ドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!
黒光りする雄雄しき機影。しゃれこうべに蓮の花の馬印ががカイロの空にたなびく
絶体絶命の北斗を救った謎の巨大戦艦。なんとそれは大日本帝国将軍、溥儀の援軍であった
(BGM:スーパーロボット大戦α外伝メインテーマ「鋼鉄の救世主」)
シンエモン 「空中戦艦ラストエンペラー!完成したでござるか!」
溥儀 「フフ・・・驚いているようだな。閻王!シンエモン!
ビットモビルスーツの相手は我等に任せい!」
一体さん 「溥儀!チクショウやってくれるぜあのヤロウ!」
ミスターX 「ほほう。これはとんだイレギュラーが発生したものだ
まぁこうでなくなくては面白くないがな・・・・
さあ一体、そして潘よ。お前達の抵抗を見せてみろ!」
北斗の前方に集まっていたせんこーしゃが散開した
先の砲撃を警戒し、ラストエンペラーに対して戦闘態勢を取る
ダラちゃん 「親分!巨大戦艦より入電!
”こちら大日本帝国軍・第1機動艦隊旗艦ラストエンペラー
朋友閻王との義により貴艦を援護する
全速で安全空域まで後退されたし”
です!・・・・・・親分ッ!!」
潘 「うむ、神風が吹いたかッ 北斗全速後退!
グラップラー各員はそのまま待機!火線が途切れ次第降下開始する!
それとラストエンペラーに感謝の意を!」
イグラちゃん「ハーイチャーンバブー!
(既に返信済みであります!それにしてもなんて凄い戦艦なんだ
土壇場でこんな心強い援軍が来てくれるなんて・・・・
これも一体さんの人徳のおかげですね)
潘 「朋友とはかくありたいものだな
運が昇っている時は人はみな友達面して寄ってくる
しかし本当の友とは例え日頃疎遠であっても
難儀の時にこそひょっこり現れ救いの手を差し伸べてくれるものよ」
溥儀 「対光学兵器防御フィールド展開!全砲門開け!
攻撃目標、紅華会ビットモビルスーツ!
・・・皆の者聞け!このいくさは世界の命運を賭けた大いくさぞ!
ラストエンペラーの力見せつけよ!世界を救う正義の剣となるのだ!」
バシャバシャバシャバシャバシャ! ガコォン!
甲板上の砲門の他、隔壁に内蔵されている砲門も次々と姿を現す
空中戦艦ラストエンペラー、完全戦闘態勢である
溥儀 「撃てェ―――――――ッ!!!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!
カイロの空を埋め尽くす紅い閃光と白煙。史上最大の空中決戦が幕を開けた
7機のせんこーしゃはラストエンペラーに襲いかかる。北斗は安全空域まで後退できそうだ
一体さん 「感謝するぜ溥儀・・・お前は最高の朋友だ
いくぞシンエモン!のび犬!メガドラ!だま!
ザコ供をとっとと片付けて俺達は俺達の仕事を成す!」
シンエモン 「委細承知!いよいよ本丸取りでござるな!」
一体さん 「ああ!ジョニー・ザ・ダイナマイトを叩く!」
第15話 「超戦士決死線」
ズバババババババババッ!
一体さんの掌から放たれた真空の刃が次々と敵を切り裂く!
前大戦中は忍空組13番隊隊長として戦場を駆けた一体さん。その力は一人で一個大隊に相当する
そんな絶対無敵4人+1匹の超戦士。しかし敵の本丸ジョニー・ザ・ダイナマイトを目の前にして思わぬ足止めを強いられていた
のび犬 「だま!俺の後ろを守れ!俺はおめーの後ろだッ!
伸びろ!のび犬スティンガ―――ッッ!!」
だま 「にゃーにゃにゃにゃにゃー!!」
(了解!うなれサンシャインマグナムッ!!)
ズシャアアアアアア―――ッ!!!
ドドドドドドドドドドドドドドドド!!!
二人の半径10mにいたグラップラー達がボロ雑巾と化す。その様はさしずめ死のハリケーン
メガドラの前に立ふさがった男達は一瞬でその鉄拳に吹き飛ばされアゴまで砕かれて失神した
メガドラ 「くそッ!これで何人倒した!?あとから沸いてきやがる!」
シンエモン 「一文字流斬岩剣奥義・烈風剣!さすがに凄い抵抗でござる!」
盛大に噴き上がる血の噴水。シンエモンの剣閃は触れずとも敵を切り裂く威力を秘めている
終始ザコ供を圧倒する一体さん一行。しかしながら見た目ほど余裕で戦っているわけではなかった
ランクを持たないザコとはいえ紅華会のグラップラー。少しでも気を抜けば死角から必殺の一撃が飛んでくる
360度から襲いくる敵を相手に、僅かながら各々疲労の色が見え始めていた
ミスターX 「クックック・・・頃合か。第2部隊出撃!
本艦には最低人数を残せばよい
C〜Aランクグラップラーは全員撃って出よ!」
ガコォン!
ジョニー・ザ・ダイナマイトのハッチが開き、中から屈強な男達が現れた。なんという事か
ここにおいて更に増援を出撃させる紅華会。それもAランクグラップラーまで全員の出血大サービス
北斗の援軍が降下するまではまだ時間がかかる。果たしてそれまで持ちこたえられるか?
のび犬 「ちっ!マズイぞ一体さん!あいつら新手だ!」
一体さん 「わかってる!しかしこうも攻められては退くこともできん!
・・・・ちょいとばかり厳しい展開になってきやがったか」
??? 「おやおや。これはまた貴方達らしくない弱音ですね」
ズキュ―――――――ン!!!
ド ド ド ド ド ドッ!
突然響き渡った謎の声。そして直後の銃声。一瞬で6人のグラップラーが頭から血を流して倒れこんだ
しかし聞こえた銃声はたった一発だったはず。それで何故6人も同時に?否!そうこれは・・・
一体さん 「こ・・・これは伝説の早撃ちシックス・オン・ワン!
この銃技を撃てる男はこの世にただ一人!」
シンエモン 「お・・・お主はッ・・・・北城トオル!!」
北城トオル 「フッ久しぶりですね。あの時の借りを返しにきましたよ」
戦場を切り裂く6発の流星。百発百中の精度で次々と敵を倒していく
一体さん達の前に現れた頼もしき助っ人。それは元紅華会S級グラップラー・北城トオルであった
その瞳には正義の炎が熱く燃えている
北城トオル 「貴方と闘ってグラップラーという物が何なのか改めて考え直しました
・・・・私も共に闘いますよ、世界の平和の為に。シンエモン筆頭殿!」
シンエモン 「!?北城・・・お主いま拙者を”筆頭”と呼んだか?すると!」
紅華会ザコ 「なんだ貴様等ァ!たかが1人増えただけで何をいきまいてやがる!
こっちの圧倒的優勢は変わらねえん・・・・・ぐぱッ!?」
??? 「1人じゃねえぜ―――ッッ!!」
BGM:サクラ大戦3「御旗の下に」
どぱぁッ!!!
謎の声が聞こえたと同時に数人のザコが謎の斬撃を食らって絶命
更に間髪入れず轟音が鳴り響き、十数人が爆発とともに吹き飛ばされた。遠距離からの砲撃である
火線の走ったのは北城が立っていた岸壁の方向。そこには颯爽と立つ5人の男達の姿が!
男達 「久しぶりですね筆頭殿、閻王殿。及ばずながらお手伝いしますよ」
シンエモン 「お前達・・・そうかお前達もエジプトへ!」
男達 「常に上様に付き従い・・・・・・
将軍家、ひいては世界平和に仇名す輩を打ち倒す事!
それが神罰の地上代行人たる我等のお役目。そうでしょう?」
紅華会ザコ 「何だか知らねえが・・・ちっとばかり頭数が増えたから何だってんだ
まとめて叩き潰してやらあ!死ねやコラ―――ッ!!」
ババッ!
ザコ供が飛びかかると同時に散開する5人の影
その中の1人、シルクハットに黒マントの男が目にも留まらぬ速さでトランプを投てき。カードは手裏剣のように敵に突き刺さる!
へりが刃物のように研ぎ澄まされた特別製のトランプである。これぞヘルズマジック「ゾリンゲンカード」!
「人は私をヘルズマジシャンと呼びます」
二の槍”地獄の魔術師(ヘルズマジシャン)” 男爵ぴーの!
紅華会ザコ達の動きがピタリと止まる。否。動こうにも動けないのだ
彼等の周囲はいつの間にか無数の鋼線が張り巡らされ、完全に動きを封じられていた
これぞ超忍法・千条結界陣の術!その華麗なる業、見切るすべは無し
「どうだいミーの忍術の味は?アンビリーバボーだろう。ニンニン」
三の槍”宇宙統一忍者流” 忍者ハッタリくん!
ドッゴオオオオオオオオン!!
ゴミのように吹き飛ばされるザコ達。大口径キャノン砲を背負った巨躯の男が立ち尽くす
大重量の大砲を背負って縦横無尽に戦場を駆ける男。その内に秘めたパワーは計り知れない
「グオゴゴゴ!さあ次に死にたいヤツはどいつだ!」
四の槍”地獄の砲弾” レオンハルト!
男に襲いかかったザコは凄まじい熱を感じて後ずさりする。なんだこの温度・・・異常だ!
そう思った直後、彼の身体は灼熱の炎でこの世から消え去っていた
この世の始まりを包んでいた原始の炎。「始まり」を意味するタロットナンバー1のカード!
「占い師のわたしに予言で闘おうとは。10年は早いんじゃないかな?」
五の槍”炎の占い師” あぶどぅる!
おもむろに己の左腕を掴む北城。すっと力を込めると・・・カシャンッ!
なんと!シンエモンに斬り落とされた左腕は義手に!そしてその腕には!
キュイイイイイイ・・・・・・・ゴバァッ!!!
一条の閃光が戦場を真っ二つに切り裂く!一瞬にして生と死の境界線を越える紅華会ザコ供
「どうですか・・・このサイコガンの破壊力は」
六の槍・元紅華会S級グラップラー”魔弾の射手” 北城トオル!
瞬く間に屍の山を積み上げる5人の男達。その戦闘力は紅華会グラップラーを遥かに凌駕している
恐怖に震えるザコ供と、それとは対照的に僅かに口元を緩めて呟く一体さん一行
一体さん 「ふふふ・・・まったくとんでもない奴等がエジプトに来たようだな」
紅華会ザコ 「バカな・・・1人1人の戦闘力がS級・・・いやそれ以上!
お前等はいったい・・・・いったい何者だぁあああ!!?」
男達 「命あるところ!正義の雄叫びあり!」
男達 「溥儀禁衛隊!見参!!」
のび犬 「溥儀禁衛隊!1人の戦闘力が一個師団に相当するという
日本帝国軍最強の私設グラップラー部隊!!」
メガドラ 「全員集合した姿をこの目で拝めるとはな。すげえ迫力だぜ」
男爵ぴーの「閻王殿、筆頭殿!道は我等が切り開きます。貴方達は本丸を!」
北城トオル 「ダイナマイトは核融合エンジン!艦を破壊することはできません!
精鋭で乗り込み、中にいるミスターXを叩いてこの戦いは決着です
艦内の案内は私が!首領室まで一気に駆け抜けますよ!」
再び散開する禁衛隊。敵陣を真っ二つに切り裂きながらジョニーザダイナマイトへの道を開く
更に降下に成功した青幇のグラップラー隊が続々と戦線に加わり、見る見る紅華会の前線が後退していく
潘 「行け一体!オリパを倒せるのはお前しかいない!
お前等が帰ってくる場所は俺達が作っておくさ!」
ダラちゃん 「頼みますよ一体さん!我等の命貴方に賭けます!」
イグラちゃん「ハーイチャーンバブー!
(力無き者達が安心して暮らせる世界を!)
一体さん 「ああ任しときな!出来の悪い兄弟子にお灸据えてくらあ!
禁衛隊!地獄の一丁目までエスコート頼むぜ!」
いざ闘え荒ぶる超戦士達
その拳に正義を怒りを込めて
悪の居城を突き崩せ
今、最後の戦いの時!
オオオオオオオオオオオオオ!!
北城トオル 「最短距離を真っ直ぐに!正面ハッチから突入しますよ!」
だま 「にゃにゃにゃーにゃーにゃーにゃー!
(見えたッス!ぶち抜けサンシャインマグナム!)
サンシャイン発動!!必殺のサンシャインマグナムをハッチに向けて撃ち込む!
ドドドドドドドドドドッ!・・・・ぬう!?ハッチは傷一つついていない!
幾層にも重ねた鋼鉄の隔壁をも破壊するマグナム弾が効かない!なんという強度か
シンエモン 「さがれだま!ここは拙者の出番だ!
けええ―――いッッ!!」
飛び出したシンエモン。猛烈な踏み込みから一息でその太刀を抜く!
シュパァ――――ン!!
凄絶な抜刀。一瞬その場が戦場であることも忘れてしまうような沈黙
それはほんの刹那のことであったが、まさに時が止まったような感覚であった
チィン・・・・
鞘に剣を納めたシンエモンが目を見開く
シンエモン 「一文字流斬岩剣!この世に斬れぬ物はなし!」
ズズズズッ・・・・・ガコォオオオオン!!
真っ二つに切り裂かれたハッチは轟音とともに崩れ落ちた
日本を立ってから3週間。一体さんは一行はいよいよ敵の本丸へ乗り込むのだ
世界の命運を賭けた戦いに終止符を打つために
一体さん 「待たせたなオリパ・・・
5年前のケリをつけてやるぜ」
TO BE CONTINUED・・・
次回予告!
ジョニーザダイナマイトへと乗り込んだ一体さん達!
一直線に首領室へと走る戦士達の前に紅華会四天王を名乗る敵が立ちはだかる!
デッド・オア・ライブ 熱き超戦士達、最後の戦いが始まる
次回!一体さん第16話!
「人か化物か」
今、そのトリガーを引け!一体さん!