第31話

風が呼ぶB/野獣追うべし

「俺は尾藤勇ってモンだ。鳴海荘吉の旦那はどこだ?
10年間ムショに入ってたが、出てきたら会いに来るように言われてた」
「父は・・・・死にました。不慮の事故で」
「亡くなったのか・・・あの鳴海の旦那が」

ある日、10年の刑期を終えて出所したという強面のオッサンが事務所にやってきた。おやっさんの名を出されて言葉に詰まる翔太郎
うつむいてだんまりの翔太郎を気遣って答えたのは亜樹子。時間軸的にビギンズナイトを踏襲している為、父の死を知っていたみたい
聞けば荘吉は服役中の尾藤のために何やら調査をしていたらしいが、事務所に残っている資料にそれらしき記録は見当たらなかった
「じゃあ仕方がない」と去っていく尾藤だったが、おやっさんの死に自責を感じる翔太郎は黙っていられないと尾藤についていくことに
尾藤勇41歳。どこかおやっさんの時代の匂いがするこの人を見てると胸の何かが騒ぐ
俺の人生の大きな何かが変わる予感が・・・「ってあいてェ!?」
「ブツブツうるせぇよボウズ。ついてくるのは勝手だが静かにしてろ」
ビシィ!と翔太郎の眉間を指で殴りつける尾藤さん。その鋭い眼光と渋みのある声で言われると、翔太郎は何も言い返せない
これだけ男臭い人が旦那と呼んで慕っているあたり、鳴海荘吉という人物がいかに「男を惚れさせる男」だったのかが解ります
「鳴海荘吉・・・かつて組織と戦った男か。すごい男だったようだな・・・一度会ってみたかった」
「僕も彼に命を救われ、生き方を教わった・・・検索してみよう。彼が残した仕事を」

視聴者がそう思っていたところに重ねるように、事務所の照井とフィリップも「鳴海荘吉マジぱねぇ」とその人物像を賞賛
フィリップもまた尾藤さんの為、おやっさんが調査していたという事件について検索を開始する

かつての弟分だったという有馬丸男を訪ねた尾藤さんだったが、なんと彼はこの10年間にチンピラから土建業者の社長に成り上がっていた
そして有馬邸の玄関で彼を迎え出たのは、かつて尾藤さんと懇意だった女性・鈴子。今は有馬夫人となっての再会であった
「まぁサム!長い間・・・本当にお疲れ様」
「久しぶりだなベル。お、また将棋かい?」
「うふふ・・・上手く負ける練習よ。あの人のご機嫌取り」
「サム?ベル?」
「昔のあだ名さ。俺はイサムだからサム。鈴子を英語でベル、そして弟分の丸男はマルだ」

恥ずかしさから翔太郎を殴りつけながら説明する尾藤さん。確かに恥ずかしいネーミングセンス
実に昭和臭いというかなんというか・・・しかしながら、そう語る尾藤さんの顔はどこか嬉しそう。鈴子さんも同様にニコニコ笑顔です
仲の良かった3人組の10年ぶりの再会なのだからこうなって当然なのですが、ただ一人だけはまったく違う反応を示したではないか
「出所おめでとうございます尾藤さん。しかし困りますなぁマルだのベルだのといつまでも昔のままで
今の俺達夫婦の立場というものもあるんですよ。悪いが帰ってもらえませんかねぇ?
アンタみたいな人に来られちゃあヘンな噂が立ちますんで」

「あなた!久しぶり会ったのにそんな・・・」
現われた有馬丸男は10年ぶりに再会した兄貴分に対し、いきなりケンカ腰のこの態度。見た目に解りやすい小悪党タイプです
この肥えた体つきと悪党面はどっかで見たことあると思ったら、カブトに出てきた
田所さんの弟(あの蕎麦屋)じゃないか
ここまで温厚に耐えてきた尾藤さんでしたが、丸男が咎めた妻を邪険に振り払った瞬間ついに軽くキレます
「・・・・・噂・・・ねぇ・・・・俺もおかしな噂を聞いたぞマル。”野獣”のな
もしお前が今もベルを泣かせてるようなら俺にも考えがあるからな」

「ハハッ、またあの探偵に泣きつくんですかい?死んだって聞きましたけどねぇ
それとも何か形見でも残されましたか?」
尾藤さんが「俺にも考えがあるぞ」と口にした途端、大声で笑いながら「え?あの人死んだんでしょ?」と荘吉の名を出した有馬
よく解りませんが二人の会話から察するに、おやっさんが尾藤さんの為に調査していた件はこの有馬という男に関する事みたい
それを悟った翔太郎は機転を利かせ、方便で話を合わせて尾藤さんと屋敷を出るのだった
「あぁ形見ならあるぜ。俺は左翔太郎、鳴海荘吉の一番弟子の探偵だ
アレの事ならちゃ〜んとおやっさんから聞いてるぜ。さ、そろそろ行こうぜ尾藤さん」

無論ハッタリなので翔太郎は何も知っていないが、二人が去った後有馬は顔色を変えてその後を追いかけるのだった

「絞り込めたよ。鳴海荘吉が調査していたのは風都ダム付近で起きた10年前の現金輸送車強奪事件だ
事件後、尾藤勇が犯人として自首し事件は解決したかに見えているがどうも不透明な部分が多い
輸送車と現金30億円はダムに落ちたまま未だに発見されず
現場周辺には人間離れした破壊の痕跡が見つかっている」
「ドーパント・・・?ちょっと待て、これは10年前の事件だぞ?」
その頃、検索を終えたフィリップ達は尾藤が10年服役した事件の真相を推理していた。30億とかパネぇ
つーか3億円事件も比べ物にならない額を強奪しながら、その現金も見つかってないのにたった10年でシャバに出れるモンなのか
そして照井も驚いてますが、10年前から既に風都ではメモリ犯罪があったみたい。そういえば園咲家はいつからメモリ造ってるんだろな





「さあ教えろ小僧ーッ!熊はどこだ?」
翔太郎と尾藤さんが有馬邸を出て間もなく、大柄なドーパントが翔太郎に向かって襲いかかってきた。正体は言わずもがなであろう
それにしても熊とは一体何のことなのか。翔太郎のハッタリに騙されてまんまと釣り出されるあたり
「そんな餌に俺が釣られクマー!」を地で行く単細胞ぶりでちょっと愛嬌を感じます。クマー
Wに変身してこれを迎え撃つ翔太郎でしたが、どうしたことか身体があちこちバチバチいってまともに動いてくれません
「うお?なんだこりゃフィリップ!?」
「ジョーカーの力が弱い!翔太郎、別のメモリにチェンジを・・・いや
これは・・・僕のパワーが強すぎるのか!?」

どうやらサイクロンのメモリが前触れもなくパワーアップしており、ジョーカーの力がついていけなくてバランスが合わないらしい
調子が悪いせいでボコられるWでしたがここでアクセルも援軍に到着。必殺のA斬りをビーストドーパントに叩き込みますが・・・
「なに!?とてつもない再生能力だ!」
ナパームストレッチを食らったように胸に刻まれたAの文字。アタル兄さん!
しかしドーパントが気合を入れると、瞬く間に傷が再生してしまったではないか
>俺の胸に醜きAの文字を!ってこれ三条先生狙ってるだろ
>10年間メモリ使ってて平気なマルtueeeeeeeeeee
>10年間ドーパントやってる所為かむちゃくちゃ強いな

おそらくWが万全の状態でも苦戦必至だったであろう強敵です。しかし劣勢に立たされたライダーズを救ったのは尾藤さんだった
「やめろマル!そいつは旦那から何も聞かされちゃいねえ!ハッタリだ!
お前・・・やっぱり今も野獣人間に・・・!」
「尾藤さん、時代が変わったんですよ。今じゃこの街で俺に逆らう人間はスパッ!だ」
変身を解除したビーストドーパントの正体はやはり有馬丸男。アクセルが警察の人間だと知らないのか簡単にバラしました
そして正体だけバラしておいてトンズラという、まぁいつものご都合展開でその場は収拾
なんでやねんと有馬にツッコミたいところではありますが、コイツにまだ兄貴分を立てる気持ちが残ってたとか好意的に解釈してあげましょう
「亜樹ちゃん・・・僕はいったいどうなったんだ?いつもは変身解除すればすぐ肉体に戻るのに」
「こっちが知りたいよ〜!うなされたりしたのなんて初めてだから心配したよ」

一方、変身を解除したフィリップの精神はすぐに肉体に戻らず、だだっ広い精神世界で謎の影との対面を経ていた
そのシルエットは紛れもなくW最強フォーム・エクストリーム
「僕のこの力・・・エクストリームと出会ったから・・・なのか?」
どうやら前回エクストリームメモリの中に入ったことが、フィリップに眠るポテンシャルを大きく引き上げたらしい
しかしWは左右のバランスが命の特殊なメモリ形態。片方だけが強くなってもさっきのように出力が不安定になってしまうのだ

「ま、これで事件の真相は見えたわね。10年前30億を強奪したのは有馬だったのね」
「あぁ、そしてその証拠が”熊”だ。しかしどういう意味やら・・・」

10年前の事件はメモリを使ってビーストドーパントとなった有馬の犯行
尾藤さんはその罪を被って自首したスーパーお人好しだったのである
そんな恩人に対してあんな態度の丸男クズすぎる。メモリのせいでだいぶ精神をやられてるんでしょうが・・・ああでもむしろ逆か?
普通そんだけ真相を知ってる男なら真っ先に消そうとするのが普通でしょうに、そうしないだけまだ理性があると言えるかもしれない
普通は数週間使っただけでもおかしくなるメモリを10年も使い続けてるあたり、「混じり」に耐性のある体質なのかもしれません
まぁ単にご都合脚本だと思うのでこんな深読みは意味ないと思いますが、ここで亜樹子がいつものミラクルを起こします
「熊ってあの口に鮭咥えてる熊のことかな?」
「ハッ、木彫りの熊か?そんなモンが・・・・あーっ!亜樹子!お前また良い事言ったぞ!
おやっさん絡みで木彫りの熊を見た覚えがある!そうだ確かあそこに・・・!」

風吹山には鳴海探偵事務所所有の別荘がある
別荘と言ってもワケありの依頼者達をかくまう目的で使われていて山小屋だが、翔太郎はそこで木彫りの熊を見たのだ
希望を見出した翔太郎はすぐさま尾藤さんに連絡。翌日の早朝から亜樹子と3人で熊を回収するために別荘へと向かいます

「チッ、警察どもめ嗅ぎ回りやがって・・・ん?お前ら組織の女か?野獣に興味でもあるのかヘッヘッヘ」
「興味なんてないわよ。まったくロクな男に会わないわねこの仕事」
「あなたに興味があるのはあちらの男よ」

その頃。警察にマークされ自宅に帰れず、バーで飲んだくれていた有馬に園咲姉妹がコンタクトを取っていた
なんてことないシーンですが、
男=野獣という言い回しが何気に子供には理解できないアダルティ空間でちょっとエロス
>女もロクなのいませんよ若菜姫
>今週の若菜...元に戻ったのか、それとも今度はずっとイライラしたままになったのか...判別つきませんね
>若菜正常に見えましたけど、これは井坂のようになりつつあるという事でしょうか

ところで若菜が普通に喋ってますが、これはあの危うい状態を抜けて安定期に入ったということでしょうか?
でもあの不安定さは笑い病というよりも感情の振り幅が極端になってるぽかったので、現在は単純に不機嫌モードというだけかも?

「あなたの身体の真の力が見たい。代わりにやってあげましょうか?熊狩りを」
というワケでいつもの如くしゃしゃり出てくる井坂。有馬の身体に興味津々なところを見ると、やはり彼はメモリ被験者として稀有な例のようです
>10年前からメモリを使用しているにも関わらず、肉体に異常をきたしていない。これが井坂の介入動機でしょうか





「やはり感じる・・・僕の中に新しい力が宿っている・・・ハッ、シュラウド!どうして貴女がここに?」
「あなたよりずっと前からここを知っているもの」

翌日、翔太郎達が出発した事務所地下にシュラウドが現われた。やはり彼女は生前の鳴海荘吉と知り合いだったらしい
フィリップを組織から連れ出すように依頼したのも彼女で間違いなさそうだし、スカルのメモリを荘吉に与えたのもおそらくそうでしょう
「来人、あなたはもうすぐ進化する・・・エクストリームメモリを使って
でも、そこに到達できる真のパートナーは左翔太郎ではない」
「翔太郎ではもう僕のパワーについてこれない。そういうことか・・・」
>予告から推測すると、シュラウドが照井刑事に助力したのは、フィリップのパートナーにするためなんかな?
次回予告でモロバレしてるんですが、シュラウドが「フィリップのパートナーに」と育成していた人材こそが照井竜だったみたい
成程こないだアクセルの戦いぶりを見て「竜・・・強くなってきた」と満足そうに呟いてたのはそういうワケだったのね
既に朋友達からも拍手で何通かズバリ正解予想が寄せられてたんですが、取り上げる前に本編で語られてしまって申し訳ない
いわば照井はシュラウドが育てたフィリップの許嫁。親公認のBLカップリングです
そしてシュラウドにとって翔太郎は、自分がいない間に息子についた悪い虫。気に入らないのも頷けるというものです

「やっぱり旦那の言う通りになっちまったよ・・・マルは足を洗っちゃいなかった。今もベルを泣かせてる」
山荘へ到着した翔太郎らは木彫り熊の探索を開始。そこで見つけた10年前の写真を見て、尾藤さんは悲しそうに呟いた
流石のおやっさんは、有馬丸男が尾藤さんに恩を感じて改心しないであろうことを当時から見透かしていたみたい
『お願いサム!マルを見逃して!この人がいないと私生きていけない!』
それでもこの出来の悪い弟分を庇ったのは、ひとえに
鈴子の存在だった。そう、尾藤勇は不器用な男なのである
「尾藤さん・・・アンタ惚れた女の為に有馬の罪を被ったんだな」
「チッ・・・そういうことを軽々しく口にするんじゃねえよ薄っぺらい奴だな。ホントに旦那の弟子か
旦那は何にも言わなかったぜ。俺が出頭すると言った時でもな
事件の真相も、俺の青臭い気持ちも全部知ってたのによ・・・本当にブ厚い男だった
薄っぺらい男の人生はイテエ。お前そんなんじゃそのうち大切なモンを失うぜ?」

おやっさんと尾藤さんがすごくカッコイイハードボイルドなシーンなんですが・・・この一瞬の回想シーンで感じた朋友もいるのでは
>ベルの将棋で負ける練習...これは手玉に取ってる→悪女の予感!
ベルが実は性悪女で、マルとサムを手玉に取ってたなんて欝い展開はないだろうなと
だって本当に良い女なら、愛してる男が罪を犯したら
「私何年でも待ってるわマル」というのが基本ではなかろうか?
なのに
「この人がいないと生きていけない!」とわざわざ尾藤さんの前で言うあたり、したたかな悪女の計算高さを感じます
おやっさんが「全て解っていて何も言わなかった」というのは、実はそこんトコを指しているのではなかろうか
なにせWは
「風都の女は例外なくDQN」というこれまでの実績がある為、なんかスゲエ嫌な予感が・・・
当たったらマジで欝展開だなぁ。こういう時だけは「はんぺら予想は外れる」という屋敷のジンクスがありがたく感じるが果たして

「これが旦那の残した俺への・・・しかしタダの木彫りの熊だなこryウボァー!?」
そんなこんなでようやく木彫りの熊を発見したものの、そこに井坂襲来。難なく熊を強奪してさっさと去っていきます
目の前に翔太郎いるのに普通に去っていくのかよ!
普段ならラッキーとやり過ごすところですが、何せ今回は重要証拠品を持っていかれてる為黙って逃すワケにもいきません
翔太郎がWに変身しようとドライバーを装着すると、シュラウドの制止を振り切ってきたフィリップがリボルキャリーで現われた
「すまない翔太郎・・・選択肢はファングしかなかった。僕の身体をメインにするしか」
「なんだかよくワカらねえが・・・とにかくやるぞ!フィリップ!」

自分の肉体がメインになるファングなら出力の不安定を解消できるのでは?というフィリップの策だったが、その目論見は失敗
ファングジョーカーでもやはり左右の出力は安定せず、苦し紛れに放ったマキシマムドライブで決定的な反発を起こしてしまう
「へ、変身が!」
さながら腕を失った直後に放った藤木源之助の「流れ」のように
ファングストライザーはあらぬ方向に吹っ飛んだかと思うと派手に空中分解。二人とも変身解除して吹き飛ばされてしまった
狼狽した翔太郎が今度は自分がメインになろうとメモリを握るが、強いスパークに拒絶され挿入することすらできない
鳴海探偵事務所で翔太郎の椅子に向かってダーツしていたシュラウドは、ひどく冷徹な声で言い放つのだった
「ここまでよ左翔太郎。お前にはWは無理」
「しょ・・・翔太郎・・・」
「そんな・・・Wになれねえ・・・!?」
>半人前が際立ったりと翔太郎がいい所のない回でしたね……次回で巻き返しなるか
>半熟卵には半熟卵にしかない旨さがある。それは完熟卵ではできない味
左翔太郎、W失格?エクストリームフォーム登場の次週へ続く!


32話

嵐を呼ぶB/今、輝きの中で

「井坂ああああーッ!」
「復讐鬼君の登場ですか。お忘れなく・・・貴方達一人一人では私には勝てないという事を!」

フィリップのパワーに翔太郎がついていけず、変身を解除したW。絶体絶命のピンチにタイミングよく照井が駆けつけます
しかし井坂の言う通り1人では勝ち目はない。翔太郎はショックを受けながらも、もう一度と変身に挑戦しようとしますが・・・
「もう・・・君では無理だ・・・・ハッ!?照井竜!」
フィリップは苦しげに拒否の言葉を絞り出すと、咄嗟の閃きでサイクロンのメモリを照井に向かって放り投げた。「これを使え」と
受け取ったアクセルもサイクロンの尋常ではないパワーを感じつつも、翔太郎のように吹き飛ばされることなくこれを制御する
「くっ、このメモリなんて力だ・・・・だが!振り切るぜ!」
『照井竜ならメモリの力に耐えられるのか・・・
まさかシュラウドの言っていた僕に相応しいパートナーとは・・・』

フィリップは翔太郎ではない別の人物とのコンビを示唆するシュラウドの言葉を思い出す。その人物とはやはり照井なのか?
メモリを使いこなした照井は井坂の手を弾き飛ばし、木彫りの熊を谷底に落とすことに成功。なんとかこれを追い払うのだった
余談だが
今週のサブタイを縮めると「嵐の中で輝いて」になってガンダム08小隊ぽいと思う
なんとか事なきを得て山を降りる一行だったが、ただ一人翔太郎だけは
レイプ目で茫然自失状態
自分の力不足でWになれなかったばかりか、その直後照井にメモリをあっさり使いこなされればそりゃ存在意義も失うってものです
薄っぺらい男の人生は痛え。今に大切なモンを失うぞ
『ハハハ・・・尾藤さんの言った通りだ。おやっさんの次はフィリップかよ
そうだ熊を探そう・・・Wになれない俺にできるのは探偵しかねえ・・・・』

すっかり凹んだ翔太郎は、降り出したどしゃ降りの中レイプ目のままトボトボと川を探索
ちなみにこのシーンの撮影はまだ雪が残ってた時期で、寒さに震えながらだったそうな。お疲れ様でした
かくしてガジェット総動員でなんとか熊を発見した翔太郎。よく調べてみるとその尻尾がポロッと取れて、中には何やら小さな物体が・・・

「あっ翔太郎くんその熊見つけたんだ!どう?何か解った?」
「いや・・・タダの木彫りの熊みてえだ。この写真と一緒に尾藤さんに渡してくんねーか?
10年前の思い出の品には違いねーし、形見になるだろうからさ。俺はちょっと用事があるんだ」

井坂に冷気攻撃された尾藤さんでしたが命に別状はなく、その見舞い帰りの亜樹子達の前にズブ濡れの翔太郎が現われた
気まずさから目を合わせようとしない翔太郎フィリップ、その二人を見る亜樹子と照井もまた重苦しさでそれ以上何も言えません
翔太郎が
レイプ目のまま無理に笑ってその場から立ち去った後、フィリップは意を決して照井に申し出た
「照井竜。僕と組む気はあるかい?君はサイクロンのメモリにも耐えた」
「フィリップ・・・くだらない質問はするな。俺は一人でヤツを追う」

「俺は1人がいい」と言って断った照井ですが、もちろんそれは言葉を選んだのでしょう。本当の理由は違うハズ
照井は”フィリップの相棒は翔太郎しかいない”と思っているのだ
そしてそれは、彼よりも長く二人も見ている亜樹子にとっても同じ思いであった
「フィリップくん今の酷すぎるよ!翔太郎くんは闘いの道具じゃないんだよ?」
「亜樹ちゃん、もう翔太郎ではWは維持できないのは事実だ。キミもあの弱々しい彼を見ただろう」
「弱い弱いって!それは翔太郎くんが心の優しい奴だからでしょ!
翔太郎くんはハーフボイルドだからこそ何かやる男なのよ!」
亜樹子の言葉にハッとしたフィリップは、ここでようやくさっきの翔太郎のよそよそしさに気付く
Wに変身できないことを負い目に感じて目を伏せているのかと思っていたが、そうではなかったのだ
「翔太郎がああいう顔をする時は決まって・・・何か甘い考えでムチャをする時だ!」




「ベルさん、ガイアメモリについて教えてください」
「警察にも何度もお話しました。主人はあれからまだ家に帰って・・・」
「有間のじゃない。貴女のメモリのことだ。このメモリの隠し場所が木彫りの熊だったってワケだ」
その頃、主不在の有間邸にいた翔太郎は鈴子の前に一本のガイアメモリを突きつけていた
普段は当たらないクセに嫌な予想だけ当たるはんぺら予想
>もうやだこの町
>風都の女は問題あり……法則継続か
>風都の女性は悪い意味で期待を裏切らんな
>なぜ当たる こんなときだけ はんぺら予想

「10年前の事件は貴女も共犯者だ。貴女はコレを、有間はビーストのメモリを使い輸送車を襲った
そして情に訴え、尾藤さんがその罪をかぶるようにしむけた」

やはり有間鈴子は悪女だったのである。10年前は最初から尾藤さんの気持ちを利用して罪を被せようとしたという狡猾さ。まさに雌狐
「それで?私をどうするのかしら?」
「尾藤さんは今でもアンタを守ったと思っている。尾藤さんに謝ってくれ
あの人が失った歳月はもう取り戻せない。せめてアンタの悔い改めた姿を見せてほしい」

あやまれ!尾藤さんにあやまれ!と鈴子に自首を薦める翔太郎。相変わらずの甘さです
照井を一緒に連れてきて即ワッパをかければいいものを。そうしないのは尾藤さんの優しさを無駄にしないためか
そういう甘い翔太郎ですから、いつぞやジャスミンに自首を薦めたた時のようにその思いはあっさり裏切られてしまいます
「こういうのを鴨がネギ背負ってくるって言うのね!ウフフ・・・10年ぶりに手に入れたわ」
将棋の駒を顔面に投げつけられただけで怯み、メモリを奪われてしまう情けない翔太郎
鈴子は翔太郎の優しさを嘲笑いながらゾーンドーパントに変身。なんかピラミッド形状の物体に目玉がついたシュールレアリズムな造形です
大きさもカバン程度しかなく、明らかに
大道具さんがやっつけ仕事で作った的出来栄えで吹く
「さぁ始めましょう。7・七!」
「うおおお!?なんじゃこりゃああ!?」
鈴子が謎の数字を口にした途端、翔太郎の身体は突然野外にワープ。将棋盤の形に敷かれた空中プレートの上に立たされていた
「驚いた?これがゾーンの力・・・相手を好きな場所に瞬時に動かすことができるのよ
この力があればダムに沈んだ金も簡単に回収できるわ。あなたはあの世で歯ぎしりしなさい」

ゾーンメモリの能力は
X・Y座標を指定することで対象をテレポートさせるという空間支配だった
>SBRのスタンドまで引っ張り出してくるとは流石過ぎるぜ
>ゾーンドーパントの能力がチョコレート・ディスコすぎる

完全にチョコレート・ディスコだこれ。スタンド能力のモチーフにも段々遠慮がなくなってきました
むしろここまでやったらジョジョとの提携を表に出したほうが話題になってよくない?

鈴子が将棋盤を解除すると、翔太郎はビルの高さから真っ逆さまに落下。万事休すと思われるも例によって落下地点は川でした。ざぱーん

「なんの御用ですのお父様?なぜこの場所に・・・」
「お前に見せたいものがもうすぐ現れる。いや、言い方を変えようお前と一緒に見たいんだよ若菜

記念すべきその一瞬をね。ミュージアムの未来を見るのはお前がいい
地球が・・・来人を呼んでいる」

その頃、園咲家地下では琉兵衛が若菜を連れてあの装置の前に立っていた。琉兵衛が言ってるのはエクストリームの発現だと思われますが
それよりも若菜に対する台詞が興味深い。どうやら琉兵衛は
ミュージアムの後継者は若菜と既に決めてるようです
そりゃ
長女が思いっきり叛意ありだから消去法で考えれば当然なんですが、
これまでの過去回想や、琉兵衛の娘たちに対する対応などを振り返って見てももっと前から若菜を贔屓していたように見えなくもありません
むしろだからこそ冴子は叛意を抱くようになったのではないだろうか
長女なのだから、黙っていてもいずれミュージアムは冴子のものになるのが普通
でも冴子は父の態度や若菜の扱いを見て、そうは思っていなかった、と。若菜にキツく当たっていたのもそのせいと考えればしっくりきます
もしかしたら琉兵衛は、冴子にはない特別な資質のようなものを若菜に感じているのかもしれません。それはいったい何なのか?





「犯人は現場に戻る・・・名言だな。ここに見張りをつけていた甲斐があった。さぁメモリを渡せ」
「お前がデカの仮面ライダーってやつか?」

一方、風都ダム一帯を張り込んでいた照井の前に有間丸男がノコノコ姿を現した
照井が勝った気満々ですが、すぐにそのしてやったり顔は驚愕と焦りの表情に変わる
「そういうワケにゃあいかねえんだ。俺が親分に叱られちまうんでな!」
「やるわよ、マル」
「あいよ!」

いつの間に現われたたのか、高い柱の上にバーン!と鈴子登場。そうだろうとは思ってたけど、リーダー格はマルじゃなくこっちなのね
夜の営みも鈴子が命令口調で「やるわよ、マル」と言うんだろうか。エロいな
「な!?お前もドーパントだったのかウボァー!?
は、速すぎる・・・なんだこの動きは
ウボァー!?」
「スピードじゃないわ。言わば瞬間移動よ」

「俺達二人は無敵のコンビなんだよォ!」

ビーストドーパントをゾーンドーパントの能力で瞬間移動させ、常にアクセルの死角から襲い続けるという恐ろしいコンビネーション
考えてみたら2体以上のドーパントの共闘ってコレが初か。夫婦の見事な連携により、アクセルは瞬く間にボコボコにされてしまいます

「また犯人に甘さを見せて殺されかけたようだね」
「相変わらず全てお見通しか・・・まったく薄っぺらいな俺ってやつは」
時同じく。川に落ちた直後亜樹子とフィリップに助け出され事なきを得ていた翔太郎は、自分の軽薄さに再び打ちひしがれていた
しかしフィリップはそんな翔太郎の言葉に首をふり、懐から一枚の紙切れを取り出すのだった
「それでいいんだ翔太郎、完璧な人間などいない。みんな支え合って生きている。それが・・・」
「人生という名のゲーム・・・・おやっさんの言葉か」
「キミは本当に注意力散漫だな。熊の奥にこれが入っていたのを見落とすなんて」

Nobody’s Perfect・・・誰も完全じゃない」

「罪を暴きつつ心を労る。鳴海荘吉が尾藤勲へ残したメッセージさ
それが鳴海荘吉のやろうとしていた優しさ。キミは同じことをやろうとしたんだ」

翔太郎が「薄っぺらい」と自責した行動は、尊敬するおやっさんの取った行動と同じものだった
>おやっさんwwベルが悪女だって知ってたならサムの自首は止めてやれよ
>真面目な話、今回の事件は鳴海壮吉のミスだよな・・どう考えてもベルが主犯であることを知っていた訳だし
翔太郎も言ってましたが「失った10年は戻せない・・・」とのセリフ。もし鳴海壮吉が生きていたらどう感じたやら
サムの恋心を守る為とはいえ、10年という月日を犠牲にする価値があったのか。私にはとてもそうは思えません

ていうかコメントにあるように
10年前のおやっさんの判断がちょっとアレだと思うんですが
綺麗なシーンなので野暮には突っ込まずスルーするのが大人の醍醐味。ご都合主義という名の激流に身を任せ同化しましょう
「でも・・・俺は・・・無力だ・・・」
「だからNobody’s Perfectだってば。僕は大切な事を忘れていたんだ
鳴海荘吉の意志を受け継いだWは戦闘マシンであってはならない
強いだけのWに価値はない。キミの優しさが必要だ翔太郎
それがもし弱さだとしても・・・僕は受け入れる!」

「ありがとよ・・・フィリップ・・・」

「行こう、相棒」
風都を守る”仮面ライダー”はなんの為に戦うのか
鳴海荘吉の言葉を思い出し、そもそもの原点に立ち返った時。フィリップはWの有り方に気付いたのだった
相棒の言葉に翔太郎は涙を流しながらその手を強く握り返し、再び絆を強めた二人は一路風都ダムへと向かいます
ここから吉川晃司の歌う
おやっさんのテーマ曲が挿入歌として流れるイイ演出に入るんですが
このBGMの間の絵面の半分が
スローモーションでボコられるアクセルという謎仕様
本来感動するべきシーンなのに、妙なシュールさで失笑を誘ってしまう微妙な仕上がりになっちゃってます。どうしてこうなった

>大切なのは、どれだけの力かではなく、なんのための力かということか……これは燃える展開だぜ!
>おやっさんの歌で泣いた。それが流れる中ボコられる照井の姿に二度泣いた





さあお前の罪を数え 悲しみに踏みとどまれ
愛する者を守るために立ち向かえばいい
立ち向かってゆけばいい

『サイクロン』       『ジョーカー』
「変身」
     「変身」
おやっさんのテーマ曲の最後のワンコーラスに合わせ、現場に到着した二人がザッザッと歩きながらの変身
カメラ手前に陽炎がゆらめいたりして、
演出的にはもう小便チビる格好良さです
変身したWは相変わらずバチバチ火花を出してヤバイ感じですが、力を抑えようとするフィリップに翔太郎が待ったをかける
「遠慮すんなお前は全開でいけフィリップ!俺がついていく!これくらいなんてこたねえ・・・
お前が相棒だと思ってくれているうちは
俺は二度と降りねえぞ!」
相棒が必要としてくれる限り、自分はW!
この台詞が熱い。翔太郎の覚悟にメモリも呼応したのか、徐々にジョーカーの出力が上昇しパワーバランスがとれていく
そしてジョーカーの力がサイクロンと同等にまで高まったその時、Wの身体の中心からまばゆい光が溢れ、あの鳥が現われた
「エクストリーム・・・まさか!?」
「あんなヘッポコに来人のパートナーは務まらないですしおすし」と戦いを見守っていたシュラウドが思わず驚愕の声を上げる
エクストリームメモリがドライバーに合体した瞬間、二人の意識は真っ白でどこまでも広い空間に解き放たれていた
「この湧き上がる力・・・まるで地球そのものと一体化したような・・・!」
「それだけじゃねえ!俺達の心と身体も・・・!」
「「一つになる!」」

「なにこの光・・・すごく綺麗・・・これが私に見せたかったものですの?お父様」
「あぁ。この時を待っていたのだ・・・エクストリーム!」
「わ、わわー!Wが開いたー!なんか中身出たー!」
「あの二人が地球を手にして・・・今二人は地球という無限のデータベースと直結している!」

光の中から現われたのは、右と左の半身をくぱぁと開き中身を剥き出ししたWの姿
これがッ!仮面ライダーW
サイクロンジョーカーエクストリームフォームだッ!

「このWと敵の能力を全て閲覧した」
フィリップは静かに呟くと、初めて変身したそのフォームのスペックと敵の能力を完全に把握
アクセルをフルボッコにした瞬間移動コンボを
現われたそばから全て斬撃で返り討ちにする
Wの剥き出しになった中央の肉体はクリスタルサーバーと呼ばれ、地球という巨大なデータベースと直結し戦闘に活用することができる
その結果としてエクストリームは
”敵の一歩先を行く戦闘”が可能となるのだ!
てっとり早く言ってしまえば未来予知というかなんというか。ウイングゼロのゼロシステムである
>公式チートフォームですな
>「予知できる」エクストリームに対して、瞬間移動する敵を割り当てるのはいい魅せ方ですね
「なんのこれくらい・・・うがァ!?き、傷が再生しねええウボァー!」
「マル!ええいおのれえええええ!」
プリズムソードで斬りつけられたビーストドーパントの傷口が回復せず、おおいにテンパったゾーンドーパントが攻撃を仕掛けるも
ここでエクストリームがマキシマムドライブを披露。なんとシールドユニット・プリズムビッカーに4本のメモリを同時に挿し込みます
4本も同時なんてらめえええええええええ!
ということはありません。プリズムのメモリは複数のメモリの力を干渉し合わないよう調整するためのメモリなのである。スゲー
>あの盾の雰囲気、ガンダムXのディバイダーに思えました。パワーアップである意味も込みで
ちなみにコメントにもあるようにプリズムビッカーがガンダムXのディバイダーに見える罠。顔のデザインもダブルエックスだしな
見た目ダブルエックスで能力がウイングゼロとか
すごいガンダムくさいフォームだと思う
冒頭でちょっと触れた「サブタイが08小隊ぽい」という小ネタも合わせると、マジでガンダム祭りの回かもしれん
「ルナマキシマムドライブ」 「ヒートマキシマムドライブ」
「サイクロンマキシマムドライブ」 「ジョーカーマキシマムドライブ」

びばびばびば!びぼー!!
プリズムビッカーが虹色の光線を放っただけで座標盤が消滅しゾーンドーパントあぼん
技名も叫ばないのでどこからどこまでが技だったのかよくわかりませんが、とにかく凄い威力です
返す刀でビーストドーパントも斬りつけますが、やはり技名を叫ばないので
なんか普通に斬ってオワタ
>真の一体化を果たした2人に余計な言葉はいらない!
……という事なんだろうけど、必殺技を叫ばないWは何だか淋しいなあ

かくしてエクストリームの初陣は、そのチート全開な能力を視聴者に存分に見せつけての圧倒的勝利に終わるのでした
「新しいWになった・・・俺、お前についていけたんだな」
「ああ翔太郎。これこそ僕達が完全に一体となった姿だ。サイクロンジョーカーエクストリーム」
「まさかエクストリームにまで到達するなんて・・・どこまで私の計算を越えるの?左翔太郎」

戦い終わって更にその絆を深めた二人だったが、それを遠くから見つめるシュラウドの口調はどこか忌々しげ
経緯はどうあれエクストリームになれたのだからパートナーとして認めてやってもよさそうなものですが・・・
もしかして翔太郎には「実力不足」という以外にもまだ、シュラウドが危惧するパートナーに相応しくない要素があるのでしょうか
なんかシュラウドも悪女に見えてきた・・・

有間鈴子の犯罪が発覚し事件は幕を閉じた
だがそれは尾藤さんにとっては最も辛い結末だったハズだ・・・
「って!」

「なーにブツクサ言ってやがる。味が落ちちまわぁ」
ラスト。結局自分は尾藤さんを救えなかったと後悔するが、当の本人は至って元気にリンゴ飴のテキ屋を開業していた
クイーン&エリザベスを抱き込み、女子高生達に人気の店として一山当てるつもりらしい
自分がこの人の心配をするなどおこがましいことだったか・・・と翔太郎が思ったその時。尾藤さんは笑いながらこう言う
「おい、事務所潰すんじゃねえぞ後釜。オメエがくれた旦那の形見大事にすっからよ」
鳴海荘吉を継ぐ者として認める、と
その言葉で翔太郎は自分の行動が間違っていなかったを悟り、照れ隠しに帽子を目深にかぶり直すのだった

俺とフィリップは新しい力を手に入れた
これからも俺は必死で走り続けるしかなさそうだ
追いつかなきゃいけない人がたくさんいるからな

おやっさんに尾藤さん。いつか憧れの背中に追いつくため、ハーフボイルド探偵左翔太郎は今日も走り続ける。次週へ続く!


33話

Yの悲劇/きのうを探す女

「きのうを探してほしいんです。昨日から見つからないんです」
「あ?」と聞き返さざるを得ないエキセントリックな依頼を口走って現われたのは、不破夕子と名乗る不思議美人
詳しく聞いてみれば“きのう”とは彼女の飼い猫の名前で、引越し間もない散歩中に目を離してしまい迷子になってしまったのだと言う
ペット探しは最も嫌う依頼の1つのハズなのに、何故か二つ返事でこれを承諾する翔太郎。どうも夕子に一目惚れしてしまったみたい
>不破夕子=Who are you なんだろうけどどうしても苗字がすごい漢を連想させて困る
「え?珍し〜依頼受けんの?ペット探しだよ?」
「これはただの猫じゃない。猫の形をした大切な思い出なんだ。そうだろ?」
さあ行きましょうお嬢さん」

「ありがとうございます。『困ったことがあれば鳴海探偵事務所に行け』・・・
知り合いに言われたんです。来て正解でした」
「フッ・・・なくした昨日を探すのは探偵の仕事ですよ」

「興味深いね。翔太郎の好みの女性はああいうタイプか
そうでなければたかが猫探しにお気に入りの帽子をかぶっていくハズがない」
「おのれ色気づいたかあのハーフボイルドめ。アタシ聞いてない!」
翔太郎、イロを知る歳か!
>亜樹子「あのハーフボイルドめ色を知る年か・・・!」
翔太郎が女性依頼者にカッコつけるのなんていつもの事ですが、フィリップ曰く
今回はどストライクの様子
恥ずかしい台詞でカッコつけながら翔太郎が夕子を連れ事務所を出ると、タダ働きを恐れた亜樹子が慌ててそれを追いかけます

「平林剛。この西山不動産の社員だな?昨日彼が急に道に飛び出して道を跳ねられた
全治三ヶ月の重症・・・まるで何かに引っ張られるようだったとドライバーは話している」
「こっちの野田は民家にトラックで突っ込んだ。ブレーキも踏まず猛スピードでな。同じく昨日の事だ
二人に共通しているのは身体に妙なアザがあったこと。自然にはできない幾何学模様だ
・・・かなり強引な地上げやってるんだって?アンタあまり良い噂聞きませんよ」

「答えてもらおうか。昨日のちょうど今頃・・・なにをやっていた?」

「昨日の今頃ですか?ハハッ、自宅のプールで泳いでましたよ」
一方その頃、謎の怪事件を追っていた照井達は被害者2名の務める不動産の社長・西山という男から事情聴取していた
昼間っからビルの屋上で美女をはべらしリゾート気分の典型的な小悪党。事件発生時刻は自宅のプールにいたらしいですが・・・

>例のプール、例のプールじゃないか!
>西山が飛び込んだプール・・・どこかで見覚えがww
>自宅プールが例のプールにしか見えなくて非常に困った
>W冒頭のプールはAVによく登場するやつですね。あれ?何となく不動産屋もAV男優ぽくみえてきたぞ
例のプールってなんぞと思ったらAVとかの撮影でよく使用される有名なプールですねコレ。参照
一目で判別できる朋友達が恐ろしい。お前等一体何者だよ
そう言われるとこの西山社長の俳優の顔がスゲエAV男優顔に見えてくる不思議
しかしそんなピリピリした事情聴取の最中、時計の針が3時丁度を指し示しすと同時に西山社長の身に異変が起こった
「フォーウ!」
突然シャツを脱ぎ捨て上半身裸になると、マイケル・ジャクソンのような奇声を発して走り出す西山社長。AV男優の血が覚醒したのか
照井達の目の前でタミフルな動きを披露したかと思うと
ピョーンと景気よく屋上からダイブを敢行
なんとか照井にナイスキャッチされて事無きを得ますが、彼の身体にも被害者達と同じ奇妙な幾何学模様のアザが・・・





「にゃおお〜ん、にゃおお〜ん」
「にゃおお〜ん、にゃおお〜ん」

>猫の鳴き声上手すぎて勃起した
>夕子さんのネコマネがかわいい

一方猫探し組サイドでは、AV男優顔のインパクトを遥かに凌駕する圧倒的なカオス絵面が展開していた
「猫を探すには猫の気持ちになるのが一番だ!」と猫マネを始める翔太郎と、それに付き合ってにゃんにゃん言い始める夕子
日曜の朝っぱらから脳味噌かき混ぜられる光景。恥ずかしくて正視に耐えません
きのうがいなくなった風都ホールの近くをくまなく探す3人でしたが、ここで夕子が一枚のポスターを見つけるとそれを凝視する
ポスターは明日風都ホールで講演会を行うらしい冴子のものだった。夕子は彼女に何か因縁があるのか?
翔太郎が声をかけると彼女は慌てて取り繕った笑いを浮かべ、冴子ではなくその後ろに描いてあるふうと君を指さした
「あ、いえ・・・これカワイイですよね」
「この街をとても愛していた男がデザインしたんです。俺も持ってますよ」
『この街を・・・よろしく頼む』
霧彦さんの形見のふうとくんキーホルダーを取り出すと、彼の最後の言葉を思い出し神妙な表情見せる翔太郎
その交流はほんの僅かではあったが、互いに風都を愛する男として翔太郎は友から託された思いを深く心に刻んでいた
伏線バリバリの会話を終え、夕子と手分けしてきのうを探す翔太郎。唐突に一体のドーパントが出現したのでこれを追跡
ビルの屋上から華麗に飛び降りながらWに変身すると、逃げるドーパントを追いかけながらの戦闘シーンに突入します
『ホールの中に入った!』
「安心しろ今日は休館日だ!中に人はいねえ!」
風都ホールの中へと逃げ込んだドーパントですが、人もいないのでメタルシャフトをブンブン振り回しながら追いかけるW
飛び道具を胸に一発被弾してしまいますが、別段ダメージもないので気にせず戦闘を続行
ステージの上のドーパントにライダーキックをかますも難なくよけられ、そこから姿を見失って追跡不可能になってしまう
「あっ、夕子さん。きのう無事見つかったんですね」
「ええ。翔太郎さんのおかげで全て上手くいきました。明日が楽しみです」
変身解除して外に出た翔太郎を待っていたのは、無事きのうを探し出した夕子。いつものパターンすぎる
あからさまな二重の意味を含んだ言い回しといい、どう見ても夕子がドーパントの正体です。本当にありがとうございました

「・・・というワケで翔太郎くんったらこの通り骨抜きなのよ」
「左は最初から期待していないさ。俺が借りたいのはフィリップの頭脳だけだ・・・さ、話を続けるぞ
被害者は西山不動産社長・西山と、その部下2名。いずれも風都南地区の地上げに関わっていた
幸い全員一命は取り留めているが今は昏睡状態になっている」
「そして被害者には8の字型のアザ・・・か。これは実に興味深いね」
翌日、例の事件にフィリップの力を借りるべく照井が事務所を訪問。翔太郎は夕子の事を考えボーっとしてて使い物になりません
しかし時計が3時丁度を示したその瞬間、突然スイッチが入ったかのように照井とフィリップの会話の中に唐突に割り込んできた
「これはただの猫じゃない。猫の形をした大切な思い出なんだ。そうだろ?」
さあ行きましょうお嬢さん」

「・・・これはどう見ても人の写真だが。それにお嬢さんとは俺に言ったのか?
そのニヤけた顔は挑発と受け取って構わないんだな?」
「フッ・・・なくした昨日を探すのは探偵の仕事ですよ」
「お前の頭を探してこい」
甘く口説く翔太郎と、冷たくあしらう照井キタコレ
照井から見れば気が狂ったとしか思えない翔太郎の言動。しかしフィリップと亜樹子はその台詞と身振り手振りに見覚えがあった
声はまったく届いていないのか、呆気に取られる3人を残して翔太郎はそのまま夢遊病者のように事務所を飛び出してしまう
「ちょ、フィリップくんこれって・・・」
「ああ、昨日の翔太郎だ」
照井の持ち込んだ事件と、翔太郎の症状からピンときたフィリップはすぐさま検索を開始。労することもなくその答を導き出した
「メモリの名前はイエスタデイ。能力は他人に記憶を操作すること
こいつによって身体に刻まれた刻印が発動すると本人の意識はなくなり、24時間前とまったく同じ行動を取る
つまり昨日をもう一度繰り返すのさ
何かに引っ張られるように車道に飛び出したという平林剛は、前日犬の散歩をしていた
民家にトラックで突っ込んだ野田圭一は高速道路をドライブ。信号も速度も無視して車を走らせた
そして西山英介は自宅のプールで・・・」
「服を脱いで飛び込んだ・・・か。確かにな」
>今週のガイアメモリのコーナー、ムーディーブルース+α
>能力はムーディー・ブルースを相手に強制したような感じでしたね
>今回はムーディーブルースか・・・なんて使い辛いスタ・・・じゃなくてメモリなんだ
イエスタディの能力は、本人の肉体そのものに作用するムーディー・ブルース
西山不動産の3人を殺害しようとした手管は見事の一言ですが、能力そのものは非常に使いどころに困る微妙な能力よねこれ





「お姉様、本当に行くの?あんな脅迫状が届いたのに・・・」
「当然でしょう?さっさと支度なさい。仕事をすれば敵ができる・・・
そんなものにいちいち怯えていては前に進めないわ
そんな弱気じゃ園咲の仕事は任せられないわよ若菜」

一方、何者からか「講演会を襲う」という脅迫状を受け取っていた冴子ですがこれをガン無視して会場入り
妹相手にカリスマ気取ってますが琉兵衛が前回若菜を後継者として選んだことは知らないみたい
そして察しの悪い若菜もまた「どうしてお父様はあの光景を私だけに見せたのかしら?」などと父の真意を理解してない様子です
>自分だけ特権的にエクストリームを見せられながらも、それで増長するでもなく首を傾げる若菜マジ善良
まぁアホみたいにそれを姉に報告しないあたり、事の重大さだけは気づいているようですが・・・知ったら冴子動くのかな?
「安心しろ今日は休館日だ!中に人はいねえ!」
かくして冴子の公演中メタルシャフトをブン回しながら会場に乱入するW
人いまくりだよ!身体が翔太郎なのでフィリップの意識で制止することもできないらしく、もう完全にテロリストまがいの犯罪行為
逃げ惑う人々で阿鼻叫喚の地獄絵図です。なるほど昨日の仕込みはこういう事か
「フィリップが変身しなければよかったんじゃ?」というツッコミを防ぐための屋上から飛び降り変身は脚本上手いの一言です
>舞台作家らしい脚本で隙がないな今回 突飛な行動も後半の伏線になってるし
>「フィリップが変身をしなければ不発じゃん」と思ってたら、あの飛び降り変身シーンが伏線だったとは

>今回のWの脚本はグレンラガンでおなじみの中島かずき先生
ゲキレンジャーとウルトラマンマックスの脚本も手かげていたため今回で日本三大特撮制覇ですね
「ドーパントの狙いは園咲冴子の暗殺か!」
「照井竜!僕に考えがあるWを外に!翔太郎を昨日から連れ戻す!」
「わかった!」

壇上の冴子にライダーキックを見舞おうとしたところで照井がカットに入り、バイクになってWを風都ホールの外に無理矢理連行
ここで翔太郎を正気に戻す為のフィリップの策が炸裂する
「おお、エクストリームか!?」
「ああ。エクストリームの力を集中して刻印の効力を消し去った。気分はどうだい翔太郎?」
おいィ!?

なんと変身しただけで正気に返ってしまった翔太郎。エクストリーム万能過ぎるだろ・・・・っていうかコレ
そんなん出来るならホール入りの前に止める事も出来たんじゃ・・・
飛び降りで変身の理由付は完璧だったのに、解除方法に関する部分はまるでスカスカでツッコミ容易すぎる。なんでやねん
>15話でフィリップと冴子会ってますよね?冴子の隣に若菜が居たのに何も思わなかったんでしょうか?
止めるのに必死だったという理由はありますが

たしかにフィリップは17話以来になる冴子の顔を拝む機会になるんですが。必死だったので気付かなかったのでしょうか?
まぁフィリップは若菜がドーパントであることも知ってるし、冴子も風都では名士のようなのでその名と顔は有名です
二人とも
「園咲」という苗字を晒していることと、その園咲邸に侵入した時に感じた「根源」のことを考えれば
若菜と冴子が姉妹である事・彼女らがミュージアムの人間だという事は、もうとっくに検索して知っていたのかもしれません

そんなこんなで正気に戻ったWの前になぜかノコノコと登場したイエスタディドーパント。なぜ出てきたし
当然メッタ打ちにされてたまらず逃げ出しますが、その背中をフィリップを呼び止める
「逃げても無駄だよ。キミの正体はもう解ってる」
「そんな・・・夕子さん・・・・!」

メモリの検索で既にフィリップはその正体まで突き止めていた。観念して変身を解除したその姿は・・・予想通り不破夕子だった
想い人が自分をハメたドーパントだったという事実に驚く翔太郎だったが、フィリップの言葉は更にその驚きを加速させる
「違うよ翔太郎。不破夕子は偽名だ。本名は須藤雪絵・・・
須藤霧彦の妹だ。僕らには園咲霧彦と言ったほうが解りやすいかな」

彼女の正体は霧彦さんの実の妹
>「トラブルがあったら風都の鳴海探偵事務所へ行け」覚悟を決めた後の霧彦さんの台詞だと思うと泣ける
なるほど、ならばWに冴子を狙わせたのは兄を殺した相手への復讐というワケか。やり方は非常にアレですが兄思いの妹のようです
しかし彼女の言葉は
翔太郎に三度目の衝撃を与えるものだった
「なぜ園咲冴子を狙う?兄さんの復讐かい?」
「復讐?ウフフ・・・違うわよバカバカしい
確かに兄さんはミュージアムに始末されたけど、それは彼が組織にとって必要なくなったから
私はそんなヘマしないわ。この力でミュージアムの幹部になるの」

>ちょうどいい女はいねぇのかこの街は
>霧彦さんの妹っていうからどんな人物かと思いきや、風都の女の例に漏れずで泣けた
>フェニックス一輝
「『風都の女は皆DQN』・・・、もはやこれは常識!」
>理由が復讐なら理解できたのに・・・なんで風都の女はこうも屑揃いなのか

ハジマタ\(^o^)/
兄の仇などバカバカしいと言い切り「海賊王に俺はなる!」くらいのノリで「私は幹部になる!」とかぬかす雪絵
まったくもっていつも通りの展開すぎて驚きません
冴子を襲ったのは、「自分の能力で実際に彼女を脅かすことによって能力を認めさせようとした」ということでしょうかね
>冴子「組織の幹部を名乗りたくば…俺をおびやかせ」ジャスミンといい
イエスタデイといい、Wの女はストライダムより優秀だぜ

信頼と安心の風都恩女クオリティと言うべきか。再びイエスタディドーパントに変身した雪絵はWへ飛び道具を連打
翔太郎は激しく狼狽しながらもフィリップと照井に気合を入れられ、わたわたとマキシマムドライブを装填
迷いを振り切るように彼女に斬りかかったところで
次週へ続く!ですが・・・次回予告のバレがいきなり核心すぎておいィ

「私は許さない!兄さんを殺したあなたを!」
どうやら今回の悪女ぶりは冴子に自分の事を信用させる為の周到な準備のようで
彼女の本当の目的はやはり、兄の仇である冴子を自分の手で仕留める事みたいです。次回予告でいきなり核心バラしすぎだろ
>霧彦さんの妹までDQNかよ・・・と思ったら予告を見た限り兄をちゃんと愛しているみたいで良かった
>今回はいつもの依頼人DQN化を逆手にとって兄の死すら利用する悪女・・・ではなく、
そうした演技をしてまで兄の仇を狙う復讐鬼ですかね
>やはり風都の女は・・・よかったまともだったー!!

>多分地上げ屋襲った理由は思い出の幼稚園を守るためで、
襲われた3人も昏睡してるけど死んではいない、これは珍しくまともな女フラグなのか
>本音が霧彦さんの復讐にあるとしても不動産屋とか3人殺そうとしてるしDQN確定か…
>予告から察するに兄の復讐のためなんでしょうが、
今回自分の手ではなくWに殺させようとした時点でとんでもないと思いましたよ

西山不動産の3人をあんな目に遭わせたのも、彼等が悪徳業者であることを考えれば行動理念は「正義」なんでしょうが
自動車道への飛び出し、トラックで民家に特攻、ビルの屋上からダイブ・・・
3人とも死ななかったのはあくまで運が良かっただけで、
確実に殺そうとしてるのは明らか
メモリによる「混じり」が彼女の善悪感を汚染しているのは解りますが、やはり情状酌量というワケにはいかないなこりゃ
哀しき兄妹に救いはあるか?オールアップしたハズなのに霧彦さんの撮り下ろしがあった次週に注目
>キャーシリヒコサーン。オールアップしたというから出てこないと思ったらこんな展開とは!
新規映像もありそうで楽しみである


34話

Yの悲劇/あにいもうと

「生身の人間は攻撃できない翔太郎の弱点を突いてきたか。なかなか切れるよ彼女
Who are youで不破夕子・・・簡単な偽名だ
須藤雪絵は最初から僕達に挑戦してきていた。気付かなかったのはこちらの油断だ」
「騙されたのは確かに悔しいけどよ。彼女は・・・なんか違うんだ。納得できねえんだよ
俺の仕事はまだ終わっちゃいねえ」

>冒頭のホワイトボードで翔太郎ぼろくそに書かれててワラタ 好きな確立2%とかハーフボイルド*2とか
前回エクストリームに斬りかかられたイエスタデイドーパントでしたが、眼前で変身を解除することでまんまとその攻撃を回避
攻撃出来ずに震える翔太郎をケラケラ笑いながら去っていくという、相手の感情まで利用した狡猾さと悪女っぷりを見せつける
バレやすい偽名を名乗っていたのも
翔太郎達を試していたというあたり、彼女の性格と聡明さを感じます
「やっぱり今回もDQN女だった!」と憤慨するフィリップと亜樹子に対し、しかし翔太郎だけは彼女に何か裏を感じて・・・?

「私は兄とは違うわ。もっと凄いことができる。仮面ライダーを操って園咲冴子を襲わせる・・・
イエスタデイなんてクセのあるメモリをこんな風に使いこなせる人間、他にいるかしら?」
「そう、あれは脅迫じゃなく売り込みだったってワケね。お兄さんに似て自信家だこと
でも・・・私がそんな簡単にあなたを信用すると思って?」

一方。冴子の前に直接姿を現した雪絵は自分の優秀性を示し、幹部待遇でのミュージアム入りを売り込むも
「兄を殺された妹の話なんて誰が信じられるか」と
余裕で警戒されまくってました
まったくもって当然の反応でしょう。雪絵も切れ者のようで存外にマヌケと言わざるを得ない
自分の素性明かさないで近づけば無警戒だったのに
なんでわざわざ霧彦さんの妹だって名乗る必要があったし・・・そのクセ「自分優秀だし!」って言ってるのがなんとも
「諦めないわよ。必ず私の力を認めさせる・・・お義姉さん」
というワケであれだけ仕込んだ挙句、結局は冴子の警戒心を強めただけという結果に終わってトンズラする雪絵
俺が面接官ならこんな無能は絶対に要らないところですが
「須藤雪絵・・・彼女は実に聡明だね。メモリの毒素をイエスタデイの刻印として体外に排出している
ドライバーに頼ることなく、メモリによる副作用を受けることもない
相手への攻撃と自分の肉体の防御を一度に行う・・・ああいう方法があるとは私も気付かなかった
彼女のような人間こそキミの部下に必要なのではないかね?キミの崇高な目的の為には
なに、心配ならもっと完璧にしてあげよう。キミの素晴らしい身体を
もっと素晴らしくね」

「彼女は採用するべき!」と猛烈にプッシュしたのは井坂。なんと雪絵はイエスタデイの特性を活かし「混じり」の汚染を防いでいるという
「崇高なる目的」とは言わずもがな父に対するクーデターのことか。来たるその日の為に優秀な人材は揃えておけというアドバイスです
危険因子を傍に置くのは愚の極みとも思えますが、「そんなのが気にならない程にパワーアップさせてあげるから」と頼もしい井坂先生
妹がメモリ直挿し調整をされたのを見てるんだから、少しはビビってよさそうなものなのにあっさり頷く冴子
ちなみに若菜のあの情緒不安定状態は数週前からすっかり安定しているように見えていましたが今回
「若菜さん、身体の調子はどうですか?」
めっさ嫌な予感がする言葉を投げかけてました
どうやら井坂が若菜に対して行った仕込みはあれだけではなかったくさい?恋は盲目とは言いますが冴子もっとビビるべきだろ・・・





「まぁ雪絵ちゃん久しぶり」
「先生こそお元気そうで。ここは変わらないですね・・・本当に昔のまんまで・・・」
「ウフフなんとかね。つい最近まで地上げで無理矢理立ち退きさせられそうだったんだけど
どうやらその話も消えたみたいなの。あ、そうそう雪絵ちゃんちょっと待っててね!」

風都の一角にある小さな保育園を訪ね、年老いた先生とにこやかに談笑する女性は紛れもなく須藤雪絵
やはり視聴者の予想通り、彼女が西山不動産の連中を殺害しようとしたのはこの保育園を立ち退きから守る為だったらしい
「なるほど、地上げ屋を狙ったのはこの保育園を守る為か
やっぱりアンタ、”昨日”にこだわってるんじゃないか?

確かにアンタの兄さんも最初はミュージアムの一員だったが、最後は自分を顧みず若い命を守った
奴は心からこの風都を愛していた。アンタもそうだろ?でなきゃ自分の昨日を守るような真似はしない
これ・・・いい笑顔してるよな。アンタが守りたかったのはこの笑顔なんだろ」

保育園に張り込んでいた翔太郎は、やはり雪絵に自らの思い出を守る気持ちが残っていることを認識
園長先生から渡された当時霧彦が描いた
兄妹でニコニコ笑ってる絵を手渡し、説得を試みます
雪絵は兄が風都を守ろうとして死んだことまでは知らなかったようで少なからずショックを受け、そこに追撃の思い出の絵
しょうたろうのせっとく!こうかはばつぐんだ!とかなりイイ感じに思えましたが・・・
「本当にお人好しね。そんなに昨日が好きならもう一度戻してあげるわ
こういうのはどう?早く撃ち落とさないと街中の人間に刻印が刻まれるわよ!」

雪絵はそんな翔太郎を嘲笑うかのようにドーパントに変身して刻印を乱射
あまつさえ戦闘で不利になると高台の公園からイエスタデイの刻印をめくら撃ちし、不特定多数への人間をその脅威に晒します
やむなくWがルナトリガーで撃ち落としている間に雪絵はまんまとトンズラ。念願の冴子からの連絡を受けて彼女の元へと向かう

>街を覆うくらいの刻印を大量に遠距離に打ち出すムーディーブルースで、チートすぎ
特殊能力が使いにくいだけで、スペックはすごい高いじゃん

「ここに来た以上は私に忠誠を誓ってもらうわよ」
「期待に沿うよう努力するわ。これからよろしく・・・」

井坂立会のもと、話がまとまって冴子と握手を交わした雪絵の目がギラリと光る。その瞬間こそが彼女が待ちわびた復讐の時だった

握手したままイエスタデイドーパントに変身すると、握った掌から直接刻印を撃ち込む雪絵
「どういうつもりかしら?」
「決まってるでしょう!?兄さんの仇よッ!
用心深いあなたに確実に刻印を撃ち込むには信用させて近づくしかなかった!」

やはり雪絵のここまでの悪女ぶりは全て演技
彼女は最初から兄の敵討ち為だけにこれだけ大掛かりな物語を演出し、冴子に近づいたのだ
つうかここまで接近したんだから
直接包丁で刺すとかすればいいのに
イエスタデイの刻印を撃ち込むという実にまどろっこしい方法
これだけ手の込んだことして結局やる事は刻印撃ちなら、最初から冴子を警戒させずに狙撃してたほうが良かったんじゃ・・・
おいィ?やっぱり俺には彼女が優秀とはとても思えないんだが?
ツッコミはともあれ刻印を撃ち込むことには成功した雪絵。意気揚々と冴子に復讐の鉄槌を振り下ろします
「さあ永遠に昨日の監獄に囚われなさい!園咲冴子!」





「無差別に刻印をばら撒くなんてとんでもないことするわね」
「だが被害者は一人も出なかった。俺達が全て撃ち落としたからな」
「翔太郎、キミは彼女が僕達が撃ち落とせる分だけの刻印しか撒かなかった、と?」
「ああ、俺にはどうしても彼女が悪人には思えねえ」
「やっと気付いた?そう、私の目的は最初から復讐よ」
翌日。雪絵を探す翔太郎、フィリップ、亜樹子の前に冴子を仕留めたであろう彼女が颯爽と姿を現した
翔太郎達の前に
バァーン!とカッコよく仁王立ちし、懐から一枚のスカーフを取り出します
「それは・・・!」
「解らない?兄さんのスカーフよ。婚約祝いに私が贈ったもの・・・
面白い偶然ね。この街についた私を出迎えたのがこのスカーフだったわ
まるで私に助けを求めるように!

>街に来たら遺品が出迎えるとか悲劇すぎる
>「なぜか突然真相を語りだす犯人」ってドラマの突っ込みどころを
刻印返しで綺麗に処理してるのはうまいと思った

なんという残酷。兄のおかしな様子を心配して風都に戻ってきた彼女を最初に出迎えたのが風に舞うこのスカーフだったという
そんなトラウマもんの光景を見れば彼女が復讐鬼と化したのも頷けるというものですが、その本懐を遂げた今となっては・・・
「私は絶対に許さない!兄さんを殺したあなたをね!」
「え?」
何故か翔太郎を霧彦さんの仇と言ってめっさ怒ってる雪絵。冴子に何か吹き込まれたかと思いきやそうではなかった
「見ろ翔太郎、彼女の首筋にイエスタデイの刻印が!
これは・・・彼女の昨日の行動だ!」
「さあ永遠に昨日の監獄に囚われなさい!園咲冴子!」
冴子がどういうウルトラCを使ったのか解りませんが、どうやらイエスタデイの能力をそのまま返されてしまったらしい雪絵
視聴者が驚いているところに井坂が現われ、昨日起きたことを丁寧に回想シーンで解説してくれました。おっさん乙で以下回想

「なぜだ?なぜイエスタデイの効果が発動しない!?」
>タブードーパントには呪縛系攻撃はタブーなんでしょうか?
>タブーメモリの能力はガイアメモリの能力の無力化でFAっぽい
「ククク・・・その程度の力ではタブーのメモリに影響は与えられないねェ」
「先生の治療のおかげですわ」

メモリ名が「タブー(禁忌)」なだけに、確かに「敵の特殊能力を無効化する能力」を持ってるようなイメージもありますが
井坂との会話を見るに、どうやら
パワーアップしたから効かなかったというごく単純な理由みたい
タブーの能力が「相手の能力の無効化」なら、別に井坂にパワーアップしてもらわなくても防げたハズだしね
エクストリームが効果を打ち消したように、メモリのパワーに圧倒的な差があればこれくらいの芸当は可能なのでしょう

>井坂がアミバに見えてきた。そのうち「ん?間違ったかな?」をやってくれそうな気がする
>弾はかわされて刻印も先生いなかったら効いてたみたいで冴子さんの株が下がる下がる
>メモリの攻撃に耐性持たせるわ若菜姫は改造してお父様への保険にするわ・・・
井坂先生ウェザー以外のところでもマジチート!

「永遠に昨日に閉じ込められるのはあなたの方よ。そして私はやっと過去から解放される」
「おのれ園咲冴子ォーウボァー!」

タブードーパントが指を返すと、撃ち込まれた刻印がそのまま雪絵にズドン。まるで二指真空把です
かくして執念の復讐劇が北斗神拳の奥義の前に破れ去ったところで回想シーン終了。再びカメラ戻ります





「許せねえ!お前の罪を数えろ!」
「罪の無い人生などスパイスの利かない料理だよ」
クリープの入ってないコーヒー的な台詞を吐きながら、怒るWを難なく返り討ちにする井坂
「そいつを倒すのは俺だ!」と照井も駆けつけますが、やはりいつもの如くボコられます。アクセルは犠牲になったのだ・・・

「フィリイプ、エクストリームだ!あの力ならイエスタデイの刻印を消せるんだろ!」
「しかしいつも上手くいくとは限らない」
「いくさ!いかせてみせる!そうじゃなきゃ・・
霧彦に合わせる顔がねえ!」

殺られる寸前のアクセルはまず放っておいて雪絵の救出に専念するW
まぁ雪絵の方も刻印発動からもうすぐ24時間経つらしいので、優先順位としては正しいんですけどね
しかし女相手に「いかせてみせる!」って
「イカせてみせる!」って書くとすごい卑猥に聞こえる罠
「プリズム・ブレイク!」
地味な横一文字斬りですが
エクストリームの技名初発声で見事雪絵を刻印から救出に成功
返す刀でウェザーに挑みかかったWはテリーマンばりのナックルパートでこれをボッコボコにし、力の差を見せつけます
「さあエクストリーム!その力を私に見せてウボァー!?」
そしてついにエクストリームのマキシマムドライブも技名付きで初披露
ベルトから暴れ狂う龍のような強烈な竜巻を発声させると、その風の中に飛び込んで超電磁スピンのごとく敵に向かって突撃
その勢いのまま両足ライダーキックをかまします。ドラゴンライダーキックの風版をビジュアル的にカッコよくしたような・・・
「ダブル・エクストリーム!!」
ぼっがああああああああああああん!!
爆裂四散するウェザードーパント。「よくも俺の仇を!」と照井がブリブリ怒りますが、当然これくらいで死ぬタマではありません
「残念でしたね今のは蜃気楼ですよ・・・ウグッ!?完全には避けきれなかったか
エクストリーム・・・なかなかのものです」

ウェザーメモリらしい能力で回避した井坂ではありましたが、無傷でもなくかなりのダメージを負った様子
エクストリームの力を賞賛してトンズラするその後姿を見て、照井はまったく歯が立たなかった自分の無力さに打ちひしがれるのだった
次回予告でも匂ってますが
アクセル・トライアルフォームフラグが立ちました。再来週登場かな?

「何かあったら鳴海探偵事務所へ行け・・・兄さんの言った通りだったわ・・・」
「そうか・・・霧彦がそんなことを・・・」

ラスト。翔太郎の手によって無事イエスタデイの呪縛か解放されたら雪絵は、素直にその感謝の意を示した
死を覚悟したあの男が、最後に自分を頼っていてくれたことを知り翔太郎もまた胸を熱くする
しかし最後の最後、霧彦の描いた絵をじっと見つめ亡き兄との思い出を噛み締めていた彼女を思いもよらぬ事態が襲う
「ハッ?ここは・・・あなた達は・・・・誰?」

須藤雪絵はそれまでの記憶をすっかり失っていた
イエスタデイの副作用らしい。昨日に囚われた彼女の復讐劇は
結局全ての過去を白紙に戻すことで幕を閉じることになった
でも彼女が記憶を取り戻し、その罪を償った時
この街にも、彼女にも、もっといい風が吹く。俺はそう信じたい

>今回のラストは、賛否が凄そう
>雪絵さん風都女にしてはマトモ貫いたのに上条状態に…彼女が霧彦さんの死を知ったらどう思うんでしょう
>昨日の虜囚ではなくなったが昨日をなくしたとか……切ない

なんということか。過去の記憶全てを失うという代償を払うこととなってしまった雪絵
まぁ未遂とは言えドーパントの力で殺人を行ったし、最後にブタ箱行きは免れないかなとは思ってましたが
確かにこれは賛否の分かれそうなところです。俺的には記憶はなくして欲しくなかったなぁ

最後はその後味の悪さをごまかすように、亜樹子の不味いコーヒーを吹き出す翔太郎のドアップというコミカルカットで締め
ちょっと「うーんなんだかなー」という感じのラストでした
今回の話は題材が良かっただけに
もっと感動的なエピローグできたんじゃないかと
これまでWの脚本の完成度の高さを見てきたファンだからこそそう思うワケで。朋友の皆はどう思ったでしょうか
アクセル・トライアルフォーム導入部となる次週へ続く!
>最近照井さんのかませっぷりがハンパじゃないと思ったらやっとパワーアップか・・・
って事は井坂センセーもそろそろ終わりかな


35話

Rの彼方に/やがて怪物という雨

「お姉さん!今日も面白い鳥のお話聞かせて・・・・ウボァー!?」
「おいィ!?お前いきなり何してるわけ?」
風都野鳥園。今は亡き妹・春子との思い出の場所で佇んでいた照井の眼前で、一人の少女が幼女を理由もなく突き飛ばしたではないか
刑事ならずとも見逃せない行為。照井は少女の腕を掴んで説教しようとしたが、そこにガイアメモリのコネクタを発見して動きが止まる
「これは・・・キミはガイアメモリを持っているのか?」
「離して!私に近づくと死ぬわよ」

ものっそい邪気眼な台詞を吐いた彼女は、咄嗟に照井のことを痴漢だと騒ぎたててマッハでトンズラ
やたら正義感に溢れたギャラリー達の包囲網に阻まれ、照井は彼女を見失ってしまいます。そこは警察手帳出して切り抜けろよと

そんな痴漢騒ぎを聞きつけてやってきたのは、誰あろう別件でこの野鳥園を訪れていた翔太郎と亜樹子の二人だった
聞けば翔太郎達に依頼を持ってきたのは、近所に住む小学生達だと言う
「野鳥の解説をしてくれていたお姉さんが何だか最近元気がないんです
探偵さん!お姉さんを元気にしてください!これはクラスのみんなで貯めたお金です」

そう言ってブタの貯金箱を差し出すクラスの代表。しかし音から察するに、中身は本当に小銭しか入っていないようです
「ボーイ!大人をからかっちゃいけないよ!」
テリーマンならばぞんざいに金をはねのけたところですが、無論ハーフボイルドの翔太郎はこの依頼を無償で引き受けることに
そして少年達の言っていた「鳥のお姉さん」とは、さっき照井が遭遇したコネクタを持つ少女・凪のことだった

「昨日気付いたのだが・・・私が保管していたメモリが1つなくなっている
盗んだのはキミかね井坂君。否定の言葉がないが?」

「園咲さん、あなたは覚えてないでしょうが私は10年前ある誓いを立てました
その誓いを果たす日が近づいています」
その頃、園咲家では井坂が琉兵衛のメモリをギッた疑惑で問い詰められてました。当の井坂も謝るどころかこの挑発的な態度
一触即発の空気のまま部屋を出て行った井坂に流石の冴子も顔を青くして後を追いかけますが、彼の発した言葉に彼女は更に仰天する
「覚悟はできていますか?共に恐怖の帝王を倒し、キミが女王となる覚悟」
「・・・・本当に勝てるの・・・私の父に?」
「勝てますよ。ようやく手に入れたのです。私を最強の存在へと変えてくれる勝利の鍵を」

井坂の強気な行動はテラーに対する勝算が立った為。いよいよ井坂&冴子の造反クルー?
ニヤリと笑いながら井坂が懐から取り出したのは、風都野鳥園の入園チケット。なるほど察するに彼の言う勝利の鍵とは・・・・





「何に怯えている?キミはわざと子供達を自分から遠ざけている」
翔太郎らの話を聞いた照井は彼女に何か感じるものがあったのか同行。再会した凪に単刀直入に切り出します
どうやら彼女は
子供達の安全を気遣い、自分に近づかないようワザと冷たい態度を取っていたらしい
「怖い・・・あの夜も突然こんな強い雨が降り出して・・・!」
聞けば彼女はかつて土砂降りの中突然現れたウェザードーパントに父親を殺された挙句、腕にコネクタを刻まれたのだと言う
しかも去り際に「そのコネクタの様子を見にまた来るよ!」と言われており、そのため他人を巻き込まないよう遠ざけていたのだ
自分よりも他人のことを気遣うこの優しさ。風都の女なのにえらいマトモでビビリます
「私すごく怖くて怖くて・・・・でも誰にも言えなくて・・・」
「よく言ってくれたな。もう大丈夫だ・・・これはお守りだ。よく効くぞ」
恐怖に怯える凪に自分のペンダントを「お守りだ」と言って手渡し、安心させる照井。それはかつて妹春子から貰ったプレゼントだった
照井は凪に妹・春子を重ねて見ていたのだ。大切な妹を守ることができなかった自分である
「せめてこの子だけは絶対に守ってみせる」と心に誓ったその時、お待たせしましたとばかりにウェザードーパントが現れる

「やぁこれは皆さんお揃いで。お嬢さん約束通り来ましたよ」
「やはり貴様か井坂深紅郎!大丈夫だ。キミは俺が守る!変身!」

変身したアクセルとWはウェザーと交戦。目の前にウワサの仮面ライダーが現れたので、凪は二人にめっさ期待しますが・・・・
「お、俺が必ず守・・・・ウボァー!」
例によってまったく敵わずボコられるアクセル。Wも最初からエクストリームになればいいいのに勿体つけるもんだからやられてます
Wを水の檻に、アクセルを雷雲の檻に閉じ込めた井坂は余裕綽々で凪に近づき、怯える彼女のコネクタをしげしげと観察する

「いい具合だ。キミの心が恐怖の感情に呑まれれば呑まれる程このコネクタは早く成長する
あぁ、早くこのメモリを挿したいぃ〜!」
「・・・なんだ?あの奇妙な形をしたメモリは」
どうやらこのメモリが琉兵衛からギったメモリみたい。普通のメモリとは違って派手な装飾がついてます
そして井坂が凪に仕込んだコネクタは、彼女が恐怖すればするほど成長するというシロモノだった
彼女がメモリを挿されていなかったのは、まだコネクタがメモリを受け入れられる程成長していなかったからということらしい

なんか
挿されてないとか受け入れられる程成長してないとか文章で書くとエロいな
「これで解ったでしょう?照井龍君
キミは家族の仇を討つどころか一人の少女さえ守れない虫ケラです」
照井の心を抉る捨て台詞を残して意気揚々と引き上げて行く井坂。これだけでも憤死モノの照井ですが
直後、駆け寄ってきた凪に放たれた言葉はその何倍もの痛みを伴って彼の心に突き刺さった
「嘘つき!守ってくれるって言ったクセに・・・全然敵わなかったじゃない!」
そりゃ確かに敵わなかったんで仕方ないですが。無償で悪人に立ち向かってくれた見知らぬ人に対してなんたる言い草
「助けようとしてくれてありがとう」の一言もなく、結果論だけで照井をなじってトンズラしてしまいました。やっぱり風都の女だから・・・
井坂にやられたダメージと土砂降りに打たれてボロ雑巾のようになった照井は、憤りを込めて地面に拳を打ちつけるのだった

>被害0に抑えたのに嘘つき呼ばわりされた挙句、お守りネコババされるとか照井くんが可哀相すぎた





「検索で解ったよ。あのメモリはケツァルコアトルス
アステカ文明で蛇神と崇められた史上最大の飛行生物・・・島本凪はその過剰適合者だ」
>ケツアルコアトルなんて神話上の神様までメモリになってるのか、星の記憶凄すぎる…
…と思ったら実在する翼竜の名前だったのね。Wは勉強になるなあ
>ケツァルコァトルとはまたマイナーだか微妙にメジャーかわかんないシブい翼竜を・・・
>ケツァルコアトルスはまた古生物ファンで無いと知らないようなモチーフを
>ケツァルコアトルスは翼広げると幅が10mを越えるとされる翼竜で、
名前の元ネタはアステカ神話の翼ある蛇の善神ケツァルコアトル。
様の方はサイボーグ009で名前が出た事もあるから神話スキー以外でも知ってる人いるかな

メガテンユーザーや神話好きなら誰でも知ってるであろう、アステカ文明の神ケツアルコアトル
メモリはその神様ではなく、
それから名前を取った翼竜のこと。スミロドンと同じく実在した古代生物です
「リリィ白金の事件を覚えているだろう?井坂は過剰適合謝である彼女の体内でメモリを育てた
最終的に自分が使用するためにね。今回も同じことをやろうとしている
ただひとつあの時と違うのは、まだ彼女は体内にメモリを挿されていないということだ」
「コネクタが成長するのを待っているからだな」
「ああ。奴は彼女が恐怖すればするほどコネクタの成長は早まると言った
彼女の目の前で父親を殺したのもその為だろう
そしてコネクタが完成するまで、彼女に恐怖を与える為何度も奴は現れる」

ただ彼女に恐怖を与えんが為だけに、その眼前で父親を惨たらしく殺したという井坂。たいがい胸クソ悪くなる所業です
黙って話を聞いていた照井でしたが途中から辛抱たまらず、
思いっきり壁パンして一人事務所を出ていきます

「冴子君、私はかつて自分が何者であるかを求めていました
医者になって生命の研究に没頭していたのもその為です
満たされぬ毎日に自暴自棄になっていた時、私は偶然あの光景を見たのですよ
声も出ず立ち尽くすしかなかった、恐ろしかった・・・いや違う!
その圧倒的恐怖のパワーに私は魅せられ、感動していたのだ

瞬時に理解した。その紳士が手にしているモノこそ、私を虜にした力の根源だと」

一方その頃園咲邸では、ワイングラス片手の井坂が唐突に冴子に自分の昔話を聞かせていました
井坂がガイアメモリに魅せられたルーツ。それは10年前偶然目撃した圧倒的な恐怖のパワー
そこらへんのサラリーマンぽい3人を漆黒の海に飲み込む謎の怪人
言わずもがなテラードーパントだった
【ま、待ってくれ!教えてくれ!それは何だ?私はそれが欲しい!】
【キミにその資格があるのならいずれ出逢うだろう。ガイアメモリに】

琉兵衛は正体を見られた井坂を殺すでもなく、ガイアメモリの存在を告げてその場を去っていった。男の素質を感じ取ったのだろう
「その時私は誓ったのです。あの絶対的闇の力・・・キミのお父さんが持っているテラーのメモリを
いつか必ず自分のものにしてみせるとね」

10年前までまともな人間だった井坂は、琉兵衛との邂逅によって現在のような怪物に変貌したと言っていい
すなわち。怪物・井坂を作ったのは他ならぬ琉兵衛だったのである
>井坂深紅郎の運命を導いたのは園咲琉兵衛その人であった 悪の根源はさらなる悪の芽を育むといったところか
>意外ッ!井坂×お父様ッ!私聞いてない……
「その為に私に近づいたのね?」
「そうですよ。嫌いになりましたか?」
「いいえ。あなたの本音が聞けてやっと不安が消えたわ・・・あなたならきっとお父様に勝てる」

井坂の本心を知って尚、「それでいい」とエロい格好で首に腕を回し抱きつく冴子。日曜朝からすごいアダルティ空間
テーブルの下でミックがニャーゴニャーゴ言ってるんですがOKなのかと。まぁ琉兵衛は二人の事なんかか先刻お見通しだろうしな

>朝から子供向けにこういうの放送していいのか?
>井坂先生&冴子が深夜32時過ぎる





「シュラウド!俺は力が欲しい!もっと強い力が!」
「だが断る。今まで私があなたに力を貸してきたのは、その目的が復讐だったから
でも今は違う。その目に以前のような憎しみの炎が見えない・・・だからあの男には勝てない!」

>このシュラウドが最も好きなことの一つは、力が欲しいと言っている奴に『NO』と断ってやることだ」
今のままでは勝てないのでてっとり早く強くなる手段を取る照井だったが、シュラウドはそれを岸辺露伴ばりに拒否
「今のお前は牙を抜かれた虎だ!」的なことを言って復讐心の薄れた照井を叱咤します。日向にハッパかけた吉良監督みたいね
「ふざけるな。俺の炎はまだ消えちゃいない!」
「・・・ついてきなさい」

シュラウドの眉間にエンジンブレードを突きつけ、物凄い形相で睨む照井。その瞳に更なる可能性を感じたのか
一度は拒絶したシュラウドでしたが、あっさり態度を軟化させると彼と亜樹子を連れたままどこかへと向かいます

「へぇーやっぱ詳しいんだな、鳥のこと」
「お父さんはここの飼育員だったの。だから私も詳しくなっちゃった
ねぇ、どうしてあの人私のこと守ろうとしてくれたの?」

「アイツも・・・家族をあの男に奪われたんだ。だからキミを守ろうとした」

一方、再び野鳥園を訪ねた翔太郎は凪に照井の身の上と、彼女を守ろうとした理由を伝えていた
衝撃の事実を聞かされた凪は流石に酷いことを言ってしまったと後悔したのか、渡されたペンダントを強く握り締める
「そんな・・・勝手に重ねられても困るよ。私の為に死なれちゃったら・・・」
「アイツは死なない。守るべきものがあれば男はどこまでも強くなれる
俺の尊敬する人の言葉さ」

>妹に重ねられてる事を知っても、怒るでなく竜ちゃんの心配をするお姉さん良い人じゃないか
照井は絶対に死なないと断言する翔太郎。いつの間にか彼の第一の理解者になっていたのかもしれない
その言葉に励まされ笑顔を見せる凪だったが、その表情を即効で曇らせるように井坂が現れた。昨日の今日でご苦労様です
「やあ。今日は彼女がどんな恐ろしい怪物になるかを見せに来ましたよ
ま、複製したお試し品ですがね」

言うなり取り出したケツアルコアトルスのメモリを、なんと凪ではなく近くにいたオウムに無造作に突き刺す井坂
オリジナルではない複製メモリだそうですが、コネクタも無しで使用できるあたり随分と高性能じゃね?
かくしてメモリを挿されたオウムはあっいう間に巨大な怪鳥に変身。凪を掻っ攫ってどこぞに飛んで行ってしまう
「翔太郎、相手は空だ。こちらもハードタービュラーに乗り換えよう・・・・あれ?」
「おいィ!?こいつアクセルのガンナーユニットじゃねえか!」
「ああ。そう言えば以前ガレージにやってきてそのままだったようだ」
久方ぶりとなる巨大CGドーパントとの対決。華麗なる空中大決戦をしようとリボルキャリーを呼び寄せるWでしたが、
ハッチが開いてビックリ。なんと中には
ガンナーAがちょこんと座ってお出迎え
ピョコピョコとジャンプし、「自分を使って!」とアピールしてます。自律AIこんな事できんのかよ。かわいいじゃないか
>ガンナー可愛かった。出番をさりげなく与えてくれるスタッフGJ
>「こんにちわ」みたいなノリで笑いながらピョンピョン跳ねてるガンナーさんに不覚にも萌えた
「まぁいい、コイツで撃ち落とすぜ!プリズム・ブレイク!」
プリズムビッカーを砲塔の上に置くと、その上に飛び乗るエクストリーム。砲撃と同時に猛スピードで空高くフッ飛びます
南斗人間砲弾!あぼーん!
目にも留まらぬ速さでケツアルコアトルスに迫ったWはそのまま横薙ぎに巨体を一刀両断
久々の巨大ドーパントだったのにあんまりグリグリ動かず、口から光線吐いただけでやられてしまいました。ちょっと残念

 ラスト。シュラウドによって照井と亜樹子が連れてこられたのは、なんとバイクのオフロードレース場だった
そこには1台のバイクが用意されており、シュラウドはヘルメットを照井に放り投げながら命令する
「さあ。乗りなさい照井竜」
>まさかの特訓イベント!シュラウドがこの日のためにせっせと整備していたのかと思うと
お母さんっぽいなあと思いましたw

最初拒否ったクセにバイクとヘルメットちゃんと用意してるシュラウド
結局最初から照井に助力する気満々だったのでしょうか。なんなのこの素直じゃないおばちゃん。新手のツンデレすぎる
照井突然のモトクロス修行!トライアルフォーム登場の次週へ続く!


36話

Rの彼方に/全てを振り切れ

「まだコネクタが完璧ではない・・・これだけの恐怖を味わえば確実に完成するハズなのに
何故だ?いったい何がお前の心を支えている!」

怯える凪の右腕を意気揚々と確認するも、予想に反して成長していないコネクタに憤慨する井坂
井坂は知らない。凪のポケットでキラリと輝くペンダントと、それをくれた人物が彼女を恐怖から守っていることを
すぐに駆けつけたエクストリームの攻撃でウェザーは退散しますが、その際凪はその大事なお守りトを現場に落としてしまう
「トライアルメモリ・・・これを使えば全てを振り切る速さを手に入れられる。試してみなさい」
「わわっ!黄色になった!?おおおお・・・・今度は青になった!」

一方その頃。照井はシュラウドからメモリを使い、赤い姿から黄色を経て青いフォルムのアクセルへと変身していた
仮面ライダーアクセル・トライアルフォーム
トライアルは10秒間だけ他を圧倒する超高速を手に入れられるという、時間限定のチートメモリ
555アクセルフォームカブトのクロックアップまんまの能力で、
赤から黄色を経て青に変身するのは無論信号機がモチーフ。その能力の上がり幅が解りやすく伝わるというものです
早速シュラウドが崖の上から落石を落とし、それを次々と粉砕していくアクセル
順調かと思えましたが、一際大きな岩に蹴りを入れたところパワー負けして吹っ飛ばされてしまいます
>崖から落ちてくる岩を砕く……昭和の特訓すなぁ
>仮面ライダーの特訓といったら岩!特訓といったら岩!

「フンフンフンフン!うっ?パワーが足りない!」
「違う。戦法を変えるのよ。トライアル最大の特徴はそのスピード・・・
相手の攻撃をかわし、懐に潜り込み、キックの嵐を叩き込みなさい
1発で効かなければ10発。それでもダメなら100発!」

クソ重いエンジンブレードをぶん回した通常フォームとは違い、トライアルはバイクモードへの変形機構をオミットし
装甲も極限まで削った超軽量フォーム。この速度はパワーと引き換えに手に入れたものなので、戦法自体変える必要があるのだ
「ようし。やってやるぜやりパンサー・・・ってウボァー!?」
「やれやれ・・・これが実戦ならあなたは死んでいたわよ」
張り切ってまた岩砕きをやろうと思った照井でしたが、制限時間の10秒を過ぎたオーバーロードでビリビリ大ダメージ
あやうく大岩に潰されになりますが、岩に爆薬を仕込んでいたシュラウドにすんでのところで助けられます
「これがリアルじゃなくてよかったな。リアルだったらお前死んでたぞ」
>シュラウドさん・・いつくるかわからない照井さんに対して、バイクやサーキットの整備だけじゃなく
トライアル変身後の訓練施設まで用意とは、どんだけ面倒見いいんですか

「トライアルを使いこなしたければこのコースを10秒以内に走れるようになりなさい」
かくしてトライアルを使いこなす為、オフロードコース一周を10秒以内で走る特訓を開始する照井
最初は断ったクセに
ストップウォッチで時間計ってあげるシュラウドが面倒見よすぎる





「10年前の夜・・・思い出したよ井坂くん。あの貧相な男が随分と立派になったものだ
私にメモリをくれとねだったな。その力が欲しいと。キミはとんだ欲しがり屋さんだねェ
ウェザーのメモリを手にし、私の娘まで篭絡してこれ以上何を望むのかね?」
「私は満たされたいのです。究極の力で
だからあなたを倒しテラーのメモリを奪います
もうじき私はあなたを超える。今度はあなたが私の前に這い蹲る番だ」

同じ頃。園咲邸に戻って冴子にヒゲ剃りをしてもらっていた井坂は、琉兵衛にあっさりその最終目的をカミングアウト
ケツァルコアトルスの飛行能力を手に入れ無敵になった自分を想定しての強気ですが
怒れる琉兵衛にカミソリを握られ、喉元に押し当てられた状態でこの台詞を吐くとは大した胆力。趙雲もビックリです
つうか井坂がケツァルコアトルスのメモリに求めてた能力って飛行能力だけなのかよ。
地味すぎる
とは言え飛行能力があればあのドロドロ攻撃から簡単に逃れられるので、確かに対テラー用の能力と言えるかもしれません
「そこまで言うからには覚悟はできているんだろうな?・・・・冴子。いったい何の真似だ?」
「お父様。私もずっとこの時を待っていました。もうあなたの時代は終わったのよ!」
「ほう、お前に撃てるのか?この父を!」
井坂と一蓮托生の冴子もここで父への叛旗を翻す。一瞬の躊躇こそ見せましたがすぐにかぶりを振って破壊弾をブチ込んだ
無論テラードーパントにはカスリ傷ひとつ負わすこともできませんでしたが、その隙に二人はその場からまんまと闘争します

目の前で起った一連のやり取りが未だに信じられず呆然とする若菜をよそに、琉兵衛はなんとも無感動に呟くのだった
「バカな娘だ」

「すぐにお父様に謝りましょうお姉様。お姉様はあの男に騙されてるのよ!
だってお姉様は今までずっとミュージアムの為に尽くしてきたじゃない!
お父様にだって愛されて・・・・」
「ウフフフ・・・・アッハハハハハ!お父様は私のことなんてこれっぽっちも愛していないわ
ミュージアムの歯車として奴隷のように扱い、束縛して、それでいて信頼すらしていない
お父様が娘として愛しているのはね若菜、あなただけよ
だから私はお父様が憎かった。ずっと・・・ずっとずっとずっとずっとずっと!」

なんとか思いとどまってもらうべく姉を追いかけた若菜は、そこで初めて冴子の父に対する尋常ならざる憎悪を知る
というか普段あれだけ姉に冷たく接せられても、こうやって姉のことを心配するあたりは流石に姉妹愛か
視聴者は若菜の生来の優しさに関心しますが、
肝心の姉に妹の優しさは届きません
「若菜、今ここで選びなさい。あなたは私の味方?それとも敵?」
「ば・・・ばかばかしい!お姉様ヘンよ?家族に敵とか味方とか・・・ウボァー!」

ついに父のみならず妹にも攻撃を仕掛ける冴子。彼女の父への憎悪の動機を考えれば、妹とて同等に憎い存在でしょう
しかしそれを口に出して言わないあたりが、冴子に残された最後の
姉としての優しさなのかもしれません
絶体絶命の若菜でしたが、久しぶりとなるスミロドンに変身したミックに助けられてなんとか事なきを得ます
うーん冴子ヌルいな。琉兵衛と本気で戦うつもりなら、若菜とは縁を切らずに上辺だけでも繋がっておくべきだったろうに
琉兵衛に続いて妹と飼い猫にも壁を作り
園咲家の家族として完全に孤立した冴子
いよいよもって彼女の頼れる存在は井坂深紅郎ただ一人となってしまいました





「13秒22」 ビリビリ「ウボァー!」
「12秒47」 ビリビリ
「ウボァー!」
「憎しみが足りない!もっと復讐の炎を燃やすのよ!
憎め!憎め憎め憎め憎め憎め憎め憎め憎め憎め憎め!」

>シュラウド「お前に足りないものは、それは! 情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さ!
そしてェなによりも憎しみが足りない!!」

10秒の壁がどうしても切れずにビリビリを喰らいまくる照井に、シュラウドは半ば狂乱気味に憎悪を焚きつける
憎しみの力こそがこの世で最も強いパワーだと信奉し、それを照井にも強いるというこの危うさ
これまで照井やフィリップを助ける=「純粋に味方・善玉キャラ」というイメージがあったシュラウドですが、
ここに来て謎の暗黒面を見せ始めました。彼女の本質的な目的は一体何なのか
そんな中、鳴海探偵事務所に匿われていた凪はペンダントを冒頭の現場に落としたことに気付き、これを探す為に外出してしまい
案の定現場で張っていた井坂にあっさり見つかって拉致られてしまいます
「なるほどやっと謎が解けましたよ。キミの心を支えていたのはあの刑事でしたか
ならばヤツをキミの目の前で血祭りにあげてみせましょう
そうすればコネクタは完成し、私は究極の存在となる」

かくして特訓中の照井の元に、「凪は預かった。返してほしくば1人で来い」という井坂からの連絡が入る
罠と解っていても照井にこの申し出を断れるハズもなく、時間的に最後の挑戦、最後の一周にチャレンジします
「シュラウド。俺は行かなくてはならない。次で10秒を切る」
「復讐ではなく、その子を守る為に?」
「そうだ」


「守る為に戦う」という揺らがぬ信念でシュラウドを睨みつける照井
さながら呪詛の如く憎悪を焚きつけようとしたシュラウドだったが、照井の心はまったく憎しみに染まっていなかった
かくして照井は最後のトライアルを全力で駆け抜け、シュラウドはストップウォッチに表示されたタイムを見て静かに呟いた
「9秒9・・・・合格よ。さぁ、トライアルは持って行きなさい」
「所長・・・左とフィリップによろしくと伝えてくれ」
守る為の力は憎悪の力を超えたか。ついに10秒を切ったと大はしゃぎで照井に抱きつく亜樹子
しかし何故か当の本人は神妙な顔つきでトライアルメモリを受け取ると、意味深な台詞を亜樹子に告げて井坂の待つ現場へと向かう
激しく頭をひねる亜樹子だったが、シュラウドがぞんざいに投げ捨てたストップウォッチのタイムを見てあっと声を上げた
「ええ!?ちょっ・・・・これどういうことなの?10秒・・・切ってないじゃない!」
「彼は憎しみを忘れた。もう興味はない」

表示されていたタイムは10秒70。照井は10秒の壁を破っていなかった
未だ使いこなせぬトライアルフォームで井坂と戦えば、冒頭の岩特訓同様に絶体絶命のピンチを招くことは必定
シュラウドは憎しみの力を捨てて戦う照井に失望し、
彼を見限ったのだ

「冴子君、私は今戸惑っています。自分の気持ちにです
はっきり言って私にとってキミは園咲琉兵衛に近づく為の道具でした・・・
でも今は違う。私にも・・・こんな感情があったとは」

「先生・・・」

一方、照井を待つ井坂はこのタイミングで突然デレ期に突入。冴子にまさかの愛の告白をかましていました
長かったツン期を経て報われた冴子は幸せの絶頂に。傘に隠れてチューしようしますが、ここで照井が到着しちゃいます
>井坂「最近ラブプラスなるものに私もはまりましてね」
>寧々さん的な傘の本当の使い方…
>井坂「傘の本当の使い方教えてあげる」 冴子「…ふふっ 少し濡れちゃった(はぁと」
>カットされてましたが井坂先生マジキスしたそうですよ スタッフの罪は・・・重い!

「冴子君・・・戻ったらドーパントではないキミの身体を見せてください」
>照井と井坂の死亡フラグの重ねあい
>井坂先生!それプロポーズやない!死亡フラグや!!
>すごい死亡フラッグ井坂先生
>竜君が死亡フラグ立てたと思ったら直後に井坂さんまで死亡フラグ強烈におっ立ておったで御座る

そしてこの死亡フラグである
「戻ったら一緒にサラダを食べよう」的な。あまりにも解り易すぎる死亡フラグ台詞を吐いて照井の元へと向かう井坂
ここでCMに入るのがまたなんとも言えず
死亡確定っぽさを色濃く演出してます






「心配するな。キミはかならず俺が助ける」
「うん・・・!」
「クククク・・・いいんですかそんな約束をして?0.1%も確率がないというのに!」
恐怖に震えていた凪だったが、颯爽と現れた照井の姿と力強い言葉に励まされてコクリと頷いた
その手に握り締めるペンダントが彼と凪、そして今は亡き照井の妹を繋いでいることを井坂は知らない
「今こそ・・・全てをッ!振り切るぜッ!」
万感の想いを込めてアクセル・トライアルフォームに変身する照井。今こそ忌まわしき過去を精算する時だ
目にも留まらぬ先生パンチを受けて面食らった井坂でしたが、すぐに体勢を立て直すと
前回アクセルをフルボッコにした雷雲の檻にトライアルを閉じ込めます
ヤバイ!紫電の檻(ライトニングプリズン)だ!

「ほほう、新しいメモリを手に入れたのか!確かに大した速さだがね
どれほどのメモリだろうと使う人間が虫ケラでは・・・・
何ィ!?」

ボボボボボボボボボボボ!ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン!
>トライアル「吹 っ 切 れ た」
なんと至近距離・四方八方から放たれる雷撃を全てウェービングスリッピング、ダッキングで回避するトライアル
超高速の戦士の前には雷など児戯に等しいというのか。驚く井坂を尻目にあっさりと檻を脱出した照井は

トライアル・マキシマムドライブののスイッチを押そうとする
「ダメだよ竜くん!本当はまだ10秒切ってなかったんだよ!」
「いいや大丈夫だ亜樹子。ヤツならやるさ」

駆けつけた亜樹子は必死になって照井を止めようとするも、翔太郎は微塵の不安も感じていなかった
照井竜が「やる」と言ったら。絶対にやる男なのだから
ブオオオオオオオオオン!ババババババ!
一瞬の瞬きの間にウェザーの懐に入ったアクセルは超高速の蹴りを連続で叩き込む。それはもう速い速い
酔拳2に出てきたあの足技野郎みたいな片足キック連発。これは足パンパンになるな
>竜「あーたたたたたたたた・・・北斗百裂脚!!お前はもう、死んでいる・・・」
>アクセルT「北斗百烈懴悔拳!貴様の命は残り9.8秒だ」(同ネタかぶり多数の予感)
「はあああああああああああああああ!!」
空中に放り投げていたメモリをバシッとキャッチしたところでようやく北斗百烈脚終了
『トライアル・マキシマムドライブ』
トライアルマキシマムドライブ『マシンガンスパイク』!
ここで初めてメモリが音声を発します。つまり今の百烈キックは音速を余裕で超えていたという演出である
表示されていたタイムは9秒8。翔太郎の信頼通り、照井竜はこの土壇場で見事に己の限界を超えたのだった
「9.8秒。それがお前の絶望までのタイムだ」
ぼっがああああああああん!!
驚愕とともに爆発四散するウェザードーパント。もちろん今回は正真正銘の本物。蜃気楼ではありません
メモリブレイクによってウェザーのメモリは粉々に砕け、人間体に戻った井坂が力なくその場に倒れるのだった





「し、信じられん・・・私への憎しみがお前をここまで強くしたのか?」
「俺を強くしたのは憎しみなんかじゃない」
地面に倒れた家族の仇に一瞥もくれず、照井は縛られていた凪を救い出すと安堵の表情を見せる
凪もにっこりと笑って、ここまで彼女を守ってくれていたお守りのペンダントを持ち主へと返した
「キミを守れてよかった」
>最初は復讐者、そして大切なものを守るためのライダーとなる。照井竜は実に昭和ライダーライクな男ですね
照井竜を強くしたもの。それは「守る為に戦う」という誰よりも強い優しさに他ならない
ベタだがそれだけに感動的な演出で「照井かっけー」と全国の視聴者が照井に惚れ直した、しかしその時
地面に伏せていた井坂が突然体中にコネクタを浮かび上がらせて苦しみだしたではないか。なにこれキモイ

「メモリの過剰使用のツケが回ってきたんだ・・・・!」
なんでまたいきなり。メモリブレイクされたのが原因でしょうか
これまでのメモリ使用者と違い、異常なまでにメモリに依存してきた井坂の身体は突然崩壊の時を迎えたのだ
「こっ・・・これで終わったなどと思うなよ・・・お前達の運命も仕組まれていたんだ
あのシュラウドという女の手の平でな!
さ、先に地獄で待っているウボァー!」

>真の死亡フラグを知らしめたい!! ウェザードーパント 井坂深紅郎だァ!!!
>井坂医師の死に方が、因果応報とは言えグロいな……
>井坂先生…命をかけて死亡フラグの恐ろしさを僕たちに教えてくれるなんて…
>パパンVS井坂は幻に終わりましたね。これはこれで見たかった

散り際にとんでもないことをさりげなくカミングアウトしてグロテスクに消滅する井坂。どうやら彼の言葉から察するに
井坂にメモリを与えた人物もシュラウドだったという事らしいです。ゲェー?
シュラウドの目的がミュージアムを潰す事なら、琉兵衛を倒そうとしていた井坂に力をやるのは解らなくもありませんが・・・
その力を手に入れかけていた井坂を倒す力を照井に与えようとしたのは何故でしょうか(途中で見限ったけど)

彼女の異常な憎悪は誰に対して向けられているものなのか?
前述してますが、これまで善玉と思われていたシュラウドがここに来ていきなり負のオーラを放ち始めました
最愛にして唯一の頼りだった井坂の死に呆然と崩れ落ちる冴子。その様子を遠巻きに見つめるのは誰あろうシュラウドであった

>冴子さんがなんだか矢車さん化しそうな件について
>シュラウドが今度は復讐に燃える冴子に手を貸すのかな?
>冴子は園崎の刺客にたやすく始末されるとは思えないので、シュラウドさんに拾われて結託すると予想しています
シュラウドさんがまさかのラスボス化?
>井坂にメモリを与えたのはシュラウド……? Wやアクセルのメモリ開発に使ったんでしょうか
――なんか、この女がラスボスなんてどんでん返しが想像できてしまう
>ラスボスはママンとパパンどっちだ……という過去の話、まさか壮大な夫婦喧嘩というオチだけはないだろうな

「探偵のお兄さん!鳥のお姉さんを元気にしてくれてありがとう!」
「おっと待った、今回頑張ったのは俺じゃなくてあっちのお兄さんだぜ」
ラスト。元気を取り戻して再び野鳥園の解説員として働き始めた凪と、その様子を見に来た翔太郎達
お姉ちゃんを救ったヒーローということで子供達の質問攻めに合う照井は、はにかんだ笑顔で答えるのだった
「俺に質問・・・しないでくれるかな?(にっこり)」
ついに家族の仇を討ち、忌まわしき過去から解き放たれた照井。その笑顔は彼の心からの笑顔だった。次週へ続く!
>子供達へ「オレに・・・質問しないくれないか?」の照井の笑顔が素敵過ぎです!
照井役の木ノ本さんマジナイスガイ!
ヒーローから、あの笑顔を送られた子役の子達には今日は一生の思い出になると思います


37話

来訪者X/約束の橋

「10年前に別れた私の家族を探して欲しいんです
・・・ハッ?き、キミが何故こんな場所に?」

「え?あんたフィリップのことを知ってるのか?」
「い、いや申し訳ない。どうやら人違いだったようだ」

人探しの依頼で鳴海探偵事務所を訪れたのは、帽子にコートにメガネという
すごい鳴滝ルックの中年男性
やたらオドオドして挙動不審なこのおっさん、フィリップを見るなり謎の狼狽を見せます。どうやらその過去を知ってるみたい
翔太郎にそれを問われると慌てて話をはぐらかしますがどう見てもモロバレです。本当にありがとうございました

「お父様、いつのまにかこの食卓もお父様と私二人っきりですわね・・・」
>若菜「園咲家・・・まこと広うなり申した」
一方園咲家では、父と自分だけになってしまった食卓で若菜が源之助みたいな台詞を吐いていた
しかし厳格な父は娘のその言葉を受けてもなんら感じ入ることなく、極めて冷徹で事務的な言葉を返すだけ
「感傷に浸っている暇はないぞ。我がミュージアムの計画もいよいよ最終段階に入った
これからは若菜、冴子の代わりにお前がそれを取り仕切るんだ
もうじき支援組織・財団Xからの使者が来る。覚悟を決めなさい」

冴子の謀叛により、これまで保留状態だったミュージアムの仕事を否が応にも継がなくてはならなくなった若菜
なんか
財団Xという怪しい組織の使者と会うのが初仕事のようです。もう少しネーミングなんとかならんかったのか
そしてミュージアムの裏切り者となった冴子は、かつての兵隊だったマスカレイド達に追いかけ回される落ちぶれっぷりを披露
すぐタブーに変身して蹴散らせばいいのに、生身で逃走して足に銃撃受けて怪我までしちゃうというボロボロ具合です
「ハァ・・・ハァ・・・あの女が来る・・・私を始末しに・・・」
そうは言っても有象無象のマスカレイドどもはすぐに撃退する冴子ですが、その表情から恐怖と焦りは一向に拭えません
タブードーパント・冴子がこれほどまでに恐れる「あの女」とはいったい何者なのか?

「失礼・・・口から出てますよ、虫」

「食べるー?」

「・・・いえ結構です」

その頃。風都ホテルで部屋を取ったばかりの白スーツの青年が、ゴスロリファッションの紫髪女と廊下でぶつかっていた
女の手のかわいいハート型キャンディケースにたくさん詰まっているのは、キャンディではなく
イナゴの佃煮
ゴスロリのゲテモノ喰い。およそ似つかわしくない異様な女に、白スーツの青年は軽く引いて丁重にお断りするしかない





「翔ちゃんの第六感的中。あの男かなりヤバイ素性だよ〜・・・って、それもしかしてイナゴ?」
「そうだよ食べるー?あと、この男知ってるー?」

「わぁ〜美味しい〜。そしてこの人は知りませ〜・・・ウボァー!?」
フィリップに対する反応から依頼人に対するキナ臭さを感じていた翔太郎に頼まれ、おっさんの素性を調べていたウォッチャマン
翔太郎に調査内容を伝え終わったまさにその時、おっさんの写真を持ってあのイナゴ女が現われます
本能的に危機を察したウォッチャマンはトボけようとしますが、「そんな嘘はまるっとお見通しだ!」と容赦ない蹴りを見舞うイナゴ女
踵にスタンガンを仕込んだ特殊な靴で、スカートを翻す生足キック

「ゴスロリ+蹴り技の達人+電波っ娘」ということで、非常に「魔王」に出てきたスズメバチを彷彿とさせるキャラです
>ゴスロリの生足で俺の股間がヒートメタル
>魔王の蜂が実際にいたらこんな感じだったんでしょうかなぁ
>ゴスロリヒットマン……蜂か! あれも途中からグラスホッパー所属だったし…
来週、窒息プレイのお時間が始まるといいな
>ふっともも!ふっともも!新キャラ、イナゴの女から目が離せなくなりそうです
>ホッパー「驚愕の足技とは・・・こういう技を言うのだ!」
>ゴスロリ女、スゲーいい動きなんで調べてみたら、演じてるのは佃井皆美さんとおっしゃるそうで
ジャパンアクションエンタープライズ第37期生。ポスト志穂美悦子と言われるアクション女優だそうです
>ホッパーの人、生身のアクションはカッシスの人同様自前だそうで。脚技スゲー
>ホッパー・ドーパントの役者さんは佃井皆美という方だそうで…まさか佃煮を食べていたのって

「おい!お前何をやってる!」
「あなたも食べるー?」

運良く通りかかった照井が女の暴行を止めようとするもここで女がガイアメモリを取り出し、スカートをまくりあげて太股に挿入
蹴り技の達人という人間体の特技を活かした
ホッパードーパントに変身する。ホッパーだけにますます魔王だ
「くそっ!すばしっこい奴だ!それならトライア・・・ウボァー!」
前回とてつもない力を手に入れたばかりだというのに、それを使う間もなくボコられる噛ませ役アクセル
そのあまりの弱さに興味を失ったのか、例によってホッパードーパントはトドメを刺すこともなく帰っていきました
>仮面ライダーはバッタの超人。ホッパー・ドーパントの登場でその事を久々に思い出しました
>バッタ強し。やっぱり仮面ライダーに於いてバッタは特別な存在ですね

「ふぅ・・・なんて無様な戦いなの竜。あなたにはまだやらねばならないことがあるのに」
「シュラウド・・・井坂が言っていたぞ。俺達の運命はお前に仕組まれていると
いったいどういうことか説明してもらおうか」

先週「もう興味はない」と言って見限ったクセに結局照井に粘着してくるシュラウド。なにこのツンデレババア
井坂の今際の言葉を出して問い詰める照井に対し、ババアは焦点をずらすことなく簡潔に返答した
「あなた達の運命は戦うこと。この街に恐怖をもたらす本当の敵・・・
ガイアメモリ流通組織ミュージアムと」
ババァーン!!ってええええなにその解りきってる答
別にそんなの現在進行形で翔太郎達も照井も自覚もってやってるんじゃ・・・もっと衝撃的なこと言ってほしかったぜ

「やっと素顔を見せてくれたねフィリップ君。実は相談があるの
姉が突然家を出てしまって父が会社の仕事を私に引き継げって言うんだけど
私迷ってて・・・・ラジオもやめなきゃいけないし。どうしたらいいと思う?」
「その仕事って・・・ガイアメモリの流通ですか?」

若菜の呼び出しによって、ついに素顔同士での対面を果たしたフィリップ
これまで二人を直接会わなかったのは、若菜がフィリップの顔立ちから弟であることに気付くのを防ぐ為の脚本だと思ってましたが
フィリップの素顔を見ても別段何も気づかない若菜。今まで直接会わせなかった事に
意味はあったんだろうか
信頼する男の子から直接アドバイスをもらうだけのつもりだったのに、ミュージアムの仕事を看破された若菜は続く言葉を失ってしまう
「何も言ってくれないんですね・・・それじゃあ」ポパピプペ
若菜の気持ちを察したフィリップは携帯を取り出し、目の前に本人がいるのに直接会話を避けて電話で話し始めます
「もしもし。”本当の若菜さん”ですか?
僕はあなたに本当の自分でいてほしいと思ってます」
「もしもし・・・本当の私は・・・こうしてあなたといると心がやすらぐわ」
「僕もですよ」
「私達・・・ずっとこうしていられればいいのにね」
「もしもし。僕もそう思います」

なんぞこれ
>フィリップと若菜姫の もしもしキャッチボール は観てるこっちが照れる
>若菜姫とフィリップもう付き合っちまえよ(ニヤニヤ
>フィリップと若菜姫が完全にラブ※化している件について

視聴者が思わず目を背けてしまいそうなスイート会話をおっ始める二人
若菜の気持ちを落ち着けようとして優しく答えてる部分もあるんでしょうが、それにしても見後なバカップルぶりです
「じゃあ・・・そうしてみる?二人でこの街を出るの。家も仕事も捨てて」
「いいですよ。”本当の若菜さん”がそうしたいなら僕もついていきます」
「ウフフ・・・それって本気?」

ついにはジョークっぽく駆け落ちしちゃおっか的なことまで言い始める二人
でも互いに感じている気持ちは異性に対する愛情というよりは、やはり家族愛的な安らぎのようです。本能でしょうかね





「あなた・・・やっぱりフィリップの事を知ってるんじゃないですか?」
「どういうことだい翔太郎」

若菜を元気づけて事務所に戻ったフィリップは、おっさんの素性を調べた翔太郎と照井から驚きの事実を知らされる
つうか結局ただ元気づけてきただけで何のアドバイスもしてねえな。若菜どうすんだろ
「この人は有名な脳科学者だ。そうですよね山城博士
そしてあなたは10年前に死んだことになっている
当時あなたと同じような状況で7人もの科学者が失踪している」
「あなたはある組織に拉致され、強制的に研究をさせられた。そうでしょう?」
「ああそうだ。
組織の名はミュージアム・・・すなわち園咲琉兵衛
いや琉兵衛だけじゃない
園咲家の人間は全て組織の中枢を担う幹部で、ガイアメモリの流通を取り仕切っている
私はどうしても家族に会いたくなって脱走してきたんだ。見つかったら命はないだろうね」

民間から優秀な科学者を誘拐・拉致して強制研究に従事させていたというミュージアム
その名前と悪行こそ知っていた翔太郎達ですが、実際にそこから脱走してきたという山城の話に驚きと憤りを隠せません
「園咲家がミュージアムの中枢・・・若菜さんやはりあなたは・・・」
そして若菜もミュージアムの一員であるということを、翔太郎や照井にも知られることとなったフィリップは唇を噛みしめる
で。山城博士、フィリップとは一体どこで面識が?と思ったら
ここで場面終了でカメラ移動
翔太郎も照井もそれを聞けよ!一番大事なトコだろうに!
ていうか元々話のきっかけがそこだったのにうやむやになってんじゃねーか。どんだけテキトーな会話してんだよと

「若菜・・・実の姉を野良犬のように狩り立てる気分はどう?さぞかし楽しいでしょうね
でもね、簡単には殺られないわよ。必ず生き延びてあなたと父に復讐してやる!」
「お姉様なにを言ってるの?今どこにいるの?お姉様!」
一方何も悪くない妹に逆恨み電話をかけてその憎悪を燃やすのは、ボロ雑巾状態の冴子
ふうふう言いながら公衆電話を出たところで、かつての家族の一員だったスミロドンドーパントに襲われてしまいます
「ミック・・・私の処刑人はあの女ではなくお前なの?ウボァー」
元・飼い主の家族に容赦なく攻撃を仕掛けるミック。猫のクセに琉兵衛に対するその見事な忠誠心にも、
実の娘を始末しろという命令を飼い猫に下した琉兵衛にも、どちらも恐ろしさを感じるシーンです
万全なら勝負は解りませんでしたが、なにせ手負いのタブードーパント。かくしてミックの前にあっさりと敗北してしまう
メモリを排出して人間体に戻る冴子でしたが
どっぱーんと海に落ちたので命は無事でしょう
そしてそんな一部始終を遠くから見ていた人物あり。誰あろうそれはあのホテルの白スーツ青年だった

>冴子「かかったな!ミックッ!これが我が『逃走経路』だ…」
>結局タブーの能力は分からずじまいだったなあ
>タブーの特殊能力がいまいち明かされてないのですがタブーメモリ再登場はあるのでしょうか
川ドボンした冴子は間違いなくまだ生きているので別のメモリを入手して乗り換えそうです
>タブーメモリを奪われたってことは冴子まさかナスカメモリ使うフラグ!?
>冴子さん、ナスカのメモリ持ってましたよね。あれで逆襲か?





「食べます?」
「フム・・・なかなか美味いね。おっとミックが戻ってきたよ
我がミュージアムが誇る二人の処刑人が揃ったね
ミックはもう獲物を仕留めたようだ。キミも急ぎたまえ」

園咲家中庭。琉兵衛にイナゴを食わせているのはあの女です。彼女の正体は裏切り者の処刑人
冴子が自分への刺客として恐れていたのは彼女だったようですが、実際の刺客はミックだったという・・・
そんな彼女もまたミックと同じように別のターゲットを与えられているようで、そそくさと仕事へ向かいます
「お、お父様・・・?それはお姉様のメモリじゃあ・・・・まさか・・・
お父様がミックを差し向けてお姉様を処刑したのですか?」
「私も辛い。だがミュージアムの掟は裏切り者を絶対に許さない
覚悟はできたかね若菜?」
あまりにも冷淡な父の返答。そしてその言葉は同時に
「仕事を継がなければ若菜、お前も要らない」という事を意味していた
その場で首を縦に振る勇気もなく、若菜は父から逃げるように部屋に閉じこもるとフィリップに助けを求める

しかし・・・

「見ぃ〜つけた。食べる?」
「い、いや要らない・・・頼む!一度でいい!一度だけでいいから家族に会わせてくれ!」
「要らないんだ?美味しいのに・・・!」
危険だから事務所に居ろと厳重に言われていたのに、家族に会いたい一心で外に出てしまった山城博士
そう、イナゴ女の処刑ターゲットは山城博士だった。当然そんな懇願を聞き入れるハズもなくドーパントに変身する
ここで博士を追いかけてきた翔太郎がタイミングよく割って入り、Wに変身。今回のバトルシーンへと移行します
運の悪いことに若菜の電話はこの時に鳴っており、
フィリップはコールに気づかない
「敵の全てを閲覧した。プリズムビッカー!」
強敵のホッパードーパントではありましたが、エクストリームのチート解析能力で丸裸になればもはや相手ではない
しかし劣勢に立たされると戦闘力では敵わないと悟り、今度は狡猾にも山城博士を
人質に取ります
イミフ。人質に取れるなら殺しちゃえばいいのに。それターゲットだろ
いやまぁ仕事の遂行よりも自分の身の安全を優先するなら当然なんですけど。ちょっとだけ支離滅裂感を感じちゃうな
「ヒィッ!や、やめろ化物」
「ひどぉ〜い。あなたが私を作ったのに。ミュージアムで散々美味しい思いしたじゃない
ホラ、そこの片割れの記憶だってあなたが消したんじゃない」
ここでイナゴ女が
本来さっき問い詰めるべきだったことをサラリとカミングアウト
なんと失われたフィリップの記憶を奪った人物こそがこの山城博士だと言う
衝撃を受けたフィリップと翔太郎は、タイミングよくアクセルが来てくれたせいもあって戦闘中にも関わらず変身を解除
珍しく怒りの感情を顕にしたフィリップは、山城博士の胸倉を掴むとガクンガクン揺らしながら怒鳴ります
「僕の記憶を消した・・・?答えろ!一体なんの記憶を!」
「か・・・家族の記憶を・・・」

ついにフィリップの過去が明らかになる?注目の次回に続く!


38話

来訪者X/ミュージアムの名のもとに

「どういうことだ山城博士。アンタ無理矢理研究させられていたんじゃないのか?」
「・・・そ、園咲琉兵衛は私の研究必要な資金と機材を全て用意してくれた
研究者としてはそんな魅力的な誘いを断れるハズもない」
「僕の家族は?あなたは僕の家族を知ってるんじゃないんですか?」
「い、いや知らない。私はただ記憶を消しただけだ」

フィリップから家族の記憶を奪った山城博士。力づくで拉致監禁されて奴隷のように研究させらていたのかと思いきやそうではなく
資金と機材は全て揃えるという琉兵衛の条件に
「ウホッいい研究環境」と自分の意思でついてったとの事
よかったのかいホイホイついてきて。ミュージアムはノンケだって構わず食っちまう組織なんだぜ?
「記憶を消しただけで家族のことまでまでは知らない」としらばっくれる山城博士ですが、明らかにキョドってて知ってるのがモロバレ
とりあえず山城博士はミュージアム内部を知る重要参考人として超常犯罪課にしょっぴかれることになりました
尚、照井は
トライアルになったにも関わらずホッパーを逃すという無様を晒しており
ウェザーをも倒した「トライアルTSUEEEE!」感がいきなり薄れてしまって非常に残念。逃がすならトライアルにはならないで欲しかったなぁ

>照井「全てを振り切る速さとはなんだったのか」
>トライアルさん・・・スピードしか能がないんだから逃がしちゃだめでしょ冒頭

「キミがわざわざ出向くとは珍しいな加頭君。いったい何を心配してるのかね?財団Xは」
「では単刀直入に。弊社とミュージアムとの間で提携したガイアメモリ生産計画に約12%の遅れが生じています
投資先はおたくだけではないのですよ園咲さん。具体的な修正案をお聞かせいただけますか」

一方園咲家では財団Xの使者である、あの白スーツの青年・加頭がビジネスの話で琉兵衛を糾弾していた
どうもミュージアムのガイアメモリ生産体制は財団Xからの出資に支えられてるところが大きいようで、こんな若造のクセに上から目線です
ちなみに加頭役のコン・テユは
孔子の子孫だそうな(孔子の子孫は直系でなければ現在400万人はいるそうですが)
「・・・前任者を更迭。新任の私の最も信頼する有能な人物に全権を与える」
「ほう。下のお嬢様ですね?」

優秀かどうかは甚だ疑問ですがいよいよもって待ったなし。表舞台に上げられることになった若菜
二人の会話をすぐ傍で聞いていた彼女は、すがる気持ちでフィリップに助けを求めます
「フィリップ君この前の約束覚えてる?お願い!この街から一緒に逃げましょ?
どこか知らない場所であなたと二人で生きていきたいの・・・午後2時に風都駅で待ってるから」

ただでさえ記憶のことでショックを受けてふさぎ込むフィリップの元に、更なる混乱をもたらす若菜からの懇願
突然の呼びかけに「ハイ」とも「いいえ」とも言えずうやむやに答えることしかできないが、若菜は用件だけ伝えるとすぐ電話を切ってしまう

「フィリップ君・・・まさか若菜さんと一緒に街を出るなんて言わないよね?私達と一緒にいるよね?
彼女は園咲家の人間なんだよ?きっと罠よ、行っちゃ駄目!翔太郎君も黙ってないで止めてよ!」
「男の仕事の八割は決断・・・これはフィリップが決めることだ。どうすんだ?」
必死にフィリップを止める亜樹子と、本人の判断に任せると言い放つ翔太郎。二人の反応を受けてフィリップの出した答は・・・
「翔太郎、亜樹ちゃん・・・君達二人はかけがえない仲間だ。大切な家族だよ
君達と別れるなんて有り得ないことだ・・・・でも・・・・
若菜さんを放っておくこともできない!ああああどうしよう!?」

>フィリップ「ま・・・待ってくれ〜っ僕はまだ決めかねているんだ〜っ」
いつもクールなフィリップがジ・オクトパスのように決断できずこの狼狽ぶり
答はまだ出せませんが若菜の指定した2時も迫っている為、とりあえず翔太郎のケツに乗っけられて駅にだけは向かいます





「お目覚めですか?泥のように眠ってましたよ。よほど逃亡生活が堪えていたようですね」
「あなた誰なの?ここはどこ?・・・・ハッ、タブーのメモリがない!」
風都ホテルの一室。ミックにやられて水落ちした冴子を助けたのは、あの一部始終を見ていた加頭だった
ガウン姿でやや髪が乱れた冴子エロス。濡れた服を脱がせてこれを着せたのは加頭だろうか。想像すると興奮する
「これなら落ちてましたが壊れてましたよ。あなたは全てを失った・・・しかし諦めることはありません
まだ逆転のチャンスはあります。この私の言うことを聞けばね」

壊れたドライバーをぞんざいに床に落とし、冴子に対して服従を強いる加頭。どうにもエロ方面を想像してしまう
どうやら財団Xは園咲家の混乱に乗じてミュージアムを乗っ取る腹づもりみたいですが、どう見ても性的な要求に見えr(しつこい)

「誕生日だったんです・・・10年前、私が誘拐されたのは息子の7歳の誕生日だったんです
しかし私は研究者としての欲求に負け、家族を捨てた。今更会う資格がないのは解ってる
ただ一度だけ会って・・・妻と息子に謝りたい」

「・・・わかるよ、わかる。ん?誰だ?」
「食べるー?」
山城博士の懺悔でしんみりしていた取り調べ室に、婦警のコスプレをしたイナゴ女が現れた。そういうのもあるのか!
「あぁ俺イナゴの佃煮好物なんだよ」とニコニコしながら近づいたら回し蹴り一発でKOされる刃さんが可哀想。食わせてやれよと
はひィ〜ッ!ひゃいいい〜ッ!と山城博士は栗木拓次のように逃走
それを追うイナゴ女をアクセルが食い止めますが、通行人を楯に使ったイナゴ女の機転に阻まれあっさりこれを逃がしてしまいます
走って走って命からがら逃げ延びた山城博士は自宅前に到着。そこで10年ぶりの妻と息子の姿を遠目から目撃する・・・・が
「洋子・・・おお・・・翼もあんなに大きくなってウボァー!?」
「博士見ぃ〜つけた。いただきま〜す」
まさに二人に駆け寄ろうとしたその瞬間、背後から現れたイナゴ女によって電撃ビリビリ心臓麻痺ドーン
目と鼻の先にあれほど会いたかった家族がいるのに、その存在さえ気付かれることなく博士はその場に昏倒してしまう
「今頃きたの?もう食べちゃったよ。じゃあね」
ここでようやくアクセルが駆けつけるも時既に時間切れ。今回の照井マジどん臭え。役立たずにも程がある
かくして願いを直前にして倒れてしまった山城博士を抱えて病院にダッシュする照井。その報はすぐ鳴海探偵事務所に届けられ・・・
「山城博士がフィリップに伝えたい事があるって?わかった風都病院だな!」
病院へ担ぎ込まれた山城博士ですが、即死には至らず瀕死の状態でうわごとのようにフィリップを呼んでいるという
駅で若菜を待っていた翔太郎とフィリップでしたが、一刻を争う事態なのでこちらを優先。すぐ戻れば間に合うと病院へ向かいます





「9.7秒。それがお前の絶望までのタイムだ」
ぼっがあああああああああああああああん!!
ホッパードーパントを追いかけて戦闘になったアクセルは、必殺ライトニングスパイクで見事この強敵を撃破していた
大事なところでは尽く取り逃がしてなんの制約もないトコではあっさり勝つのが残念マンすぎる
しかしメモリブレイクされワッパをかけられる寸前、まだ残っていた力で逃走を試みるイナゴ女。照井がこれを追おうとした瞬間
「ニャアース!」
「ウボァー!?」

ずばっしゃー!!!

なんと疾風の如く現れたスミロドンドーパントがイナゴ女を斬殺
流石は琉兵衛と言ったところでしょうか。警察に捕まりそうになったイナゴ女を口封じの為にあっさりと切り捨ててきました
ライトニングスパイクはカッコよかったものの、それ以外の部分はまったくもって今回は照井イイトコないな。たるんどる!

「私は本当に自分勝手な人間だった・・・・どうか許してほしい」
「はい。それで博士、僕に伝えたい事とは?」

風都病院。今まさに死ぬ寸前の山城博士の元に、なんとかギリギリ間に合ったフィリップはその口から衝撃の事実を告げられる
「君の本当の名前は・・・園咲来人
園咲琉兵衛の実の息子だ
グヘッ!」
「僕の名は園咲・・・来人・・・それじゃ若菜さんは・・・」
 フィリップの正体は園咲家の長男・園咲来人
視聴者は第3話から気づいていた事ではありますが、山城博士の命と引き換えについに真実として劇中で発覚しました
自分がどうして若菜と一緒にいるとあれほどの安らぎを覚えるのか。その理由を理解した瞬間、フィリップの迷いは吹っ切れていた
「翔太郎、亜樹ちゃん、僕は決めた。若菜さんと一緒にこの街を出る
彼女は苦しんでる・・・僕が傍で支えてあげなきゃ。
だって家族だから!」
「わかった。お前が決めたなら何も言わねえ。早く迎えに行ってやれ」
若菜が実の姉とわかったフィリップは自分が彼女を守ると決意。翔太郎と亜樹子に別れを告げ一人駅へと向かいます
>翔太郎「迎えにいってやれよ 徒歩で」 フィリップ「徒歩で!?」
徒歩で。送ってやれよ翔太郎。なんの嫌がらせだよ
「はっはっはっは!さあ戻るぞ若菜」
「お、お父様・・・!」

その頃、駅でフィリップを待っていた若菜を連れ戻しに琉兵衛が登場。まさに「ハハハどこへ行こうと言うのかね」状態です
かくして
翔太郎がバイクで送らなかったばかりに二人は入れ違いに。なんて運命の悪戯
「もう我儘は許されんぞ若菜。この星の運命がお前の双肩にかかっているのだからな」
「この星の・・・・運命?」
「そうだ若菜、お前こそがミュージアムそのものだ」
ミュージアムの心臓部とも言える巨大研究施設に若菜を連れて行き「お前がガンダムだ!」とぬかす琉兵衛
地球の本棚にアクセスできる来人こそが、園咲の血をもっとも色濃く受け継いだ選ばれし子かと思っていましたが
この琉兵衛の口ぶりからして、やはり
後継者として最も資質を持っているのは若菜みたい
果たして若菜が「ミュージアムそのもの」とはいったいどういう意味なのか。いよいよメインの謎部分も佳境に入ってきました





「若菜さん!若菜さん!・・・あっもしもし若菜さんですか?今何処に?」
「後ろよ。”来人”」
約束の二時をかなりオーバーしたところでノコノコ駅に現れたフィリップ。確かに若菜はそこにいた。しかし・・・・
「若菜さん・・・今・・・僕のことを”来人”と」
「ええ。死んだとばかり思っていた私の弟」

琉兵衛から聞いたのか。それとも何か覚醒して全てを悟ったのか。駅へ舞い戻ってきた若菜はフィリップの素性を知っていた
しかしその瞳には久しぶりに再会する弟への愛情は微塵も感じられず、憎悪をはらんだ冷たい視線をまっすぐにぶつけてくる
服装も黒ずくめになり、
タクティクスオウガのカチュアみたいな黒いオーラ放ってます。これはヤバイ
「すみません僕・・・自分のことを何も知らなくて。でもやっとわかりました
僕達がお互いに一緒にいると安らぎを感じていたのは、家族だったからなんですね」
「ええそうよ。私達は園咲家に生まれた家族・・・だから来人
あなたの命を貰うわ。ミュージアムの為に」
ここに来て若菜ダーク化!!
人目もはばからずクレイドールに変身して破壊弾を撃ってくる若菜。たまらずフィリップはファングジョーカーに変身する
「な・・・なんだこりゃあ?フィリップ!これはどういうことだ?若菜姫は?」
「目の前のドーパントが若菜さんだ・・・・どうしてこうなったのか僕にも解らない!
教えてくれ!何があったって言うんだ!?」
「自分の使命を知っただけよ。来人、あなたも自分の使命を思い出しなさい」
大量に湧いてでてきたマスカレイド達をファングストライザーで文字通り一蹴し、若菜に問い詰めるフィリップ
しかしその返答は家族としてはあまりにも冷たく、彼女が立ち去った後フィリップは地面を叩いて絶叫するのだった

「うわああああああああああああああああああ!!」
>フィリップ「どうしてこうなった」
まさに「どうしてこうなった」的な悲痛な叫び
具体的には翔太郎がバイクで送らなかったからですが、それを突っ込んでいけない
シリアス超展開になってきたところで次週へ続く!
>殺すとか言っといて結局逃がす若菜、平成ではよくあることだけどこれって演技の可能性もあるかな?
>若菜姫があのダークキャラのままラジオ継続してると考えたら笑えるw 流石に辞めてるだろうけど


39話

Gの可能性/バッドシネマパラダイス

「フィリップ、あんま一人で思いつめんなよな。若菜姫のこと」
「別に。彼女のことはもう心の整理がついた
心の闇を増幅するのがガイアメモリの魔力・・・彼女もそれに負けたのさ」
「でも・・・家族でしょ?」
「問題ない。もう放っておいてくれ」

前回ついに自分が何者であるかを知ったものの、その直後実姉に命を狙われたフィリップ
下手をしたら精神が危うい感じになってもおかしくありませんでしたが、心配に反して割とドライな反応の冒頭
しかしそれはどう見ても表面上の強がりだけのようで。やはり内面では相当のダメージを受けているようです

「助けてください。身に覚えの無い自分の主演映画がかかってるんです」
そこにやってきた依頼者は映画館「T-JOY風都」に務める受付係、虹村あい
思わず「日本語でおk」と聞き返したくなるその依頼の内容は、実に奇妙なものだった
女優でもなんでもないのに、まったく記憶にない主演を演じた映画が自分の務める映画館でガンガン上映されているという
拷問レベルの羞恥プレイです。一体誰がそんな手の込んだ嫌がらせをやらかすのか
早速映画館に調査に向かった翔太郎と亜樹子は、やたらオドオドして見るからに気弱そうな青年・川相徹と出逢う
仕事はできず、後輩の女の子にすらバカされるダメ男の彼を元気よく慰めるあい。風都の女なのにいい娘じゃないか

まったく関係ない余談だが「男を慰めるあい」と書くと電影少女の説明みたいだと思った
そんなあいですから徹は彼女のことが好きみたい。亜樹子がそれを茶化すと、彼はノートに文字を書いて答えるのだった
『問題ない』
「文字会話ってどんだけ人見知り!?しかも字ちっちゃ!
『問題ない』かぁ・・・この人もフィリップ君と同じで内面に溜め込むタイプね」

自分の本心をひた隠すこの気弱な青年に、今のフィリップの状態を重ね見た様子。お節介好きの血が騒ぎます

「本当に始まりやがった・・・これが彼女の言ってた映画か
『ジェシカの彷徨と恍惚〜傷だらけの乙女は何故西に行ったのか〜
漂流編』
ながっ!タイトル無駄にながっ!なるほどな、コイツは駄作のオーラが出まくってるぜ」

とりあえず「風の佐平次ザ・ムービー」を観ようとシアター入りした翔太郎と亜樹子は、そこで運よく(?)例の映画に遭遇する
冒頭10分で感じるあまりの駄作臭に翔太郎はシアターを出ようとしますが、出入口がなくなっていてそれすら出来ません
「もう7時間半だぜ・・・こりゃ拷問だよ」
「うーん・・・でもところどころ引き込まれる部分はあるよ?」
「どこがだよ。ずっと同じようなことばっかりで全然話が進まな・・・お?いよいよ来たかクライマックス」

帰ることすらかなわず、7時間半延々クソ映画を見せられるという恐怖。マジ震えてきやがった怖いです
亜樹子は少しばかりこの映画の魅力を感じているようですが、もう限界寸前の翔太郎はやっと訪れたクライマックスに大歓喜
しかし・・・・
『未完』デデーン!
「ウボァーふざけんな金返せ!責任者出てこい!」
7時間半もクソ映画見せられた結果がこれだよ!
ラストはまさかの未完オチ。ブチ切れた翔太郎の前にシンプルなデザインのドーパントがノコノコと姿を現します。コイツが犯人か
「コンクリートの壁が植物になった?なんだ今のは?アイツ何をしやがった」
ドーパントは閉じられていたシアターの出入口を植物に変えると一目散にトンズラ。翔太郎はフィリップに検索を求めながらこれを追う





「こいつは相当な変り種だ・・・・メモリの正体は”ジーン”
ジーンとは遺伝子。つまり奴は遺伝子を組み替えて別の物体にすることができるんだ」

「生体組織に別の遺伝子を加えれば、好きなように姿形を変えることだできる。例えば・・・
自分の身体もな。マネージャーさん、全力疾走したみたいに汗かいてるぜ?」
フィリップの検索によって能力を暴いた翔太郎は、映画館のマネージャーに変身していたジーンドーパントを看破
観葉植物を撒菱に変えて再び逃げるジーンドーパントでしたが、敢え無く屋上に追い詰められWとの戦闘に

「うおわああああ俺の右手がウシに!」
うしくん!俺の好きなパペットマペットのうしくんじゃないか!
持っていた葉っぱをWの右腕にくっつけると、ウシの手人形に変化させるという地味かつコミカルな攻撃が面白い
生物を無機物に変えたり、無機物を生物に変えたりその遺伝子組み替えに制限はないみたい。これかなり強力なメモリじゃね?
でもメモリチェンジしたらあっさり直ってフルボッコにされるジーン。たまらず変身解除したその正体は、あの気弱な青年徹だった

「空きの上映室を偽装して観客を入れ、出口を閉じて自分の映画を見せていたんだ
あの映画のあいさんは自分を組み替えて演じてたってワケだ」
「えええ。じゃあの映画って、監督も主演女優も撮影も全部キミ一人でやってたの?
引っ込み思案にも程があるよ!そんなのあいちゃん本人に頼めばいいじゃん!」

あい本人に覚えがないのも当然。あの映画の主演女優はあいに変身した徹だったのだ
>ジーンで女体化して、あんな事やこんな事を
>遺伝子操作で姿がそっくりになれるという事は外見だけでなく中身も…なんてエロスぃメモリだ
キモ男が好きな女に変身するとかシチュエーション生々しすぎる
正直撮影以外でも
その身体を使って色々したんじゃないかと勘ぐらざるを得ねえ
ともあれこれで事件は解決だ、と徹を警察に連れていこうとする翔太郎でしたがティンときた亜樹子がこれに待ったをかけます
「お願い警察はちょっと待って!私に考えがあるの!」

「加頭純、なぜ私を助けるの?」
「好きだからですよ?あなたが」
「・・・こんなに気持ちのこもってない告白は初めて」
「若菜さんが主導権を握って以来、ミュージアムの計画進行度は急速に回復しています
もはやあなたでは太刀打ちできない。だから私が守ってさしあげます。財団ではなく個人の意志で

「私が・・・若菜に劣ると・・・!?」
カチュア化した若菜は視聴者が思っていたより遥かに優秀だったようで、ミュージアムの業績をあっという間に戻したとの事
冴子は番組序盤でも無能社長ぶりを見せてましたがやっぱり無能だったのね。どんだけクソ采配振るってたんだよと

イチゴのタルトをもぐもぐ頬張りながら無感動に喋る加頭の態度も冴子の苛立ちを加速させます
『耐えられない。見せつけてやらなくては・・・私という人間の価値を。その為にはまずメモリを・・・』
かくして清掃員のおばちゃんに変装した冴子は若菜の(元・自分の)社長室へ潜入
隠し金庫の中から彼女の最後の「切札」を回収し、ほくそ笑んでいた。それこそはまさしく視聴者の予想通り・・・・

>冴子「フゥ…アチィねェ?」
>冴子いいですね〜。復讐のためにプライドを捨てて戦う姿、生々しさが出て良いキャラになりました





「おい所長、なぜ俺達がこんなことをやらされる?」
「そうだそうだ!我々警察は暇じゃないんだぞ!」
「いったいどういうつもりだ亜樹子」
「だまらっしゃい!私のことは亜樹子プロデューサー、もしくは可愛らしくあきPと呼びなさい
これはね、映画作りを通じた徹君の社会復帰計画なの
みんなの協力で映画を完成させて、ガイアメモリの魔力に打ち勝つ心を育てるのよ」
後日。亜樹子は徹の社会復帰計画と称して照井や真倉、更にはウォッチャマンまで呼び出し映画撮影を敢行
もちろん監督は徹で、主演は彼の変身ではないあい本人
映画作りを通して内気な性格を改造し、あわよくばあいに告白させようというラブラブ作戦も兼ねたお節介ぶりです
「脚本は要らない所を大幅に削って90分映画に!アクション、笑い、お色気2割増しよ!」
胸元の大きく開いたワンピースでだっちゅーのポーズを決めるあいノリノリ。なにげにおっぱいでけえ
やっぱり変身した時はその身体に色々したんじゃないかと(ry

>アラ!?朝から良いパイオツですね〜
>谷間じゃ、谷間が出おったぞ!
>虹村さんになれるなら映画取る前にあのおっぱいを揉みしだくだろ常識的に・・・

タイトルも無駄に長ったらしい「ジェシカの彷徨と恍惚〜傷だらけの乙女は何故西に行ったのか〜漂流編」から
「聖戦士ジェシカ」に大胆リネーム。虫のロボットに載って海と空の間の世界で戦うんだろうか
自信満々の亜樹子ですが、脚本を弄られまくった監督のほうはどうなんでしょう。難色示すよな普通
『問題ない。脚本は無駄がなくなってよくなった』
いいのかよ。やはりノートにちっちゃい字を書き込んでの会話はやめられない徹ですが話はまとまってるみたい
「やれやれ・・・亜樹ちゃんはなんでそうまで世話を焼くんだい?」
「どこかの誰かさんと同じで、素直になれない子を放っておけないの私」

「来人と戦いましたわお父様。今までの自分と決別するために」
「頼もしい・・・本当に嬉しいよ若菜。実はお前にプレゼントを用意しているんだ
お前の為に造られた女王の証だ」
一方、園咲家では黒化著しい若菜が琉兵衛とニコニコ談笑。仰々しいアタッシュケースを渡されます
中には不思議な緑色の光を発する謎の鉱物が。若菜にはその光に見覚えがあった
「この光の輝き・・・どこかで見たような?」
「有機情報制御器官試作体・ガイアプログレッサー
これでお前は完璧になる。だがその為にはあるドーパントの協力が必要だ
ようやく探し出したよ。ジーンメモリの能力を引き出すことにかけては彼は天才だ」

緑色の光は紛れもなくエクストリームが初めて発現した時のあの・・・
まだ未完成のガイアプログレッサーが、最後の仕上げによって「何」になるのかもう丸解りです
そう言って琉兵衛が操作したパソコンに映し出されたキーパーソンは誰あろう、川相徹であった





「違う・・・これは違う・・・」
なんだかんだで皆快く協力し、順調に撮影がむ聖戦士ジェシカ」だったが、なぜか透本人は浮かない顔
監督なんだから気に入らないことがあれば声に出して言えよと。
すげえイライラします
と、そこへジーンの力を求めて徹を引き抜きに若菜が登場。前回同様人目をまったく気にすることなくクレイドールに変身する
「みんなで仲良く映画撮影なんて楽しそうね。でもお遊びはそこまでよ
さあジーン君、こちらへいらして・・・あら?こんな所で会うなんて奇遇ね来人」
「若菜さ・・・いや、姉さん・・・」
「若菜姫、フィリップの気持ちを解ってやってくれ。ミュージアムから離れるんだ」
「無理よそんなの。だって私自身がミュージアムですものウボァー!?」
「クレイドールの能力は見切った。プリズムソードは再生能力自体を斬れる」
またしても
「俺がガンダムだ!」と言って襲いかかってきた若菜でしたが、所詮はクレイドール一体
Wがエクストリームに変身するとその戦力差は歴然で、簡単に返り討ちにあってしまいます。再生能力涙目すぎる
>クレイドール唯一の武器再生能力をあっさり封じられるってエクストリームさんマジ外道
するとそんな若菜を嘲笑う声が
高らかに鳴り響き、小高い丘の上に一人の女性が現れた
「無様ね若菜。そんなことでよく自分がガンダムだなんて言えたものね
あなたをいたぶりに来たのにこれじゃ拍子抜けだわ」

言わずもがな冴子です。やたらヒーロー然とした登場シーンぱねぇ
「今見せて上げる。姉の意地を・・・・伊坂先生!」
愛する男の名を呼んで鎖骨のあたりに突き刺したのは、まさしく霧彦さんのナスカメモリ
>尻彦さんのメモリを使うのにいsあかの名前を口にするとかお前絶対忍者だろ
>井坂先生の名前を呼びながらナスカメモリ挿すシーンはちょっとした寝取られの風情を感じて興奮した
>愛人の名前を呼びながら前の夫のモノを入れるとかどんだけ
最後の朋友のコメント上手すぎる。どんだけ昼ドラだよ

真紅のナスカドーパントに変身した冴子は、霧彦さんが苦労の末会得した高速移動でいきなりファーストアタック
その超スピードはアクセルトライアルの超加速とまったく互角です。全てを振り切る速さとは何だったのか
更にはMUGENのサキエルみたいに無数のエネルギー弾を同時発射し、辺り一面を瞬く間に爆発地獄に変えるナスカ
「園咲霧彦のナスカよりも・・・強い!」
「レベル3・・・」

>尻彦さん死んでてもやっぱり踏んだり蹴ったりの回でした
>直挿し+井坂先生カスタムとはいえ初変身でレベル3とか霧彦さんの苦労はなんだったのか
>変身時に井坂の名前を呟く ・あっさりレベル3に辿り着く 二重の意味で霧彦さん涙目
>生はやっぱりすごかった・・・・でも後遺症がくるだろうな、ベルトしても使用者を蝕むくらいのメモリだし
>お姉様はナスカの変身時も直挿し&井坂先生の改造が効いていたのか、家系なのか
いきなりLv3でまたアクセルが噛ませになってしまいましたね…
それにしてもドライバ着けて体がボロボロになった霧彦さんを見ると体の不可で自滅しそうですが

フィリップが「霧彦より強い」と断言した冴子ナスカの実力。それもそのはず、彼女は元夫が到達できなかった高み・レベル3にいた
朋友コメントにもあるようにドライバーを使っていた霧彦さんと直挿しの冴子との差はもちろんあるんですが、
公式の解説を見ると
冴子がナスカとの適合値が高かったという理由もあるそうな。なるほどー
ちなみにこの赤なスカは「Rナスカ」というらしく、Rはリターンなのかリファインなのかと思ったらレッド、もしくはリベンジのRとの事
爆発の中戦う二人のライダーと二体のドーパント。亜樹子は現場に残されたカメラを取りに戻ろうとしますが、これを徹が引き止めた
「離して!せっかくみんなで撮ったシーンが!キミの大事な映画がパーになっちゃうよ!」
亜樹子の勇気ある行動は他ならぬ徹の為であったが、しかしその徹はややうつむいてノートにこう書くのだった
『あんな映像の為に危険を晒すことはない』
「あんな・・・って・・・えええ?
もしかして気に入ってなかったの!?」

コクコクと頷く徹。
どうしてこんなになるまで放っておいたんだ!
うーんロクに人とコミュニケーションも取れない人間が監督をやれば、こういう自体が発生するのは目に見えていたか
「私が余計なことしたから?みんなで撮るの嫌だった?」
泣き出しそうな亜樹子の問いにはブンブンと首を横に振る徹。
では何が気に入らないのか?
『一人で撮る。ジーンを返して』
「どうして!?なんでよおおおおおおおおお!?」
イライラする事この上ない透の真意とは?大爆発の中響き渡る亜樹子の絶叫という引きで次週へ続く!


>風都の女はことごとくDQN(一部例外あり)ということが前提なら、実は好きではなく
憎いから嫌がらせで映画を作ったというのが理由でしょうか。例えば裏では一番自分をバカにしていた、とか

かなり欝い予想ですがW脚本の今までの前科を考えると無いとは言い切れないのが何とも
これであいまで嫌な女だったら、Wの脚本もいい加減大概だよな・・・視聴者としてはネタ的にこの展開を期待してしまう


第40話

Gの可能性/あなたが許せない

「ウフフ・・・直にメモリを挿すとこんなに気分がいいなんて」
冴子の変身したR ナスカの力は瞬く間にクレイドールをフルボッコにし、ダブルライダーをも圧倒
ああん生挿入気持ちイイなどと、日曜の朝っぱらとんでもないことを口走ってます。アダルト発言自重しろ
>初っ端から生が気持ちいとか今週のWは飛ばしてますね
>冴子「生はいいわ〜生は〜」

「やめてくれ、あなただって僕の姉なんだろう?姉さん!」
「笑わせないで来人。あなたはモノなのよ。家族じゃないわ
興が削がれたわ・・・それじゃね若菜、いつどんな時でも油断しないことね」

実弟の叫びに辛辣な言葉で応え、地面に伏せた妹に捨て台詞を残して冴子はその場からトンズラ。若菜もすぐ退散します
つうか結果だけ見るとフィリップの言う通り攻撃をやめて帰ってくれているという事実。
この長女実はツンデレか
「無理だ・・・彼女達の目を覚まさせるのは・・・!」
まるで自分の言葉を聞き入れない姉ちゃんズ。この二人を説得することは不可能だと悟ったフィリップは力なく膝をつくしかない
一方、前回「ジーンを返して」と言い出した透を必死に説得する亜樹子は、ここで初めて自分が大きな勘違いをしていたことを知る
「ジーンなんかなくたってみんなの協力で映画は作れるよ!あいちゃんにだって想いを伝え・・・」
【勘違いしないで。彼女に恋愛感情はない】
「えええええええええええそうだったの!?」

根本から透の動機を誤解していた亜樹子ではあったが、あの内向的な性格を改善するにはやはり映画を作り続けるしかない
めげずに再びメンバーらを招集し、映画作りを再開する亜樹子を見てフィリップは首を横に振る
「無理だ亜樹ちゃん・・・川相透を変えるなんて絶対に不可能だ」
亜樹子の頑張りもまったく意に介さず「メモリを返して」などとぬかす透に、自分の説得を聞き入れない2人の姉を重ね見ているのか
しかし最初から諦めきっているフィリップに対し、相棒翔太郎だけはその考えを否定するのだった

「フィリップ・・・お前まだ解っちゃいねえな。俺達の所長サマの凄さをよ」

「油断するなって言ったそばから・・・本当にあなたは成長しないわね若菜」
「くっ・・・!あなたは過去の男達に縛られた亡霊よ!」
「クレイドールなんて護身しか能のない
オモチャみたいなメモリ
しか与えられなかったあなたに・・・大人の女の何が解るって言うの?」

一方。撮影現場からはあっさり引いてくれた冴子でしたが、すぐにきびすを返すと会社屋上に一人でいた若菜を強襲
まさに冴子の言葉通り、護身能力しか能のないクレイドールではRナスカには手も足も出ずフルボッコにされてしまいます

まさに唯一の取り柄の再生能力で命からがら逃げ伸びた若菜は、例のガイアプログレッサーに全てを託すしかない
「ハァ・・・ハァ・・・・認めるしかない・・・半端な覚悟ではあの人の執念には勝てない・・・
この光は・・・?そうか・・・そういうことだったのね。ジーンのメモリがあればそれが可能!」

なんかドロドロヌチャヌチャの粘液を引いてるガイアプログレッサーを見て激しく興奮する若菜
どうやらその緑色の発光が以前どこで見たものかを思い出したようで、それによってジーンの使い方もピンときたようです





「竜くん、次のカットジェシカと案山子のキスシーンに変えるから
だってほらさ、透君をもっと刺激しないと!」
「なん・・・だと・・・?監督は彼女に恋愛感情はないと言っていたハズだが」
「恋する男はみんなそう言うのよ。さあ振りきれ!ガバーっとブチューっと!」
「絶望が・・・俺のゴールだ!」

一方撮影を再開した映画チームでしたが、乗り気を見せない透の為に相変わらず亜樹子Pが要らんことをしまくり
キスシーンを恥ずかしがった照井が
猛ダッシュで逃走するなど現場はカオスの様相を呈します
あまつさえ「あきPと二人っきりで話がある」と透から持ちかけられると「実は本命は私だったの?」等と壮絶な勘違い
どう見てもジーンを取り返したいだけです。本当にありがとうございました
かくしてまんまとジーンを奪われてしまうアホなあきP。しかもそこへバッドタイミングでやってきた若菜が彼を誘拐してしまう

「う・・・ん・・・ここは・・・?」
「映画を撮りたいんでしょう?私の頼みを聞いてくれたらここを好きに使っていいわよ
あなたの能力でコレを私の身体の隅々まで融合させなさい
二度と離れないようにね

断れば命はないわ。こんな簡単な二択を間違える人間はいないわよね?」
風都の映画スタジオで目を覚ました透の眼前には、ガイアプログレッサーを持った若菜が
スタジオ使用云々は別としても、断れば命はないと言われてしまったらそりゃ従うしかありません
ていうかコレ加工してエクストリームみたいな変身触媒にするんじゃなく、
直に身体に混ぜるのかよ
細胞融合と言えば物質転送機にハエと一緒に入ってしまった男性がハエ男になるホラー映画「ザ・フライ」が有名ですが
こんなドロドロヌチャヌチャの緑色と融合するとか勇気ありすぎる
若菜「ワタシハ 外道スライム コンゴトモヨロシク」
とか合体後に言い出したら神展開なんだが。そんなこんなで美女とヌルグチャ禁断の悪魔合身が行われます。ズキューン

「透君!若菜姫!・・・な、なんなの・・・この光!?」
「フフフ・・・エステのようなものよ。私をミュージアムの女王にする為のね」
やや遅れて二人を追ってきた亜樹子がスタジオに押し入るも時既に時間切れ。悪魔合身は済んだ後だった
若菜が自らの能力を強化させたことと、その為に透がジーンの力を使って協力したことを知った亜樹子はついにプッツン
今まで優しく接していた透に伝家の宝刀スリッパツッコミを叩き込むと、
なんと返す刀でクレイドールドーパントの頭をも叩きつけます
「何がミュージアムの女王よ・・・どいつもこいつも流されてばっかで・・・
それが本当にアンタ達のやりたいことなの?
透君は映画が撮りたいんでしょ?自分の意志はどこいったの?それ見せてよ!
若菜姫もだよ!本当の若菜姫は・・・
今もフィリップ君が大好きな若菜姫はッ!
風都のみんなに130%の元気をくれる歌姫だよ!
お願い・・・あなたも心を開いて!」

怪人を恐れることなくブン殴り、その心底に響く言葉で説得を試みる亜樹子
それは自分の身を省みぬ勇気と、そして何よりも
心から相手を心配する優しさあって成せる業

今までもちょくちょくカッコいいシーンはありましたが、これだけ亜樹子メインの見せ場は第10話以来でしょうか
その迫力と思いやりに二人はしばらく絶句したままでしたが、やがて若菜が腹から搾り出すような声で答えた
「・・・・言ったハズよ。ミュージアムの女王になると。”姫”はもう卒業よ」
同時にクレイドールから発せられるまばゆい閃光と凄まじい風圧。亜樹子は吹き飛ばされぬよう近くの柱にしがみつきながら叫ぶ
「透君逃げて!早くみんなに報せて!」
透は一目散にその場から走りだした。無論亜樹子を置いて逃げたのではない。一刻も早く彼女を助けるために、である





「おうどこ行ってたんだ監督。あきPはどうした?」
「・・・まさか所長に何かあったのか?」
「川相君ってば!黙ってる場合じゃないよ!なんとか言って!」

撮影現場に戻った透は亜樹子のピンチを伝えようとするが、彼のコミュニケーション手段であるメモ帳とペンがない
オロオロするばかりの透をあいちゃんがガックンガックン激しく揺さぶると、ここで亜樹子の言葉が彼を突き動かした
”自分の意志はどこ言ったの!?それ見せてよ!”
「・・・ああぁあああ!いい加減にしてよ虹村さん!君は元気よすぎるんだって!
ジェシカはもっとダークな雰囲気の女性なんだよ・・・って・・・・言えた・・・自分の・・・口で」

「え、ちょ・・・私に伝えたかったのってそんな事だったの?」
「う、うん。ジーンで勝手に変身したりしてゴメン」

気に入らなかったのそこかよ!それくらい撮影中に言えと。口下手っていうか監督失格じゃねーか
まぁしょうもなさはともかくとして、ついに自分の言葉であいに意志を伝えた透。この事実にフィリップは目を見開きます
「川相透が変わった・・・・?亜樹ちゃんが・・・変えた!」
最初から諦めていたら何もできはしない。翔太郎は知っていたのだ
亜樹子の類稀なるポジティブさは、どんな苦難や挫折をも乗り越え必ず依頼者に笑顔をもたらす力になることを
翔太郎達はすぐさま亜樹子を助ける為に現場へ急行。そこにはパワーアップを終えたばかりのクレイドールドーパントがいた

「ジーンの力でクレイドールの新たな力を加えたのか?」
「正解よ来人。たった今なじんだばかり」

なじむッ!ガイアプログレッサーは実になじむぞッと最高にハイになってる若菜
ここから今週のバトルシーンに突入し、また若菜をボコろうとやってきた冴子も高台に登場。役者が全員出揃いました
「ウフフフ・・・私変わったの来人。今見せてあげる。お姉さまもそこで見てなさいな
エクストリィィィィィィム!!!」
クレイドールの身体に一直線にヒビが入り、パキパキと音を立ててその身体が割れていく
”女王”の誕生を感じ取ったのか、同じ頃琉兵衛と加頭が「全て知ってる奴」同士の会話を交わしていた
「クレイドール・・・すなわち土人形とは古来より人間が神へ祈りを込める器として創りだしたもの
それを究めた今だからこそ、
若菜は地球という神の巫女たり得る
Wとの戦いがいいデータになった。今まで泳がせていた甲斐があったというものだ」
「クレイドールエクストリーム・・・最初から若菜さんを神の巫女してお選びに?」
「ああ。君が冴子を焚きつけてくれたおかげで若菜にも火がついた。礼を言う」

ミュージアムの敵であるWを今まで自分から倒そうとしなかったことも。加頭が冴子を抱き込んだことですら
何から何まで琉兵衛の描いた若菜覚醒のシナリオだったという事実
>何で若菜のメモリは土偶なんだろうって前から疑問だったけど、
神の力を得るための憑代ってことだったんですね
>実際にクレイドール(土偶)は女性や妊婦の姿が多く、子宝や安産のお守りと聞きます
子供を産む神秘の力→生命を産み出す大地の信仰となったとか
再生能力だけでなく御子としての意味でも納得できる設定ですね
>何もかもがお父様の手のひらの上のことだったとは
>風都はメモリの実験室だったわけか。Wも冴子も、みんな上手いこと利用されてただけだったんだなあ
しかし――冴子も何らかの道具として利用されてるだけな気がしてならない

琉兵衛のラスボスとしての格を思い知らされる演出。でもラスボスって琉兵衛じゃなく覚醒した若菜になんのかな?どっちだろ
それはともかくクレイドールの殻は真っ二つに裂け、中からミュージアムの真の女王が姿を現します





「な・・・なんだこのバケモノは!圧倒的すぎる!」
「くっ!これがクレイドールの・・・若菜の真の力?」
グオゴゴゴゴ!と出現したのは巨大に、かつ禍々しく変貌を遂げたクレイドールドーパント
ぎゅいーんと伸ばしたパンチ一発でRナスカを吹き飛ばし、冴子をビビらせて撤退させます。どんだけー
「クレイドール・・・・お父様は最初から若菜に最強のメモリを与えていたのね
でも見てなさい若菜。きっとあなたをその玉座から引きずり下ろしてみせるわ」

クレイドールはオモチャのメモリに非ず。最初からミュージアム最強のメモリだった
それにしてもなるほど、土偶=神への祈りの器という捉え方をすると確かにすごい特別なメモリに感じます。いい設定だ
まさにミュージアムという「悪の組織」の女王に相応しい、貫禄と強さを持ち合わせた怪物の誕生です
不気味で恐ろしいBGMに加え、若菜の声も野太くなっててマジ怖い
ひとしきり暴れた後、一際巨大な破壊弾を撃って高笑いしながら次元の狭間に去っていくクレイドールドーパント
4つのメモリの力を全て防御に回したシールドでなんとか耐えしのいだWとアクセルでしたが、その強さに呆然と立ち尽くすしかない
「これ・・・もう要りません。今の僕には仲間がいるし」
やたら爽やかな笑顔でジーンメモリを壊してくれと直訴する透。そこにはあの内向的な青年はもういない
透はこの事件以来男として成長し、あいやシネコンの仲間達と映画を撮り始めていくことになる。めでたしめでたし

>即効でジーンメモリ破壊してましたが、
エクストリームで中和させてジーンで若菜姫から抜き去るって選択肢はなかったのかな?
>ジーンメモリ破壊しちゃいましたね・・・
てっきりもう一度ジーンの能力でクレイドールからエクストリームを引き剥がすんだと思ってたんですが

そしてその日。クレイドールの秘密を探る為地球の本棚にアクセスしていたフィリップは、なんとそこで若菜と出会う
「クレイドールエクストリーム・・・あれは一体・・・・ハッ!?どうしてここに!」
「あなた達と同じ力よ?来人、これからはここで会えるわね
まだあなたのように本を読むことも手に取ることもできないけど・・・いずれ・・・ウフフ」

エクストリームの力はただ戦闘力を強化させただけにとどまらず、若菜に地球の本田にアクセスする力まで与えていた
現段階ではその力はまだフィリップに遠く及ばないようですが、時間が解決するとのことです。万能すぎる
「若菜さん、僕は今でもあなたのことを大切な家族だと思っている
だから僕は諦めない!必ずあなたを救う!
僕は・・・僕の家族を取り戻す!」

「バカな子・・・地球一頭がいいクセに」
最初から諦めていたら何もできっこない
誠意
ある説得で透を生まれ変わらせることに成功した亜樹子を見習い、フィリップもまた若菜を諦めないことを誓うのだった

でもってラスト。無事今回の事件が解決してほっこりしている鳴海探偵事務所に、鬼気迫る表情の照井が現れた
「あの時逃げてしまった自分が許せない・・・覚悟を決めてきたぞあきP
研究を重ねてきた。
どんなキスシーンでも受けて立つ!
今度こそ振り切るぜ!いや振り切らせてください!」
>照井・・・、戦闘で役に立たないからってオチ担当に・・・
>もう完全にギャグキャラだな寺井・・・・人間丸くなっちゃ駄目なのか
>照井さん…復讐という鎖から解き放たれたらすっかりギャグキャラが染み付いて…

なんかおかしな方向にスイッチが入ってしまった照井
いきなり亜樹子を抱き寄せてキスしようとしますが、それを翔太郎が止めると今度は翔太郎を抱き寄せます
誰でもいいんかい!と視聴者が突っ込む間もなく
濃厚なベーゼを交わす翔太郎×照井
そんな衝撃のシーンを見てフィリップがニヤニヤ笑ってるという、実に腐女子受けしそうなラストで次週へ続く!


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