第十二話「エジプト浸入」
ダァ―――ンダァ―――ン!
ダダダダダダダダダダダダダダ!!!
けたたましい銃声響き渡るは紅華会上海支部。元・青幇の本拠地であった場所でもある
突如として蜂起した青幇残党の討ち入りにより、建物内部は血しぶき飛び交う修羅場と化していた
作戦司令室で歯軋りするは、上海支部を預かる”カッパの電”こと電親分
カッパの電 「うっくく!何をしてる!まだ反乱分子は鎮圧できんのか!
何故だ・・・何故今頃になって青幇の残党供が蜂起しやがったんだ」
手下1 「たっ・・・大変です親分!もうすぐ下の階まで手勢が!
い、いえ!そんな事よりも・・・・ヤツら・・・ヤツらの中に!」
カッパの電 「ヤツらの中に!?落ちつけ!なんだ、何がいたって言うんだ!」
手下1 「ヤツら!つらつら!つららららぁぁああああッ!?」
ボバァン!ビシャビシャッ!
不自然に膨れ上がった身体が、そう――――まるで風船のように爆ぜた
部下の返り血を浴びて呆然とする電親分。目の前で起こったスプラッタ現象、そしてそれによって思い出される5年前の記憶
これは・・・・まさかまさかまさか・・・北斗神拳!? ――――閻王ッ!
カッパの電 「ひ・・・・ひえ―――!!おい!逃げるぞお前等!
屋上のヘリはすぐに飛びたてるだろうな!ああ!?」
のび犬 「ヘリですか?それは無理ですねぇ親分」
メガドラ 「今頃パイロットは地獄で寝ぼけてるからな」
カッパの電 「ひ!はひゃへ―――――!!?いつの間にぃ!?
って! き・・・・貴様は・・・・は・・は・・・潘!?」
潘 「よう電・・・・久しぶりだな。
俺のいない間、留守番しててくれてありがとうよ
今日はお前に褒美をくれるために来てやったぜ・・・・・」
屋上のヘリポートから脱出を試みた電親分であったが、既に退路は断たれていた
そして5年ぶりに姿を現した旧敵・潘光琳。 これで全てを理解した電親分
カッパの電 「や、やあ兄弟!いつ出てきたんだ?
知ってれば迎えの車くらい用意したのに!
・・・・ところで褒美って何かな?あは・・あはは」
潘 「お前好きだったよなぁ?鉛玉 ・・・たっぷり食らいやがれ!」
ガァ――――――ン!
耳をつんざく銃声!しかし・・・・・
先にトリガーを引いたのは潘ではなく、恐怖にかられた電親分
しかし割って入った大男二人が身をていして潘の盾になる!
ダラちゃん 「ふん・・・銃が小さすぎる。俺を殺りたきゃ45径でも持って来るんだな」
イグラちゃん 「ハーイチャーンバブー!!」
カッパの電 「バッ・・・・バケモノか・・・ た 頼む潘!
後生だ!命だけはどうか助けてくれ!」
一体さん 「ダメだな」
ニイ イ チン ス ラ
一体さん 「称己径死了」
(お前はもう死んでいる)
ドパァッ!パラパラ・・・・・
紅華会・上海支部頭目 電 『死亡』
青幇1 「潘親分!生きていると信じてたぜ!」
青幇2 「さあ潘親分!今こそ青幇復活の名乗りを!」
歓喜に沸く男達の前に姿を現す潘
潘 「長いこと待たせたな朋友達よ!
これが反撃の狼煙だ・・・紅華会を叩き潰すぞ!」
ワアアアアアアアアアアア!!!
男達の歓声はいつまでも止む事がなかった。ついに紅華会への反撃が始まるのだ!
〜 翌日 上海・青幇本拠地 〜
潘 「・・・と、一体達のおかげで上海をこの手に取り戻し
地下に潜っていた朋友達も再び結集しつつある・・・だが・・・
それでも現在の我々と紅華会の戦力差は圧倒的だ
プレステ2とDCのシェアくらいの差があると思っていい」
シンエモン 「プレステ2とDC・・・
そいつは差があるなんてモンじゃないでござるな」
潘を中心に作戦会議室に集まった面々
数名の幹部達と、あとは一体さん一行&ダラちゃんイグラちゃんだ
潘 「上海を落とした以上、ヤツらも本気で俺達を潰しに来るだろう
しかし今話した通り、いかんせん物量で俺達は圧倒的不利
持久戦になったら間違いなく負けるのは目に見えてる・・・ならば」
のび犬 「超急戦・・・・速攻でアタマを叩く・・・」
潘 「そうだ 大型飛空挺に我々の精鋭戦力すべてを積めこみ
カイロ上空から直接本拠地を攻める。俺達が勝つにはこれしかない
しかし・・・この作戦には愚策も甚だしい。エジプトはヤツらの本拠地
空からの奇襲に対して備えは万全だ
カイロの対空能力は世界No1と言っても過言ではない・・・
飛空挺1隻で制空圏に入れば一巻の終わりだ」
メガドラ 「なるほど そこで俺達の出番ってワケですか」
潘 「あぁ 一体達は陸路で秘密裏にカイロに浸入してもらい
領内の紅華会軍事施設の破壊工作をしてもらう。
対空能力無効化と同時に飛空挺が空から攻めこむという寸法だ
少数で敵地のド真中にのりこむ危険な任務だ 命の保証はない」
一体さん 「フッ・・・映画みたいでカッコイイじゃねえか・・・
任せろ潘 この任務必ず遂行してみせるぜ」
潘 「すまない・・・・・みんなの命をくれ」
”ババッ!”
潘が全員に向けて敬礼を取る
それを受けて全員も潘に敬礼を返す
いざ死線に赴かん魂の漢達
すべては友のため、愛する者のため
闘う宿命の超戦士!
会議が終り、みなが続々と席を立ち部屋を出ていった後
最後に一体さんを呼びとめる潘
懐からなにやら一枚のカードを取り出します
”シャッ”
”パシッ”
一体さん 「・・・このカードは・・・!」
潘 「一体、それをお前に預けておく
いずれもっと強く、もっと大きな力で闘う時がくる」
翌日――――エジプトへ向かうメンバー4人が召集された
一体さん・シンエモン・のび犬・メガドラである
ダラちゃん&イグラちゃんは本拠地の戦力として上海に残ることとなった
潘 「青幇四勇姿前へ!」
ダラちゃん 「おおっこれは!」
バ――――――――――ン
イグラちゃん「ま 真っ白いガクラン・・・!」
潘 「青幇白殲ラン!
これから戦士として死地に赴く者だけに着用が許される
青幇伝統の由緒あるガクランだ!」
一体さん 「フッフフ・・・何を言ってやがる 要するに死に装束だろ」
シンエモン 「言えてるでござるな」
のび犬 「こんな格好でエジプトに入ったらすぐに青幇だってバレるわな」
潘 「ハハまぁ壮行式だけの着用さ。組織ってのは儀式を重んじるものだからな
それと実は浸入メンバーにもう一人加えたい男がいるんだが・・・
・・・・・・きたまえ!」
”ザッ”
潘に呼ばれて一人の男が前に出てきた
一体さん 「お・・・お前はッ・・・・
だま!!」
シンエモン 「あんですと――――――!?」
バ――――――――ン!!
だま 「にゃにゃにゃーにゃにゃにゃー!
(よろしくお願いしますにゃ!皆さん!)
一体さん達の前に現れた男
それはダラちゃん&イグラちゃんの弟分、猫のだまだった
いっちょ前に白殲ランを着こんでいる。お前はなめ猫か
のび犬 「親分、いくらなんでも冗談がすぎますよ。
だまを連れていっても足手まといになるだけです」
潘 「ふふ・・・そう思うかのび犬
だまが役に立たないかどうか・・・試しにに攻撃を仕掛けてみろ」
のび犬 「・・・攻撃って・・・・どうなっても知りませんよ?」
”ザッ・・・”
深く身を沈めて構えるのび犬。
そう、彼はグラップラー。いざ闘うとなれば相手が誰であろうと手加減はしないのだ
のび犬 「しゃおうッッ!!」
のび犬が仕掛けたその瞬間であった
ザザザザザザザザザザザァ――――ッ
なにィ!?
なんだコレは!だまの周囲を取り巻く・・・これは・・・砂?
そう砂のスタンドッ!! だまはスタンド使いとして成長していたのだッ!
スタンド名「ザ・サンシャイン」!
変幻自在に姿を変え敵を倒す砂のスタンドだ!
ギャ――――――――ン!
たちまち砂に絡め取られてしまうのび犬の貫手
押しても引っ張ってもビクともしません
一体さん 「ほほう・・・見事だ」
メガドラ 「これはこれは」
潘 「ふふふ・・・勝負ありだな のび犬
これが実戦ならお前はだまに殺されてるぞ?」
のび犬 「っくく・・・負けました・・・・やるな、だま」
シンエモン 「うむ。だまの浸入メンバー入り、拙者は了承でござるよ」
だま 「にゃにゃにゃにゃーにゃにゃにゃにゃにゃー!
(ありがとうございます!粉骨砕身の覚悟で頑張りますにゃ!
ちなみに好物はコーヒー味のチューイングガムですにゃー!)
エジプト浸入の超戦士達に新たなる仲間が加わった
スタンド使い猫 だま
四人と一匹の長く壮絶な戦いが今ゆっくりと幕を明けようとしていた
次回予告
ついにエジプトへ侵入した一体さん一行
紅華会の本拠地で繰り広げられる超戦士達の熱き戦い
悪のグラップラー達に正義の鉄拳を叩き込め!
次回!一体さん第13話
「熱砂のプライド」
次回もサービスサービスぅ!