第11話

ローリングストーン・夢の扉

「やはりここに居たか。君のお母さんが亡くなってから二度目の春・・・
喜べゆり。ついにイクサシステムが完成した」
「本当ですか嶋さん!お願いします・・・是非イクサの力は私に!」

1986年
母の墓前で打倒ファンガイアを誓うゆりの前に、嶋がイクサシステム完成の報を持って現れた。ぱぁっと表情が明るくなるゆり
ファンガイアに殺害されたゆりの母は
イクサの設計者。イクサはゆりにとって、母の遺志の体現であったのだ
「あのファンガイアの顔は絶対に忘れない・・・母さんのイクサで必ず仇を討つ!」
あの日研究所を襲い職員を皆殺しにしたファンガイアの顔を、ゆりは瞼に焼き付けていた
回想見る限り
フルフェイスのヘルメット被ってたんですけど仇。ホントに顔見えたのか怪しいモンです
なにはともあれ母の仇を討つためにも、ゆりはイクサの装着者は自分してくれるよう嶋に懇願するのだった





2008年
「なんやねんバンド辞めるって!?もうすぐ俺等の初ライブやんか!なぁ!」
「もう俺達お前の夢に付き合うのは疲れたんだよ。じゃあな」
「・・・俺は諦めへんぞ!絶対に!
俺のロックで世界中の人間をジンジンいわしたるんや!」
ロックミュージシャンを目指す青年・襟立健吾は、初ライブを目前にしてメンバーに去られてしまった
絶対に諦めるものかと公園で一心不乱にエレキギターを弾く健吾の前に、音楽に誘われるように渡がやってきた
「凄い!なんて凄い音楽なんだ!
でもなんていうんですかこの音楽?ベートーベンでもモーツァルトでもないし」

「本気で言っとるんか自分!?
これはロックや!ロックンロール
まぁええわ。俺の演奏を正座して聴いてきれたんはアンタが初めてやからな」

流石つい最近まで引き篭もりだった渡。外界の音楽に触れる機会はなかったようで、初めて聴くロックに強い感銘を受けた様子
ロックに興味を示した渡を気に入った健吾は、「貸してやるわ」とベースを一本預けるのでした。初対面なのに良い奴だなぁ

「凄いやんけ・・・ジンジンきたわ!渡お前天才や!
なぁ、俺とバンド組まへんか?今度ライブがあるんや。なぁええやろ?」

数日後。すっかりベースを弾きこなすようになった渡に感動した健吾は、バンドを組んでライブをやろうと渡に提案する
「でもドラムがいないし・・・」と渡が難色を示すと、そこに颯爽と現れたのはなんと静香だ
「どうやら私の出番みたいね。人呼んで嵐を呼ぶドラマー・・・野村静香!」
静香自重しろ。と視聴者の誰もが突っ込む登場シーンだったが、これが本当に凄い腕前だった静香
さながらDMCのカミュのようなスティック捌きに、健吾は大喜びで静香をバンドに迎え入れるのだった
「いやぁ渡!お前と知り合えてホント良かったわ!俺達いい友達になれそうやな」
「と・・・・友達・・・!」
「渡、良かったね」

静香を除けば初めてとなる「友達」をゲットした渡。引き篭もりだった彼にとってどれほど嬉しいことでしょうか

「名護さん!この前は生意気なことを言って本当にすみませんでした!」
「いや。私のほうこそ大人気なかった・・・
だがもし君が悪いと思っているのなら、ひとつ私の頼みを聞いてくれないか?」

そんな折り。三度啓介に頭を下げ、師弟の関係を修復した渡だったが啓介の言葉に返答を詰まらせてしまう
「キバを探し出してくれ。キバだけは私の手で倒さなければ・・・!」
何故啓介はこれほどにキバを憎むのか。見に覚えのない敵意に渡は困惑しするしかない





1986年
「随分とご機嫌だな。そんなに俺といるのが楽しいのか?」
「バカ言うな。もうすぐ欲しいものが手に入る・・・それが嬉しいのよ。凄くね」
イクサ完成の報を聞いてからというもの、すこぶる上機嫌のゆり。いつもの音也のバカも軽く受け流せる余裕があります
「自分がイクサの装着者になる」という思いから来ている高揚感でしょうが、果たして本当にイクサは彼女の物なのか?
と、その時2人の前にイヤーウイッグファンガイアが現れた。
例によって音也は吹っ飛ばされ、ゆりもピンチに追い込まれると・・・・朦朧とする意識の中、ゆりは信じがたい光景を見る
ゆりと音也のピンチを救う、純白の強化戦闘服の戦士。
紛れもなくイクサであった
「どうして・・・?私のイクサが・・・!」
完成したばかりのイクサはまだまだ不備があるらしく、途中で煙を吹いたりする怪しげな描写が入りますが、
それでも尚ファンガイアを圧倒する戦闘力でこれを消滅させる。初陣としては十二分すぎる戦果と言えます
さて戦闘が終って気になるのはその正体。まさかの嶋の裏切りに激しく動揺するゆりの前に現れたのは・・・・
「次狼・・・・!」
まぁ普通に考えてこの人しかいないんですがね。22年前、完成したばかりのイクサの初代装着員となった人物
それは生粋の人間ではなく、
ガルルこと次狼さん!
母の意志であるイクサを自分から奪った人間が愛する男だった。はたしてゆりの心中たるやどれほどのものでしょうか





2008年
恵は母・ゆりの志を継ぎたいからイクサになりたい、と嶋に打ち明けていた。イクサは恵の家女系三代の夢だったのだ
いつか啓介からイクサ装着員の座を奪うべくトレーニングする恵の前に、あの変態ファンガイア糸矢が現れた
「やあ久しぶりだな!チュウ〜ッ!」
「ファンガイア・・・その命、神に返しなさい!」
相変わらずキモイ糸矢でしたが、今回は啓介が傍に居た為にまったくなにも出来ずにボコられます。イクサマジつえー
蜘蛛怪人らしく壁をスルスルと登ってビルの屋上へ逃れたスパイダーファンガイアだったが、そこにはキバが待ち構えていた
スパイダーファンガイアを圧倒するキバ。糸矢はイクサにボコられ、キバにボコられ
マジで可哀想です
しかしあと少しでトドメというその時、専用バイク
イクサリオンに乗ったイクサが屋上へ登場
ファンガイアには目もくれず、キバに突っ込んできました
ダメだこいつ・・・早くなんとかしないと・・・
「やめて名護くん!」
何発かパンチとキックを応酬するキバとイクサ。戦闘力はほぼ互角のようですが、渡は啓介を本気で攻撃できません
戦いを止めさせようとする恵の叫びも虚しく、やがて防戦一方のキバをイクサの一撃が捉えた
激しく吹き飛ばされたキバは高層ビル屋上から川へ転落。その身体が浮かんでこない事を確認した啓介は大声で叫ぶのだった
「勝った・・・・!俺はキバに勝った・・・!
勝ったんだあああああああああああああ!!!」

なんか
濱口の「獲ったどー!」に近いハイテンションな絶叫です。喜びすぎだろと
ついに本懐を遂げた啓介。22年前、装着員を巡るいざこざ。物語はイクサの謎を中心に展開していくみたい。次週へ続く!


第12話

初ライブ・黄金のスピード

「キバを倒した?何故そんな勝手な事をした」
「何も問題はないでしょう。あとは残ったファンガイアを殲滅するのみ」
2008年
啓介は意気揚々とキバ打倒を嶋に報告。何を勘違いしているのか、調子付いてムチャなことを言い始めます
「その為には青空の会を今よりもっと大きくする必要がある
私が組織の長となり
ゆくゆくは世界を管理します」

『僕は新世界の神になる!』
何を言い出すんでしょうかこの人は。どんどん狂った方向に突き進んでますよ
ツッコまずにはいられないたまらん迷走ぶりです。これは啓介、キバきっての名物キャラに化ける予感が

一方、川に落とされたキバは河原に流れ着いていました。発見したのはドサマギであの場から逃げおおせた糸矢
動かないキバを見て狂気し
大きな石を落としてトドメを刺そうとします。お前は虎眼流の門弟か
「チュウ〜ッ!・・・・・ヒッ!?」
しかし生きていたキバがピクリと動くと、糸矢は途端に石を放り投げて逃げ出してしまいました。コイツ愛嬌あるなぁ





「嶋さんイクサを返してください!解ってるでしょう?アレは私の物なんです!」
「違うな。イクサは人類の物だ。それが解らん君にはイクサは任せられん」

1986年
イクサ装着者の座を次狼に奪われたゆり、は激昂して嶋を問い詰めていた。それを冷静な態度で受け流す嶋
嶋では話にならないと直接次狼に「イクサ返せ!」と訴えますが、その答もまた彼女を突き放すものであった
「ダメだ」
「・・・・・ッ!アナタを信じてたのに・・・・・!もういいわよ!
青空の会なんて辞めてやる!」

ブチ切れたゆりは2人の前で脱会を宣言してマル・ダムールを飛び出すと、フラフラと音也の元へ

「なんだ?デートに誘いにきたか?」
「あぁ、今日は本当にデートしてやる」

突然のデートの誘いに音也は大喜び。
喜んでゆりとあちこち出かけるのだが・・・・
肉を3kgも平らげたり、服のまま池に飛び込んだり

といったゆりの奇行にすぐ彼女が自暴自棄になっている事を見抜く音也。まぁこれだけやられたら普通見抜くわな
「デートはここまでにしよう。今日のお前は・・・好きじゃない」

その夜、音也は次狼の前に立っていた。あれほど毛嫌いしている男をわざわざ訪ねる理由は・・・
「イクサとやらをゆりに返してやってくれ。ゆりはアレを欲しがっている
・・・・頼むッ!」

なんということか。あの自尊心バカの音也がなんと次狼に対して
土下座を!
ゆりの為ならば、嫌いな男に頭を下げること辞さない音也。彼女を本当に大切に想っている事が伝わります
そんな2人の様子を陰から見ていたゆりも、たまらず飛び出して音也と一緒に土下座。2人一緒に頼み込む
「お願い次狼!イクサを私に返して!」
「・・・・なぜそれほどにイクサを欲する?」

次狼にそう問われた時。ゆりに脳裏をよぎったのは、母が目の前で砕け散ったあの忌まわしい記憶
伸ばした母の手に、ほんの僅か届かなかったあの別れ
「・・・イクサがあれば私は・・・・
きっとお母さんの手を握ることができる・・・!」
握ることのできなかった母の手
母の形見であるという事は言わずもがなだったが
イクサを傍らに置くこと。それはいつまでもこびり付いて離れない、その悪夢から彼女を解き放ってくれるものだったのだ
このゆりの思いを受けて、次狼の反応は・・・・

「それは違うぞ。ゆり・・・・・!」

バッターン!!!
これはどうした事か。沈痛な表情で首を横に振り、ゆりの言葉を否定した次狼は
まるで力石徹のように、アスファルトへと倒れこんでしまった
「次狼!?どうしたの次狼!しっかりして!」





2008年
「どうした渡?もう1回やり直しや!」
無事だった渡だったが、肘を痛めてしまいバンドの練習もままならない。そこへやってきたのは上機嫌の啓介だ
「今日は気持ちのいい天気だな。さ、これでも飲みたまえ」
キバを倒したのがよほど嬉しいのか。
気持ち悪いほどの最高の笑顔です
渡の演奏で肘の怪我に気付くと、師匠らしく応急手当までしてくれる良い人ぶり。まるで初登場時の頃みたいだ
しかし渡達がバンドの練習をしている事にはあからさまな不快感を示す啓介。どうやら音楽に何かトラウマがある様です
「君達は音楽活動をやっているようだが・・・そんなモノは早くやめたほうがいいな」
「いきなり何言うてんねんオッサン!俺のギターでジンジン言わせたるわ!」

いきなり音楽をバカにされて黙ってられない健吾は、得意のギターで啓介の心を動かそうとしますが・・・・
「やめなさい・・・やめろと言っているだろう!」
”バキィッ!”
なッ何をするだァーッ!許さんッ!
なんと一般人である健吾を
問答無用でブン殴りました。もう完全にダメだろこの人
「や、やめてください名護さん!」
「私に二度同じ事を言わせるな!」
あまりにもDQNな啓介の物言いに
渡も健吾もドン引きです。早くなんとかしないと・・・

そんな帰り道啓介は糸矢を発見。これを抹殺しようとしますが、糸矢は命乞いの為に啓介にへつらいます
「ま、待て!お前にいい事を教えてやる!キバはまだ生きているぞ!」
「なんだと!?」

”バキィッ!”

情報を提供したのに
いきなり殴りつけられる糸矢。啓介の暴れっぷり凄すぎる
「キサマ、命が惜しければ私の言う事を聞くんだ!」
ついにファンガイアを手先として使い始めました
啓介の時代キタだろこれ。ブレイドの橘さん級の迷キャラクター誕生の瞬間です





1986年
「イクサのせいだ。イクサを使った者はその身体に凄まじい負担がかかる
もしキミが装着していたら、命に関わっていただろう
イクサはまだ未完成だ。まだまだ改良せなばならん」

「そんな・・・・」
実はイクサシステムはまだ未完成だった。先週、パーツのあちこちから煙を噴出していたのはそのためか
ベッドで横たわる次狼を呆然と見つめるゆりだったが、そのとき目を覚ました呼吸器を外して語りかけた
「ゆり・・・俺を助けてくれ。俺はこれからもイクサとして戦う
例えこの身を削ってでも・・・ファンガイアを倒す為にな・・・・
そしていずれイクサが本当に完成した時・・・・お前が使えばいい
それまで俺をサポートしてくれ。俺にはお前が必要だ」
「次狼・・・」

なんでしょうかこのプロポーズ。音也涙目だろ
どこまで本気どこから演技なのか解りませんが、なんとも男らしく頼もしい誠実な言葉。これは惚れます
改めて次狼のカッコよさに撃たれたゆりは
股間大洪水。はらはらと涙を流して彼に感謝するのでした
「ありがとう・・・・ありがとう・・・・」





2008年
ケガをした渡に代わって恵がベースを担当することになり、4人となったイケメンズはライブに向けて練習を再開していた
その恵が
啓介の手先である糸矢に襲われ、異変を察した渡はキバに変身。今週の戦闘シーンへ突入
スパイダーファンガイアを追い詰めキバでしたが、そこで黒幕である啓介が出現します。コイツ本当に悪役じゃないか
「今回は前のようには行かないぜ。ブロンブースター!」
 イクサのイクサリオンを使った攻撃に対抗する為、キバットはパワーアップアイテム「ブロンブースター」を召喚
キャッスルドランから飛んできた黄金の彫像が分離変形すると、マシンキバーを覆う鎧にようにへと装着されていく
ゴウラムだコレー!(ガビーン
重装甲バージョンに強化されたマシンキバーで、イクサリオンとの超絶バイク対決。今週の見所です
最後は正面からバイクで突っ込み互いにジャンプ。必殺キックの相討ちになりますが、今回はキバのキックが上回った
”ザッパァーン!!”
「バカな・・・この俺が・・・イクサが負けるなんて!
嘘だ!嘘だァーッ!」

敗れた啓介の
取り乱しっぷりが凄い。落とされた川の中で、デスノの月みたいにのたうち回ってます
マジ橘さん級のネタキャラとして超進化を遂げた啓介。これはもう来週から彼の一挙動に目が離せません

ラスト、イケメンズ初ライブ当日。肘の怪我のせいでボーカルを担当することになった渡
最初は萎縮して歌えなかったものの、途中から
なんの覚醒イベントもなしにいきなり吹っ切れます
ノリノリで歌いまくる渡の歌声に、オーディエンスの盛り上がりもなかなか。イケメンズの初ライブは大成功に終るでした
啓介の奇行に期待したい次週へ続く!


第13話

未完成・ダディファイト

「イクサがキバに敗れた?・・・・そうか」
「驚かないんですね。嶋さんはこの結果を予想していたんですか?」

2008年
イクサ敗北の報を受けても微動だにしない嶋。彼の知る「22年前のキバ」はそれだけ強かったという事でしょうか
一方、屈辱の敗北を喫した啓介はいつものように指名手配犯をとっ捕まえますが、精神状態のせいで抑えが利きません
「俺は強い・・・!俺はッ!強いッ!!」
「やりすぎよ名護君!もうやめて!羽賀のライフはとっくにゼロよ!」

”ビキビキ”と武丸サンのようにブチ切れ犯人を必要以上にボコボコにリンチしてしまう啓介
見物人の通報によってかけつけた警察官に、暴漢を間違えられ取り押さえられてしまいます
「離せッ!俺を知らないのか!?
俺は名護だぞォー!」

ギャーギャーわめきながら手錠をかけられ、パトカーに押し込まれる啓介。パーフェクトハンターオワタ\(^o^)/
「私が世界を管理する!」とのたまった次の話で
いきなりブタ箱行きとか面白いにも程がある

その頃。イケメンズメジャーデビューを目指す健吾に対し、バイオリン作りという自分の夢がある事を打ち明けられない渡
芸能界スカウトを名乗る三宅という怪しい男に見初められるも、自分より健吾をスカウトしてやってくれとこの話を断るのだった
「うぅむ惜しい・・・実に勿体無い」
どうみてもこのオッサンが今回のファンガイアです。本当にありがとうございました





1986年
「マッサージ師に靴磨きか。随分と地味に生きてるなァ・・・力、ラモン」
「仕方ないじゃないか。人間の中で目立たないように生きていくのは大変なんだ
僕らはマーマン族とフランケン族最後の生き残り・・・僕らが死んだら一族は絶えてしまう
それは次狼だって同じだろう?」

魔族3人集まって世間話の次狼、ラモン、力達。異邦人である彼等が人間社会で生きていくのはなかなか大変なようです
彼等は3人が3人とも一族の最後の生き残りだそうで、いわば絶滅種。しかしラモンの言葉に次狼はニヤリと笑って反論する
「お前達と一緒にするな。俺には目的がある」
「解ってるよ。人間達とつるんでファンガイアを倒すんだろ」
「それだけじゃない。まぁ見てろ・・・
いずれ我がウルフェン族は復活する
この大地の全てを。繁栄する俺の子孫達が支配することになるだろう!」
大声でゲラゲラと笑いながらハイテンションで叫ぶ次狼。鏡に映るその姿は人間ではなく、異形の狼男・ガルルだ
マジで怖いぞガルル。やっぱりコイツらは人間にとって紛れもない脅威。味方などではありません
ファンガイアを倒すこと以外のガルルの目的とは何か?っていうか「一族は復活する!」てんだから答は1つだわな

そんなこんなで今日も人間の魂を捕食しようとする次狼。しかしその邪魔をするように音也が現れた
「お前今何をしようとした?」
「チッ・・・忙しい事だな。守るのはゆりだけじゃないのか?」
「生憎だったな。俺が守るのは世界中の全ての女だ
お前は化物なんだから化物の雌と付き合ってろ」

”バキィッ!”
音也の台詞はあくまでジョークの延長だったのだろうが。その言葉は次狼の・・・いやガルルの逆鱗に触れるものだった
有無をいわさずいきなり強烈なアッパーを見舞うと、倒れこんだ音也に対して止まるところを知らない殴る蹴るの嵐!
「キサマに・・・キサマに何がわかるッッ!」
ガルルが付き合うべき”化物の雌”はもうこの世に一匹もいない。怒るのも無理ありません
哀れ音也はプッツンした次狼にボコボコにされるのでした





2008年
「ゴメンなさい健吾さん。僕は一緒にロックミュージシャンになることはできません
父さんを超えるバイオリンを作ることが僕の夢なんです」

「エエもんやなバイオリン・・・ジンジンきたで!よっしゃわかった!
俺も頑張る!お前も頑張れ!2人して夢に向かって一直線や!
だが俺等の友情は変わらん。そうやろ?」

渡は思い切って健吾に自分の夢と、プロのミュージシャンになる気がないことを告白
最初こそ憤慨した健吾であったが、渡のバイオリンを聴くと一発で心打たれて納得してくれるのだった。いい奴だ
そんなイイ奴全開の健吾に
あの怪しいスカウト三宅が声をかけた。これはいけません

「聞いてくれ渡!俺メジャーデビューできるんや!
その為に少しばかり金が必要なんでな、こうして稼いでるっちゅうワケや」

デビューする為には「結構な額の金が必要だ」と持ちかけてきた三宅。
120%詐欺です
しかし降って湧いたチャンスに有頂天になってしまった健吾はこれを疑うことも無く、きついバイトで金を稼ぐと
たった一人の親友である健吾のそんな姿を見て、渡もそのバイトを手伝うことに。2人してバッチリ騙されてます
「でもデビューにお金が必要なんて・・・そんなスカウトいるかなぁ」
「人を疑うのはよくないよ」

クレバーな静香は疑問をぶつけますが、世間知らずの渡にはまったく馬の耳に念仏
そして当然ながら三宅の正体はサイ怪人・
ライノセラスファンガイア
音楽のみならず、絵などで夢を追いかけている若者達を同じような手段で食い物にしている外道でした
「うーん・・・夢に向かって頑張る若者のエネルギーは素晴らしいですね
その魂・・・私がいただきましょう」

「キミの個展を開いてあげます」と言って金を騙し取っていた画家志望の若者。その純真さをいともたやすく裏切る三宅
ライのセラスファンガイアに変身すると彼のライフエナジーを吸い取ってしまいました。く、くされ外道〜!
いつもの如く
犠牲者が出てからノコノコとキバが駆けつけますが、今回は敵が強い
ノーマルフォームで敵わず、バッシャーフォームにもなってみますがまるで攻撃が通じません
しかし
自分が優勢なのに何故かその場をトンズラしてしまうライノセラス
なんでやねんと。アホな敵のおかげで、とりあえず命を拾ったキバでした





1986年
「コイツは驚いた・・・本当に人を喰うなんてな。お前もファンガイアと同じってことだ」
「それは違う。俺は誇り高きウルフェン族最後の生き残りだ」

ついに次狼が人間を殺すシーンを目の当たりにする音也。普通の人間ならビビって逃げ出すとこですが引きません
「ゆりも喰う気か?」
音也を引き下がらせないでいるもの。それは無論、愛するゆりを守ろうとする一心だった。珍しくカッコイイぞ音也
物凄い目で睨みつける音也に対し、次狼はこれは嘲笑するような態度でこう答えた
「ゆりは喰わん。あの女にはもっと大切な役目がある
俺の子供を産んでもらうという、な
あの女は強い。強い子孫をたくさん産んでくれるだろうよ
なによりも
あの女は俺を愛している。ククク」

なんと禍々しいエロス発言。次狼好きの特撮腐女子濡れ濡れです
ウルフェン族の種を残す為、人間と交わろうというガルル
そういう意味でゆりは肉体的・精神的にも非常に優秀。母体としてはこの上ない雌であると言える
「・・・・ふざけんなよ!」
当然この返答にブチ切れた音也、渾身の頭突きを食らわせると無謀にも次狼に殴りかかります

「どうした?威勢がいいのは最初だけか」
しかしながら力の差は歴然。いいようにボコられて、腕一本でネックハンギングツリーをくらう有様
流石に今回は話すトコまで話したし、ガルルも音也をここで殺しそうな雰囲気。むざむざ生かすことはないでしょう
だが音也絶体絶命と思われたその時、その右手に握られたのは・・・
イクサナックル!
「!?キッサマァ・・・いつのまに!」
「俺のゆりに手出しはさせない。変身」
先日次狼にボコボコにされたあの時、隙を見て奪い取っていたのだった。ていうかそれくらい気付こうよ次狼
音也は愛するゆりを守る為、着用者に強烈な負担をかけるというイクサをためらいもなく装着する
変身!仮面ライダーイクサ音也版!
イクサに変身した音也は圧倒的な強さを発揮。次狼もガルルに変身するが、それでもまだイクサの方が強い
「たいした事ねえな。今こいつでラクにしてやる」
形勢の逆転した音也がガルルに向かって必殺技を放ったところで次週へ続く!

ガルルのダーク面が強く出てきたり、啓介がお縄になったりと過去・現代ともに面白くなってきました
過去編が次狼と音也を中心にシリアス主体、現代が
啓介オンリーでギャグ主体だな


第14話

威風堂々・雷撃パープルアイ

1986年
「なに?紅音也がイクサシステムを盗んだだと?
それはいかんな・・・早く取り返さないと。装着すれば彼の命が危うい」
「もう装着したぜ。それで俺に殴りかかってきたからな」
「あんのバカ・・・ッ!」
前回イクサを装着した音也にボコられたガルル。すんでのところで逃走した次狼は嶋とゆりに「事実」を伝える
「音也がイクサを盗んで次狼に殴りかかった」だから、言葉だけを見ると本当に嘘は言ってないな。スゲエ

怒ったゆりは音也を呼び出しイクサを取り返そうとしますが、音也はこれを真っ向から拒否
「ダメだ。これはあのオオカミ野郎を倒すのに必要だ
アイツはな、お前に化物の子を産ませるつもりなんだぞ」
「なにをバカな事を・・・・あれ?アンタ、身体はなんともないの?」

次狼を信頼するゆりは当然音也の言葉など
ガン無視です。2人は睨み合いの状態になりますが
ゆりが不思議がったのは音也がピンピンしている事。次狼でさえブッ倒れたほどの負担、平気なハズがありません
「フッ。俺はアイツよりも優れているからな。どうという事はない。ホレホレ!」
歯を見せて笑い、一世風靡セピアの
「前略、道の上より」を激しく踊る音也。そいや!そいや!
しかし高笑いしながら便所に入った音也は、ゆりの見ていないそこで全身を襲う苦痛に苦しみ悶えるのだった
余裕の態度は全て演技。やはり彼の身体は深刻なダメージを受けていたのである





2008年
「うーん!やっぱ労働の後のメシは美味いな、渡
しかし悪いなァ、俺の夢の為に渡にもバイト手伝ってもらうなんて」
「何言ってるんですか。健吾さんの夢が叶うことは僕にとっても嬉しいんです!」
「渡・・・お前ってやつは
ホンマの親友やで!」
外道に騙されているとは知らずプロデビューを目指す健吾の為、ともにバイトに汗を流す渡
健吾はそんな渡に硬い友情を感じ、お互いの夢に向かって邁進しようと熱く語ります
しかし当の三宅は健吾から金を受け取るものの、デビューの話になると話題をはぐらかすばかり
流石におかしいと気付きそうなモンですが、健吾は
アホみたいに金を貢ぎまくります
ダメだこいつ・・・早くなんとかしないと・・・・!

「キミ達、とんでもない男に関わってるかもしれないわよ?
あの男と接触した若者達が次々行方不明になってるの
・・・ファンガイアの可能性が高いわ」
「ええっ?そんな!」

そんな折。静香から三宅の件の相談を受けた恵が、彼がファンガイアかもしれないことを渡に助言
ここにきてようやく騙されていたことを感じ取ったボンクラ渡、すぐさま健吾にこの事を報せます
「健吾さん、あの三宅って人信用しないほうが・・・やっぱりよく考えたら
デビューにお金を要求してくるなんておかしいですよ!」
まったくもって最初に気付くべきことです
渡のこの至極当然の忠告を聞き、健吾も自分が詐欺に騙されていたことを理解して・・・・・
「渡お前・・・俺が先に夢を叶えそうだから嫉妬しとるんやな?
ガッカリしたわ!お前とはもう絶交や!」
なんでぞ
渡を遥かに超越するボンクラだった健吾・・・というか脚本酷すぎだろコレ
4週かけてじっくり温めた友情。ちょっと前のシーンまで互いの夢を叶えることを熱く誓っていたというのに
その親友の心からの忠告に耳も貸さず絶交てあり得ません
いくらなんでも流れ的に不自然すぎます。子供だましの脚本にも程がある

一方。前回ブタ箱にブチ込まれた我等のパーフェクトハンター
受刑者達を束ねて刑務所の主になるような超展開を期待しましたが、そんな事もなく普通に釈放されてました
「荒れる気持ちはワカらんでもないがな。キバに負けたのがそんなに悔しいか?」
「俺は負けていない!負けたのはイクサだ!」

嶋の言葉に
子供みたいな屁理屈で反論する啓介。だったらイクサ無しで生身で闘えよと
しかしその啓介の反論を受け、嶋から返ってきたのは意外な言葉だった
「イクサは負けていない。イクサにはまだ君も知らない新しい力がある」
なんというタイミング。キバのパワーをも凌駕する
イクサの新武装が完成したばかりだと言う
嶋に連れられ山奥の研究所やってきた啓介は、そこで目の前にした新マシンを見て瞳を輝かせるのだった
「おお・・・・これは・・・!」





「こ、これは・・・!?」
「ククク・・・美しいでしょう?ここはまさに若者達の夢の墓場ですよ
私は夢を追う若者達の魂が大好物でね」

三宅を尾行した渡は、そこで彼の犠牲者となった
沢山の若者達の遺影を発見
夢は人を動かすエネルギー。仮面ライダー555の名エピソード「夢の守り人」を彷彿とさせます
それをケラケラと笑い飛ばす三宅に、番組始まって以来となる主人公の怒りが爆発する。変身!
「お前は・・・お前だけは絶対に許せない!」
しかしカッコよく変身したものの、やはり前回同様まったく攻撃が通じないキバ。少し勉強してください
いい加減にボコられた後、ようやく
思い出したようにキバットが変身を指示します
「こいつなら負けねえぜ!パワーにはパワーだ!ドッガハンマー!!」
ついにお目見え、フランケン・ドッガの力を宿した第4の戦闘形態。究極破壊のパワーファイター!
変身!仮面ライダーキバ・ドッガフォーム!
これまでまったくダメージを通さなかったライノセラスファンガイアの外皮。それがどうだ立場は逆転
ライノセラスのパンチは仁王立ちのドッガフォームにダメージを与えられず、ドッガのパンチは一撃でこれを吹き飛ばす
花山さんみたいでカッケー!
こいつは燃えるぜパワー型。やっぱチマチマ手数とか飛び道具より、一撃の破壊力が男のロマンだよな
ボコボコ殴られて弱ったライノセラスに必殺技タイム!ドッガハンマーの中央にはめ込まれた魔石の瞳が開く
ビギュイイイイイン!
ドッガフォームの強烈な魔皇力を直接浴びた敵は、しばらくの間身体機能が麻痺してしまい動くことが出来なくなる
更に「見た」相手の弱点や記憶などを解析する力もあり、ドッガハンマーに睨まれたものにはもはや逃げる術はないのだ!
なにこの設定。ドッガハンマーつえええええ!
必殺!ドッガ・サンダースラップ!
麻痺睨みで動けない相手を
真上から叩き潰す巨大なオーラの拳。ぼっがぁーん!
かくしてドッガフォームの初披露により、強敵ライノセラスファンガイアは一撃粉砕されるのでした。ドッガフォームいいなぁ





1986年
「いいザマだなァ、え?・・・・素直にイクサを返せ
そうすれば苦しまずに殺してやる」
「ふざけるな。お前は俺の命に代えても倒す!」
ラスト。ゆりの目から逃れるように森の中へと駆け込み、イクサのもたらすダメージに一人苦しむ音也の前に次狼が現れた
当然ながら今更素直にベルトを返そうが、次狼はもう音也を生かしておくつもりはありません。選択肢は殺害のみ
音也も例え「命を助けてやる」と言われてもベルトを返すつもりは無し。愛の為にここで次狼と刺し違える覚悟です
なんか今週は音也ずっとカッコイイぞ。真面目にしてるとちゃんと主人公だなコイツ
イクサ、ガルルとなって戦う2人。やはり前回同様、イクサのパワーがガルルを圧倒しますが・・・・
ズドドドドド!ドンドン!!
「なにィ!?」
「えへへっ。ゴメンよ」
ガルルを追いつめ、勝利を確信した音也の背中に直撃する炸裂水弾。ガルルが手回ししていた助っ人のバッシャーだ
さしものイクサといえど、2対1となれば形勢逆転。ガルルとバッシャーの連携攻撃の前にたちまち劣勢に追い込まれてしまう
ついに変身も解け、生身のまま倒れる音也。そんな虫の息の音也を、非情にも足で踏みつけるガルル。悪っぽいぞ!
「ガハァ〜・・・ッ!終わりだなァ」
完全グロッキーの音也にトドメの一撃を加えようと構えるガルル。前回とは
立場逆で次週へ続く!


第15話

復活・チェックメイトフォー

1986年
「音也!音也ー!?あ、次狼・・・これはいったい?」
「どうやらファンガイアに敗れたようだな。イクサはこいつには扱えなかったという事だ」

ガルルとバッシャーの連携攻撃によって敗北を喫した音也イクサだったが、とどめを刺される直前にゆりが登場
次狼にはせっかくのチャンスでしたがゆりの前で殺すわけにもいかず、なんとか音也は九死に一生を得るのだった
一方その頃、街中に不気味な男が出現。なんかブツブツ独り言ぼやいててアブネー感じです
「罰ゲームだ・・・俺は俺に罰を与える!」
言うなり男は
いきなり電柱パンチ。電線を掴むと自分の身体に高圧電流をビリビリ流します
奇行を目の当たりにした通行人が駆け寄って心配してくれますが、男はその善人の胸倉を掴んで凄む
「退屈だ・・・お前なにか面白いことはないか?なければ消えろ!」
何を言われてるのか解らずうろたえる善人から、無慈悲にもライフエナジーを吸い取る男。コイツが今回の敵か
もう少し待ってやれば
何か面白いこと言ったかもしれないのに短気な奴です
って、その右手の甲にはどっかで見たことのあるタトゥーが。これはもしや
ゆりの回想で見た・・・・?





2008年
「渡!あの人溺れてるよ!助けなきゃ!」
「こ、これに掴まってください!早く!」

散歩中の渡と静香は川で溺れていた大柄な男性を発見し、なりゆきからこれを救出する
ブルブル震えるその男の手の甲には
謎のタトゥーが。言わずもがな22年前のあの男だ
「いやぁ、ザリガニが溺れてたから助けようとして
ところであのう・・・僕、誰ですか?」

いきなり記憶喪失です。しかも記憶を無くした彼は天然バカの善人
「ザリガニは水辺の生き物だから溺れないよ」と静香に教えられると、感心したようにしきりに頷きます
とりあえず放っておくワケにもいかないので、男を自宅へと連れてきた渡。警察に保護してもらえばいいのに
「・・・・わー」
「あっちょっと!それはダメだよ!」

屋敷の中をキョロキョロと見て回った男は、コトコト
椎茸を煮詰めている鍋を発見
バイオリンのニスに試すために渡がエキスを抽出していたブツでしたが、これをゴクンゴクン飲み干してしまう
「あの・・・おかわり!」
お前は不味いパスタをニコニコ食らう橘さんか
飯を出してやれば箸の使い方も解らず、手づかみでボロボロ喰い散らかす有様
しかしそんな困った男に渡と静香は
変な情が湧いてしまいます
「やっぱりこの人放っておけないよ・・・大きな赤ちゃんみたいじゃないか」
「そうね・・・私たちが面倒見ないと」

かくして渡と静香は
野良猫でも拾ったかのような感覚で男の面倒を見る事を決意
男には大柄なので「大ちゃん」という名前をつけ、2人の子供のように接することに





1986年
「さくら色の服を着た女性ばかりが連続して狙われている・・・
こんなに派手に動くファンガイアは初めてだ。十分に注意してくれ」
「わかりました」

嶋の指令により、ピンクの服装の女性ばかりを狙うというファンガイアを誘き出そうとするゆり
当然この犯人はあのタトゥーの男=22年前の大ちゃんなのですが・・・ゆりが囮捜査を始めたちょうどその頃
「くそっ。タイムオーバーだ・・・俺は俺に罰を与える!」
またしても電線を引き千切り、自分の身体に電流を流す大ちゃん。なんなんでしょうか
このドM
やはり同じように心配して駆け寄ってきた通行人のライフエナジーまで吸収。ハチャメチャです大ちゃん
「次のタイムゲームは・・・・よし。あれだ
おいお前!
宝クジで3000万以上あたった事があるか?」

この一連の台詞のおかげで大ちゃんの奇行と、そのロジックがようやく理解できました
これは大ちゃんの暇つぶしの殺人ゲーム
クウガで言うゲゲル(グロンギの人間狩りゲーム)のようなものです
「ピンクの服を着た女を殺す」というルールではどうやら時間切れになってしまったらしく、
今度は宝クジで3000万以上当てたことのある人間を殺すというルールにしたみたい。無理だろそれ
「お前、宝クジで3000万以上当たったことがあるか?」
「は?なにそれ?新しいナンパ?・・・・あ・・・れ?お前はッ!?」

しかしこれがなんの因果か、ピンクの服を着て囮捜査をしていたゆりに声をかける大ちゃん
初めは新手のナンパかと思ったゆりだったが、すぐにその顔を見て表情を変えた。当然である
ヘルメットをかぶっていたとて忘れない。それに手の甲のタトゥー。紛れもなく、母の仇のファンガイアだ
あわてて後を追うも見逃してしまい凄まじい怒りに戦慄くゆり。やってきた次狼に、泣きそうな声で叫ぶのだった
「次狼!見つけた!母さんの仇を!」





2008年
「ああっもう!大ちゃんは触らなくていいから!」
「ご、ゴメンなさい。ゴメンなさい・・・」

渡のバイオリン作りを手伝おうとする大ちゃんでしたが、その不器用さのせいで役立つどころか邪魔になるばかり
イラッときた渡は珍しくきつい言葉でこれを叱ってしまう。大ちゃんはシュンとうな垂れて部屋を出て行ってしまいます
「今のは強く言い過ぎたか」と、心配した渡がこれを追いかけてみると・・・・
「もういいですよ。手が汚れちゃうし」
「ううん大丈夫。直す」

なんとそこにはチェーンの外れてしまった女性の自転車を、一生懸命直そうとする大ちゃんの姿が!
大ちゃんかわいいよかわいいよ大ちゃん。完全に萌えキャラだコレ
あぁしかし今がどんなに善人でも、22年前の悪党ぶりを考えるとコイツは死ぬしかないのかな。とても残念です
渡も一緒になって自転車を直し、女性の自転車は無事修理完了。2人に深く礼をして去っていきました
ありがとうございました。私のうち定食屋やってるんです
お礼したいので是非いらしてくださいね」

かくして定食屋の娘・恵理子は店に戻ると、ニコニコ笑顔で父親にこの事を話すのでした
「うふふ・・・さっきね、親切な大きい男の人に自転車直してもらったの」
定食屋の看板娘とフラグが立ちました
しかも渡も一緒に直したのにガン無視です。
大ちゃんしか見てませんこの女
自転車直しに集中して足が痺れてしまった渡。少し休めば治るよ、と言いますが大ちゃんはこれをオンブしてあげます
「大ちゃん・・・さっきは強く言ってごめんよ。ありがとう」
「ううん。僕こそゴメンなさい」

桜並木をオンブして歩く2人の姿は、歳は近くともまるで本当の親子のよう
こうして渡と大ちゃんは深い絆で結ばれるのでした。だがしかし・・・・

「ハァハァ・・・ぬがあああああああ!!!!」
そんなある日。どうやら記憶が戻りつつあるのか、大ちゃんが頭を抱えて突然苦しみ始めた
その苦しみように見かねた通行人が走り寄ってきて解放しますが・・・ってこのパターンはダメだー!
大ちゃんは本性であるライオンファンガイアに変身。その凶暴性を剥き出しにし、人間に襲い掛かる
いつものように異変を察知した渡は現場へ急行してキバに返信。ライオンファンガイアに立ち向かうのだった
その正体が大ちゃんであるとも知らずに





1986年
「ゲームは達成した!俺は俺にご褒美を与える!」
奇跡とも呼べる確率で、3000万以上の宝クジを当てた男を探し出して殺害した大ちゃん
ご褒美ってなんぞ?と思ったら
チョコレートパフェです。やっぱ萌えキャラだコイツ
しかしニコニコしながらパフェを食おうとしたところに怒れるゆりが乱入。これを叩き落して戦闘に突入します
「母さんの仇・・・お前だけは絶対に許さない!」
「キッサマァ・・・
よくも俺のパフェを!」

2人の戦うモチベーションの差に吹いた。方や母の仇。
方やチョコレートパフェの仇
しかし哀しいかな、そんなモチベーションの差など全く役に立たないほど隔たった両者の実力差
ゆりの鬼気迫る攻撃は大ちゃんにまったくダメージを与えられず、あっさりと打ちのめされてしまう
「そこまでだ!・・・・む?」
そこへ颯爽と次狼登場。しかしゆりを守るように大ちゃんの前に立った瞬間、その顔を見た次狼の表情が一変する
ここで次狼の回想シーンへ。ウルフェン族の同胞達がファンガイアの手で虐殺される場面が映されます
ウルフェン族を皆殺しにし、満足そうな笑顔でバイクにまたがるその男の手の甲には・・・・・・・
「キサマァ・・・チェックメイトフォーのルークだな!」
「ほう、ウルフェンに生き残りがいたとはな。久しぶりに狼狩りといくか」
なんという僥倖。ゆりの母の仇であった大ちゃんは
次狼にとっても一族の仇だったのだ
しかも「チェックメイトフォー」という名称から察するに、ファンガイアの四天王みたいな奴だと思われます
怒りの次狼はガルルに変身、ルークに特攻しますが流石に四天王ファンガイアはこれをまったく寄せ付けません
このままでは勝てないと判断したガルルは変身を解除、今度はイクサに変身してこれに臨みます・・・・が!
それでも
やっぱりイクサより強いライオンファンガイア。大ちゃんつえー
大ちゃんの圧倒的強さの前に、ガルルがピンチに追い込まれたところで次週へ続く!


第16話

プレイヤー・非常のルール

「フン。流石はウルフェン族だ・・・逃げ足だけは速いな」
1986年

ライオンファンガイアの圧倒的な戦闘力に打ちのめされたガルルは、次戦での必勝を期してその場をトンズラします
ゆりならば激情のままに死ぬまで抵抗したかもしれませんが、このへんの冷静かつ勝利への貪欲な計算高さは流石ガルル
さて無事に逃げおおせた次狼、強敵ルークを倒す為に助力を得に向かった先は・・・・・
「退院おめでとうと言っておくか。早速だが力を貸せ
言っておくが俺の為じゃあないぞ。ゆりの為だ」
「・・・詳しく聞かせろ。どういう話だ?」

次狼が戦力として声をかけたのは退院したばかりの音也。大嫌いな相手ですが、その力量は認めているといったところか
っていうか音也に声かけるならまず
ドッガとバッシャーに声かけろよと。4人でかかれば勝てると思うんだが
「母親の仇が現れてゆりは自制心を失っている
相手はファンガイアの頂点、チェックメイトフォーの1人ルーク
戦闘力は勿論だがなによりも頭がイカれてる。奴は自身で作ったルールのゲームを・・・」

「成程そいつはヤバイ奴だな・・・解った。気に食わんがそいつを倒すまでは手を組もう
だがその後はお前の番だぜオオカミ野郎」

「フッ」

ルークの生き甲斐である
「タイムプレイ」という殺人ゲームの事を話し、その異常性・凶悪性を説く次狼
そんなヤバイ奴に自制心をなくしたゆりが近づけばひとたまりもありません。当然音也にこの申し出を断る選択肢はなく
かくして一時休戦協定を結ぶ2人。ここに音也&次狼というライバルタッグを結成することになりました。燃える展開です





2008年
「美味しい?いっぱい食べてね」
「美味しいー!」
渡と大ちゃんは前回自転車を修理してあげた定食屋の看板娘
恵里子と再会。修理のお礼としてご馳走に
ちなみに前回のキバVSライオンファンガイアの戦闘は、途中で頭を抱えたライオンが逃げていって終了してます
飯を食い終わった大ちゃんは、厨房で働く恵里子の父・照義を見て瞳をキラキラ。その仕事に興味津々です
「おう、やってみるかい?おぉ・・・そうそう、お前さんなかなかスジがいいな
どうだい?よかったらウチで働いてみねえか?今人手がほしくてよ」
「いえあの、実は大ちゃんは記憶喪失でして。逆に迷惑をかけちゃうかも」

丁度人手が欲しかったオッサンは大ちゃんにバイトの勧誘を。渡と静香は心配でなりませんが、オッサンは至って大らか
「体動かしてるうちに記憶も戻るさ!」などと
テキトーなテンションで大ちゃんを受け入れてくれます
「大ちゃんどうする?やってみたい?」
「やるっ!」(ニコッ)
なにより大ちゃん本人が
最高の笑顔でやりたいと言うものだから、その意思を尊重することに。大ちゃん可愛いなぁ

かくして定食屋で働くことになった大ちゃん。小さい失敗はするものの、その素直さのおかげで飲み込みはいいみたい
その純真無垢な素直さ、そして恵理子と仲の良い様子を日々見ているうちに照義はすっかり大ちゃんを気に入ってしまいます
「どうしたんですか?今日は改まって」
「頼む!大ちゃんをウチにくれ!
アイツは素直でスジがよくて、恵理子も好いてる。大ちゃんをウチの跡取りにしてえんだ!」

スーツ姿で菓子折りを持って紅邸を訪れ、「大ちゃんを婿にほしい」とまで言い出した照義。なんというトントン拍子展開
大変にありがたい話で静香は大喜びしますが、渡は「でも、もし大ちゃんの記憶が戻ったら」という心配を拭えません
そして渡のそんな杞憂は、最凶最悪のカタチで実現してしまうことに・・・・





1986年
「美味い!さぁ次のタイムプレイは・・・よしあれだ」
再びタイムプレイを達成し好物のチョコレートパフェに舌鼓を打つルーク。
どんだけパフェ好きだよ
そんなルークの前に、ゆりに
※延髄破暢掌を食らわしてきた音也と次狼が現れます。※(よく見るコレね)

とか思ったら、ルーク目掛けてそこ吹っ飛んでくる蛇腹剣。気絶したゆりがすぐ起きて追いかけてきたようです。意味ねえー!
「答えろ!お前はどうして母さんを殺した?」
「ふん。ゲームで殺した人間の事などいちいち覚えているか」
「ふざけるな!お前だけは許さない・・・ッ!」

ゆりの質問に
お前は今まで食ったパンの枚数を覚えているのかと返すルーク
激昂して突貫したゆりだったが一撃で吹っ飛ばされて気絶。ゆりが気絶したので、ここでやっと次狼はガルルに変身します
「行くぜオオカミ!変身!」
「ヌガアアアアーッ!」

ガルル&音也イクサ並び立つ!やっぱライバル同士の共闘というシチュエーションは燃えるぜ
いかにファンガイアの頂点たるチェックメイトフォーといえども、イクサとガルルの2人を同時に相手をしては・・・・って
2人がかりでも全然相手になってねえー!(ガビーン)
言わんこっちゃありません。だからドッガとバッシャーにも声かけてればよかったのに
ちょっとは善戦できてるとかならともかく、まるで子供扱いです。チェックメイトフォーの強さテキトーすぎだろ常考
結局いいところ一切なくボコられた挙句トドメを刺されそうになる2人でしたが、ここでルークの腕時計のアラームが鳴る
「・・・チッ時間切れだ。俺は俺に罰を与える」
タイムプレイに失敗したルークは、目の前の2人の事など眼中にないかのように放置。そのままどこかへ行ってしまった
さながら独歩が言うところの「ピクルにとっては餌」という感覚でしょう。ルークにとって2人は「敵」とさえ認識されなかったのだ





2008年
「どう大ちゃん、何か思い出した?」
「ううう・・・・うううう〜ッ!」
思い出した記憶の断片を辿り、「赤いタイルの噴水」へ大ちゃんを連れて行った渡達
たちまち頭を抱えて苦しみ始める大ちゃんを見て、恵理子は「思い出さなくていいんだよ」と一緒に店に帰ります
あぁだがしかし哀しいかな運命。店に辿りつく前には、大ちゃんの顔にステンドグラスの模様が浮き出して・・・・

「あ・・・あ・・・どうしてこんな・・・・大ちゃん・・・・!」
ファンガイア出現を感知し現場に駆けつけた渡は唖然とする。「現場」は大ちゃんの職場である定食屋さん
あれだけ大ちゃんを気に入ってくれた照義と、大ちゃんとお似合いだった恵理子。そして常連客達の変わり果てた姿
その沢山の死体の真ん中、凶悪な表情で悠然と立っているのは・・・紛れもなく大ちゃんであった
日曜朝から鬱展開キター!まさかの皆殺し出たコレ。恵理子もかよ
「どうやら長い眠りのせいで記憶を失っていたようだな・・・
我が名はチェックメイトフォーのルーク!」

過去を思い出した瞬間「大ちゃん」は居なくなり、チェックメイト・フォーのルークが22年の時を経て復活したのだった
ショックと怒りに混乱しながらもキバに変身して戦う渡。しかし当然ながら戦闘力の差は歴然。あっというまにボコられます
「ふん・・・これで終らせてやろう。地獄から甦れ我が同胞達!」
ルークがなにやら魔術を発動させると、第8話で登場したような巨大な怪物
オーラ体が出現
すぐキャッスルドランを召喚するキバット。だが主である渡が気絶していまっているのでドランはその力を発揮できません
キバ絶体絶命!と思われたその時、グッドタイミングで現れたのはなんと我等のパーフェクトハンター!

「お前達では無理だ。見ていなさい・・・イクサの新しい力を!」
ズドドドドドドドドドドドドド!
さあ出ましたイクサの新たなる力。新兵器【パワードイクサー】巨大なアームが特徴的な専用戦闘車両
ドランの尻尾をムンズと掴むと、そのまま思いっきりブン投げるという驚異的なパワー!
設定では
最大25000tまでを持ち上げる事が可能とか。ムチャすぎだろと。コンバトラーVでも550tだぞ
いつもはファンガイアを放ってもキバを倒そうとしてたクセに、珍しくキバを助けるようにオーラ体へと向かっていく啓介
まぁ「キバを倒すのは俺なんだよ!他の奴にやらせるか」というベジータ的ベクトルでしょう

オーラ体の発射する火炎弾をものすごい機動性でビュンビュン回避するパワードイクサー。つええ
対ファンガイア用の強烈な炸裂弾をアームがつまみ上げ、これを思いっきりオーラ体に向かって投擲する!
大砲の1門くらいつけろよという気もしますが。まぁそれほどにアームが強力という事か
設定ではアームでの弾丸スルー能力は、5km先の的に正確に命中させることができるそうです。アームつえええー
ぼっがぁあああーん!!!
かくしてオーラ体はなにもできずに爆発四散。パワードイクサーはそのデビュー戦を鮮烈な勝利で飾るのでした
あ、ちなみにルークはオーラ体を呼び出した後もう出てきませんでした。どこ行ったのかと。この脚本のテキトーさ酷いな

「渡しっかりしろ!渡!」
ラスト。傷つき倒れたままのキバにトドメを刺そうと迫る啓介だったが、キバットがこれを阻止する
光る球体に包まれたキバはドランの口から城の中へ。飛行手段を持たない啓介の手から逃れることに成功します
そして城の内部では、
気絶した渡を抱き抱えて廊下を歩く次狼の姿が・・・って次週へ続く!
うーむこれは次週、城に幽閉されている3人と渡の関係が少し語られたりするのだろうか?ちょっと期待したいぞ


第17話

レッスン・マイウェイン

「ねぇねぇ、このコ殺したら僕達ここから解放されるんじゃない?」
「それ・・・は・・・イイ・・・な・・・」
「ダメだ。音也との約束だ」

2008年
前回ラストでキャッスルドランの中へ運び込まれた渡。気絶して薔薇のベッドに横たわる渡の寝顔を見て
バッシャーとドッガがいきなり「コレ殺しちゃう?」とか物騒な事を言い出しますが、これをガルルが制止する。危ねぇな
このシーンから推察するに、渡自身は彼等3人と会話した事もないみたい
3人をキャッスルドランに幽閉している22年前の
「契約」とは一体どんな内容だったのか。気になるところ
「父さん・・・?父さんとの約束って・・・?ハッ・・・夢か」
ガルルの発した「音也」という単語に目を覚ます渡だったが、そこはと自宅の工房だった
自分が城の中で3人と会った事など覚えていない渡は、変な夢を見たと思い込んだようです
「どうした渡?なにへコんでやがる」

「大ちゃんが・・・なんでだろう。僕が好きになった人達はみんなファンガイアで・・・
もう僕はなんの為に戦ってるのかわからなくなってきた」

バイオリン制作の師匠だった大村さん。家族のように仲がよかった大ちゃん
渡が心を許した人達は悉くファンガイアだった。キバとして戦うという事は、そんな彼等を自分の手で討つという事である
大きなショックを受けた渡は、静香宛に「旅に出ます」という書置きを残して屋敷を飛び出してしまうのだった

「そこまでだ!連続強盗犯坂口!
このボタンはもらっておく!私がお前を捕まえた記念に・・・・ぬ、むむ?」

一方その頃。マークしていた連続強盗犯を追いつめた啓介。坂口の胸倉を掴み上げ、いつもの如くボタンに手をかけます・・・が
やたらしっかり縫い付けられているらしくなかなか取れないボタン。啓介がウンウン唸っているその隙、見逃す犯人じゃありません
ガスッ!と強烈な反撃の一撃を浴びせ、まんまと車で逃走に成功する坂口。パーフェクトハンターアホすぎます
「待て坂口ィ!返せ俺のボタン!」
逆上して
意味不明な台詞を絶叫しながら車を走って追いかける啓介。面白すぎだろ
シュルトケスナー藻に浸かってた頃の橘さんよりも遥かにタミフル
いい感じに変態キャラへの道を爆走してきました。まったく見てて飽きない男だぜ





1986年
「子供のバイオリンの先生だ?お断りだな」
「そこを頼む。そのコをオーディションに合格させたらデートしてやるから」
ゆりの知り合いのバイオリン少女がオーディションを控えてスランプになってるそうで、そのコーチを頼まれる音也
最初は難色を示した音也でしたが、報酬のデートに釣られてホイホイ引き受ける事に
「うおー!悪い子はいねがー!!!」
「バカ!いきなり何言ってんだ」

「フッ心配するな。俺は世の中の女性全てのタイプに合わせる事ができる。年齢制限もない」

ワケわからんハイテンションで女の子と対面する音也。何故なまはげ
ところがこの生徒の少女マミちゃん、絵に描いたような小生意気な子供で音也とまったく反りが合いません
「はァ?あのねぇ私は天才少女なのよ?
アンタみたいなアホ面の男が何を教えられるってワケ?」
「うるさいこのガキ。まずは実力を見てやるから弾いてみろ・・・なるほどもういいぞ
お前にバイオリンの才能はない!
だが安心しろ。凡人は凡人なりに努力すればいい」
「なんですって!」

マミの生意気さも大概ですが、いきなり辛辣な批評を浴びせかける音也も相当アレです。まぁ最初が肝心だしな
音也の言葉にブチ切れたマミは家を飛び出し、音也も異様なハイテンションのままこれを追走。ハチャメチャです
「フハハハ見つけたぞ我が教え子よ!さぁ俺の胸に飛び込んでこい!」
マミの蹴りを喰らって土手を転げ落ちながらも笑い声を絶やさない音也。なんかもうタダの危ない人だ
「ハハハなかなか青春ドラマみたいになってきたじゃないか!」





「あなた面白いコねぇ」
「いえ、つまんないってよく言われます」
「ぷっ!あははは」

2008年
行く当てもなくぶらり歩きを続ける渡は、アーチェリーの練習をしている1人の女性と出会う
会話の流れから渡もアーチェリーをやらせてもらうが、その天然のおっちょこちょいに女性も大笑い
女性に気に入られた渡は、特に旅の目的もないので「一緒に汗を流しなさい」と彼女に連れられてスポーツジムへ

そこで渡失踪の話を静香から聞かされて心配していた恵とバッタリ遭遇します
「何やってんのさキミ?一人旅に出るとか言っておいて
こんなオバさんと女遊びだなんて!ホラ早く帰るわよ!」
「なんですってこの小娘!このコは私と一緒に汗を流すのよ!」
いきなりオバさん呼ばわりされた女性は激怒。2人ともバk・・・もとい、体育会系なので一歩も譲りません
アーチェリーで勝負することになり互角の戦いを見せる二人でしたが、途中で女性が頭を押さえて蹲ってしまいます
「だ、大丈夫ですか?」
「ゴメンね。私・・・昔競技中に空を飛ぶツメに襲われたことがあってね
それ以来時々そのときの事を思い出しちゃって・・・ふふ
おかげでこないだのオリンピック選考会にも負けちゃったわ」
「オリンピックって・・・あなたもしかして倉沢マミさんですか?」

女性が過去にファンガイアに襲われた経験があること、前回のオリンピックにも出場した凄い選手であること
そして彼女の名前の3つがこの会話から明らかになりました。
マミという名前はおそらく22年前の・・・?

「坂口ィ・・・ボタンを・・・ボタンをよこせェェ・・・!」
一方、まだ坂口を追いかけて街中を走り回っていた啓介。もう台詞が完全に狂ってます
理性をなくして生者を本能で襲うゾンビみたいになってます
「自分の悪行を悔い改めなさい」じゃなくて「俺のボタンよこせ!」だもの。オレサマオマエマルカジリ!に近いものが
しかし実はその正体がシースターファンガイアだった坂口、怪人に変身するやいなや油断していた啓介をブン殴る
”ゴッ!ガッ!バキィッ!”えええー
哀れ我等のボタンバカはイクサに変身する間もなくボコボコにされてしまいます





1986年
「暴れて腹が減ったろう。腹ごしらえが済んだら練習だ」
とりあえずひとしきりマミに付き合った音也。腹が減っては戦はできぬとマル・ダムールで食事を取らせます
「今日はツケきかないからね。払えないならコレ」
「ようしわかった。我が生徒よ、これもバイオリンの特訓だ。任せた」
「なんで私がこんなことを・・・」
「金がないならトイレ掃除でもやってくれ」とキュッポンを出したマスターだったが、音也はこれをマミに押し付ける
なんというくされ外道師匠。しかしブツブツ文句を言いながらもちゃんと掃除するマミが偉いぞ
「ここはコーヒーを飲む神聖な場所だと言ったろう。こんなモノを振り回すな」
ズボッ!そんなドタバタの現場にやってきた次狼はウンザリした顔でキュッポンを音也の顔に。えんがちょー
怒り狂った音也はいつもの如く次狼に食ってかかります。
バイオリンの特訓完全無視だコレ
「イクサを返せこのオオカミヤロー」
「実力で奪ってみろ。出来るものならな」

そういうワケでイクサを賭け何故かビリヤードで勝負することになった2人。お前ら実は仲いいだろ
お互い本当に本気で消えてもらいたい存在のハズなんですが。なんでこんな友人同士みたいに付き合ってんだと
今年の特撮系腐向け同人は音也×次狼で決まりですよ!
「ハァ・・・それでなんでアタシもつき合わされなきゃいけないのよ」
「お前に勝負事の空気を感じてもらうためだ。これも特訓のうちさ」

そしてそのビリヤード勝負にマミも同行させる音也。マジバイオリンコーチ一切してねえ





2008年
『またファンガイア・・・僕はどうしたら・・・!?』
マミの過去話を聞かされている時、ファンガイアの出現を感知した渡。未だ戦うことに迷いながらもキバに変身する
相手は我等のパーフェクトハンターを
タコ殴りにしてきたばかりのシースターファンガイア
タダでさえ強敵なのに心に迷いがある状態で勝てるワケもなく、すぐさま劣勢に多々されます
そして更にやってきたのがシースターファンガイアを追いかけて
ボタンバカ登場。タフすぎます
「俺の獲物を・・・!変身!」
ついにターゲットの事を「獲物」とまで言いはじめました。
啓介マジ血に飢えた狂戦士
キバが劣勢を覆す為ガルルセイバーを召喚しますが、ここで数あるイクサの機能の1つが判明
腰の両側に装備してある
キバと同型のフエッスルのようなモノ
あれをイクサが吹いた瞬間、なんとガルルセイバーはキバではなくイクサの手に渡ってしまったではないか!
どういうメカニズムになっているのかは解りませんが、イクサもまたガルル達をフエッスルを使役できたのである
「あ、あのバカオオカミぃ!?(汗」
あまりの出来事に面食らうキバットをよそに、恐ろしい剣さばきでガルルセイバーを振るうイクサ。鬼のような強さです
あっという間にキバをなます斬りにし、吹き飛ばしたところへ更に容赦なく銃弾の雨を打ち込むイクサ
キレ啓介の猛攻でピンチに追い込まれたところで
次週へ続く!


第18話

カルテット・心の声を聴け

2008年
「ヒャッヒャッヒャ!ヒャ〜ッヒャッヒャッヒャッ!」
「ええい!邪魔をするなァ!」
イクサ版フエッスルの能力でガルルセイバーを奪い、キバを思う存分ボコボコにした我等の啓介でしたが
トドメを刺そうとしたところを放っておいたシースターファンガイアから射撃攻撃を喰らって邪魔されます
これぞまさに
横合いから思いっきり殴りつけられたいうヤツでしょうか
激昂してシースターファンガイアに狙いを変えるも、坂口は癇に障る笑い声を残してまんまと逃走

その隙に勝利寸前だったキバにまでトンズラされてしまう有様。パーフェクトハンターダメすぎます
「くそッ!くそォッ!」
”ゴッ!ゴッ!ガッ!”
冷静さを失ってしまったせいで千載一遇のチャンスを逃してしまったダメハンター。怒りを抑えきれず
狂ったようにコンクリートの壁へ素手パンチを連打します

見る見る鮮血で染まっていく拳と壁。名護さんもう素で狂人。マジ怖えよ

「もう嫌だ・・・僕はもう戦わない」
「何言ってんだ渡!お前それ本気で言ってるのか?」

「ファンガイアならイクサが倒してくれる。僕が行ってもまた今回みたいになるだけだよ」

一方。なんとか逃げおおせた渡は前回から引きずっている蟠りのせいもあり、キバとして戦うことの意義を見失ってしまいます
まぁ変身する度に
あんなキチガイ男に命を狙われるんじゃ、渡の気持ちもわからなくはありません





1986年
「おい、なぜお前ばかり連続で打ち続ける!」
「・・・数字の小さい球から順に落し続ける限り俺の番だ」

イクサを賭けて次狼とビリヤードで勝負していた音也だったが、ナインボールのルールも知らないド素人
なにもできずに完敗かと思われましたが、
次狼が一球ミスして順番が回ってくるとやった事もないマッセに挑戦します
”バキィッ!”
素人が見よう見真似で放ったマッセはキューを真っ二つにヘシ折りますが、手玉は奇跡の軌道を描いて9番をポケット!
「ハッハッハ!我が教え子よ見たか?演奏も同じだ!大事なのは閃きだよ!」
「ひらめき・・・」
「5回勝負だ。さぁ次いくぞ」

まさかのビギナーズラックで大逆転勝利し、これみよがしにマミにこじつけの教えを説く音也
負けた途端「5回勝負だ」と言い出し、ムキになって次ゲームを始める負けず嫌いの次狼。
どっちも大概ね
「お前がスランプになった原因を教えてやる。お前は親の期待に応えようと頑張っているだけだ
ただ弾きたいと思って楽しんで弾けばいい。そうすればオーディションなんて楽勝だ」

マミがスランプになった原因を鋭く指摘する音也。
本当になにもしてないクセにやたら偉そうです
しかし音也のその言葉を受け、何か憑き物が落ちたような顔を見せるマミ。気持ちを一新して明日のオーディションに臨みます





2008年
マミを狙ってシースターファンガイアが現れた。しかし鬱状態の渡はキバになって戦うことを拒んで屋敷を出ない
あまつさえ「こんなモノがあるから戦えって声が聞こえるんだ!」と叫んでブラディローズさえ叩き壊そうとする始末
流石に思いとどまったものの、渡の悩みが相当に深いということが視聴者に伝わるシーンと言えるでしょう

「坂口!今度こそ・・・その命、神に返せェッ!」
しかし渡も言っていたように、襲われた人を守る役目ならばイクサがいます。シースターファンガイアの前に立ちはだかる啓介
今回は逃さん!とばかりに最初から全開で仕留めにかかるイクサに、ひとたまりもなくやられて人間体に戻る坂口
「ハァ・・・ハァ・・・どうだ坂口!今度こそ貰うぞそのボタン!」
しかしやっぱりボタンへの執着が尋常じゃない啓介
相手はファンガイアなんだからせずに必殺技で一気に消滅させるべきなんですが。人間に戻った坂口に馬乗りになると
激しく唾を撒き散らしながらボタンを引きちぎろうとします。だから怖いって
またしても固く縫い付けられたボタンに悪戦苦闘しているうちに、通報で駆けつけた警官達が2人を発見
坂口は連続強盗犯なので警察にとって逮捕対象です。意味不明な言葉を喚きながらそれと組み合ってる啓介は当然・・・・
「離れんかキサマ!公務執行妨害で逮捕する!」
「何をするお前等ー!
俺はバウンティハンターの名護啓介だぞー!」
また逮捕です。この人すげえ。まるで成長してない
「ケヒャケヒャ。残念だったな小僧」
「坂口ィ〜ッ!」

タイミングの良い警察の介入でまんまと逃れる事ができた坂口。その醜悪な笑顔を啓介は物凄い目つきで睨みつけます

その翌日。連続強盗犯である坂口は護送車で刑務所に送られることになりましたが、そこへ現れた謎の人影!
男は瞬く間に警護の警官達を打ちのめすと、坂口を車に乗せて走り出しました。坂口を助けにきた犯罪者仲間でしょうか
「坂口ィ・・・今度こそ・・・!」
「ははっ。ここまでするかね」
なんとと言うかやはりと言うか。護送中の坂口を警察から奪還してしまった我等のパーフェクトハンター
ついに国家権力を相手に普通に喧嘩売るようになってしまいました
「ハハハハやったぞ!俺のボタンだ!
ハハハハハハハハハ!」

ねんがんのボタンをてにいれたぞ!
再び坂口をボコボコにし、ようやくボタンを引きちぎってトチ狂ったように笑う啓介
地面に寝転がってケラケラ笑い続け、坂口が逃げたのも追いかけようとしません
もうダメだこの人
「犯罪者を捕まえる仕事」が転じて本当にタダの「犯罪者のボタン収集家」という奇人になってしまったみたいです





1986年
「ああっ弦が!」
「大丈夫。バイオリンはひらめきだ」

オーディション当日。ゆりと音也が見つめる中、迷いを吹っ切ったマミは素晴らしい演奏を披露してみせる
途中マミのバイオリンの弦が切れてしまうというトラブルに見舞われるも、アドリブで他の音階を弾きこなすマミに審査員も感嘆
無事演奏を終えたマミは審査員全員から惜しみない拍手をもらい、無事オーディションに合格するのだった

「ねぇ、合格のご褒美に聴かせてよ。グレーとティーチャーのバイオリン」
「いいだろう。だが後悔しても知らんぞ?」

オーディション合格祝いのドライブ途中、ヘンテコ教師音也のバイオリニストとしての実力を知り、感動で涙を流すマミ
「すごい・・・私には一生こんな演奏できない・・・・先生わかったわ
私、今日でバイオリン辞める」
「ええっ?マミちゃんちょっと・・・・」
「やっとわかったようだな。それでいい」

今まで親に言われるがまま続けてきたバイオリンだったが、今まで自分から「弾きたい」と思って弾いたことはなかったという
本当に心からバイオリンを愛している音也の演奏を聴き、その本質を自ら悟ったのである。「好きこそものの上手なれ」といい事か
「お前のグレートティーチャーとして最後のアドバイスだ
これからは本当にやりたいことだけをやれ
心の声に耳を澄ませるんだ」

便所掃除とビリヤードの観戦しかさせてないクセに
やたら良い師匠ぶる音也がアレですが
この音也の言葉によってマミはこの後アーチェリーと出会い、オリンピック選手になるまで道を極める事になるワケです





2008年
『僕のせいだ・・・僕がキバとして戦わなかったからマミさんが・・・』
イクサの奮闘で命に別状はなかったが、軽い怪我をしてしまったマミ。渡は自分のせいだと自己嫌悪に陥ります
手を傷めながらもアーチェリーの練習を続けるマミの姿を見て、渡は思わずその悩みを打ち明ける
「実は僕、やりたくもないことをやってるんです」
「どうして?」
「やれっていう言葉が聞こえるから・・・」
「似てるわね。私の小さい頃と」

渡の言葉にマミは自分の幼いころと重ね合わせて話し始めた。周囲の声に惑わされてバイオリンをやっていたあの頃
しかし他ならぬ目の前の少年の父との出会い、そしてその言葉によって彼女は救われ、アーチェリーと出会ったのである

「昔ね、私の先生が言ってたの。本当にやりたい事だけをやれ
心の声に耳を澄ませろって
あなた・・・本当にやれって言われたから嫌々やってるの?」
「心の声・・・?僕は・・・あ・・・」

自分の本当にやりたいこと。自分は戦えという声に従ってきただけだったのか?改めて自問自答する渡
目の前で襲われる人を守る為に変身する自分。健吾の夢が裏切られた時、怒りに燃えて変身した自分は嫌々だったのか?
断じてそうでなかった。あの時もあの時も
『大切な物を守りたい』ただその一心でキバとなり、ファンガイアに立ち向かったハズだ
本当にやりたい事をやれ。心の声に耳を澄ませろ
その言葉は一度は萎えた渡の気力を再び奮い起こした

かくして三度マミの前に現れたシースターファンガイアを倒す為、渡は決意も新たにキバに変身
キバットはガルル、バッシャー、ドッガ3人を同時に召喚し、最強の融合形態を初披露します

変身!フォーム!
なんて名前だ
ガルルの左腕にバッシャーの右腕、ドッガの胸部にキバの下半身という無敵の4フォームごちゃまぜ状態です
剣、ハンマー、銃全ての武器を同時に操れるドガバキフォームの前にシースターファンガイアはなす術なくボコボコ
最後は実に久しぶりとなる必殺キック・ダークネスムーンブレイク炸裂でこの強敵を打ち破るのでした。めでたしめでたし

『それにしても・・・マミさんに「心の声」の話をした人はどんな人だったんだろう』
ラストシーン。再びファンガイアと戦う気持ちを強くした渡は、練習を続けるマミの姿を見てその人物に思いを馳せる
その人物を父と知らずとも、強い共感を覚えるのはやはり血の繋がりであろうか。渡と音也、父子の絆は22年の時を不思議に繋ぐのだった


第19話

フュージョン・オーラの泉

1986年
「ウェディングドレスか・・・美しい。よし、新しいタイムプレイのスタートだ」
新しいタイムプレイを「花嫁」に決めたルーク。まさに外道。人生の幸せ絶頂の女性を狙うとはなんという奴でしょうか
なんか普通に最悪の怪人です。近年の特撮でもマジ最悪の部類じゃなかろうか
かくしてその日、運悪く挙式を挙げていた花嫁さんは無惨にもゲームの犠牲に。おのれ人生最良の日をよくも・・・ッ
「貴様は・・・母さんの仇ッ!」
偶然にも現場に居合わせたゆりは怒りも新たにルークに挑むが、あっさりと吹き飛ばされ武器を奪われてしまう
ヒュン!
スコン!ビィー・・・ン
無表情でブン投げた剣が顔面の僅か横の壁に突き刺さり、青ざめるゆり。
ルークケンシロウみたい
無言のルークが一歩、また一歩と近づいてきますが、死を覚悟したゆりの身体は恐怖で竦んで動きません
しかしそんなゆりを視界にさえ納めることなく、タイムプレイを達成したルークは何事もなかったようにその場を去ってしまう
まさに
ピクル状態。ルークにとって人間など餌に過ぎず、ゆりは「敵」としてさえ認識されなかったのである





2008年
「なぁ、こいつオバケ太郎じゃね?デンデンムシなんか獲ってやがるぜ」
「本当だ。気持ち悪いんだよてめえ」
例によってバイオリン制作に試す為、今日はカタツムリを集めていた渡。地元の不良高校生達にからまれてしまう
しかしそんな渡のピンチを颯爽と救ったのは、なんと久々の登場となる
健吾だった
エピソードでは補完されてませんでしたが、どうやら自分が騙されていたことを悟り渡への絶交宣言は取り消した模様です
「俺はあれから考えたんや。俺にとって本物のロックとはなにか・・・それで答に行き着いた
キバや!あの激しい戦いぶりこそ俺の求めるロックなんや!

なぁ渡、お前キバについて何か知っとるんやろ?教えてくれや!どこに行ったら会える?」
キバの戦いぶりにロックを感じたと舞い上がる健吾に、渡はお茶を濁す答を返すしかできない
そこへ
我等のパーフェクトハンターと恵もやってきてキバ談義に
「あっ!アンタはこの前の感じ悪いオッサン!」
「キバは人類の敵だ。かつてキバはファンガイア以上に人類を危機に追い詰めた存在だ」
「名護さん。それは・・・ちょっと違うと思います」
「キミはまた口ごたえをするのか?」
「私は渡君の意見に賛成よ。私もキバに何度もピンチを助けてもらったわ
今のキバはかつてのキバとは違う存在なのかもしれない」

頑なにキバを敵視する啓介とは違い、恵はキバに対して好意的な解釈を持っているみたい
それにしても啓介の言うように、本当に「22年前のキバ」は人類にとって脅威となる存在だったのでしょうか。気になります
「そうや!俺の知り合いのオッサンに有名な霊能者がおるんや!
婆さんの遺産の場所も一発で当てよったすごい人やで。純金の入れ歯やけどな
その人にキバの正体が何なのか見てももらおうや!」

かくして4人は健吾の知り合いの霊能者のもとへ。しかし霊能者は
渾身の祈祷の末、失神
やはり霊視などでキバの正体が解るハズもないかと皆落胆しますが、なぜか渡一人、霊能者と一緒に倒れ込んでしまいます
「渡君、大丈夫?」
「・・・なんだお前等は。人の家に勝手に入り込みやがって・・・さてはコソ泥か?
しかしコソ泥にしてはイイ女だ。そうか、俺のハートを盗みにきたか」

自宅で意識を取り戻した渡だが、心配して覗き込む静香・健吾・恵を前にしていきなり
こんな物言いを
ガラッと人格が変わっている・・・というより、どこかで見たこの口調はまさか・・・?




1986年
「お願い次狼、イクサを私に貸して!母さんの仇を討ちたいの!」
「無理だ。お前にルークは倒せん」
「思いの強さが違うわ!アイツを倒したいという気持ちは私の方が強い!」
「駄目だ」

なんとしてもルークを倒したいゆりは次狼にイクサを貸して欲しいと懇願。しかし次狼は聞く耳もたずダメ出し
当然でしょう。相手は次狼と音也2人で敵わなかった化物。本当に気持ちだけで勝てると思ってるのなら、ゆりはとんだ甘ちゃんです
「もういい!」と逆ギレして店を出て行くゆりに溜息をつく次狼。そんな次狼の背中にガバッと腕を回し、音也がささやきます
お前等やっぱホモカップリング確定だろう
斜めの目線で意識して見なくても、明らかにモーホーっぽいスキンシップ吹いた。お前等敵対してるハズなのにその仲良さは何だ
「ほれ、お前にいいものをくれてやる」
「なに?・・・こ、これはあああああああああああああ!?
山本スーザン久美子ちゃんのサイン!」

大のおニャン子好き、しかも山本スーザン久美子のファンである次狼に彼女のサインをプレゼントする音也
奇声を発して狂喜乱舞する次狼が最高すぎます。しかしながら当然サインは音也が作った偽者
その隙にイクサナックルを素早くスッた音也は、ゆりにこっそりとコレを手渡すのでした
うーん・・・
音也ダメすぎるな。本当にゆりを愛してるなら、イクサナックルは間違っても渡しちゃダメだろ
かくしてイクサナックルを手に入れたゆりは勇んでルークにリベンジしますが、その正面に立った途端に身体が動かなくなってしまう
『身体が動かない・・・!?こ、呼吸が苦しい・・・どうして・・・・!?』
一度植えつけられた絶対的恐怖は彼女の身体を縛り、イクサに変身することさえできない。まさに金縛り状態である
今度こそオワタ\(^o^)/と死を覚悟しますが、やはり今回もそしらぬ顔で横を素通りするルーク
憎い仇を目の前にして、恐怖で何もできない自分。そんな自分を虫ケラほどにも気に留めていない敵
二重の精神的屈辱を浴び、その場にヘナヘナとへたり込んでしまうゆり。これは戦士として相当のダメージと思われます





2008年
「今日はあのロッカー野郎はいないようだな。ムカつくんだよテメエ!」
「俺がこの世で大嫌いな物が2つある。こんにゃくと・・・頭の悪いガキだ」
前日の仕返しにきた不良高校生にからまれた渡だったが、例のおかしな霊に憑依された状態の彼は一味違います
3人が繰り出すパンチとキックを華麗にかわしながら、その顔面を殴りつけ、ケツを蹴り飛ばす。ウヒョーいいぞ!カッケーぞ!
馬鹿なクソガキどもを一蹴した渡でしたが、そこでショーウインドウに映った自分の顔を見て愕然
更には新聞の
2008年という日付を見て目を見開きます。そう、誰にも丸解りの通り、彼に憑依している霊の正体は・・・
「はいご主人様、アーン」
「アーン。ううむ、なんて俺向きの時代なんだ。素晴らしい」

しかし渡に憑依した霊は状況にうろたえるでもなく
メイド喫茶で大喜び。ポジティブにも程があります
そのときファンガイアが出現し、ショックで元の人格へ切り替わる渡。急いで現場へと急行します
変身したキバはレディバグファンガイアを圧倒。なんか
今まで見たこともない程強いです
今一歩のところで逃げられトドメを刺す事はできませんでしたが、その強さも当然のこと
変身を解除した渡は、またも例の憑依人格に切り替わっていました

「なぁなぁオッサン、キバのこと色々知ってるんやろ?教えてや」
「・・・キミはいくつだ?」
「21や」
「私は22だ!オッサンと呼ぶのはやめなさい」
一方その頃、トンズラこいたレディバグファンガイアは偶然にも啓介と健吾の前に出現。戦闘へ突入します
ていうか啓介22だったのか。そりゃ1つ違いの奴にオッサン呼ばわりされたらムカッとくるよな
でも色々とオッサンだよお前!
カッコよく変身しようとした啓介でしたが、寸前でイクサナックルを弾き飛ばされ
変身失敗。相変わらずやらかしてくれます
しかし駆けつけた恵と華麗な連係で攻撃しかけた啓介は生身でも強い強い。ファンガイア相手にまったく負けていません
「あの2人・・・凄いやないか!ロックやで!」
普段あれだけ喧嘩していても、いざ戦闘となると見事な呼吸を見せる啓介と恵燃え。健吾も2人のコンビネーションに魅せられます
しかし、それでもやはりイクサでなければファンガイアを仕留めるのは至難。すぐに啓介と健吾は打ち倒され恵も追い詰められてしまう
「それが多くの同胞を殺したイクサか?面白い変身してみろ。私が倒してやる
・・・・どうした?変身しないのか」

イクサナックルを握り締めて震える恵に、「変身しろ」と余裕を見せるレディバグファンガイア。だが恵は変身できない
単純にベルトを装着してないから、と考えるのが普通でしょうが、もしかしたら恵には変身できない理由があるのかもしれません
落胆したレディバグファンガイアは恵を思い切り蹴り飛ばすと、失神した啓介と健吾を抱えてこう言う
「この2人は人質だ。返してほしくばイクサとして戦いに来い」
たいして強くもないクセにやたら好戦的なレディバグファンガイア
生身の人間にも手こずったクセにイクサを相手に勝てる気でいるあたり、相当な身の程知らずです。なんて面白いやつだ
その言葉を聞きながら意識を失ってしまう恵。2人を抱えたレディバグファンガイアがその場を去ろうとした時、あの渡が現れた
「おいおい・・・まさかこの時代になってもファンガイアがうろついているとはな」
「・・・何者だお前は」

渡に憑依している霊が「ファンガイア」の存在を知っている。何者だと聞くファンガイアに、渡は堂々と答えるのだった
「紅・・・音也だ!」
渡に憑依した霊は、紛れもなく音也本人!視聴者ドキドキの超展開で次週へ続く!

それにしても瀬戸くんは音也の演技上手いな
俺らが音也のモノマネするレベルとか遥かに超えて似てます。瀬戸くんかなり演技派
拍手コメントで知ったんですが、キバ変身後はガルルフォームやドッガフォームのアフレコも瀬戸くん本人だそうです。凄いな


第20話

夜想曲・愛の救世主

「おい渡!お前どうしちまったんだよ!?」
「お前・・・もしかしてキバットバット2世の子供か?」
「んなっ!?ど、どうしてその名前を!?」
「フッ俺自身も驚いている。どうやら俺の魂がコイツの身体に乗り移っているようだな」
2008年
どうしたことか時空を超えて渡に取りついてしまった音也の霊。渡の口から父・2世の名を聞いたキバットバット3世は仰天
あ、ちなみに前回の引きはレディバグファンガイアが2人を拉致したまま逃走。渡音也は屋敷に戻っています
それにしてもいきなり過去編の大きな設定が1つ解明されました。音也は
キバットバット2世を知っている
それはやはり音也が「22年前のキバ」であるという事を意味してるのか?過去編の全容を推察する重要な事実です
「ふーむ・・・骨にも筋肉にも異常はないんですが・・・まぁしばらく様子を見ましょう」
「そんな!先生お願いです!すぐに治してください!」

一方、レディバグファンガイアに拉致された2人を救出する為イクサとして戦いに行かなければならない恵でしたが
どういうワケか大した怪我もしていない左足がまったく動きません。医師は異状は見られないというがどういう事なのか
「俺がお前の症状を診断してやろう。仮病だ
お前はイクサとして戦う自信がない。脚が動かないのはそんな心の弱さが現れているだけだ」
「・・・・あなたなに言ってるの?今すぐここから出て行って!」
原因不明の症状に焦る恵の前に現れた渡音也は、イクサとして戦う自信がない恵の心の弱さが原因だと看破
そんな音也の言葉が図星だったのか、激昂した恵は初めて渡に対して大声で怒鳴るのだった





「で、ルークとの戦いはどうだったんだ?」
「・・・もう少しのところまで追い込んだけど逃げられたわ。次こそは絶対・・・!」

1986年
前回ルークに対する恐怖心から、イクサに変身することさえ出来なかったゆり。
嘘つきもイイとこです
現代でイクサに変身できない恵。過去でルークに恐怖するゆり。今回はこの母娘の心の戦いがメインテーマみたいね
ゆりは再びルークを探して結婚式場を探索。そのゆりを追いかけた音也は、そこで間違えて一人の女性に声をかけてしまう
「ゆり!やっと見つけ・・・う?」
「私、誰かに間違われたのって初めてですわ。フフ・・・あまりいい気持ちじゃありませんわね」
振り返った女性の美しさに、思わず言葉を忘れて呆けてしまう音也。ミステリアスな美貌を湛えたこの女性の名は
真夜
音也ビビッときてます。一目惚れです。これはゆりに対してもなかった反応。彼女以上の「運命の女」という事か
すなわち彼女こそが渡の・・・?「真夜」なんて名前がモロにそれっぽいし、まず間違いないかと
ぼーっとして真夜の後姿を見送る音也の前にルークが出現。音也は花嫁を守る為果敢に挑みますが、一発でのされてしまう
「ルーク・・・!母さんの仇!今度こそ!今度こそ・・・!」
やはり式場に居合わせたゆりは三度の復讐のチャンス。目の前で音也も倒され、花嫁も命の危険とあっては戦うしかない
しかしやはり先週同様恐怖で動けない。握り締めたイクサナックルをブルブル震わせるだけで、なにもできません
「ああっ!」
ダダダダダダ!ゆりは逃げ出した!
気絶した音也と絶体絶命の花嫁を見捨て、真っ先にトンズラかますゆり
そりゃ自分の命には代えられないでしょうが。しかし牽制攻撃さえ仕掛けず民間人を見捨て、音也も助けようとしないとは最悪すぎる
かくして何の罪もない花嫁はルークの遊戯の犠牲になるかと思われましたが、それを意外な人物が制止します
「相変わらずくだらないゲームを続けているのねルーク。でもゴメンなさい
それは私の仕事なのよ。譲ってくれるかしら?」
「・・・チェックメイトフォーのクイーンの頼みとあらば仕方あるまい」

ルークの凶行を止めたのは先ほどの美女・真夜。しかも彼女こそチェックメイトフォーのクイーンだと言う
あのルークが明らかにビビってるあたり、彼女の力は彼より数段上と思われます。どんだけー?
ルークがすごすごと帰ったあと、真夜はその美しくも冷たい微笑を花嫁に浴びせてこう言う
貴女はファンガイアの掟を破り、人間などを愛してしまった
貴女の・・・夜がくる!」

なんと花嫁の正体は掟を破り、人間を愛してしまったファンガイア。そして真夜=クイーンの仕事はその粛清だったのである
彼女から得体の知れぬ闇が溢れ出し、哀れ人間を愛したファンガイアの花嫁は夜の塵と化してしまいました
漆黒の闇夜を歩く真夜の周りを飛び回るのは、キバットバット3世に良く似た魔界のコウモリ。彼が「2世」であることは想像に難くない
真夜はファンガイアのクイーン
渡がキバに変身する時、顔にステンドグラス模様が浮かぶことから推察するに、渡は人間とファンガイアのハーフと思われます
まず99%彼女が渡の母親と見て間違いないでしょう

「本当は怖かったんだろ?いいんだ。それで
自分の弱さを知った方がいい」

「!お前・・・その為に私にイクサを?」
自分の弱さに自己嫌悪に陥るゆりの前に、無事だった音也やってきて優しい言葉をかける
先週俺は「音也はゆりにイクサ渡しちゃダメだろ」と言いましたが、音也はそんなことは百も承知でした
言葉で説得しても絶対に納得しないゆりを解らせるには、実際にルークとの力の隔たりを思い知らせる必要があったのだ
「うっ・・・・うう・・・・すまない・・・今は少し・・・このままでいさせてくれ・・・」
全てを見越していた音也の優しさと、自分の弱さを思い知ったゆりは音也の肩を借りて泣きじゃくる
そんな2人の姿を遠くから眺めるのは次狼。真夜も登場したことだし、これは三角関係になにやら変化が生じそうな予感です






「何故そうまでして戦おうとする?普通の生活に戻ればいいじゃないか」
「それは出来ないわ。イクサは母さんの想いなんだから」
「お前の母親・・・それはもしかして麻生ゆりか?」
「え?あなたどうしてそれを?あなた・・・渡君じゃない!何者?」
「フッ俺は愛の救世主だ」

2008年
なんとか脚を動かそうと必死でトレーニングを続ける恵の前に何度も現れ、戦う事をやめさせようとする音也
母親の名前まで持ち出され、さすがに恵もその渡の姿をした青年の「中身」が別人であることに気づきます
恵容赦なく辛辣な言葉を浴びせる音也は、トドメとばかりにイクサナックルを
炎の中にポイ
なッ何をするだァーッ!許さんッ!
半狂乱になった恵は猛奪取でドラム缶を蹴飛ばし、イクサナックルを救出。クララが!クララが立った!
やはり音也の指摘通り、恵の脚は精神的なブレーキが生じさせていた無意識の仮病だったのである
「これでわかったろう?お前は自信のなさを誤魔化していただけだ
自分の弱さを受け入れろ
その上で普通の人間に戻るか、あくまで戦士として生きるか決めるんだ」

それは22年前、彼女の母親にも言った言葉
弱さを自覚しながらも戦士として生きるか、普通の人間として生きるか?果たして恵の出した結論は・・・・

「それにしてもオッサン、なんであんな化物と戦っとるんや?」
「私は
私が統括する理想の世界を創るために戦っている」
「ははっ!アンタなかなかロックやないか。キバには負けるけどな!」
「フッ・・・キミは見る目がないな」

その頃、拉致られた2人。必死でロープをほどこうとしながらそんな会話を交わし、ちょっと仲よさげになってました
啓介の戦う理由なんて普通は
ドン引きだと思うんですが。まぁ健吾も頭パープー気味なので波長が合うんでしょう
そんなマブダチになりつつある2人に、「イクサこねー!時間切れだからおまえら殺す!」と迫るレディバグファンガイア
しかしまさにその瞬間、廃倉庫に颯爽と現れた美しきシルエット。言わずもがな決意の瞳まぶしい恵である
「私は・・・戦士として生きる!生きてみせるッ!」
「やはり親子・・・か」
彼女は自分の弱さを受け入れながら、なお戦士として戦う事を選んだのだ
ここで縛られていた啓介と健吾ロープを切り裂き、イクサナックルを放り投げる恵
「名護君!それはあなたの物よ!今はまだ、ね」
「・・・フッ」
イクサナックルをキャッチした啓介は恵の意気を受け取り、ここぞとばかりに魅せ場の変身!
あの2人はいつも喧嘩ばかりしているけど・・・
心の中では誰よりも信頼しあってるんだ!

マシンガンズかお前らは!
演出とBGMも相まって、このシーンの啓介と恵カッコよすぎ。今回は脚本かなりレベル高いなー
そんなカッコイイ啓介と恵ですから強い強い。華麗な連携攻撃でディバグファンガイアを追い詰め、これを難なく撃破する
ファンガイアはオーラ体に巨大化しますが、ここで音也が抜けて元人格に戻った渡がキャッスルドランを召喚、
更に啓介もパワードイクサーを呼び出すと、空を飛ぶオーラ体に対してまさかまさかの共闘を展開!
ドランの背中にパワードイクサーを乗せ、空中大決戦!これは燃えるぜ
最後はキバとイクサ、2人が弾丸のようにマシンから飛び出し
ダブルライダーキック炸裂
見事この強敵を撃破するのでした
去っていくキバの後姿を見て押し黙ったままの啓介。初めてキバと一緒に戦ったことにより、彼の考えにも何か変化が?

ラスト。いつもの渡に戻ったと胸をなでおろす静香だったが、恵は自分に勇気を与えてくれた「別人格」に会いたいと大騒ぎ
何がなんだかわからない渡だが、作業机の上に乗っていたバイオリンを板を見て、その完成度の高さに驚きの声をあげるのだった
「凄い!僕がどうしても出せなかった線だ・・・・一体誰がこれを?」
恵に生きる道しるべを示し、渡にはバイオリン職人としてヒントを残した音也。はたして彼の霊が再び現代編に現れる事はあるのか
過去と現在の繋がりが濃厚になり、俄然面白くなってきた次週へ続く!



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