第11話

第3の男

冒頭、北斗の拳世界のような廃墟の渋谷。ボロボロに汚れ、半死半生のまま倒れる女性に1人の少女が寄り添う
「嬢ちゃん知り合いかい?そうじゃねェなら放っておきな・・・
それがこの渋谷の廃墟に生きる者達のルールだ」

ホームレスの男に声をかけられた少女の名はゴン。本名じゃないのは確実でしょうがなんだこの名前
どうやらカブトの世界では渋谷は隕石衝突後特に復興もされず、そのままホームレス達の居住区みたいになってるようです
それにしても
行き倒れの死人とかいくらなんでも現代の日本でマズかろう。政府は何やってんだとツッコミたい
と、そこにギターケースを抱えた青年
風間大介が現れた。おもむろにケースを開くとそこにはメイク道具の数々が
「かわいそうに。どんな人生を歩んできたのか・・・
女性は花。せめて最後の瞬間まで花であれ」

倒れている女性の汚れた顔を拭き、この世で最後のメイクを施していく大介。流しのメイキャッパーか
やがて彼女の最後を美しく彩ると、大介はゴンを連れて街のほうへと消えていった・・・・
なんだか
急に世界観がアレな感じになってしまった感のある今週のカブトですが
それもそのはず今回(11話)と来週の脚本は響鬼クラッシャー
井上俊樹。本編のほうも相当「あぁ井上だ」な内容です





筍を持ってサルへとやってきた総司。日頃、まかないを食べさせてもらっている礼だ、とひよりに筍を渡します
と、厨房から飛び跳ねるよう出てきた加賀美が妙に熱い眼差しでじっと総司を見つめるではありませんか
「な、なんだその熱い眼差しは・・・」
「俺、お前と戦ったときに感じたんだ!俺達の気持ちがひとつになっていくのを!」
加賀美→総司の801成立。全国の腐女子は大喜びでしょうが、当の総司は流石にドン引きです
「加賀美、俺は過去現在未来全ての世界において完璧な人間だ
その俺とお前のような凡人との間に友情など成立するか!

それにもうひとつ。
お前は大事なことを忘れてるぞ」
このままでは掘られる!とでも思ったのか、徹底して加賀美との友情を否定する総司
801愛に目覚めかけていた加賀美もこの総司の言葉に逆ギレ。「大事なこと」の意味もまったく理解できないままで・・・

そんな折、街のコンビニで強盗事件が発生。遠目から事件を目撃していたゴンは大介に解決を求めます
「大介、大変だよ!強盗が人質をとってる!」
「女性か?」
「ううん。男の人」
「そうか。なら放っておけ」
「あっ人質が女の人になった!」
「よしいくぞ!」
こういう性格のキャラか大介。女性店員を人質にとって車で逃走する犯人を先回り
メイク道具からブラシを数本取り出すと、運転する犯人の顔をめがけて投げつけて目潰し!危ねえだろ
視界をさえぎられた犯人は思わず車を急停車。その一瞬で素早く車に乗り込んだ大介は、背後から犯人をKO
目潰しで犯人が事故を起こして人質が死ぬとか、そういう可能性を考えてないあたりザルですが。見事な手並みです
「さあもう泣かないで。あなたの美しさが曇ってしまう」
泣き崩れる人質の女性にも持ち前のフェミニストぶりを発揮。得意のスーパーメイク炸裂で女性を美しく変身させる
「大変いい顔をなさってますよ。今の貴女は・・・・えーと今の貴女は・・・」
「”ダイヤモンドよりも輝いている”、でしょ?」
「そうそう、それそれ!」

最後の最後の決め台詞がスッと出てこず、ゴンに助け舟を出される大介。このどこか抜けたところは好感が持てるな





その頃。岬から声をかけられた総司は、改めてZECTに入るよう説得されるがこれをきっぱりと拒否
加賀美が買っている天道総司という人物に自分も興味を持ったのに・・・と失望する岬に総司はいつもの軽口を叩く
「フッ・・・そのうち俺に惚れるぞ」
「いい加減にしなさい!あなたはもっと自分の立場というものを・・・!」
その一言で加賀美同様逆ギレする岬。すると2人の悶着を聞きつけて割って入る若い男・・・言わずもがな大介だ
「なんだお前は」
「世の全ての女性を守るのが僕の仕事なんでね」
「なら俺の仕事は地球上の全ての生物を守ることだ。人間からアメンボまでな」
「・・・キミ、ちょっとおかしいんじゃないかな?
おかしいのはお前のほうだ

どっちもだ。変人同士が我を張り合えば火花を散らすのは当然の摂理。2人はたちまち睨み合いに
「大介、仕事入ったよ。ホラ」
しかし急遽仕事の入った大介はゴンに促され、とりあえずその場を撤退。でも仕事ってコイツ何してるんでしょうか?

「完成です・・・いかがですか奥様」
「相変わらずの腕前ね大介ちゃん。ありがとう、これでパーティーに出られるわ」
豪勢な屋敷の一室。夜に急なパーティーが入ったというセレブの奥様に、見事なメイクを施す大介
なるほど仕事は
出張メイキャッパーか。「世の女性全ての味方」というコイツにはまさに天職です
「奥様のような完璧な女性がこの世にいるなんて
これこそまさに神のもたらしたひとつの・・・えーと・・・ひとつの・・・」
「”奇跡”、でしょ」
「そうそう、それそれ!」

やはり決め台詞でゴンに助けられる大介。2人で1組という感じがよく出てて、なかなか好感が持てる演出です





家に帰った総司。なぜかそこには加賀美が居て部屋の掃除などしている。さっき喧嘩別れしたことを気に病んでいたらしい
と、そこで加賀美の電話が。聞けば今夜予定していた合コンがメンバー揃わず、キャンセルするという

「はーい名案があります!お兄ちゃんが一緒に行ったら?」

樹花の勧めもあり、なんと欠けたメンバーの穴埋めで総司が合コンに参加することに
屋形船での合コンという渋いシチュエーションの中、いつもと変わらぬ天道節が炸裂します
「・・・このてんぷらは素材を生かしきっていない。お婆ちゃんは言っていた
食事は一期一会。毎回を大事にしろとな」

この料理食すに値せず!どこぞの料理通のような台詞を吐いて自ら厨房に向かう総司
天道流てんぷらのあまりの美味さにに4人の女性はすっかりメロメロ。ふてくされて料理をむさぼる加賀美
と。そこへズカズカと乗り込んできたのは、偶然にも同じ船に乗っていた大介とゴンだ

「初めまして。風間大介です」
「・・・コイツが予定していたメンバーのひとりか?」
「いや。まったく全然知らない人だ」
「ただの通りすがりの者です。しかし・・・
あらゆる合コンに参加することが僕の主義なので」

バカだコイツ




例によって甘い言葉で女性たちにメイクをしてやる大介。場は大介の独壇場となり、ゴンはつまらなそうに外へ・・・
そこで半身が泡になった女性の死体を発見するゴン。ワームの仕業だ!
ということは、合コンに出ている4人のうちの一人に擬態している可能性が・・・・・・
「うーん・・・貴女は珍しい肌をしてますね。なぜか化粧のノリが悪い」
「離れろ。ソイツは人間じゃない」

「何を?女性に対して失礼な言葉は僕が許さな・・・・うわァッ!?
おどろく大介の目の前でミュスカワームへと変貌する女性。ニックとなった屋形船は接岸し、加賀美らの誘導で避難する
ミュスカワームに襲われそうになった加賀美を危機一髪で救うカブト。しかし総司は喜ぶ加賀美にこう一言付け加える
「勘違いするな。別にお前を助けたワケじゃない
言っただろう。お前は大切なことを忘れていると」
「な・・・だから何なんだよ!大切なことって!
総司の思いが汲み取れない加賀美は、その言葉の意味するところが理解できない。「大切なこと」とは一体なんなのか?
そんな中、一緒に逃げていた3人の女性がワームへと変態。そう、女性は最初から
全員ワームだったのだ
「く・・・ッ まさか全員ワームだったとはな」
たちまちワームに取り囲まれてしまう大介とゴン。流石の総司もこれは読めなかったらしく、ここからでは2人を助けに行けない
しかしその時!窮地に陥った大介とゴンを助けるかのようにトンボ型のゼクターが飛来した
第3のゼクター・ドレイクゼクターである
「大介あれ!」
「またアイツか・・・仕方ない。変身!」
大介はドレイクゼクターをキャッチすると、加賀美の目の前で第3のライダーへと変身を遂げる
変身!仮面ライダードレイク!
「な・・・ッあいつは・・・!?」
突然の事態をただ呆然と見つめるしかない加賀美。襲い来るワームに銃口の狙いを定めるドレイク
大介はいかにしてドレイクゼクターに選ばれたのか?総司の言う、加賀美の忘れた「大切な事」とは!?
次週に続く!


第12話

大切な事

第3のライダー・ドレイクに変身した風間大介。華麗な銃さばきでワームを撃破していくドレイクに驚きを隠せない加賀美
ほどなくワームを全滅させると、ともに変身を解除した大介と総司は改めてと対峙。またもや火花をぶつけ合う
「まさかお前も選ばれし者だったとはな」
「別に僕が望んだ力じゃないんですけどね。・・・一応名前は伺っておきましょうか」
「天道総司。天の道を往き、総てを司る男」

「ふ・・・ふははは。やはりアナタはどこかおかしい」
「おかしいのはお前のほうだ」
だからどっちも変人だってば

互いにライバル意識を残したまま別れる二人。一匹逃したワームを追うという総司に対し、大介は「自分には関係ないね」と一言
ZECTの人間だった矢車は勿論、総司とて人を守る為ワームを倒してるワケですが。大介にはそういう気概は一切ないようです





「メイクアップ完了。どうですか由香里さん?」
「いつもながら完璧ね大介さん。今日は大事なデートがあるから助かったわ」
「お相手が羨ましい。由香里さんの美しさはまさに地上に舞い降りた・・・えーと・・・」
「”女神”、でしょ」
「そうそう、それそれ!」

常連客のセレブのお嬢様にメイクを施す大介。2話目にして既に3回目の「そうそう、それそれ!」が炸裂するハイペースぶり
ちなみに今回明らかになったのですがゴンは記憶喪失らしいです。彼女の記憶も今後ストーリーの鍵を握ることになりそうね

「これがドレイクゼクターの資格者のデータです」
「風間大介・・・職業メイキャップアーティスト。住所不定、過去いかなる組織にも属した経歴なし
3ヶ月前から記憶喪失の少女と行動を供にしている・・・か。うん、
ちょっとだけ面白い」

その頃、ZECTは早くもドレイクの資格者である大介をマーク。その詳細な情報が三島から加賀美父へと報告されます
「ドレイクゼクターはZECTの所有物です。この男が我々に従わなかった場合はやはり・・・」
「象の墓場の話・・・知っているかね。あれは実は伝説にすぎないのだが・・・
私は必要だと思っている。滅びゆく者・・・その墓場がね」
動物の例えキター!今回は象か
やはりカブトの時と変わらないZECTの方針。従わない場合は抹殺せよ。という指令を下す加賀美父
「従わない全ての資格者を抹殺するおつもりですか?バカげてます!」
この上層部の考えに反発を持った岬は三島に直訴。しかし「キミは何もわかっていない」と軽くあしらわれて取り付くしまもない
人類をワームから守るために作られたハズの組織が、守る対象である人類を抹殺していいハズがありません
まったくもって岬の抱いた反感は正論であり、やはりZECTという組織の根底の部分には何か暗いモノがあるようです





抹殺なんてさせはしない。早速加賀美は大介と会い、ZECTという組織について説明すると行動をともにして欲しいと説得
しかし元々ワームに興味がなく、ドレイクの資格者になったことを「迷惑だ」とまで言い切る大介にそんな説得はナンセンス
「このままではキミに危険が及ぶ。頼む」と頭を下げる加賀美だったが、大介は「僕に脅迫は通じません」とまるで動じない
あまつさえ
加賀美に必殺のメイクを施してその場を華麗に去る大介
宝塚っぽいメイクで生まれ変わった加賀美は怒り半分、
悦半分という非常にアレな反応。やっぱホモの気あるなコイツ

「なんかもう何をやっても上手くいかなくて・・・天道は意味不明なこと言うし。最悪っすよ」
岬と一緒に立ち食いそばをすすりながら身の不幸を嘆く加賀美。しかし総司の言う「大切な事」には岬が何かを感じ取った
「それ・・・なんとなくわかるかも。あなたは何故ZECTの一員になったのか、ということよ」
「何故ZECT・・・に・・・?」
悩める後輩にアドバイスを出しつつ、
ズビズバー!と音を立てて豪快にソバを喰らう女傑ぶり。カッケーぞ岬!





そんな折、総司と大介がサルで鉢合わせ。ひよりに声をかける大介を戒める総司に、大介がついに勝負を申し出た
「勝負方法は1時間でどちらが多くの女性を連れてくることができるか」
ライダー同士のバトルと思ったら
ナンパ勝負か。こんな馬鹿馬鹿しい勝負を総司が承諾するはずが・・・
「いいだろう。勝つのは俺だがな」受けやがった!
よほど大介のことが腹に据えかねるのか、このバカ勝負をあっさりと受けてたった総司。しかしそれもそのはず
総司、大介、ゴンの3人でオーダーを取った際、当たれば100円引きのスクラッチカードが
総司だけ外れたのだ
「やった!当たりです!・・・・おやおや、あなたはハズレですか?」
「・・・俺はこんな次元の低い世界で生きていない。お前の器が知れるぞ」
大介の挑発に強がりは言ってみたものの、総司の異常なまでの負けず嫌いは視聴者の誰もが知るところ
勝負開始で店を出た大介はすぐさま女子短大に急行。必殺のアルティメット・メイクアップで大勢の女性をひきつけていく
が、総司の方はというとサルに残ったまま
ひたすらおかわりを注文。スクラッチカードを削り続けます
「ひより!もうひとつおかわりだ。スクラッチカードも忘れないでくれ」
「て、天道!俺も削るの手伝うよ!」

必死の総司を気の毒に思ったのか、一緒にカードを削ってやる加賀美の姿が涙を誘う。まったくいいヤツだなこいつは
やっと当たりが出て、満足げに勝負の待ち合わせの場所へと向かう総司。
女の子1人も居ません
対して大介は女子短大でゲットしてきた十数人の女の子、プラス冒頭でメイクしてあげたセレブのお嬢様・由香里さん
野球で言ったら1回コールドゲームです。一体総司にはどのような考えが・・・?





「フッ。どうやらこの勝負、僕の勝ちのようですね」
ついに勝負。多くの女性に囲まれながら待ち合わせの場所にやってきた大介に対し、総司は同伴女性なし
しかし大介の勝利と思われた次の瞬間、大介のそばにいた女性たちが黄色い声をあげて総司のほうへと走っていくではないか
「あ、天道さーん!天道総司さんですよね?」
「わー嬉しい本物だー!いやーん!」

なんて短絡的なオチ。
総司は地元の有名モテ男だったのだ
しかし「どっちが多く女性を”連れてくるか”」って勝負だったんだし。後でどうなろうとルール上は大介の勝ちだと思うんだが
「くっ・・・しかし量より質です!由香里さんがこの中で一番美しい!」
唯一自分側に残ってくれたセレブのお嬢様・由香里が一番美しい、と懸命に主張する大介。しかし総司はそれを一笑に付した
「化けの皮が剥がれたな。女は比べるものじゃない
お婆ちゃんが言っていた・・・
『全ての女性は等しく美しい』
それに第一、その女は人間じゃないぞ」

次の瞬間、由香里は驚く大介の目の前でミュスカワーム変態。総司と大介は女性達を逃してライダーへと変身する

現場に同行していた加賀美は次々と現れるワームにビビり、いつもの如く総司に助けを求める。しかし総司はこれを一喝
「加賀美・・・友達という言葉を使って俺を頼るな
お前は何のためにZECTに入ったんだ?」

総司の言葉にハッと気付く加賀美。自分でも気付かぬうちにワームとの戦いを総司に任せっきりにしていた事を
『なんのためにZECTに・・・?
そうだ・・・・俺は・・・・
俺の手ですべてのワームを倒すために!』
ようやく「大切な事」を思い出した加賀美は、小銃を取り出すと果敢にワームに応戦。総司に向かって大声で呼びかける
「天道!ようやくわかったよ・・・・俺とお前は友達じゃない!」
「ああそうだ、俺達は友達じゃない
今度家に遊びに来い!とびきり美味いものを食わせてやる」

「俺達は友達じゃない」と宣言し合う2人の若者。しかしそれは、馴れ合いではない本物の友情の誓いであった





「キャストオフ」
チェンジ・ドラゴンフライ!ドレイクライダーフォーム!
キャストオフしたドレイクは流麗なる銃さばきで下級ワーム達を圧倒。瞬く間にこれを全滅させる・・・が!
ミュスカワームは狡猾にも擬態した由香里の言葉で大介を幻惑。思わず攻撃の手を緩めてしまう大介
一瞬の隙を突かれて劣勢になるドレイク。しかしそのピンチを救ってくれたのはクロックアップしたカブトだった
「ライダーキック!」
どっぐわ――――ん!!!
「ワームは擬態した人間の姿と言葉で俺達の油断を誘ってくる。気をつけるんだな」
ミュスカワーム撃破。
呆然と立ち尽くすドレイクにカブトが一声かけて去ろうとするのですが
カブトに対してわなわなと拳を震わせるドレイク。その言葉の真実と、それがアドバイスである事も理解しながらも
「・・・お前の言うことは正しい!だが・・・気に食わないッ!」
しかしそれでも尚。自分が知った人間の姿をしたワームを目の前で仕留められた、そのやり場のない憤り

大介はその怒りの鉄拳を総司へと向けた。次週へ続く!


第13話

完全調和再び

猛然とカブトに襲いかかるドレイクだが両者の差は歴然。殴って蹴って足払い。カブトが断然格上です
そんな2人を止めようとする加賀美だったが、ゴンは止めるどころか「もっと大介を痛めつけてほしい」と総司に頼む
「アンタの方が正しいわ。大介ったら女絡みになるとすぐムキになるんだから
大介は悔しいだけなんだよ。
アンタの方がカッコイイもんだから」
「フッ。いい保護者を持ったな」
「馬鹿馬鹿しい・・・キミは本当に嫌なヤツですね。まるでエデンの園を荒らす・・・えーと」
「”毒蛇”」
「そうそう、それそれ!」

ゴンの言葉に冷静さを取り戻したドレイクは変身を解除。結局最後まで総司とは相容れぬまま、ゴンを連れて去っていった




ZECT田所チームに新人が加わることになった。誰あろう元・シャドウ隊員・・・あの影山である
「影山さん!どうしてあなたが?シャドウはどうしたんです?」
「シャドウは解散したよ。いつまでも隊長不在のままじゃあな・・・」

なんて左遷だ!
ZECTのエース部隊だったシャドウはそのチームリーダーを欠いてから解散の憂き目に。オペレーター見習いから再出発するという
ザビーの資格者を放棄した加賀美はその責任を感じつつも、やる気を失ったような影山を強い口調で叱咤激励するが・・・
「影山さんはこれでいいと思ってるんですか?」
「そんなワケないだろう!
だが今の俺に何ができる?
こうやってヘラヘラ笑ってなきゃあ・・・とてもやってられねえよ」

無論影山とてぶつけどころのない苛立ちに身をよじらせていた。そんな影山を預かった田所は岬を呼び出し、ひとつ情報を伝える
「実は最近シャドウの元メンバーばかりが連続でワームに狙われている」
「・・・・!それじゃ影山くんも危ないんじゃ?」
「目を離さないでやってくれ。
誰かが組織の情報を漏らしているかもしれん」




そんな折り、やはり元シャドウ隊員の犠牲者が発生。現場に駆けつけた加賀美と岬はそこでセクティオワームに襲われる
ドンドンドンドンドン!!!
しかしその時、岬達を救うようにセクティオワームに降りかかる銃弾!ビルの上に颯爽と立つ人物は・・・・・キター!!!
パーフェクトハーモニー再び!矢車想!
「矢車さん!」
「油断するな!撃て!」

矢車に促され、岬と加賀美も拳銃を取り出して応戦。とりあえずその場はセクティオワームを撤退させる事に成功します
「貴方がどうしてここに?管轄区域ではないはずよ」
「この事件は元シャドウリーダーとして捨て置けない。もう誰一人として仲間は死なせん」

本部からの命令に違反してまで、元隊員達を守りたいと熱く語る矢車。資格を失ってから再び本来の性格を取り戻したみたい

その矢車と再会した影山は弾かれたように喜び、シャドウの再結成を提案。散り散りになった仲間達もすぐ集まると力説します
「やりましょう矢車さん!やはりシャドウのリーダーは貴方だけです!」
「・・・影山。また一緒にパーフェクトハーモニーを奏でよう」

矢車もまた影山の期待に力強く答え、2人はシャドウ再結成のため散り散りになったメンバーを再び終結させることに




その頃、総司とオリーブオイルを買いに来たひより。しかしなぜか店主はおらず、店内はメチャクチャに荒らされていた
そのとき店の奥から不審な物音が聞こえ、総司が警戒しながら奥のドアを思い切り開け放つと・・・・・
「なんだお前か。いきなり銃を突きつけるとは物騒だな」
「天道総司・・・・!」
そこにいたのは銃を構えた矢車想。矢車もまた、祝いの席のためオリーブオイルを手に入れようと店に来ていたらしい
「ほう?何の祝いだ」
「まだ詳しくは言えないが・・・再び俺の時代が来る、とだけ言っておこう」
「そんなことはどうでもいいがこの店の店長を出せ。オリーブオイルを所望だ」
ザビー復活を匂わせる発言をしてニヤリと笑ってみせる矢車。総司にどんなリアクションを期待したのか知りませんが
そんなことよりもオリーブオイルのほうが大事な総司
「スマンが店長には会わせられない。しかしオリーブオイルが手に入ったら分けてやろう」
出た。嫌なヤツにもオリーブオイルを分けてあげる完全調和の精神。まさに全盛期の矢車です

仕方なくひよりを連れて別の店にオリーブオイルを探しに行く総司。そこへ加賀美がジェラルミンケースを持って走ってきた
「なんだこれは。オリーブオイルを入れるには少し小さいな」
「バカ!それの中身はな・・・」
ケースの中身はZECTの開発した
カブト用の新武装。それを「カブトへ渡せ」と命令したのは、なんと田所
敵視するカブトに新たな武器を渡すとは上層部の考えとは思えません。もし田所の独断ならばそれには如何なる理由が?





「再びシャドウが終結しつつある。もうお前もワームから逃げなくてもすむ」
輸入品直売屋の店主と話し込む矢車。店主は実は元シャドウのメンバーであり、シャドウ再結成の話を持ちかけていたのだ
嗅ぎ付けた総司も2人の会話に割って入り
オリーブオイルを要求。あくまでオリーブオイル最優先かよ
しかし、そこへ元シャドウのメンバーに擬態した二匹にセクティオワーム現れた。すぐに擬態を解いて襲い掛かるワーム!
総司はひよりを倉庫の中へかくまい、「ここでジッとしていろ」と念を押して外へ。その行動にひよりはささやかな疑念を感じる

「お婆ちゃんが言っていた・・・男なら絶対にしてはいけないことがあると
女を泣かせる事と・・・
食べ物を粗末にする事だ!変身!」
うどん玉のパックを吹き飛ばしたワームに総司は怒り爆発。こ、虎眼先生ー!!
カブトに変身すると、次々と襲い掛かるワーム下級ワームに対し、もらったばかりの新兵器を早速使用してみます
ぶいーんぶいーんぶいーん
「な・・・なんだこりゃ!?」
本当になんだこりゃ
ハンディサイズの機械の中からわらわらと飛び出してきたのは
ちっこいカブトゼクターの群れ
今週のビックリドッキリメカ!
今週のビックリドッキリメカじゃないか!!

下級ワーム達にまとわりついて動きを封じるミニミニゼクター。そこをまとめてクナイガンでブッた斬って一網打尽です
見た目えらい派手なクセして殺傷能力は皆無なあたり、
見掛け倒しという気がするがな
牽制が用途なら別にこんな大層なメカじゃなくても。普通に閃光弾とかで十分だと思う




その頃、矢車も駆けつけた影山とともにワームに立ち向かう。シャドウ再結成の初陣とも言える戦いである
「お前たちの命は俺が守る!」
甦った”リーダー”矢車の熱い絶叫。その誓いに呼応するかのように、天井を突き破ってザビーゼクターが飛来した
ついにザビー復活か。ゼクターを掴もうと腕を伸ばした矢車・・・・・って
な、なんだってー!?
ゼクターは矢車の手をすり抜け、なんと影山の手の中へ!
驚く矢車にシャツをはだけ、自分の胸を見せる影山。そこにはあのザビーの紋章が!変身ッ!影山ザビー!!
同時に現場に雪崩れ込んできたのは解散したはずのシャドウ部隊。輸入屋の店長もヘルメットをかぶる!ええー?
「影山隊長!ご指示を!」
「各隊ターゲットを絞り攻撃を集中!残りは俺がやる!」

一糸乱れぬ連携戦術でワームをなぎ倒していくシャドウ部隊。影山ザビーは強敵セクティオワームを撃破!
「ライダースティング!!」
どばーん!
以前と寸分違わぬ実力を見せつけ、これを全滅させたシャドウ部隊。変身を解除した影山に矢車が問い詰めます
「影山・・・これは一体どういうことだ」
「全ては芝居だったんですよ。内通者をあぶり出すためのね
ZECTに裏切り者がいるとしたら、それはザビーの任を解かれ部隊を放逐された人間
その人物の逆恨みの可能性が高いんじゃないかと思いまして・・・・ね
しかし買いかぶりだったようです。既に俺がザビーになった事すら知らなかったとは
もっと出来る人だと思ってましたよ」

なんということ。全てはオトリ捜査として影山とシャドウメンバーが打った芝居だったのである
かつての部下に裏切られショックを受ける矢車。しかしそれでも尚ブチ切れたりなどせず、大人の対応を見せる
「影山、疑いが晴れたのならいいだろう。俺をもう一度シャドウへ復隊させてくれ」
「新しいチームの完全調和にアンタは邪魔なんですよ。むしろ不協和音だ」
そんな
低姿勢の元上司を冷酷に突き放す影山隊長。うわあコイツすげえ嫌なヤツになったなぁ

一方、カブトもクロックアップしセクティオワームを撃破。無事にオリーブオイルをゲットします
ねんがんのオリーブオイルをてにいれたぞ!
しかし、そんなカブトの活躍を見ていたひよりは、わなわなと震える手でカブトを指差し、怒りを露に叫んだ
「お前だ!お前が僕の両親を殺したんだ!」
衝撃のカミングアウト。7年前、廃墟の渋谷で謎の”ベルトの少年”が殺したものはひよりの両親だったのだ
ひよりの両親に擬態したワームを、当時子供だった総司が倒したのが真相なのか?それとも・・・・・・・?




その頃、田所のもとには、三島から内通者判明の報が届いていた
「内通者が見つかった。この男だ」
「そんなバカな・・・!」

送られてきたデータには
「加賀美新」の文字と顔写真。加賀美が内通者?あり得ません
明かされる7年前の謎。ザビーの座を巡る確執。そして加賀美裏切りは真実なのか?盛り上がってきたところで次週へ続く!


第14話

内通者は誰だ

内通者は本当に加賀美なのか?田所には信じられないが、影山は既に加賀美を内通者と決め付けている
田所に対し「後のことは全て任せてもらいます」と強い調子で言い切る影山。如何にしてその真偽を確かめるのか?

一方あの戦闘の翌日、鬼気迫る表情のひよりが天道家を訪問。目撃した「ベルトの男に」ついて総司に問いただします
「間違いないんだ・・・あのベルトをつけた人間が7年前ボクの両親を・・・!
答えろ。あのベルト、お前のなのか?」

「俺のじゃないさ。あんな趣味の悪いベルトは俺には似合わん」
「でもお前のバッグに入っていた!」
「どうしてだろうな。さあ出来たぞ食ってくれ」
「・・・ふざけるな!もう二度のボクの前に現れないで!」

曖昧な言葉でお茶を濁し、ヘラヘラと笑ってキンピラゴボウを出す総司。そのどこか不真面目な態度にひより怒り爆発
一歩的に絶交宣言をまくしたてると、プンスカ帰ってしまいました。この反応には流石の総司もひるんだか?
その日の昼時。カランカラーンとサルに入ってきたのは何食わぬ顔の総司。
全然気にしてねえー!
「・・・・もう二度と現れるなって言ったぞ」
「俺の往く道は俺が決める」
ああそうか。
コイツには人の都合などお構いなしでした
いつものごとくメニューにはないまかない料理をオーダーする総司。今日はロールキャベツですが・・・・
「不味い!」
ひと口に食べた瞬間に
海原雄山の如く怒鳴り、1万円札をテーブルの上に叩きつける総司
「これまでのツケの分だ。もう二度とこの店には来ない」
その後の行動まで
雄山的です。勝手にブチキレてこの言い方。いやお前先に絶交宣言されてたから!
たしかに心ここに在らずで作った料理だったのかもしれませんが。総司のあんまりな態度にひよりは傷つくのでした





その頃、内通者疑惑のかけられた加賀美は三度大介と交渉。なんとかZECTに入ってくれないかと頼み込みます
「やれやれ・・・キミも大概しつこいですね。お断りだと言ったはずです」
「まぁ大介、そう言わずにさ。仕事は見返り次第ってことで・・・お安くしとくよ?」

相変わらず拒否一辺倒の大介、報酬次第で話を引き受けてもいいという敏腕マネージャーゴン
「金を要求するのか?ふざけるな!」
ふざけてんのはお前だろう
化物と戦う仕事を強要されて、それに対して報酬の金を要求するのはいたって普通の考えだと思うのだが
ゼクトルーパーの中の人達なんて死と隣り合わせなんだから、きっとかなりの高給取りのハズだしな
少女の正論に対して逆ギレし、乱暴に席を立った加賀美。マジで頭悪い大人に見えます
そんな加賀美に声をかけてきたのは彼を内通者と決めてかかっている影山。加賀美の携帯を貸して欲しいと言う
なんの疑いも持たずに快く携帯を貸してやり、その場を去る加賀美。さて影山は加賀美の携帯をどうするつもりなのか

そんな中、不謹慎な言い方ですがグッドタイミングで新たなシャドウメンバーの犠牲者が発生
現場に駆けつけた影山と岬は、そこで被害者の携帯に
加賀美からの着信があることを発見します
ゲーなんだこれ。どう考えてもこのTELを入れたのが影山であることは明白。彼は加賀美を陥れようとしているのか?
しかしそんな裏事情をまったく知らぬ岬。加賀美が内通者だという疑惑が確信へと変わってしまいます

そして加賀美を尾行する影山を偶然目にした総司、顔を見られないよう背後から影山をスリーパーホールドに捉えます
「なぜ加賀美を尾行する?」
「お前は・・・そうかカブトだな。残念、お前の顔を拝んでみたいものだ」
「そういうお前はザビーか。答えろ、なぜ加賀美を監視する」
「ふん、あいつは・・・加賀美は内通者なんだよ!」

その答えに眉をしかめた総司は影山を解放してトンズラ。慌てて周囲を見回す影山だったが既に総司の姿は消え去っていた





一方、総司の1万円を返しに天道家にやって来たひよりは、無理やり樹花に誘われ、一緒に昼食を食べることに
総司の手作りという素朴かつ豪華なメニューに驚くひより。味噌汁をひと口にすると、そのおいしさに思わず動きが止まる
『病は気から。人が良くなると書いて食べると読む』
いつだったか、総司が言った言葉を思い出したひより。まさに総司の料理のパワーによってときほぐされていく荒んだ心
『アイツは天道じゃない。こんな優しい料理を作る天道がアイツのワケがない・・・』
総司に対する両親殺しの疑惑と、そのわだかまりが消えたひよりは清清しい表情でサルへと戻るのだった

「動かないで加賀美くん。あなたを内通者として拘束するわ」
岬に銃をつきつけられ、ようやく疑われていることを悟った加賀美。「どうして俺が?」身に覚えのない容疑に目を白黒
冷静に話し合えばいいのに
パニクって逃げ出し、更に疑惑を深めてしまうお約束
逃走中に見つけた総司に助けを請いますが、ちょうどこの時の総司はサルで食えなかった昼飯を求めていた最中
「今は俺の飯が優先だ。自分の事くらい自分でなんとかしろ」
自分のピンチより飯を優先させる総司に思わず泣きそうになりつつ、懸命に街中を逃げ回る
その総司はと言うと、自分の舌を満足させられる名店が軒並み休業日という不運に見舞われたため、結局サルへトンボ返り
「もう二度と来ない」とタンカを切ったクセに堂々とテーブルに座り、まかないのロールキャベツを注文します
「・・・・・美味い。コレだよコレ」
さっきの反応とはうって変わり、一口食って満面の笑みを浮かべる総司。気合を入れて作ったひよりにも笑顔が戻るのでした
その時、サルの窓をコンコンと叩く小さな小さな総司のお迎えが。加賀美のピンチを知らせにきたカブトゼクターである
「やれやれ・・・人気者はツライな」





ドキューン!!!!
「な、なんてことを・・・・・加賀美くん!しっかり!」
もんどりうって仰向けに倒れる加賀美の身体。空き倉庫に響く岬の悲鳴
シャドウ部隊に追い詰められた加賀美はついに観念し、持っていた小銃を影山に渡そうとした。だがそのとき
あろうことかシャドウメンバーの一人が
加賀美に向かって引き金を引いたのだ
「申し訳ありません。隊長が撃たれるかもしれないと思ったものですから、つい」
何食わぬ顔でそう答える隊員は仮面ライダー龍騎の
神崎士郎ことゲスト出演の菊池謙三郎さん
ヘルメットを取って頭を下げるその隊員に対し、影山は冷淡な声で答えた
「別にいいさ。おかげで本物の内通者がわかった。お前だ」
「・・・・は?何をご冗談を・・・」
「加賀美はオトリだ。話を聞けばシロであることはすぐにわかる事・・・ならば死人に口なし
加賀美に罪を着せたまま殺そうとする者が本物の内通者だ」

前回に引き続き、すべては影山の策略!
真の内通者をあぶりだそうとしたその策はたしかに成功した。だが影山は加賀美の命などなんとも思っていない
ここまで外道かこの男。先週の矢車に対する態度はまだしも、今回のコレはいただけません
「見習いの1人くらいいいじゃないですか。新たなるパーフェクトハーモニーの為です」
「これのどこがパーフェクトだ。お婆ちゃんは言っていた・・・・
本当の名店は看板さえ出していないってな」

怒った岬が影山に詰め寄ったその時、
よくワカらない今週の天道語録とともにカブト登場
加賀美が撃たれた瞬間、クロックアップしたカブトが彼を突き飛ばし、弾丸から救っていたのだ
「クロックアップした俺の動きを目で追えたヤツが一人だけいたな。お前はワームだ!」
カブトに指を指されたシャドウ隊員がヘルメットを取ると、そこにはもう1人の神崎士郎。内通者に擬態したワームだ
「お・・・俺を守ってくれるんじゃなかったのか?」
「クク・・・お前はもう用なしだ。俺の中で生きるがいい」

すべてを看破されたワームは擬態を解き、内通者であった神崎隊員を殺害。下級ワームを呼び寄せて今週の戦闘シーンへ





「各小隊!各個にワームを撃破しろ!キャストオフ!」
ズガガガガガガガ!!(戦闘シーン超略)
短いのでこんなモンです。影山ザビーとシャドウ部隊は下級ワーム達をいつもの手並みで難なく撃破、
そして強敵の白いワームをクロックアップして追い詰めたカブトが、ライダーキックで止めを刺そうとしてその瞬間
ドゥン!!!ぼが――ん!!!
背後からの銃撃で爆裂四散する白ワーム。銃ときたら当然あの男、
仮面ライダードレイク!
ついに一堂に会するカブト、ザビー、ドレイク、3人のライダー。大介の目的は何なのか?
次号へ続く!


第15話

価値

ついに鉢合わせした3人ライダー。我関せずを決め込んでいた大介はいかなる心変わりでこの場に現れたのか
「気まぐれな風が吹いたか」
「気まぐれ・・・?いいえ違いますね。あの時の借りを返しにきただけです!」
弱いクセにリベンジマッチに来ました。やめときゃいいのに
「なかなか面倒なヤツだな・・・・はっ!」
ゴッ!ガスッ!ドカッ!
前回同様手も足も出ずにボコられるドレイク。何しに来たお前
「ふん、ドレイクか。お前の実力を見せてもらおうか」
「お前の相手は俺じゃなかったのか?」
それぞれの思惑を胸に激突する3者だったが、やはり一枚役者が違うのはカブト。二人を軽く一蹴してのけます
「お前に仲間を率いる資格はない」
倒れたザビーを見下ろしたカブトは、加賀美の命を道具として扱った影山に怒りの一言を残して去っていった
「また貸しが増えましたか・・・天道総司。やはり気に入りませんね」
その総司の背中を視界の端に収めながら、大介もまたトンズラ。お前貸しは増え続ける一方だからもうやめとけ

一方、影山に囮として利用されたことに大ショックを受けた加賀美。ガックリとうな垂れたまま立ち直れない
「いつまで落ち込んでいる?まったく情けないヤツだ」
戦闘を終えて戻ってきた総司の辛辣な言葉。しかしそれにさえ涙に濡れた顔を向けるだけで何の反論も出ない
いたたまれなくなったのか、涙も拭わぬままに立ち上がると立ち上がると、その場を走って立ち去るのだった





そんな夜、とあるおでん屋台で酒をかっくらう中年男。かなりご機嫌で泥酔しているみたい
「オヤジほれほれ。幽霊なんちゃって」
三角形のはんぺんを額へ持っていき
薄ら寒い親父ギャグを飛ばすこの中年。一体何者なのか
と。そのとき携帯が鳴り、「わかった」と言って店を立つ中年男。フラフラの千鳥足で向かった先はなんと・・・・・
外科病院の手術室。この風采のあがらない中年男は、実は優秀な外科医師だったのだ
「若林先生!オペの準備はできてます」
「うむ。じゃあいつものを頼む」

パン!パァン!手術着に着替えた若林は、女性看護士に強烈なビンタを見舞ってもらい気合注入
別人のような厳しい表情に切り替わり、アルコールもなんのそので難手術をこともなげに成功させてしまいます
スゲエぜ酔いどれ天才医師若林!相変わらず井上脚本(今回と来週)ありえねー
しかしその夜同じ頃。若い女性が今回のワーム・フォルミカアルビュスワームの手によって殺害される
女性を手にかけたワームが人間の姿へと擬態していく。それこそはまさしく、あの若林医師の姿であった




「お前のほうから誘ってくれるとは嬉しいよ。しかし一緒に食事なんて久しぶりだな
警視総監なんて仕事をしているとなかなか時間も取れなくてな・・・スマン」

すっかり自信を失った加賀美は、あれほど嫌悪していた父・陸に相談を。どれほど確執があってもやはり父子か
っていうか親父の表の仕事
警視総監なのかよ。ZECTという組織の強大さが伺えます
しかし面と向かうとその悩みを口にすることができない加賀美。そんな息子に、父として雄弁に答える陸
「何があったかは知らんが自信を持つことだ。お前はやればできる人間だ
小さい頃からお前を見てきた私にはそれがわかる。
お前は私の誇りだ」

「・・・・・・・・ありがとう・・・父さん」

父の暖かい言葉が加賀美の心を癒す。だがしかしその父こそがZECT幹部であることなど、今の彼には知る由もない
「御子息があなたの正体を知ったらさぞ驚かれるでしょうね」
「構わん。その時はその時だ。
鉄は・・・叩いて鍛えて強くなる」





一念発起した加賀美は田所に休職届けを提出。単独でワームを追うことで自らの力を、存在を証明しようとする
まず彼が絞り込んだターゲットは、ワームが擬態した可能性が高いという男・・・例の若林医師である
加賀美は気合も十分に若林医師の尾行を開始。そんな後輩を心配する岬は、サルに現れた大介に協力を頼み込む
「僕に貴女をメイクアップさせてくれるなら。どんな条件も飲みましょう」
ふたつ返事で依頼を引き受け、岬にアルティメットメイクアップを施す大介。完成したメイクにうっとりと陶酔しますが・・・
「お前のメイクの腕前はたしかに一級品だ。だが・・・このメイクなら髪型も変えるべきだな」
場に居合わせた総司の物言い。自前の拳銃型ドライヤーを取り出すと、なんと岬のヘアスタイリングを始めてしまいます
プロも顔負けの技術で難しい髪型をビシッと決める総司。
本当に何者なんだお前は
「どうだ?この髪型のほうがより似合うだろう」
「いいえ。さっきのほうが似合ってました」
変態二人、互いに譲らぬ意地。まったくもって井上脚本全開です

若林医師を尾行加賀美だが、なかなか尻尾を現さない。尾行自体は彼が本物にせよ偽者にせよ問題ありません
本物が生きているなら擬態したワームはその人を殺そうとするハズなので、どちらにせよ片方を張っていればOKなワケです
すると例のおでん屋台でついに
二人の若林医師が出現。どちらかがワームだ!と身構える加賀美
ところがこれはどうした事か。なんと二人の若林医師は顔を見合わせるや、仲良く酒を酌み交わし始めたではありませんか
「「オヤジほれほれ、幽霊。なんちゃって」」
寒いオヤジギャグまでサラウンド。日曜の朝っぱらから視聴者を氷河に叩き込みます。あーそうかこれはアレか
おそらく若林医師は双子ってオチか。ならば「3人目の若林医師」がワームということ!
そのとき、少し離れた別の場所にワームが出現。加賀美を遠巻きに見守っていた大介はドレイクに変身して現場へ





「キャストオフ」
ジャンプしての
きりもみ回転射撃を見せる等、華麗な技でフォルミカアルビュスワームを圧倒するドレイク
ライダーショットでトドメを刺そうとしたその時、シャドウ部隊が現場へ到着。ワームに向けて一斉射撃を浴びせかける・・・
が。アレェ?
「影山、ザビーに変身して正面から攻めろ!
第一小隊は右から!第二小隊は左から退路を断て!」

部隊を指揮しているのは影山ではありません。謎の新リーダーが、ザビーである影山さえ部下として命令しています
謎の新リーダーに言われるがまま変身し、ワームに突貫していく影山。ZECT本部の統括である精鋭部隊シャドウ
”仮面ライダーザビー”である影山を差し置いて、その新リーダーの座に就いたこの男はいったい何者なのか?
「おばあちゃんは言っていた・・・戦いはヘソでするものだとな
各員ヘソに気合を入れろ!」

「!?加賀美くん、今の声・・・」
「な・・・そんなバカな・・・なんであいつが?」
新リーダーの声と、その物言いに顔を見合わせる加賀美と岬。新リーダーが二人の方向を向いてヘルメットを脱ぐ
その正体は言うまでもなく
天道総司である。なぜ総司がZECT、しかもシャドウの隊長に?
なかなかに面白い引きで次週へ続く!


第16話

天道寺総司郎

あの唯我独尊男がシャドウの隊長に?唖然とする加賀美に視線を向け、意味ありげな笑みを浮かべる総司
ザビーが仕留め損なったフォルミカアルビュスワームを単身追い、カブトに変身して追い払います
「天道!これはどういうことなんだ?」
「あなたはカブトとしてZECTに入った・・・そういう事なの?」
「いや俺がカブトであることは誰も知らない。俺は天道寺総司郎という偽名でシャドウの隊長になった
全人口60億人の中で最も優秀な俺という人材を、ZECTはどうしても欲しがったというワケだ」

驚く二人にいけしゃあしゃあと答える総司。それにしてもこの男が一体いかなる理由でZECTに入ったのか?

「くそッ!納得できません!あの天道寺という男は何者なんですか!?」
「ザビーとしてのお前の功績は評価している。しかし統率者としては彼が数段上だ
そしてZECTは彼のような優秀な人間を必要としている。わかったらさがれ」

総司にシャドウのリーダーの座を奪われたカタチとなった影山。納得できないと上告するが、三島は取り合おうとしない
あくまでも自分より天道寺のほうが上だと言う三島に、影山は不満を募らせるのだった




そんな中、加賀美らは3人目の若林医師を確認。やはり前回同様、3人仲良く酒を酌み交わしてます
3つ子なのかと思ったら若林医師に兄弟がいるという事実はなく、2体は擬態したワームに間違いないとの事。えー?
正体の追求に3人がやっきになる中、総司は大介を呼び出してZECTに入らないかと勧誘する
「このままではお前はワームとZECT両方から狙われる。今なら俺の部下にしてやれるぞ」
「ふん・・・つまりはそれがあなたがZECTに入った理由ですか?
命惜しさに己が信念を捨てるとはガッカリです・・・見損ないましたよ」

総司が保身の為にZECTに入ったと思った大介はこの申し入れを断固として拒否。冷ややかな言葉を残して立ち去っていく

しかしほどなくしてその大介が突然ザビーに襲われた。どうやらZECTへの入隊を断ったことが原因らしい
「隊長の命令だ!ZECTに従わないライダーは殺す!」
ドレイクに変身して事なきを得た大介だったが、総司の指示だと言うこのザビーの言葉に怒り心頭
『ククク・・・せいぜい邪魔者同士で潰し合ってくれればいいさ』
そう。これは総司の指示などではなく、目障りな新隊長とドレイクを潰そうとした影山のスタンドプレイだったのだ

大介はサルに怒鳴り込み、部下を使って自分を襲わせたと総司を激しく非難。当然身に覚えのない総司ですが・・・
「そうか・・・俺の知らぬ事とはいえ部下の責任は隊長の責任だ。すまなかった
本人を呼んで謝らせるとしよう。それで許してくれ」

「す・・・すみませんでした・・・」
いつになく真摯に頭を下げると、サルに影山を呼びつけ大介に謝罪させる総司。影山の目論見と180度逆の展開です
「それだけじゃ足りんな影山。この店の皿洗いを手伝っていけ」
更には加賀美の皿洗いを手伝うよう命令。かつて道具として使い捨てにしようとした男に、皿洗いの手ほどきを受ける影山
いったいどうしてこんな事に?影山はただただ屈辱に唇を噛み締め、震える拳を押さえることしか出来ない
ざまあみろ





なんとか一人でワームを抹殺して自信を取り戻したい加賀美。若林の病院へ患者として赴き、潜入捜査をしようとする
「頭とお腹と・・・それに胸もなんだか痛いような・・・・」
「ふーむ精密検査を受けてみますか?ドクター天道寺、彼の検査を頼む」
「は?ドクターてん・・・・」

例によって加賀美に先んじて潜入していた総司登場。何食わぬ顔で加賀美の精密検査まで担当します
「いくら俺でも医師として潜入するのは難しかった。まったくZECTの力はありがたいな
加賀美、お前はこのまま手術を受けろ。悪いようにはせん」

驚く加賀美に手術まで受けろという総司。はたしてその真意は・・・・?

その日の夜。いつものおでん屋台で飲んでいた3人の若林医師のもとに緊急手術の連絡が入った
「手術か。誰が行く?」
「よし、今日は俺が行くよ」

病院へ向かった若林医師は前回同様に女性看護士から往復ビンタをもらい、気合を入れ直して手術室へ
しかし手術開始直前、「私の誤診でした」と手術を中止させる総司。患者になっていた加賀美がホッと胸を撫で下ろす
「あんたがワームではない本物の若林医師だな
手術前にビンタで気合を入れていたのはあんた1人だけのクセだ」

「な・・・き、キミは・・・?」
総司は既に3人の若林医師の手術に立ち会っていた。そしてついに本物だけが持つ癖を見抜いたのだった




素直に事実を認めた若林医師は事の経緯を告白
自身がワームに襲われ殺されかけた際、自分を待つ患者のために「1ヵ月だけ待って欲しい」と命乞いをしたところ
ワームはその申し出を受け入れ若林に擬態。それ以来、自分と同じ医師能力を持つワームと共同で手術をこなしてきたという
「そんなワームがいるなんて・・・・信じられない」
全ての真相が明らかになったそのとき、総司達を取り囲むように若林医師に擬態した3体のワームが姿を現した
「全員で4人もいたか。おかげでシャドウ総動員で調査しなければならなかった」
「そ、そうか天道・・・お前はそのためにZECTを利用して?」

総司ZECT入りの真相も予想通り、あくまで組織の力を利用したかっただけ。あと影山イジメか
「タイムリミットの一ヶ月だ・・・約束通りもらうぞ。お前の命
心配するな。俺達は今まで多くの人間を救ってきた。これからも救ってやろう」

「バカな事を。救う一方で殺してもいるのでは話にならん。お婆ちゃんは言っていた
悪魔の囁きは時に天使の声に聞こえるとな
少々変わっていてもお前達は所詮ワームだ!変身ッ!」
総司はカブトに変身、同じく変身したドレイクとともに3体のフォルミカアルビュスワームに立ち向かう

「ライダーシューティング」
ぼが――――――ん!!
まず1体をドレイクが難なく撃破。更に遅れてやってきた影山が一体を受け持つがこちらは大苦戦を強いられる
フォルミカアルビュスの力の前に吹き飛ばされ、変身を解除してしまう影山。そのピンチに颯爽と現れたのは・・・・・
「・・・お前に戦い方というものを教えてやろう」
三島さんキター!!
空中を旋回するザビーゼクターを
ジャンプして掴み取って無理矢理変身!
影山とは比べ物にならない見事な身のこなしでフォルミカアルビュスワームを軽く撃破する。何者なんでしょうかこの人

そして最後の1体を相手に奮闘するのは小銃を乱射する加賀美。それを遠巻きに見守っていたカブトがクロックアップすると
加賀美の弾丸でワームが倒されたように見えるようにライダーキック!
クロックオーバー後、加賀美は自らの銃でワームを倒したものと勘違いして子供のような大はしゃぎ
「やった・・・・・やったぞー!俺がワームを倒したんだー!!」


※喜びすぎ

「やれやれ。まったく面白いヤツだ・・・」
喜びを爆発させる加賀美を見守りながら、満足そうな笑みを浮かべる優しい総司だったとさ。





「み、三島さんお願いです!俺を見捨てないでください!」
三島の目の前でワーム撃退に失敗し、あまつさえその尻拭いまでしてもらった影山。すさまじい落ちぶれぶりです
「見捨てないで!」と三島にすがる姿が
男に捨てられた頭悪い女にしか見えません
「心配せんでもお前はまだザビーの資格者だ。シャドウのリーダーにも復帰してもらう
天道寺隊長が行方知れずになってしまったからな・・・惜しい人材だったが
影山、お前にはすぐにかかってほしい新しい任務がある」

影山を改めてシャドウのリーダーに任命し、新たな任務を与える三島。その任務とは・・・?

ラストシーン、ひとりアイスクリームをなめながら夜の街を歩くゴン。その後を不気味な眼差しで尾行する影山で次週へ続く!
今度は幼女誘拐か。落ちぶれロードを突っ走る影山の明日はどっちだ?


第17話

その手を離さずに

夜道をひとり歩くゴンを尾行する影山。いきなり背後から襲い掛かって完全にロリコン変質者
あわや連れ去られそうになったゴンだったが、グッドタイミングで大介が現れた為、影山は咄嗟に姿をくらまします
「だ、大介!今誰かが私をさらおうとした!!」
「はぁ?」
物陰から二人を見つめる影山。指についたソフトクリームをちゅぱちゅぱ舐める様はまさに変態です
「大介・・・ずっと私の手を握っててね。絶対に離さないでね」
「そりゃ無理だろ」

恐怖と不安に駆られ大介に抱きつくゴンだったが、大介はロクに信じず「ハイハイ、わかった」等と適当な返事を返すだけ
その手は本当に離してもいい手だったのか。本当に大切なものとは、手の内にあるうちは気付かないものなのだ




「誰かに狙われている」 その夜以来、見えない犯人脅えるようになったゴンは大介の助手という仕事にも集中できない
公衆トイレに行くにも大介同伴。
女子トイレでうろうろする大介マジ変態
そんな折、有名メイクアップアーティストとして雑誌の取材の仕事を受けることになった大介。ビッグになるチャンスです
前回岬の頼みを聞いてやった見返りとして彼女にモデルを頼み、その美しく変身した姿にご満悦の大介。しかし・・・・・・
”ガシャーン!!”
物音に脅えたゴンがメイクケースをひっくり返すと、大介はついに溜まり溜まった怒りを爆発させてしまう
「いい加減にしろゴン!大事な仕事なんだぞ?
これ以上邪魔するなら出て行け!」

眉を吊り上げて怒鳴る大介にしょげ返るゴン。何も言い返すことができない彼女はトボトボとスタジオを後にするのでした

「どうした?今日は1人なのか?」
「どうしよう・・・・大介に怒られちゃった・・・・うえっ・・・うぇーん!」
行くあてなどないゴンは、ふらふらとビストロ・ラ・サルへ。ひよりに会うなりボロボロと涙を流して号泣します
「ひより、今日のまかないは・・・・どうした?何があった?」
ちょうどサルやってきた総司も、わんわん泣きわめくゴンを見るや表情が一変。事情を聞くと大介への怒りを露にする
「アイツめ・・・やはり最低の男だな」
「ううん・・・だって私が悪いから・・・お姉ちゃん、私大介に謝りたいから一緒に来て
大介、女の人と一緒だと甘くなるから」

大介と仲直りしたいゴンはひよりに一緒に来て欲しいと頼み込む。一見するとえらく健気ないい子見えますが
『女を連れてったら甘くなるから』とか考えてるあたり、歳の割にかなり計算高いです
記憶を失い、両親がどこで何をしているかもわからないというゴンに親近感を抱いたひよりはこの頼みを快く承諾
総司に店番をに頼むと、二人で大介のもとへと出かけていく




一方、そんな経緯を知らない大介は女性記者を同伴してサルへ。ゴン達とはタイミング悪く入れ違いになったみたい
「貴様こんなところで何をしている・・・ゴンが泣きながら謝りたいと言っていたぞ」
「今は仕事中です。後にしてもらえませんか?」
「最低だなお前・・・この男は最低だと記事に書いておけ
子供心も汲み取れぬ無神経な男だとな!」

冷淡な大介の態度に総司はテーブルを叩きつけて激怒。これにはカンに触ったのか、大介も大声で反論する
「子供心ならわかってるさ!あの年頃くらいの子供はな、注目を引きたがるものなんだ
誰かに襲われたとか言っていたが・・・それだってどうだか・・・」
「襲われた・・・だと?」
その頃、まさに襲われ真っ最中のゴンとひより。もっとも相手は影山じゃなく突然現れたビエラワーム
あわやというところでギリギリ間に合ったカブトに助けられる二人。ビエラワームは少しだけ交戦してとっとと退散
しかしこの際、頭を打った衝撃からゴンの記憶が一部甦るという、思いもかけなかった収穫を得るのでした




「琴川駅行きのバス・・・思い出したのはそれだけなのか?」
無事サルに戻った二人。戻ったゴンの記憶はまだ曖昧なもので、それ以上の事は何も思い出せないみたい
仕事のミスを大介に謝るゴンだったが、当の大介はどうにもそっけない返答。見ていてゴンが可哀想です
元気のないゴンを励ますため総司は自作のまかないを振舞うが、ゴンは味噌汁を一口飲むと椀を置いてしまう
「まずい」
「・・・ッ俺の料理を食ってマズイと言ったのは・・・・お前が初めてだ・・・ッ」
「だって。もっと美味しいお味噌汁飲んだことあるような気がするんだもん」
やはり記憶が戻りつつあるのか。総司の味噌汁よりも美味い味噌汁を知っているというゴン
務めて平静を装ってる総司ですが、
屈辱でプルプル震えてるのが笑えます
「記憶が戻ったんなら・・・もう家に帰ったらどうだ?」
何がそんなに気に入らないのか、尚も冷たい態度でゴンを突き放す大介。ゴンは店を飛び出してしまいます
「いいよ・・・私が居ると大介の邪魔になるなら!」
「ゴン!待って」

ひよりはゴンを放っておけず、一緒に彼女の記憶をたどるために「琴側駅」行きのバスに乗り込む
実際にバスに乗ってみると効果覿面。母親と一緒に乗ったバスでビエラワームに襲われた記憶が生々しく甦ってきた
「やめて!殺さないで・・・殺さないで・・・!」
恐怖の思い出にうずくまるゴンを目の当たりにし、自分とダブらせるひより。バスを降りて彼女を介抱していると・・・
”ドスゥッ!!”
突然ひよりを襲う
ボディブロー。言わずもがな犯人はロリコン変態野郎・影山です
しゃがみ込んでゴンの顔を覗き、「にへっ」と笑ってみせる影山。
マジ変質者にしか見えねェ





ゴンを拉致した影山は大介を呼び出し、PCでどこかの部屋に監禁され助けを求めるゴンの姿を見せ付ける
「君の態度次第であの少女の扱いが変わってくる。ZECTに入れ
まずは手始めにカブトを倒してもらおうか」

「・・・見当違いですね・・・俺とゴンは他人だ。好きにするがいい」
「へぇ、そうかい?」
醜悪な笑みを浮かべながらモニターをズームアップする影山。恐怖に怯えるゴンの表情に拳を握り締める大介
もはや
堕ちるトコまで堕ちた影山がナイスすぎる。こりゃあコイツは長生きしなさそうだなぁ

「どういうつもりだ?今はそんな事をしてる場合じゃないだろう」
「お前は俺を最低な男だと言ったが・・・・・残念だ
どうやら最低な男にはなりきれないらしい。変身ッ!」
ラストシーン。総司の前にたった1人で現れた大介はドレイクに変身。有無を言わさず襲い掛かる
ドレイク先制の射撃を
マトリックス避けで回避した総司はカブトに変身。これを迎え撃つ
「お前を倒す・・・倒さなければならないんだ!」
追い詰められたドレイクは過去2度の戦闘とはうってかわって絶好調。その華麗な銃技が冴え渡ります
両者クロックアップしての戦闘はほぼ互角。今まで赤子のようにやられていたのが嘘のような奮迅ぶりだ
クロックオーバーしながらの連射(ここが超カッケー)でカブトを捉えるとトドメの体勢に!
「悪く思うな。お前を倒さないとゴンが危ないんだ
死んでくれ天道!!」
「なるほどな・・・そういうことか」
しかし総司も「ああそうですか」と討たれるワケにはいきません。必殺攻撃には必殺攻撃で対抗する
『1、2、3・・・ライダーシューティング』
『1、2、3・・・
ライダーキック』
ドキュウンッ!!
バオッッ!!

一条の青い閃光と、弧を描く赤い閃光が交錯する!果たして勝者は?次週へ続く!


第18話

二人の記憶

「ランニングボレー隼シュートだァ!!」
火花散る赤と青のエクスタシー。なんとドレイクのライダーシューティングを直接蹴り返すカブト
大介の置かれている状況を察知した総司は、爆風に紛れて素早くその場からトンズラ。なんとかやり過ごします

取り逃がしはしたもののとりあえず影山の命令通りにカブトと戦った大介。その保証として監禁されたゴンと面会を
「大介ゴメンね・・・わたしいっつも大介に迷惑かけてばっかりで」
「そんなの気にしなくていい。すぐにここからも出してやるさ
なんたってお前は俺の大切な・・・・大切な・・・・えーと」
「”相棒”?」
「そうそう、それそれ」

厳重に電子ロックされた扉越しにいつもの会話。先週の冷たさから180°ひっくり返ってすごく優しげな大介です




「田所さん、もしZECTの拉致が事実だとしたら、彼女は今どこに監禁されていますか?」
「・・・お前達は疲れているようだ。二人とも休暇を取ってきたらどうだ?
ZECTの保養施設がある。海の見えるいい所だ」
さりげなくゴンの監禁場所を教えてくれる田所さんカッケー。そういえばカブトにマイザーホマーくれたのもこの人だったっけ
「本部の命令は絶対だ」が口癖のクセに実際はかなり融通利かせてるよな

一方、ゴンを助け出したい大介は改めて総司を呼び出し再び決闘を仕掛ける
「お前もそう捨てた男ではなかったようだな・・・だが頭は良くない
ゴンを助けたいなら他に方法があるだろう」
「何を知った風な事を・・・お前を倒すのが一番てっとり早い!」

話し合いを求める総司だったが大介はこれを拒否。更には黒幕の影山まで現れてザビーに変身!
流石のカブトも2対1では分が悪く、波状攻撃に圧倒されて海中へドボン。ドレイクもこの後を追ってドボン
ケケケー!アトランティスドライバー!ライダーシューティング!
ぼっがあ―――ん!!!

ろ、ロビーン!!水中でぶっ放した必殺技はカブトを捉えたか?大爆発とともにその姿を海に消す総司だった




「貴様・・・約束が違うぞ!」
「知らないね。そもそもお前がドレイクの資格者であることに変わりはない
これからもせいぜいZECTの一員として働いてもらおうか」

これでゴンは自由の身に・・・と思った大介だったが、影山はこの通りゴンの解放を拒否。まさに外道
「それにしても優しいことだな。お前に面白いことを聞かせてやろう
医者の見立てではこの少女・・・全ての記憶が戻ったその時には
記憶をなくてから以後のことは全て忘れてしまうそうだぞ」

つまり、ゴンは記憶を取り戻したとき大介との記憶を全て忘れてしまうと言うのだ。なんという皮肉な運命か
「そんな事ない!わたし絶対に大介のことは忘れない!」
と懸命に言い張るゴン。その純粋な想いは彼女の記憶が戻った時、果たして・・・・・?

ゴンのことが引っかかり、本業のメイクにさっぱり身が入らない大介。その日も大ポカをやらかしてしまいます
そんな元気のない大介を励まそうと、行きつけの居酒屋に誘ってくれたのは年上の女性記者
順子さん
「うう・・・俺は・・・俺は女の子の一人も守れないダメなヤツなんですよォ」
いい感じに酔っ払い、ひたすら自分を卑下してくだを巻く大介。すると順子さんも1枚の写真を取り出しながら言う
「大切なものを守れなかったのは・・・私も同じよ。一番大切なもの・・・」
その写真は大介の角度からはよく見えませんでしたが、
1人の可憐な少女の姿が・・・





「お前・・・ッ!?」
「よぅ。ゴンを助けに行くぞ」

当然の如く生きていた総司。突然大介の前に現れるや否や、加賀美・岬・ひよりらとともに監禁施設へと向かいます

ZECT保養所の食堂にコックとして忍び込んだ5人は、総司の美味すぎる飯で職員達を食堂に釘付け
その隙に大介が無事ゴンを救出。
5人で潜入する意味ねえ。総司と大介だけでいいじゃん

しかし今回は救出できたものの、ゴンが大介の庇護の下にある以上またZECTに拉致されてしまう可能性がある
ならばゴンが過去の記憶を取り戻し、大介から離れて普通の生活に戻れば襲われることはないはず・・・・
「というワケでこれだ。さあ飲んでみてくれ」
言うなり十杯以上の味噌汁をテーブルに並べる総司。ゴンの舌が覚えていた味噌汁の記憶を呼び覚まそうというのだ
だがそのどれにも首を横に振るゴン。彼女が言うには、もっと爽やかな味がする味噌汁だったとか。大介が反応する
「爽やかな味噌汁・・・そう言えば昨日の居酒屋の味噌汁は爽やかで美味かった」
「その居酒屋はどこだ?」

「これだよ!この味!」
「なるほど・・・なんと隠し味はトマトとはな。これは思いもよらなかった」

総司もウームと唸る味噌汁。ゴンの反応からして、この味噌汁を作れる人物と彼女とは何かしらの縁があるはず
「店主、この味噌汁の作り方はいったい誰から?」
「お客さんに教えてもらってねぇ。ホラ、昨夜兄さんと一緒に来たあの女の人だよ」
ゴンの舌が覚えていた味噌汁を作る女性・順子。そういえば昨夜彼女が持っていた写真は・・・?大介の中で全てが繋がった





「わたしのお母さん・・・?ヤダよ!わたし大介とずっと一緒にいる!」
順子がゴンの母親であることは間違いない。二人を引き合わせようとする大介だったが、離れたくないゴンは泣きそうな顔
「百合子ッ!!」
そこへ順子さんが登場。遠目からゴンを一目見るなり、その名前を叫んで走り寄ります。やはり二人は母子だったのだ
しかし感動の再会と思われたその時、突如現れたビエラワーム。二人を守る為、大介はドレイクに変身してこれに立ち向かう
「お母さんと一緒に逃げろゴン」
銃を乱射しながら二人を逃す大介。強く握っていたゴンの手を離したとき、彼の心中は果たして―
「ふん・・・ZECTに従わない裏切り者め。死ね!」
ここで一部始終を観察していた影山がザビーになって乱入。ドレイクを倒さんと、ビエラワーム入り乱れての戦いになる

「大丈夫!大丈夫よ百合子・・・お母さんがついてるから。もう絶対に離さないから」
その間、戦いの場から離れた順子は恐怖に震えるゴンを強く抱きしめる。そのぬくもりにバスでの記憶が甦るゴン
「お母・・・さ・・・・お母さん!」
「百合子!」


「ライダーシューティング」
ドギャッ!ばごぉ――――ん!!
ドレイクの攻撃でビエラワームは爆発四散。ザビーとの一騎討ちになったところでいつもの如く美味しくカブト登場
「お婆ちゃんが言っていた・・・子供は宝物。この世で最も罪深いのは
その宝物を傷つける人間だとな!変身ッ!」

怒りに燃える総司を相手にへっぽこ悪党の影山が勝てるハズもなく。いいとこ見せずにボコボコにされるザビー
それでもドレイクのライダーシューティングをクロックアップで回避し、ニヤリと笑ってみせる小物っぷりを見せますが―

「ランニングボレー隼シュートだァ!!」
「なにィッ!?」
ずっが―――ん!!!
なんと冒頭の戦闘で見せたライダーシューティングのボレーシュートを連携攻撃として使うカブト&ドレイク
まさかの合体技に不意を突かれたザビーはこれをモロに被弾。ヘコヘコと情けない格好を晒しながら逃げていきました
クロックアップした時間がまだ残っている間、ゴンの髪の毛を愛おしげに撫でるドレイク。それが二人の最後の触れあいだった
『クロックオーバー』




ラストシーン。もう名無しの”ゴン”ではなくなった少女が母親と仲良く街を歩いている。そんな母子の前に1人の男が
「お母さん・・・誰、この人?」
突然現れた見知らぬ男に脅える少女。母親は娘に男の素性を説明してあげようとするのですが・・・
男は母親の言葉を遮り、とても寂しそうな、しかしどこか安心したような表情で彼女にこう言った
「ゴメンね、お嬢ちゃん。キミがあんまり可愛いから思わず声をかけたくなったんだ
キミの可愛さはまさにひとつ・・・ひとつの・・・」
キザな台詞の一番大事な締めが出てこない色男。それをフォローしてくれる少女は、もう彼の傍らには居ない
「いえ・・・なんでもありません。それじゃあ失礼します」

『よかったなゴン・・・オレのことは忘れてしまったか。いいんだよ、それで』
風間大介は去っていく母子の背に最後の別れを告げ、一人バイクを走らせるのだった。
次週へ続く!

なんとも大介がカッコよくて可哀想なラストでした。このオチは切ねえなー
個人的にはゴンの記憶のどこかに大介のことを思い留めておいて欲しかったぞ


第19話

神代の剣

中世ヨーロッパの城を彷彿させる豪華な洋館。その広大なダイニングで年老いた執事を従え、豪華な朝食をとる謎の青年
「いかがでございますか?坊ちゃま。今朝のメニューは舌平目のフルコースでございます
坊ちゃまは英国貴族の名門ディスカビル家の本家筋・・・在りし日の華やかさを忘れぬよう」
「あぁ、今日の朝食も最高だ爺や。名門の名に恥じぬよう、俺は全ての分野で頂点に立つ
いや・・・もう既に立っているか・・・・むっ?」
カラーン!
爺やとの会話に夢中になった青年の手からフォークが落下。代わりのフォークを用意した爺やに、青年が怒りの表情で言う
「爺や・・・その前に落ちたフォークを捨ててくれないか」
「捨てる?しかしこれはディスカビル家に代々伝わる純金製のフォークですぞ?」
「構わん。
フォークの分際で俺の手から離れるとは許しがたい。捨てろ」

なんだこのバカ殿は。自分で勝手に落としたフォークに対して凄まじい物言いです
と、そこで爺やの携帯が鳴る。通話を終えた爺やは青年に畏まって用件を伝えた
「お食事中申し訳ありません坊ちゃま。お仕事でございます」

爺やの運転するなげーリムジンで“仕事”へと出かける青年
しかし爺やはよほど焦っていたのか、スピード違反で白バイ警官に緊急停止させられてしまいます
「スピード違反!免許出して。それとキミ、後部座席でもできる限りシートベルトは締めなさい」
「キサマ・・・誰に向かってモノを言っている?俺の名は
”神代剣(かみしろつるぎ)
神に代わって剣を振るう男だ」

警官に対していきなり喧嘩を売るバカ殿の名は
神代剣。この偉そうな名乗り文句はどっかで聞いたことがあるような・・・
ここで突然前触れもなくワームが出現し、なんの罪もない警官を刺殺。剣はワームの姿に恐れることなく、平然と車から降りた
「ワームか・・・ありがたい。仕事が早く済む。変身!」
地中から現れたサソリ型のメカを、持っていた剣の柄にはめ込む剣。見る見る彼の身体が鋼鉄のスーツに覆われていく!
そう、この男こそ第4のライダー・サソード
どうでもいいが目の前で一般人が殺されたのに「ありがたい」はねえだろ。なかなか人格的に破綻したボンクラバカボンです
サソードはマスクドフォームのまま華麗な剣さばきで3体のワームを撃破。でも中身の人間が強烈すぎて戦闘の印象は薄いな

「今回の報酬だ」
「たしかに。ありがとうございます」

ZECT本部で三島から小切手を受け取る爺や。その額は360万円。どうやら剣はワーム一体120万でZECTと契約している模様
三島は新たなる指令として剣にカブトとドレイクの抹殺を指示するが、剣は強気にもこの命令を真っ向から拒否します
「勘違いするな。俺はお前の部下じゃない
ワームを倒し、金を貰う・・・その契約以上の事を俺に求めるな
だが安心しろ。ワームどもは全てこの俺が倒してやる・・・必ずな」

あくまで自分は金で雇われた仕事人であり、契約以外の命令を聞く義務はないという剣。しかしそのワームに対する憎悪は・・・?





「町内会のサッカーの助っ人か・・・いいだろう。弓子さんには世話になっているからな
だが条件がある。
メンバーは俺一人でいい。他は足手まといになる」

その頃、弓子の頼みで町内のサッカーチームの助っ人をすることになった総司。しかし
条件アホすぎ
無謀すぎる
サッカー版逆境ナイン。まぁ、たしかに総司なら1人でも勝てるだろうとは視聴者も思いますが・・・

試合当日。たった一人でフィールドに立つ総司と、その対戦チームのメンバー・・・ってなんかいるー!!!
「キサマどういうつもりだ?他のメンバーはどうした」
「見てのとおりだ。こっちは俺一人で戦う」
「正気かキサマ・・・
ならばこちらも俺一人で戦おう」

相手チームに何故かバカ殿。こんな町内イベントに参加するあたり、割と庶民派なのか
かくして1ON1サッカーを始める総司と剣。ともに常人離れした脚力で・・・って言うか
少林サッカー
二人の力はまるで互角。試合は引き分けに終わりましたが、当然それで納得する性格の二人じゃありません
「俺は全てにおいて頂点を極める男。引き分けなど許されん」
「それはこっちの台詞だ。ケリをつけるぞ」

バスケット、バレー、卓球、剣道、そしてボウリング・・・
さまざまな種目で雌雄を決さんとする二人でしたが、そのいずれにおいても勝負はつかず
立会人になっていた加賀美とひよりもいい加減ウンザリし、今日の所は引き分けということで両者を納得させるのだった
「天道総司。天の道を往き、総てを司る男」
「神代剣。神に代わって剣を振るう男だ」
後日の再戦を誓って名乗りあう二人。キャラが被ってるだけじゃなく実力まで同等とは剣、とてつもない男です

その夜、剣は悪夢にうなされる。もう何度も何度も繰り返し見てきた
姉がワームに殺される夢
「ねえさ・・・・ねえさん!」
「坊ちゃま!しっかりなさいませ坊ちゃま!・・・またあの夢でございますか?」

駆けつけた爺やに起こされホッと胸を撫で下ろす剣。あの俺様節はどこへ行ったのか、なんとも弱々しく口を開きます
「爺や・・・お願いだ。俺が寝つくまで・・・傍に居て」
まるで小さな子供のような泣き顔。この昼間とのギャップには腐女子が大喜びしそうね
天然であんな性格の総司とは違い、おそらくこの神代剣という青年はこの弱い姿の方が本質なのでしょう
現在の彼の「俺様」スタイルは、最愛の姉を失ってから無理矢理に創り上げた仮面の姿のような気がします





「う・・・ウソだろこんなの・・・なんで・・・?」
そんな折。最近世間を騒がせている謎の美術品強盗”怪盗シャドウ”なる人物の盗みのシーンが入り
いつものごとく対ワーム用の設置カメラをチェックしていた加賀美は、偶然にも怪盗シャドウの素顔を目撃してしまう
その驚愕すべき人物とは・・・・・?

「岬が怪盗シャドウだと?」
「し、信じられないのはわかる。俺も同じだ。でも本当なんだ!」
「加賀美・・・俺から言えるアドバイスはひとつだ。病院へ行け」

加賀美がモニターで目撃してしまった怪盗シャドウの正体。驚くなかれ、それは彼のよく知る
岬女史その人!
とりあえず総司に相談してみる加賀美でしたが、あまりにも突拍子の無い話に流石の総司もこの反応
こうなったら加賀美が相談できる人物は1人しか残されていません。言うまでも無く岬との共通の上司、田所さんです
「た、田所さん!信じられないとは思いますが真剣に聞いてください
実は巷で噂の怪盗シャドウ・・・
正体は岬さんなんです!」

「・・・そうか加賀美・・・実は俺もお前に教えておきたいことがある」
「え?」

その夜。再び美術館に盗みに入った怪盗シャドウは、不覚にも警察の敷いた包囲網に完全封鎖されてしまう
このままでは捕まってしまう・・・シャドウが半ば諦めかけたその時、どこからともなく現場に煙幕弾が撃ち込まれた
「岬さん!こっちです早く!」
煙幕に紛れてまんまと現場から逃げ出すことに成功した岬&加賀美。待機していたZECT指令車でトンズラします
「助かったわ加賀美君。まさかあなたが仲間になってくれるなんてね」
「へへへ、何言ってんスか。俺だってただ真面目なだけの男じゃないっスよ」
「フフ・・・どうやらこれからも3人で上手くやっていけそうだな」

えー?なにこれ
岬の正体を知っていたどころか
その一味だった田所。更には加賀美まであっさり仲間に加わります
明らかにZECT本部の意思とは関係ない個人行動と思われる泥棒業。果たして一体これはどういう事なのか?





ラストシーン。怪盗シャドウの一味が華麗な脱出劇を展開していた頃、夜の街に出現するセパルチュラワーム
網を張って待ちかまえていた総司がカブトに変身しようとすると、そこに割って入る1人の人影
「お前は・・・」
「ほう。誰かと思ったらキサマか・・・助けてやるからとっとと逃げるんだな。変身!」
言わずもがな神代剣である。総司の目の前でサソードに変身すると、セパルチュラワームに斬りかかっていく
「なるほどな、そういう事か。だがお前に助けられるまでもない・・・変身!」
「何ィ!?キサマは!」

神代の正体を知った総司は構うことなく彼の眼前でカブトに変身、セパルチュラワームに攻撃を仕掛ける
しかし二人でワームを倒そうとした総司の考えとはまるで逆の事態が発生。なんとサソードがカブトを攻撃してきた
「お前・・・どういうつもりだ」
「全てのワームはオレの獲物だ!手を出すなッ!!」
『チェンジ・スコーピオン』
キャストオフしたサソードは執拗にカブトを攻撃。その隙にワームに逃げられてしまってまるで本末転倒です
今度はライダーとして激しい戦いを繰り広げるライバル2人。スポーツでは決着のつかなかったその力量、
果たして戦闘力に軍配の上がるのはどちらか?
次週へ続く!


第20話

忌まわしき記憶

「全てのワームはオレの獲物だ!邪魔をするなら殺す!」
ワームに対して激しい憎悪を燃やす剣は、戦闘に割って入ったカブトに激昂し襲い掛かってきた
剣の柄を受け止めた総司は鍔迫り合いの状態から変身を解除し、頭を冷やせと諭す。とりあえず我に返った剣も変身を解きます
「お婆ちゃんが言っていた・・・”男は常にクールであれ”。沸騰した水は蒸発するだけだ」
「フン、爺やが言っていた・・・”男は燃えるもの”。火をつけなければ花火も上がらないとな
ともかく二度と俺の邪魔はするな。ワームは一匹残らず俺が倒すんだからな」

じじばば語録対決。
果たして男は熱くあるべきか涼しくあるべきか
捨て台詞を残してその場を去る剣。能力や性格こそ似た二人だが、その考え方はまさに水と炎。相容れぬ宿命なのか

自宅に戻り、ティータイムに一息つく剣。しかしじいやが出したローズティーを見るや、カップを投げ捨ててこれに激怒する
「忘れたのかじいや。俺は・・・薔薇が嫌いだ」
辺り一面に咲き乱れる薔薇の花の中、突如現れたワームによって命を奪われた姉。姉を守れずに気絶させられた自分
あの惨劇以来、剣の中で薔薇はトラウマの象徴イメージとなったのだ。苦い記憶に唇を噛み締め、剣は姉に誓うのだった
「姉さん・・・仇は必ず取るよ・・・」





「ほらほら見てください岬さん!昨日のニュース出てますよ!」
「とんだ浮かれぶりだな。お前に怪盗シャドウが務まるのか?」

怪盗シャドウとして岬らと行動することが楽しい加賀美。・・・と、そこに現れた総司は岬らがシャドウと聞いてもまるで驚かない
それもそのハズ。岬曰く、既に総司には加賀美よりも先に事実を打ち明け、用心棒としてサポートしてもらっているのだと言う
結局天道が頼りなのかよ、とどこか面白くない加賀美。そんな折、彼は落ち目一直線野郎
影山に呼び出されます
「聞いてますよ。新しいワームですね?もう被害者は6人目だとか」
「あぁ、今回のワームは変わっててな。狙われるのは刑務所に行くような悪党ばかりだ
だが今日お前を呼び出したのはその話じゃない。
お前岬さんをどう思う?

信じられない事だが・・・彼女が怪盗シャドウだという情報がZECTに入ってきている」
「そ、そそ・・・そんなバカな事あるワケないじゃないですか!」
既にZECT上層部にも知るところとなっていた岬達の疑惑。核心を突かれ、慌てて誤魔化す加賀美ですが態度でモロバレです
「本来なら警察の仕事だがな・・・ZECT内部に犯罪者がいるとなるとなれば放っておけん
お前が言うな少女誘拐犯!
どの口からこんな台詞が出てくるんでしょうか。面白すぎます落ち目王
加賀美の怪しすぎる挙動のおかげで更に疑惑を深めた影山。「真実はじきにわかるさ」とだけ言って去っていきました

「失礼します。怪盗シャドウという名はご存知ですか?」
「今話題のアレかね。それが?」
「・・・ご子息がその一味であるという情報を入手しました。いかがしましょう?」
「ほう・・・ちょっとビックリ」
加賀美の父・陸もまた、三島から息子の疑惑を聞いてこの反応。ってちょっとだけなのかよ。動じない人だなぁ
ZECTの長たる陸は息子だからとて特別扱いはしません。もし疑惑が本当ならば加賀美も処断せよと命令するのでした
「獅子心中の虫・・・か。しかしビックリ」





その頃、なんの気まぐれかじいやに代わって夕飯の買い物に出かけた剣。聞けばこの歳になって初めてのおつかいだそうな
「まぁ任せろじいや。俺は買い物でも頂点を極めてみせる」
行く先々でハチャメチャな
俺様ショッピングを炸裂させては他の客を大迷惑に陥れるバカ殿・剣
その都度現場に現れては土下座してフォローして回るじいや
マジ苦労人。主が馬鹿だと従は本当に大変だな
しかし買い物の迷惑だけで済んでいれば良かったのですが。横断歩道を渡らずに道を横切った剣のせいで交通事故が発生
運悪く事故車に総司の妹・樹花が乗り合わせており、額に軽いケガを負ってしまいます。話を聞くや烈火の如く怒る総司

「じいやゴメン。なんか迷惑かけてしまったみたいだな」
警察で事情聴取を受けた後、じいやに迎えに来てもらった剣。他人には謝らないクセにじいやに対しては素直に謝るんだな
と、剣がリムジンに乗り込もうとしたその時総司登場。いきなり何も言わずにバカ殿の顔面を殴りつけます
”バキィッ!!”
「ぐっ!いきなり何をするかキサマ!」
「当然の報いだ。お前の起こした事故のせいで妹が怪我をしたんだからな!」
「ッ! お前・・・妹がいるのか・・・そうかさっきの俺の事故のせいで・・・
それはすまない事をした。俺が悪かったと妹さんに伝えてくれ」

総司が妹を傷つけられて怒っているのだと知ると、自らの姉を重ね合わせる剣。ここは素直な気持ちで侘びを入れます
互いに
シスコンゆえのシンパシーか。自分の非を認めて頭を下げた剣に総司の怒りも氷解。拳を収めるのでした
「・・・・わかれば・・・それでいい」





そんな中、怪盗シャドウからの予告状が神代家にやってきた。ディスカビル家の家宝「祈りの母子像」を盗むとの事
「フン面白い。怪盗シャドウめ。来るならこい・・・像を守るのはこの俺だ」
予告カードを見ても屁とも思わない剣。たしかにコイツが相手となると、岬や加賀美ごときでは到底敵うとは思えません
やはり剣を押さえ込める人間となればこちらも・・・・・
「待て岬、今回の相手は厄介だ。俺が手を貸してやる」

「お前は・・・お前が俺の先生だと?」
「教えてやろう。ありがたく思うんだな」

ピアノの家庭教師として屋敷に入った総司。剣と一緒に華麗な連弾を披露します。ホント何でも出来るな
その隙に同じく像の警備と称して屋敷に潜入していた加賀美が像をゲット、2階から庭に待機していた岬に投げ落とす
見事な連携プレーでまんまと像を盗み出すことに成功したシャドウ一味。しかし逃げる岬の前に現れたのは・・・・・
「やはり貴女がシャドウだったんですか。岬さん」
落ち目王・影山!岬達を捕まえる為、現場を張っていたのだ。しかしそんな影山に岬が全てを吐露
「違うのよ影山くん。これはワームをおびき寄せる囮作戦・・・・
犯罪者だけを狙うワームをね!ホラ任せたわ影山くん!」
「怪盗シャドウ」は犯罪者を狙うワームをおびき出す為の囮だったのだ。それを証明するかの如く出現するセパチュラワーム
なにこの強引すぎる話
適当な犯罪者に的を絞って張りこんでればいい話じゃないか・・・わざわざ自分達が犯罪犯すなんてナンセンスすぎる
流石に視聴者も頭をひねるあんまりな展開。影山はザビーに変身、岬を救い出すと、下級ワームを次々に撃破していく





「ライダースラッシュ」
『ライダースラッシュ』
ザシュドシュザドバシュッ!ぼがーん!!
ラスト。ザビーの猛攻からは逃れたセパチュラワームだったが、カブトとサソードに見つかってしまいボコボコ
最後はサソードの必殺技・ライダースラッシュによってなます斬りにされて爆発四散する
再び相対するカブトとサソード
「あの時言ったはずだぞ・・・二度と俺の邪魔はするなと」
やはり二人の激突は避け得ないのか。カブトに襲い掛かろうとしたサソードだったが、その剣の身体を突然の変調が襲う
戦闘を預け、よろよろとおぼつかない足取りでその場をトンズラする剣。一体彼の身に何が起きたというのか?

「はぁ・・・はぁ・・・か、感じる・・・ヤツの力を・・・
ヤツが近くにいる・・・ど、どこだ?どこにいる!?」

まるで悪夢にとりつかれたようにつ呟く剣。彼が感じている気配「ヤツ」とは、姉を殺したスコルピオワームの事である
すぐ近くに憎い憎い姉の仇を感じる。しかしその姿はどこにも見えず、突然自分の身体を蝕み始めた原因不明の変調
その苦しみが頂点に達した時。彼は信じがたい現実を見る
「う・・・・うぐおおおおおおあああ〜ッ!!」
なんと神代剣の身体が
スコルピオワームへと変貌を遂げたではないか

愛する姉が殺された時、彼もまたスコルピオワームに殺され、擬態されていたのか?
そして何かしらの原因で自分がワームである記憶を失い、人間・神代剣として復讐者となった?
衝撃映像の真実は果たして?次週へ続く!


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