21話

5番目の凶力

ZECT本部。シャドウスーツを装着した田所さんが鋼鉄製の実験室に入れられ、クワガタ型のゼクターと対峙している
5つ目となる新たなマスクドライダーシステム、
「ガタック」の資格者探しが行われているのだった
しかしガタックゼクターは未だ誰一人として資格者を選ばず、田所さんもまた実験に失敗して瀕死の重傷を負ってしまう
「既に何人もの被験者が命を落としかけていますが資格者はまだ現れません
しかしガタックはマスクドライダー計画の要・・・このまま諦めるワケには」

芳しくない現状を陸に報告する三島。そんな三島に向かい、いつもの如く妙ちくりんな例え話を上げて指示を出す陸
「アブラハムだったかな。彼は神への信仰心を示す為に我が子の命さえ捧げようとした」
「それは・・・・御子息さえも被験者として試す覚悟がお有り、と?」




その頃、身売りされた渦中の息子・加賀美新はワームの巣窟となっているという操業を停止した工場の前にいた
岬は急遽入った田所入院の報に病院へ急行、加賀美が単身工場へと潜入する。
コイツ迂闊すぎる
わらわらと湧き出す数え切れないほどのワーム。絶体絶命と思った加賀美を救ったのは、なんと子供の声だった
「お兄ちゃんこっち!早く!」
複雑な工場内の中の、地下空間の隠れ家に逃げ込んで事なきを得る加賀美。何故こんな所に子供がいるのか
少年の名はマコト。話を聞けば、彼がこの工場に閉じ込められてから既にかなりの日数が経っているという
父親が工場に住み込みで働いていた為、内部の構造を熟知していたマコトはこの空間に隠れて難を逃れたのだ

大事そうな望遠鏡を加賀美に見せ、いつかムーンボウを見るんだ、とキラキラした目で語るマコト少年
「ムーンボウ?なんだいそれ?」
「月の光で見える虹のことさ。
見ると幸せが訪れるんだって
ま、ここにいる限り絶対無理だけどね」

「・・・マコトくん。俺と一緒にここから脱出するぞ。ムーンボウを見るんだ」

マコトを連れて工場からの脱出を図る加賀美。しかしやはり大量のワームに取り囲まれてしまう結果に
子供を庇いながらではとても逃げられないと判断した加賀美はマコトを隠れ家に戻らせ、単身飛び出す
「マコトくんあの部屋に戻れ!俺が必ず助けを連れて戻ってくるから!」
「お兄ちゃん!約束だよ!」

咄嗟の機転でフォークリフトに飛び乗り、ワームをドカドカ轢きながら無事工場の外へ
途中、加賀美本人に擬態したワームに襲われるが、そこに颯爽と現れたのは影山ザビーとシャドウ部隊!
擬態したワームは取り逃がしてしまったが、とりあえず工場からの生還に成功した加賀美であった




「まったく余計な事をしてくれたな。お前のせいでこっちの計画がパーだ」
「それは謝りますから影山さん!あの工場にまだ生存者が居るんです!
いますぐ突入して彼を助け出してやらないと!」

変身を解除して文句タラタラの影山。シャドウは既に工場の状況を掴んでいたが、加賀美に先走りされたのだ
加賀美はマコトが取り残されている事実を告げるが、影山は「そんなはずはない」と報告を一蹴する
「子供だと?バカな。ならきっとそいつもワームに違いないさ」
「そんな・・・あのマコトくんが・・・ワーム?」
手に残ったマコトの望遠鏡に目を落とし、呆然と呟く加賀美。いや・・・あの子がワームであるハズない

なんとかマコトを救出したい加賀美は病院の田所に相談。しかし田所も岬も「その子供はワーム」だという
あの工場はまもなくシャドウ部隊による殲滅作戦によって破壊される。子供の事はもう忘れろ、と
「で、でも田所さん!俺は必ず助けるってマコトくんと約束を・・・!」
「加賀美。バイトの時間だろう行って来い。そしてもう戻ってくるな」
あまつさえ冷淡に加賀美を突き放す田所。憤慨して病室を飛び出した加賀美だったが、彼の前に三島が現れる
「田所くんは本当に部下思いだな・・・君は彼が何故入院したか知っているかい?
本部から被験者を出せ、と命じられた彼は可愛い部下を危険に晒したくないと
自らがその役目を買って出たんだよ」
「・・・それであんな大怪我を・・・アンタは組織の人間か?
田所さんは一体何の実験を?」

「新たなライダー・ガタックを生み出す実験だよ。誕生すればZECT最強のライダーだ
ワームの巣窟だろうとたった一人で乗り込めるほどの・・・ね」

言葉巧みにガタックの資格実験を薦める三島。無論今の加賀美にとってこの話は渡りに船。断る理由などない
岬が必死に止めるのも聞かず、一人実験室へと向かった加賀美はガタックゼクターと対峙するのだった
「お前の力が必要なんだ・・・来い!ガタックゼクター!」





その頃。弓子さんが休みでピンチヒッターとして総司が厨房に入っていたビストロ・ラ・サルに来訪者
「ほう・・・これが庶民の店というものか。まるでウサギ小屋だな」
「なんだ。誰かと思えばお坊ちゃまくんか」
なんと神代剣。前回の衝撃のラスト、スコルピオワームへの変身には
微塵も触れず普通に登場
庶民の味とタカをくくっていた総司の料理を一口食べるや、「これは意外だ」とでもいう驚いた反応を見せます
「この味は・・・じいやの味に似てる」
剣の反応に興味を持ったじいやも総司の料理を一口
「なるほどたしかに・・・しかし坊ちゃまの趣味に合わせるにはもう一味足りませんな」
かくして総司とひよりに頼んで厨房に立たせてもらうじいや。外食しても結局じいやの料理じゃ意味ねえじゃん
「あの手つき・・・タダ者じゃない」
「うん。やはりじいやの料理は最高だな」
料理の腕前はじいや>総司なのか。しかしその直後、ひよりのスープに口をつけた剣はその美味さに衝撃を受ける
「繊細にして大胆・・・これは初めての味だ。キミに名誉を与えよう
俺の誕生パーティーで料理を作ってくれ」

ひより>じいや>総司なのか
身勝手に命令して店を去るバカ殿。二人が去った後、じいやの料理を口にした総司はその味に驚愕するのだった
「な・・・?この味つけは・・・あの爺さんまさか?」
なんでしょうかこの意味ありげな反応は。もしかしてじいやは総司の婆ちゃんと何か関係があるとか?うーむ気になる





「くそ。わからない・・・この隠し味は何を使ってる?」
じいやの料理の秘密を見抜けず、敗北感に沈む総司。その時彼の携帯に岬からの緊急連絡が入った
「なに?加賀美が瀕死の重症を負っただと?」
現実とはかくも非情なものか。決死の覚悟も虚しく、加賀美はガタックゼクターに選ばれることはなかった
重症を負った加賀美は集中治療室へ運ばれ、岬は加賀美に擬態したまま逃走したワームの始末を総司に依頼
「やれやれ加賀美め・・・ほとほと迷惑をかけるヤツだ」
電話では岬の願いを無碍に断った総司だったが、そこはそれ毎度のパターン
その夜、擬態したワームが加賀美の治療室へ現れると、医療スタッフに成りすましていた総司がこれを阻む
「お婆ちゃんが言っていた。本物を知る者は偽物には騙されないとな
せっかちな加賀美に擬態したワームのことだ・・・
すぐにオリジナルを消しに来るだろうと読めていた
変身ッ!」
カブトに変身した総司は病院の壁をブチ破ってワームとともに外へ。クロックアップして追い込みます
が、トドメのライダーキックを見舞った瞬間、下級ワームが身代わりとなってこれを防御。取り逃がしてしまう
瀕死の重傷を負った加賀美、その助けを待つマコト少年
シャドウ部隊は工場を包囲し、加賀美に擬態したワームは未だ健在

急を告げる事態!これを打破できるのは5番目の凶力か
久しぶりに猛烈に続きが気になる引きで次週へ続く


22話

貫く自分

病院のベッド。ガタックの適性テストに失敗し、意識不明の重体だった加賀美がようやく意識を取り戻した
付き添っていてくれた岬さんに自分の無力を嘆く加賀美。思いだけではどうにもならない現実を痛感する
「俺、思い切りぶつかれば何でも克服できると思い込んで・・・本当バカですよね
こんな俺が資格者になんてなれるワケないのに。こういうの一番格好悪いですよ
・・・・岬さん、マコトくんの救出の件はどうなってます?」

「残念だけど。あの工場の中にいるのは全てワームと断定されたわ
だから本部は・・・
あの工場の殲滅作戦を決定した」

呆然としたままマコトの望遠鏡を眺めていた加賀美だったが、意を決したように点滴を引き抜きマコト救出に乗り出す
そんな身体では無理だと必死で止める岬だが、加賀美の熱血ぶりを評価する田所さんはこれを制して後押しする
「加賀美・・・お前は確かに大馬鹿だ。だが俺はお前のそんなところが嫌いじゃない
行ってこい。ひたすら前へ突っ走れ」
今までも暗にアドバイスをくれたりはした田所さんですが。こうハッキリと口にして激励してくれたのは今回が初めて
尊敬する上司から背中を押された加賀美は、少年との約束を守る為再び悪魔の巣窟へと赴くのだった




その頃、サルでは総司とひよりが剣の誕生パーティーの為に店内を装飾したりと準備に奔走中
特にひよりは
ツインテールのメイド姿。「なんでボクがここまで」とぶすくれ顔です
「仕方あるまい。あの人の頼みならば聞かないワケにはいかん
俺が世界の宝とするなら・・・さしずめあの人は人類の宝と言ったところか」

じいやを激しくリスペクトする総司。本当に何者なんでしょうかじいや
間もなくバカ殿が来店すると、総司は待ってましたとばかりにじいやに料理を差し出します
「昨日の隠し味の秘密がようやく解けましたよ。食べてみてください」
「む・・・・ほほう。よくぞ見抜きましたな」

「昆布を細かく砕いてあの微妙な風味を出すとは・・・流石ですね」
22話にして初めて
この男が敬語使ってるシーンを見ました。凄すぎるぜじいや

そんなこんなで誕生パーティー。ひよりが作った料理にいちいち感動するバカ殿が面白すぎます
「おお、これも初めて見る料理だ!」
「ただの肉じゃがだけど」
「美味い!この肉は初めて食べる・・・なんという肉だ?」
「スーパーで買ったこま切れだけど」
「”コマーグィレ”か。
覚えておこう。
で、こっちの素材は・・・
「それもスーパーで買ってきたやつだけど」
「なるほど。”スーパー”と言うだけあって相当な名店のようだな」
肉じゃがをフォークとナイフを食べ、「こま切れ」を
フランス語風に発音してものすごい勘違い
あまつさえスーパーマーケットを
スーパーな店と解釈したり、流石の総司もズッコケの連続です




工場殲滅作戦を決行しようとしたシャドウ部隊でしたが、三島から「サソードの力を借りろ」という命令を受けてしまった影山
剣の助力など必要ない、と反論する影山でしたが命令だと言われては逆らえません。仕方なくサルへと足を運びます
「ようお前か。また皿洗いでもしに来たのか?」
「おっ・・・お前は天道寺総司郎!」
サルに対してトラウマを持つ影山。そのトラウマとの久しぶりの対面に狼狽気味。気を取り直して剣に用件を伝えますが・・・
「断る。まだ誕生日の歌を聴いていない・・・そうだ、お前が歌え」
「ふざけるな!何で俺がそんな事を・・・!」
「坊ちゃまは一度機嫌を損ねられると意地でも動きません。ここはどうかおひとつ」

「きょうっはー♪たっのしーいたんじょおーびー♪」
かくして歌を歌わせられる羽目になった影山。パーティーハットをかぶせられ、恥辱にまみれた怒りの形相がイカしてます
「楽しそうじゃないな」
「もっと笑顔でお願いいたします」
「(怒)みっんなーだいすっきーおぼっちゃーまー♪」

「ますます気持ち悪くなった」
「もっとマイルドに」
「(怒)おっめでとー!おぼっちゃまー♪」

あまりに可哀想すぎて正視に耐えない
プッツン寸前ながらも必死にそれを堪え、組織のためと懸命に笑顔を作りながら歌う影山。お前ってヤツは・・・・ッ!
落ちぶれ道も極まるところまで極まり、最高の弄られキャラと化したヘタレ王。総司もひよりも同情するしかありません
「中間管理職はツライな・・・」





屈辱の末、なんとか剣を説得した影山はシャドウ部隊&剣ともに工場を包囲し、作戦決行準備完了
しかしその時、シャドウ部隊をすり抜け工場へつっ込んでいく一台のモトクロスバイクあり

「マコトくん俺だ加賀美だ!約束通り助けに来たぞーッ!」
重傷の身を省みない激しいバイクアクションで颯爽と登場!なんだよカッコよすぎるじゃないか加賀美!
加賀美の突入を合図にシャドウ部隊とサソードも工場へなだれ込む。あっという間に敷地内は大乱戦に
「お兄ちゃん!」
「マコトくん無事だったか!さあ一緒にここから逃げるぞ!」

ほどなくマコトを見つけて一緒に脱出を図るが、次から次へと現れるワームに前へ進めない加賀美
途中、いつもの如く助けに来てくれたがカブトがブラキペルマワームを撃破するが、そこに新手登場
スコルピオワーム。そう、神代剣の正体。剣は戦闘中に例の発作を起こしてワーム化したのだ
その正体を知る由もないカブト。他のワームとは一線を画すスコルピオと一進一退の攻防になり、加賀美らを援護できない
影山があんな思いをしてまで連れてきたのに何をやってるんだ。剣マジ邪魔者
ちなみにワームの本性を現してる間はやはり、人間・神代剣としての記憶や人格は消え失せているようです

工場の一角に大量に産みつけられたワームの卵を見る加賀美。この工場がワームの巣になっていた原因である
これが全て孵化したら大変な事に・・・と唾を飲むが、自分に擬態したブラキペルマワームに追い詰められてしまう
鉄パイプを拾い、マコトを逃すため果敢にもワームに挑みかかる加賀美。しかし・・・・
「マコトくんは1人で逃げろ。ここは俺がなんとかする」
「もういいよ。お兄ちゃんを一度逃したのはね、
もしかしたら工場殲滅作戦を止めてくれるかもしれないって思ったからさ
だからもう・・・お兄ちゃんは用済みなんだよ!」
”ドズゥッ”
加賀美の腹部に深々と突き刺さる触手。それはマコト少年の身体から生えていた。己が目と耳を疑う加賀美
マコト少年はやはりワームだったのだ
2体のワームの攻撃を受け、裏切りの絶望の中であえなく倒れて
絶命してしまう加賀美
副主人公22話にしていきなり死亡。しかしワーム2匹が去った後、顔の見えないスーツを着た謎の人物が現れる
その人物は動かなくなった加賀美の身体にガタックのライダーベルトを装着させて・・・・・・





シャドウ部隊の追撃から逃れようとする擬態加賀美と擬態マコトの前に1人の男が立ちふさがった
先ほど絶命したハズの加賀美である。ガタックベルトの超パワーによって
奇跡の蘇生を遂げたのだ
何がどうなって生き返ったとか
詳しい説明は一切ないがとにかく生き返ったのだ!
「人と人との信頼まで利用するワーム・・・絶対に許さん!
変・身ッ!!!」
天井をブチ破って飛んできたガタックゼクターをキャッチすると、怒号とともに仮面ライダーガタックに変身
1対2という数の不利などなんのその。「最強のライダー」の名に恥じぬ戦闘力でこれを圧倒
自分に擬態したワームを
ゾルダみたいなキャノン砲で撃破し、残るはマコトワーム一匹
「お兄ちゃん・・・まさか僕を殺すの?そしたらマコト君の記憶も消えてしまうよ」
と、ここでマコトワームは外道にも人情に訴える命乞い。甘ちゃん加賀美は性懲りもなく躊躇してしまいます
「どけ。そいつは俺が殺る」
「待ってくれ天道。ここは俺に任せてくれ」
やって来た総司が割って入ろうとしますが加賀美はこれを拒否。あくまで決着は自分の手でつけるつもりか
キャストオフし、マコトワームを追い込むガタック。流石に騙しきれないかと観念したワームでしたが・・・
加賀美はここで突然天井を切り裂くと、望遠鏡をマコトワームに手渡してこう言ったのでした
「どうしても君に・・・これを見せてやりたかった」
「あ・・・・」

『月の光で見える虹のことさ
それを見るとね、幸せになれるんだって』

月の光がもたらす虹ムーンボウ。加賀美とマコト少年が交わした約束だった
「お兄ちゃん・・・・お人好しだね」
望遠鏡を受け取った手でガタックへと攻撃を仕掛けるマコトワーム。それを回避し、別れの一撃を放つ加賀美
「ライダー・・・キック!」
『ライダーキック』
ふわりとワームに向かってジャンプするガタック。カブトのキックとは違い、往年の仮面ライダーよろしくの飛び蹴りなのか?
ぶおん!!シュガァッ!!
ゲェーやっぱ廻し蹴りだったァーん!ガタックのライダーキックは「飛び廻し蹴り」
別に普通の飛び蹴りで良かったと思うんだが。この廻し蹴りに対する執着にはなにか意味があるんだろうか。謎だ





マコトワームに致命傷を負わせたガタック。しかし丁度その時、工場内に爆弾を仕掛け終わったシャドウ部隊が撤退を完了した
「影山隊長。爆薬設置完了しました」
「よし。爆破しろ」
ドッガァアアアアアアアン!!!
まだ中に味方が居るにも関わらず爆破命令を下す影山。網の目のような工場の通路を猛烈な勢いで覆い尽くす爆炎
その炎がガタックに迫ったその瞬間、まるで炎からガタックを守るようにひとつの影が立ちはだかった
ボッゴァアアアアアアアアアア・・・・・・・・!!!
「まっ・・・・マコトくん!!」
それはムーンボウの約束を守ってくれた青年への感謝の気持ちであったか。まさに命燃え尽きようという最後の瞬間、
ブラキペルマワームではなく、マコトという1人の人間として。彼は爆炎から加賀美を庇ってその短い生涯を閉じた
チクショウ泣かすぜ!!!(号泣)
人間に擬態したワームはその人間の記憶を有するからして。その人間の記憶・人格が強力に働いた場合
擬態された人間の意思がワームのそれを上回ることがあるのだ。仮面ライダーサソード・神代剣が良い例であるように
うーんイカスなこの場面は。このシーンを描くためにワームの設定があったと言っても過言ではない魅せ場です

ラストシーン。瓦礫と化した工場の中で立ち尽くすカブトとガタック、二人のライダー
「相変わらず甘いヤツだ」
「俺は・・・俺にしかなれない・・・でも
これが俺なんだ」

何度甘いと言われようと。例えその甘さが命取りになる日が来ようとも。それが偽りなき自分。貫き通す信念
仮面ライダーカブト第22話。ついに主人公&副主人公、二人のライダーが並び立つのだった。
次週へ続く!


23話

7年前の少年

シャドウ部隊が厳重に監視する鋼鉄製のごっついゲート。その中から現れたのは顔面蒼白の田所さんと三島です
「まさかこんな・・・なぜ私をエリアXに入れたんです?」
「あれくらいで動揺していてはZECTの指揮官は務まらんぞ
ガタックを得たことでマスクドライダー計画は次の段階に入った
そしておそらく・・・ワームもな」

渋谷廃墟。7年前、隕石が落下したまさにその地点
「エリアX」は現在ZECTの監視下で立ち入り禁止区域になっている
今にもゲロ吐きそうな表情の田所さん。彼はエリアXで何を見せられたのか?三島の言う「次の段階」とは?

その頃、道を歩いてたら唐突にジオフィリドワームに襲われたひより。そのピンチを颯爽と救ったのはガタックである
「いよっしゃあー!やったぜ俺!」
ガタックの力はライダー中最強。ワーム一匹なぞ瞬殺です。圧倒的な自らの力に酔いしれる浮かれトンチキ野郎加賀美
迂闊にも、変身を解いてガッツポーズする一部始終をひよりに目撃されてしまいます。瞬間、ひよりに7年前の記憶が・・・
「あのベルト・・・間違いないあの時の・・・!」

”最強のライダー”ガタックの誕生によって思わぬ弊害を受けていた人物がここに1人。バカ殿・剣に仕えるじいやです
ワーム一体始末につき100万円の報酬でサソードと契約していたZECTは、ガタックを得た事によりこれを破棄
剣には事実を知られないようにひた隠しにしてきたじいやですが、実は
神代家の財政は火の車
収入源がなくなった今、あのボンクラ坊ちゃまの贅沢を維持する術は老体に鞭打って
働きに出るしかありません





「バカな・・・何故あなたほどの人がこんな所で屋台など」
ふと立ち寄ったラーメン屋台でじいやを発見し激しく驚く総司。じいやを心から尊敬する総司にとって、これは由々しき事態
「人類の宝にこんなことをさせるわけにはいかない」と、総司が屋台の代行を買って出ることに
「オジさん、ラーメン一丁・・・って天道!お前何やってんだこんなところで」
「修行だ。料理の道は奥が深い。そういうワケだから今後ラーメンはここで食え。いいな?」
その屋台に偶然やってきたのはワームを倒してご機嫌の加賀美。総司から今後店に通うよう強要されますが・・・
「フン、俺はこう見えてラーメン通なんだ。俺の食うラーメンは・・・俺が決める!」
何に影響を受けてるのか知りませんが、妙にカッコつけて割り箸を割る加賀美が笑えます
ズビズバー
「う・・・うめえ!」
一口食べて陥落し、結局最後は総司に丸め込まれてひよりとともに屋台の手伝いまでさせられるハメに
しかしそんないつもと変わらぬ帰り道、ひよりがガタックのことを直接加賀美に質問。加賀美は口ごもってしまう
「あの変なのはお前だろう。あのベルトも・・・お前のだったのか?」
「べ、ベルト?な、なんのことだか知らないな」
「じゃあ天道のだったんだな」
「・・・違う」
「そ、そうそう!コイツと俺とのベルトは違うやつで・・・・あっ!」

厳しい追及に狼狽し、言わなくてもいい余計なことまで口走ってしまう加賀美。ひよりはその場を走り去ってしまいます

「お父さん・・・お母さん・・・あたし最低だ・・・・
天道も加賀美も・・・いつもあたしを守ってくれてるのに・・・」

形見とおぼしき緑の石を手に、両親の墓前にたたずむひより。彼女とて二人が自分の味方であることは承知しているのだ
だがそれでも。7年前のあの時、両親を殺したベルトの少年があの二人のどちらかだったら・・・疑心暗鬼にかぶりを振る
「ひより・・・御両親の墓か?」
1人ひっそりと涙を流していたひよりに声をかけたのは加賀美。そこで彼はひよりから7年前の少年の話を聞かされる
「それは俺じゃない。そもそもあのベルトは最近完成したばかりで・・・・ん?」
『悪いがベルトとは長い付き合いでね』
言いかけた瞬間、加賀美の脳裏をよぎったのは以前聞いた総司の言葉。ぐらりと友人に対する疑惑が鎌首をもたげる
『天道・・・アイツ・・・あのベルトいつから持ってたんだ?』





「ラ・メーンとやら・・・食さぬワケにはいくまい」
いい匂いと行列に惹かれて総司の屋台へとやってきたバカ殿。相変わらず無理矢理フランス語風に勘違いすると、
例によって
ナイフとフォークでラーメンを食らいます(ものすごい食いにくそう)
「おお、これはなかなか。今度ラ・メーンのフルコースを食してみよう」
どんなだよラーメンのフルコース。前菜ラーメンとかメインラーメンがあるんだろうか。そんなん俺も食ってみたいわ
と、仕込み中の総司にワームを感知したカブトゼクターがそれを報告。総司は手袋を外して一旦屋台を離れます
すると手袋を視界に収めた剣がわなわなと全身を震わせて激怒。いったいどうしたのでしょうか?
「決闘の申し出・・・たしかに受け取ったぞ!」
「相手に手袋を投げ捨てる」という行為は、中世ヨーロッパにおける決闘の申し込みの作法なのです。おーなるほど
モノホンのアホだろお前

ボウリング場に現れたワームをたやすく撃破したカブトは、そこに落ちていた緑色の石を拾い上げると、粉々に握り潰してしまう
遅れて現場へやってきた加賀美は丁度その現場を目撃し、さっき見たばかりのひよりの石を思い出す
『!あの石はひよりが持っていたのと同じ・・・?』
「おい天道、その石はいったい何なんだ?」
「・・・コイツはただの石ころだ」

加賀美は総司から石の秘密、そして何時から、何故ライダーベルトを持っていたのかを問いただすが、
総司は「天からもらった」などとテキトーに誤魔化してスタコラ消えてしまいます。その態度に加賀美は疑惑を更に深める





そんなあくる日、ZECTの調査によって最近襲われた人間が全員例の緑色の石を所持していたこと、
そしてその石が
渋谷隕石の一部であることが判明した。今回のターゲットは石の所有者か
ならばひよりが再びワームに襲われる可能性が高い。悪い予感を感じ、急いでひよりのもとへ駆けつける加賀美
案の定襲われていたひよりをお約束のタイミングで颯爽と救った加賀美は、彼女の眼前でガタックへと変身する
「逃げろひより!コイツは俺が倒す!変身!」
激しい戦闘の末、必殺のハサミちょっきん攻撃
ライダーカッティングでワームを撃破
すぐさま変身を解除すると、緑色の石を大切そうに握り締めるひよりに声をかける加賀美
「それ・・・そんなに大事な石なのか?」
「・・・この石は・・・」

その時、2人を遠巻きに見守る謎の人影。なんと
三島さん。彼ほどの幹部が直接赴くとはどういう事か?
そもそも彼が監視しているのは加賀美の方か、それともひよりか・・・・否。あるいは両方か。謎が謎を呼びます

そしてラストシーン。バカ殿の勘違いからフェンシング(サーブル)で決闘をすることになった総司
バカ殿の渾身の一突きをかわした総司が、下からの鋭い切り上げで剣を弾き飛ばして勝負有り・・・でしたが
「おのれ・・・同情は・・・・
最大の侮辱だッ!!変身!」
「やれやれ。面倒なヤツだ」
サーブルで負けたクセに、大人気なくサソードに変身して襲いかかる剣。仕方なく総司もカブトに変身して迎え撃つ
三度激突する2人のライダー。ひよりの持つ渋谷隕石の秘密とは?それを監視する三島の目的は?
エリアXに眠る謎の物体、そして7年前の少年の真実は?
23話にしてようやく物語の核が見え始めた仮面ライダーカブト。注目の次週へ続く!


24話

真実の扉

ライダーフォームで戦うカブトとサソード。サソードの渾身の打ち降ろしをカブトが左腕で受け止めると、その様に剣が勝ち誇ります
「俺の勝ちだな」
「・・・・・」
「いいえ。この勝負
ぼっちゃまの負けでございます」
「じいや!どういうことだ!」
攻撃を受け止めたカブトの左腕にはマスクドフォームの重装甲が再装備されていたのだ(「プットオン」と言う)当然ダメージはない
そして攻撃を受け止めたその瞬間、逆にクナイガンをサソードの喉元に突きつけて寸止め。誰がどう見てもカブトの勝ちである
「じいや・・・俺にたてつくとは許しがたい裏切りだ。お前は今日をもってクビだ」
「なッ、ぼっちゃまお待ちを!私はぼっちゃまの成長を思えばこそ・・・!」
その場はとりあえず収めた剣でしたが、正論を述べたじいやを逆恨みして解雇してしまいます。バカ殿ぶりもここに極まれり
お前じいや居ないと生きていけないじゃん





両親を殺したライダーベルトの少年は誰だったのか?答えを知りたいひよりはたった一人渋谷廃墟へ行こうとする
しかし渋谷は厳戒警備エリア。加賀美はひよりを引き止めますが、彼とてひよりの過去とエリアXの謎は気になるところ
総司に渋谷廃墟の探索に行くと宣言する加賀美。しかしそれを聞いた総司は今までに見たことの無い表情でこれに反対
「絶対にダメだ。渋谷には行くな。ひよりの幸せを願うのならな」
「ひよりは過去に苦しんでる。謎を解明するのが今のひよりを救ってやる事じゃないのか?
それともまさかなにか?お前が本当に7年前のベルトの子供・・・・」
「どうしても行くと言うのなら。俺はお前を倒すしかない」
頑として譲らぬ二人の意見。それにしても「お前を倒す」とまで言い切るとは、総司はやはり事の真相を知っているようです

総司と別れてサルへ戻った加賀美は、幼いひよりが両親と写っている写真を発見。その写真を見て違和感に首をかしげる
写真、母親の指輪にはまっている緑色の石は、間違いなくひよりが大切にしていたあの石・・・・・これは妙です

そう、あの石は”渋谷隕石の欠片”のハズ。ならば
ひよりの両親が健在のうちに地球上に存在するワケがありません
ううむ、面白いじゃないかこのミステリー路線。なぜ隕石が落下する前にひよりの家族はこの石を手にしていたのか?
どうやら7年前の真相は、視聴者が思っているほど単純なモノではなさそうです




サーブルでの決闘に敗れた剣は、今度は身の程知らずにもラーメン対決で総司に勝負を挑んできた
フレンチ、イタリアン、和風、そして中華。あらゆるジャンルの一流シェフを雇い、高級食材を使いまくるゴージャス店
フカヒレキャビアラーメン300円とか。予算も何も考えてないバカ経営ぶりです
「フッ・・・どうだ我が店は。料理は(すい)
あくまで煌びやかに。全てにおいて最高の食材を使わなければならない」
「お婆ちゃんが言っていた。料理は(いき)
さりげなく気が利いていなければらない」
ラーメン勝負を受けて立つ総司。なにせ剣の店は客が入れば入るほど大赤字になってしまうボンクラ採算
勝負が長引けば神代家はあっという間に財政破綻してしまう。気が気でないじいやに総司は優しく声をかけます
「大丈夫です。明日には決着をつけましょう」

「では新しいラ・メーンを試食する。どんどん持ってこい」
あくる日。総司を倒すための新商品の試食をする剣。しかし運ばれてくるラーメンはどれもこれも今ひとつの味
「これではあの天道総司のラ・メーンには勝てない」焦る剣でしたが、最後に出てきたシンプルなラーメンに驚愕
「美味い!あっさりだが奥深く、味に気品がある!
いったいコレを作ったのはどのシェフ・・・何、お前か!?」
「俺じゃない。作ったのはこの人だ」
いつのまにかそこに居たのは総司&じいや。剣が絶賛した素朴なラーメンを作ったのはじいやだと言う
「俺はお前の為にここまでの味を出すことはできない。何故かわかるか?
お婆ちゃんが言っていた。料理においてどんな食材にも調味料にも勝るもの
それは作る人間の愛情だとな」
「ッ!・・・・・・・・・・やっぱり・・・・・・・・・

じいやの料理は最高だな」
「ぼっちゃま!」
総司の説教により改めてじいやの自分への愛情を理解した剣。素直にこれを認めじいやの復帰を許します
「この勝負俺の負けだ」
「ほう?お前が自ら負けを認めるとはな」
「俺は勝負に負けたんじゃない。お前のノブレス・オブリージ(noblesse oblige)に負けたんだ
そうだろう?じいや」
「流石でございます!ぼっちゃま!」

雨降って地固まる。じいやとの絆を更に強め、そして君主として一皮向けた剣。これにて一件落着です





「この先は何があるかワカらないんだぞ。ひよりにとっても良い事じゃないかもしれない
それでも行くんだな?」

「・・・・・・」
「わかった、なら俺も行こう。お前はもう1人じゃない。俺が傍にいる」
再び一人で渋谷廃墟へ行こうとするひより。今度は加賀美も止めません。自分が彼女をサポートする覚悟です
プチ告白しちゃってるし。ひよりもこの言葉にまんざらでもない様子。加賀美×ひよりか?
「お前達をここから先には行かせん。それが上の命令だ」
「影山さん・・・この先にはいったい何が隠されてるんですか?」
「知らんな。そして知る必要もない。変身!」
エリアXが近づくと、二人を行く手を阻むように現れる影山&シャドウ部隊。しかしなんとそこにカブトが登場
マイザーホマーでシャドウ部隊を撹乱すると、ひよりの手を引いてずんずんエリアXの奥へと導いていく
やがてシャドウを巻くと、ひよりの目の前で変身を解除する総司。ついにその正体を彼女にバラします
「・・・・お前・・・天道!」
「天道、どうして。俺達が渋谷に来るのは反対だったんじゃ?」
「ここまで来てしまったら仕方あるまい。気の済むようにしたらいい
例えこの奥で・・・何を見る事になったとしてもな」

二人の決意に総司も折れ、真実を知るために奥へと進む3人。そこにわらわらとワームの群れが湧き出します
生身のパンチでワーム吹き飛ばす総司&加賀美がすげえ。お前らどうしたんだ
稲妻の速さで飛来し、瞬く間にワーム達を切り裂くカブトゼクター&がタックゼクター。そして同時キャッチ!

「変身!」    「変身!」
W変身キタ━(゜∀゜)━!!
すんげえカッケー。赤と青のライダーなので、二人並んで変身する姿の映えること映えること
変身するなりクナイガンとガタックバルカン乱射。下級ワームをいきなり20匹くらい倒します
「キャストオフ」            「キャストオフ」
   『チェンジ・ビートル』    『チェンジ・スタッグビートル』
更に同時キャストオフ。2匹いた上級ワームをそれぞれ受け持つと、両者とも圧倒的な強さで楽々追い詰める
キック!
『ライダーキック』       『ライダーキック』
ぼっがああ―――ん!!!
赤と青。虚空を切り裂く二条の閃光!主人公&副主人公初めての共闘は、凄まじい燃え演出で視聴者大満足です




ラスト。先を急ぐ3人の前に立ちはだかった影山ザビー。身構えるWライダーでしたがここで思わぬ人物が登場
「じいやが言っていた・・・高貴な振る舞いには高貴な振る舞いで応えよとな
それが俺のノブレス・オブリージだ。変身ッ!!」

なんと神代剣。ラーメン勝負での借りを返すため、総司達に助っ人です。いいぞバカ殿!
「キサマ・・・邪魔をする気か!」
「フッ、コイツは俺に任せろ。お前達は先に行け!」

剣の助けを得、エリアXの廃墟を進む3人。そしてついに巨大な鋼鉄の扉がたたずむ部屋へと辿り着く
「な、なんだこの扉は・・・」
「あけるぞ。覚悟はいいなひより?」
「・・・・」
だまって頷くひより。ゆっくりと扉を開く総司。果たして3人はこの扉の先に何を見るのか?
猛烈に続きが気になる引きで次週へ続く!こいつは来週が待ち遠しいぜ


25話

マスカレイド

ついに未知の扉を開けて中へと入った3人。そこは何年も放置されたままの実験室のような奇妙な部屋だった
ホルマリン漬けのワームの卵に声を失う加賀美。一体この部屋でかつて何が行われていたというのか?
「実験室・・・?しかし何の・・・」
「・・・・・マスクドライダー計画」
総司が見つけた棚には「マスクドライダー計画」と書かれた何冊ものファイルが。手に取った加賀美が思わず息を飲む
その中の「No.1」と書かれたファイルには、
「1971年」という日付が書かれてあったからだ。35年前です
ならばマスクドライダー計画は渋谷隕石の衝突より28年も前にスタートしていたという事になる。計算が合いません
計画は
「ワームに対抗する為の兵器開発」ではなかったのか?一体何を成す為に作られたというのか?
ページをめくる加賀美はその中にあるとんでもない一節を見つけ、更に絶句してしまう
『戦いの神ガタックに選ばれし人 加賀美新』
「なんで・・・35年前のファイルに俺の名前が・・・?」
当時生まれてもいなかった「加賀美新」の名を予言するファイル。おー面白い。謎が謎を呼ぶミステリー展開です

「ウオッ・・・・ウオォ〜ッ!」
その時、部屋の奥から聞こえてきた不気味なうなり声。しかし声の聞こえた鋼鉄の扉は頑丈でビクともしません
なかなか開かない扉に苦戦する総司と加賀美。そこにザビーとシャドウが乱入し、一時撤退を余儀なくされます
持ち帰ろうとしたファイルもこの時のどさくさで取り落とし、銃撃で燃えてしまいます。ぼーぼー。残念なお約束ね
燃えたファイルに興味を示し、拾うとする影山。しかし突然現れた三島が燃えるファイルを思いっきり踏みつける
「三島さん、いったいこのファイルは・・・」
「お前は知る必要のない事だ」

開きかけた真実への扉は閉じ、全てはまた謎の闇へ
しかし扉の奥では。鎖で拘束され鉄仮面を被らされた謎の男が、なおも苦悶のうなり声をあげ続けるのだった・・・





35年前の「マスクドライダー計画」の真の目的とは?そしてそれを作り上げたZECTという組織は何なのか?
総司は真実に近づくべく、ZECT本部との対決を決意。まずはエリート刑事に扮して警視庁へと潜入します
ZECT側から入ればガードが固く警戒される。しかし警察の上層部とZECT上層部には必ず繋がりがあるハズ・・・
「なるほど。それで警視庁から・・・あっ。待てよ警視庁と言えば俺の親父が・・・」
「お前はお前のやり方でやれ。俺は俺で動く」

銀行強盗事件を華麗に解決した総司は、その類稀な能力と処世術であっという間に上層部に近づいていく
ビッとしたスーツ姿の総司マジいい男。全国の腐女子が股を濡らしそう

総司とは別手段でZECTに迫る加賀美。岬に協力してもらい、田所にさんなりすまして本部潜入を試みます
しかし本部に連れてこられるや否や、武装したゼクトルーパーに包囲されてしまう加賀美。作戦はモロバレでした
だが以前の加賀美ならいざ知らず。今の彼にとって、本部にさえ辿り着ければあとは正体がバレようが関係ありません
あとは力で押し通るのみ!変身ッ!
「邪魔をするなァーッ!!」
バオー2巻の橋沢育郎のように絶叫する加賀美。完全にいつもとキャラが違ってるぞ
ズガガガガガガガガガガガガガ!バラバラバラバラ
撃ち込まれる銃弾を全てダブルカリバーで真っ二つに切り落とす!しかもクロックアップしてない状態です。すげー
恐れをなして逃げ出すゼクトルーパーを押し分け、ズカズカと建物の中を突き進む加賀美。そこで三島と再会する
「話してもらうぞ!マスクドライダー計画の全てについて!」
「・・・・・」
三島の喉元にダブルカリバーを突きつけての脅迫。果たしてその口は真実の言葉を紡ぐのか?





一方、その三島の命令で1人の女性を捜索していた影山。名は「麗奈」といい、三島によれば彼女はワームだと言う
自分を探す影山の前に、よほど自信があるのか挑発的にも自ら姿を現す麗奈。見る間にウカワームへと変身します
「お前の墓にはこう刻んでやろう。仮面ライダーザビー・影山瞬」
「バカめ。自ら現れるとはな!変身!」
ヨロイ元帥みたいなごっついワームになりました麗奈さん。その戦闘力は今までのワームとは比較にならず、
ヘタレ街道まっしぐら爆進中の影山ごときが敵うハズがありません。あっという間の大ピンチ!

「へぇ、誰かと思ったら・・・いい気味だ」
しかしこれはなんという巡り会わせか。戦闘現場に偶然通りかかった1人の男・・・キタ!復活の
風間大介!
かつてゴンを人質に取った卑劣漢・影山。大介にとってはまさに「いい気味」であり、助けてやる理由も義務もありません
しかしドレイクゼクターが「助けてやれよ」とばかりにツンツンつついて促すと、心ならずもザビーの助太刀に入ります
「わかってるよ。風は誰にでも吹く・・・どんな嫌なヤツにもな!変身!」
「お、お前は!」
大介いいヤツだ!しかし麗奈さんことウカワームのパワーは想像をはるかに超えて強大
ライダー2人を同時に相手して尚優勢です。即席の脇役ライダーコンビはこの強敵を倒すことができるのか?





「あなたが樹花ちゃん?こんにちは」
その頃。毎回
ひたすら兄ちゃんの飯を食らうだけだった総司の妹・樹花にスポットが
岬に擬態したワームが天道邸を訪れ、樹花に近づいてきたのだった。親しげな岬にホイホイついていってしまう樹花
ここに来て初めてライダーの肉親を標的にしてきた狡猾なワーム。果たしてその狙いは何なのでしょうか
一緒に行ったプールで楽しげに泳ぐ二人。擬態岬の目にフッと殺意の色が浮かぶ!目的は樹花の命なのか?
しかしその瞬間!
たぱーん!
「俺は飛び込みでも頂点を極める男だ」ええー
擬態岬の殺意を削ぐタイミングでプールに飛び込んできたのはバカ殿・剣。すると彼を見た擬態岬が謎の反応を示します
「お前は・・・・神代剣!」
「うん?」

おっと、一体何なんでしょうか。まるで剣を知っているかのようなこの妙な反応は
いやそりゃ岬に擬態してるワケですから、彼女の記憶から当然神代剣という男は知っていて然りなんですが
どう見てもこの驚きの台詞は岬の記憶によるものではなく、ワーム本人が発したものであろうと思われます
剣本人に自覚はありませんが彼も正体はワーム。
もしや両者には何か関係が?
と思ったらいきなり場面転換してるぅぅぅ!!(ガビーン)
疲れて眠ってしまった樹花と一緒にタクシーに乗る擬態岬。いったい彼女をどこへ連れて行こうというのか?
つーか剣とワームの関係は
丸投げかよ!意味ありげな反応は何なんだよ!気になるわアホー!





「やぁ天道くん・・・だったか。久しぶりだね。元気にしてたかね」
ラストシーン。持ち前の能力と巧みな処世術により、瞬く間に警視庁上層部に取り入った総司
いよいよ警視総監
加賀美父と対面。陸は一度会っただけの総司の事をちゃんと覚えてました
「まさか警視総監だったとはな。ではアンタに聞きたいことがある・・・
35年前の招待リストに名前を書いたのはアンタか?」

「はて・・・何の招待リストかな?」
いつにない厳しい表情で迫る総司。35年前の招待リストとは?総司は何をどこまで知っているのか?
「何のことだかワカらんな」とシラを切ろうとする陸に、更に言葉をたたみかける総司
「マスカレイド・・・・・仮面舞踏会だ」
「・・・・・・・・!」
その単語を聞いた途端作り笑いがスーッと消え、無言で総司を睨み返す陸。おおーなんじゃこりゃ
『仮面舞踏会(マスカレイド) それが35年前の真相を解き明かすキーワードなのか?
謎が謎を呼ぶマスクドライダー計画の真相!
「仮面ライダーカブト」はこれから毎週目が離せない!次週へ続く!


26話

ベルトの少年

「仮面舞踏会・・・?それは楽しそうだ。是非私も招待してもらいたいものだね」
「とぼけるな。35年前のファイルにまだ生まれてもいない息子の名を・・・何故だ?」
激しく詰め寄る総司。しかし陸は僅かな笑みを浮かべて言葉を返します
「ふむ・・・とぼけてるのはキミのほうだ。その理由は・・・
キミ自身が一番知っているんじゃないかね?」

「・・・どういう・・・ことだ?」
予想しなかった陸の返答に総司は珍しく動揺を露にする。いったいどういう事なんでしょうか
この反応から察するに、総司自身は陸が言うほど全てを知ってるワケではないようですが・・・
「御両親のことは残念だった。あれは本当に痛ましい事故だったよ」
!?・・・俺の両親を知っているかのような口ぶりだな」
「あぁ、妹さんは元気かね?たった1人の肉親だ・・・大切にしてあげなさい」
「・・・ッ
どういう意味だ!」

「これからも息子と仲良く頼むよ。天道くん」
最後は脅迫めいた忠告まで残して去る陸。これ以上深追いするなら覚悟しておけということか。それとも・・・?

直後、擬態ワームと樹花を目撃したひよりからの連絡が入り、駆けつけた総司は無事に樹花救出に成功する
この結果だけストレートに捉えれば、陸の言葉は
【ワームが君の身辺の人間を狙うかもしれないから気をつけなさい】
という純粋な忠告だったとも受け取れますが・・・なにせ相手は黒幕。その真意は果たして

その頃、ザビー&ドレイクの脇役ライダーコンビは二人がかりにも関わらずウカワームに完全敗北を喫していました
大ダメージを負って変身解除してしまった影山と大介。ウカワームも余裕綽々で人間の擬態に戻ります
「ライダーの力とはこの程度か。私は間宮麗奈・・・死に往く時その名を呼ぶがいい
美しいレクイエムであの世へ誘ってやろう」

何故か二人にトドメを刺すことなく、捨て台詞を残して去っていく麗奈。挑発に何も言い返せない影山は己の無力を痛感する





「教えてもらうぞ!マスクドライダー計画の全てを!」
「言えんな」
「ああそうかい別に構わないさ。なら自分で調べるだけだ」

三島を脅迫して計画の秘密を探ろうとした加賀美でしたが、ZECT幹部の男がそんなボンクラなワケがありません
「クッククク・・・そう簡単に本部へ案内されるとでも思っていたのか?」
掌の上で踊っていた加賀美。このビルは
ZECT本部の建物ではなかったのだ
ガタックを包囲するゼクトルーパー部隊。加賀美は一戦も辞さないつもりだったが、そこに血相を変えた田所さんが現れる
「田所さ・・・」
「この馬鹿野郎!いい加減頭を冷やせッ!!」
”ガキィンッ”
あいたたた。生身の拳で思いっきりガタックを殴りつける田所さん。その剣幕には加賀美も変身を解かざるをえません
結局その場は田所さんの顔で三島に謝罪し、とりあえず不問というカタチで田所チームは無事に帰してもらえました

一連の騒動の後、田所さんは辞職を決意。それを知った加賀美と岬は懸命にこれを引きとめます
「私達のせいですか?それで田所さんが責任を・・・」
「違う。今まで俺はZECTが正義だと信じてきた・・・だからこそどんな命令も聞いてきた
だが今のZECTには従えなくなった。それが辞職の理由だ」

清廉潔白の人田所さん。ZECTのやり方に疑問を感じている今、その組織のために尽力することが出来ないと言う
「俺がワームを倒しまくって組織の中でのし上がります!
そうすればいつか必ずマスクドライダー計画の真相にもたどり着くハズ・・・
だからお願いです!俺に二人の力を貸してください!」
自分にはまだまだ田所と岬のサポートが必要だと頭を下げる加賀美。全てはライダー計画の謎を明らかにする為に





その頃。樹花を拉致しようとして総司に追われた擬態岬ワームは逃げる途中で偶然にも剣と遭遇
年上の美人である岬を亡き姉の姿とダブらせる剣。擬態岬も岬で何故かそんな剣に付き合い、ダンスなど踊ります
「そのドレス・・・よく似合っている」
「もしかしてこれは・・・お姉さんの形見?」
「・・・・」

しかし、そんな和やかな雰囲気の2人の前に招かれざる訪問者が現れる。ウカワームこと間宮麗奈である
「こんな所で何をしている。あの小娘を囮にカブトを倒す手筈ではなかったのか?」
「何者だキサマ!」
「・・・なるほどな。まずはこちらから片付けるという事か
お前にレクイエムを歌ってやろう神代剣・・・いやサソード」
樹花の拉致に失敗した部下の岬ワームを責めると、自らはウカワームに変身。直接剣に襲いかかってきました
サソードに変身して迎え撃つ剣ですが、やはりウカワームの力は圧倒的。あわやというところまで追いつめられる
と、その時。なんとその窮地を庇ったのは
擬態岬!ワームの本性を現し、ウカワームの一撃から剣を救う
たった数時間の馴れ合いで情が移ったんでしょうか。早っ
「フン・・・まぁよい」
思いもかけぬ部下の裏切り。しかし麗奈は特に岬ワームを処断するでもなく、その場から消えてしまいました

「まさかワームだったとはな。俺を殺す為に近づいたのか」
「最初はそのつもりだったわ・・・でも殺せなくなった」
ウカワームが去り、正体が判明した擬態岬と対峙する剣。やはり擬態岬は情が移って剣を殺せなくなったと言う
22話のマコトくんの例があるように、擬態した人間の記憶と人格がワームとしてのそれを上回ったという事だろう

「そうか。ならば俺もその事は忘れよう
このドレスは姉さんの形見だ。キミに受け取って欲しい」

意外にも笑顔で岬ワームを受け入れ、更には姉の形見のドレスまで贈ろうとする剣。随分柔軟じゃないか・・・って
”シュバァッ!!”
次の瞬間。岬ワームが本性を現し、その鋭い爪を剣の顔に向けて放つ!全ては剣を油断させる芝居だったのか?
だがだがしかしドッコイ!剣はまるでその攻撃が来ることが解っていたかのようにギリギリ回避すると
逆に岬ワームの腹に深々と刃を突き立てていた!うおーかっけー
「俺は・・・・ワームを絶対に許さない!」
すごい二転三転劇です。そう、岬の正体がワームとわかった時点で剣が油断することなど有り得なかったのだ
ワームという存在を絶対に許さない剣。いつの日か自分の正体こそがそのワームであると知った時、果たして彼は・・・?





これからのワームは自分の近辺の人間を狙ってくる・・・総司はひよりを探し出し、自分の傍を離れるなと釘を刺す
いまだに総司に対して疑惑を抱くひよりはその言葉を心から信じられずに駆け出します・・・が。こっちにも出た!
「私の部下が変わったメンタリティを持ったよ。人間の記憶を引き継いだせいならば興味深い
お前のことを調べさせてもらおう」

神出鬼没麗奈さん。今回はメインキャラ全員と絡んでるな・・・今度はひよりに狙いを定めてやってきました
「逃げろひより!変身ッ!」
「天道総司・・・お前にはもっとも残酷な死を送ろう」

ウカワームVSカブト。脇役ライダーを軽く蹴散らしてきたウカ、主役のカブトを相手にしてもやはり段違いの強さを披露
あのカブトが
無様に吹き飛ばされて変身解除してしまいます。放送開始以来初となるピンチです

ひよりを連れて物陰に逃げ込んだ総司は、そこでベルトを握り締めて重大なカミングアウトに出る
「お前が見た7年前のベルトの少年は確かに俺だ
だが・・・そこで何があったのかはまだ言えない」

「言えないってどういう事だ!なんで言えない!?」
「言えないものは言えないんだッ!
・・・思っていたより事情は複雑らしい。それを確かめないうちは・・・」
やはりベルトの少年は総司だった。しかし肝心の部分を語ろうとしない態度に苛立ちを露にするひより
総司も珍しく声を荒げて怒鳴る。ますます謎の深まる7年前の真相。それを完璧な姿で知る人物は、現時点では陸だけか
「だがこれだけは信じてくれ。例えなにがあろうと・・・
俺はお前を守る!永遠にな」
きゃーなにコレ恥ずかしい。「永遠に守る」って完全にプロポーズじゃん





追いついてきたウカワームの前に、再びピンチに陥った総司。見かねたひよりは身を挺して総司を庇います
「やめろ!ボクを調べたいなら好きにすればいい!
でも・・・天道はもういいだろッ!」

「ひより・・・」
「このぬるい感情が人間・・・か。
くだらん」

互いを庇い合う二人の姿を「くだらん」と切って捨てる麗奈。その時、颯爽と現場に飛来する
謎の物体X!
【ガタックエクステンダー・エクスモード!】
ガタックエクステンダーの変形はカブトのそれとは大きく違い、アギトのマシントルネイダーの如き高速飛行形態
超高速の轢き逃げアタックで瞬く間に下級ワーム達を殲滅します。イカスぜゲットライド!
やはりウカの強さに苦戦するガタックでしたが、田所さんと岬の指令車がやってくるとそのチームプレイを見せつけます
岬の撮影した映像からウカワームのデータを取り込み、田所さんがそれを専用コンピュータで解析、ガタックに転送する
「加賀美!ヤツの分析結果を送るぞ!」
「はい田所さん!
天道、お前の力が必要だ。やれるか?」

「フッ・・・当然だ。変身!」

カブトもマシンに乗り込みエクスモードチェンジ。CGバリバリのかっけーマシンアクションシーンに突入します
カブトエクステンダーに跳ね上げられ、上空高くに舞い上がったガタックエクステンダー。ガタックが吼える!
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおッッ!」
うほーなんじゃこりゃ!高高度からウカワーム目掛け、エクステンダーを蹴り込みながらの超速落下!
ライダーキック・エクステンダー落しだー!!!
どごば――――ん!!!!
トンでもない大技が炸裂。これで倒せないようだと、現時点でウカワームを倒せる技は存在しないんじゃないでしょうか
って
全然余裕で生きてるぅぅぅぅぅぅ!(ガビーン)
一応、これにはアリジゴクの特性を持ったジェノミアスワームが地中から彼女を助けたという理由もあったのですが
それにしても無傷はいくらなんでも強すぎる。せめていくらかでもダメージ負ってれば納得できるのになぁ・・・
こりゃウカワームを倒すのはカブトハイパーフォームしかないな。もうしばらくは麗奈さん暗躍が続きそうです
せっかく登場したジェノミアスワームは、ガタックのライダーキックによって
ものの10秒で瞬殺
いつの間にかウカワームは姿を消してしまい、これで戦闘終了となりました





「やったわね。加賀美くん」
「いえ、田所さんの指示のおかげですよ」
「加賀美・・・よくやった」
改めて自分達のチームとしての力を確認した3人は、その結束力をより強くして固い握手を交わす
「ひより、帰るぞ」
『もう一度・・・もう一度信じてみよう。疑うより信じたほうが・・・』
チーム解散の危機を乗り越え、更に絆を深めた田所チーム
ひよりを一生かけて守ると誓った総司
そのもう一度総司を信じると決めたひより
ラストシーン。そんな人間達の「ぬるい感情」を冷たく見下ろす麗奈に、何者かが近づいてきます・・・ってああっ?
かっ、影山だァー!!
何しにきたんだヘタレ王!まさかワームに取り入るつもりではないと思うが・・・いやこの男のことだから断言はできんか
ヘタレ王の謎の行動で次週が気になる引き!来週も注目だ


27話

偽りの風

「三島さんから話は聞いている。ついてこい」
ウカワーム・麗奈に接触した影山。三島さんの命令だそうですが、ここでイキナリ麗奈のビンタが飛ぶ
女の平手打ちで軽々と吹き飛ばされるヘタレ王影山。
絵面的に大ハマリです
「な、何をするワーム如きが!」
「キサマこそなんだ。人間如きが。言葉遣いには気をつけろ」
「は・・・・・
はい」
ワーム体に変態されて凄まれると、イジメられっ子のように言いなりになってしまう影山マジ最高
かくして上級ワームである麗奈を呼びつけたZECT幹部・三島。果たして二人の接触の目的とは・・・?

「フン・・・まさか我々が人間と協力することになろうとはな」
「それはこちらとて同じ。まさかワームと・・・しかし利害関係は一致している
互いに利用すべきモノは全て利用する。そういう事だろう」

多くの同胞を次々と始末する恐るべき戦士    組織の命令に反して動く、手に負えない駒
互いにとって邪魔な「ライダー」を一掃するという名目により、なんとZECTとワームが手を組むことに
スイマセン
意味がわかりません
ワームを根絶させるために「ライダー」を作ったんだろうがZECT。それがワームと手を組んでどうする
ここ数週の話の盛り上がりが良かっただけに、このボンクラな展開には流石に開いた口が塞がりません
※(言わずもがな。今回の脚本もA級戦犯・井上敏樹)





イチゴ牛乳を飲みながらファッション雑誌を読む少女・百合子。かつて名無しの”ゴン”だったあの女の子
『天才メイキャップアーティスト・風間大介』
ふと目にした記事、その顔写真と名前を見た瞬間。失われていた二人の記憶が
唐突に甦ります
「思い出した・・・大介!」
このへんも井上だよなぁ。橋で再会したときはまるで反応しなかったクセに今更なんだよ

携帯で大介との連絡がとれないゴンは、つてを頼ってサルを訪問。記憶の戻った彼女に驚く総司とひより
しかし肝心の大介の消息はやはり知れず。落ち込むゴンだったが、そこへ血相を変えた剣が飛び込んできた
「た、大変だ・・・・!じいやが!」
バカ殿・剣の世話で老体に鞭打って頑張ってきたじいやが
ついに過労でダウン
じいやの看病を世話を申し出る総司でしたが、
「俺は看病でも頂点に立つ男だ」と剣はいつもの名調子
経緯を聞いていたゴンは、ならば自分をお手伝いに雇ってくれと提案。大介に会うまでのバイトのつもりのようだ
総司は家に帰ったほうがいいと忠告しますが、耳を貸さないゴンの様子を見て剣は彼女の願いを聞き入れる
「この子は俺が責任を持って預かろう。俺は子守でも頂点に立つ男だ」
どっちかっていうとお前が面倒見られる子供のほうだがな

そんなバカ殿ですが、じいやが倒れた状況によってついに神代家の財政の真実を知るハメに
お気楽ボンボン生活から一転して借金地獄へと落ちた剣。果たして彼の当主としてとるべき行動は?

でも正直さぁ。神代家の借金が膨れ上がったのって、ある意味じいやの責任もかなり大きいと思うんだがどうか
もっと早く真実を伝えて剣の生活態度改めさせれば良かったのに。あのリムジンも売って軽自動車でいいじゃん
そのへん剣にひた隠して贅沢をさせ続けてきた結果が現状だからな





一方、ゴンが去ってからすっかり元気をなくした大介は本業のメイクアップアーティストとしての評判も下降気味
最近では新進気鋭の天才・
相良和彦にNo1メイキャッパーの座を脅かされている状態だった
「失礼。風間大介さんですね?」
「そういうキミは・・・」

そんな大介本人の前に現れたライバル・相良。ご存知ギターケースにメイク道具を収納している大介に対し、
相良のケースはどういう意味があるのか
消火器ボックス。大介に劣らぬ変人です
「勝負願います!」
商売道具を取り出した相良はメイキャップ勝負を申し出、大介もこれを受諾。でもメイク勝負ってどんなやねん
板垣先生の怪作「メイキャッパー」のように戦うんでしょうか・・・っていきなり両者相手に向かって走り始めたー!
「風間流奥義・・・アルティメットメイクアップ!」
「相良流奥義・・・シュプリームメイクアップ!」

なんじゃこりゃスゲエー!
それぞれピンクの薔薇と黒い薔薇のオーラを背負って空高くジャンプすると、
空中でお互いの顔に猛スピードでメイクを施します
すげえ・・・あの二人落ちながらメイクしてる

「いい腕ですね。噂通りだ」
「流石・・・・今日は引き分けですか。しかし次は負けません」
着地を決めた二人の判定は互いに「引き分け」。どういう勝負なのかワカりませんがとにかくハチャメチャな連中だ
まったくもって今週は良くも悪くも井上敏樹テイスト全開な回です

互いに良きライバルとして腕を認め合った大介と相良。しかし直後、その相良が殺害されてしまう
「キミ・・・生意気なんですよ」
しかもあろうことか、犯人は風間大介本人・・・なワケなく
大介に擬態したワーム
かくして何も知らない本物の大介は、殺人犯として警察に指名手配されるハメになってしまいます





お訪ね者になってしまった大介はとりあえずホテルに潜伏。腹が減っててんぷらそばを出前しますが・・・
「てんぷらそばお待ち。俺は出前でも頂点を極める男だ」
出たバカ殿。借金を返す為、かいがいしくもアルバイトを始めておりました。なかなか感心です
1000円もらってお釣りを返さない剣。大介が釣りを指摘すると半ばキレ気味でこう応える
「これはディスカビル家再興の為の寄付金としてもらっておこう
だがこれだけでは足りない・・・
もっと貰ってやろう。さあ!」

トンでもない俺様都合で
チップをせびる剣。名門の血統が泣くぞ

そこへ警察が乱入し、大介はほうほうの体でトンズラ。サルに逃げ込み、そこで総司と再会を果たします
「よう指名手配犯」
「違う!何が起きてるのがワカらないが・・・俺はハメられたんだ!」
「だろうな。お前はどうしようもないヤツが殺人を犯すような男ではない
とりあえず俺の家に来い。だが勘違いはするなよ・・・お前を助けるんじゃない
ゴンの為だ。お前に会いたがっていたぞ」
大介を家にかくまう総司。しかしその時、大介の眼光が僅かに怪しい光を放ったのを総司は見逃していた

ラスト。ワームが出現し、ガタックとともにこれを撃破に向かったカブト
その間に帰宅してきた樹花が大介と鉢合わせ。思わぬ有名人の登場に樹花は大はしゃぎです
「すご−い!お兄ちゃんが風間大介さんとお友達だったなんて!」
「僕もビックリですよ。天道くんにこんな美しい妹さんがいたとはね」
いつもの如くメイク道具を取り出すと、樹花にメイクをしてあげる大介。その姿がゆらりと歪んで・・・?
そう、総司が家にかくまった大介は
ワームの擬態の方!
樹花ピンチ!本物の大介は無実を晴らせるのか?ゴンとの再会は?続きが気になる引きで次週へ続く!


28話

相棒

ワームの本性を現した擬態大介の魔の手が樹花に伸びる。しかしまさにその時、ギリギリのタイミングで総司が帰宅
擬態大介は咄嗟に樹花を突き放し逃走して事なきを得ます。これによって総司は「擬態大介」の存在を確認することに
そんな折、総司は加賀美からの信じられない緊急連絡を受けて
遺体安置所へ呼び出されます

「バカな。風間・・・大介・・・ッ」
「信じられない・・・本当に・・・」
「ZECTによって死亡が確認されてるわ。犯人はワームよ。そして彼に擬態している」
そこで総司らが見たのは風間大介の死体だった。ならば現在指名手配中の大介が擬態ワームという事
つい先刻妹を襲った擬態大介を目撃しているだけに、総司もその点についてなんの異議もありません
「ああ間違いない。今警察から逃げている風間大介はワームだ」
「許せない・・・必ず仇は討つ!」
「任せておけ。すべてのワームは俺が倒す」

怒り心頭の二人。同じく呼び出されていた剣も、面識のない(先週出前で顔合わせてるけど)大介の為に復讐を誓う
打倒擬態大介の決意を固くその場を散会するメンバー。しかし誰もいなくなった遺体安置所で思わぬ光景が展開します

「へぇ。見事なモンだね」
「我等にとって死を演じることくらい容易いものだ」

まるで寝ていたかのようにむっくりと起き上がる大介の死体。そして部屋に入ってきた二人の人物は・・・麗奈と影山!
そう、実は
遺体こそが擬態ワーム。総司達を騙し、彼等の力でドレイクを倒すという策略だったのだ




一方、訳もわからないまま警察に追われ心身ともに疲労困憊の大介。思わず弱気になってゴンの携帯に電話します
記憶のないゴンを頼ったところでどうなるモノでもありませんが。今の彼には少女の声を聞くだけでも励ましだったのでしょう
「大介?大介ね!今どこにいるの?」
「ゴンお前・・・俺の事を思い出したのか!?」

ドッコイ記憶を取り戻していたゴンのおかげで、地獄に光明が差したような暖かい気持ちになる大介。しかしすぐさま大ピンチ
「見つけたぞワームめ!」
総司、加賀美、剣、そして影山。怒り心頭の3人+悪党1人の4大ライダー揃い踏みです
まるでGメン75のように並んで歩いてくると、一斉にゼクターを装着してカルテット変身!カッケーじゃないか!
「変身!」  「変身!」  「変身!」  「変身!」
「な・・・俺はワームなんかじゃない!本物だ!」
必死の訴えもまるで聞き入れられず、仕方なくドレイクに変身して応戦する大介ではあったがやはり多勢に無勢
ガタックの砲撃を浴びてドレイクは海へと転落。あとはZECTが大介の死亡を確認してドレイクグリップを回収する手筈だ
しかし「これで大介の仇を退治した」とは理解しているものの、どこかすっきりしない後味を感じる総司であった

「全て上手くいった。あとはグリップを回収すれば・・・お前が新たなドレイクだ
約束通りその力はZECTの為に使ってもらうぞ。いいな?」

「あぁ。だがドレイクが倒す相手を決める権利は私にある。お前こそ約束を忘れるな」

ZECT本部屋上。影山からの報告を受けてニヤリと笑う三島さんと麗奈、そしてもう1人の人物は擬態大介
どうやらZECTは大介に擬態したワームを、そのまま第2のドレイクとして手駒にする約束を麗奈と交わしたようです






「お前は!」
「あなた・・・」

「ディスカビル家再興の為に金は多めに置いていけよ。寄付金として貰っておいてやろう
あぁ、みさきんぐはタダでいい。俺の奢りだ」

いつもの立ち食いソバ屋に入った加賀美と岬が思わず目を剥く。なんとソバを出してきたのは働くぼっちゃま神代剣です
どうでもいいけど
みさきんぐて何だよ。岬に亡き姉の姿をダブらせる剣のやたらフレンドリーな態度が可愛いぞ
途端に怪訝な表情になった岬はソバも食わず店を後にし、その反応に激しく狼狽した剣が彼女を追いかけます
「どうしたみさきんぐ。何か悩みがあるならなんでも聞くぞ」
「・・・あのね。仮にもアナタと同じライダーが殺されたのよ?私、無神経な人って嫌いなの」
冷たく言い放って去っていく岬。ガックリとうな垂れる剣。遠巻きに二人を見守っていたじいやも目を覆います
「無神経・・・か。確かに今の俺は自分の事で精一杯になっていた
姉さんにもよく言われたな・・・あなたは無神経だって」
「おいたわしや坊ちゃま・・・あの方にお姉様の姿を重ねていらっしゃる・・・」
ほー剣×岬の絡みはあの擬態岬で終わると思ってましたが。どうやら剣関係のイベントはまだまだ岬を引っ張るようです

その頃。朦朧とした意識の中、なんとか目を覚ました大介。傍らに居たのは紛れもなくゴンであった
「よかった大介・・・やっと会えた!」
「ゴン・・・俺も会いたかった。お前が介抱してくれたのか」

久々の再会を喜び合う2人。なんかもう大介が
完全なロリコン兄ちゃんですがそこそこ感動的です
総司がじいやのために作ったスッポン雑炊を大介のもとへ運ぶゴンでしたが、尾行してきた総司に現場を押さえられます
「なるほどそういう事か・・・どうやら俺達は一杯食わされたようだな
ゴンが本物だと言うのなら、まずお前は本物の風間大介だろう」
「だから本物だって言ったろうが!人をタコ殴りにしやがって」
ゴンの見る目を信じるならば、騙されていたのは自分達。ならばそのからくりは・・・真相を知った総司は作戦を考える
「今回の件はワームだけに出来ることじゃない。おそらくZECTが絡んでるな
連中の目的はライダーシステムの回収か。ドレイクグリップはどうした?」
「川の底だろ。お前等が寄ってたかって俺を突き落としてくれたからな」
「そうか。お前が本物の風間大介なら・・・
偽物になればいいワケだ」





「さぁ受け取れ。今日からお前が新たなドレイク・・・風間大介だ」
川底から回収されたドレイクグリップを持ってきた影山。受け取ろうと手を伸ばした「風間大介」・・・と、その時!
「待て。ソイツは偽物・・・いや、本物だ!」
「何を?キサマこそ偽物・・・
いや本物だろう!」

なんとそこへ現れたのはもう1人の大介。偽物のほうが本物って紛らわしいな
擬態大介がワームの正体を現すと、強引にグリップを奪ってドレイクに変身。丸腰の本物大介は窮地に立たされます
しかしここで物陰から一部始終を見ていた総司と加賀美が登場。ZECTの卑劣な策略に怒りのダブル変身!
カブトらの猛攻にぶっ飛ばされた偽ドレイクは変身強制解除。ゴンが咄嗟にグリップを拾い上げるのですが・・・
「ゴン俺だ!俺が本物だ!」
「違う!俺が本物だゴン!」

互いに「自分にグリップを!」と主張する二人の大介。取っ組み合いで転げ回ったのでどちらが本物かわかりません
が、ゴンは一瞬も迷わず片方の大介に走り寄ってグリップを手渡します。それを見た擬態大介が牙を剥いて悔しがる
「・・・何故わかった?」
「当たり前よ。
私が本物の大介を見間違えるワケないわ!」
「流石だゴン。やっぱり俺達は永遠にひとつの・・・えーと・・・えーと・・・」
「”相棒”」
「そうそう、それそれ」

二人の絶対的な信頼感が描かれた大変良いシーンです。変身した大介は自分を散々苦しめたワームを圧倒
ライダーシューティングからのクロックアップ→タコ殴りコンボでこれを撃破するのでした。めでたしめでたし
「お前は俺にはなれない。俺として生きられるのは俺だけだ」




ラスト。いつもの如く出現したワームをガタックと共に掃討するカブトの前に、見たこともないライダーが現れる
恐ろしいパワーを発揮するその新たなライダーは、まるでカブトにそっくり・・・・って
あれええええ
カブト・ハイパーフォームだ!
劇場版でその反則的強さを見せつけたカブト最強フォーム。なんとTV版では敵として初登場?
続きが気になる次週へ続く!


29話

闇の料理人

時の権力者は腕のいい料理人を雇い、その舌を満足させてきた
だがやがて権力に仕えるハズの料理人の中から
その料理の力で権力者の心を意のままに操る者が現れた
そんな闇の料理人の頂点に立つ者に代々受け継がれてきた包丁がある

その名も― 『黒包丁』

ある夜、総司は路上で倒れこんだ男を発見。男は息も絶え絶えに、黒い鞘に収まった包丁を総司に手渡した
「こ、これを・・・正当継承者に・・・!」
それだけ言い残して
男は絶命。バカな冒頭ナレーションから入っていきなり人死に。怒涛の井上テイストです

「それにしても昨日のあのライダーは何者だったんだろうな」
「さあな」

翌日、サルで談話する加賀美と総司。先週ラストに現れたハイパーカブトはすぐに姿を消してしまったようで、
二人でその正体についてあれこれと推察しているのでした
「ま、誰でもいいけどマトモな人間ならいいな。ライダーは変人ばかりだから」
「まったくだな。マトモなのはこの俺くらいか」
「お前が一番変だろうが」
「お前には負ける」

相変わらずしょうもない意地を張り合う二人。と、ここで加賀美が布に包まれた例の包丁に気付きます
「なんだこれ?包丁?抜けねぇ・・・」
「昨日ある人物に託された。俺も抜けん。どうやらそいつには正統な持ち主がいるらしい」
さしずめ持ち主を選ぶ妖刀といったところでしょうか。バシバシッと電流のエフェクトを撒き散らす謎の包丁
プレシャスだろこれ。ハザードレベル100以上はありそうです





近くに行列のできる店ができたため、客が激減したとあるレストラン。そこの娘さんが樹花と友達という事で、総司に相談
まずは敵情視察とライバル店に赴いた総司と樹花だったが、なんと出てきた料理はトンでもないマズさだった
「なんだこの料理は!
人を哀しくさせるほどマズイぞ!」
「フ・・・これでいいんだよ。俺は料理で人間の感情を操れる。喜怒哀楽をな
この店は俺の料理の実験場なのさ」

怒りを露にする総司に対し、厨房からのっそりと現れた若い男・・・
流れ料理人・生簀一郎
料理で人間の感情を操れると言う生簀。客にわざとマズイ料理を出したこの男に、総司は激しい怒りを覚えるのだった

同じ頃、珍しく田所さん同伴で蕎麦屋に入った加賀美&岬。しかしかけそばを食った田所さんの表情が途端に豹変
「親父・・・なんだこの蕎麦は。蕎麦の香りが死んでいる!
つゆが生臭いのも鰹の品質だけの問題じゃない。ダシを取る時の温度が高すぎるからだ」
「お客さん。ウチの蕎麦に文句があるなら私の目を見て言ってくれませんかね」
「あァん!?」
いきなり蕎麦講釈を垂れ始めたかと思うと、反論してきた店主を鬼のようなガンつけ一発で黙らせる
なんでも田所さんの実家が有名な蕎麦屋さんだそうで。なるほど蕎麦に関しては超一流の舌を持っていたワケです
今週、来週の2話は見てのとおりの完全なギャグ編。
キャラクターの破綻ぶりがすげえ





それからしばらくして、生簀一郎がサルに来店。店の評判を聞きつけて試食にやって来たのだ
早速テーブルの上にあった、ひより特製チャーハンを一口。何度か咀嚼すると、先の田所さん以上にプッツン
「この料理は豚の餌だッ!
女!キサマ中華鍋を振ったな?チャーハンを作るときに鍋を振るのは!
舞い上がった飯粒を直火に直接当てて水分を飛ばす、その技巧があって初めて意味を成す
お前はただ「チャーハンを作っている」気分を味わいたい為だけに鍋を振った!
その証拠に見てみろ!チャーハンに求められる飯粒のパラパラ感が足りない!
鍋を振らずに常に鍋肌に飯粒を当てて水分を飛ばすべきだったな。お前は所詮素人だ!」

海原雄山も裸足で逃げ出すキレっぷり
激昂して「美味いチャーハンの薀蓄」を唾を飛ばしながらまくしたてる生簀。あまりの傍若無人ぶりに総司も怒り再燃
「お前に料理を語る資格はない!」と詰め寄りますが、その時例の包丁が反応。生簀の手に吸い込まれるように納まります
「これは伝説の黒包丁!?キサマこれをどこで手に入れた」
「ある人物に託された。正統な持ち主に渡してくれと」
「そうか。
ならばコレは俺のものだ」

言うなり漆黒の鞘から包丁を抜き放つ生簀。その途端雷雲が立ちこめ、近場に落雷。
やっぱプレシャスだ
「ハァーハッハッハ!感じるぞ歴代の料理人の魂が俺の中に入ってくるのを!
俺は・・・神だ!!
禍々しい妖気を放つ包丁を手に、自らを神と称して高笑いする生簀。
人間て面白!(byリューク)
同じ料理人として、生簀の言動が許せない総司は料理での勝負を申し出る。生簀もこれを自信満々で承諾
「いいだろう。お前のもっとも得意な料理で受けてやる」

2人が作った麻婆豆腐がジャッジ・加賀美の前に並ぶ。判定を敵の友人に任せるあたりも生簀の自信がうかがい知れます
「うん・・・いつ食っても美味い。流石は天道だ」
まず総司の麻婆豆腐を食べてこの評価。並の料理人では例えプロだろうと総司に敵わないのは視聴者も周知ですが・・・
「うッ・・・
ウンマァーイ!!!
こんな美味い物が食えて俺は幸せだぁ〜」
「な・・・バカな!」
続いて生簀の麻婆豆腐を食べた加賀美が
なんかもう大変なことに。のび太のように絶叫するや、
頭に天使の輪を浮かべてふわふわ空中に舞い上がる加賀美
なにこのミスター味っ子

ガツガツとむさぼるように麻婆豆腐を食べる加賀美。かくして勝負は生簀の完勝に終わってしまいます





「見てくれじいや。俺の初給料だ」
「これは・・・73円しかありませんが?」
「食器をたくさん割ってしまったからな。どうやら俺は食器を割ることでも頂点に立つ男らしい
ともかく初給料だ。じいや、受け取ってくれ」

働くお坊ちゃま神代剣、初給料は73円。しかし笑顔で初給料をじいやに渡す姿はなかなか微笑ましいぞ
「おお・・・なんと。これは勿体無くて使えませぬ。額に入れて飾っておきましょう」
「じいや!俺はもっと働くぞ!じいやの喜ぶ顔がもっと見たい!」

孫のように溺愛する主人が初給料を自分に。しかし73円。二重の意味で泣けるシーンです
そんな時、じいやを訪ねて神代家に数名の男達がやってきます。アンタら誰?
「師匠お願いします!どうか・・・どうか我々に代わりヤツを倒してください!」

闇の料理人・生簀一郎が各地で倒してきた料理人達。彼等は打倒生簀の為、現役を退いた師匠の力を借りに来たのだ
そう、師匠とはじいやの事。彼はかつて、その天才的センスで世界に名を馳せた凄腕の料理人だったのである
「ヤツと戦うのですね。貴方ほどの人が出ることはないと思いますが」
「いやなに。弟子達に頭を下げられては引き受けないワケにもいきませんので」
「弟子と言うのなら俺も貴方の弟子ですよ。20年前の貴方の著書・・・今も肌身離さず持ってます
勝負、必ず勝ってください!信じています」

20年前に書いたじいやの著書「料理の心得」は総司のバイブルであった。なるほど、だから総司はじいやをリスペクトしてたのね





かくして生簀一郎とじいやはZECT主催の闇キッチンバトル(なんじゃそら)で勝負することに
近日開かれるZECTのパーティーのために料理人を探しているとの事で、なんと審査員は加賀美陸本人

鹿賀丈史みたいな派手派手衣装に身を包み、
今にもパプリカ丸かじりしそうです
「闇キッチンルールに基づき、敗者は料理人としての名誉と地位を剥奪される
素材は旬の魚・鱧。それでは調理・・・スタァートォッ!」

己が持てる技巧を全て鱧に叩き込む二人の料理人。セコンドの総司も見守る中、やがて二人の料理が完成した
「うむう、素晴らしい鱧ハーモニー!まさにこれは味のオーケストラ!」
まずはじいやの料理から試食。食通の陸も手放しで大絶賛するじいやの料理は、現役を退いた今も未だ一級品
しかし、じいやが自分の勝利を確信した直後。生簀の料理を食べた陸にとてつもないリアクションが発動
「おお・・・私は今、天国にいる!天にも昇る気持ちなのだ!
これに比べたら
お前の料理など豚の餌ッッ!」

「そ、そんなバカな!・・・ううッ?」
息子・新の時と同じように頭に天使の輪を浮かべ、
空中へと舞い上がっていく陸
絶賛から一転して「豚の餌」扱いを受けたショックから、じいやは胸を押さえてその場に倒れこんでしまいます
「フッ・・・・俺の勝ちだな」
伝説の黒包丁の力なのか、あのじいやでさえ太刀打ちできない圧倒的な強さを見せる闇の料理人・生簀一郎
ちなみに彼の正体はワーム。元・麗奈の部下だったようですが、今は暗黒料理道に目覚めて袂を別っているようです





ラストシーン。現れたワームどもを、サソードとガタックという珍しい組み合わせの共闘により撃破
しかし戦闘を終え、変身を解除した剣に異変。
例の発作です。加賀美の眼前で発動してしまいました
見る間にスコルピオワームへと変貌を遂げる神代剣の姿!
「そ・・・そんなまさか!」

我が目を疑う加賀美。ついにその正体が他人の知るところとなった神代剣!次週へ続く!
100%ギャグ回だと思ってたのに!
こんな重要なイベントが「ついでだから」みたいにこなされた!ひでえなこの引き。来週も90%ギャグですよ!


30話

料理の真髄

古来より 時の権力者を意のままに操ってきた闇の料理人に対し
人々の小さな幸せの為に貢献してきた
光の料理人達がいた
そのような料理人の頂点に立つ者に代々伝わってきた包丁がある
その名も―白包丁

前回のオープニングと対を成す「白包丁」の伝承ナレーションで幕を開けたバカ料理対決後編
伝説の黒包丁を手に入れ、あのじいやをも余裕で破り、名実共に闇料理人の頂点となった生簀一郎
次々と有名料理店を訪れては板前と勝負し、そのプライドをズタズタにして店の看板を奪っていきます





300年の歴史を持つ老舗蕎麦屋「だどころ」。先週話していた田所さんの実家の系列店
岬と加賀美に美味い蕎麦を食わせてやろうと2人を連れてきた田所さん。偶然居合わせた総司も絶賛の味です
「この店の蕎麦はなかなか美味い。特に歯応えが絶品だ」
「ほう、君は確かな舌を持っているようだな。ここは俺の弟の店でね」
「どうもぅ!実は俺なんかより兄のほうが数段腕前が上なんですがねェ!
俺が継がしてもらってるんですよぉ!
ヴェッヘッヘッヘ!」
聞く者の耳に障るようなとんでもないダミ声とともに厨房から出てきた田所さんの弟
スマートナイスミドルの兄とはまったく似ない大柄の強面。見た目は悪役プロレスラーみたい

「老舗蕎麦たどころ・・・その暖簾を賭けて俺と勝負してもらおうか」
ここで颯爽と生簀一郎登場。連日の名店破りを続ける彼の今日のターゲットに選ばれてしまったたどころ。危うし
「蕎麦屋破りだとォ!?ど、どうしようお兄ちゃん!」
「うろたえるな。300年の伝統を持つたどころの味が負けるワケがない」

家の味に絶対の自信を持つ田所さんは弟に勝負を了承させますが、結果は生簀の圧勝に終わってしまいます
「美味すぎる・・・ッ こんな蕎麦がこの世にあるとは」
「フッ。では約束通り暖簾は貰っていくぞ」
「キサマ・・・何が目的でこんなことを続ける?」
「全ての料理人のプライドをズタズタに切り裂き、この俺が唯一無二の料理人となる
そして世界中の人間を俺の料理で意のままに操るのだ」

気が遠くなるような作業をさらりと言う生簀。世界中に料理人どんだけいると思ってんだ
料理の道から外れた生簀の目的に、ついに総司は怒り爆発。改めて正式な形での勝負を申し出るのだった





「なんと。あの男と勝負の約束を?」
「お願いします。俺を一から鍛えなおしてください。どんな事でもします」
再戦を申し出たものの、このままでは勝ち目はないと判断した総司。入院中のじいやに弟子入り志願します
しばし考えたじいやは引き出しから一通の紹介状を取り出し、これを総司に預けて言いました
「こんな事もあろうかと用意しておきました。知られざる料理の修業場です。ここへお行きなさい」
紹介状を手に山奥のボロ小屋を尋ねた総司。そこに居たのはじいやと瓜二つの老人だった。聞けば双子の弟だと言う
「料理の真髄を知りたいと申すか。一生をかけてもそれを得られずに死ぬ者もおるのだぞ」
「覚悟の上だ」
「そうか。ならば・・・・
この雑巾を料理してみせろ」

一体なんの修行だと言うのか、雑巾の料理を作ってみろという難題をふっかける老人。言われるがままに台所へ向かう総司
「・・・雑巾の天ぷらだ。しかしこんな事になんの意味が?」
ガシャーン!箸もつけずに皿をひっくり返す老人。もっともな反応です
「雑巾のステーキ。ソースを吸っているので絞れば一応飲める」
ガシャーン!絞ればって。そんなソース一滴たりとも舐めたくねえよ
「うどん。雑巾を細かく刻んで練り込んでみた」
ガシャーン!どれだけ工夫しても老人は料理に箸をつけません(当然)
老人は自分に何を伝えようとしているのか。度重なる失敗に憔悴しつつ腕の汚れを雑巾で拭き取ると、そこで総司の動きが止まる
「そう・・・いうことか」

4度目の挑戦。総司は雑巾に一切手を加えることなく、そのまま老人へと手渡した
「これは?」
「これが俺の出した答えです。
雑巾は料理するものじゃない
世の中の物にはそれぞれ役割がある。その本質を見極める事こそが料理の真髄」
「ならばその本質はどうやって見極める?」
「自然を知り、己を知ることです」
「見事!お前は今、光の料理人となった。この白包丁を授けよう!」

なんじゃそら
会話の内容自体は視聴者に伝わらなくはないですが。これで修行終わりかい。白包丁そんな簡単にくれるんかい





「これより生簀一郎VS天道総司の闇キッチンバトルを行う!
勝負は味噌汁!それでは調理・・・
スターットォッ!」

ZECTの闇キッチンバトル再び。しかし調理開始の時間になっても総司はまだ会場に現れません
このまま不戦敗か?と思われた時、なんとキッチンに立ったのは呼ばれざる田所さん。弟の敵討ちにやってきました
「田所家伝来の包丁・・・長年封印してきたコイツを使うことになるとはな」
田所さんなにやら凄い銘包丁を持ってきたようですが、立派な桐の箱を開けてみるやその眉が歪みます
「くっ・・・・錆びてる!」
田所さんアホやろ。得物の手入れくらいしてこい。必死になって包丁を研ぐ姿が面白すぎる
と、ここでようやく白包丁を携えた総司が登場。田所さんとバトンタッチします
「ほう、逃げずによく来たな・・・・何ィ?それはまさか伝説の白包丁か!」
まさかの白包丁登場に驚く生簀でしたが、総司はあえて研ぎ終わった田所家に伝わる包丁を借り受けます
「黒包丁も白包丁も関係ない。大切なのは本質を見極めることだ」
「物には全て役割がある」ならば包丁は全て包丁でしかない。料理の真髄を悟った総司にはもはや得物は関係なかった
やがて両者の料理が完成。いよいよジャッジタイムに入ります

「淡白なフグの切り身、味噌にはフォワグラを練り込んでいる。まさに味の芸術品!」
生簀の味噌汁はフグとフォワグラを使った超絶の一品。対して総司の味噌汁は、ただの大根の味噌汁であった
そんな貧相な味噌汁に負けるワケがないと勝利を確信した生簀でしたが、一口食った陸のリアクションは・・・?
「これは・・・表現する言葉がみつからない!強いて言うなら天国よりも上の世界!
そしてこの味噌汁に比べたら
お前の味噌汁は豚の餌ッ!」
「そ、そんなバカな!・・・・ううっ?この大根は一体なんだ!」
前回のじいやと同じく逆転で敗れる生簀。納得いかないと総司の味噌汁を口にし、その大根の美味さに身震いします
「俺は細切りにした大根を外に持って行き、そよ風に晒した
そよ風にコーティングされた大根は独特な歯応えと風味を生んだのだ」
「そよ風を調味料にしたと言うのか!
山を越え、河を渡ったそよ風が・・・味噌汁の中を駆け抜けていく!」
「お前は自分の舌と技量だけに頼って世界を見る事を怠った。俺の・・・勝ちだ!」
料理の真髄を得た総司の前に、闇の料理の力は遠く及ばない。誰も文句のつけようない完全勝利です

「クッククク・・・見事だ。俺からも褒美をやろう。死ね!」
生簀はキュレックスワームの本性を現し、総司を亡き者にしようと襲い掛かる。しかし今週は戦闘なんてオマケ
いきなり場面ワープで場所を移し、
速攻ライダーキックでこれを撃破。闇の料理を完全粉砕します





ラスト。前回剣の正体がスコルピオワームであることを知った加賀美は、彼を尾行して観察していました
それで加賀美が得たことは、神代剣本人は自分がワームであることを自覚していないということと、
姉をワームに殺されたために、ワームを憎悪していることだった。弟を殺された自分と剣が重なる加賀美
「姉さんの仇・・・あの蠍のワームだけは絶対にこの手で殺してみせる!」
この事を誰かに教えるべきなのかどうか。1人思い悩む加賀美でしたが、ワームはお構いなしに今日も湧きます
再び前回ラストの同じようにサソードと共闘してこれを蹴散らすガタック。そしてやはりあの発作も起きてしまう
スコルピオワームの本性を現し、理性をなくしてガタックに襲いかかる剣。そんな剣を加賀美は攻撃できません
バキィッ!
「何をしている加賀美」
防戦一方になっていたガタックを見かねたのか、まだ事情を知らないカブトがこのタイミングで助っ人に登場
圧倒的な強さでスコルピオワームをボコボコにします。加賀美は思わずスコルピオの前に立ち、攻撃を阻んでしまう
「やめろ!天道!」
「加賀美・・・どういうつもりだ」

正体を知っても剣を殺せない甘ちゃん加賀美。カブトとガタックが睨み合ったところで次週へ続く!


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