31話

問い

「正気か?ソイツを庇う理由を話せ」
「・・・・くッ!」
ワームを庇う理由を話せず、カブトと戦うしかないガタック。しかも我を失ったスコルピオワームはお構いなしに2人も襲いかかる
しかしここで2人と一匹を襲う謎の衝撃波。遠巻きに様子を伺っていたハイパーカブトの一撃で全員がぶっ飛ばされて戦闘終了です
「なるほどそうか。アイツは・・・」
立ち去るハイパーカブトの後姿を見て、カブトがポツリと呟く。どうやら総司はハイパーの正体に気付いたようですが・・・?

「わかった。くれぐれも警備は厳重にな。連中には気取られるな」
「連中とは我々の事か?完成したようだな。ハイパーゼクターが」

ZECT本部、開発部からの報告に指示を出して電話を切った三島。その背後にはいつの間にか麗奈が立っていた
「ハイパーゼクター?なんのことやら」とシラを切る三島に、麗奈は嘲笑まじりの口調で更に言葉を続けます
「ふ・・・ご苦労な事だな。既にハイパーカブトが出現したというのに・・・・
そのハイパーゼクターもカブトの物になるのにな」

ZECTがたった今完成させたばかりの新兵器・ハイパーゼクター。しかしもう既に「ハイパーカブト」は出現しており
麗奈はハイパーゼクターがカブトの物になることを予見する。はたしてその言葉が意味するものとは一体?





「はっはっは。何をバカな事をおっしゃいますやら」
戦闘の翌日。加賀美はじいやに会い、神代剣の正体がスコルピオワームであったことを打ち明けます
「本当なんです。しかも彼が姉の仇だと言っている蠍のワーム・・・
その仇こそが自分自身なんですよ!」
悲痛に真実を告げる加賀美。するとじいやは別段ショックを受けるでもなく、懐からサングラスを取り出して装着
加賀美と視線を合わすことなく、まるで感情のこもっていない表情で淡々と喋り出します
「神様というのは・・・時に残酷な選択を突きつけますな
名門・ディスカビル家を継ぐのは坊ちゃまを置いて他にありません
例えその正体がなんであろうとも」
「な・・・ッ あなたは全て知っていて・・・!?」
剣の正体がワームであることを知りながら、それでも敢えて執事として彼を守り立てていたじいや。忠義は盲目か


「これだ・・・このかけそばならミサキーヌも満足してくるだろう
俺のように高貴な白さ、そして優雅な太さ。まさに完璧なそば」

「いや・・・それ蕎麦じゃなくてうどんだぞ」
「ウ・ドゥーン!?

そ、それは知らなかった。どこの料理だ。
ウガンダ?スーダン?」

「・・・ちょっと話があるんだ。一緒に来てくれないか」
「なんだ?かけそばの話か?」
意を決して剣本人に打ち明けようとする加賀美。うどんを知らなかった剣がカワイすぎます
登場当初の頃の嫌な金持ち色がなくなり、目をキラキラと輝かせながらうどんの美味さに感動する剣マジ無垢
なんていいキャラに育ちやがったんだコイツ。死んでほしくねえなぁ

「そうかお前は弟を・・・。俺達は似た境遇同士なのかもしれんな」
自らも弟をワームに殺された過去を剣に打ち明け、真実を告げるタイミングを伺う加賀美
剣はそんな加賀美に同情しながら、自分は姉を殺したスコルピオワームを絶対に仕留めてみせる、と強く語る
カミングアウトするならここしかない!と加賀美が口を開いたその時、ワーム出現の報告が入電。2人は戦闘へ
これで都合3週連続となるガタック&サソードの共闘。慣れてきた2人に雑魚ワームどもなど相手になりません
「加賀美。お前のノブレス・オブリージに感謝する
これからは友と呼ばせてもらっていいか?
じいやが言っていた。この世に友情に勝る財産はない、とな」

変身を解除すると、剣は背中を預けて戦った加賀美に対して感謝の意を表す。なんと
友達宣言です
「お、おいちょっと待て!まだ俺の話が・・・」
「安心しろマイベストフレンド。
俺は友情においても頂点に立つ男だ」

真実を告げる前に、爽やかな笑顔で友達宣言されてしまった加賀美。甘ちゃんの彼はますます言い出せなくなります





「天道・・・もし、もしもの話だぞ?お前の知っている奴がワームだったとして・・・
お前はためらったり・・・情をかけたりしないのか?」
「ためらえば自分がやられる。何を言うかと思えば・・・くだらん
全てのワームは容赦なく倒す。どんな例外もない」

『・・・やっぱり天道に剣のことを相談するのは無理か・・・』
総司にアドバイスを求めた加賀美でしたが、その問いに対する総司の返答は取り付くしまもありません
知人がワームであることに戸惑う加賀美、知人であってもワームは仕留めると断言する総司、という両者の対比

その頃、天道家を訪ねたひよりはリビングで1枚の写真を発見。それを見て驚いていた
まだ幼い総司と一緒に写っているのは、
紛れもなく自分の両親の姿
どうして天道と自分の両親が・・?呆然としたまま天道家を出、家に戻ろうとしたひよりの前に立つ人影
「久しぶりだな。改めてお前の身体を調べさせてもらったぞ」
「なんで・・・ボクがいったいなんだって言うんだ」

麗奈さん出た。かつてひよりに興味をもった彼女、その口からとてつもない衝撃の言葉が紡がれます
「お前がワームだからだ
我々の下へ来い・・・日下部ひより」

お前は化物だ、と言われて困惑するひより。否定しようとするも、彼女の背中に羽根のようなものが・・・
ひよりがワームならば、本人は7年前のあの時に殺されたのか?そしてその両親と総司の関係とは?

同じ頃、エリアXの地下実験室。あの謎の小部屋に拘束された鉄化面の男の前に三島が
その姿を見てうなり声を上げる鉄仮面。ゴミでも見るかのような見下した目で三島が声をかけます

「ウウウウウウ・・・ウオオオオオオ・・・」
「フン・・・憎しみの余り言葉も失ったか。お前それで生きていると言えるのか?
喜べ。我等の勝利の鍵を握るハイパーゼクター・・・
その披検体となれる事を!」
「ウッ・・・ウオオオオオオォォ〜ッ!!」
完成したばかりのハイパーゼクターの被験者にされる鉄化面。いったい彼の正体は何者なのか?
南野陽子だったらスゲエよな(有り得ません)





ラスト。買い物帰りの総司の前に茫然自失のひよりが現れる。ひよりが手に持っていた写真で事を察する総司
「写真を見たのか。確かににお前の両親に瓜二つだが・・・なんて事はない他人のそら似さ」
「違う・・・天道、ボクなんか身体が変なんだ
前に遭ったあの女が・・・
『ボクはワームだ』・・・って」
「何をバカなことを。お前がワームであるハズがない」
「本当の事だ。真実を知りたくば我々の下へ来い。私が子守唄を歌ってやろう」
ひよりに真相を教えてやると近づく麗奈。怒りを露にした総司は変身、駆けつけたガタックと戦闘シーンに雪崩れ込みます
で、隠れていたひよりがワームに囲まれてしまう大ピンチ。ウカワームに阻まれ、カブトとガタックは助けに行けません
「くッ・・・ひよりぃーッ!」
『お母さん・・・私を守って!』

総司が悲痛な叫びをあげ、ひよりが母の形見の緑の石を握り締めたその瞬間。彼女の身にその変化は現れた
突如石が発光、ひよりの姿がそのまばゆい光に包まれ・・・・
ドッギャアーン!(荒木風擬音)
光がおさまった時、彼女が立っていた場所に現れたのは
羽根を生やした細身のワーム!
「そんな・・・!」
「ひより・・・・!」
信じられない光景に息を呑む総司と加賀美。日下部ひよりはワーム!衝撃の次週へ続く!


32話

兄妹

日下部ひよりはワームだった。変貌した自分の姿に驚きを隠せないひよりは、そのままどこかへ走り去ってしまう
ワーム達を撃破し、変身を解除した加賀美は動揺しながらも総司に「ひよりをどうするつもりだ?」と問いかけます
「言ったはずだ。相手がワームなら俺は非情に徹すると」
「相手はあのひよりだぞ!?可哀想だと思わないのか!?」
「甘いな・・・家に帰って昼寝でもしてろ。ケリは俺がつける」

あくまでワームは倒すという冷徹な答を非難する加賀美。果たして総司は本当にひよりをその手にかけるのか?

一、ひよりの正体を知った三島の命令で影山がひよりを拉致すべく接近。やはりひよりを手に入れたい麗奈も姿を現す
互いにひよりを欲する両者は牽制し合いますが、そこにひよりを追いかけてきた加賀美が乱入!更にオマケも乱入!
「何をしに来た。この女は我々が確保する」
「知らんな。その女は我々の同胞なのでな」

「そうはさせん!ここは逃げろひより!」
「我が友カガーミ!今こそその友情に報いよう」
シリアス場面に場違いすぎる剣が笑える。かくして場面は一気に大乱戦へ雪崩れ込みます
ワームに襲われかけたひよりが再びシシーラワームに変身したその時、バッドタイミングで現場へやってきたカブト
「よせ天道!やめろォーッ!!」
「ライダー・・・キック!」
加賀美の言葉に耳を貸さず、非情のライダーキックを見舞う総司。哀れシシーラワームは皆の眼前で爆裂四散するのだった





「う・・・ん・・・ここは・・・?」
「目が覚めたか。もう大丈夫だひより」

誰もいない教会で目を覚ましたのは、先刻粉微塵に吹き飛んだハズのひよりと、その凶行を行った総司
しかしそれはすべて総司の仕掛けた芝居。実はシシーラワームにキックが当たろうとしたあの瞬間、
ハイパークロックアップした
ハイパーカブトがひよりと下級ワームを一瞬で入れ替えていたのだ
ZECTや麗奈の目の前で「ひよりが死んだ」という事実を見せれば、もう追われる心配はないというワケである
総司とハイパーカブトは意思疎通しているのか。という事は中身は・・・
「なんでそこまでしてくれるんだ。ボクはワームとかいう化物なのに・・・」
節目がちに疑問を口にするひより。総司は一呼吸置いた後、視聴者もブッ飛ぶ衝撃的な事実を彼女に告げた
「ひより・・・お前は俺の妹だ」
「なにを・・・そんなバカな事が・・・ある・・・ハズ・・・」
言いかけたが反論しきれないひより。そう、あの家族の写真こそは総司の言葉を証明する物なのではないか?
さてここから視聴者も興味津々の総司の回想&説明に入ります





「俺が3歳の時だ・・・俺の両親は2匹のワームに殺され、擬態された
その時、母さんのお腹には赤ん坊がいた
女の子だったらひよりと名付けると言っていたよ」
両親を亡くした俺はお婆ちゃんに引き取られて天道姓になったが・・・
俺の旧姓は日下部。日下部総司だ」
まさに衝撃。総司の両親はワームに擬態され、その擬態したワーム夫婦から生まれたのがひよりだと言う
つまりひよりはワームが「日下部ひより」という人間を殺害してその姿に擬態しているのではなく、
ワーム夫婦から生まれた『生粋のワーム』なのである
そして7年前、渋谷隕石が落下したあの日。少年だった総司は両親に擬態したワームと再会を果たす
憎しみのままに両親の仇である2匹を殺そうとしたその時、彼を止めたのは瓦礫の中から聞こえた叫びだった
「やめて!殺さないで!」
総司にはすぐわかった。その少女が自分の妹(になるハズだった存在)であることに
結局、両親ワームは崩れてきた瓦礫の下敷きになって死亡。総司は彼等に手を下していなかったのである
そしてひよりのみを瓦礫の中から助け出したのだという
「もう大丈夫だ。俺が傍にいる・・・!」

「覚えてる・・・その言葉は・・・今もボクの胸に強く残ってる」
と、ここで回想終了。7年前の瓦礫の真実がついに明かされました。なるほどそういう事だったのか
しかし総司少年が当時まだ開発されていないハズのベルトを持っていた事などについては触れておらず、
更に「総司3歳の時に両親がワームに殺された」という事実は
渋谷隕石落下より数年も前からワームは地球にいた
という事を示しています。肝心な部分の謎はまだまだ残されたまま。まぁあと15話以上あるしなぁ
「ボクは・・・これからどうすればいいの?」
「お婆ちゃんに預ける。そこで平穏に暮らせばいい。何も心配いらない」

婆ちゃんまだ健在なのかよ!
正直それが一番ビックリだわ。なにせ総司をこんなスーパーマンに育てた人。一度見てみたいもんです
そういえば総司には樹花という妹が居るわけですが。彼女は天道姓だから総司との本来の血縁関係は従妹になるのかな?





そんな二人の会話をこっそり聞いていた加賀美。総司はひよりを残して加賀美を外に連れ出すと、凄い形相で迫る
「俺はひよりを守るためならワームも人間もすべて倒す!
選べ加賀美。俺と一緒にひよりを守るか、それとも今ここで俺に倒されるか!」
「・・・落ち着け天道。もちろん俺はひよりの味方だ」
普段見ない感情剥き出しの総司に戸惑ったものの、加賀美とて最初からひよりの味方。共に彼女を守る事を約束します

しかし総司らが外出た僅かな隙にひよりに近づく影あり。神出鬼没・麗奈さんだ
「お前はワームだ。ワームは人間の敵・・・お前の居場所など何処にもない」
麗奈の精神的に追い詰めに耐えられなくなったひよりは一人で外へ。すると、その耳に謎のうめき声が聞こえてきて・・・
「誰・・・?ボクを・・・呼んでる?」
教会に戻った総司と加賀美も居なくなったひよりを探して外へ。そして総司もまたひよりと同じ謎のうめき声を聞くのでした
「誰だ・・・?俺を呼んでいるのか・・・?」
導かれるように「声」の元へと向かうひよりと総司。行く先は
エリアX。声の主はあの鉄仮面の男である




警備のゼクトルーパー達をシシーラワームの力で難なく蹴散らし、エリアXの奥へと突き進むひより
ついにあの実験室に足を踏み入れたひよりは、鎖につながれた謎の鉄仮面の男と対面する
ワームの力で鉄仮面を割るひより。中から現れた、その人物の顔は・・・・・・・ああ、紛れもなくその人物は
天道総司ッッッ!!
ドッギャァアア――ン!!(荒木風)
互いの瞳に吸い込まれるかのように見つめ合う二人。同じ時間、違う場所に存在する二人の天道総司。どういう事なのか?
片方がワーム、ということでないのなら・・・そう。おそらくハイパーゼクターの力で時を超えてやってきた
未来の天道総司、か。助けてゆでたまご先生!

「ひより!」
「無事か!」

ラスト。ひよりより遅れること数刻。ようやく実験室へたどり着いた総司と加賀美は、重い扉を開けて中へ突入
しかしこれはどうした事か。二人の目の前に飛び込んできた景色は薄暗い実験室ではなく、波が打ち寄せる広い砂浜
そして。その砂浜でジュラルミンケースを握り締めて倒れている三島の姿だった。
次週へ続く!



33話

帰ってきた男

「一体どうなっている?オイ!ひよりはどこだ!」
「フン・・・知るか・・・」
地下実験室に踏み込んだハズの総司と加賀美。しかし扉の向こうには何故か砂浜が広がり、三島が倒れていた
ここで何が起こったのか問いただす総司だったが、三島はゼクトルーパー部隊に守られ車で走り去ってしまう

ひよりの居ないビストロ・サルに戻った総司は、彼女が描いた妖精の絵を見ながら一人はらはらと涙を流すのだった
「ひよりお前・・・どこに行っちまったんだよ・・・」
そんな痛々しい姿を窓の外からそっと見つめる加賀美。そしてこの日からしばらく、総司は加賀美の前から姿を消す





そんなある日、ワーム出現の報に現場へ向かった加賀美。そこには既にシャドウ部隊や訓練生までが集合していた
無線で送られてくる司令官の指示に従い、建物の奥へ進むZECT混成部隊。しかし建物の中は凄い数のトラップだらけ
「うわあああ!な、なんだこれは!早く降ろせ!」
いきなり影山が宙吊りにされる中、無事目的地まで辿りつけたのは加賀美と1人の訓練生だけ
しかし目的地にワームはおらず、そこには無線で指示を出していた司令官が料理を作って到達者達を待っていた
「ここまで来れたのはお前達だけか。さてどっちを選ぶかな・・・」
「なッ・・・天道!?お前こんな所で何をしているんだ!」

なんと「司令官」は誰あろう天道総司。事の経緯を激しく詰め寄る加賀美に、ヘルメットを取った訓練生が割って入る
「天道さんはカブトとして正式にZECTメンバーになったんです
それもいきなりエリア司令官ですよ。加賀美先輩、知らなかったんですか?」
「女!・・・ってそんな事ぜんぜん知らなかったぞ」
訓練生・
高取蓮華。加賀美とともに目的地まで辿りつけた有望ルーキーの正体はなんと女性
そして驚くべきことに今の総司はZECT司令官。今回の召集は、総司が自分の副官を決める為のテストだったと言う
総司が二人のどちらを選ぶか思案しているところへ遅れて影山が到着。つい激昂して総司に銃を向けると・・・
「動くな」
「ほう。やるな」
細いワイヤーで銃を斬り落とした蓮華はそのまま影山を拘束。この女出来る!っていうか
影山弱え!
蓮華の能力を高く評価した総司は彼女を副官に任命するのでした

「・・・どういうつもりだ?ZECTに入って内部からひよりの情報を探るのか?」
新エリア司令官天道総司の赴任祝賀会をサルで行ったZECTの面々。こっそり真意を聞く加賀美に総司が答える
「甘いな・・調べる為じゃない。ZECTを潰す為だ
俺以外のライダーを全て消してな」

総司の答は「ZECT殲滅」 そして、その為に自分以外のライダーを全て消去するという
しかしそれが何故ひよりを救うことになるのか?加賀美は総司の真意が理解できずに頭を悩ませるのだった





「何故天道総司をZECTに入れたんです!?」
「それが本来の姿だ。しかしヤツのこと・・・何か企んではいるだろうな
それに関しては既に手を打ってある。お前が心配する事ではない」

「既に手をって・・・俺、なにも聞いてませんよ?三島さん
見捨てないでください!ね?ねッ!?」
総司の件で三島に食ってかかった影山でしたが、三島は既に影山を見放した状態
情けなくすがりつく姿があまりにも似合いすぎて視聴者の涙を誘います。頑張れヘタレ王

「よし。取引成立だな」
その頃神代邸。総司がサソードゼクターを
金で買収。剣も剣で、たかだか400万そこらで売ってしまいます
「ぼっちゃま!サソードゼクターをどうなされたのですか!」
「買いたいと言うから売ってやった。これもディスカビル家再興のためだ
心配するな。変身できずともワームなど・・・このディスカビル家に伝わる名剣
ディスカリバーさえあれば!」

生身でも戦える、と息巻く剣。実際コイツなら生身でもワームと渡り合えるでしょうがじいやの心配はそこじゃありません
「サソードゼクターがなければぼっちゃまはワームになってしまいます!
どうか、どうかゼクターを取り戻していただきたい!」

とじいやに泣きつかれたのは加賀美。総司の強引すぎるやり方に疑問を持った加賀美はこの願いを聞き入れます





「何故サソードゼクターを奪った?剣にはあれが必要なんだ」
「言ったハズだ、全てのライダーを消すと。その為に全てのゼクターを手中に収める
昔のよしみだ、お前は猶予をやろう。自分で選ぶがいい
大人しくガタックゼクターを差し出すか、
俺と戦って奪われるか・・・」
「お前・・・本気で言ってるのか」
加賀美の願いを聞かないどころか、ガタックゼクターも奪おうとする総司。あまりにな無茶苦茶に加賀美もキレる寸前
と、そこに呼び出された影山がやってくると、開口一番でザビーゼクターを差し出せときたもんです。もう総司キチガイだ
「バカな。命より大切なザビーゼクターをどうしてキサマに!」
「そうか。なら力ずくで奪うまでだ」
カブトとザビーの戦いが目の前で始まると、いい加減堪忍袋の緒が切れる加賀美。思わず変身してザビーを助けます
「いい加減にしろ天道!なぜライダーを消す必要がある!?」
「ひよりの為だ!ZECTのライダーはワームを倒すもの
連中が居る限り、ひよりはひよりとして生きていけない」

「!そう・・・いうこと・・・か」
総司の言葉に反論をなくしてしまう加賀美。たしかにZECTライダーが存在する限りひよりの未来は暗いままである
その場はライダーキックの相討ちで勝負を預けた二人だったが、加賀美は自分がどうすべきか思い悩むのだった

「無様だな。力を貸してやろうか?」
「ふざけるな。誰がお前なんかに・・・」
総司にいいようにどつかれ、フラフラと歩いていた影山の前に麗奈さん登場。ヘタレ王を見かねてか助力の申し入れ
最初は断ろうとした影山でしたが、麗奈さんが無言でウカワームに変身するとその威圧感にビビってしまいます
「お・・・お願いします」
流石はヘタレ王!もうコイツには恥も外聞もねえ!





その頃、ゼクターを持たない剣がワームに襲われていた。しかし剣、慌てず騒がず。俺にはコレがある!
「お前達にも見せてやろうワームども。名剣ディスカリバーの輝きをな!」
きゅぽん。しかし鞘から抜き放ったディスカリバーには刀身が見当たりません。柄だけです
「なるほど・・・あまりにも輝きすぎて刀身が見えんというワケか!」
無論そんなワケなく、柄だけの剣でワームにボコられる剣。そこへ慌てて走って来るじいや。右手には一振りの剣
「ぼっちゃまコレを!本物のディスカリバーでございます!」
ディスカリバーを受け取った剣は見事な剣さばきでワーム達を斬殺。おお、本当に生身でも戦えるじゃないか!
戦い終えて、主人を危険な目に遭わせてしまったじいやがディスカリバーの件について説明します
「申し訳ありません。ディスカリバーは資金難で既に売ってしまっていたのです」
「それを買い戻してきた、というワケか。いくらかかった?」
「そ、それが・・・ゼクターを売った金だけでは足りずに
また借金を」
「ふ・・・ふふふ・・・マネーか・・・。金とは儚い物だな」
いつまで経っても貧乏脱出できないバカ殿とじいや。ゼクター1億くらいで売ればよかったのに・・・ZECTなら出せただろ

「ありがとうゴン。大介には何か聞かれなかったのか?」
「大介には黙って持ってきた。天の道を往く男の言う事だもの、きっと間違いないんでしょ?」
ゴンをいいように騙してドレイクゼクターも難なくゲットした総司。もうやりたい放題
しかしそんな総司の前に、助っ人のウカワーム&下級ワームをわらわらと引き連れたヘタレ王が現れます
「貴様・・・ひよりに何を吹き込んだ!エリアXでひよりは何を見たんだ!」
「フン。人間が知る必要はないことだ」
そのまま戦闘へ突入。1対1でさえ強敵なウカワームだというのに、ザビーと下級ワームも同時に相手する多対一
さしもの総司もいいところなくボコボコにされてしまいます





「ライダースティング!」
積日の恨みを受けよばかりにザビーの毒針がカブトの胸を穿つ。大ダメージを負う総司。もはや勝負有り
「よくやった。トドメは私が刺す」
「ああ、そうしてくれ」
ゆっくりと迫るウカワーム。まともに動けない総司はまさにまな板の上の鯉状態・・・・と、その時だった!
”ガリガリガリガリガリ・・・・・・!”
異音。いつのまにか現れた1人の男。西部劇に出てくる、踵に馬具がついてるブーツを地面にこすりつける音
その男の顔を見た瞬間、影山の表情が一変。パンクスタイルの黒いコスチュームに身を包んだその男は・・・
「お・・・お前はまさか・・・」
「矢車か」

元・シャドウ部隊隊長。
パーフェクトハーモニー・矢車想ッ!電撃リターンズ!

「お、お前どうして?パーフェクトハーモニーはどうした?」
「パーフェクトもハーモニーもないんだよ・・・ッ」

気だるそうにそう吐き捨てた矢車。なにやら瞳は虚ろで、とても
「再起した」という感じには見えません
ベルトのバックルをガチン!と開くと、バッタ型のゼクター・ホッパーゼクターがピョンピョンと登場。キタァー!
変身!仮面ライダー・キックホッパー!
シャドウ隊長の座を奪われた彼が、どういった経緯でこのゼクターを入手するに至ったのかわかりませんが
仮面ライダー30周年記念作品に
バッタのライダーとしてカムバック!美味しすぎるぜ矢車さん
「おい・・・今誰か俺の事を笑ったか・・・?お前かァッ!」
誰も何も言ってないのに
被害妄想バリバリでワームの群れにつっ込んでいくキックホッパー
そう、矢車想は再起したのではない。落ちぶれた自分を嘲る
凄まじい負の感情で動いているのだ!

『ライダージャンプ』
バッタのライダーらしく超ジャンプ力で空中へ跳びあがるホッパー。さあ叩き込め!「仮面ライダー」の代名詞!
『ライダーキック』
ドギャッ!ドギュドギュドギュドギュッ!ボガァッ!
上空から急降下キックを見舞うホッパー。スーパーマリオよろしく、連続でワームどもを踏みつけて全滅させます
未知数のホッパーの戦闘力を警戒したウカワームはトンズラ。残されたのはカブトとザビーだけになりました
「て、敵はカブトだ!カブトを倒せ!」
「ハァ・・・影山ァ・・・俺と一緒に地獄へ墜ちよう」
言うなり
ザビーにもライダーキック!自分を貶めた張本人に問答無用のリベンジです
それにしても「俺と一緒に地獄へ」などとあまりに自棄的。どうも視聴者の想像を超えるような地獄を見てきた模様
「が・・・がはッ!それを・・・返せ・・・」
大ダメージを負って変身を解除してしまった影山。ザビーゼクターは上手いこと総司の手中へと納まってしまいます
これでサソード、ドレイク、ザビーゼクターの3つを入手したカブト。よせばいいのに更に貪欲に目の前の男にも!
「全てのゼクターは俺が手に入れる・・・矢車、お前のゼクターももらおうか」
「ハァ・・・お前はいいよなァ天道・・・どうせ・・・俺なんか・・・
ハアアアアアアアアアアアアアッッ!!」
言わんこっちゃない。
精神不安定な矢車さんは総司の言動にすぐさまプッツン。襲いかかってきました
矢車想、
ネガティブライダーとして復活!めっさ続きが観たい次週へ続く!


34話

ハイパーカブト

狂乱のリベンジャーと化したキックホッパーが迫る。激しくも華麗な脚技の前に、さしものカブトも防戦一方
が、そんな鬼気迫る戦いに水を差すかのように影山が二人の間に割って入り、カブトの腕にしがみつきます
返せ!俺のザビーゼクター返してくれよォー!」
頼むよ俺のザビー・・・うわあああああ!」
カブトが腕を振り払うと情けない悲鳴を上げて地面に転げる影山。
あなたが神か?(ヘタレの神)
泣きじゃくる影山の醜態に興をそがれたホッパーは変身を解除、捨て台詞を残していずこへと去っていきました
「お前はいいなァ影山・・・俺なんか涙もとうに枯れ果てた」

「天道を何とかしてください!アイツは俺のザビーゼクターを奪ったんですよ!」
ヘコヘコと本部に戻り、例によって三島にすがりつく影山。もはやドラえもんを頼るのび太
「・・・・・目障りだな」
「ええ、そうでしょう?だから一刻も早く・・・!」
「目障りなのはお前だ。ここは末端の一兵士が来ていい場所じゃない」
キタ━(゜∀゜)━!ついに三島に見捨てられたヘタレ王
「どうしてですか・・・!俺がザビーでなくなったのに・・・
なぜあの矢車には新しいゼクターを!」

「新しいゼクターだと・・・?矢車が?」

尚もしつこく食い下がろうとしますが、いつの間にか現れた蓮華にワイヤーを首に巻かれると黙るしかありません
「腕を上げたな蓮華。優秀な部下には出世という褒美をやらねばな」
「ありがたき幸せ」

影山を部屋から追い出すと、蓮華を優しく抱擁して甘い言葉をかける三島。なんだ、二人はねんごろの関係なのか
それにしても三島の反応を見るに、彼はホッパーゼクターの事を全く知らなかった模様。ならばあのゼクターは一体?




「ひよりの為なのはわかる。だがZECTを潰すとか全てのライダーを消すとか・・・極端すぎる!」
「ひよりが日の下で生きていくにはそれしかない。全てのワームは俺が1人で倒してやる」
「だがそうは言ったって・・・行方不明になったひよりもまだ見つかってないんだぞ!?」
「フ・・・教えてやろうか?あの小娘がどうなったのか・・・
あの日エリアXで一体何が起こったのかを」
一方、加賀美は総司と再び話し合いの真っ最中。そこへ唐突に現れた麗奈さんがいきなり重要な情報を垂れ流してくれます
「あの小娘は時空の彼方へと吹き飛んだ。ハイパーゼクターの実験中にな」
「ハイパーゼクター・・・?時空の彼方・・・だと?」
麗奈の話によると。三島が「ある男」を被験者として始めたハイパーゼクターの実験中にひよりが被験者の彼に接触、
そのエネルギーの暴走により、被験者の男とともに何処ともわからぬ時空の彼方へと吹き飛ばされてしまったのだという
面白い実験結果が出たものだな(イッシン風)
つまり、ひよりを救い出すにはハイパーゼクターの力が必要不可欠という事である

総司は三島をサルへと呼出し、これまで奪ったゼクター全てと交換にハイパーゼクターを渡して欲しい、と直接交渉を申し込む
しかしハイパーゼクターの価値はゼクター4基と言えど比べるべくもなく、三島は鼻で笑ってこれを拒否。交渉は決裂に終わる
「天道総司がハイパーゼクターに気付いたか・・・もう一刻の猶予もならん。蓮華、始末しろ」
三島から蓮華に総司の暗殺指令が下った。この為に彼女を総司の側近として送り込んでいたのである
料理中の総司に背後から必殺のワイヤーを放つ蓮華だったがそこは流石の総司、後ろ向きで軽くそれを回避します
彼女が刺客である事など総司はとうに気付いていた。だが自分の命を狙った彼女を責める事なく、特製オムライスで迎え入れる
「どうして・・・?」
「お前が喜ぶ顔が見たくて作った料理だ。さあ食え。美味いぞ」

ZECT訓練生と厳しい生活の中、食事は携帯保存食ばかりで7年以上もまともな料理など食べていなかったという蓮華
そんな不憫な彼女に食事と楽しさ・ありがたさをもう一度感じてほしいと思った、総司の上官として心遣いであった
「夢にまで見た・・・7年ぶりのオムライス・・・」
総司の優しさと、7年ぶりの口にする料理の美味しさに心を溶かされる蓮華。あっさりと三島を捨てて総司に乗り換えたようです




「なッ・・・何をする貴様!隊長に向かってうがあッ!」
「ザビーでも隊長でもなくなったアンタはただの不協和音なんだよ。とっとと消えな」
部下のシャドウ隊員に
ブン殴られて三行半を突きつけられた影山。ついに落ちるところまで落ちたって感じです
どしゃ降りの雨にズブ濡れになった姿が更に哀れみに拍車をかけますが・・・そんな彼の前に1人の男が現れます
「お前はいいよなァ影山ァ・・・俺が見た地獄はこんなモンじゃなかったぜ」
「矢車!お前のせいで俺は・・・ッ!」
矢車さんです。どしゃ降りの中、傘も差さず道路に腰掛ける姿はまさにダーティヒーローといった雰囲気たっぷり
「ククク・・・地べたを這いずり回ってこそ見える光ってのがあるんだよ」
「光・・・?」
何やら謎めいた言葉を残し、
トチ狂ったように高笑いながら去っていく矢車。狂気丸出しだ
全てを失い、失意の底に沈んでいた影山を拾い上げるような行動を示した矢車。こりゃどうやら影山が「アレ」になるみたいね




「今のままの俺では、また大金を手にしたとしても3秒で使い果たしてしまうだろう
だから俺は学ばなければならない・・・
ショ・ミーンの幸せというものを」

ディスカビル家再興の為にはまず自分の意識改革が必要と悟った剣。誰から言われる事なく自分で気付くあたり聡明です
じいやにそう告げ、屋敷を出て一人旅を始めた剣。
怒涛のギャグパートが始まります
まずは形から、と庶民の服装を所望した剣。アホな店主に勘違いされ黄色帽にランドセルの
小学生の格好
タコ焼きを買い食いしてた樹花が偶然通りかかり、つまづいてすっ転んだのを助けてあげるのですが、
その格好のせいで樹花の友人に
変人と思われてお礼も言われることなく逃走されてしまいます
『わからない・・・ショ・ミーンの幸せとは何なのだ・・・?』
数日間の一人旅で所持金も底を尽き、空腹の状態で菓子屋の商品を手に取る剣。店主に泥棒呼ばわりされて激昂
「おのれ無礼な!お前に決闘を申し込む!」
サーベルの代わりに
縦笛を突きつける剣。しかし生活がかかっている駄菓子屋の親父はそれはそれは強かった
見事な
鶴の構えから、剣の鋭い突きを真剣白刃取り(笛だけど) パンチ一発で難なくKOです
この親父絶対ワームにも勝てるよ
「しょ・・・ショ・ミーンもなかなかやるな・・・だが腹が減っていなければ俺が勝っていた!」
道路に仰向けに倒れ、自分の無様を嘆く剣。そんな彼に近づいてきた少女が大盛りのタコ焼きを差し出した。樹花だ
「あの時は逃げたりしてゴメンなさい。これ助けてもらったお礼です
お婆ちゃんが言ってました。親切を受けたら大盛で返しなさいって」
「美味い・・・なんだこの食べ物は?」
「知らないの?タコ焼きだよ」
「うううう・・・最高だ・・・
タコヤキィー!!!」
タコ焼きをガツガツとかっこみながら、人の優しさに感動する剣。ついに彼なりの「庶民の幸せ」を悟るに至った
意気揚々と屋敷へと戻った剣、その表情は一回り成長した男の顔
「じいや、わかったぞ。食べ物ひとつに対する感謝の気持ち、人の優しさ・・・
それこそがショ・ミーンの幸せなんだな」
「流石でございます坊ちゃま!これからはこのじいやが粉骨砕身お家再興に務めます」
「それなら俺はじいやのじいやになろう」
とびきりの笑顔でじいやを後ろから抱き締める剣。主の優しさに、老執事は流れる涙を堪えきれずに声を上げて泣いた
坊ちゃまマジ名君。アホだけど
もはやこの作品の
好感度N01キャラに成長した剣。この主従は幸せな結末を迎える事が出来るのか?





一方、オムライスで目が覚めた蓮華が総司の為ににハイパーゼクターを盗み出していた
「まさかお前が裏切るとはな蓮華。それを返せ。責任は問わないでやろう」
「いいや、こちらに渡してもらおう女。そうすればその命だけは助けてやる」

しかし三島とゼクトルーパー部隊、ウカワーム率いるワームどもに囲まれて両者から迫られる大ピンチ
駆けつけた総司はカブトに変身するが、蓮華はハイパーゼクターが入ったケースとともにビルの屋上から落ちてしまう
あれほど欲したハイパーゼクターですが大事な部下の命には代えられません。当然ケースを無視し蓮華を助けるカブト
ハイパーゼクターはウカワームの手に落ちるという最悪の事態になるが、なんとそのケースが大爆発してしまいます
三島がケースに備え付けてあった爆破装置のリモコンを押したのだ
「フン・・・貴様等にくれやるくらいなら破壊したほうがマシだ!
どうだカブト。お前の未来も破壊してやったぞ!」
「未来・・・?なるほどそうか。そういうことか」
勝ち誇る三島。だがその言葉を聞いた総司は、逆に何かに気付いたように冷静さを取り戻す
「残念だったな。俺は既に未来を掴んでいる。そしてこれからも!」
「バッ・・・バカな!?」
カブトが右手を掲げると、なんと虚空から
破壊されたハズのハイパーゼクターが出現
丁度その時、屋上で戦っていたガタックがキャマラスワームに敗れて
爆死してしまうのですがこれは演出
そう、ハイパーカブトのインチキな能力を視聴者に見せ付ける為の!
「ハイパークロックアップ」
『ハイパークロックアップ』
ハイパーカブトに変身した総司はその超絶能力を早速発動。クロックアップは本人以外の時間を超スローにするが・・・
ハイパークロックアップはクロックアップを上回るスピードを得るだけではなく、更にその数段上の能力!
時間を巻き戻すという力を持っているのだ!汚ねえー!
「ハイパーライダーキック」
ずどぼがあーん!!!
十数秒の時間を巻き戻したカブトは、ガタックが撃破される前にキャマラスワームを撃破しこれを救うのだった。ズルすぎる!




「なぜ破壊されたハイパーゼクターが復活したんだ?」
「この先の未来で再び作られ、時を超えてやってきたんだろう

俺達が何度か見たハイパーカブトは、おそらく時を超えて俺を救いに来た俺自身だ」

ラスト。サルでハイパーゼクター復活のからくりを加賀美に説明する総司。もう何でも有りじゃん
「それはつまり、将来俺はハイパーゼクターを使いこなし、時空を自在に行き来できるという事
ひよりはきっと助け出せる・・・・!」

希望は未来に。必ずひよりを救い出すという想いを胸に、総司と加賀美は更に決意を強くするのだった
次週へ続く!


35話

地獄で二人

ある日の夜。意味深な言葉とともに、総司の前に帽子を目深にかぶった謎の男が現れた
「選ばれし人よ。もうゼクター集めはやめてください
ライダーがワームを倒してくれないと困るのです」

「お前・・・ZECTの人間か?」
身構えた総司がカブトゼクターを呼びますが、なんとゼクターは総司の手ではなく謎の男の手に止まったではありませんか
「それがあなたの大切な人の為でもあります」
「お前は一体?」

そう言いながらカブトゼクターを手渡す男。敵というわけではないのか?さしもの総司も驚きと動揺を隠せません
しかし質問を返そうとした次の瞬間には煙に撒かれたようにドロン。総司はただ黙って夜の闇を見据えるだけです





「いいか?俺が料理を作っている時・・・その半径1m以内は神の領域だ。決して近づくな」
「はい師匠!」
「師匠!こっちの掃除は俺に任せといてください!」

「流石だねお兄ちゃん!会社で大出世したと思ったら二人も弟子が出来ちゃうなんて!」
天道邸にて料理と掃除に勤しむ2人。前回オムライスで懐柔された蓮華と、なぜかヘタレ王影山の姿
心服の忠誠を誓った蓮華に対し、影山は総司と仲良くなってザビーゼクターを返してもらう腹づもりのようです。セコいな
しかし2人ともやる気はあるのですが才能ゼロ。失敗の連続で、あえなく総司に家を追い出されてしまいます

「よく来てくれた我が友カガーミ!じいや、すぐにもてなしの用意だ!
さあ上がってくれ我が友!
一緒に風呂にでも入ろう!」

一方、神代邸を訪れた加賀美は
大はしゃぎの剣に振り回されてグッタリ。大変な友達を持ったもんだ
サソードに変身せずとも名剣ディスカリバーさえあれば大丈夫と言う剣ですが、無論そう思っているのは本人だけ
ワーム化を抑制する為、サソードゼクターは剣にとって必要不可欠な物。事実を知る加賀美とじいやは同じ気持ちです
「天道、サソードゼクターだけでも返してくれ」
「それは聞けんな。お前のガタックゼクターもいずれは貰い受ける」
「お前・・・ッ!」

改めてサソードゼクターの返却を掛け合う加賀美でしたが、総司は1秒でこれを拒否。流石に加賀美もプチンときました
一触即発の空気に、傍に居合わせた蓮華がお得意のワイヤーを加賀美に向けて構えますが総司がこれを制します
「よせ。加賀美とやる時は俺自身がケリをつける。そうだな?」
「・・・ああ。その時は一対一で勝負だ」

くるりと背中をむけ、憤慨を露にズカズカとその場を去る加賀美。途中、影山が情けない声を出しながら擦り寄ってきます
「なあ加賀美、お前俺と天道の仲を取り持ってくれよ。頼むよ
お前アイツと友達じゃないかよ。なっ?」
「俺とアイツは友達なんかじゃない!」
ヘタレの腕をぞんざいに振り払い、物凄い形相で睨みつける加賀美。どうやら相当総司の事で頭にきてる模様
最後の頼みの綱にもアッサリと断られ、ヘタレ王は半泣きになって呟くのでした。まったく最高すぎるなコイツは
「なんだよくそう・・・そんじゃあお前・・・俺と友達になってくれよォ」





「この男をワームから守れ。本部からの指令だ」
「警護・・・妙な指令ですね。ワームを倒せっていうならともかく」
加賀美に人物の護衛という任務が与えられた。本部が重要視する立川大悟というこの男は如何なる人物なのか?
立川が保育士をしている幼稚園を張りこむ加賀美。と、そこへ麗奈さんの部下の女が出現しコキリアワームに変身します
「あなたの警護を任されている者です!早く逃げてください!」
「ありがとうございます。加賀美新」
「!?なんで俺の名前を・・・」
早速出番だと飛び出した加賀美に礼を言う立川。何故加賀美の事を知っているのか?どうやらタダの人物ではなさそうですよ
しかし園児達がワームに襲われそうになるのを見るや、自分の危険を顧みずに子供達を助けに走る立川・・・するとなんと
加賀美の目の前で、その姿が角の生えた緑色の異形に変貌。
立川大悟はワームだったのだ
「助けてください!」
「た、助ける?俺が・・・ワームを?」
助力を求める立川ですが、加賀美は突然降って湧いた状況に困惑しておろおろするばかり。とりあえず助けてやれよ
ガタックの援護が望めないと悟った立川は、なんと驚くべきことにドレイクゼクターを呼び出し
ドレイクに変身
襲い掛かるワームを華麗に撃破して去っていきました。何故彼がゼクターを?唖然としたまま現場に立ち尽くす加賀美であった

「我々が天道総司からザビーゼクターを奪い返してやろう。ただし交換条件がある
この男を始末してもらいたい。なに正体はワームだ。気楽なものだろう?」

ヘタレ街道まっしぐら驀進中の影山に魅力的な提案を持ちかける麗奈さん。指示したターゲットはあの立川大悟である
ワーム軍団はその存在を疎ましく思い、ZECTはこれを保護しようとする。立川という男にはどんな秘密があるのでしょうか
「へへへ。ザビーゼクターの為ならお安い御用ですよ姐さん!」と
ダボハゼの如くこの話に飛びついた影山
独りになった立川を狙って襲い掛かるが、これを阻む黒衣の集団・・・かつての部下・シャドウ部隊に邪魔されてしまいます
「うおおお前等どきやがれー!」と
半狂乱になってシャドウ部隊を蹴散らす影山
血走った目つきで立川の頭にマシンガンの銃口を突きつけるのですが・・・
「やめてください・・・私は知っている。あなたはこんな事ができる人ではない」
「うるさい!ZECTがどうした!再びザビーになれるなら俺は・・・あれ?」

自分でそう言いかけて一気に狂気が引いていく影山。そう、ザビーになってもZECTを敵に回してしまったら本末転倒である
なぜ自分はザビーに戻りたかったのか。目的と手段が逆転してしまった状況に呆然とした瞬間、彼を銃弾が貫いていた
すごい!撃たれたよこの人!「撃たれる」って落ちぶれ街道の終着点だろ
追いついてきたシャドウ部隊である。口から血を吐き地面に倒れこむ影山に、更に何発かの銃弾が浴びせられます。ひー
朦朧とする意識の中、麗奈率いるワーム軍団を視界に捉える影山。まだ助かる・・・・そう思って必死に声を絞り出します
「た、助けて・・・くれ・・・」
「使えない男だ。殺れ」

返ってきたのは裏切りの言葉。否。こんなものは裏切りなどではない。ワームとの約束を信じた自分が馬鹿だったのだ
ワーム達によってたかってボコられる影山。いよいよもって覚悟したその時、彼を死の淵から救い上げたのは―あの男だった
「よぉ影山ァ・・・・待ってたぞ」





「や・・・ぐる・・ま・・・」
「影山・・・
笑え。笑えよ」
キタァー!まさに「ダークヒーロー」の趣き!矢車想!
生身のままでシャドウ部隊を難なく蹴り倒すと(その間約5秒)、さも気だるそうにキックホッパーに変身
ライダーキック一発で下級ワーム達は全滅、例によって麗奈さんはトンズラし、影山は九死に一生を拾う事に
「いい顔になったな影山。俺と一緒に地獄へ落ちるか?」
「は・・・これ以上・・・どんな地獄があるって言うのさ?」

自嘲気味に答えた影山に向かって、ぞんざいに「何か」を放り投げる矢車。それは黒いホッパーゼクターであった
ガッ!と影山の頭を抱きかかえ、その耳元に囁く。えらく
ホモっぽくてセクシーね
「影山・・・俺の弟になれ」
矢車×影山スールの契り!全国の腐女子が股を濡らす展開です

「人間がライダーになってワームを倒してくれないと、我々ネイティブは困るんです」
その頃再び総司の前に現れた、あの謎の男・・・そう、あの夜は帽子でよくわかりませんでしたが。
立川大悟
「ネイティブ?」
「そうです。
そしてあなたの大切な人も」
「・・・ひよりの事か?ひよりの事を何か知っているのか?」
話に食いついた総司でしたが、そこにコキリアワームが出現し立川に襲いかかる。立川はワーム体に変身しますが
「な・・・ッあの姿は?」
その姿を見た総司の脳裏にフラッシュバックする1シーン。あの廃墟の中、崩れ落ちる瓦礫に押し潰されたハズのあの・・・
この男からはなんとしても話を聞きださなければならない。立川を庇いながら闘う総司は蓮華を人質に取られたりして苦戦
しかし結局最後はハイパーカブトの力で余裕勝ち。コキリアワームには逃げられるが、無事蓮華を救い出すことに成功する
だが戦闘が終わったとき、既に肝心の立川もどこかへと消えてしまい、総司の疑問の答は先延ばしにされるのだった




「ヒャハッ!ヒャハハ!アンタだけだ矢車さん。俺に振り向いてくれたのは」
「俺と二人で歩いていこう影山・・・このゴールの無い暗闇を」

ボロボロになった影山に肩を貸し、薄暗い地下通路を降りていく矢車さん。まるで本当に地獄へ向かうかのように
仮面ライダーパンチホッパー・影山瞬誕生
仮面ライダー35周年作品、ついに
バッタのWライダー登場です
今後彼等はどう関わってくるのか?そして謎のワーム立川は何を知っているのか?ネイティブとは何なのか?
まったく展開が読めない次週へ続く!


36話

赤い靴

ワーム達から逃げる立川大悟を保護した加賀美。とりあえず安全な神代邸に連れて行き、介抱します
「友人の具合は良くなったかカガーミ?友人の友人はエブリバディ友人だ
「助けてくださってありがとうございます」

偽タモリのような台詞を吐きつつ握手を求める剣。礼を言ってその手を握り返す立川でしたが、ここで電撃走る
「この男はワームだ」剣の正体を察するや手を振り払って逃走。同じく相手が人間でないと悟った剣もディスカリバーを抜く
「やめろ剣!コイツは違うんだ!」
「我が友の頼みと言えどそれは聞けん!そこをどけカガーミ!」
立川は前回同様ゼクター召喚で対抗。なんと剣の目の前でサソードに変身すると、ディスカリバーを叩き折ってしまいます
そのままクロックアップしてその場をトンズラする立川。あらゆるゼクターと意思を疎通させるこのワームは一体何者なのか





「俺はかつてアイツと同じタイプのワームを見たことがある・・・
18年前、俺の両親を殺して擬態したワームがあのタイプだった」
「なんだって?じゃあ渋谷隕石落下よりずっと前からワームは地球に居たってことに・・・」

「ヤツは自分を”ネイティブ”と呼んでいた。俺達が知っているワームとは別の存在なのかもしれん」

立川の正体を推察する総司と加賀美。ひよりの事を知っているそぶりを見せた彼は、何としても保護しなければなりません
「発見したら本部には内緒で保護しろ」と部下に命令を出す司令官・総司でしたが三島に嗅ぎつかれて2人は対立します

「・・・キミ達二人が争ってもZECTには何のメリットも無い。自重したまえ」
そんな2人を呼び出し注意を与える陸。これは渡りに船とばかりに、総司は陸に直接疑問を問いただします
「教えろ。ネイティブとはなんだ?ひよりとどんな関係がある?」
「ネイティブ?さあ?ひより・・・キミのたった一人の妹さんだね。彼女は元気かね?」
「とぼけるのもいい加減にしろ!今の俺がその気になればZECTを潰す事も・・・!」
「キミは・・・『赤い靴』の物語を知っているかね?」
当然ながらはぐらかす陸。激昂して詰め寄る総司だったが、ここでいつもの例え話が飛び出します
「少女が赤い靴を履いて舞踏会に行くが、靴は彼女の意思とは関係なく勝手に踊りだしてしまう
実はね、カブトとガタックも履いているんだよ
君達の意思に関係なく、全てのワームを倒すまで踊り続ける赤い靴

その靴がいつ勝手に踊りだすか・・・それは誰にもわからない」

「俺達の意思に関係なく全てのワームを・・・だと?バカなッ!」
はたして嘘か真か。陸曰く、カブトとガタックにはワーム殲滅の為の暴走機能のようなモノが存在していると言う
ならばその「赤い靴」が踊ってしまった時、大切なひよりさえも自分の意思とは無関係に倒してしまうという事になる





「人間とはなんと脆く儚い生き物なのでしょう・・・しかしそれゆえに愛おしい」
「お前達は・・・人間の敵じゃあないのか?」
「やはりワームには2種類いるらしいな。・・・ひよりはお前等の仲間なんだな?」

なんとかZECTより先に立川を見つけた加賀美と総司。推察通り、ネイティブが戦いを好まないワームであることを知る
そして18年前に生まれたひよりは当然人間と敵対しているワームではなく、彼等「ネイティブ」の仲間である
「私はひよりさんの居場所を貴方に伝えねばなりません」
「ッ!・・・・知っているのか!」

なんとひよりの居場所を知っていた立川。総司が大喜びで聞き出そうとした瞬間、ワームの群れが彼に襲い掛かってきた
ひよりの為にも何としても立川を守らねばならない総司と加賀美。そんな赤と青の戦士の戦いぶりに、立川が呟きます
「戦いの神ガタックに選ばれし人、加賀美新」
「なぜその言葉を?」
「太陽の神カブトに選ばれし人、日下部総司」
「なんだと?」
それはエリアXで見た、35年前のライダー計画資料にあったあの一文。この男は何をどこまで知っているのか?
ワーム達を掃討し、いよいよ真実を聞き出そうとした二人だったが、ここでカブトが突然頭を押さえて苦しみ始めたではないか
一度その場に倒れこんだ後、ゆっくりと起き上がると・・・なんと立川に対して攻撃を繰り出すカブト!
なんという事か。陸の言葉は真実だった。まさに最悪のタイミングで
「赤い靴」が踊ったのだ
「なにをする天道!やめろ!」
「うがああああああああああああああああッッ!!!!」

必死で止めるガタックにも見境無く襲いかかるその様はまさに「暴走」。ガタックはライダーキックを喰らって大ダメージを負ってしまう

「君の壮大なる計画は・・・我々の息子達がきっと完成させてくれるだろう
安心したまえ。日下部君」
その頃。薄暗い部屋でライダー計画の資料の1ページを破り、ライターで火をつける陸の姿があった
加賀美と日下部、35年前の計画に記された二人の息子の名前。「壮大な計画」とは果たして如何なるモノなのだろうか





「天道・・・一体どうしてしまったんだ・・・」
ライダーキックのダメージでフラフラながらもカブトの前に立ちはだかり、なんとか立川を逃したガタック。お前は男だ(高田風)
しかし眼前からワームの姿が消えても尚納まらない「赤い靴」の暴走。カブトの攻撃は止まらず、加賀美は命の危険の大ピンチ
「どうせ俺達は日向を歩けない」
「汚してやる・・・太陽なんて!」

と、そこへナイスタイミングで現れた我等が
バッタ兄弟。影山は顔面に凄い傷作ってハーロックみたいになってます
「いくぞ影山」
「兄貴とならどこまでも」

キックホッパー、パンチホッパー変身。それぞれカブト、ガタックを相手に有無を言わさず襲い掛かります
さながら
テコンドーの達人の様な華麗な脚技でカブトをボコボコにするキックホッパー燃え。ファランみてー
『ライダージャンプ』         『ライダージャンプ』
『ライダーキック』  『ライダーパンチ』

どばこーん!ぼろぐしゃー
消耗していたカブトとガタックを圧倒的な力で粉砕するWホッパー。このまま主役二人はバッタ兄弟に殺られてしまうのか?
「兄貴!」
「はん!」

と思ったらボコるだけボコっておいてすぐさま帰っていくバッタ兄弟。
何しに来たんだお前等。謎すぎ
「加賀美・・・お、俺は今まで何を?」
「お前・・・何も覚えてないのか・・・?
俺が止めるのも聞かずに立川に襲い掛かったんだぞ!」

変身が解けたおかげで正気に戻っただ総司だが、暴走中の記憶は吹っ飛んでいる様子。加賀美に聞かされてショック受けてます
「赤い靴・・・本当だったとはな
カブトとガタックには俺達の意思とは関係なくワームを倒す、言わば暴走スイッチがあるらしい」
「なんだよそれ・・・俺達の意思とは無関係にだって!?」
「その話は後回しだ。今は立川を追うぞ」
二人に履かせられた破滅の靴。しかし今はその事実を嘆くより立川を再び保護することのほうが先決である。ひよりの為にも





ようやく立川を探し当てた総司と加賀美だったが時すでに遅し。丁度ワームたちに殺されてしまった瞬間だった
「おい!おいしっかりしろ!」
「皆既日食・・・皆既日食を探して・・・そこにひよりさんは居ます
駆けつけた総司は息を引き取る間際の立川から、ひよりは皆既日食の中にいるという言葉を告げられる
それにしても「日食の中に居る」というのはどういう事か。おそらく直接的な意味でなく何かを暗喩していると思われます
暴走のせいで心身ともに披露のピークだった総司ですが、立川の死を受け止め怒りのハイパー変身。ワームを撃破するのだった

「全てご存知だったのですね。ホッパーについても」
「地獄の扉が開いた。そう・・・闇の時代がやてくるのだ」

三島が知らなかったライダー・ホッパーについても全てを知っていたという陸。ならば彼等は陸の命令で動いているのか?
カブトとガタックをボコっておきながらトドメを刺さなかったのはそう命令されていたから?Wホッパーの動向は今後も注目です

ラスト。戦闘を終え、なにやら一昔前の青春ドラマのように河原で大の字になって寝そべる総司と加賀美
「俺がさっき暴走した時・・・よく止めてくれた。感謝する」
「よせよ。お前らしくもない」
「集めたゼクターは全て持ち主に返そう。暴走したライダーを止められるのはライダーだけだ
約束してくれ。もし俺が暴走してひよりを倒そうとしたら・・・
お前が俺を倒してくれ
ただしその逆の時は俺がお前を倒す。いいな?」

「赤い靴」の脅威に備えライダーを増やし、そして互いの暴走を互いが止めるという約束を交わす主人公二人
得体の知れない不安を抱えながらも、互いの絆を再確認する総司と加賀美であった。
次週へ続く


37話

呪いの鏡

「樹花ちゃんの学校で野球部の生徒が行方不明になったんですって」
「そりゃ一大事じゃないですか」

樹花の中学校の野球部がランニング中に忽然と消えてしまう事件が発生した。これを聞いた総司は部下達に捜査指令を下す
しかも岬の事前調査によれば、野球部員全員の捜索願いが出されていたにも関わらず、何故かすぐに取り消されているという
樹花の
「学校の呪いの鏡の仕業だよ」という何やらオカルトめいた証言もあり、どうやら普通の失踪事件でない事だけは確か
総司は購買のパン屋さんとして学校に潜入、加賀美、岬に加え、蓮華もこの捜査に乗り出すのだった
「あ、これも天道司令官からの命令よ。蓮華ちゃんの面倒は加賀美君が見ろって」
「ええー?ヤダ」
「ヤダって言うなこの!
俺だって嫌だよ!」

「天に代わって剣を振る男、神代剣だ。この俺と共に学べることを光栄に思うがいい」
一方、樹花のクラスに転校生が。どういうワケか
我等が坊ちゃまです。ハチャメチャすぎる
「全ての学問の頂点を極め尽くしたので庶民の勉強を学びにきた」そうですが。100歩譲っても高校にしろ高校に
「あー!あなたはあのときの変な小学生!」
「おお、お前はあの時タコヤキジィーヌをくれたショ・ミーン!」

再会を喜び、樹花の隣に座る剣。じいやが煎れた高級そうな紅茶にご満悦です。コイツ
金遣い改めてねえ
「な、何をするか君達は!無礼者!離せ!離しなさい!」
当然
教室の外へ強制連行されるじいや。剣の中学生活は「お坊ちゃまくん」を地で行けるな





聞き込みによれば、野球部員が失踪してしまったのは学校の怪談「呪いの鏡」に願いをかけたからだという
「呪いの鏡」はその願いを叶えてくれるが、叶えたと同時にその人間を神隠しに遭わせてしまうのだそうだ
「良かったんじゃない?あんな弱小部消えたほうが。まして呪いの鏡に願掛けなんて最低だわ」
学年成績トップを狙うガリ勉少女・小林恵子はなんとも冷たくそう言い放った。流石の総司も渋い表情です
そんな折、模試の結果が張り出されますが恵子は猛勉強の甲斐も空しく学年10位の成績。いや10位なら十分だと思うけどね
ちなみに1位には
「天道樹花」の名前が燦然と。意外だ。いっつもひたすら飯食うだけなのに頭良かったのかよ妹
「樹花すごーい!また1位じゃん」
「ふっふっふ。優秀な兄が家庭教師をしてくれるもので」

あぁそうか。言われてみればあの総司が勉強見てくれてるんだから成績良いのは当たり前か。納得しました

「何が頭の良くなるお守りよ!こんなのっ!」
芳しくなかった模試結果に荒れ、フクロウの携帯ストラップを地面に叩きつける恵子。と、割れたストラップを拾い上げる男の手が
どういう偶然か、近くに居合わせた影山です。砕けたストラップをさも愛おしげに手の平に乗せてブツブツと嘆きます
「これは・・・・俺だ・・・粉々に砕けてしまった」
「な、なによ・・・人間そんな簡単に壊れたりしないわよ。私だって・・・
もうそんなお守りに頼るのはやめたわ。次のテストは頑張らないと」

怪しさ満点のお兄さんに困惑しつつ、その場を去ろうとした恵子。そんな彼女を突如出現したレプトーフィスワームが襲う
「逃げろ!」
影山はパンチホッパーに変身、彼女を助ける為にレプトーフィスワームにつっ込みます。一応他人を守ったりはするんだな
苦戦するホッパーでしたが少し遅れてカブト、ガタックも駆けつけると形勢不利と見たレプトーフィスワームはトンズラし戦闘終了
生徒が襲われたということは、おそらく失踪事件にワームが絡んでいる証拠。これ以上チンタラ捜査はやっていられません
岬は女教師、加賀美はラグビー部のコーチ、蓮華は同ラグビー部マネージゃーとして中学校へ潜入します





「今度貴方達の新しい担任になった岬原です。よろしく」
「あっ岬さんだ!」
「おお、ミサキーヌ!」
「嘘?な、なんで貴方が・・・?」
ちょうど樹花のクラスの担任となった岬。コスプレエロいぞ。まさかの剣登場にすっかり気分が滅入ってしまいます
数学の授業中、剣があまりにも元気よく挙手するので仕方なく彼を当てると、剣は黒板の前でクラス中にこう一言
「諸君に名誉を与えよう。この問題、俺に代わって解く者はいるか?」
こいつマジで御坊茶魔
もういつ
「ともだちんこ!」と叫びだしてもおかしくありません。もし本当に言っても違和感ありません
「はいっ!ぼっちゃま!」
「よし、ではじいや!」
じいやが問題をスラスラと解くと、自信満々の顔で岬を振り向く剣
「家臣の回答は俺の回答も同然。そうだな?ミサキーヌ」
即バケツを持たされて廊下に立たされる剣とじいや
「じいや・・・これはなんのご褒美だ?」

一方、恵子を助けた影山が埠頭で1人たそがれていると、ツカツカ近づいてきた矢車さんが開口一番
「影山お前・・・自分が良い事した、なんて思ってないよな?
俺達みたいなろくでなしが少しでも光を掴もうなんて思うと・・・痛いしっぺ返しをもらうぞ」

「・・・・・!」
少女を助けた弟分にいきなりダメ出し。言い方からするに「助けるな」って事ではないんでしょうが
助けたことで「自分にも何か良い事があるかもしれない」なんて思うと、ロクな事にならないという忠告と思われます
えらいねじくれ様ね。人間、どんだけ酷い目に遭ったらこんな風に悲観的になるんでしょうか





加賀美の調べでかつて全国大会で優勝するほどの合唱部があったが、やはりある日忽然と消えたことがあったという
今でもたまにその歌声が聞こえてくることがあり、その歌が聞こえてくるとき、死んだ者が甦るとい怪談があるのだが・・・
「ほう興味深い話だな。それはともかく・・・お前等、手伝ってくれ」
総司が作った焼きそばパンは生徒達に大好評。昼は凄まじい大混雑に見舞われ、ZECTメンバー総出の大忙し
「なんだこの騒ぎは?」
「ここの焼きそばパンがすっごく美味しいんだよ」
「ヤキソーバ?それはカケソーバの親戚か」

樹花に連れられて剣もやってくると、初めて見る焼きそばパンに目をキラキラ。更に店員に知った顔を発見して驚きます
「あっお兄ちゃんだ。お兄ちゃーん!」
「おう樹花!お前も食うか?」
「何?あの男がお前のお兄ちゃんだと?・・・
おお!我が友カガーミ!」
「げげっ剣!なんでお前がここに?」
一同に会する主要キャラ達。昼休みが終わる頃には加賀美、蓮華も精魂尽き果ててすっかりダウン状態に
そんな大騒ぎを横目で見ながら一人屋上で勉強していた恵子に、総司は1個とっておいた焼きそばパンを手渡します
「取っておいてやったぞ。食ってみろ」
「・・・・・すっごく美味しい」

メガネっ娘属性なのか、何故か恵子を気にかけて優しくしてやる総司。生徒には平等に接しろよ
と、その時。怪談・合唱部の歌がどこからともなく聞こえてきた。そして消えたはずの野球部員たちのランニングする姿が!
『合唱部の歌が聞こえる時、死んだ者が甦る・・・』
ならばあの野球部員達は全員死んでいて、地獄から甦ってきたとでも言うのか?総司と加賀美は急いで階段を駆け下りる




現場へ急行した二人だったが、そこに居たのはレプトーフィスワームと下級ワームを引き連れた黒衣の女性二人だった
やはり今回の事件の裏に居るのは怪談などではなくワーム。カブトとガタックに変身した二人は下級ワームをたちまち殲滅する
「ネイティブというワームについて聞かせてもらおうか」
「それはお前達ZECTのほうがよく知っているのではないか?
・・・ハイパークロックアップを使う前にヤツを倒せ!」

問答無用でレプトーフィスワームをけしかける黒衣の女。しかしカブトはハイパーカブト変身すると、更に右手を虚空にかざした
「俺を見くびるな。お婆ちゃんが言っていた・・・俺の進化は光より速いと
全宇宙の何者も俺の進化にはついてこれん!」

ひゅおん!と太陽光の中からカブトの右手に舞い降りた黄金の剣。
パーフェクトゼクター。なんじゃこりゃー
まだゼクターONしてませんが
最強武器がいきなり降って湧きました。しかも雑魚相手に!
普通はもっとさぁ・・・強敵相手に苦戦とかしてさー。そう、例えば麗奈やっつける時に出すとかじゃないと。演出力足りねーって
なんだか
安売りされてしまった最強武器を手にレプトーフィスワームに立ち向かうハイパーカブト

「お願い。次のテストで学年1位を取らせて・・・!」
しかしその頃、成績でトップになりたい恵子は呪いの鏡の前に立って願いを口にしてしまうのだった。
次週へ続く!


38話

砕けた鏡

パーフェクトゼクターの力でレプトーフィスワームを退散させたカブトだったが、やはりこの中学にはワームの影が蠢いている
樹花が楽しみにしているキャンプを無事に行うためにも潜入捜査はこのまま続行。総司らメンバー事件は真相解明を急ぐ
そんな中、前回幽霊合唱部の歌とともに戻ってきた野球部が地区大会で優勝した。以前は恥晒しとまで言われた弱小部だったのに・・・?
突然
180kmくらいの豪速球を投げるようになったエースのおかげらしく、投球練習を見る限り人間業とは思えません
「俺はかつて甲子園に出場した男だ。俺のバットであいつの化けの皮を剥がしてくる」
意気揚々とバッターボックスに立つ加賀美でしたが結果は三球三振。キャッチャーミットが煙を上げる速球はやはりどう考えても異常です
「やぁ良いピッチングだったね。全国大会も期待しているよ」
そんな
異常エースに笑顔で近づく理事長。遠巻きにそれを目撃し、その笑顔に何か黒いものを感じるのだった

捜査の結果、「かつて突然消えた」と噂された合唱部は、7年前に全国大会で優勝していたが、経済的な事情か何かで廃部になったと言う
それがいつのまにか“消えた”という噂になって広まったらしい。「呪いの鏡」に関しても取り付けが悪く、鏡面が歪んでいただけだった
「学校の怪談なんて蓋を開けてみればこんなモンなのかもな・・・」
怪談めいた噂はすべてデマに過ぎないのか?そんな折学年テストの結果が発表され、1位には天道樹花を抜いて
小林恵子の名が
「随分頑張ったようだな。これは1位になったご褒美だ」
妹が負けたのは残念でしょうが、あれだけ猛勉強していた恵子の努力が報われたのは、それを見守っていた総司にとっても嬉しいところ
ところがドッコイ。せっかく総司が笑顔で差し出した焼きそばパンに目もくれず、挨拶もせずに黙って脇を通り過ぎてしまう恵子
自分には心を開きかけていたのに・・・変わってしまった恵子の様子に違和感を感じた総司が尾行すると、またもそこにはあの理事長の姿が
「学年1位おめでとう。次は全国模試1位も夢じゃないね」
「・・・楽勝よ」
「結構結構。
そうなれば理事長の私も鼻が高い」

人形のように表情の無い顔で黙々と参考書を読む恵子。そんな機械のような生徒を見てご機嫌な理事長。総司は全てのからくりを察します
「なるほどな・・・そういうことか」





一方、前回恵子を助けた件で矢車にダメ出しされてしまった影山ですが、気の毒に今回も説教の続きをくらってました
「言っただろ・・・俺達みたいなろくでなしが光を掴もうなんて思うとしっぺ返しをもらうってな」
「お・・・俺は別にそんな・・・」
「相棒、俺達はずっと一緒だ。出口のない無間地獄で一生もがき苦しみ続ける」

矢車さん人生に絶望しすぎ
どんだけ諦めてるんでしょうかこの人は。「絶対に自分達が救われることはない」と確信持ってますよ。嫌な確信だな





「楽しいキャンプになりますよーに!あとバドミントンがもっと上手くなりますよーに!」
兄の苦労妹知らず。総司達が事件解決に奔走する中、ボンクラの樹花はよりにもよってキャンプの成功を呪いの鏡に祈ってしまいます
かくしてバドミントン部を乗せたバスはキャンプに出発。引率役として加賀美と蓮華も同行、勿論その本来の目的は部員達の護衛です
残った総司と岬は新たに手に入れた情報と元に、再び呪いの鏡の前へ
「7年前の合唱部員の卒業後の足取りは全員途絶えているわ・・・・
しかも親達は皆、
『子供は7年前から帰って来てない』と言ってる」
「だろうな。俺も学校の古い見取り図を見てコレを発見した」
総司が鏡を叩き割ると、奥には以前あった
合唱部の部室が出現。そして7年前の合唱部員が当時のままの姿で歌っていた
「呪いの鏡」は、7年前に消えた合唱部の部室を隠すために取り付けられていた「蓋」だったのだ
「コレが全ての発端だった・・・そうだな理事長?」
部室の外で様子を伺っていた理事長の首根っこを掴んで引っ張り出す総司。やはり全ての怪事件はこの男が関わっていたのである
「7年前。合唱部全員がワームに擬態され、その合唱部は全国大会で優勝した
事実を知ったお前は恐ろしくなり、合唱部を廃部にしたが全国大会優勝という栄誉が忘れられなかった
お前はワームと手を組み、
呪いの鏡に願いをかける生徒を連中に引き渡した
つまり生徒をワームに売ったんだ」

「学校の名誉の為にやった事だ!それに生徒の願いを叶えてやってどこが悪い!?
フンそれに・・・既に次の生徒、
天道樹花の願いもワームに伝えてあるぞ!」
「なんだと?」

外道理事長許すまじ。学校の、ひいては自分の名誉のために生徒達をワームに売り渡していたド悪党です
途端に合唱部員達がワームに変身したかと思うと、煙のように部室から消失。おそらくはターゲットの樹花の下へ向かったのでしょう
「岬、こいつの始末は任せた。俺は樹花達を追う!」
総司はすぐさまバスを追い、外道理事長は岬に銃を突きつけられあえなくお縄となりました。この世に悪の栄えた試しなし!




総司から携帯で連絡を受けた加賀美と蓮華は樹花の監視を強化。顔を近づけすぎてキスしそうになったりと、にわかLOVEフラグが
そんな中、バスがトンネルにさしかかると突然のエンジンストップ。そして合唱部のあの不気味な歌がトンネル内にこだまする
まさかの幽霊合唱部に怯えまくるバドミントン部員達。すると加賀美が突然大声で歌いだし、生徒達にも呼びかけます
「さあみんなも一緒に歌え!
元気よく歌えば幽霊合唱部なんて逃げ出すさ!」
青春ドラマに出てくるような熱血教師まんまの加賀美。その情熱が生徒達にも伝わったのか、バスの中は幽霊の歌も打ち消す大合唱に
先週は「先輩と一緒なんてヤダ」とか言ってた蓮華も、
にわかLOVEフラグのせいで熱い視線を注いじゃってます
「蓮華、俺が出て行ったら絶対にドアを開けるなよ」
「・・・先輩はどうするんですか?」
「幽霊退治だ」

一人バスの外へ出た加賀美はガタックに変身し、襲いくるワームの群れにつっ込んでいく。これは蓮華じゃなくても惚れちまうぜ
レプトーフィスワームに苦戦するガタックでしたが、ここで意外と言えば意外、予想できたと言えば予想できた助っ人が現れる
「我が友カガーミ!俺はキャンプにおいても頂点に立つ男だ!」
どうやってついてきたのか我等がお坊ちゃまくん神代剣。すぐさまサソードに変身してガタックとともに戦います。頼もしいヤツだ

「粉々に砕けちゃったお兄さん・・・お兄さんも私達の仲間になりなよ
そして全て忘れて明日から頑張ろう」
一方その頃、影山の前に現れた恵子と野球部のエース。優しい言葉で影山を誘いますが、当然二人の正体は・・・
「羨ましいぜ相棒。俺も誰かに励まされたい」
颯爽と現れた矢車を見るや、擬態を解いてその正体を現す二匹のワーム。やっぱ恵子は殺されたのか
影山の人助けも無駄に終わったという、なんとも救いの無い話。矢車の「俺達みたいなろくでなしが〜」はこういう事だったのか
変身したダブルホッパーは二匹のワームを必殺技で瞬殺。やはり自分達に光がもたらされる事はないと再認識するのでした
「相棒・・・・やっぱりお前は最高だ」
「・・・・兄貴こそ」





ラスト。ガタック&サソードがレプトーフィスワームに苦戦する中、ようやく総司が現場に到着するや速攻でハイパーカブトに変身
パーフェクトゼクターを呼び出すと、なんとサソードの変身が強制解除されてサソードゼクターがパーフェクトゼクターへ連結する
「な・・・?どういうことだ?」
「お婆ちゃんが言っていた・・・絆とは決して断ち切ることの出来ない深い繋がり
どんなに離れていても心と心は繋がっている」

更にザビーゼクター、ドレイクゼクターが飛来すると、次々にパーフェクトゼクターに連結。その真の攻撃力を解放します
『カブトパワー』  『ザビーパワー』  『ドレイクパワー』  『サソードパワー』
『フォースパワー コンバイン』
『マキシマムハイパータイフーン』
ずばしゅうう!ぼがーん!
真紅に輝く光の刃が強敵レプトーフィスワームを一刀両断!攻撃はCGエフェクトバリバリでかなりカッケーです。使う相手がなぁ・・・
無事に戦闘を終えた総司でしたが、突然ハイパーゼクターが勝手に機動し総司は別の次元へと飛ばされてしまう
その世界には空一面に見える皆既日食と・・・
何者かに手を引かれていくひよりの姿が
「ひより!」

しかし近づこうとした瞬間、再び元の世界へ引き戻されてしまう総司。どうやらあの次元にはまだ一瞬しか留まることが出来ない様子
しかし日々ハイパーゼクターのコントロールを自分のものにしていっている事は間違いない。ひより救出の日は確実に近づいている

「待っていろひより・・・・もうすぐ助け出してやるからな
そして俺は二人の妹を何があっても守り抜いてみせる」

樹花達ののキャンプに付き合いながら、総司はかけがえない二人の妹を守り抜くと誓いを新たにするのだった。次週へ続く!


39話

運命の女

「天道総司・・・今日こそお前を倒してハイパーゼクターをもらう」
冒頭。自らサルに乗り込み、総司との直接対決を申し込む麗奈さん。何か必勝の策でもひっさげてきたのでしょうか?
『ハイパースティング』
びしゅーん!ぼがーん!「う、うわあー!」
えええー!?別段何をするでもなく、ザビーパワー「ハイパースティング」で大ダメージを負ってしまう麗奈
マキシマムハイパータイフーンの初お披露目が
雑魚相手だったのに。麗奈をザビーパワーだけで倒せるって演出酷すぎるな・・・
部下のサブストワームに助けられほうほうの体で逃げるウカワームでしたが、麗奈の姿に戻ると力尽きたように倒れてしまいます

『いつまでも大介と一緒に居られますよーに!』
『運命の女性と巡り会えますように』
偶然近くの神社にお参りしていた大介とゴン。二人の前に突然足取りのおぼつかない謎の美女が現れ、目の前で気絶してしまう
言わずもがな。カブトにやられて逃げてきた麗奈さんです
「なんて美しい人だろう。神様・・・ありがとうございます
しかしこの女性以前どこかで・・・?いやこれほどの美人なら僕が忘れるハズはない」

「神様への祈りが自分とこの美女を引き合わせたのだ」と。その運命的な出会いと、麗奈の美しさに心奪われていく大介
麗奈には一度ボコボコにされてる大介なので、冷静に記憶の糸をたどれば彼女がワームであると気付くハズなんですが
衝撃的な出会いと、目の前で気絶するという儚げなイメージのせいで記憶が繋がりません
「は・・・ここはどこ・・・?貴方は誰ですか?」
「何言ってんのよ。見ず知らずのあなたを大介が介抱したのよ」
「そうですか・・・ご迷惑をおかけしたようですね。ありがとうございました」
やがて意識を取り戻す麗奈。なんとダメージのせいかワームとしての人格を失い、人間「間宮麗奈」だけの人格になってます
なるほど興味深い。神代剣の場合も、麗奈さんのようなケースでワームの自分を自覚せずに人間でいるんでしょうか
「いえ礼には及びません。あなたのような美しい女性を助けるのは男として当然の事
あなたの美しさはまさにこの世にたったひとつの・・・ひとつの・・・・」
「・・・奇跡」
「そうそう、それそれ!」

そんな麗奈にいつものように甘い言葉をかける大介。当然ゴンは面白くなくてふくれっ面です




オペラ歌手を目指していた間宮麗奈に戻った麗奈。思い出せぬ記憶に不安を抱えたままかつての仲間たちのもとへ
長い間音信不通だった麗奈の突然の復帰に、仲間達の反応は喜んで迎え入れる者、冷たく突き放す者それぞれです
「今更何しにきたの間宮さん?悪いけど次の公演、あなたの出番はないわよ
私が歌うことに決まったんだから」
元・ライバルだったらしい女に嫌味を言われる麗奈。「とりあえず歌ってみろ」と、先生には情けをかけられるのですが・・・
長かったブランクのせいか、どうしても以前のような声が出ない麗奈。その結果に先生もガックリしたように切り捨てます
「・・・錆ついたな、麗奈」
「せ、先生!もう一度チャンスをください!どんな厳しいレッスンにも耐えてみせます!」
「・・・どちらを使うかは最終的な出来で私が決めよう。もう一度死ぬ気でやってみろ」
どうしてこんな事になってしまったのか。ワームの記憶がない麗奈は、この浦島太郎の状況にただただ戸惑うばかり
それでも夢である舞台に立つために、公演ギリギリまで厳しいレッスンをつけてもらう約束を取りつけるのだった

そんなある日、公演のチラシを配る麗奈と運命の再会を果たす大介。これも何かの縁と一緒に食事しながら談笑へ
「紅会・・・ほほう。オペラですか。麗奈さんが歌われるんですか?」
「たぶん・・・いえ、必ず出ます。もしよろしかったら是非聴きにきてください大介さん」
「もちろんです。麗奈さんの為に僕ができることなら何でもしますよ」
一緒にチラシ配りまで手伝ってあげるお人好しの大介。麗奈もまんざらでもないようで、二人はなんだかいい雰囲気に
しかし。そんな普通の生活に戻った麗奈を遠目から妖しく見つめる黒装束の女。冒頭で麗奈を助けたサブストワームですが・・・
「フン・・・なるほど。そういうことか・・・」

「えーホントに!?そうなんだぁ・・・うんうん」
「樹花、食事中に電話は行儀が悪いぞ」
「だってぇ・・・好きな人が出来たんだもん」
「なぁにィ〜!?」

※(ものすごい裏返った声で)
その夜、天道家の食卓では樹花の爆弾発言に総司大ショック。放送開始以来最大のうろたえぶりをお茶の間に披露します
今まで聞いたこともないようなすっとんきょうな声を出し、立ち上がるやキッチンにもたれかかってブツブツ。すげえ挙動不審だ
「そ・・・そうか恋をしたのか・・・まぁお前も年頃だしな・・・ど、どこの誰だ?
どんなヤツだ?
ええい面倒だ!今すぐここへ連れて来い!」
「・・・あたしじゃなくて友達!お兄ちゃんの勘違い!」
「・・・・・・そ・・・・・・それを先に言え」

テンパって「いますぐソイツを連れて来い!」と泣きわめいたところで樹花に冷静に切り返され、恥ずかしそうに席につく総司
やべ。
総司めっさ萌え。普段の完璧超人なイメージを覆す、微笑ましい慌てんぼうお兄ちゃんぶり
全国の水嶋ヒロファンの女性が皆テレビの前で「ヒロくん超かわいいー」と悶えたであろう、ナイスなワンシーンです





「見ろ。全て俺宛てのラブレターだ。全て返事を書くのに腱鞘炎になってしまったぞ
どうやら俺は腱鞘炎になることでも頂点に立つ男らしい」

あくる日のサル。ダンボール箱いっぱいに詰まったラブレターを持ってきて、加賀美に自慢気に見せる剣。
モテすぎ
差出人は樹花の中学校の女生徒達でしょうか?あー、そうだとすると樹花の友達が好きになった男って剣の事なのかな?
「で?俺にそれを自慢しにきたのか?」
「違う。ラブレターには全て断りの返事を書いた。俺が好きなのはミサキーヌ一人だからな・・・
我が友カガーミ、頼みがある。
俺とミサキーヌの仲を取り持ってくれないか?」

加賀美に頼み込んでまで岬とステディな関係になりたい剣。ぼっちゃま大好きな視聴者としてはこの恋応援したいところです
が、当の岬さんはこの報告にゲンナリ。断るなら真剣に断ればいいものを、その場しのぎの嘘で剣のアタックをシャットアウトします
「私ね、加賀美くんと付き合ってるの。ラブラブなの。だからあなたとは付き合えないわ」
「そ、そそそ・・・実はそうなんだよ。俺達ラブラブなんだ」

「口裏合わせなきゃブッ殺すぞ!」というようなスゲエ目つきで岬さんに睨まれ、仕方なしに話を合わせる加賀美
普通の男なら「嘘だろう?」とか言って食い下がりそうなものですが、我等が剣は皆知ってのとおりの
純真無垢
すっかり嘘を信じてしまった剣は、なんとも言えない哀しい笑顔を浮かべると
何も言わずにフェードアウト
かけそばの屋台を引きながらその場を去ろうとしますが、大失恋の絶望感に打ちひしがれた身体には力が入らず
足を動かしても動かしても前に進みません。チクショウなんだこれ。可哀想すぎる

その頃。橋の下で二人、昼飯のカップラーメンをすすっているのはみんな大好きバッタ兄弟
食ってるカップめんが
兄弟ラーメン「兄貴塩」「弟味噌」ってスゲエ
このへんは流石に井上脚本といったところでしょうか。食い物ネタ関係の仕込みはかなりレベル高いです
「あの犬いいなぁ・・・褒められてる」
「相棒・・・まだわかっちゃいねえな。俺達は闇の住人だ。光を求めようなんて思うな」
愛犬の散歩中の飼い主が、犬の頭をなでなでしただけで「羨ましい」などとぬかして羨望の眼差しで見つめる影山
犬を羨ましがるとは
もはや墜ちるトコまで墜ちたか。それにダメ出しする矢車さんもナンすぎる





ひよりの飼っていたオウムに餌をやるため彼女のアパートに行った総司は、そこでひより特製レシピを発見
「これはひよりが店のメニューに出そうとしていたヤツだ・・・」感慨に浸った総司はそれを店へ持ち帰り、厨房に立ちます
『ひより・・・お前の思いは俺が叶えてやるからな』
と、ちょうどそこへやってきたのは大介と麗奈。オペラ公演のチラシを店内に置かせて欲しいとやってきたのだ
「その女が誰なのかわかってるのか?こいつはワームだ!」
「なにをバカな・・・・はっ!?そ、そういえば・・・!」
血相を変えた総司が厨房から飛び出すと、の言葉にかつて自分をボコボコに追い込んだ麗奈の姿を思い出す大介
運命の人だと思っていた女性はワームだった。ショックを受けた大介は、その場にヘナヘナと力なく座り込んでしまう

「お前は俺が倒す!変身!」
「ワーム?わ、私には一体何のことだか・・・」
その隙に麗奈を表へ連れ出した総司はカブトに変身。状況をまったく理解できない麗奈を問答無用でブッ殺そうとします
しかしそこで割って入ったのは気を取り直して彼女を追いかけてきた大介。ドレイクに変身して総司の前に立ちはだかる
「なんのつもりだ。そこをどけ」
「やめろ!今の麗奈さんはワームの記憶をなくしているんだ!」
ドレイクがカブトを引き離し、ひとりポツンと取り残された麗奈。そこに現れたのは黒装束の女性・・・あのサブストワームです
記憶を失い、ワケもわからぬままカブトに殺されそうになった上司を保護しにきてくれたたのでしょうか?・・・否!
「間宮麗奈・・・お前はワームの心を失った・・・我等の掟に従い、処刑する」
ゲェー殺しにきたのかよ!ワームの人格を失ったワームは始末されるのが彼等の掟だそうな。だから剣も以前狙われたんだな
麗奈の悲鳴に舞い戻ったドレイクはサブストワームと激突、いつもの如くわらわらと湧き出した下級ワームどもを相手するカブト
更に駆けつけた加賀美もガタックに変身し、怯える麗奈の眼前は大乱戦に
『マキシマムハイパータイフーン』
パーフェクトゼクター一閃で雑魚ワームを駆逐するカブト。その時ちょうど大介と麗奈がサブストワームの攻撃に吹き飛ばされ、
麗奈のブレスレットから緑の石を総司が何気に拾い上げた、その瞬間。ハイパーゼクターの時空超越能力が再び発動した

「ひよりッ!」
空一面に巨大な皆既日食の見える、あの奇妙な時空で再びひよりと再会した総司。しかも今回はすぐに引き戻されません
ひよりを救出するのは今回がチャンスか。胸躍る総司でしたが、近づく彼からひよりを守るように1人の男が立ちはだかります
自分とまったく同じ姿をしたその男に息を呑む総司。そう、相手はあの
鉄仮面総司です
「うう・・・ヘ・ン・シ・ン・・・!」
あの実験室での拷問のせいなのか、鉄仮面総司の喋り方はひどくカタコトで、著しく言語能力に劣っているように見えます
黒いカブトゼクターを呼び出した鉄仮面総司はマスクドフォームに変身。更にすぐさまキャストオフしてライダーフォームへ
真紅のカブトの目の前に立つ、漆黒のカブト。二人のカブトが対峙したところで次週へ続く!
※次週は駅伝の為、仮面ライダーカブトは放送お休みです。注意しようぜ


40話

耳を澄ませば

ひよりを守ろうと言うのか、有無を言わさず襲いくる黒いカブト。パンチ、キック、互いに繰り出す攻撃は威力・スピードともに全て互角
最後はライダーキックの激突になるが、これだけ何故か黒カブトのほうが威力上。ブッ飛ばされたカブトは通常時空へ戻されてしまいます
「天道!いったい何があったんだ?」
「ひよりと会った・・・しかしなぜ擬態した俺と一緒に・・・?」
総司は黒カブトに変身した男を「自分に擬態したワーム」と認識したようですが・・・・・はたして。「オリジナル」はどちらなのか?

「どういうこと・・・?私もあのワームという化け物なんですか?」
「落ち着いて麗奈さん、貴女は貴女です。化物のワケがない」
目の前で展開されるライダーやワームの戦いに混乱する麗奈。なんとか彼女を落ち着かせようとする大介でしたが、更に厄介な連中が
「仮面ライダードレイク・・・風間大介。いいよなぁ」
「メイクアップアーティストなんてカッコいいよねぇ」
強敵・間宮麗奈もワームの記憶を失った今なら簡単に倒せる。襲いかかるWホッパー。麗奈を庇って応戦する大介ですがなにせ2体1
大介が影山にかかりっきりになった隙をつき、矢車さんが麗奈に迫ります。何もわからぬ麗奈はただ恐怖に怯えて命乞いするばかり
キックホッパー必殺の蹴りが麗奈の顔面に向けてうなりを上げる!・・・が、なぜか矢車さんは当たる寸前で蹴りを止めてしまいます
『この女・・・瞳の奥に闇が見える。俺と同じ地獄を見たか』
「大介!今のうちに逃げて!」
矢車さんが見せた一瞬の隙。いったどこから持ってきたのか、そこにゴンが
消火器で煙幕を張りながら突撃
小さな援軍の機転で危機を脱した大介と麗奈。しかし逃げる途中で麗奈が頭をおさえて苦しみだすと、ワームの心を取り戻してしまう
無防備なところを殴り倒される大介。とどめを刺されそうになるが、ギリギリのところで再び麗奈の心が表に表れ事なきを得るのでした

「兄貴!なんで蹴りを止めたんだ?まさか・・・間宮麗奈に惚れたワケじゃないよね?」
「・・・・・」

決定的チャンスを逃した兄を問い詰める弟。矢車さんはその問いには答えず、ただニマニマした笑みを浮かべるだけ。その真意は?





「風間さん・・・大丈夫ですか?」
気が付いた大介の眼前に心配そうな表情の麗奈。あわてて身構える大介だったが、既に麗奈は再び人間の状態で安定していた
「私・・・なんですね風間さんを傷つけたのは。やっぱり化物なんですね」
記憶のない麗奈だが、自分が大介を傷つけたに違いない事実は明白。自分を責める麗奈に、大介は歌を歌って欲しいと優しく微笑む
今はとても歌えないと首を振る麗奈。しかしその代わりに、何故自分が歌を始めたのかを話し始めます
「私、子供の頃人と話すのも怖かったんです。そんな自分を変えたくて歌を始めて・・・
それで色々なと出会い、お世話になってようやく人間っていいなって思えるようになりました
私の夢は、そんな私の想いを歌にのせてたくさんの人に届けることです
大介さん・・・もし私がまた私じゃなくなったら・・・もう1人の私に伝えてください
心の声に耳を澄ませて。そしたらきっと私の歌が聴こえるはずだから、と」

「・・・わかりました。必ず」
ウカワームの意識に自分からの伝言を、と大介に頼む麗奈。大介は深く頷き、この願いを聞き入れるのでした

「もうあの女に手を出すな・・・だと?本気で言ってるのか」
「ああ」
「バカなヤツだ・・・相手はワームだぞ」
「なんとしても麗奈を守る」と決意を新たにした大介はその日のうちにサルへ。総司に真正面からその意向を伝えます
「相手はワームだ」と冷たく言い放つ総司に、しかし大介は揺るがぬ彼女への愛でこれを跳ね除ける
「大切な女性がワームだった・・・ただそれだけのことだ
お前に身近な人間がワームだった人間の気持ちがわかるものか!」
「・・・わかるさ。わかりすぎるほどにな」
妹であるひよりを殺せない自分にどうして大介を責める資格があろうか?それ以上総司は口を開くことはありませんでした

それから数日後。再び依然の歌声を取り戻した麗奈は見事オペラの公演の主役をゲット。大喜びで大介に電話で報告します
しかしそんな麗奈の前に、彼女を始末しようとするサブストワームが出現。頼れる大介も傍に居ない今は完全なる絶体絶命
しかしここで思いもかけぬ展開が。そんな麗奈を救う意外な人物が登場。そう誰あろう・・・・・
矢車想!
「逃げてください。貴女は俺が守ってみせます」
ええええええええええええー?
なんだこれ。「瞳の奥に闇が見える」は勇次郎風に言うところの
「なんていい女だ・・・」という意味だったんでしょうか
キックホッパーに変身した矢車はサブストワームを撃退。無事に麗奈を守ると満足げな笑みを浮かべます。これじゃ怪しいストーカーだ
物陰からその一部始終を見ていた影山は当然そんな矢車の行動が我慢なりません
俺達みたいなろくでなしが光を掴もうとするとロクな事がないんじゃなかったのか?ましてや女に惚れてそれを守ろうなどとは笑止千万
ドン!と矢車の胸を一突きすると、視線もくれずにその場を去ってしまう影山。流石にばつが悪い矢車さんは何も弁明できません




「はぁはぁ・・・だ、ダメ・・・風間さん・・・わ、私に近づかないで!」
公演当日。よりにもよってこの日、またもワームの心が頭をもたげ始めた麗奈は大介の前でワームの意識が目覚めてしまう
「何故だ?何故人間ごときの心がこうして表に出てくる・・・」
「麗奈さんが言っていた。お前の心の声に耳を済ませろと
お前にも
人間を素晴らしいと思える麗奈さんの歌が聴こえるはずだ」
「馬鹿馬鹿しい。所詮人間など小さな欲望の塊・・・取るに足らん存在だ」
大介は麗奈との約束を守り彼女の言葉を伝えるが、ウカワームは「馬鹿馬鹿しい」と切って捨てる
麗奈の心はウカワームに届くことはないのか?そんな緊迫した場面へノコノコ何も知らずに現れたのは・・・・やはり矢車さん!
「消え失せろ。この人は俺が守る」
”ガコンッ!”
言い寄る男から女性を守るナイトを気取って麗奈の前に立った矢車さん。ウカワームの一撃を無防備にくらってブッ飛びます
「うわああああああああああああああああ!!」
うわああああ!は視聴者の台詞だよ!(号泣)
さながら少林サッカーかカンフーハッスルみたいに木の枝をヘシ折りつつ30mくらい吹き飛ぶ矢車さん。なんだこりゃー
身体中と顔面にスリ傷をたくさんつくってトボトボと河原に帰って来た矢車さんを、とてつもなく嬉しそうな顔の影山が出迎えます
「おかえり兄貴」
「・・・ただいま」

「俺達が光を掴もうとするとロクな目に遭わない」まさしくその言葉の通り、
壮絶にフラれてしまった矢車さん
チクショウ
地獄兄弟面白すぎる
ダークヒーローとして再登場してから、今まで積み上げたキャラクターが
今回で完全に瓦解しました

「あ・・・あああああ!ダメ・・・ダメ・・・!」
「大丈夫、大丈夫だ。俺が傍にいる!」

そんなギャグキャラになってしまった地獄兄弟をスルーし、再び2つの意識がせめぎあう麗奈を強く抱き締める大介
大介が男らしくて格好いいシーンなんですが
直前に矢車さんが飛んでるだけに効果が半減です





「メイクアップ完了。これならステージでも映えますよ」
「ありがとうございます。でも・・・きっともう間に合わない。わかるんです
私はもうすぐ私じゃなくなって・・・もう帰ってこれない
約束してください風間さん。その時は貴方の手で私を・・・!」

なんとか意識を取り戻し大介にメイクをしてもらった麗奈だが、もうすぐ「なくなって」しまうであろう自分を自覚して涙する
その時は愛する大介の手で自分を倒してほしいという、麗奈の悲壮な決意に言葉を失う大介
観客のいないホールで本番前のステージに上がると、ひとりの観客の為に歌い始める麗奈。大介は瞳を閉じて聴き入る
だが。歌の途中で麗奈にウカワームの姿が重なり、動きが止まる。ついに彼女の意識はウカワームに取って代わられたのだ
身構える大介だったが、何故か麗奈は最後までその歌を歌いきった

「待て!麗奈さんを返せ!」
「もうあの女の意識が戻ることはない。諦めろ」

歌い終えると大介に目もくれずその場を去ろうとする麗奈。だがそんな麗奈の言葉に大介は反発する
「嘘だ!なら何故歌を続けた!?まだ麗奈さんの心が・・・!」
「黙れ」
その言葉が勘に障ったのか、さっきまでアウトオブ眼中だった大介に突如攻撃をしかけるウカワーム
変身もせずに防戦一方の大介だったが、ウカワームが近くにいたゴンに狙いを定めると覚悟を決めてドレイクに変身
更にサブストワームが乱入しようとするのですが、これの前に立ちはだかったのはなんと総司。美味しい役回りだなぁ
「野暮なマネはよせ。お前の相手は俺だ」

カブトがサブストワームを撃破し、BGMに麗奈の歌、スローモーションで銃を構えるドレイクという美しい演出の中
ついに大介はその銃口をウカワームへと向けてトリガーを引く。それが
彼女との約束だったから
「ライダー・・・シューティング!」
正面から撃たれた光弾を硬い甲羅の盾で防ぐウカワーム。盾のおかげでそれ自体のダメージはほぼ皆無。だが!
衝撃で後方に弾き飛ばされたウカワームの先には、それより先に的外し気味に撃っていた一発目の光弾がまだ残存していた
正面と背後からの挟撃!言わば

ライダーシューティング1人時間差撃ち!
二つの光弾に挟まれたウカワームの身体はまばゆい閃光とともに大爆発。大介は彼女との約束を果たすのだった

「不思議だ・・・なぜ・・・私・・・は・・・」
ラストシーン。大介の腕の中で虫の息の麗奈。震える手を大介の顔に伸ばすと、穏やかな表情でそっとその頬に触れる
その穏やかな表情のまま。糸の切れた人形のように彼女の手が落ちる。大介は動かなくなった大切な人を強く強く抱き締めた
「麗奈さん・・・大好きでした・・・本当に・・・ッ」
最後はまともな声にならず、そのまま泣き崩れてしまう大介。その耳にはいつまでも麗奈の美しい歌声が響いていた


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