらもやんわりと追い出そうとするヒビキ。食い下がる京介は団子を注文し、店に居座ってヒビキの行動を観察し始める
・・・・・・のだが
レジも打てなきゃ団子を丸めることもままならないぶきっちょオヤジ。本当にこれが昨夜化け物と戦った人と同一人物なのか?
なりゆきから
店を手伝うことになった京介も失望の色を隠せない。それにしてもたちばな臨時バイト多すぎ




その頃。明日夢は母から渡された住所を頼りに父の自宅へ。しかし呼び鈴に反応はなく、隣家に住む主婦から留守だと聞かされる
留守ということであれば仕方ないがない。諦めて帰ろうとした明日夢だったが、その主婦から父の様子を聞くことに
「片岡さん(父の苗字)は本当に良い人でねぇ。うちのベスのために犬小屋まで作ってくれて
って、まだ作りかけなんだけど・・・ご主人忙しい方だから。今日も日曜日なのにお仕事だそうよ」

なるほど庭をふと見ると、たしかにそこには作りかけの犬小屋が。どうも父は周囲にも評判の面倒見いい人物であるらしい

父の人物像を知った明日夢は、帰りかけた足を父の会社へと向ける。おー凄いぞ。なかなか普段からは考えられない行動です
会社は大手ゼネコン、役職は部長みたいです。お父さんやり手じゃないか。しかし受付で父が現場に向かったと聞かされた明日夢
ここから
サマルトリアの王子を追うかの如く行き違いの目に逢う
現場に向かってみれば父が
過労で倒れ、病院に運ばれたと耳にし
急いで病院にまで駆けつけてみれば、
家族との食事があるからと無理やり退院したという
しかし行く先々に聞こえてくる父の人物像は、まさに実直なまでの仕事の鬼。そして家族思いの人格者であった
「部長になってまで現場なんて顔出さなくてもいいのに・・・怒ると怖いし
でも仕事が終わってからあの人と飲む酒は最高なんだよなぁ」

「ホント無理しすぎだよあの人は・・・現場にきて力仕事までしちゃうんだから」
「家族との約束があるからって医者の勧めも聞かないで退院とは・・・ホント不死身だね
まぁ、それだけ家族のことを大切にしてる人ってことなんだけど」

どうしてもそのまま会わずに帰ることができない明日夢は、そのレストランの場所まで聞き出して行ってみることに


新しい家族と一緒に楽しく食事をする父を遠くから確認した明日夢。父の隣で楽しそうに笑う少女は自分の妹か
明日夢は父の笑顔を見ただけで十分に満たされ、結局声をかけることなくその場を去ると、また父の家の近くまで戻ってきた
「すみません。あの・・・この犬小屋、僕に続きを作らせてもらえませんか?」
なにかズレてるような気もしますが。それが明日夢なりの“父を超える”行動だったのだ

犬小屋を完成させトボトボと悪く帰り道、ちょうど通りかかったのか息子を迎えにきたのかは知りませんが郁子のタクシー
「どう・・・だった?会えた?」
「いや・・・会えなかったよ。でも会えなかったけど 会えた・・・っていうか」
「・・・・・そう」

遠慮がちに聞いた母に、息子は言葉すくなに答える。「会えなかったけど会えた」は父を追った今日という一日を物語っていた
「ねぇ母さん。ぼく・・・・父さんを好きでいてもいいのかな」
「ッ・・・・バカねえ・・・
当たり前でしょ!わたしの惚れた男なんだから!」

少し涙ぐんでそう答える母。母の運転する車に揺られた息子の笑顔から、昨日までの迷いは消えうせていた





はいラスト
火車が出現。あきらから連絡を受けたヒビキは店を飛び出し、事態を察した京介もすぐに反応。タクシーでヒビキの後を追う
「灼熱真紅の型ァ!」
ドドォン!!ぼが――――ん!
戦闘は端折らせてもらって響鬼紅の勝利。イヤだって今回戦闘はメインじゃないし。
魔化魍・火車滅殺完了!
そんな響鬼紅の戦い振りを物陰からじっと見ていた京介。夜の道を1人歩きながら、思いつめたように呟くのだった
「響鬼・・・か。お前はいずれ俺のものになる」



先週に引き続いて京介のワケワカらん発言でオチ。あーマジきつい・・・井上と白倉に響鬼が壊されていく


32話

弾ける歌

冒頭、例の洋館の実験室。もくもくと白煙立ち込める実験器具から新たなる童子と姫が誕生します
烏帽子と派手目の色使いの服が特徴的な新型。その名も
スーパー童子スーパー姫!
って
なんじゃこの名称は。マジかよ公式サイトでもちゃんとそう表記されてやがる
このネーミングも白倉か井上が決定したんだろうか。1万歩譲ってもせめて「超童子」とかにしてくれよ・・・・
いくらなんでも
いきなり横文字はねえだろ。もう世界観もクソもあったもんじゃないな
さっそく命令を受けて外へ出たスーパーつがい。なんとあちこちで傀儡を倒してるじゃありませんか
「いやぁ〜ゴメンなぁ。人員整理なんだわぁ」
「ゴメンなさい。ゴメンなさい」

む、ペコペコと頭をさげる姫が可愛いぞ。どうやらコイツらの仕事は傀儡の間引きのようです
つか童子と姫のくせに傀儡倒せるって
強すぎね?鬼達なんか傀儡1体の念力にも手も足も出ないのに




おやっさんと日菜佳の風邪も全快し、いつもの雰囲気に包まれるたちばな。そこへ血相変えて飛んできたのはみどりだ
「た、大変!小暮さんがこっちにいらっしゃるって!」
聞くなりぶっ倒れそうになるおやっさん。香須実も日菜佳の姉妹も顔色を失っている
吉野の本部からやってくるお偉いさんのようですが。このビビり様は異常です。いったい如何なる人物なのか?

ちょうどその頃。パトロール中の巡査に停車させられる一台のバイク。ヘルメットをとったオッサンは訝しげな表情です
あっと出ました。
特別出演・布施明。そうかこの人が小暮さんか
「この近くで強盗事件があってね。免許証を」
「・・・君は私が強盗をするような人間に見えるのかね?警官には人を見る目が必要なのにな」
「あぁ?何を言ってんだアンタは?早く免許証を出せと・・・・!」
「口の聞き方には気をつけろ。私は明らかに君より年上だ。敬語を使いなさい」
「そっ・・・・そんな事を申されても」
「申すは敬語じゃない!謙譲語だ無礼者!尻を出せい!」
若い巡査を頭ごなしに叱りつけると、言うなり取り出した警策でケツを思いっきりひっぱたく傍若無人ぶり
井上脚本っぽさ丸出しのオッサンです
小暮耕之助。吉野の開発局長として、鬼が使うさまざまな武器を作ってきた功労者。おーそうなのかそれはすごい
かなり口うるさい人物みたいですが、立場的に部下にあたるみどりは師匠として大変尊敬しているようです



一方、調査に出かけたヒビキとトドロキはちょうど傀儡たちを片付けているスーパー童子&姫に遭遇し、戦闘へ
当然の如く響鬼らを圧倒するスーパーつがい。2人をまったく寄せ付けない強さを見せつけ、トドメも刺さずに去っていきました
二手に分かれて童子たちを追うが、それぞれ森の中で目標ロストしてしまう響鬼と轟鬼。顔だけ変身解除して息を抜いていると・・・
”ガバッ!”
突然
木の枝に逆さ吊りにされる轟鬼。足元に仕掛けられていたロープの輪に足を入れてしまったのだ
「おわああああ!?なななななんだ!?」
「未熟者ッ!!」
何が起きたかワカらず狼狽する轟鬼の尻を思いっきりひっぱたく謎の手。必死に辺りを見回す轟鬼でしたが、既に人気はありません
一方、響鬼もまた何者かの洗礼を。いきなり四方八方から次々と投げつけられた竹をビシバシとはじき返す響鬼
そしてなぜか最後の一個が竹じゃなくて
豆腐。ガンシューティングでいう一般人か。ハッと気付いてそっとキャッチするヒビキ
「未熟者ッ!!」
おーこれは合格かと思いきや、油断したところを容赦なくひっぱたく警策。慌てて振り向いた響鬼ですがやはり人気はありません
言わずもがな謎の男の正体は
小暮さん。たちばなに行く前に関東支部の鬼達の実力を試したようですが・・・時と場所考えろ
轟鬼なんてあんな逆さ吊りにされて。あそこで本物の童子に襲われでもしたらどうするつもりだったんだよ小暮さん。何も考えてねえな





そんなワケでたちばなは急遽大掃除。汚い店内など見られたら小暮さんが何を言い出すかわかったもんじゃない・・・
と、そこへやってきたのは
ダンキショウキの二人組。何やら神妙な表情でみどりに相談があるとのこと
「小暮さんの新兵器のせいで変身できなくなっちゃんだよ」
聞けば小暮が開発した新兵器を使った途端、鬼に変身する力を失ってしまったと言う。アレはとんだ失敗作と罵るダンキ
「己の鍛錬が足りないのを棚に上げ、私のせいにするとは!」
まさにバッドタイミング。ちょうどそこへ“失敗作”の開発者が到着。怒り狂ってダンキらの尻に警策をバシバシ叩き込む
慌ててトンズラこくダンキとショウキを見送りながら、ヒビキらは自分たちを森で罠にかけた人物が小暮だったことを悟るのだった

「『アームドセイバー』鬼の力を何倍にも高める、私の最高傑作だ」
ダンキらが変身できなくなった原因と思われる新兵器を自慢げに披露する小暮さん。ウワサのアームドセイバーだ
「連中がこれを使いこなせないのは日頃の鍛錬が足りないせいだ」と言い張る小暮に、トドロキが元気よく立候補
「あの!自分じゃダメっすかね?鍛えてる時間には結構自信あるんスけど」
しかし森で罠に簡単にはまったことを指摘し、相手にもしない小暮。ヒビキはまだ見所ありと感じたようですがそれもまだまだ
しまいにゃ怒りの矛先をおやっさんへと向けるとクドクドと説教を始める始末。さしものおやっさんもタジタジで頷くしかない
で。しばし後
「・・・力が強すぎる?どういう事かね」
不具合の分析を終えたみどりが結果を報告。アームドセイバーはその波動が強すぎて人間の力では同調できないという
無理にその力に同調しようとすれば鬼の力を大きく消費してしまい、ダンキらのように変身能力まで失ってしまうらしい
「だから、それは皆の鍛え方が足らんという事だろう?」
「いえ、あのその・・・いくら鍛えても人間の力では限界があります。これは・・・」

その力の強さは鍛えれば使えるようになるというようなシロモノではなく、どう足掻いても人間には使いこなせないとの事
「そうか・・・私は力を追求するあまり誰にも扱えない武器を作ってしまったか」
優秀な弟子に明確な分析結果を突きつけられてはぐうの音も出ない。さすがに落ち込む小暮。人の話を聞く耳は持ってるのね

すっかりしょぼくれてしまった小暮を励ますのも兼ね、たちばなは小暮の歓迎会を開くことに
「バカ騒ぎするのは嫌いだ」などと乗り気でなかった小暮ですが、カラオケになるとその自慢の喉を気分よく披露(歌手だしな)
歓迎会が完全に
小暮耕之助ワンマンショーと化したその時、イブキから童子出現の報告が入る
これは助かったとばかりに会場を抜け出すヒビキとトドロキ。サポート員たちもそそくさと地下の司令室へ移動
瞳を閉じて熱唱していた小暮は、誰も居なくなった大部屋でたった一人ぽつんと立ち尽くすのでした。あれ?って表情が可哀想ね




ラスト。スーパーつがいを発見した威吹鬼に変身して闘うが、やはり2体の素早い動きに圧倒され手も足も出ない
響鬼、轟鬼が合流して3対2になるが、それでも互角どころか押され気味。まぁそうだろ
傀儡より強いんだし
さらに不利な状況に追い討ちをかけるように
魔化魍・カマイタチまで出現。鬼たちに容赦なく襲い掛かる
そんなピンチを打破すべく轟鬼が取り出したモノ。なんとそれはこっそり持ち出してきた
アームドセイバー
しかしカマイタチに斬りかかろうとした瞬間、強烈なパワーに全身を打たれると顔だけ変身が解除されてしまう轟鬼
そしてアームドセイバーを拾い上げた響鬼にも同じ現象が起こる。やはり人間の力でこの武器を使いこなすのは不可能なのか
再び放り投げられたアームドセイバーを最後に手にしたのは、なんとスーパー童子。「いいもん拾ったー」ってな表情です
ニタリと笑いながら変身を解除したヒビキへ疾走する童子。アームドセイバーがギラリと輝いたところで
次週に続く


33話

装甲う刃

アームドセイバーを手に入れたスーパー童子はヒビキらに襲い掛かってくるが、それを脇から奪い取ったのはスーパー姫
「も〜らった!も〜らった!」
「あ、返せ!」

アームドセイバーを取り合いながらどこかへ立ち去ってしまう2匹。カマイタチも地面に潜って唐突に戦闘終了です
天然の童子と姫のおかげで命拾いした鬼三人。しかしアームドセイバーの副作用でヒビキとトドロキは鬼の力を失ってしまう事に

洋館へと戻った2匹は紳士と淑女(黒幕男女のオフィシャルの名称)に持ち帰ったアームドセイバーを献上
「うん。これで吉野の技術の事がわかるかもしれないな。どれ・・・・」
早速アームドセイバーの分析を開始する男女。まずは強すぎる波動を抑える処置からだ。小暮さんより良くわかってるじゃないか
そんな様子を「アレ欲しいなぁ〜」と指をくわえて見つめるスーパー童子とスーパー姫が妙に可愛いぞ




「まったく!これもみんな小暮さんのせいっスよ!」
変身能力を失いヒステリックに当り散らすトドロキ。「小暮さんのせい」一点張りですが
持ち出したお前が悪い
ダンキ達の変身能力が回復したという吉報は届いたものの、彼らが回復までに要した時間は実に一ヶ月以上。ではヒビキ達も・・・?

「・・・そういうワケで、全部あの小暮さんのせいなんスよ!」
どうにも納まらないトドロキ。ザンキさん相手に小暮さんの悪口を垂れ流す陰湿ぶり。
持ち出したお前が悪い
「たわけ者!こんなところで人の陰口とは!」
壁に耳あり障子にメアリーさん。いつのまにか背後に立っていた小暮さんの大カミナリをくらうギター師弟。ザンキさんとばっちり
「む!お前がコイツの師匠だったのか。お前の指導がいき届かんから弟子がこうなるんだ!」
「申し訳ありません小暮さん。お願いします」
恐縮して頭を下げると、自ら尻を突き出すザンキさん。何か
二人のただならぬ関係を想像してしまう「迷」場面です
バシーン!!!
とどまるところを知らない小暮の傍若無人ぶり。尊敬する師匠までケツを引っ叩かれたとあって、怒り頂点に達するトドロキであったが
自分が勝手に持ち出した手前文句も言えない。ここは我慢してザンキさんと一緒にひたする頭を下げるだけだ




「あーあーあああーあーあー♪ハイ!」
一ヶ月など待っていられない。小暮は奪われたアームドセイバーを一日も早く取り返すためにも、ヒビキとトドロキを特訓するという
「あーあーあああーあーあー♪」
「あー
あ”ーあああーあ”ーぁー♪」
ところが。小暮さんが命じた特訓とは
何故か発声練習
「宇宙の波動を取り込み、己の波動を腹の中で練り直すのだ」
なんとなく説得力のありそうな
意味不明な理論を展開する小暮さん。はたしてこの特訓に効果があるのだろうか
それにしてもトドロキの音痴ぶりが
放送禁止レベル。「お前は音痴だな」とハッキリ指摘されてショック受けてます

「小暮さん、俺の事音痴って言うんですよ。そんな事あるわけないじゃないですか
だって俺、バンドやってたんですよバンド!」

「俺は音痴なのか?」狼狽して日菜佳に意見を求めるトドロキ。試しにデュエットした日菜佳は
いきなり泣き崩れます
「うぅ・・・・私達・・・一緒にデュエットするのは無理なんですかね」
「えええええええー」
酷いな。トドロキ





今日も今日とて特訓に励むヒビキとトドロキ。当然発声だけじゃなくて、肉体の鍛錬も今まで以上のハードメニューになってます
見舞いにやってきたザンキさんに、相変わらず小暮さんの文句を垂れ流すトドロキ。しかしザンキさんはそんな弟子をこう諭す
「小暮さんを信用しろ。あの人もかつては鬼だったからな・・・鬼のことはよく知ってる
1日で10体の魔化魍を倒し“疾風鋼の鬼”と呼ばれた猛者だったんだ」

「1日に10体!?マジッスか!」
「違うぞバカモノ。20体だ!」
そこに現れた小暮さんは20体だ、いやいや30体だったか、などと話をどんどん膨らましていく。おそらく実際は10体なんでしょうが
「す・・・すげえっス小暮さん!俺感動したっス!」
単純なトドロキはこの話を完全に鵜呑み。あれほど毛嫌いしていた小暮に心酔してしまいました。バカは扱いやすくていいなぁ




ラスト。魔化魍カマイタチが出現し、ただ1人変身できる威吹鬼がこれに単身立ち向かう
しかしカマイタチのパワーに苦戦しているところへスーパー童子&スーパー姫まで現れ大ピンチ。たすけてアンパンマン
そこへ駆けつけたヒビキとトドロキ。変身もできないのに何しにきたんだって思いきや、遠くの岩場から叫ぶのは小暮さんだ
「変身するんだ!二人とも!」
言われるがままに変身楽器を鳴らす二人は見事に変身成功。ダンキ達が一ヶ月かかって取り戻した力を、二人は1週間程度で得たのだ
「ヒャッホー!!俺は最初から小暮さんを信じてましたよ!」
やはり小暮さんのヘンテコな特訓は効果てきめんだった。飛び跳ねて手を振る轟鬼がバカ丸出しで微笑ましいぞ
そんなこんなで戦闘開始。激しい乱戦の最中、スーパー童子が使っていたアームドセイバーが響鬼の足元に転がってきた
「恐れるな響鬼!今のお前なら使いこなせる!
アームドセイバーはお前の武器だ!」

アームドセイバーを構える響鬼。刀身から巨大なパワーが放出されると、どこから来たのかディスクアニマルの大軍が出現
ディスクアニマル達は次々と響鬼の身体に飛びつくと、変形して重厚な装甲になっていく。
クロスの装着みたいね
炎の中から悠然と現れたのは、輝く鎧に身を包んだ最強の鬼戦士!
変身!アームド響鬼!
うーん。でもこれは紳士淑女がセイバーの出力を下げたから可能になったんだろうか。素のままだったら使えなかったと思うんだが
しかしそんな事より
燃えないパワーアップだ。平成ライダーのパワーアップで一番燃えないな。ガックリ
ぶおん!とアームドセイバーを一振りすると、炎の刃でカマイタチいともたやすく真っ二つ。あぼーん!
魔化魍カマイタチ・滅殺完了!って普通に斬撃なんだけど。清めの音じゃなくていいのかよ
「魔化魍は清めの音でしか倒せない」って基本設定ももはや過去の話か。こうなってくるともう何でもアリだな

スーパー童子と姫はカマイタチが倒されるとそのまま退散。アームド響鬼はそのデビュー戦をすこぶる地味に飾りました
「凄いなコイツは・・・・響鬼・・・装甲か」
ラストシーンは再びたちばなで小暮さんのワンマン歌謡ショー。最後に「少年よ」を歌うところで締めるという上手いオチでしたとさ
次週へ続く!


34話

恋する鰹

巨大魔化魍をもたった一振りで斬殺する最強形態・アームド響鬼の誕生。見届けた小暮は吉野に帰り、たちばなには再び平穏な日々が
そんな中日菜佳が誕生日を迎え、トドロキは誕生祝いに普段行ったこともないような高級レストランに日菜佳を連れていくのですが・・・
「わぁ・・・大丈夫なんですか?こんな高そうなお店」
「今日は日菜佳さんの誕生日なんですから。好きなだけ食べてください。それじゃ・・・乾杯」

と、ここまではカッコよく決めたトドロキ。しかしワインを口に含むや
突然咽こんで勢い良くリバース
噴水のように吹き出したワインをせっかくの日菜佳の白いドレスにひっかけてしまう大失敗。まぁこれはまだいいとして
更にナイフとフォークがうまく使えず
ステーキの肉を日菜佳にふっ飛ばし、あわてて拭こうとして
テーブルクロスを引っ張って全ての料理をひっくり返してしまうダメ男ぶり
だがそれでも「いいんです。大丈夫です」とトドロキを気遣ってニコニコ笑う日菜佳の優しさ。うーん本当にいい女だなー
「あ、あのっコレ!誕生日プレゼントっす!実家から送ってもらった鰹!
今朝知り合いの漁師が一本釣りで揚げたばっかりのヤツで・・・・・!」

”ブチン”
ついに日菜佳マジ切れ。どこの世界に彼女の誕生日に新鮮な鰹一本プレゼントする男がいるというのか
大爆発した日菜佳は家まで送ってくれたトドロキを無碍に追い返すと、「しばらく会わない方がいいのかな」と姉に相談するのだった





後日。トドロキは香須実を軽食屋に呼び出して例の件についての相談を持ちかける
「俺、やっぱり嫌われちゃったんですかね・・・
日菜佳さんみたいな素晴らしい女性と俺なんかじゃ吊り合わないですよね・・・」

「そんな悲観しないで」と香須実はトドロキを励ますが、マスターから手渡されたハンバーグランチを掴み損ねたトドロキがここでも失態
「熱ッッ!」
皿の熱いところを掴んでしまい、反射的に腕を跳ね上げるトドロキ。美味そうなハンバーグが
香須実の頭にナイスオン
なんでこんなに落ち着きがないんだこの男は。俺が女なら絶対コイツとは付き合えねえ
ひたすら謝っていると日菜佳から魔化魍出現を知らせる電話が
トドロキは例の件のわびを入れようと懸命になるが、日菜佳は一方的に事務連絡をしただけで電話を切ってしまった
すっかり落ち込んでしまうトドロキ。そんな気持ちを引きずりながら現場へ向かえば、そりゃ更なる失敗が起こるに決まってます

既に現場で魔化魍と交戦していた響鬼に加勢する轟鬼。えー、なんでしょうか今回の魔化魍は。大きさは人間サイズ
ジョジョ3部に出てきたスタンド、『恋人ラバーズ』にしか見えません
今にも「マギィー!」って叫びそうですが、公式を見てみたらコイツは「うわん」だそうな。
コイツうわんかよ!
そんなわけで2対1。優勢になった鬼コンビに決定的なチャンスが訪れたものの、轟鬼が烈雷を取り落としてしまうという大失態
そのままトンズラかましてしまううわん。「何やってんだ」とあからさまに苛立ちを露にするヒビキに、トドロキは胸の内を告白します
「スンマセン実は俺・・・日菜佳さんと最近上手くいってなくて・・・」
どうしても戦いに集中できないトドロキ。しかし朴念仁のヒビキさんには恋に悩むトドロキの気持ちが理解できません





その頃。スーパーつがいに襲われたイブキとあきら。これまでにない殺気を漲らせ襲いかかる姫に圧倒されます
”ゴキャッ”
イブキの蹴りで首を180度回転させられる童子。
お前は男塾に出てきた首天童子か
「あわわ。首が首が!あわわわー!」
「ええい!邪魔をするな!」

”ベキィッ”
ピョコピョコと目障りな童子にイラついた姫の扇子ビンタが炸裂。ちょうど逆回転180度回って正常な位置に治りました
「あ!治った治った!わははー治ったよー!」
「邪魔をするなと言っている!殺すぞ!」
童子はこれまで通りの
面白キャラだが、どうやら姫だけが覚醒した様子。童子もいずれこうなるんでしょうか
つがいの連携不和と、あきらの懸命のサポートのおかげでなんとか危機を脱した威吹鬼
足を負傷してしまったあきらを家まで連れてきますが、部屋まで送ると言ったイブキを今迄にない強い調子で断るあきら
勿論
「そんな軽い女と思わないでよバカ!」ということではなく
猛士の歩になって随分経つのに、まだ鬼になれない自分に対する焦り。鬱積していた悩みを少し吐き出したらしい





「俺たちは鬼だよ?鬼がプライベートの悩みを戦闘に持ち込むなんざねぇ・・・」
「ヒビキくんさァ・・・燃えるような恋って自分でしたことないんじゃない?」
トドロキ不調の件について、みどりにくだを巻くヒビキさん。しかしみどりは逆に「鈍い」とヒビキを諭します

どうも納得のいかないヒビキだったが、母が実家に帰って一人という明日夢のために夕食を作ってやることに
見たところクリームシチューを作ったようですが、一口食べた明日夢は「しょっぱい!」と眉を歪める出来
「少年、少年は恋をしてるか?もっちーとの仲はどうなってるんだ?」
「・・・・いえあの・・・別にそんな・・・・」

突拍子のないヒビキの問いに、途端に閉口してしまう明日夢
実は明日夢は先日、ひとみが京介にラブレターらしき手紙を手渡しているところを目撃したばかりだったのだ
押し黙ったままの明日夢に気を使い、自分もシチューを口に運ぶヒビキ。やはりしょっぱすぎる味に眉をしかめるのだった

ラスト。またも出現したうわんを討つため、トドロキ、ヒビキ、イブキが出動。響鬼はアームド響鬼になってうわんを追いつめる
「よし!任せてくださいあとは俺がッ!
音撃斬!雷電激し・・・・!」

”バツン!!”
ところがドッコイ。轟鬼がとどめを刺そうとしたその時、なんと
烈雷の弦が切れてしまう。ゲェーッ
呆気にとられる鬼たちに、起死回生で勢いづいたうわんが反撃に出たところで
次週へ続く


35話

惑わす天使

うわんの反撃を食らってピンチに陥る轟鬼。しかし割って入った響鬼がセイバーを縦に構えて腹の底から声を出す!
「鬼神覚声・・・・ハァッ!」
アームドセイバーを拡声器として使い、響鬼の声の清めの音を増幅する技鬼神覚声(きしんかくせい)
くらったうわんはアッサリ爆発四散。正直
たかが声でブッ殺される魔化魍が気の毒だ

烈雷の弦が切れてしまったのは、日菜佳との仲がうまくいかずに落ち込むトドロキが武器の手入れを怠ったからである
あきれて物も言えないヒビキにさすがのイブキも同調せざるを得ない。二人がかりで諭すものの、やはりそう簡単には割り切れないようだ




「というワケで・・・トドロキ酷くて見てらんないぜ。日菜佳さぁ、もう少し優しくしてやれよ」
「これはそんな簡単な問題じゃないんです!・・・ほんと無神経なんだから」
「無神経・・・俺が?」

食事中、日菜佳に簡単に用件を伝えるヒビキだったが、それに対し日菜佳はいつになく厳しい口調で言い放つ

その日の夜、足立家の台所に立つヒビキ。先日失敗してしまったシチューのリベンジにやってきたのだった
今回はなんとか上手にできたようだが、肝心の明日夢がブロークンハート状態で
燃え尽きてます
「悩みがあるなら相談に乗るぜ」というヒビキに甘え、ひとみの件を話し始める明日夢。この人に恋愛相談は無理だ
「持田が誰を好きになろうと勝手なんですけど・・・それを認められない自分もいるって言うか」
「まぁ女の子を好きになるのもいいけどさ
少年には他にも色々あるじゃないか。部活とか勉強とか。青春真っ盛りなんだし」

ひとみの事は忘れて部活や勉強に専念すればいいんじゃないか、とヒビキ。
ロクでもねえおっさんだ
恋愛相談ってオメー。相手はそういう答えを求めてるんじゃないだろ。もっとさぁ、こう・・・・あー酷くて見てらんねえ
当然というか何というか。このしょうもないアドバイスに明日夢の表情は一向に晴れぬまま。流石の朴念仁も思わず・・・
「なぁ少年・・・俺って無神経か?」




「なるほどそういうワケか・・・日菜佳ちゃんとな・・・」
「こんな事ザンキさんに相談するのはどうかと思ったんですけど。俺もうどうにかなっちまいそうで」
しばらく寝ていないらしく、目の下にすんごいクマをつくってすっかりやつれ果てたトドロキ。ついに師匠であるザンキさんを頼る
この人も普段の言動から察するにヒビキに劣らず朴念仁な感じがしますが・・・どうなんでしょうか実際
「任せておけ。こう見えても俺は数々の女性を愛してきた男だ
文字通り 鬼のようにな。フフフ」

怪しさ満点の笑みだぜザンキさん!溺れる者は藁をも掴む。師匠の頼もしい言葉にトドロキはすがりつきます

「やぁ・・・久しぶり日菜佳さん」
「と・・・・トドロキくん・・・」
師匠の秘策を引っさげてたちばなへやってきたトドロキ。なんかもう服装がスゲエ
ザンキさんのコーディネイトでしょうか
チンピラシャツに金ネックレスというアレすぎる格好です
イヤホンから聞こえてくるのは外で待機しているザンキさんの指示だ。言われるがままにその台詞を読み上げるトドロキ
『俺は今地獄にいる・・・愛という名の地獄にな』
「俺は今地獄にいる・・・愛という名の地獄にな」
『ようし決まったぞトドロキ!いまだ抱きしめろ!』
ざばぁー!!!!

ザンキさんが勝利を確信した瞬間。バケツの水を盛大にぶっかけられて店を締め出されるトドロキ
呆然として立ち尽くす弟子にかける言葉もなく、逃げるように退散するザンキさんでしたとさ。やはりこの弟子にしてこの師匠か




魔化魍出現。なんかセミ怪人みたいなヤツですが、これはうわん成体だそうです。あのラバーズは幼体だったのね
出動した響鬼、威吹鬼、轟鬼に対しスーパー童子、スーパー姫も加わり3対3の激しい戦いが繰り広げられる・・・が!
「いまだ威吹鬼!」
「はい!・・・あ、アレっ!?」
ぱふー!ぱふー!ぱふー!
「えええええええええええええええええー」
疾風一閃でとどめを刺そうとした威吹鬼だったが、なんとこの実戦の中
烈風の音が出ない痛恨のミス
魔化魍らの巻き返しにあった響鬼らはたまらず逃亡。例によって童子のふざけた行動のおかげで何とか逃げおおせました
「今度邪魔をしたら殺すと言ったろう!」
「あぐぐぐ・・・・お、お前ずいぶん変わったぞ」

怒り狂った姫に
思いっきり踏みつけられる童子が可哀想すぎる。コイツのキャラは好感持てるな

「おいおいよしてくれよ・・・今度はイブキか」
逃げ延びた3人。聞けばイブキの不調は、香須実が見知らぬ男と仲良くしているところを目撃してしまった為だと言う
「何をやってんだ」と頭を抱えて溜息をつくヒビキをよそに、イブキとトドロキのフラレ虫コンビはは互いに励まし合うのだった





その夜、ヒビキは三度足立家の夕食へ。先日のお礼として今度はヒビキが明日夢の作ったシチューを食べることに
自分のより美味い明日夢シチューに立場無しのヒビキだが、しかしそれより何より今日は明日夢の機嫌がいい
「いやあ聞いてくださいヒビキさん。実はこないだ話したアレ、僕の勘違いだったみたいで」
ひとみが京介に手渡していたのは、友人の書いたラブレターを手渡していただけだったのだ
ニコニコと笑いながらシチューを食べる明日夢を見ながら、ヒビキはトドロキらの悩みを初めて理解する

「で?なんでまた鰹なんてプレゼントしちまったんだよお前は」
「日菜佳さん光りモノが欲しいって言ったんスよ。だから・・・」
「馬鹿だねお前は。女が光りモノって言ったら指輪やネックレスのことだろ」
「ええ?そうなんスか!!?初めて知ったっス」
本当のバカだろコイツ
考えを改めたヒビキはトドロキの相談に乗り、「もう一度日菜佳の誕生日をやり直せ。カッコつけないお前なりのな」せと提案
トドロキは密かな得意技であった手打ちうどんを用意し、日菜佳はその心のこもったうどんの味に大感動
「私が今まで食べてきたうどんの中で一番美味しいです・・・」
「日菜佳さん。これ・・・プレゼントです」
ここでトドロキが手渡した指輪。涙ぐんで受け取る日菜佳。2人の間にあったわだかまりはすっかりなくなって一件落着です




戦闘パート。香須実のことで凹んでいたイブキも、それが自分の勘違いだったとわかると気分爽やか体調万全
3体に分裂したうわんも、本調子を取り戻した3人の鬼の前にはあっさり瞬殺。これにて完全にスランプ解消です
そして今週のラスト。その夜、戦いを終えて自宅に帰ってきたあきらを見つめる謎の人影。どこのストーカーだと思ったら
なんと桐矢京介だ。おもむろにあきらに近づこうとする京介。今度の彼の狙いとは・・・・?
次週へ続く


36話

飢える朱鬼

あきらに接近したストーカー京介。なぜ鬼になろうと思ったのか、などと例によってズケズケとデリカシーのない質問攻めを
いきなりかつ失礼な京介の物言いに怒りを込めた目で見返すあきら。こんなキチガイ野郎を相手にするほど暇じゃありません
「何も話すことはありません。帰ってください」
「待ってくれよ。勝負をしよう」
出たよ勝負バカ
すぐ傍にあった自販機からオロナミンCを2本買ってくる京介。「GO!」と叫ぶと物凄い速さでこれを飲み干す
「俺の勝ちだ!」
「馬鹿じゃないの?」
うん
コイツとは話しても無駄だと悟ったあきら。冷ややかな目で一瞥して去っていきました。至極普通の反応だな

そんな折。吉野の神社に安置されていた鬼の鎧が何者かに盗まれ、神主と巫女が襲われるという事件が発生した
鬼の鎧とは装着した者に鬼の力を与えることができる武具で、昔、鬼の頭数が足りない時に猛士の間で使われた代物である
しかしながら、それを扱えるのは鬼同様に相当に心身鍛え抜かれた人間だけだという。いったい何者が何の目的で・・・・?





巨大魔化魍ノツゴが出現。現場で交戦した裁鬼さんはこれを討ちもらしますが、強敵相手によく善戦したとも言えます
なにせこの人ときたら登場すれば必ずやられる
ヤムチャ。こうして無事に戦闘を終えただけでも良しとせねば・・・ああっ!?
来た。変身忍者嵐
先週の次回予告で特撮ファンを騒然とさせた
変身忍者嵐ゲスト参戦。その正体は盗まれた鬼の鎧でした
鬼の鎧を装着した謎の人物は、いきなり問答無用で裁鬼さんに斬りかかってきます。ゲェーやはりこの人はこういう運命なのか
裁鬼さん、変身忍者嵐の猛攻の前にあえなくKO
ヤマアラシに敗れ、カッパに敗れ、そして嵐にも負けてこれで劇中での通算成績
3戦3敗。裁鬼さんの明日はどっちだ
やや遅れて駆けつけたザンキさんとトドロキに一瞥くれると、そのまま静かに立ち去っていく嵐。いったい何者なのか?
だがその後姿を見送るザンキの胸にはある記憶が甦りつつあった―

「・・・裁鬼が戦っていた魔化魍はたぶんノツゴだな」
「マジっすか?それってすごい強力なヤツじゃないっスか」
「ああ。最後に出たのは10年前か・・・俺の師匠が倒せなかった最後の魔化魍だ」
現れた鬼の鎧と、自分の師匠の因縁の魔化魍であるノツゴの出現にに胸騒ぎを覚えるザンキさん。そう、あの後姿はもしや―
「ザンキさん、その師匠・・・シュキさんって人は今は?」
「今はもう鬼じゃない。いや・・・
正確には鬼を辞めさせられた人だ」

どこかの華道教室。そこに生け花の講師として働いている1人の女性・・・ウワサのシュキさん。なんと女師匠です
10年前にザンキさんの師匠だったってことで50歳くらいのオバちゃんを想像してましたが存外に若い。40歳ちょいくらいでしょうか
「切り花一本一本にも念を込めなさい。死にゆく花を生かすように」
物静かな口調からは、かつて彼女が鬼であったなどと想像もできませんが・・・外でひったくり事件が起きたその瞬間、表情が一変
謎の法術で火の鳥を飛ばすと、見事にひったくり犯をKOします。しかしこの火の鳥の術は裁鬼さんが嵐に使われたモノと同じ・・・





「学校と鬼の両立なんて。鬼になれなかったときのことを考えた保険だろ?」
学校で京介に痛いところを突かれたあきら。自分の気持ちの弱さを裸にされたようで、、思わず師匠・イブキに相談する
あきらはかつて父と母を魔化魍に殺された過去を持っていた。それが猛士に入って鬼を目指している理由の根底でもある
「イブキさんは私を弟子にする時言ってくれましたよね。”まずは憎しみを捨てろ”と・・・
でも、
魔化魍を恨むことで得られる力もあるんじゃないでしょうか」

京介の言葉が心の焦燥を生むのか。あきらは魔化魍への憎悪を力に変え、その思いの力でもって早く鬼になりたいと言う

「ヒビキさんにとって”鬼である”ってことはどういうことですか?」
「そうだな。鬼でありながら、鬼であっちゃいけない・・・ってトコかな」

あきらを心配する明日夢もまたヒビキにこんな質問を投げかけるが、その答えは抽象的で理解できない

不安に揺れる弟子の心の乱れを深刻に受け止めたイブキは、あきらをしばらくザンキさんに預けることに
師匠と言えど自分はまだ若く未熟。人生経験豊富なザンキさんなら、なんとかあきらを救ってくれるのではないかという判断である
この申し出を快く受けるザンキさんであったが、実はザンキさんは胸に古傷があり(膝はもうほぼ完治)、医者から変身を止められていた
(仲間内でそのことを知っているのは偶然発覚したヒビキだけだが、そのヒビキもどこまで悪いのかまでは把握していない)





ザンキさん&トドロキ組と行動を共にするあきらは、ザンキさんからも「憎しみを捨てろ」と諭される
「この人もイブキさんとと同じことを言うの・・・?」落胆の色を隠せないあきらにザンキさんは更に言葉を続けます
「あきら。お前は鬼になるってのはどういうことだと思う?」
「え?それは身体を鍛えて、技を磨いて、心を強く持ち・・・」
「それよりも大事なことがある。
それは自分の中の鬼を殺すことだ」

両親を魔化魍に殺されたあきらは、その憎しみを忘れてしまえば鬼になるエネルギーもなくなってしまうと思っている
だが、もしそうならばそれは鬼になる意味などない。自己を殺し、全ての人々のために戦うからこその猛士の鬼なのだ
それを忘れ、自己のために力を求める者は鬼の資格を剥奪される―そう、ザンキの師・
シュキのように




魔化魍・ノツゴが現れた。応戦した轟鬼だったがノツゴのパワーに弾き飛ばされると、音錠が外れ変身が解除されてしまう有様
「響鬼・装甲!」
いいタイミングで合流したヒビキはすぐさまアームド響鬼になるが、その力をもってしてもたやすく倒されるノツゴではない
と、そこへ現れた
変身忍者嵐。何をするのかと思いきや、地面に落ちていた轟鬼の音錠を拾い上げたではないか
しかしその隙をザンキさんが放ったディスクアニマルが襲う。一瞬の油断から受けた攻撃は、その鎧を粉々に砕き割る
おいおい、
ディスクアニマルにやられんのかよ嵐。裁鬼さんはディスクアニマル以下か

中から現れた人物・・・それはやはりザンキさんの予想通り
シュキその人であった
「手を出すなザンキ。死ぬぞ」
思わぬ形で師匠との再会を果たしたしたザンキさん。シュキは拾った轟鬼の音錠を使って”朱鬼”に変身する
カッコ悪!朱鬼デザインめっさカッコ悪!なんつーか物凄い安っぽい
仮に響鬼達のスーツに100万かかってるとしたら、朱鬼のスーツは
5千円くらいじゃないかと思うほどにヘッポコです
マスク部分が
でっかい鬼の面でほぼ占められてるんですが、これは力を求めたシュキの心の現れでしょうか
『鬼になることは自分の中の鬼を殺すこと』
なるほど。それを成せなかったシュキの心が変身後の姿に出る・・・これはデザインの理由としては納得がいく設定かも


朱鬼の音撃武器は竪琴
音撃弦・鬼太楽。烈雷のように直接敵に接触せず、烈風のように離れて攻撃できる代物だ
ほぼ10年ぶりに変身した朱鬼は、まるでブランクを感じさせない戦いぶりで因縁の相手であるノツゴと渡り合いますが・・・
ノツゴの攻撃によって吹き飛ばされたあきらが川へ落とされてしまったところで
次週に続く。次回、復活の斬鬼


37話

甦る雷

ノツゴの攻撃を受け川に流されてしまったあきら。ザンキはヒビキ、トドロキと必死に周囲を探すが見つけることができない
上流から流され岸辺に倒れているあきらを発見し、介抱したのは、ノツゴを取り逃がして変身を解除したシュキであった
「気がついたか」
「あなたは・・・」
警戒するあきらにシュキは自分がかつてのザンキの師匠である事を告げ、あきらがイブキの弟子であることを知るとふっと笑った
「威吹鬼・・・宗家の鬼か。やつはそのうち私を殺しに来るだろうな
それにしても女の身でありながら鬼になろうとする者は珍しい・・・理由はなんだ?」

何故に鬼になりたいのか、と動機を聞かれたあきらは素直に両親が魔化魍に殺されたことを告白する
「そうか・・・私と同じだな。いいか、憎しみを忘れるな。憎しみがお前を強くする」
あきらと同様、魔化魍に両親を殺されたというシュキ。ザンキやイブキとは正反対のその言葉に、あきらは強く共感する
シュキと別れたあきらはザンキらと合流。ザンキは「あの人には近づくな」と諭すが、あきらは力強い目で見返すだけだった
それにしてもシュキさんの
大根演技はなんとかならないんでしょうか。このセリフ棒読みはひどすぎます




ノツゴを探すシュキの前にスーパー童子&姫が出現。しかし2匹がシュキに襲いかかろうとした瞬間、突然動きが止まる
一緒にやってきた紳士&淑女が2匹の動きを制御したのだった。二人は不敵に笑いながらシュキに話しかける
「お前の心の中に強い闇を感じる・・・鬼というよりは我々に近い。こちらへ来るか?」
「断る!私ほど鬼である鬼はいない」

仲間にならないかという誘いを断固拒否するシュキ。童子と姫の襲撃を受けるも、煙幕で華麗に幻惑して難なく逃走します
「わはー。カッコイイなぁーあははー」
標的を逃がした童子は相変わらず子供じみたはしゃぎ様。例によって覚醒姫に踏みつけられますが・・・きた。突然変異!
パン!と姫の足を払いのけるとすっくと立ち上がり、物凄い形相で睨みつけながらドスの効いた声で一言
「・・・・次は殺すぞ」
ついに童子も姫同様、成体へと変貌完了。あぁコイツの面白キャラはかなり好きだったのにな・・・非常に残念だ




ついに吉野の宗家から、反逆者シュキに対する『鬼祓い』の命令がイブキに下された
猛士から除名されながら鬼の鎧を強奪して裁鬼にケガを負わせ、更にはトドロキの音錠を奪い朱鬼に変身したシュキ
鬼の中からこのような反逆者が出た場合、宗家の人間が断罪としてこれを討たねばならない。これが「鬼払い」である
この決定を受け、たちばなに皆が集まる中ザンキは初めてシュキが鬼をやめさせられた訳を打ち明ける
「あの人は・・・俺を殺そうとしたんだ。勿論それなりの理由はあったんだがな」
かつてシュキは両親を殺したノツゴに対し、異様とも言える執念を燃やしていた。そのノツゴの弱点は人間を食らうときに開ける口
朱鬼は弟子ある斬鬼がノツゴに食われそうになった時、
それを助けようとしなかった
そう、彼女は無情にも斬鬼を犠牲にして弱点の口に攻撃を撃ち込んだのだ。ザンキの胸の古傷とはこの時のケガである
「そんな!自分の弟子を犠牲に使うなんて・・・!」
「あの人にとってノツゴは特別な敵だ。どんな手段を使っても倒したかったんだろう」

幸いにも急所は外れ命は助かったが結局ノツゴは逃亡。ザンキもそのときのケガが原因で数年後に鬼を辞めることになるワケだ
「ところであの・・・シュキさんて人、ザンキさんの師匠って割に若すぎないスか?」
「あぁ、師匠は呪術的な力を持っているからな。それで長い間若さを保っているらしい
実際の年齢は・・・トドロキ、
たぶんお前の婆ちゃんよりも上だぞ」

やっぱババアなのかよ。それにしてもトドロキの婆ちゃんよりも上とは恐れ入った

「鬼払いには経験のある鬼を1人サポーターにつける事になっています。お願いできますか」
鬼祓いという困難な仕事を初めてこなす事になったイブキ。ヒビキに助力を請うが、ヒビキはいつになく厳しい態度でイブキを突き放す
「イブキ・・・俺を頼るな。これはお前自身答えを出さないといけない。あきらの為にも」
鬼になることに悩むあきら、その師匠としてお前が答えを出せ。言葉少ななヒビキの激励に、イブキは決意を新たにする




「師匠、トドロキの音錠を返してください。今ならまだ鬼祓いも止められます」
一人師匠シュキと再会したザンキは音錠を返し、鬼に変身しないで欲しいと訴える。鬼祓いなどで師匠を死なせたくない配慮だった
しかし師匠を思う弟子の気遣いも、ノツゴに対して執念を燃やすシュキの前には馬の耳に念仏。これをあっさりと拒否
そこへ現れたのはザンキの後をつけてきたあきら。なんと彼女はザンキの目の前で、シュキに対して弟子入りを志願する
「私を弟子にしてください。お願いします」
「ダメだあきら!戻って来い!」

「ついてこい」というシュキに素直に従うあきら。止めようとして叫ぶザンキだが、あきらは逡巡しながらもシュキについていってしまう

「あきら。こっちへ来るんだ」
「お前のような若造が私に勝てると思っているのか?」
そしてシュキとあきらの前に現れた宗家の刺客人、イブキ。「鬼祓い」である。ついに鬼同士が戦うのだ
と、そのときお約束なタイミングでノツゴが襲い掛かってきた。イブキはあえなく吹っ飛ばされ、あきらはノツゴの糸に捕らえられる
イブキの扱いひでえな。あの覚悟は一体なんだったんだか
まさにノツゴに食われんとするあきら。しかしそれは朱鬼にとって千載一遇のチャンスでもあった。10年前の再現である
あきらごとノツゴを葬り去らんと、弱点の口に狙を定める朱鬼。しかしそこに颯爽と走り込む人影・・・・
斬鬼!
手にした新たなる音撃武器は
音撃真弦・烈斬。黒光りするイカスギターだ
攻撃しようとしていた朱鬼を弾き飛ばし、あきらの救出に成功するが、その間に今度は朱鬼がノツゴに捕らえられてしまった
「ザンキ!今だやれ!私もろとも!」
ノツゴを倒すためには方法を選ばないシュキ。自分ごとノツゴを殺れと弟子に叫ぶが、そんな命令を聞くような斬鬼ではない
そんな元弟子を見かねた朱鬼は
自らに音撃を放ち、ノツゴの弱点に強烈な一撃を与えることに成功する
「先生ぇえ―――ッッ!!
音撃斬・雷電斬震!!!」

ギャイーン!!ドリュデドリュドリュリューン!!
ばご―――――――ん!!!
10年間の様々な思いを叩きつけるかのように弦を掻き鳴らす斬鬼。ついに強敵・魔化魍ノツゴは爆発四散するのだった





ラストシーン。自らの命と引き換えに怨敵ノツゴを倒したシュキ。横たわる師匠に付き添い、その最後を看取るザンキ
「教えてください。10年前のあの時・・・貴方の放った攻撃は俺の急所を僅かにそれました
もしやあの時・・・
先生は俺の命を救ってくれたのではありませんか?」
「ふふ・・・それは違う。アレは・・・私の手元が狂っただけだ・・・」
そんな問いかけにも薄く笑って否定するシュキ。だが言葉でどう取り繕おうとも、ザンキには師匠の本心がわかっていた
「ザンキ・・・最後の頼みだ。私の死に顔は・・・誰にも見られたくない・・・」
息を引き取るシュキに、体を覆い隠すほどの沢山の花を捧げていくザンキ師匠の最後の頼みに、弟子として応えるために
最後の花でその身体を覆いつくした瞬間。眠るように事切れたシュキの身体は鬼の力を失い、1人の老婆がこの世を去った
師匠の死を見送り、一人黙してたたずむザンキ。そして―
ようやく見つけたと思った拠り所を失ってしまったあきらは、再び迷いの迷路の底に落ちるのだった。
次週へ続く


38話

敗れる音撃

ピッピッピー!ピッピッピー!珍しく屋上でホイッスルの練習をする明日夢
「いやぁ、部活に燃えようと思ってね。今度大会の為の合宿もあるんだよ」
ひとみから声をかけられた明日夢はやる気を見せるこの反応。桐矢のモヤモヤをふっきる為に部活に没頭したいみたい
ところがバットしかし、そこへ現れたのはブラバンの部長。やる気満々の明日夢に地獄の通告を見舞います
「スマン足立。合宿には補欠は連れて行けないんだ・・・正直ホイッスル必要ないし
部長!もっとオブラートに包んで!
前は
「足立。ホイッスルだって大事なパートだ」とか言ってたイイ部長だったのに!この鬼のような斬り捨て方はなんだ
落ち込む明日夢だったが。ひとみの手前
無理矢理カラ元気出して明るく振舞うと、彼女を誘ってたちばなへ
「一言言い返してやりなさいよ明日夢くん!それでも男なの?
いいわ!こうなったら私が一肌脱いであげる!」

たちばな。先回りしていた桐矢の口から事の経緯をバラされた明日夢は、何故かハイテンションのみどりから一喝される
元ブラスバンド部だったというみどりは、明日夢らブラバン部の補欠を集めて合宿をしようとハチャメチャな提案をするのだった




人間を襲うスーパーつがい。って、コイツら積極的に人間襲うのか?増えすぎた傀儡を間引いた後は鬼専門の相手してたし・・・
人を食うのは魔化魍だけにしとけばいいのに、何でこの辺の設定テキトーかなぁ。ま、今更こんな細かい事気にしてたら負けか
そんなこんなで現れたヒビキはすぐさまアームド響鬼となってこれと交戦。ここで今回の魔化魍・
呼ぶ子が増援で登場
鬼神覚声を放つ響鬼だったが、なんと呼ぶ子は特に何をするでもなく
コレを跳ね返したではないか
ならこれはどうだ!と打ち込んだ爆裂強打の型さえまったく通じず、駆けつけてくれた威吹鬼、轟鬼との同時音撃に全てを賭ける
「爆裂強打の型!」「疾風一閃!」「雷電激震!」
ズッギャアアアアアアアーン!ぱかーん
ダメでした。最大必殺技さえ効かない強敵。仕方なく響鬼らは煙幕を張ってひとまずこの場を退却することに




みどりのムチャ合宿に参加したのは結局明日夢のみ。あとは何故か部外者のひとみと桐矢。ひどいな
しかたなくみどりの特訓を受ける明日夢だが、桐矢の
「俺は響鬼さんの弟子になる」宣言を思い出してしまい集中できない
そんな自分にほとほと嫌気がさした明日夢は自棄になって帰ろうとするが、そこへヒビキさんがみどりを訪ねてやってくる
「ヒビキさん・・・ヒビキさんはうまく太鼓が叩けなくなる時とかありますか?」
「ああ、そりゃあるよ。そんな時は山に入って自然の声に耳を傾けるんだ
木々のざわめき・・・水のせせらぎ・・・自然の中にはあらゆる音が満ちている
瞳を閉じてその響きを身体全体に刻みこみ、すべてを忘れて無心になるんだ」

迷える明日夢に対し、随分と
修験者的なアドバイスを送るヒビキ。一朝一夕でできるモンじゃねえだろ
しかし藁をも掴みたい心境の明日夢はさっそくアドバイスを実践。森の中に入って目を閉じ、ひたすら耳を澄ますことに

その頃、イブキはたちばなで香須実と日菜佳にあきらのことについて相談を持ちかけていた
シュキの一件依頼、ザンキの下にも戻らないあきらが自分を避け続けているという。自分は師匠なのに、とこぼすイブキ
「・・・イブキ君ってさホラ、挫折を知らないじゃない?泥にまみれた事がないっていうか」
宗家の人間として、なるべくして鬼になったエリート人間・イブキ。あきらがイブキと距離を置く微妙な心理を香須実は見抜いていた




「鬼なるか諦めるか・・・それを決めるのは結局あきら自身だ。待つしかないだろう」
あきらのことをザンキさんに相談するイブキ。しかし今はあきら本人に任せるしかない、とザンキさんのもっともな答え
改めて自らの無力感をかみしめたイブキは、自分はあきらの師匠として向いていないのでは、と弱音を吐露する
「香須実さんにも指摘されました・・・意識してなくても僕は”上からあきらを見てる”って
僕は皆さんと違ってキッカケがあって鬼になったワケじゃありません。家に従っただけ・・・
そんな僕が・・・
あきらの師匠なんてする資格はないのかも・・・」

「・・・・・・イブキ。ちょっと車から降りろ」
「え?」
”バキィッ!!”

あまりにも不甲斐ないイブキの言葉に怒ったザンキさん。必殺の右拳が端整なマスクを思い切り殴りつけた
「な・・・イキナリなにをするんですか!」
「バカヤロウ!お前は・・・・・
もう師匠だろうが!」

無様に地面に突っ伏したイブキを乱暴に掴み起こし、凄まじい剣幕で怒鳴りつけるザンキさん。あ、兄貴ィー!
『あきらは今お前以上に迷っているんだ!なのに師匠のお前がそんな事でどうする!』
同じ「師匠」という立場として。ザンキさんはこう言いたかったのだろう。唇を噛み締め、ただ押し黙るしかないイブキだった




夜。そんなザンキさんが突然の胸の痛みに襲われた。どうやら医者に止められていた変身の影響らしい
必死に痛みと戦うザンキさんのもとやってくるトドロキ。弟子にだけはこの事は悟られまいと、必死に苦痛を押し殺す師匠
「ザンキさん俺・・・やっぱザンキさんと一緒に戦いたいッス!復帰してください!」
師匠の心弟子知らず。どうやらノツゴ戦において斬鬼に変身したことを、また現役に復帰すると勘違いしているらしい
「バカを言うな。俺はもうとっくに引退した人間だぞ。戦えるワケがない」
「で、でも!この間の戦いで変身したって・・・・!」

「バカヤロウ!いつまで俺に甘えるつもりだ!帰れ!」
「だったら!俺もイブキさんみたいに殴ってくださいよ!」

昼間のひと悶着を遠目から目撃していたトドロキ。なにせこの男は見ての通りの
師匠大好きっ子ちゃん
最近なかなか師匠にかまってもらえない彼にとっては、ただただ「一緒の時間を増やしたい」という素直な願望であった
しかし・・・・・
「今のお前は殴る価値もない」
すがりつく弟子を冷たく突き放し、後ろを顧みることなく車を走らせる師匠。一人残されたトドロキは子供のように泣きじゃくる




「音撃が効かない強敵か・・・まいったわねぇ」
ラスト。音撃の効かない強敵に備え、みどりにアームドセイバーを調べてもらっていたヒビキの前に
呼ぶ子来襲
ヒビキはすぐさま響鬼に変身してこれと応戦。しかし居合わせた明日夢と桐矢がスーパーつがいの標的にされるピンチ
「早く逃げろ!」「やめなさい!」
明日夢の指示とみどりさんの
はっちゃけキックコンビネーションで桐矢は逃げおおせたものの
その明日夢とみどりががスーパーつがいの手に落ちてしまう。ずりずりと地面を引きずられて何処かに連れて行かれる二人
なんとか2人を助けたい響鬼だが、呼ぶ子の圧倒的強さになす術もない。って
とりあえずアームドになれよ
次々と繰り出される呼ぶ子の攻撃に
完全にグロッキーに追い込まれる響鬼で次週へ続く!


39話

始まる君

音撃が通じない呼ぶ子の前になす術なく敗れてしまう響鬼。倒れているところを桐矢に発見され、すぐにたちばなへ救急
何故魔化魍はいつも
トドメを刺すことに無頓着なんだ。子供番組だからって視聴者舐めてるよな
捕まった明日夢とみどりは、どっかの洞窟で糸のようなものでグルグル巻きにされ逆さ吊りに。呼ぶ子の保存食状態に
「このままじゃマズイわ。明日夢くん・・・歯は丈夫なほう?」
言われるまま、歯でみどりの体に巻きついている白い糸を噛み切る明日夢。まんまと逃げ出すことに成功します

とりあえず洞窟から離れた2人は近くの森で休憩。そこで桐矢の話を持ち出し、明日夢にハッパをかけるみどり
「桐矢くん、ヒビキくんの弟子になるって言ってたけど。明日夢君はそれでいいの?」
「・・・ヒビキさんが前に・・・僕は弟子にしないって言ってましたし」
この期に及んで意思表示しない明日夢に対し、みどりは自分が街で絡まれていたときにヒビキに助けてもらった思い出を語り始める
”俺は鍛えているから手出しはしない、殴りたいなら好きなだけ殴れ”
そう言ってね。うふふ・・・すごくカッコ良かったなぁ・・・・あのときのヒビキくん
あの時思ったんだ。
”あぁ、人ってこんなにも変われるんだ”って」

いじめられっ子を守れなかった気弱なヒビキがこんな風に。一歩を踏み出す勇気が少しあれば人間は変われるんだ、と
この件で感動したみどりは一躍決心して猛士の一員となり、以後はヒビキら鬼たちをサポートしているのだという
「ほんの少しの・・・勇気・・・」




「うっうっ・・・俺は・・・俺は殴る価値もない男なんスよ!おかわり!」
「トドロキくん、30杯目よ?もうやめたほうが」
たちなばな。ザンキさんから「殴る価値もない」と突き放されたトドロキは、捨て鉢になって
お汁粉ドカ食い
なにやら
お汁粉で酔っ払える特異体質(どんなだ)のようで、ベロンベロンのグデグデになってます
「しっかりしなさいトドロキくん。ザンキくんも君の為を思ってこその厳しい叱咤だったんだろう
ほら、よく言うじゃないか。
獅子はわが子を谷に突き落とすって」

「獅子・・・俺が獅子・・・?そ、そうだったのか!」
おやっさんの励ましの言葉をストレートに解釈するバカ。
「俺は獅子だ!」と叫ぶと、現場へ飛び出してしまう
既に現場では
例の如く裁鬼さんがボコボコ中。そこへ颯爽と現れるトドロキ!
気合い全開で呼ぶ子に立ち向かうが、しかし例によって悉く攻撃を跳ね返す呼ぶ子。気持ちだけで勝てるほど甘い相手ではない
反撃に転じた呼ぶ子に圧倒されながらも、勇猛果敢にと立ち向かっていく轟鬼。負けられない。自分は絶対に・・・・・・・・!
ドガァッ!!!
「轟鬼さん!しっかりしてください」
奮戦虚しくビルの屋上から転落、動かなくなってしまう轟鬼。そこへ駆けつけた威吹鬼もまた、呼ぶ子に倒されてしまう




呼ぶ子が去り、激しい雨が降り出した中、廃車の中からボロボロのイブキが身を起こした。顔だけ変身を解除し惨めな姿を晒す
「やぁ・・・君がいなくなって初めて気づいたよ・・・僕という人間の小ささにね」
いつのまにそこに居たのか、イブキの前にはあきらが立っていた。イブキは何も語らない弟子に思いのすべてをぶつける
「キミが悩んでいるように・・・僕も今悩んでいる。自分が本当に弟子をとるに足る人物なのか
その結論には僕が自分で答えを出すから・・・・あきら。キミも自分で決めるんだ

鬼になるのかどうか。その答を出せるのは自分だけだ」
自分の弱さを弟子に晒し「答えは自分が出せ」というイブキ。見つめ返すあきらの目に、ようやく明るい光が宿ったかのようだった

一方。同じく顔だけ変身を解除し、仰向けに寝そべったまま雨に打たれるトドロキの前にはザンキさんが現れる
痛々しく傷ついた弟子に思わず近寄ろうとしたザンキさんだったが、トドロキはそんな師匠を厳しい調子で押し留める
「こないでください!・・・・・俺、そんなにヤワじゃないっすよ」
泣いているトドロキ・・・否。泣いているのはザンキさんもだった。激しい雨が2人の男の汗と涙を洗い流していく
「ザンキさん・・・これまで・・・これまで・・・本当にありがとうございました!」
振り向かずに走り去るトドロキ。雨音にかき消されそうな弟子の涙声を、ザンキさんは身動き一つせずに聞いているしかなかった




たちばな。桐矢が偶然手にした変身音叉で無謀にも変身を試み、その反動で倒れてしまった。ヒビキの介抱で目を覚ます桐矢
鬼になりたい理由を
「親父を超えたいからです」という桐矢。しかしヒビキは「そんなんで鬼が務まるのかな」と一笑に伏す
そこへみどりたちから脱出を知らせる連絡が。イブキとトドロキはまだ戻らない。ヒビキは呼ぶ子対策もないまま2人の救出に向かう
「負けがわかっているのに。戦うなんて意味ないじゃないですか」
「意味ならあるさ。待ってくれてる奴がいるから行く。それだけだ」

勝算のない戦いは無意味だと引きとめる桐矢に。一瞬振り返って笑みを浮かべ、戦いへと赴くヒビキ。これこそが猛士の鬼の姿である

脱出を図る明日夢とみどりはようやく車まで辿りついた。これで逃げ切れる、と思った瞬間スーパーつがいが現れる
ここまで来たのに再び捕らえられてしまうのか・・・覚悟を決めたその瞬間、霧の中から飛ぶ聞きなれた声
「そこまでだ。お前等の相手は俺だぜ」
呼ぶ子と戦っている間、奴が発している音波バリアの波動周期を調べてほしいとみどりに頼み、響鬼は呼ぶ子に斬りかかる
呼ぶ子の音波バリアはその波動に一定の周期があるらしく、それさえ見定められれば打開策が見出せるのだ
しかし必死に探るみどりの努力も虚しく、音波バリアの周期は読み取れない。そうするうちに次第に追い詰められていく響鬼
このままどうする事もできないのか。その時、明日夢の脳裏に浮かんだのは、昨日ヒビキが教えてくれたあの言葉
『自然には全てに響きがある。心を無にしてそれを感じ取るんだ』
心を無にしていく明日夢。呼ぶ子から発せられる波動を感じ、そしてふと目を開けると、川に浸かったその下半身に波紋が見えた
「みどりさん!あの波紋ッ!!」
見切ったり呼ぶ子の波動周期。ワイングラスで切り裂きジャックを探知したジョジョ第一部を少し彷彿とさせるシーンです
明日夢は響鬼に波紋が消えた瞬間に攻撃を指示。この攻撃によって音波バリアを破壊すると、アームド響鬼に装甲してたたみかける
「鬼神覚声!はあああああッッ!!」
あぼーん!!バリアさえなければ物の数ではない。魔化魍呼ぶ子・滅殺完了!

明日夢の協力によってついに難敵を倒した響鬼。変身を解除すると笑顔で近づく功労者に声をかけた
「ありがとうな、明日夢」
「あ・・・・・は、はい!」

うわ。こんなんで名前呼んじゃったよ
ここまで引っ張ってきたのに安易すぎないか。名前呼びは終盤も終盤の、最高の魅せ場のシーンで決めてほしかったぞ

”初めて名前で呼んでもらえた”
なんとも言えない照れくささの中にも、これまで感じたことのない喜びと充実感を味わう明日夢であった。
次週へ続く


今週の響鬼

迫るオロチ

「そうなんだ。名前で呼んでもらえたんだ。今までずっと”少年”だったもんね」
「うん・・・僕もやっとヒビキさんの力になれたっていうか何ていうか」
前回、憧れのヒビキから初めて名前を呼ばれて
浮かれポンチ丸出しの明日夢。調子にのんな
明日夢は帰り道、学校を休んだ京介の家へ。しかし心配して来てみれば、ピンピンして相変わらず憎まれ口をきいています
「俺を笑いに来たのかい?でも諦めないぜ・・・どんな事をしても必ず鬼になってやる」
弟子入りをヒビキに直訴したもののあっさり断られた京介。しかし不屈の精神というか諦めが悪いというか、その心は折れてません

響鬼の戦いをサポートし、ようやく名前で呼ばれた明日夢だが、ヒビキの弟子になろうとする京介には心中穏やかでない
「安達くんも・・・もしかしたらヒビキさんの弟子になりたいんじゃないですか?」
「そう・・・なのかな。でもヒビキさんは僕のこと弟子にはしないって言ってたし」
「でも桐矢くんを断ったって事は、ヒビキさん安達くんを弟子にしたいんじゃ?」
あきらに相談してみた明日夢。ヒビキは明日夢を弟子にしようとしているのでは、と推察するあきらに明日夢は揺れる

意を決して明日夢は母・郁子に自分の将来について相談するが、郁子は明日夢がやりたいことを好きにやれ、と実に淡白
「アンタはなんでも考えすぎよ。男の子なんて考える前に行動するくらいでいいのよ
失敗したっていいじゃないの。若いんだから何度でもやり直せるわ。ドーンといきなさい」
「うん・・・・・わかった。ドーンといってくる」
母からハッパをかけられた明日夢はついに決断。猛士に入ってヒビキの弟子になることを心に決めるのだった

ランニング中のヒビキに駆け寄る京介。なんと土下座までして改めて弟子入りを申し出。こりゃ本気なんだなぁ
しかしヒビキは二度に渡る京介の申し出をスッパリ却下。それを遠目に見ていた明日夢は思い切って弟子入りを直訴
「いきなりどうしたんだ少年?少年は今まで通りでいいんだよ」
『・・・・”少年”・・・・』
しかしヒビキの答えは及び腰。明日夢は断れたことに加え、再び「少年」と呼ばれたことにショックを受けてしまう





謎の森に迷い込み、行方がわからなくなったトドロキを追ってヒビキとイブキが森の中に駆けつけた
そこでは既に轟鬼が
魔化魍・木霊と交戦中。3人で戦う鬼だったが、周囲の木々の根が蛇のように伸びてくる
「くそっ!なんだこの森は!?一旦退くぞ!」
この森では地の利は敵に有る。このままでは分が悪いと悟った鬼3人は一時撤退。改めて作戦を練ることに

たちばなに戻り、不可思議な森への対策を立てる3人だが、どこかイブキに元気がない。まだあきらの件で悩んでいるようだ
これはいい機会だと思ったのか、ヒビキも明日夢らが弟子になりたいと言い出し困っている事を話し、意見を求めるが・・・・
「ヒビキさんほどの実力と経験があれば弟子を取ることはおかしくありません
怖いんじゃないですか?弟子を取って深く関わっていくのが・・・」

予想以上にこれに噛み付いたイブキ。その挑戦的な問いかけにさすがのヒビキも答えに窮してしまうのだった




とりあえず猛士としては、あの不可思議な森に人々が迷い込むことがないようにしなけれならない
トドロキはザンキさんとともに森を監視していたが、彼等の目の前で謎の超常現象が起こる
なんと森自体が忽然と消滅してしまったではないか
言葉を失う異常事態。離れた場所からそれを見ていた身なりのいい紳士淑女も、トドロキらと同様に驚愕する
「消えた・・・間違いない、木霊の森だ」
「まずい事になったわね・・・どうするの?」
「森の出現は前兆にすぎない・・・
オロチが近づいている
我々の力ではどうすることもできん」

ほーこれは意外。あの「木霊の森」は紳士淑女が生み出したモノではないようです
それどころか、会話内容から察するに二人にとっても都合の悪い代物の様子。”オロチ”とは一体なんでしょう
人食い愚地とか言って
独歩ちゃんが出てきたら爆笑なんですが。まぁオロチは大蛇だろうな

トドロキとザンキは森が消滅したことをおやっさんに報告。2人の話を聞いたおやっさんは途端に顔色を変える
「木霊の森・・・・!!」
以前古文書で記述を読んだことがある、と奥へ引っ込んでしまうおやっさん。それにしてもこの態度はタダ事じゃない
どうやら事態は考えていた以上に大事のようだ。トドロキとザンキさんらは改めて身を硬くする





「イブキさんですね?この際あなたでもいい、僕を弟子にしてくれませんか?
僕は優秀な人間です。天美さんよりは役に立ちますよ」
「・・・キミが桐矢くんか。本当に何もわかっていないなキミは」

「あなたがトドロキさんですね?必ず歴史に残るようなすごい鬼になってみせます!
僕を弟子にしてください先生!」
「せ、先生!?俺が?いやぁイイ響きッスねぇ・・・・(恍惚の表情で)
い、いやイカンイカン!俺が先生だなんて!まだ10年早いッスよ!10年!」

ヒビキに弟子入りを断られた京介はイブキ、更にはトドロキにまで弟子入りを願い出るが、ことごとく断られてしまう
こうなったら最後の手段だ、とあきらの元へとやってきた京介。なんとあきらに対して頭を下げる
「天美さん、俺をキミの弟子にしてくれ
キミは鬼の訓練を受けている。その学んだことを俺にも教えてほしい
そうすれば少しは鬼に近づけるかもしれない!」

これは盲点。なんと京介が最後に目をつけた師匠候補は
天美あきらという変化球
節操ない、と言えばそうなのだが。裏を返せばそれだけ「鬼になりたい」という気持ちは本物ということである
「お願いします!天美さん!」
「・・・・・・・・・わかりました。私に教えられる事なら」
流石に驚いたあきらだったが、京介の覚悟に関心したのか意を決してこの申し出を承諾。飛び跳ねて喜ぶ京介
そんな京介の行動力に焚きつけられたのか、はたまたその場の勢いか。
明日夢もあきらの弟子に
同級生師弟という奇妙な三角関係が成立した瞬間、あきらの携帯に日菜佳からの緊急連絡が入った
「木霊の森には絶対入るな」というおやっさんの伝言をヒビキらに伝えたいのだが、携帯が繋がらないと言うのだ




ラスト。そりゃ携帯は繋がらないハズ。既にヒビキとイブキは鬼に変身して森の中で交戦中だった
音撃の効かない木霊(またかよ)の圧倒的な力と次々と襲いかかる木々に窮地に追い込まれる2人
と、そこへ明日夢と京介を連れて駆けつけたあきらが到着。「森には入るな」ってヒビキ達に伝えろって言われて
そんで自分達が森に入っちゃあまったく意味無いよな
「ダメだあきら!来るな!」
劣勢の鬼2人は子供達の身を案じ、すぐに引き返せと指示。しかしあきらはこの命令を聞かずに腰の物を取り出した
『変身鬼笛・音笛』おーこれはまさか?ってピヨォオー
音笛を吹き鳴らすと、木霊に向かって走り出すあきら。すぐに身体が風の渦に包まれて・・・
その姿を変えた
変身!あきら鬼!続きが気になる次週へ続く


戻る